JP2009051780A - テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法 - Google Patents

テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】収率を顕著に高めることが可能なテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】特定のテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物を、塩基性触媒の存在下において、臭化アリルと反応して、目的とするテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物を製造した。
【選択図】なし

Description

本発明は、テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法に係り、特に、テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物を高収率で製造する方法に関するものである。
従来より、電気・電子部品用材料や構造用材料として、熱硬化性樹脂が広く用いられてきている。そして、そのような熱硬化性樹脂における硬化乃至は架橋のために、硬化剤や架橋剤として、2つ以上の重合性不飽和結合を有する化合物が用いられていることは、よく知られているところである。
また、そのような硬化剤や架橋剤の一つとしては、例えば、分子内に重合性官能基であるアリルオキシフェニル基を2つ有する、2,2−ビス(p−アリルオキシフェニル)プロパンを挙げることができるのであるが、この2,2−ビス(p−アリルオキシフェニル)プロパンは、ビスフェノールAのフェノール性OH基を、アリルエーテル化することによって、容易に製造されている。具体的には、水酸化ナトリウム等の塩基性触媒の存在下において、ビスフェノールAを、塩化アリル等のハロゲン化アリルと反応させることによって、製造されている。
しかしながら、本発明者が、高い耐熱性を有する硬化物を与える硬化剤や架橋剤を得るべく、分子内に4つの重合性官能基を有するテトラキスフェノール系化合物のアリルエーテル化物を、上記と同様にして製造したところ、実用上において、大きな問題を内在していることが明らかとなった。即ち、水酸化ナトリウムの如き公知の塩基性触媒の存在下において、テトラキスフェノール系化合物と塩化アリルとを反応せしめて製造したところ、テトラキスフェノール系化合物と塩化アリルとの反応は進行し難く、目的とするテトラキスフェノール系化合物のアリルエーテル化物は、その収率が20%未満となり、工業的に生産するには、収率の改善が不可欠であることが、明らかとなったのである。
ところで、特許文献1及び特許文献2には、テトラキスフェノール系化合物の4つのフェノール性OH基のうちの1つがアリルエーテル化された、1−(4−アリルオキシフェニル)−1,2,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが、開示されている。しかし、そのような化合物は、重合性不飽和結合を有する基が分子中に1つしか存在しておらず、目的とする、4つのフェノール性OH基のアリルエーテル化物とは異なる化合物に過ぎないものである。また、特許文献3には、テトラキスフェノール系化合物の4つのフェノール性OH基がアリルエーテル化された、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタン等が開示されているものの、そこでは、その収率を高めるための手法については、何等、明らかにはされていない。
特開平7−330652号公報 特開平8−208549号公報 特開平11−43448号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、収率を顕著に高めることが可能なテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法を提供することにある。
そして、本発明者が、テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン化アリルの中でも、特に臭化アリルを用いることによって、収率が著しく向上せしめられることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法であって、下記一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物を、塩基性触媒の存在下において、臭化アリルと反応せしめることを特徴とするテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法を、その要旨とするものである。
Figure 2009051780
[式中、Xは、炭素数0若しくは1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖を有するアルキレン基又はフェニレン基であり、R1 〜R4 は、それぞれ、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキル基であり、それらは同一環内又は異なる環内で互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、また、a,b,c及びdは、それぞれ、0又は1〜4の整数である。]
Figure 2009051780
[式中、X、R1 〜R4 、並びにa,b,c及びdは、前記一般式(I)と同じ。]
このように、本発明に従うテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法にあっては、塩基性触媒の存在下、一般式(II)に示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物中の4つのフェノール性OH基に反応せしめられて、アリルエーテルを生ずるアリル基質(アリル化合物)として、ハロゲン化アリルの中でも、特に、臭化アリルが用いられているところから、一般式(II)に示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物との反応性が著しく向上せしめられ、その結果、上述せる如き一般式(I)に示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の収率が、極めて顕著に高められるようになっているのである。
ところで、本発明によって製造されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物は、前記一般式(I)にて表される構造を有する化合物であり、1分子中に、重合性官能基であるアリルオキシフェニル基を4つ有するテトラキスフェノール誘導体である。
なお、前記した一般式(I)において、Xは、炭素数0若しくは1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖を有するアルキレン基、又はフェニレン基を表すものである。具体的には、Xは、それが無い場合、又は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、又は、p−フェニレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基である。
また、一般式(I)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキル基、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基である。また、R1 〜R4 は、同一のベンゼン環内又は異なるベンゼン環内で互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。更に、a,b,c及びdは、それぞれ、0又は1〜4の整数である。
