JP2020037545A - 酸素同位体標識カルボン酸塩化合物、酸素同位体標識用試薬、酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法、及び酸素同位体標識アルコールの製造方法 - Google Patents
酸素同位体標識カルボン酸塩化合物、酸素同位体標識用試薬、酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法、及び酸素同位体標識アルコールの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
また、本発明は、酸素同位体の供給源として有用な酸素同位体標識用試薬を提供することを課題とする。
本発明では、酸素同位体標識化合物を得るための酸素同位体の供給源となる化合物を「酸素同位体標識用試薬」と称する。
[1] 化学式(1)又は(2)で表される酸素同位体標識カルボン酸塩化合物。
また、化学式(1)および(2)において、Xは、Li,Na,Kのいずれかである。
[2] 化学式(3)又は(4)で表される酸素同位体標識カルボン酸塩化合物。
また、化学式(1)および(2)において、Xは、H,NH4,PH4,Li,Na,Kのいずれかである。
[3] 酸素同位体17O又は18Oの濃縮度が、10atm%以上である、[1]又は[2]に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物。
[4] [1]乃至[3]のいずれか一項に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物からなる酸素同位体標識用試薬。
[5] [1]に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法であって、
化学式(5)で表されるニトリル化合物と、酸素同位体17O又は18Oを含む酸素同位体標識水と、塩基とを、有機溶媒中で反応させる、酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法。
[6] [2]に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法であって、
化学式(6)で表されるニトリル化合物と、酸素同位体17O又は18Oを含む酸素同位体標識水と、塩基とを、有機溶媒中で反応させる、酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法。
[7] [1]に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物と有機化合物とを反応させて、酸素同位体標識エステル化合物を生成し、
生成した前記酸素同位体標識エステル化合物を塩基性条件下で反応させて、酸素同位体標識アルコールを生成する、酸素同位体標識アルコールの製造方法。
[8] [2]に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物と有機化合物とを反応させて、酸素同位体標識エステル化合物を生成し、
生成した前記酸素同位体標識エステル化合物を塩基性条件下で反応させて、酸素同位体標識アルコールを生成する、酸素同位体標識アルコールの製造方法。
また、本発明の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法は、酸素同位体標識用カルボン酸塩化合物を容易かつ安全に生成することができる。
また、本発明の酸素同位体標識アルコールの製造方法は、汎用性及び利便性に優れる。
先ず、本発明を適用した第1の実施形態である酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の構成について説明する。本実施形態の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物は、上記化学式(2)で表される酸素同位体標識カルボン酸塩化合物からなるものであり、酸素同位体標識用試薬として有用である。
具体的には、フッ素、ペルフルオロアルキル基、アルキル基、アルコキシ基が例示できる。
本実施形態の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法は、反応式(7)に示すように、上記化学式(5)で表されるニトリル化合物と、酸素同位体18Oを含む酸素同位体標識水(H2 18O)と、塩基とを有機溶媒中で反応させる。反応終了後、エバポレータなどで溶媒を減圧留去することにより、化学式(2)で表される酸素同位体標識カルボン酸塩化合物を得ることができる。
上述した反応条件を用いることで、ニトリル化合物の加水分解反応を確実に進行させるとともに、化合物の分解を防ぐことができる。
なお、化学式(5)で表されるニトリル化合物に応じて、薄層クロマトグラフィー(thin-layer chromatography:TLC)などで反応を追跡し、適切な反応温度・反応時間を見極めながら、反応を行うことが好ましい。
本実施形態の酸素同位体標識アルコールの製造方法は、先ず、反応式(8)に示すように、化学式(2)で表される酸素同位体標識カルボン酸塩化合物と、化学式(9)で表される有機化合物とを反応させて、化学式(10)で表される酸素同位体標識エステル化合物を生成する。次に、得られた化学式(10)の酸素同位体標識エステル化合物を塩基性条件下で反応させることで、化学式(11)で表される酸素同位体標識アルコール化合物を得ることができる。
特に、化学式(9)においては、カルボン酸塩化合物との反応性の高さから、R3のベンジル部位もしくはアリル部位でYと接続していることが好ましい。
上述した反応条件を用いることで、エステルの合成反応を確実に進行させるとともに、生成した化合物の分解を防ぐことができる。
上述した反応条件を用いることで、酸素同位体標識アルコールの合成反応を確実に進行させるとともに、生成した化合物の分解を防ぐことができる。
有機塩基としては、例えば、ナトリウムt−ブトキシドといった金属アルコキシドなどが挙げられる。
無機塩基としては、例えば、Na18OH、K18OH、Li18OHなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。なお、金属アルコキシドと酸素同位体標識水(H2 18O)とを混合することにより、反応系内で上記水酸化物を調製することができる。
先ず、本発明を適用した第2の実施形態である酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の構成について説明する。本実施形態の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物は、上記化学式(4)で表される酸素同位体標識安息香酸塩化合物からなるものである。
