JP2768426B2 - イソシアヌレート誘導体 - Google Patents
イソシアヌレート誘導体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エポキシ樹脂の原料として有用な新規なト
リス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレート及びそ
れから合成されるトリス(グリシジルオキシフェニル)
イサシアヌレート〔エポキシ樹脂〕、並びにそれらの製
造方法に関する。
リス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレート及びそ
れから合成されるトリス(グリシジルオキシフェニル)
イサシアヌレート〔エポキシ樹脂〕、並びにそれらの製
造方法に関する。
トリアジン環含有エポキシ樹脂は、耐熱性及び電気的
特性に優れた硬化物を与える。これらのエポキシ樹脂の
中でも、シアヌル酸とエピクロルヒドリンとを反応させ
ることによって得られるトリグリシジルイソシアヌレー
トは、特公昭42−1989号公報等で公知となった下記式
(III)で表される3官能性エポキシ樹脂で、工業的に
有用なエポキシ樹脂としてよく知られている。
特性に優れた硬化物を与える。これらのエポキシ樹脂の
中でも、シアヌル酸とエピクロルヒドリンとを反応させ
ることによって得られるトリグリシジルイソシアヌレー
トは、特公昭42−1989号公報等で公知となった下記式
(III)で表される3官能性エポキシ樹脂で、工業的に
有用なエポキシ樹脂としてよく知られている。
このエポキシ樹脂は、機械的性質、熱的性質及び電気
的性質に優れた架橋密度の高い成形物を与える。しか
し、上記エポキシ樹脂は、エピ・ビス型エポキシ樹脂と
比べて高い反応性と比較的高い融点を持つことから、ポ
ットライフが短く、硬化剤及び硬化方法にかなりに制約
を受けざるを得ない。また、その硬化物は耐衝撃性と耐
熱サイクルに劣り、耐化学薬品性も高くなり。更に、上
記エポキシ樹脂は、高温多湿下ではかぶれを生じ、取扱
い上の問題点も有する等、種々の欠点を有する。
的性質に優れた架橋密度の高い成形物を与える。しか
し、上記エポキシ樹脂は、エピ・ビス型エポキシ樹脂と
比べて高い反応性と比較的高い融点を持つことから、ポ
ットライフが短く、硬化剤及び硬化方法にかなりに制約
を受けざるを得ない。また、その硬化物は耐衝撃性と耐
熱サイクルに劣り、耐化学薬品性も高くなり。更に、上
記エポキシ樹脂は、高温多湿下ではかぶれを生じ、取扱
い上の問題点も有する等、種々の欠点を有する。
また、芳香族イソシアヌレート類の合成法としては、
従来より、芳香族イソシアネートを種々の触媒を用いて
三量化する方法が知られている〔例えば、I.C.Hogan.J.
Am.Chem.Soc.,78,4911(1956):J.I.Jones et al.,J.Ch
em.Soc.,4392(1957):S.L.Shapiro et al.,J.Org.Che
m.,26,1600(1963):S.Herbstman,J.Org.Chem.,30,1250
(1965)などを参照〕。
従来より、芳香族イソシアネートを種々の触媒を用いて
三量化する方法が知られている〔例えば、I.C.Hogan.J.
