JP2005331497A - 非球面レンズの評価装置及び評価方法 - Google Patents

非球面レンズの評価装置及び評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検面の外部に測定の基準となる部材を固定したり、非球面レンズの外径の大きさに応じて異なるサイズの治具を用いることなく、非球面レンズの光軸に対する被検面の両面の三次元的位置関係、面形状、並びに非球面偏心量及び偏心方向を評価することが可能な非球面レンズの評価方法及び評価装置を提供する。
【解決手段】保持部2と、回転部3,4と、回転角測定部5と、非球面レンズの二つの被検面の各々からの反射光のスポットの軌跡を検出するスポット軌跡検出手段8と、第1及び第2の三次元形状測定手段10,12と、球状接触子10−1,12−1の球心位置を検出する接触子測定手段6と、接触子測定手段位置測定手段7と、スポット軌跡検出手段8と第1及び第2の三次元形状測定手段10,12と接触子測定手段位置測定手段7とで得られる情報を演算処理して被検面の評価を行う演算手段14を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は非球面レンズの偏心を測定する評価装置及び評価方法に関する。
従来、非球面レンズの評価装置及び評価方法としては、触針式形状測定装置に代表される形状測定装置でレンズ面形状を評価する形状評価が広く知られており、例えば特開2000−46543号公報に記載されたものがある。
特開2000−46543号公報
特許文献1に記載のものは、図8に示すように、三つ(又は三つ以上)の球状部材を被測定物に接着固定するか、又は被測定物を取り付ける治具に球状部材を固定する。次いで、一方の被測定面を測定する。この場合、まず、三つの球状部材を触針式形状測定機で測定して、三つの球状部材の中心位置で決定される座標系を求める。次に、形状測定機を介してこの一方の被測定面を測定し、測定データを三つの球状部材の中心位置で決定される座標系へ座標変換する。次に、被測定物を上下逆にして裏面形状を測定する。この場合、先に一方の被測定面を測定した場合と同様に、まず、三つの球状部材の中心位置を測定し、三つの球状部材の中心位置で決定される座標系を求める。そして、他方の被測定面(裏面)を測定して、測定データを三つの球状部材の中心位置で決定される座標系へ変換する。このように、特許文献1のものは、2つの被測定面の測定データを、同一の座標系に座標変換している。これにより、特許文献1のものは、被測定物(レンズ)の一方の面と他方の面との相対的な位置姿勢(偏心)を評価している。
このように、従来の非球面レンズの評価装置及び評価方法においては、三つ以上の球状部材を、被測定物の被検面に直接的に接着固定するか、被測定物を取り付ける治具に固定する必要がある。しかしながら、被測定物が小径の非球面レンズやコバ(レンズ側面)の小さな非球面レンズの場合、その側面に三つ以上の球状部材を直接的に固定するのは技術的、精度的に困難であり、工数も非常にかかる。また、治具は、被測定物(レンズ)の外径の大きさに応じて、異なるサイズのものをそれぞれ用意する必要がある。そうすると、新たな治具を製作するたびに、三つ以上の球状部材を治具に設けることになるので、治具の製作に工数がかかる。さらに、いずれの場合も、基準となる三つ以上の球状部材と被測定物との相対的な位置関係について、高精度に測定を行う必要がある。
本発明は上記間題点に鑑みてなされたものであり、非球面レンズの光軸に対する被検面の両面の三次元的位置関係、面形状、並びに非球面偏心量及び偏心方向を、簡単な構成で容易に評価することが可能な非球面レンズの評価方法及び評価装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による非球面レンズの評価装置は、非球面レンズを保持する保持部と、保持部を回転させる回転部と、非球面レンズの回転角を測定する回転角測定部と、非球面レンズに前記回転部の回転軸に沿って光を照射し、非球面レンズの二つの被検面の各々からの反射光のスポットの軌跡を検出するスポット軌跡検出手段と、非球面レンズの被検面の三次元形状を測定する球状の接触子を有する、第1及び第2の三次元形状測定手段と、前記球状接触子の前記回転軸方向の球心位置を検出する接触子測定手段と、前記接触子測定手段の前記回転軸方向の移動量を検出する接触子測定手段位置測定手段と、前記スポット軌跡検出手段と前記第1の三次元形状測定手段と前記第2の三次元形状測定手段と前記回転角測定部と前記接触子測定手段と前記接触子測定手段位置測定手段とで得られる情報を演算処理して被検面の評価を行う演算手段を有し、前記演算手段が、前記スポット軌跡検出手段で検出される非球面レンズの二つの被検面の各々の反射光のスポットの軌跡と前記回転角測定部で測定される非球面レンズの回転角とに基づいて、非球面レンズの二つの被検面の各々の近軸曲率中心の前記回転軸に対する位置(シフト量及びシフト方向)を求め、二つの被検面の各々の近軸曲率中心の位置に基づいて、非球面レンズの光軸(二つの被検面の各々の近軸曲率中心を通る直線)の前記回転軸に対する傾きを求め、二つの被検面の各々の近軸曲率中心の位置と前記第1及び第2の三次元形状測定手段で測定された被検面の三次元形状データと予め分かっている被検面の三次元設計形状データとに基づいて、三次元形状測定された被検面の対称軸(非球面軸)の前記回転軸に対する傾きを求め、非球面レンズの一方の被検面に前記第1の三次元形状測定手段の球状接触子が接した状態での回転軸方向の前記接触子測定手段の位置と、他方の被検面に前記第2の三次元形状測定手段の球状接触子が接した状態での回転軸方向の前記接触子測定手段の位置とに基づいて、非球面レンズの一方の被検面と他方の被検面との間の距離を求め、非球面レンズの光軸の前記回転軸に対する傾きと被検面の対称軸(非球面軸)の前記回転軸に対する傾きと双方の被検面同士の間の距離とに基づいて、非球面レンズの被検面の三次元的位置を求めるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明の非球面レンズの評価装置においては、前記接触子測定手段が、前記回転軸と直交する平面に平行な測定光束を発光する発光部と、該測定光束を受光する受光部と、該受光部における受光光量により、被検物の回転軸からの距離を検出する演算部を有するのが好ましい。
また、本発明の非球面レンズの評価装置においては、前記演算部が、前記受光部の受光光量が最小となることを検出することにより、前記球状接触子の球心位置を求めるように構成されているのが好ましい。
