JPH1017516A - 1,1,2,2‐テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類及びその製造方法 - Google Patents

1,1,2,2‐テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類及びその製造方法

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JPH1017516A
JPH1017516A JP8176823A JP17682396A JPH1017516A JP H1017516 A JPH1017516 A JP H1017516A JP 8176823 A JP8176823 A JP 8176823A JP 17682396 A JP17682396 A JP 17682396A JP H1017516 A JPH1017516 A JP H1017516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の2官能性プロパルギルエーテル化合物
に比べて硬化速度が速く、かつ高い耐熱性を有する硬化
物を与える新規なプロパルギルエーテル化合物、その製
造方法及びそれを含有する組成物を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (R1〜R4は、C1〜C4のアルキル基、a,b,c及び
dは0〜4)で表わされる1,1,2,2‐テトラキス
(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類、これに対
応するヒドロキシ化合物とハロゲン化プロパルギル類と
を、塩基性触媒の存在下反応させることにより、前記一
般式で表わされる化合物を製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な1,1,
2,2‐テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニル)
エタン類及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、耐
熱性に優れる硬化物を与え、電気・電子部品用材料や構
造用材料などとして有用な1,1,2,2‐テトラキス
(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール系誘導体のプロパルギ
ルエーテル化合物としては、2,2‐ビス(4‐ヒドロ
キシフェニル)プロパンのプロパルギルエーテル化合物
であって、触媒の非存在下でも加熱により硬化させるこ
とができる熱硬化性の2官能性2,2‐ビス(4‐プロ
パルギロキシフェニル)プロパンが知られている。そし
て、この硬化物は金属分を含まず、耐水性にも優れてい
るので電気・電子部品用材料や構造用材料に有用である
と報告されている[「ケミカル・アンド・エンジニアリ
ング・ニュース(CHEMICAL AND ENGI
NEERINGNEWS)」,4月号,第29ページ
(1994年)]。しかしながら、前記2官能性化合物
は硬化反応速度が遅いという欠点を有していた。また、
該化合物よりも高い耐熱性を有する硬化物を与える新規
なプロパルギルエーテル化合物の出現がまたれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、従来のプロパルギルエーテル化合物より
も硬化反応速度が速く、かつ高い耐熱性を有する硬化物
を与える新規なプロパルギルエーテル化合物を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規なプ
ロパルギルエーテル化合物を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、1分子内にプロパルギロキシフェニル基を4個
有する4官能性の特定構造の化合物は、文献未載の新規
な化合物であって、従来の2官能性のプロパルギルエー
テル化合物よりも硬化速度が速く、かつ高い耐熱性を有
する硬化物を与えること、そして、このものは対応する
ヒドロキシ化合物とハロゲン化プロパルギル類とを、塩
基性触媒の存在下に反応させることにより、容易に得ら
れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は、一般式
【化4】 (式中のR1ないしR4は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖
状又は枝分かれ状のアルキル基であり、それらは同一環
内又は異なる環内でたがいに同一であってもよいし、異
なっていてもよく、a,b,c及びdは、それぞれ0又
は1〜4の整数である)で表わされる1,1,2,2‐
テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類
を提供するものである。
【0006】また、本発明方法によれば、前記一般式
(I)で表わされる1,1,2,2‐テトラキス(4‐
プロパルギロキシフェニル)エタン類は、一般式
【化5】 (式中のR1ないしR4、a,b,c及びdは前記と同じ
意味をもつ)で表わされる1,1,2,2‐テトラキス
(4‐ヒドロキシフェニル)エタン類とハロゲン化プロ
パルギル類とを、塩基性触媒の存在下に反応させること
により、製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の1,1,2,2‐テトラ
キス(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類(以
下、「4官能性プロパルギルエーテル化合物」ともい
う)は、前記一般式(I)で表わされる構造を有する文
献未載の新規な化合物である。
【0008】一般式(I)におけるR1ないしR4は、そ
れぞれ炭素数1〜4の直鎖状又は枝分かれ状のアルキル
基、すなわちメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イ
ソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル基、sec‐
ブチル基又はtert‐ブチル基である。また、このR
1ないしR4は、同一環内又は異なる環内でたがいに同一
であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、a,