Am.Chem.Soc.,78,4911(1956):J.I.Jones et al.,J.Ch
em.Soc.,4392(1957):S.L.Shapiro et al.,J.Org.Che
m.,26,1600(1963):S.Herbstman,J.Org.Chem.,30,1250
(1965)などを参照〕。
しかしながら、ビニル基又はアリル基を有する官能基
で置換された芳香族イソシアネートの三量化の例はな
く、またその三量体の別途合成例も皆無である。
で置換された芳香族イソシアネートの三量化の例はな
く、またその三量体の別途合成例も皆無である。
従って、本発明の目的は、上述のような従来のトリア
ジン環含有エポキシ樹脂の欠点を解消し、且つ更に優れ
た耐熱性を有し、しかも従来のエピ・ビス型エポキシ樹
脂と同様の反応性を示す多官能性エポキシ樹脂、及び該
エポキシ樹脂の原料として有用なビニル基又はアリル基
を有する官能基で置換された芳香族イソシアヌレート類
を提供することにある。
ジン環含有エポキシ樹脂の欠点を解消し、且つ更に優れ
た耐熱性を有し、しかも従来のエピ・ビス型エポキシ樹
脂と同様の反応性を示す多官能性エポキシ樹脂、及び該
エポキシ樹脂の原料として有用なビニル基又はアリル基
を有する官能基で置換された芳香族イソシアヌレート類
を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成すべく種々検討した結
果、新しい耐熱骨格であるトリアリールイソシアヌレー
ト構造を持つ特定のエポキシ樹脂が前記目的を達成する
ものであり、且つ該エポキシ樹脂の原料としてアリル基
を有する官能基で置換された新規なトリアリールイソシ
アヌレートが有用であることを知見した。
果、新しい耐熱骨格であるトリアリールイソシアヌレー
ト構造を持つ特定のエポキシ樹脂が前記目的を達成する
ものであり、且つ該エポキシ樹脂の原料としてアリル基
を有する官能基で置換された新規なトリアリールイソシ
アヌレートが有用であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、エポ
キシ樹脂の原料として有用な、下記一般式(I)で表さ
れるトリス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレート
を提供するものである。
キシ樹脂の原料として有用な、下記一般式(I)で表さ
れるトリス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレート
を提供するものである。
また、本発明は、前記一般式(I)で表されるトリス
(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造方法
として、アリルオキシフェニルイソシアネートを、無溶
媒中又は非プロトン性極性溶媒中で触媒を用いて反応さ
せることを特徴とする前記一般式(I)で表されるトリ
ス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造方
法を提供するものである。
(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造方法
として、アリルオキシフェニルイソシアネートを、無溶
媒中又は非プロトン性極性溶媒中で触媒を用いて反応さ
せることを特徴とする前記一般式(I)で表されるトリ
ス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造方
法を提供するものである。
また、本発明は、前記一般式(I)で表されるトリス
(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートから合成さ
れる、下記一般式(II)で表されるトリス(グリシジル
オキシフェニル)イソシアヌレートを提供するものであ
る。
(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートから合成さ
れる、下記一般式(II)で表されるトリス(グリシジル
オキシフェニル)イソシアヌレートを提供するものであ
る。
また、本発明は、前記一般式(II)で表されるトリス
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造
方法として、前記一般式(I)で表されるトリス(アリ
ルオキシフェニル)イソシアヌレートと、 一般式RCOOOH(式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキ
ル基もしくはハロゲン置換アルキル基、又は炭素原子数
1〜12のアリール基もしくはハロゲン置換アリール基を
示す。)で表される有機過酸からなるエポキシ化剤と
を、不活性有機溶媒中で反応させる ことを特徴とする前記一般式(II)で表されるトリス
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造
方法を提供するものである。
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造
方法として、前記一般式(I)で表されるトリス(アリ
ルオキシフェニル)イソシアヌレートと、 一般式RCOOOH(式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキ
ル基もしくはハロゲン置換アルキル基、又は炭素原子数
1〜12のアリール基もしくはハロゲン置換アリール基を
示す。)で表される有機過酸からなるエポキシ化剤と
を、不活性有機溶媒中で反応させる ことを特徴とする前記一般式(II)で表されるトリス
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造
方法を提供するものである。
以下、本発明のイソシアヌレート誘導体について詳述
する。
する。
先ず、本発明の一般式(I)で表されるトリス(アリ
ルオキシフェニル)イソシアヌレートについて説明す
る。
ルオキシフェニル)イソシアヌレートについて説明す