具体的には、R2は、フッ素、ペルフルオロアルキル基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、又は重水素が例示できる。また、置換基R2において、置換数を示すmは1〜5である。
本実施形態の酸素同位体標識安息香酸塩化合物の製造方法は、反応式(12)に示すように、上記化学式(6)で表されるニトリル化合物と、酸素同位体18Oを含む酸素同位体標識水(H2 18O)と、塩基とを有機溶媒中で反応させる。反応終了後、エバポレータなどで溶媒を減圧留去することにより、化学式(4)で表される酸素同位体標識安息香酸塩化合物を得ることができる。
上述した反応条件を用いることで、ニトリル化合物の加水分解反応を確実に進行させるとともに、化合物の分解を防ぐことができる。
なお、化学式(6)で表されるニトリル化合物に応じて、薄層クロマトグラフィー(thin-layer chromatography:TLC)などで反応を追跡し、適切な反応温度・反応時間を見極めながら、反応を行うことが好ましい。
本実施形態の酸素同位体標識アルコールの製造方法は、先ず、反応式(13)に示すように、化学式(4)で表される酸素同位体標識安息香酸塩化合物と、上記化学式(9)で表される有機化合物とを反応させて、化学式(14)で表される酸素同位体標識エステル化合物を生成する。次に、得られた化学式(14)の酸素同位体標識エステル化合物を塩基性条件下で反応させることで、上記化学式(11)で表される酸素同位体標識アルコール化合物を得ることができる。
上述した反応条件を用いることで、エステルの合成反応を確実に進行させるとともに、生成した化合物の分解を防ぐことができる。
上述した反応条件を用いることで、酸素同位体標識アルコールの合成反応を確実に進行させるとともに、生成した化合物の分解を防ぐことができる。
有機塩基としては、例えば、ナトリウムt−ブトキシドといった金属アルコキシドなどが挙げられる。
無機塩基としては、例えば、Na18OH、K18OH、Li18OHなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。なお、金属アルコキシドと酸素同位体標識水(H2 18O)とを混合することにより、反応系内で上記水酸化物を調製することができる。
反応式(15)に示すように、先ず、50mLナスフラスコに原料である4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル1.71g(10mmol)を秤取し、メタノール20mLを加えて均一溶液とした。次に、ナスフラスコに酸素同位体標識水H2 18O(98atom%18O)0.600g(30mmol)を加えたのち、t−ブトキシナトリウム0.96g(10mmol)を加えて70℃で終夜反応させた。反応後、溶媒を減圧留去することで、4−(トリフルオロメチル)安息香酸ナトリウム−18O2を得た。
反応式(16)に示すように、先ず、50mLナスフラスコに原料であるピバロニトリル0.83g(10mmol)を秤取し、メタノール20mLを加えて均一溶液とした。次に、ナスフラスコに酸素同位体標識水H2 18O(98atom%18O)0.600g(30mmol)を加えたのち、t−ブトキシナトリウム0.96g(10mmol)を加えて70℃で終夜反応させた。反応後、溶媒を減圧留去することで、ピバル酸ナトリウム−18O2を得た。
反応式(17)に示すように、先ず、50mLナスフラスコに原料である4−メトキシベンゾニトリル1.33g(10mmol)を秤取し、メタノール20mLを加えて均一溶液とした。次に、ナスフラスコに酸素同位体標識水H2 18O(98atom%18O)0.600g(30mmol)を加えたのち、t−ブトキシナトリウム0.96g(10mmol)を加えて70℃で終夜反応させた。反応後、溶媒を減圧留去することで、4−メトキシ安息香酸ナトリウム−18O2を得た。
Claims (8)
- 酸素同位体17O又は18Oの濃縮度が、10atm%以上である、請求項1又は2に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物からなる酸素同位体標識用試薬。
- 請求項1に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物と有機化合物とを反応させて、酸素同位体標識エステル化合物を生成し、
生成した前記酸素同位体標識エステル化合物を塩基性条件下で反応させて、酸素同位体標識アルコールを生成する、酸素同位体標識アルコールの製造方法。 - 請求項2に記載の酸素同位体標識カルボン酸塩化合物と有機化合物とを反応させて、酸素同位体標識エステル化合物を生成し、
生成した前記酸素同位体標識エステル化合物を塩基性条件下で反応させて、酸素同位体標識アルコールを生成する、酸素同位体標識アルコールの製造方法。
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JP2018166294A JP2020037545A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | 酸素同位体標識カルボン酸塩化合物、酸素同位体標識用試薬、酸素同位体標識カルボン酸塩化合物の製造方法、及び酸素同位体標識アルコールの製造方法 |
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WO2022138748A1 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-06-30 | 国立大学法人九州大学 | 標識方法、標識用酸化剤、ルテニウム錯体、触媒、標識化合物、及び、化合物 |
CN115025727A (zh) * | 2021-10-23 | 2022-09-09 | 苏州思萃同位素技术研究所有限公司 | 一种氧同位素草酸的制备装置及制备方法 |
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WO2022138748A1 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-06-30 | 国立大学法人九州大学 | 標識方法、標識用酸化剤、ルテニウム錯体、触媒、標識化合物、及び、化合物 |
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CN115025727B (zh) * | 2021-10-23 | 2024-04-30 | 苏州思萃同位素技术研究所有限公司 | 一种氧同位素草酸的制备装置及制备方法 |
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