b,c及びdは、それぞれ0又は1〜4の整数である。
【0009】この4官能性プロパルギルエーテル化合物
は、従来の2官能性プロパルギルエーテル化合物に比べ
て硬化反応速度が速い上、その硬化物は高い耐熱性をも
つなど優れた性質を有している。
【0010】この4官能性プロパルギルエーテル化合物
は、本発明方法に従えば、前記一般式(II)で表わさ
れる1,1,2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェ
ニル)エタン類とハロゲン化プロパルギル類とを、塩基
性触媒の存在下に反応させることにより、容易に製造す
ることができる。なお、一般式(II)におけるR1
いしR4、a,b,c及びdは、一般式(I)の場合と
同様である。
【0011】前記ハロゲン化プロパルギル類の例として
は、塩化プロパルギル、臭化プロパルギル、ヨウ化プロ
パルギルなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、この
ハロゲン化プロパルギル類の使用量は、一般式(I)で
表わされる4官能性プロパルギルエーテル化合物の収量
の点から、一般式(II)で表わされる1,1,2,2
‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン類1モ
ルに対して、通常4.0モル以上、好ましくは4.0〜
20.0モル、より好ましくは6.0〜10.0モルの
範囲で選ばれる。
【0012】また、前記塩基性触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど
のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどのアルカリ金属炭酸塩、リン酸ナトリウムなどの
アルカリ金属リン酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、ナトリウムブトキシドなどのアルカリ
金属アルコラート、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8‐
ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ‐7‐エン、
1,4‐ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどの
三級アミンなどが挙げられる。これらは、単独で用いて
もよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】この塩基性触媒の使用量は、前記一般式
(I)で表わされる4官能性プロパルギルエーテル化合
物の収量の面から、一般式(II)で表わされる1,
1,2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エ
タン類1モルに対して、通常4当量以上、好ましくは8
当量以上である。
【0014】前記一般式(II)で表わされる1,1,
2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン
類とハロゲン化プロパルギル類との反応は、特に限定さ
れないが、不活性溶媒中での実施が好ましい。この不活
性溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4‐ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、N‐メチルピロリドン
及びこれらの混合物などが挙げられるが、もちろん、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】この反応は、爆発性過酸化物の生成抑制の
観点から、窒素などの不活性ガス雰囲気下で実施するの
が好ましい。反応温度としては、通常10〜120℃、
好ましくは20〜110℃の範囲で選ばれる。該反応温
度が10℃未満では反応に長時間を要するし、逆に12
0℃を越える場合は副反応が生じて好ましくない。ま
た、反応時間としては、反応温度や配合条件で異なる
が、一般的には3〜24時間程度である。
【0016】反応終了後の4官能性プロパルギルエーテ
ル化合物の単離精製法については特に制限はなく、従来
公知の方法を用いることができる。例えば、反応終了物
に酢酸エチルなどの有機溶媒と水とを加えて分液処理し
て溶媒層を分取し、該溶媒層を水で数回洗浄し、無水硫
酸マグネシウムなどの脱水剤を加えて乾燥し、減圧濃縮
して溶媒を留去し、必要に応じて適当な溶剤で洗浄する
方法などを好ましく用いることができる。このようにし
て得られた4官能性プロパルギルエーテル化合物は、爆
発性過酸化物の生成抑制の点から、窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下で保存することが好ましい。
【0017】本発明の4官能性プロパルギルエーテル化
合物は、硬化反応速度が速く、しかも高い耐熱性を有す
る硬化物を与える性質を有するため、例えば不飽和基を
有する樹脂の耐熱性を改善する組成物成分として極めて
有用であり、具体的には前記樹脂100重量部に対し
て、通常5重量部以上、好ましくは20重量部以上を加
えることにより耐熱性の改善を図ることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の1,1,2,2‐テトラキス
(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類は、従来の
2,2‐ビス(4‐プロパルギロキシフェニル)プロパ
ンに比べ硬化反応速度が速く、しかも高い耐熱性を有す
る硬化物を与えることができる。また、本発明の1,
1,2,2‐テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニ
ル)エタン類は、前記の性質を有するため、不飽和基を
有する樹脂と組み合わせて使用することにより、該樹脂
の耐熱性を改善させることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0020】実施例1 かきまぜ装置、滴下漏斗、還流冷却器及び窒素導入管を
備えた反応器内に窒素ガスを導入しながら、1,1,
2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン
400.1g(1.01モル)、炭酸カリウム555.