ここにおいて、前記一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)としては、例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシ−2,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシ−5−tert−ブチル−2−メチルフェニル)エタン、1,1,5,5−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(4−アリルオキシ−2,5−ジメチルフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(4−アリルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(4−アリルオキシ−5−tert−ブチル−2−メチルフェニル)ペンタン、α,α,α′,α′−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α′,α′−テトラキス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α′,α′−テトラキス(4−アリルオキシ−2,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α′,α′−テトラキス(4−アリルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α,α′,α′−テトラキス(4−アリルオキシ−5−tert−ブチル−2−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(4−アリルオキシフェニル)−α′,α′−ビス(4−アリルオキシ−2,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(4−アリルオキシフェニル)−α′,α′−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)−α′,α′−ビス(4−アリルオキシ−2,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)−α′,α′−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(4−アリルオキシ−2,5−ジメチルフェニル)−α′,α′−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−p−キシレン等を挙げることができる。
そして、本発明においては、上述せる如きテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物が、前記一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物を、塩基性触媒の存在下において、臭化アリルと反応せしめることによって、製造されるのである。なお、かかる一般式(II)中、X、R1 〜R4 並びにa,b,c及びdは、前記一般式(I)のX、R1 〜R4 並びにa,b,c及びdと同じであり、重複を避けるために、それらの説明は省略することとする。
すなわち、本発明に従う製造方法によれば、一般式(II)に示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物中のフェノール性OH基に反応せしめられて、アリルエーテルを生ずるアリル基質として、ハロゲン化アリルの中でも、特に、臭化アリルが用いられているところから、一般式(II)に示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物との反応性が著しく向上せしめられ、以て、上述せる如き一般式(I)に示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物が、短い反応時間で、極めて高い収率をもって製造され得るのである。
ここにおいて、上記臭化アリルの使用量としては、一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物中の全てのフェノール性OH基が反応せしめられるように、一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物の1molに対して、通常、4.0mol以上、好ましくは4.0〜20.0mol、より好ましくは6.0〜10.0molの範囲で、適宜に設定されることが望ましい。
また、臭化アリルと一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物は、塩基性触媒の存在下において反応せしめられるのであるが、かかる塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド等のアルカリ金属アルコラート;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の三級アミン等が挙げられ、これらのうちの1種が単独で、或いは2種以上が組み合わせられて用いられる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩、更にこの中でも、炭酸カリウムを使用すると、本発明の目的とする最終生成物がより一層、高い収率で得られるようになる。
ここで、かかる塩基性触媒の使用量としては、一般的な使用量が採用され、一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物のフェノール性OH基1当量に対して、通常、1当量以上、好ましくは、1.5当量〜4当量となるように用いられる。
また、上記一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物と臭化アリルとの反応で用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、従来と同様な溶媒が適宜に選択されて用いられることとなる。かかる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びこれらの混合物等を挙げることができる。これらの中でも、原料である一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物を溶解する一方、生成物である一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物を溶解しない溶媒を用いるようにすると、生成物の単離・精製が容易となり、収率を更に高めることが可能となる。例えば、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタンを製造するに際しては、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを溶解し、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタンを溶解しないメタノールが、好適に採用され得る。
さらに、上記一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物と臭化アリルとを反応せしめて、一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物を製造するに際しては、窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応せしめることが望ましい。また、反応温度は、通常、10〜120℃、好ましくは20〜110℃の範囲で、適宜に設定される。なお、反応温度が、10℃未満では、反応に長時間を要することとなり、逆に120℃を超える場合には、副反応が生じるようになる。また、反応時間は、反応温度や配合条件に応じて異なるものの、一般に、1〜24時間程度とされることが望ましい。
かくして、塩基性触媒の存在下、上記一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物と臭化アリルとを、所定の溶媒中で、所定時間加熱して、反応せしめることによって、目的とする一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物が生成されるのである。そして、生成物は、反応終了後に、単離・精製されることとなる。この単離・精製法としては、特に限定されるものではなく、従来から公知の手法が採用され得るのであり、例えば、触媒等を含む反応終了後の生成物に、酢酸エチル等の有機溶媒と水とを加えて、分液処理して有機相を分取し、更にかかる有機相に水を加えて、有機相を水で数回繰り返し洗浄した後、減圧濃縮して有機溶媒を留去し、必要に応じて、適当な溶剤で洗浄する方法等が、好適に採用され得る。