る。
本発明の一般式(I)で表されるトリス(アリルオキ
シフェニル)イソシアヌレートのアリルオキシフェニル
基は、メタ位、パラ位、オルソ位のいずれにあってもよ
い。
シフェニル)イソシアヌレートのアリルオキシフェニル
基は、メタ位、パラ位、オルソ位のいずれにあってもよ
い。
本発明の一般式(I)で表されるトリス(アリルオキ
シフェニル)イソシアヌレートの製造方法において使用
される非プロトン性極性溶媒としては、アセトン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチ
レン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドな
どが挙げられる。好ましくはジメチルホルムアミドが用
いられる。
シフェニル)イソシアヌレートの製造方法において使用
される非プロトン性極性溶媒としては、アセトン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチ
レン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドな
どが挙げられる。好ましくはジメチルホルムアミドが用
いられる。
本発明の一般式(I)で表されるトリス(アリルオキ
シフェニル)イソシアヌレートの製造方法において使用
される触媒としては、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウ
ム、有機塩基系触媒、エポキサイド化合物−有機塩基系
触媒などが挙げられる。かかる有機塩基系触媒として
は、代表的にピリジン、イミダゾール、N−メチルモル
ホリン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、トリ
エチルアミンなどが挙げられる。またエポキサイド化合
物としては、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、エピクロルヒドリン、グリシジルフェニルエーエテ
ルなどが挙げられる。
シフェニル)イソシアヌレートの製造方法において使用
される触媒としては、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウ
ム、有機塩基系触媒、エポキサイド化合物−有機塩基系
触媒などが挙げられる。かかる有機塩基系触媒として
は、代表的にピリジン、イミダゾール、N−メチルモル
ホリン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、トリ
エチルアミンなどが挙げられる。またエポキサイド化合
物としては、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイ
ド、エピクロルヒドリン、グリシジルフェニルエーエテ
ルなどが挙げられる。
本発明の一般式(I)で表されるトリス(アリルオキ
シフェニル)イソシアヌレートの好ましい製造方法は次
のとおりである。
シフェニル)イソシアヌレートの好ましい製造方法は次
のとおりである。
アリルオキシフェニルイソシアネートを、無溶媒また
はジメチルホルムアミド中で、スチレンオキサイド若し
くはグリシジルフェニルエーテル0.1〜1.5当量及びピリ
ジン若しくはイミダゾール1〜100ミリ当量を触媒とし
て、10〜100℃、さらに好ましくは10〜50℃で1時間〜
2日間反応させる。これによってアリルオキシフェニル
イソシアネートの三量化反応が進行し、一般式(I)で
表されるトリス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレ
ートが高収率で得られる。
はジメチルホルムアミド中で、スチレンオキサイド若し
くはグリシジルフェニルエーテル0.1〜1.5当量及びピリ
ジン若しくはイミダゾール1〜100ミリ当量を触媒とし
て、10〜100℃、さらに好ましくは10〜50℃で1時間〜
2日間反応させる。これによってアリルオキシフェニル
イソシアネートの三量化反応が進行し、一般式(I)で
表されるトリス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレ
ートが高収率で得られる。
次に、本発明の一般式(II)で表されるトリス(グリ
シジルオキシフェニル)イソシアヌレートについて説明
する。
シジルオキシフェニル)イソシアヌレートについて説明
する。
本発明の一般式(II)で表されるトリス(グリシジル
オキシフェニル)イソシアヌレートのグリシジルオキシ
フェニル基は、メタ位、パラ位、オルソ位のいずれにあ
ってもよい。
オキシフェニル)イソシアヌレートのグリシジルオキシ
フェニル基は、メタ位、パラ位、オルソ位のいずれにあ
ってもよい。
本発明の一般式(II)で表されるトリス(グリシジル
オキシフェニル)イソシアヌレートの製造に用いられる
一般式RCOOOHで表される有機過酸としては、過酢酸、過
安息香酸、m−クロル過安息香酸などのエポキシ化剤と
して汎用の過酸が挙げられる。
オキシフェニル)イソシアヌレートの製造に用いられる
一般式RCOOOHで表される有機過酸としては、過酢酸、過
安息香酸、m−クロル過安息香酸などのエポキシ化剤と
して汎用の過酸が挙げられる。
また本発明の一般式(II)で表されるトリス(グリシ
ジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造に用いら
れる不活性有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、芳
香族炭化水素、すなわち、塩化メチレン、トルエン、キ
シレン、クロルベンゼンなどを挙げることができる。
ジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造に用いら
れる不活性有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、芳
香族炭化水素、すなわち、塩化メチレン、トルエン、キ