6g(8.06当量)及びメタノール2000gを仕込
んだのち、かきまぜ混合して1,1,2,2‐テトラキ
ス(4‐ヒドロキシフェニル)エタンを完全に溶解させ
た。次いで、反応系を65℃に昇温し、臭化プロパルギ
ル832.8g(7.00モル)を徐々に滴下したの
ち、65℃で6時間反応を続けた。反応終了後、酢酸エ
チルと水とを加えて分液して溶媒層を得、該溶媒層を水
で数回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し
て白色結晶を析出させた。得られた白色結晶をメタノー
ルで洗浄、乾燥して470.4g(0.85モル)の白
色結晶の化合物Aを得た。
【0021】得られた化合物Aは、図1に示す水素核磁
気共鳴スペクトル(1H−NMR、溶媒:重クロロホル
ム)において、8.90ppmの水酸基に基づくピーク
が消失し、2.46ppmにアセチレン水素に基づくピ
ークと4.55ppmにプロパルギル基のメチレン水素
に基づくピークが出現していること、さらに、追加的分
析で得た図2に示す炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−
NMR、溶媒:重クロロホルム)において、75及び7
9ppmにアセチレン炭素に基づく特有のピーク2本と
57ppmにプロパルギル基のメチレン炭素に基づくピ
ーク1本が出現していること、また、図3に示す赤外線
吸収スペクトル(IR)においては、3356cm-1
水酸基に基づく吸収が消失し、3285cm-1にアセチ
レン基の水素に基づく吸収と2120cm-1にアセチレ
ン基に基づく特性吸収が認められたことから、目的とす
る1,1,2,2‐テトラキス(4‐プロパルギロキシ
フェニル)エタンであることが確認された。
【0022】また、得られた化合物Aについては、熱硬
化処理(200℃×5時間又は220℃×2時間)して
硬化物としたのち、テトラヒドロフラン(以下「TH
F」と略称する)溶媒を用いたソックスレー抽出法(6
5℃×5時間)により該硬化物のTHF不溶分(重量
%)を求めた。なお、数値の大きいほど化合物の硬化反
応速度は速いと評価した。さらに、得られたTHF不溶
分については、セイコー電子工業(株)製SSC−52
00TG/DTA−220(窒素雰囲気下で昇温速度1
0℃/分)を用いて該THF不溶分が5重量%又は10
重量%減量した際の温度、すなわち熱分解温度(Td5
及びTd10 ℃)を求めた。それらの結果を表1に示
す。
【0023】実施例2 実施例1に記載の反応器内に窒素ガスを導入しながら、
1,1,2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシ‐3‐メ
チルフェニル)エタン455.0g(1.00モル)、
炭酸カリウム552.2g(8.00当量)及びメタノ
ール5000gを仕込んだのち、かきまぜ混合して1,
1,2,2‐テトラキス(4‐ヒドロキシ‐3‐メチル
フェニル)エタンを完全に溶解させた。次いで、反応系
を65℃に昇温し、臭化プロパルギル955.9g
(8.03モル)を徐々に滴下したのち、65℃で6時
間反応を続けた。反応終了後は、実施例1と同様にして
411.1g(0.68モル)の白色結晶の化合物Bを
得た。
【0024】得られた化合物Bは、実施例1に準拠して
得た水素核磁気共鳴スペクトル(図示せず)において、
3.99ppmの水酸基に基づくピークが消失し、2.