そして、上述のようにして製造された一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物は、1分子中に、重合性官能基であるアリルオキシフェニル基を4つ有しており、高い耐熱性を有する硬化物を与える性質を有するため、例えば、熱硬化性樹脂の硬化剤や架橋剤等として、有利に用いられるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
実施例1
還流冷却器、温度計、撹拌装置、窒素導入管を備えた反応容器内に、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン21.2g(53.2mmol)、炭酸カリウム29.8g(215.6mmol)、及びメタノール100gを仕込み、窒素を吹き込みながら撹拌混合した。次いで、そこに、臭化アリル38.6g(318.9mmol)を入れ、65℃まで昇温し、その温度で2時間反応させた。その後、室温まで冷却し、濾過により、白色固体を得た。そして、得られた固体を酢酸エチルに溶解し、この有機相に水を加えてかき混ぜ、洗浄、分液し、炭酸カリウム等を含む水相を除去した。また、この有機相に水を加えて洗浄する操作を、水相のpHが中性になるまで、数回繰り返し行った後、洗浄後の有機相を、結晶析出が見られるまで減圧濃縮した。次いで、多量のメタノールを添加して冷却晶析した後、濾過、乾燥して25.4g(45.5mmol)の生成物を得た。得られた生成物のモル数を、原料として用いた1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのモル数(53.2mmol)で除して収率を求めたところ、下記表1に示されるように、収率は、85.5%であった。
なお、得られた生成物を、以下に示す純度分析条件及び融点分析条件で分析したところ、純度は、97.4%、融点は、128℃であった。また、得られた生成物を、核磁気共鳴法(NMR法)で調べたところ、図1のNMRスペクトル(1H−NMR、溶媒:重クロロホルム) に示されるように、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタンであることが確認できた。
<純度分析>
純度の分析は、日本分光製高速液体クロマトグラフィー LC−2000Plus(カラム:資生堂SUPERIOREX ODS、キャリア:0.1%リン酸水溶液/アセトニトリル=50/50〜0/100グラジエント、1ml/min、検出器:UV検出器254nm)を用いて行った。
<融点分析>
融点の分析は、リガク製熱分析装置 DSC 8320 type(昇温速度:5℃/min、N2 流量:60ml/min)を用いて行った。
実施例2
上記実施例1において、炭酸カリウムを水酸化ナトリウム17.2g(431.2mmol)に変更し、反応時間を5時間に延長した以外は、実施例1と同様の操作を行って、白色の生成物である1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタン19.9g(35.6mmol)を得た。そして、実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を分析したところ、97.1%であった。また、収率は、下記表1に示されるように、67.0%であった。
実施例3
上記実施例1において、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン24.2g(53.2mmol)に変更し、反応時間を5時間に延長した以外は、実施例1と同様の操作を行って、白色の生成物である1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)エタン23.1g(37.6mmol)を得た。そして、実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を分析したところ、94.1%であった。また、収率は、下記表1に示されるように、70.6%であった。
比較例1
上記実施例1において、臭化アリルを塩化アリル24.4g(318.9mmol)に変更し、反応時間を24時間に延長した以外は、実施例1と同様の操作を行って、白色の生成物である1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタン10.1g(18.1mmol)を得た。そして、実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を分析したところ、97.0%であった。また、収率は、下記表1に示されるように、34.0%であった。
比較例2
上記実施例1において、臭化アリルを塩化アリル24.4g(318.9mmol)に変更し、且つ、炭酸カリウムを水酸化ナトリウム17.2g(431.2mmol)に変更すると共に、反応時間を24時間に延長した以外は、実施例1と同様の操作を行って、白色の生成物である1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシフェニル)エタン5.4g(9.7mmol)を得た。そして、実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を分析したところ、96.6%であった。また、収率は、下記表1に示されるように、18.2%であった。
比較例3
上記実施例1において、臭化アリルを塩化アリル24.4g(318.9mmol)に変更し、且つ、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン24.2g(53.2mmol)に変更すると共に、反応時間を24時間に延長した以外は、実施例1と同様の操作を行って、1,1,2,2−テトラキス(4−アリルオキシ−3−メチルフェニル)エタン14.8g(12.8mmol)を得た。そして、実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を分析したところ、93.5%であった。また、収率は、下記表1に示されるように、24.0%であった。
Figure 2009051780
かかる表1に結果からも明らかなように、フェノール性OH基に反応させるアリル基質として、臭化アリルを用いた場合には、反応時間が短くても、収率が高くなっていることが、わかる。特に、アリル基質として臭化アリルを用いると共に、塩基性触媒として、炭酸カリウムを用いた場合には、2時間で、85.5%の収率が達成されており、収率が極めて顕著に向上していることが認められるのである。
実施例1で得られた生成物のNMRスペクトルである。

Claims (1)

  1. 下記一般式(I)にて示されるテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法であって、
    下記一般式(II)にて示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)炭化水素化合物を、塩基性触媒の存在下において、臭化アリルと反応せしめることを特徴とするテトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法。
    Figure 2009051780
    [式中、Xは、炭素数0若しくは1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖を有するアルキレン基又はフェニレン基であり、R1 〜R4 は、それぞれ、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキル基であり、それらは同一環内又は異なる環内で互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、また、a,b,c及びdは、それぞれ、0又は1〜4の整数である。]
    Figure 2009051780
    [式中、X、R1 〜R4 、並びにa,b,c及びdは、前記一般式(I)と同じ。]
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