シレン、クロルベンゼンなどを挙げることができる。
本発明の一般式(II)で表されるトリス(グリシジル
オキシフェニル)イソシアヌレートの好ましい製造方法
は次のとおりである。
オキシフェニル)イソシアヌレートの好ましい製造方法
は次のとおりである。
まず、一般式(I)で表されるトリス(アリルオキシ
フェニル)イソシアヌレートの塩化メチレン溶液を、−
10〜10℃に保ち、これに1〜5当量のm−クロル過安息
香酸もしくはその塩化メチレン溶液を徐々に加え、5〜
30℃で5時間〜5日間反応させる。これによって一般式
(II)で表されるトリス(グリシジルオキシフェニル)
イソシアヌレートが高収率で得られる。
フェニル)イソシアヌレートの塩化メチレン溶液を、−
10〜10℃に保ち、これに1〜5当量のm−クロル過安息
香酸もしくはその塩化メチレン溶液を徐々に加え、5〜
30℃で5時間〜5日間反応させる。これによって一般式
(II)で表されるトリス(グリシジルオキシフェニル)
イソシアヌレートが高収率で得られる。
以下に、本発明の実施例を挙げ、本発明を更に詳しく
説明する。
説明する。
実施例1 4−アリルオキシフェニルイソシアネート11.5g(0.0
66mol)及びフェニルグリシジルエーテル9.3ml(0.069m
ol)の混合液に、ピリジン0.05mlを加え、一昼夜よく撹
拌する。これに最少のエーテルを加え氷水で冷却した
後、析出した沈澱を濾取し、少量のエーテルで洗浄し、
9.4gのトリス(4−アリルオキシフェニル)イソシアヌ
レート(目的化合物)を得た。収率は82%で、分析結果
は次のとおりである。
66mol)及びフェニルグリシジルエーテル9.3ml(0.069m
ol)の混合液に、ピリジン0.05mlを加え、一昼夜よく撹
拌する。これに最少のエーテルを加え氷水で冷却した
後、析出した沈澱を濾取し、少量のエーテルで洗浄し、
9.4gのトリス(4−アリルオキシフェニル)イソシアヌ
レート(目的化合物)を得た。収率は82%で、分析結果
は次のとおりである。
・mp:218−220℃ ・IR(KBr):1710cm-1(イソシアヌレート)、1650cm-1
(アリル)、1605cm-1(フェニル) ・1HNMR(CDCl3):4.5−4.7ppm(m.6H、メチレンプロト
ン)、5.2−5.6、5.8−6.5ppm(m.9H.ビニルプロト
ン)、6.9−7.4ppm(m.12H.フェニルプロトン) ・元素分析:C30H27O6N3として 上記分析結果に示すように、スペクトルデータ及び元
素分析値は目的化合物によく対応した。
(アリル)、1605cm-1(フェニル) ・1HNMR(CDCl3):4.5−4.7ppm(m.6H、メチレンプロト
ン)、5.2−5.6、5.8−6.5ppm(m.9H.ビニルプロト
ン)、6.9−7.4ppm(m.12H.フェニルプロトン) ・元素分析:C30H27O6N3として 上記分析結果に示すように、スペクトルデータ及び元
素分析値は目的化合物によく対応した。
実施例2 実施例1で得られたトリス(4−アリルオキシフェニ
ル)イソシアヌレート5.3g(0.01mol)の塩化メチレン
溶液(200ml)にm−クロル過安息香酸(純度80%)
(7.1g 0.033mol)の塩化メチレン溶液(100ml)を加
え、室温で24時間反応させた後、反応液を10%炭酸ナト
リウム水溶液で2回よく洗浄する。さらに有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた固体を
イソプロパノールより再結晶すると、3.7gのトリス(4
−グリシジルオキシフェニル)イソシアネート(目的化
合物)が得られた。収率は64%で、分析結果は次のとお
りである。
ル)イソシアヌレート5.3g(0.01mol)の塩化メチレン
溶液(200ml)にm−クロル過安息香酸(純度80%)
(7.1g 0.033mol)の塩化メチレン溶液(100ml)を加
え、室温で24時間反応させた後、反応液を10%炭酸ナト
リウム水溶液で2回よく洗浄する。さらに有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して得られた固体を
イソプロパノールより再結晶すると、3.7gのトリス(4
−グリシジルオキシフェニル)イソシアネート(目的化
合物)が得られた。収率は64%で、分析結果は次のとお
りである。
・mp:251−252℃ ・IR(KBr):1710cm-1(イソシアヌレート)、915cm-1
(オキシラン) ・1HNMR(CDCl3):2.6−3.1ppm(m.6H.オキシランのメ
チレンプロトン)、3.2−3.3ppm(m.3H.オキシランのメ
チレンプロトン)、3.8−4.5ppm(m.6H.環外メチレンプ
ロトン)、6.9−7.5ppm(m.12H.フェニルプロトン)・
元素分析:C30H27O9N3として 上記分析結果に示すように、スペクトルデータ及び元
素分析値は目的化合物によく対応した。
(オキシラン) ・1HNMR(CDCl3):2.6−3.1ppm(m.6H.オキシランのメ
チレンプロトン)、3.2−3.3ppm(m.3H.オキシランのメ
チレンプロトン)、3.8−4.5ppm(m.6H.環外メチレンプ
ロトン)、6.9−7.5ppm(m.12H.フェニルプロトン)・
元素分析:C30H27O9N3として 上記分析結果に示すように、スペクトルデータ及び元
素分析値は目的化合物によく対応した。
実施例3 実施例2で得られたトリス(4−グリシジルオキシフ
ェニル)イソシアヌレート(以下、樹脂IIという)100
部と、ジシアンジアミド(以下、DICYという)9.3部及
び2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4MZ
という)0.23部とをよく混和し、樹脂IIの融点を越える
270℃で2分間加熱した後、220℃で2時間硬化して硬化
物を得た。
ェニル)イソシアヌレート(以下、樹脂IIという)100
部と、ジシアンジアミド(以下、DICYという)9.3部及
び2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4MZ
