JP2009050929A - 光学素子の成形金型、成形金型の加工方法、光学素子、光学装置、光走査装置、画像表示装置、光ピックアップ装置 - Google Patents

光学素子の成形金型、成形金型の加工方法、光学素子、光学装置、光走査装置、画像表示装置、光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】階段状となる回折パターンの形状評価を正確に行うことができる測定基準としてのマークを有する光学素子の成形金型を提供する。
【解決手段】本発明は、回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、直線、円または楕円形状となる回折パターンの光学素子の成形金型において、前記回折面の外周の光学的に不要な領域37にV溝32a〜32d、33を少なくとも2本以上交差させたパターンを形成し、その交点O,P,Q,Rを計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする。このようにV溝32a〜32dとV溝33の交点O,P,Q,Rを計測および金型加工時の基点(マーク)として用いることにより、中心36が平面となる階段状回折面をもつ光学素子またはその金型の形状計測を正確に行うことができ、より高い精度の回折光学素子を実現することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、回折面の表面に微細な階段状パターンを有する回折光学素子等の光学素子を成形するための成形金型と、その成形金型の加工方法、その成形金型で成形された光学素子、その光学素子を用いた光学装置、光学装置、光走査装置、画像表示装置、光ピックアップ装置に関するものである。
また、光学素子としては回折光学素子のみならず、被検面が不連続な変化をするため、計測ラインの位置決めをミクロン精度で正確に要求されるものについても活用でき、例えば補間による座標推定が困難でかつ光学面のようにサブミクロンレベルの形状精度が要求されるものがこれに相当する。
従来より、回折光学素子等の光学素子や、その光学素子を成形するための加工方法、成形金型、光学素子の製造方法、製造装置等、種々の提案が成されている。
例えば特許文献1(特開2003−251552公報)には、回転対称性のない自由曲面の加工に好適な加工方法、この方法を用いた光学素子及び金型の製造方法、光学素子及びこの光学素子を備えた光学装置に関し、目的の面形状が対称性のない自由曲面であっても、加工誤差が極めて小さい面形状を得ることができる加工方法等を提供することを目的として、「被加工物の所望領域に目的の曲面形状を形成する加工方法において、前記被加工物の前記所望領域を有する面と同一面上にアライメントマークを形成するマーキング工程と、前記アライメントマークを基準にして、前記所望領域に前記面形状を形成する、ことを特徴とする加工方法」等が開示されている。また、解決手段の要約として、「被加工物である石英ブロックの加工領域を目的の自由曲面形状に近づくよう加工する研削工程(ステップ1,2)及び研磨工程(ステップ4)と、以上の工程(ステップ1,2,4)で加工された加工領域に修正加工を施す修正工程(ステップ5)と、この修正工程の前に、加工領域を除く領域にアライメントマークを加工するマーキング工程(ステップ3)と、を実行する。修正工程(ステップ5)では、アライメントマークを基準にして、加工領域の形状を測定し(ステップ6)、この測定結果に基づいて修正加工を施す(ステップ8)。」ことが記載されている。
特許文献2(特開2000−56114公報)には、半導体露光装置、カメラ、望遠鏡、顕微鏡等の光学系に使用する回折光学素子の製造方法及び製造装置に関し、接合面に気泡等が残存することなく他の部材を接着して高剛性及び高精度の回折光学素子を製造することを目的として、「単体では自重及び/又は保持部材の圧力及び/又は気圧によって変形する回折格子を他の部材に1つの接触点において接触する工程と、前記接触点から全体に接触面を拡げるこれにより両者を接合する工程とを有することを特徴とする回折光学素子の製造方法」等が開示されている。また、解決手段の要約として、「回折光学素子をチャック12に載せ、排気口17から空気を排出して固定する。治具11を所定角度回転してマーク位置をマークスコープ18で計測し、回折光学素子16と治具11の偏心を除去して回転中心を一致させる。屈折レンズ19をレンズホルダ13に載せ、異なる2点においてレーザー測長機20により表裏2面までの距離を計測し、屈折レンズ19の光軸と治具11の偏心を除去して回転中心を一致させる。レンズホルダ13を下降して回折光学素子16を屈折レンズ19に中心位置から接触させ、吸着している排気口17の負圧を大気圧に戻すことにより、中心位置から徐々に周辺部へ接合部を拡げて両者を直接接合する。」ことが記載されている。
