JP5727351B2 - 車両通行判定装置、交通信号制御装置、コンピュータプログラム、車両通行判定方法、及び交通信号制御方法 - Google Patents
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このうち、後者の交通感応制御は、端末の交通信号制御機ごとに行う端末感応制御と、路線系統制御或いは面制御される複数の交差点を対象に信号制御パラメータを変化させる中央感応制御に分類される。
かかる中央感応制御では、車両感知器情報に基づいてその時の交通状態に最適な一つのプログラムを選択するプログラム選択制御や、車両感知器情報に基づいてオンラインで信号制御パラメータや信号表示の切り替えタイミングを決定するプログラム形成制御を行うことにより、交通処理効率の向上を目指している(非特許文献1参照)。
そこで、前記中央感応制御を行う交通管制センターにおいて、災害現場からの通報等により災害情報を入手することによって、通行が困難な道路区間に車両が流入するのを規制する交通規制制御(流入規制制御)を行うことができる。しかし、大規模災害時には、車両通行が困難な道路区間を特定するのに多大な時間を要することから、交通規制制御をより迅速に行うことができる方策が要望されている。
この場合、所定数以上の交通設備に異常が発生しているか否かの判定を正確に行うことができる。
この場合、所定数以上の車両感知器から得られる感知情報に異常が発生しているか否かの判定を正確に行うことができる。
本発明の交通信号制御装置によれば、流入規制制御部により車両通行判定装置が車両の通行を不可と判定した道路区間への車両の流入を規制することができるため、その周辺道路を走行する車両の安全性を確保することができる。
この場合、車両の流入が規制されている道路区間において、実際に車両の通行が可能であるにも関わらず、前記信号制御が長期間に亘って継続されるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の車両通行判定装置及び交通信号制御装置を採用した交通信号制御システムの全体構成図である。また、図2は、同システムの交通信号機の構成を示す道路平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の交通信号制御システムは、交通信号機1、車載装置2、車両感知器3、中央装置4、車載装置2を搭載したプローブ車両5(以下、単に車両5という場合がある。)、VICS(Vehicle Information and Communication System:「VICS」は登録商標)センター10、光ビーコン11などを含む。
また、S2はVICSセンター10が生成するVICS情報である。このVICS情報S2には、渋滞情報、リンク旅行時間、事故・故障車・工事情報、速度規制・車線規制情報、駐車場の位置、駐車場・サービスエリア・パーキングエリアの満車・空車情報などが含まれている。
このルータ7は交通管制センター内の中央装置4に接続され、中央装置4は自装置が管轄する制御エリアに含まれる、各交差点Ciの交通信号制御機1aとLAN(Local Area Network)を構成している。
また、図1では、図示を簡略化するために、各交差点Ciに信号灯器1bが1つだけ描写されているが、実際の交差点Ciには、例えば図2に示すように、互いに交差する道路の上り下り用として4つの信号灯器1bが設置されている。
ビーコン制御機11aは、通信回線8を通じて交通信号制御機1aと双方向通信が可能である。ヘッド11bは道路の車線数だけ設けられ、その車線の直上に配置されている。また、各ヘッド11bは発光素子と受光素子を内部に有する。
ビーコン制御機11aは、交通信号制御機1aを通じて受信したVICS情報S2を車載装置2に送信するダウンリンクDLに含めることができる。また、車載装置2が送信するアップリンクULには、プローブ情報S3が含まれており、このプローブ情報S3は交通信号制御機1aを介して中央装置4に転送される。
図3は、本発明の交通信号制御装置を構成する中央装置4の内部構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、中央装置4は、制御部401、表示部402、通信部403、記憶部404及び操作部405を含んでいる。
中央装置4の制御部401は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなり、交通信号機1や車両感知器3等からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。制御部401は、内部バスを介して上記ハードウェア各部と繋がっており、これら各部の動作も制御する。
また、中央装置4の制御部401は、この制御部401が実行するコンピュータプログラムの機能部分として、車両通行判定部(車両通行判定装置)411と、流入規制制御部412とを備えている。この車両通行判定部411及び流入規制制御部412については後述する。