という)0.23部とをよく混和し、樹脂IIの融点を越える
270℃で2分間加熱した後、220℃で2時間硬化して硬化
物を得た。
実施例4 樹脂II50部及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量183)50部と、DICY9.6部及び2E4MZ0.24部と
をよく混和し、220℃で4時間硬化させ硬化物を得た。
ポキシ当量183)50部と、DICY9.6部及び2E4MZ0.24部と
をよく混和し、220℃で4時間硬化させ硬化物を得た。
実施例5 樹脂II50部及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量183)50部と、ジアミノジフェニルメタン(D
DM)26部とをよく混和し、220℃で4時間硬化させ硬化
物を得た。
ポキシ当量183)50部と、ジアミノジフェニルメタン(D
DM)26部とをよく混和し、220℃で4時間硬化させ硬化
物を得た。
比較例1〜4 トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、又はビス
フェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量183)を第
1表の硬化剤及び硬化条件で硬化させ、硬化物を得た。
第1表に示すように、実施例3と比較例2、実施例5と
比較例4においてそれぞれ樹脂を硬化剤の当量比を一定
にして硬化させた。
フェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量183)を第
1表の硬化剤及び硬化条件で硬化させ、硬化物を得た。
第1表に示すように、実施例3と比較例2、実施例5と
比較例4においてそれぞれ樹脂を硬化剤の当量比を一定
にして硬化させた。
比較例5 トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)とビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量183)の等量混
合物を実施例5と同様にして硬化させたが、反応が激し
く満足な硬化物は得られなかった。
ノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量183)の等量混
合物を実施例5と同様にして硬化させたが、反応が激し
く満足な硬化物は得られなかった。
実施例3〜5と比較例1−4の硬化条件及び硬化物の
示差熱分析(スキャン温度:10℃/分)より得たガラス
転移温度(Tg)を第1表に示した。本発明の樹脂IIのDI
CYによる硬化物は従来のイソシアヌレート型エポキシ樹
脂のTGICの硬化物よりもかなり高い234℃のTgを示し
た。またDDM硬化では、ビスフェノールA型樹脂単独の
硬化物のTg値137℃に対し、樹脂IIを等量加えた混合物
では246℃と非常に高い耐熱性を示した。これはTGIC単
独の硬化物(Tg:228℃)よりも高い耐熱性を示すもので
あった。
示差熱分析(スキャン温度:10℃/分)より得たガラス
転移温度(Tg)を第1表に示した。本発明の樹脂IIのDI
CYによる硬化物は従来のイソシアヌレート型エポキシ樹
脂のTGICの硬化物よりもかなり高い234℃のTgを示し
た。またDDM硬化では、ビスフェノールA型樹脂単独の
硬化物のTg値137℃に対し、樹脂IIを等量加えた混合物
では246℃と非常に高い耐熱性を示した。これはTGIC単
独の硬化物(Tg:228℃)よりも高い耐熱性を示すもので
あった。
〔発明の効果〕 本発明の新規なトリス(アリルオキシフェニル)イソ
シアヌレートから合成される本発明のトリス(グリシジ
ルオキシフェニル)イソシアヌレートは、新しい耐熱骨
格であるトリアリールイソシアヌレート構造を持ち,し
かも従来のエピ・ビス型エポキシ樹脂と同様の反応性を
示すものであり、ジシアンジアミド、芳香族アミン等の
硬化剤により硬化させると、既存の高耐熱性イソシアヌ
レート型エポキシ樹脂であるトリグリシジルイソシアヌ
レートよりもさらに高い耐熱性を示す良好な硬化物を与
える。また、本発明のトリス(グリシジルオキシフェニ
ル)イソシアヌレートは、ケトン、アミド、ハロゲン化
炭化水素、テトラヒドロフランなどの有機溶媒にもよく
溶け、しかもエピ・ビス型エポキシ樹脂とも相溶性を示
すなど作業性に優れている。さらに、本発明のトリス
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートからな
る硬化物、及び本発明のトリス(グリシジルオキシフェ
ニル)イソシアヌレートと他の樹脂との混合物からなる
硬化物は、優れた耐水性を有し、また耐薬品性も期待で
きるものである。
シアヌレートから合成される本発明のトリス(グリシジ
ルオキシフェニル)イソシアヌレートは、新しい耐熱骨
格であるトリアリールイソシアヌレート構造を持ち,し
かも従来のエピ・ビス型エポキシ樹脂と同様の反応性を
示すものであり、ジシアンジアミド、芳香族アミン等の
硬化剤により硬化させると、既存の高耐熱性イソシアヌ
レート型エポキシ樹脂であるトリグリシジルイソシアヌ
レートよりもさらに高い耐熱性を示す良好な硬化物を与
える。また、本発明のトリス(グリシジルオキシフェニ
ル)イソシアヌレートは、ケトン、アミド、ハロゲン化
炭化水素、テトラヒドロフランなどの有機溶媒にもよく
溶け、しかもエピ・ビス型エポキシ樹脂とも相溶性を示
すなど作業性に優れている。さらに、本発明のトリス
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートからな
る硬化物、及び本発明のトリス(グリシジルオキシフェ
ニル)イソシアヌレートと他の樹脂との混合物からなる
硬化物は、優れた耐水性を有し、また耐薬品性も期待で
きるものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 405/00 - 405/14 C07D 251/00 - 251/72 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】下記一般式(I)で表されるトリス(アリ