特許文献3(特開2002−52576公報)には、光学結像素子成形用金型及びその組立装置に関し、光学結像素子成形用金型におけるレンズ成形用金型とプリズム成形用金型との位置合わせを、レンズ鏡面駒の位置とプリズム鏡面駒の位置を正確に把握して行えるようにすることを目的として、「入射側に位置する入射側レンズと、該入射側レンズと光学的に等価に形成され、かつ、前記入射側レンズの光軸と直交する光軸を有して結像側に位置する結像側レンズと、前記入射側レンズと結像側レンズ間でこれらのレンズの光軸で形成される平面内に前記入射側レンズ、結像側レンズの光軸のいずれとも直交しないように配設された稜線を有するルーフプリズムとからなる光学結像素子を形成するための成形用金型であって、前記入射側レンズを形成するための入射側レンズ用鏡面駒と前記ルーフプリズムを形成するための結像側レンズ用鏡面駒とを有する光学結像素子成形用金型において、レンズ成形用金型11にレンズ鏡面駒の光軸位置を知るためのマークを有するレンズ金型用ブロック13を設け、プリズム成形用金型12にプリズム鏡面駒の位置を知るためのマークを有するプリズム金型用ブロック14を設けた光学結像素子成形用金型」が開示されている。
特許文献4(特開2001−6203公報)には、光ヘツド装置に関し、対物レンズと位相制御素子とに形成した中心軸合わせ用の位置決めマークで位置決めして1つのホルダ−に固定することにより、光デイスク情報を簡単な構成で安定して記録再生できるようにすることを目的として、「光源からの光を対物レンズと位相制御素子とを備えた光学系により光記録媒体に集光し、情報の記録又は再生を行う光ヘッド装置において、対物レンズと位相制御素子とは中心軸合わせ用の位置決めマークが形成されており、かつこのマークによって位置決めされて一つのホルダーに固定されていることを特徴とする光ヘッド装置」等が開示されており、より具体的には、「光ヘツドの光軸上で位相制御素子1と対物レンズ2とが向き合う各面に偏心調整用として、位相制御素子の輪帯中心軸に凹型クボミの位置決めマーク11を、また対物レンズの対称中心軸に同様な位置決めマーク21を形成する。組立時、対物レンズ中心の位置決めマーク21と位相制御素子の輪帯中心の位置決めマーク11が一致するように偏心調整してホルダ−3に固定する。これにより、光ヘツド装置の位相制御素子と対物レンズとが偏心することなく一体化され、DVD系の光デイスクの再生性能を維持したまま、設計値通りのCD系光デイスクの再生性能が安定して得られる。」ことなどが記載されている。
特許文献5(特開2006−235069公報)には、光走査装置および画像形成装置に関し、パワー回折面を用いた光走査装置において、温度変動によるビームスポット径変動のみならず、モードホップによる発振波長の変化によるビームスポット径変動をも低減し、より安定したビームスポット径で光走査を行い得る光走査装置の実現、さらには、かかる光走査装置を用いる画像形成装置の実現を課題として、「半導体レーザからの光ビームをカップリングレンズにより所望のビーム形態の光ビームに変換した後、アナモフィック光学素子を介して光偏向器に導光し、上記光偏向器により偏向された光ビームを、走査光学系により被走査面上に集光させて光スポットを形成し、上記被走査面を光走査する光走査装置であって、上記走査光学系は1以上の樹脂製レンズを含み、上記アナモフィック光学素子は、片面が同心円状のパワー回折面を有する回転対称形状な面で、他方の面が主走査方向に平行で副走査方向にのみ集光作用を有するパワー回折面を有する面である樹脂製レンズであり、半導体レーザにおけるモードホップや温度変化に起因する、主走査方向および/または副走査方向のビームウエスト位置の変動を略0とするように、上記各パワー回折面のパワーを設定したことを特徴とする光走査装置」等が開示されている。
特開2003−251552公報 特開2000−56114公報 特開2002−52576公報 特開2001−6203公報 特開2006−235069公報
光源波長に対する分散特性が屈折素子と回折素子で逆の特性を持つことから、屈折面と回折面を組み合わせ、光源波長の変動が生じた場合でもその焦点位置を安定化させる光学系が多数実施されている。その一つとして、環境温度変化による屈折面の焦点位置ズレを回折面で補正する光学素子が、例えば前述の特許文献5に開示のように光プリンタやデジタル複写機用の光走査装置のコリメート光学素子で実施されている。同開示例においては、光源波長が基準波長を保っている間は、パワー(集光能力)をもたず、温度外乱によって波長がずれたときのみパワーをもつ、階段状の同心円回折面が適用されている。一方、光走査装置で用いる場合、画質確保のため厳しい焦点深度が要求され、光学素子に求めら曲率誤差は深さ換算で数十nm以下とされている。階段状回折素子の曲率とは、図11に示すような各ステップ部頂点の回帰曲線から求められるが、これを保証するためには、各ステップ部の輪帯径、および段差を数十nmの精度で生産することが必要とされている。
従来の球面および非球面レンズにおける曲率評価は断面曲線の取得によって行われてきた。断面曲線の取得は原子間力ブローブも含め、接触式のプローブを球面あるいは非球面の頂点を通過するように走査し、そのプローブ変位を取得する方法がとられてきた。連続的な曲面においては、頂点探索は容易で、接触式プローブを断面曲線取得時の走査方向と直交する方向に走査しプローブ変位の最高点(凹面では最低点)を探す方法である。
しかしながら、上記のような階段状の同心円回折面においては、従来の頂点探索が用いることが出来ず、頂点に相当する回折面回転中心への一致精度が足りず曲率評価に対して充分な形状測定精度を得ることが困難とされてきた。