また、中央装置4の記憶部404は、制御部401が生成した前記信号制御指令S1、VICS情報S2と、LAN側から取得したプローブ情報S3及び感知情報S4とを一時的に記憶する。
中央装置4の操作部405は、キーボードやマウス等の入力インタフェースよりなり、この操作部405によって中央オペレータが前記表示部402に対する表示切り替え操作等を行えるようになっている。
次に、図2及び図4を参照して、交通信号機1の構成を説明する。図2に示すように、交通信号機1は、主道路RM1,RM2及び従道路RS1,RS2のそれぞれに設置された4つの信号灯器1bと、この信号灯器1bと通信回線8を介して接続された交通信号制御機1aとを備えている。
図4は、交通信号制御機1aの内部構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、交通信号制御機1aは、制御部101、灯器駆動部102、通信部103及び記憶部104を含んでいる。
制御部101は、中央装置4が交通感応制御を行った結果の出力である信号制御指令S1に従って各信号灯器1bを駆動し、その指令S1に基づく所定のタイミングで各信号灯器1bの信号灯色を切り替える。
図5は、中央装置4の制御部401において車両通行判定装置を構成する車両通行判定部411の内部構成を示す機能ブロック図である。車両通行判定部411は、地震等の災害が発生した際に、所定の道路区間において車両の通行可否を判定するものであり、図5に示すように、第1判定部411A、第2判定部411B、第3判定部411C及び最終判定部411Dを備えている。
例えば、図1において、交差点C3から交差点C12までの道路区間Lに設置された3つの車両感知器3のうち、2以上の車両感知器3から異常発生情報を中央装置4の通信部403が受信した場合、又は2以上の車両感知器3と前記通信部403との間で通信することができない場合、第1判定部411Aは前記道路区間Lにおいて2以上の車両感知器3に異常が発生していると判定する。
なお、第2判定部411Bにおいて判定の閾値となる車両感知器3の所定数は、各道路区間毎に設置された車両感知器3の設置個数に応じて任意の値を設定することができる。その際、前記車両感知器3の所定数は、各道路区間における車両感知器3の全設置個数に対する所定の割合に応じた値を設定してもよい。
最終判定部411Dは、第1〜第3判定部411A〜411Cの判定結果に基づいて、所定の道路区間における車両の通行可否について最終判定する。具体的には、第1判定部411A及び第2判定部411Bの判定結果のうちのいずれか一方の判定結果が肯定的である場合であって、かつ第3判定部411Cの判定結果が否定的である場合に、その判定結果がなされた道路区間における車両の通行を不可と判定する。すなわち、第1判定部411Aにより所定の道路区間に設置された所定数以上の交通設備に異常が発生していると判定された場合、又は第2判定部411Bにより前記道路区間に設置された所定数以上の車両感知器3の感知情報S4に異常が発生していると判定された場合であって、かつ第3判定部411Cにより前記道路区間を走行するプローブ車両5から送信されたプローブ情報S3が存在しないと判定された場合、最終判定部411Dは前記道路区間における車両の通行を不可と判定する。
まず、第1判定部411Aにおいて所定の道路区間に設置された車両感知器3や交通信号制御機1a等の複数の交通設備のうち所定数以上の交通設備に異常が発生しているか否かを判定する(ステップST1、第1判定ステップ)。そして、第1判定部411Aの判定結果が否定的である場合、すなわち所定数以上の交通設備に異常が発生していないと判定された場合、ステップST2(第2判定ステップ)による判定に移行する。
一方、第1判定部411Aの判定結果が肯定的である場合、すなわち所定数以上の交通設備に異常が発生していると判定された場合、ステップST3(第3判定ステップ)による判定に移行する。
一方、第2判定部411Bの判定結果が肯定的である場合、すなわち所定数以上の車両感知器3の感知情報S4に異常が発生していると判定された場合、ステップST3による判定に移行する。
一方、第3判定部411Cの判定結果が否定的である場合、すなわちプローブ情報S3が存在しないと判定された場合、最終判定部411Dにより前記道路区間において車両の通行は不可と判定する(ステップST5、最終判定ステップ)。
次に、図3及び図7を参照して、中央装置4の制御部401における流入規制制御部412について説明する。図3において、流入規制制御部412は、災害時に車両通行判定部411が車両の通行を不可と判定した道路区間への車両の流入を規制する信号制御を行う。
具体的には、流入規制制御部412は、従道路RSaにおいて交差点C2から交差点C3に向かって走行する車両を交差点C3で直進又は左折させるとともに、図7の上側から交差点C3に向かうように矢印A方向に走行する車両を交差点C3で直進又は右折させるための信号制御指令S1を交差点C3の交通信号制御機1aに送信している。