ルオキシフェニル)イソシアヌレート。 - 【請求項2】アリルオキシフェニルイソシアネートを、
無溶媒中又は非プロトン性極性溶媒中で触媒を用いて反
応させることを特徴とする前記一般式(I)で表される
トリス(アリルオキシフェニル)イソシアヌレートの製
造方法。 - 【請求項3】下記一般式(II)で表されるトリス(グリ
シジルオキシフェニル)イソシアヌレート。 - 【請求項4】前記一般式(I)で表されるトリス(アリ
ルオキシフェニル)イソシアヌレートと、 一般式RCOOOH(式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル
基もしくはハロゲン置換アルキル基、又は炭素原子数1
〜12のアリール基もしくはハロゲン置換アリール基を示
す。)で表される有機過酸からなるエポキシ化剤とを、
不活性有機溶媒中で反応させる ことを特徴とする前記一般式(II)で表されるトリス
(グリシジルオキシフェニル)イソシアヌレートの製造
方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6026589A JP2768426B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | イソシアヌレート誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6026589A JP2768426B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | イソシアヌレート誘導体 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02240080A JPH02240080A (ja) | 1990-09-25 |
JP2768426B2 true JP2768426B2 (ja) | 1998-06-25 |
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ID=13137146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6026589A Expired - Fee Related JP2768426B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | イソシアヌレート誘導体 |
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Country | Link |
---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6903180B2 (en) * | 2000-12-11 | 2005-06-07 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Epoxy resins, process for preparation thereof, epoxy resin compositions and cured articles |
WO2011155459A1 (ja) | 2010-06-11 | 2011-12-15 | 株式会社Adeka | ケイ素含有硬化性組成物、該ケイ素含有硬化性組成物の硬化物及び該ケイ素含有硬化性組成物より形成されるリードフレーム基板 |
WO2013021717A1 (ja) | 2011-08-10 | 2013-02-14 | 株式会社Adeka | ケイ素含有硬化性組成物及びその硬化物 |
CN105884753A (zh) * | 2016-05-24 | 2016-08-24 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种六氢均三嗪缩水甘油酯及其合成方法和应用 |
-
1989
- 1989-03-13 JP JP6026589A patent/JP2768426B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6903180B2 (en) * | 2000-12-11 | 2005-06-07 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Epoxy resins, process for preparation thereof, epoxy resin compositions and cured articles |
WO2011155459A1 (ja) | 2010-06-11 | 2011-12-15 | 株式会社Adeka | ケイ素含有硬化性組成物、該ケイ素含有硬化性組成物の硬化物及び該ケイ素含有硬化性組成物より形成されるリードフレーム基板 |
WO2013021717A1 (ja) | 2011-08-10 | 2013-02-14 | 株式会社Adeka | ケイ素含有硬化性組成物及びその硬化物 |
CN105884753A (zh) * | 2016-05-24 | 2016-08-24 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种六氢均三嗪缩水甘油酯及其合成方法和应用 |
CN105884753B (zh) * | 2016-05-24 | 2018-07-06 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种六氢均三嗪缩水甘油酯及其合成方法和应用 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02240080A (ja) | 1990-09-25 |
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