前述の従来技術の場合、階段上の回折面の中心にマーキングを行い、それを組み立て時の基準とすることが特許文献4に開示されている。同事例においては光学面中心に直接光学的に機能しないマークを形成してもその光学特性が確保される構成となっているが、通常の光学素子においてはその中心部を通過する光強度が最も高く、その近傍に形状誤差としての外乱となるパターンを形成することは困難である場合がほとんどである。
自由曲面の光学素子加工において、光学的に不要域に研削工具による加工痕を形成してそれを加工基準として用いることが特許文献1において開示されている。ここでの研削痕とはトーリック(またはトーラス)型の船型の凹みであり、これを頂点探査して加工原点として用いている。
しかしながら、この従来技術では、加工痕自体の頂点探査が必要で手間がかかること、また、頂点探査が可能なように比較的大きな加工痕が必要なため、充分な大きさの光学的不用域が必要で、光ピックアップや光走査装置のコリメート光学素子への適用が困難であることなどの不具合がある。
回折面外周に設けた十字線を用いてアライメントする工法が特許文献2に開示されており、同文献の実施例においては、回折面をリソグラフィーによって形成し、その描画装置で十字マークをも形成するものである。
しかしながら、この従来技術では、レジスト上への形成であり、深さ10μm程度の回折素子には適用可能であるが、曲面上に回折面を形成した素子などには適用することが出来ない。また、同分権の実施例では、回折素子を屈折光学素子に貼り付ける工程を開示しているが、曲面上への貼り付けといった変形を伴うと、完成した素子に残るマークには位置ずれが生ずる可能性があり、完成検査などには用いることが出来ない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、階段状となる回折パターンの形状評価を正確に行うことができる測定基準としてのマークを有する成形金型と、その成形金型の加工方法、その成形金型で成形された光学素子、その光学素子を用いた光学装置、光学装置、光走査装置、画像表示装置、光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、階段状となる回折パターンの形状評価を正確に行うことができる測定基準としてのマークの形成法を提供するものであり、該マークは、わずかな領域の光学的不用域に形成できるため、光学性能を損なうことなく形成でき、光ピックアップや光走査装置のコリメート光学素子等の小径レンズへの適用が可能である。そして、本発明では、成形金型の回折面切削工程において、一連の加工動作の中で実施可能とし、特別な位置の割り出しや専用工具を不要とし、納期、コストを犠牲にすることなく、階段状となる回折パターンの高精度化を実現することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、直線、円または楕円形状となる回折パターンの光学素子の成形金型において、前記回折面の外周の光学的に不要な領域にV溝を少なくとも2本以上交差させたパターンを形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする。
本発明の第2の手段は、回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、直線となる回折パターンの光学素子の成形金型において、前記回折面の外周の光学的に不要な領域に前記稜線と平行なV溝を有し、これと直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする。
また、本発明の第3の手段は、第2の手段の成形金型において、略直交する複数のV溝は前記回折面を挟んで対向する2本1組の対であり、この対は一つの直線上に配置され、またその直線は回折面を形成する階段状の稜線と直交することを特徴とする。
本発明の第4の手段は、回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、円となる回折パターンの光学素子の成形金型において、前記回折面の外周の光学的に不要な領域に前記稜線と相似形状でかつ中心を共通とする円形状のV溝を有し、これと略直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする。
また、本発明の第5の手段は、第4の手段の成形金型において、略直交する複数のV溝は円となる回折面を挟んで対向する2本1組の対であり、この対となる溝は互いに平行であることを特徴とする。
本発明の第6の手段は、回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、楕円となる回折パターンの光学素子の成形金型において、前記回折面の外周の光学的に不要な領域に前記稜線と相似形状でかつ中心を共通とする楕円形状のV溝を有し、これと略直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第6の手段の成形金型において、略直交する複数のV溝は楕円となる回折面を挟んで対向する4本1組の対であり、この対となる溝は互いに平行であることを特徴とする。
本発明の第8の手段は、第1〜第7のいずれか1つの手段の成形金型において、前記V溝形状は二つの斜面のなす角度が、前記回折面を形成する階段形状部の立ち壁根元の開き角θと同一で、該開き角θは92〜110度の鈍角であることを特徴とする。