44ppmにアセチレン水素に基づくピークと4.47
ppmにプロパルギル基のメチレン水素に基づくピーク
が出現していること、さらに、追加的分析で得た炭素核
磁気共鳴スペクトル(図示せず)において、75及び7
9ppmにアセチレン炭素に基づく特有のピーク2本と
55ppmにプロパルギル基のメチレン炭素に基づくピ
ーク1本が出現していること、また、赤外線吸収スペク
トル(図示せず)において、3411cm-1の水酸基に
基づく吸収が消失し、3296cm-1にアセチレン基の
水素に基づく吸収と2123cm-1にアセチレン基に基
づく特性吸収が認められたことから、目的とする1,
1,2,2‐テトラキス(3‐メチル‐4‐プロパルギ
ロキシフェニル)エタンであることが確認された。ま
た、該化合物Bは、熱硬化処理(200℃×5時間)し
て硬化物としたのち、該硬化物のTHF不溶分と該TH
F不溶分の熱分解温度を実施例1に準拠して求めた。そ
れらの結果を表1に示す。
【0025】比較例 実施例1に記載の反応器内に窒素ガスを導入しながら、
2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン22
7.9g(1.00モル)、炭酸カリウム303.5g
(4.40当量)及びメタノール2000gを仕込んだ
のち、かきまぜ混合して2,2‐ビス(4‐ヒドロキシ
フェニル)プロパンを完全に溶解させた。次いで、反応
系を65℃に昇温し、臭化プロパルギル261.5g
(2.20モル)を滴下したのち、65℃で6時間反応
を続けた。反応終了後は実施例1と同様に処理して23
8.2g(0.78モル)の白色結晶の化合物Cを得
た。
【0026】得られた化合物Cは、実施例1に準拠して
得た水素核磁気共鳴スペクトル(図示せず)に出現して
いる2.52ppm(文献値2.49ppm)のアセチ
レン水素に基づくピークと4.68ppm(文献値4.
65ppm)のプロパルギル基のメチレン水素に基づく
ピークが文献[「Eur.Polym.J」,第27
巻,第11号,第1279〜1287ページ(1991
年)]に記載の2,2‐ビス(4‐プロパルギロキシフ
ェニル)プロパンの文献値とほぼ一致していること、ま
た、赤外線吸収スペクトル(図示せず)において、33
59cm-1の水酸基に基づく吸収が消失し、3285c
-1にアセチレン基の水素に基づく吸収と2112cm
-1にアセチレン基に基づく特性吸収が認められたことか
ら、2,2‐ビス(4‐プロパルギロキシフェニル)プ
ロパンであることが確認された。また、該化合物Cは、
熱硬化処理(200℃×5時間又は220℃×2時間)
して2種類の硬化物としたのち、該硬化物のTHF不溶
分と該THF不溶分の熱分解温度を実施例1に準拠して
求めた。それらの結果を表1に示す。
【0027】参考例 実施例1で得た化合物Aと比較例1で得た化合物Cとを
表1に示す配合割合で混合して3種類の組成物を得た。
得られた組成物は、熱硬化処理(200℃×5時間)し
て硬化物としたのち、該硬化物のTHF不溶分と該TH
F不溶分の熱分解温度を実施例1に準じて求めた。それ
らの結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、本発明の化合物
A(実施例1)は、従来の化合物C(比較例)より、硬
化反応速度に優れること、及び高い耐熱性を有すること
が確認された。また、参考例に示されるように化合物A
は、従来の化合物Cと組み合わせて用いることにより、
化合物Cの耐熱性を向上させうることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた化合物Aの水素核磁気共
鳴スペクトル図。
【図2】 実施例1で得られた化合物Aの炭素核磁気共
鳴スペクトル図。
【図3】 実施例1で得られた化合物Aの赤外線吸収ス
ペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 育義 神奈川県横浜市金沢区泥亀2丁目3番地 でいき住宅2号棟502号室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のR1ないしR4は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖
    状又は枝分かれ状のアルキル基であり、それらは同一環
    内又は異なる環内でたがいに同一であってもよいし、異
    なっていてもよく、a,b,c及びdは、それぞれ0又
    は1〜4の整数である)で表わされる1,1,2,2‐
    テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン
    類。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中のR1ないしR4は、それぞれ炭素数1〜4の直鎖
    状又は枝分かれ状のアルキル基であり、それらは同一環
    内又は異なる環内でたがいに同一であってもよいし、異
    なっていてもよく、a,b,c及びdは、それぞれ0又
    は1〜4の整数である)で表わされる1,1,2,2‐
    テトラキス(4‐ヒドロキシフェニル)エタン類とハロ
    ゲン化プロパルギル類とを、塩基性触媒の存在下に反応
    させることを特徴とする一般式 【化3】 (式中のR1ないしR4、a,b,c及びdは前記と同じ
    意味をもつ)で表わされる1,1,2,2‐テトラキス
    (4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類の製造方
    法。
JP17682396A 1996-07-05 1996-07-05 1,1,2,2‐テトラキス(4‐プロパルギロキシフェニル)エタン類及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3544599B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051780A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051780A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd テトラキス(アリルオキシフェニル)炭化水素化合物の製造方法

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