また、流入規制制御部412は、従道路RSdにおいて交差点C11から交差点C12に向かって走行する車両を交差点C12で直進又は右折させるとともに、図7の上側から交差点C12に向かうように矢印B方向に走行する車両を交差点C12で直進又は左折させるための信号制御指令S1を、交差点C12の交通信号制御機1aに送信している。
また、流入規制制御部412は、主道路RMa,RMbにおいて、交差点C1,C2からそれぞれ交差点C4(C7),C5(C8)に向かって走行する車両を各交差点C4,C5,C7,C8で直進又は右折させるとともに、交差点C10,C11からそれぞれ交差点C7(C4),C8(C5)に向かって走行する車両を各交差点C4,C5,C7,C8で直進又は左折させるための信号制御指令S1を、各交差点C4,C5,C7,C8の交通信号制御機1aに送信している。
上記実施形態は例示であって本発明の範囲を制限するものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内のすべての変更が本発明に含まれる。
さらに、上記実施形態における車両通行判定部411及び流入規制制御部412は中央装置4に設けられているが、交通信号制御機1aに設けられていてもよい。この場合、交通信号制御機1aは交通信号制御装置を構成し、中央装置4と同様の情報を収集することによって車両の通行可否判定、流入規制制御及びその制御の解除を行う。
4 中央装置(交通信号制御装置)
5 プローブ車両
411 車両通行判定部(車両通行判定装置)
411A 第1判定部
411B 第2判定部
411C 第3判定部
411D 最終判定部
412 流入規制制御部
S3 プローブ情報
S4 感知情報
Claims (9)
- 所定の道路区間に設置された複数の交通設備のうちの所定数以上の交通設備に異常が発生しているか否かを判定する第1判定部と、
前記道路区間に設置された複数の車両感知器のうちの所定数以上の車両感知器から得られる感知情報に異常が発生しているか否かを判定する第2判定部と、
前記道路区間を走行するプローブ車両から送信されたプローブ情報が存在するか否かを判定する第3判定部と、
前記第1判定部及び第2判定部の判定結果のうちのいずれか一方の判定結果が肯定的であって、かつ前記第3判定部の判定結果が否定的である場合に、前記道路区間における車両の通行を不可と判定する最終判定部とを備えていることを特徴とする車両通行判定装置。 - 前記第1判定部は、前記所定数以上の交通設備から異常発生情報を取得した場合、又は前記所定数以上の交通設備と通信することができない場合に、当該交通設備に異常が発生していると判定する請求項1に記載の車両通行判定装置。
- 前記第2判定部は、前記感知情報に含まれる車両台数が所定範囲内に含まれない場合に、当該感知情報に異常が発生していると判定する請求項1又は2に記載の車両通行判定装置。
- 請求項1に記載の車両通行判定装置が、前記道路区間における車両の通行を不可と判定した場合に、当該道路区間への車両の流入を規制する信号制御を行う流入規制制御部を備えていることを特徴とする交通信号制御装置。
- 前記流入規制制御部は、車両の流入が規制されている前記道路区間において実際に車両の通行が可能である情報を取得した場合に、前記信号制御を解除する請求項4に記載の交通信号制御装置。
- コンピュータを、請求項1に記載の車両通行判定装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
- コンピュータを、請求項4に記載の交通信号制御装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
- 所定の道路区間に設置された複数の交通設備のうちの所定数以上の交通設備に異常が発生しているか否かを第1判定部により判定する第1判定ステップと、
前記道路区間に設置された複数の車両感知器のうちの所定数以上の車両感知器から得られる感知情報に異常が発生しているか否かを第2判定部により判定する第2判定ステップと、
前記道路区間を走行するプローブ車両から送信されたプローブ情報が存在するか否かを第3判定部により判定する第3判定ステップと、
前記第1判定ステップ及び第2判定ステップの判定結果のうちのいずれか一方の判定結果が肯定的であって、かつ前記第3判定ステップの判定結果が肯定的である場合に、最終判定部により前記道路区間における車両の通行を不可と判定する最終判定ステップと、を含むことを特徴する車両通行判定方法。 - 請求項8に記載の車両通行判定方法により、前記道路区間における車両の通行を不可と判定した場合に、流入規制制御部により当該道路区間への車両の流入を規制するように信号制御を行うことを特徴する交通信号制御方法。
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