本発明の第9の手段は、第3、第5、第7のいずれか1つの手段の成形金型の加工方法であって、複数の略直交するV溝は、回折面加工時の被加工物把持状態から、着脱無き状態で、回折面中央部と直交する軸周りの回転ステージを用い、90°単位での回転割り出しして刻印することを特徴とする。
本発明の第10の手段は、光学素子であって、第1〜第8のいずれか1つの手段の成形金型を用いて成形されたことを特徴とする。
また、本発明の第11の手段は、光学装置であって、第10の手段の光学素子を用いたことを特徴とする。
本発明の第12の手段は、光源と、該光源からの光束をコリメートし所望のビーム形態に変換する第1光学系と、該第1光学系からの光束を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された光束を被走査面に結像する第2光学系を備えた光走査装置において、前記第1光学系あるいは前記第2光学系に、第10の手段の光学素子を用いたことを特徴とする。
本発明の第13の手段は、光源と、照明光学系と、画像表示素子と、投射レンズを備えた画像表示装置において、前記照明光学系を構成する光学素子、あるいは前記投射レンズに、第10の手段の光学素子を用いたことを特徴とする。
本発明の第14の手段は、光源と、該光源からの光束をコリメートする光学系と、コリメートされた光束を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光束を集光する集光レンズと、集光された光束を受光する受光素子を備えた光ピックアップ装置において、前記コリメート光学系、対物レンズ、集光レンズの少なくとも1つに、第10の手段の光学素子を用いたことを特徴とする。
本発明の成形金型においては、回折面の外周の光学的に不要な領域にV溝を少なくとも2本以上交差させたパターン(マーク)を形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることにより、中心が平面となる階段状回折面をもつ光学素子またはその金型の形状計測を正確に行うことができ、より高い精度の回折光学素子を実現できる。また、生産時の検査に用いることが出来るため、検査時間の短縮によりその製造コストを低減することが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図示の実施例に基いて詳細に説明する。
図1は外周部に測定基準マークを形成した光学素子の一例を示す回折レンズの成形品の斜視図である。この回折レンズ1の材質は流動性と耐湿性に優れるオレフィン系ポリマーである。回折レンズ1の同心円状解説面5より外周部の光学的不用領域7には、回折パターンと中心を同じくする帯状突起の円周方向マーク3と、該円周方向マーク3に直交し半径方向に延びる4つのマーク2a,2b,2c,2dが形成されている。これらのマークは、図示しない成形用金型にV溝を刻印することで形成されたものである。
図2は、図1に示す回折レンズのような光学素子を成形するための成形金型の回折面および基準用V溝の金型加工に用いる5軸制御加工機の一例を示すものである。この加工機は、X,Y,Zの直線3軸スライドと、B,Cの回転2軸による5軸構成である。直線3軸の位置決め分解能は1nm、B,C軸の角度分解能は10万分の1度である。金型部材は母材がステンレスで、回折パターンの形成面には厚さ300μmの無電解Niメッキを付与している。金型部材30は、X軸テーブル11上に回転自在に設置されたB軸テーブル13に被加工面を上方に向けてクランプする。回折面とV溝の加工を兼用する単結晶ダイヤバイト16はC軸スピンドル14に連結されたバイトホルダー17に固定されている。単結晶ダイヤバイト16の刃先先端をXZ平面内で所定の位置へ位置決めしたのち、Z軸スライド及びY軸スライド12が下降し金型部材30のメッキ面に切り込みを行う。切り込みと同期してB軸テーブル13が半時計方向に回転し円弧上の溝加工が行われる。
図3は非回転工具による階段状回折面と基準用V溝の加工形態を示している。単結晶ダイヤバイト16は、ダイヤチップ16aとシャンク16bからなり、ダイヤチップ16aの先端の切れ刃はフラットな形状で矩形の溝を削るのに適した平バイトと呼ばれる形状である。階段状回折面では回転軸と直交するステップ部に厳密な直角度が求めらるため、ダミーワークの加工結果にもとづき、C軸の傾きを微調整し、切れ刃の回転軸との直交性を確保している。また、ダイヤチップ16aの切れ刃の角部Kで階段パターンを転写するのであるが、成形品の離型性と加工後のV溝の視認性を考慮し、その角部の開き角は96度とわずかに鈍角としている。
金型部材30に、同心円状の回折パターンを加工後に、その外周の光学的不用部(金型上の回折領域35の外周の光学的不用領域)37にV溝加工を行う。切れ刃は水平状態にあるため、この位置からバイト角部の開き角の1/2である48度をC軸によって半時計方向に回転させる。
この姿勢において、階段部の加工と同様に切り込みと同期させてB軸テーブル13を回転させることで回折面と回転軸が一致るする基準用V溝を容易に加工することができる。この半時計方向へバイト16を傾けた際に、C軸スピンドル14の回転中心とバイト角部Kを厳密に一致させておくことは困難であるため、回転と同時に角部KはXY方向にズレを生ずることとなる。このズレが生じた状態においても以下の手順によれば正確な頂点探査用マークを得ることができる。
図4は同心円状の回折パターンの回折面を成形するための金型部材30への基準用V溝の形成手順を説明するものである。ここでは、金型部材30へ円周方向V溝33を加工した後、半径方向V溝32a〜32dの加工を行う。
始めに工具(バイト)16の角部KがC軸スピンドル14の回転中心と一致する座標まで移動する。これは階段形状加工の座標系を用いるため、C軸スピンドル14の回転を付与した後はK点と回転中心は厳密には一致してない状態である。金型部材30は円柱形状であり、その外側からZ軸スライドによって中心に向かってV溝の加工を行なう。B軸テーブル13の回転角度を0°、90°、180°、270°と変化させて4本の半径方向V溝32a〜32dの加工(刻印)を行なう。この際、金型部材30においては、光学的不用領域37よりも回折面35が突出しているため、回折面35に接触しないようにバイト16の移動量をコントロールする必要がある。
図5は、図4に示す金型部材30の対向する2つのV溝の交点を結ぶラインをプローブ走査ラインとすることを説明したものである。δはC軸スピンドル14の回転によって生じた、バイトの角部(K点)の回転中心36からのズレ量である。上記手順によって加工することで、図示するように対向する半径方向V溝の交点OとQが対称関係で共にδのズレを生ずるため、点Oと点Qを結ぶ線分は正確に頂点を通過することとなる。点Pと点Rについても同様であり、これらの線分を測定時のプローブ軌跡とすれば、正確な断面曲線が取得可能となる。このような階段状回折面の測定においては、角部およびスミ部のデータの鈍化が少ないことから、レーザープローブ式の非接触三次元測定装置を用いている。これは、被検面上にレーザービームをオートフォーカスし、その状態で走査することでオートフォーカスで生ずるレンズ変位をモニターし、被検面の座標取得を行うものである。この測定装置では、レーザー光路と同軸に配置されたCCDカメラによって、レーザースポットの披検面上での位置を画像で正確に確認することが出来る。この画像に2値化、重心演算等を行うことで、披検面に形成したマーカーにレーザースポットを正確に一致させることが可能となっている。
図6はV溝の交点をより正確に特定するための手段を説明するものである。図6はV溝の交点PをCCDカメラで拡大観察したものである。溝深さ2μmで溝幅は4μmである。この幅をもったラインからその交点を正確に特定するために、画像処理を用いている。CCDカメラと同軸での照明を用いると、V溝部は未加工の平面に比べ反射光量が少ないため、視野内では黒色の十字線と認識される。V溝の開き角を90°では無く鈍角にしているため、反射光の低減が顕著となっている。この十字線を、交点特定のための画像処理領域45内で2値化し、その重心を求めることで、サブミクロンの分解能で交点を特定することが可能である。図5の点O〜Rは同処理によって求められたものである。
次に図7は同心楕円回折面を成形するための金型部材59と基準用V溝の形成手順を説明するものである。楕円回折パターンの最外周50の内側のハッチング部が光学的有効域であり、その外側は平面の光学的不用域である。この実施例では金型部材59は直方体となっている。
まず、同心円の金型部材のときと同様に金型部材59に階段状回折パターンを形成したのち、加工機から被加工物である金型部材59を着脱せずに同一の加工原点で楕円回折パターンと相似な円周方向V溝51を加工する。楕円の形状評価においては、計測用プローブ軌跡として楕円の中心を通過するだけではなく、長軸および短軸と平行であることが必要となる。そのため楕円回折パターン50と相似な円周方向V溝51と交差するV溝は、前後左右で各2本づつ形成している。
次に円の基準用V溝形成時と同様に工具(バイト16)の角部Kが楕円中心と一致するX座標に工具を移動させる。B軸の回転座標で、楕円短軸がZ軸と平行となる状態をB=0°に設定し、B軸0°で楕円短軸と平行なV溝52a,52cを刻印する、同様にB=90°でV溝52b,52d、B=180°でV溝53a,53c、B=270°でV溝53b,53dを刻印する。このときC軸スピンドル14による工具の姿勢変化によって生じた楕円中心からのズレ量がX1であり、この実施例においてはX1=Z1となっている。
次にV溝交点の中点である点Sおよび点Tを求め、それを結ぶことによって、楕円中心を通過しかつ短軸と平行な測定ラインを得ることができる。長軸方向についても同様に点Uと点Vを求め、それを結ぶことで測定ラインを得ることができる。
なお、図8は、図7の他の実施例を示したものであり、図7で用いた円周方向のV溝51に代えて、楕円短軸や楕円長軸に平行な直線状のV溝61a,61b,61c,61dを形成したものである。
次に図9は直線回折面を有する光学素子の成形品79で基準用マークを形成した例である。上記の例と同様に回折パターン加工時と同じ加工基準と工具を用いて、回折パターン70と平行な外周部マーク71a,71b、回折パターン70と直交する外周部マーク72a,72b、73a,73b、74a,74bを形成している。回折部を挟んで対向する72a,72bを結んだ直線が測定ラインとなる。また、この実施例では3断面の取得を想定している。
なお、図10は、図9に示した光学素子の成形品の基準用マークと直線回折面を成形するための金型部材89の一例を示したものであり、この金型は、前述の加工機のX軸テーブル11とZ軸スライド及びY軸スライド12を用いたX,Y,Z直線3軸スライドにより容易に加工することができる。
以上説明したように、本発明の成形金型においては、回折面の外周の光学的に不要な領域にV溝を少なくとも2本以上交差させたパターン(マーク)を形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることにより、中心が平面となる階段状回折面をもつ光学素子またはその金型の形状計測を正確に行うことができ、より高い精度の回折光学素子を実現できる。また、生産時の検査に用いることが出来るため、検査時間の短縮によりその製造コストを低減することが可能である。
また、本発明の成形金型においては、回折面の外周の光学的に不要な領域に、稜線と平行なV溝、あるいは前記稜線と相似形状でかつ中心を共通とする円形状または楕円形状のV溝を有し、これと直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、そのV溝の交点を計測および金型加工時の基点(マーク)として用いるので、光学面である回折パターンと平行または相似形状のマークとすることで、加工が容易、マークに必要な領域が小さく済む等のメリットがあり、マーク形成に関わるコストアップを極力小さくすること可能となる。
さらに本発明の成形金型においては、マークをV溝で作成することにより、回折部の加工に用いた工具(例えば単結晶ダイヤバイト16)がそのまま活用でき、作業時間の短縮ができ、工具付け替えによる位置決め誤差が出ないため、精度確保の面でも有利となる。また、マーク形成用の専用工具を準備する必要が無く、コスト面でも有利となる。さらには、2つのV溝の交点を画像処理することでV溝幅の1/10程度の位置決め分解能を得ることができる。
さらにまた、本発明の成形金型においては、上記の構成に加えて、V溝形状は二つの斜面のなす角度が、回折面を形成する階段形状部の立ち壁根元の開き角θと同一で、該開き角θは92〜110度の鈍角であることにより、階段形状部の成形において光軸方向に成形品をイジェクトする場合、抜き勾配として作用し、離型時の変形を抑制することが出来る。またCCDカメラ画像によるV溝交点の特定において、V溝面での反射光量が90°の場合に比べて2面反射での戻り光がないため、より高いコントラストで溝形状を認識できる。
本発明では、以上に説明したような成形金型を用いて光学素子を成形するので、表面に微細な階段状パターンを有する回折光学素子等の光学素子を容易にかつ精度良く形成することができる。また、光学素子としては回折光学素子のみならず、被検面が不連続な変化をするため、計測ラインの位置決めをミクロン精度で正確に要求されるものについても活用することができる。例えば補間による座標推定が困難でかつ光学面のようにサブミクロンレベルの形状精度が要求されるものにも適用できる。
以上の実施例に示したような回折パターンを有する回折光学素子は種々の光学装置に応用でき、スチールカメラ、ビデオカメラ、光学顕微鏡、望遠鏡等の種々の光学装置に利用することが可能である。また、本発明の光学素子は、光走査装置、画像表示装置、光ピックアップ装置等の光学系に用いるのに特に最適である。以下にその一例を示す。
図12は、本発明の光学素子を用いた光走査装置の一例を示す概略構成図である。図12において、半導体レーザ101から発射された光束104は、第1光学系のコリメートレンズ102とアパーチャ103を通過してビーム整形され、シリンドリカルレンズ105の作用により偏向手段であるポリゴンミラー106の偏向反射面上に(副走査方向に結像し、主走査方向に長い)線像として結像されたのち、ポリゴンミラー106で偏向走査される。ポリゴンミラー106で偏向走査された光束は、第2光学系107(第一走査レンズ107−1,第二走査レンズ107−2)により、像担持体である感光体ドラム108の被走査面上をビームスポットとして走査される。また、被走査面となる感光体ドラム108の表面と光学的に等価な位置に、同期検知用のビーム検出センサ109が配備されており、主走査方向のビーム走査の開始位置が検知される。
このような構成の光走査装置100では、第1光学系のコリメートレンズ102やシリンドリカルレンズ105、あるいは第2光学系107の第一走査レンズ107−1や第二走査レンズ107−2に、前述の本発明の回折光学素子を用いることができ、鮮明な画像書き込みを行うことが可能となる。
次に図13は、本発明の光学素子を用いた画像表示装置(プロジェクター)の一例を示す概略構成図である。この画像表示装置200は、図13に示すように、少なくとも、光を放出する光源(ランプ)201と、画素を形成させる空間光変調器(例えば液晶ライトバルブ)203と、前記光を空間光変調器203に均一照明させる照明光学系202と、空間光変調器203からの画像光をスクリーン206に投影するための投射レンズ205と、空間光変調器203と投射レンズ205の間に配置されて光路を偏向する光路偏向素子204とを配置した構成となっている。
この画像表示装置200では、空間光変調器(液晶ライトバルブ)203に光路偏向素子(画素ずらし素子、ウォブリング素子、光路シフト素子などとも言う)204を組み合わせた構成であり、このように、空間光変調器203からの画像の光の光路を偏向させる(画素ずらし)ことが可能な光路偏向素子204を用いることにより、空間光変調器203の整数倍の解像度の画像をスクリーン206上に表示することができる。
なお、空間光変調器(液晶ライトバルブ)203としては、1つの液晶ライトバルブ上にR(赤),G(緑),B(青)の3色の画素を配置した単板式のものや、R,G,Bの各色の画像を個別に表示する液晶ライトバルブを重ね合わせた3板式のものなどが用いられ、カラー画像を表示することができる。
このような構成の画像表示装置200では、照明光学系202に用いるレンズや回折光学素子、投射レンズ205等に、前述の本発明の回折光学素子を用いることができ、鮮明な画像表示を行うことが可能となる。
次に図14は、本発明の光学素子を用いた光ピックアップ装置の一例を示す概略構成図である。図14において、光源(例えば半導体レーザー)301からの出射光はコリメートレンズ302により略平行光となり、偏光ビームスプリッタ303、1/4波長板304を通って対物レンズ305により記録媒体(例えば光ディスク)306に集光する。この光ディスク306からの反射光は対物レンズ305、1/4波長板304を通って光束分離手段である偏光ビームスプリッタ303により反射され、集光レンズ307により集束されて光検出器(受光素子)308上に照射される。
図14の構成では、対物レンズ305は光ディスク306に対して、その光軸方向及び光軸に直交する方向に可動する機構(集光スポットの位置制御機構(図示せず))を有する構成となっており、光ディスク306に対する集光スポットの相対位置を調節することにより、光ディスク306中の記録層に光源301からの光を変調して照射し、情報の記録を行い、また、光源301からの光を光ディスク306中の記録層に照射して、その反射光を光検出器308で検知することで情報を読み出すことができる。
このような構成の光ピックアップ装置においては、コリメートレンズ302、対物レンズ305、集光レンズ307などに、前述の本発明の光学素子を用いることができ、高精度に情報の記録、再生を行うことが可能となる。
外周部に測定基準マークを形成した光学素子の一例を示す回折レンズの成形品の斜視図である。 成形金型の回折面および基準用V溝の金型加工に用いる5軸制御加工機の一例を示す概略斜視図である。 非回転工具による階段状回折面と基準用V溝の加工形態を説明するための図である。 同心円状回折パターンの回折面を成形するための金型部材と基準用V溝の形成手順を説明するための図である。 同心円状回折パターンの外周部に設けた2つのV溝交点を結ぶラインをプローブ走査ラインとする場合の説明図である。 V溝交点をより正確に特定するための手段を説明するための図である。 同心楕円回折面を成形するための金型部材と基準用V溝の形成手順を説明するための図である。 同心楕円回折面を成形するための金型部材と基準用V溝の他の形成例を示す図である。 直線回折面を有する光学素子の成形品で基準用マーカを形成した例を示す図である。 図9に示した光学素子の成形品の基準用マークと直線回折面を成形するための金型部材の一例を示す斜視図である。 階段状回折面の精度評価項目を説明する図である。 本発明の光学素子を用いた光走査装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の光学素子を用いた画像表示装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の光学素子を用いた光ピックアップ装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1:外周部に測定基準マーカを形成した回折レンズ成形品
2a:半径方向マーカ(0°)
2b:半径方向マーカ(90°)
2c:半径方向マーカ(180°)
2d:半径方向マーカ(270°)
3:円周方向マーカ
5:同心円状回折面
7:回折領域外周の光学的不用領域
11:X軸テーブル
12::Z軸スライド及びY軸スライド
13:B軸テーブル
14:C軸スピンドル
16:単結晶ダイヤバイト(加工工具)
16a:ダイヤチップ
16b:シャンク
17:バイトホルダー
30:被加工物(金型部材)
32a:半径方向V溝(0°)
32b:半径方向V溝(90°)
32c:半径方向V溝(180°)
32d:半径方向V溝(270°)
33:円周方向V溝
35:回折パターン領域
36:回折パターンの中心
37:金型上の回折領域外周の光学的不用領域
42:回折パターンを通過し半径方向V溝に平行なライン
45:交点特定のための画像処理領域
50:楕円回折パターンの最外周
51:楕円回折パターンと相似な円周方向V溝
52a,52c:B軸0°で刻印した楕円短軸と平行なV溝
52b,52d:B軸90°で刻印した楕円長軸と平行なV溝
53a,53c:B軸180°で刻印した楕円短軸と平行なV溝
53b,53d::B軸270°で刻印した楕円短軸と平行なV溝
59:楕円パターンの回折レンズ成形用金型部材
61a,61c:長軸と平行な外周部V溝
61b,61d:長軸と平行な外周部V溝
70:直線パターンとなる階段状回折面
71a,71b:回折パターンと平行な外周部マーク
72a,72b,73a,73b,74a,74b:回折パターンと直交する外周部マーク
79:外周部に測定基準マークを形成した直線パターンの回折レンズ成形品
81a:回折パターンと平行な外周部V溝
82a,83a,84a:回折パターンと直交する外周部V溝
89:直線パターンの回折レンズ成形用金型部材
100:光走査装置
101:光源
102:コリメートレンズ
105:シリンドリカルレンズ
106:ポリゴンミラー(偏向手段)
107:第2光学系
107−1,107−2:走査レンズ
200:画像表示装置
202:照明光学系
203:空間光変調器
204:光路偏向素子
205:投射レンズ
300:光ピックアップ装置
301:光源
302:コリメートレンズ
303:偏光ビームスプリッタ
304:1/4波長板
305:対物レンズ
306:光ディスク
307:集光レンズ
308:光ディスク(光記録媒体)

Claims (14)

  1. 回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、直線、円または楕円形状となる回折パターンの光学素子の成形金型において、
    前記回折面の外周の光学的に不要な領域にV溝を少なくとも2本以上交差させたパターンを形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする成形金型。
  2. 回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、直線となる回折パターンの光学素子の成形金型において、
    前記回折面の外周の光学的に不要な領域に前記稜線と平行なV溝を有し、これと直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする成形金型。
  3. 請求項2に記載の成形金型において、
    略直交する複数のV溝は前記回折面を挟んで対向する2本1組の対であり、この対は一つの直線上に配置され、またその直線は回折面を形成する階段状の稜線と直交することを特徴とする成形金型。
  4. 回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、円となる回折パターンの光学素子の成形金型において、
    前記回折面の外周の光学的に不要な領域に前記稜線と相似形状でかつ中心を共通とする円形状のV溝を有し、これと略直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする成形金型。
  5. 請求項4に記載の成形金型において、
    略直交する複数のV溝は円となる回折面を挟んで対向する2本1組の対であり、この対となる溝は互いに平行であることを特徴とする成形金型。
  6. 回折面の断面が階段状のパターンをなし、階段部の稜線を光軸方向からみた形状が、楕円となる回折パターンの光学素子の成形金型において、
    前記回折面の外周の光学的に不要な領域に前記稜線と相似形状でかつ中心を共通とする楕円形状のV溝を有し、これと略直交する直線のV溝を少なくとも2つ以上形成し、その交点を計測および金型加工時の基点として用いることを特徴とする成形金型。
  7. 請求項6に記載の成形金型において、
    略直交する複数のV溝は楕円となる回折面を挟んで対向する4本1組の対であり、この対となる溝は互いに平行であることを特徴とする成形金型。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形金型において、
    前記V溝形状は二つの斜面のなす角度が、前記回折面を形成する階段形状部の立ち壁根元の開き角θと同一で、該開き角θは92〜110度の鈍角であることを特徴とする成形金型。
  9. 請求項3、5、7のいずれか1項に記載の成形金型の加工方法であって、
    複数の略直交するV溝は、回折面加工時の被加工物把持状態から、着脱無き状態で、回折面中央部と直交する軸周りの回転ステージを用い、90°単位での回転割り出しして刻印することを特徴とする成形金型の加工方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形金型を用いて成形されたことを特徴とする光学素子。
  11. 請求項10に記載の光学素子を用いたことを特徴とする光学装置。
  12. 光源と、該光源からの光束をコリメートし所望のビーム形態に変換する第1光学系と、該第1光学系からの光束を偏向走査する偏向手段と、該偏向手段で偏向走査された光束を被走査面に結像する第2光学系を備えた光走査装置において、
    前記第1光学系あるいは前記第2光学系に、請求項10記載の光学素子を用いたことを特徴とする光走査装置。
  13. 光源と、照明光学系と、画像表示素子と、投射レンズを備えた画像表示装置において、
    前記照明光学系を構成する光学素子、あるいは前記投射レンズに、請求項10記載の光学素子を用いたことを特徴とする画像表示装置。
  14. 光源と、該光源からの光束をコリメートする光学系と、コリメートされた光束を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光束を集光する集光レンズと、集光された光束を受光する受光素子を備えた光ピックアップ装置において、
    前記コリメート光学系、対物レンズ、集光レンズの少なくとも1つに、請求項10記載の光学素子を用いたことを特徴とする光ピックアップ装置。
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