また、本発明による非球面レンズの評価方法は、少なくとも一方が非球面である二つの被検面を持つ非球面レンズを評価する方法であって、一方の被検面を上に向けた状態にて、被検物を回転させながら、一方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、被検物の一方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、被検物を回転させながら、他方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、被検物の他方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、被検物の一方の被検面の三次元形状を取得する工程と、被検物の外形形状を取得する工程と、被検物の他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、被検物の他方の被検面の三次元形状を取得する工程と、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向と被検物の他方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向とから、回転軸に対する光軸の位置及び傾きを求める工程と、被検物の一方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の一方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、被検物の他方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の他方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置と、他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置とにより、一方の被検面と他方の被検面との間の距離を求め、両者の三次元的位置関係により、回転軸上の一方の被検面と他方の被検面の近軸曲率中心間距離と、一方の被検面の非球面軸の距離と、他方の被検面の非球面軸の距離を補正する工程と、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、一方の被検面の非球面面頂の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、他方の被検面の非球面面頂の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、回転軸上の一方の被検面と他方の被検面の近軸曲率中心間距離と、一方の被検面の非球面軸の距離と、他方の被検面の非球面軸の距離とにより、一方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向と、他方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向とを求める工程とを有することを特徴としている。
また、本発明の他の非球面レンズの評価方法は、少なくとも一方が非球面である二つの被検面を持つ非球面レンズを評価する方法であって、一方の被検面を上に向けた状態にて、被検物を回転させながら、一方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、被検物の一方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、被検物を回転させながら、他方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポット軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、被検物の他方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、被検物の一方の被検面の三次元形状を検出する工程と、被検物の外形形状を取得する工程と、被検物の他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、他方の被検面を上に向けた状態にて、被検物を回転させながら、他方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、被検物の他方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、被検物を回転させながら、一方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポット軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、被検物の一方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、被検物の他方の被検面の三次元形状を取得する工程と、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向と被検物の他方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向とから、回転軸に対する光軸に位置と傾きを求める工程と、被検物の一方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の一方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、被検物の他方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の他方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置と、他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置とにより、一方の被検面と他方の被検面との間の距離を求め、両者の三次元的位置関係を求める工程と、被検物の光軸に対する一方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置関係から一方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向と、光軸に対する他方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置関係から他方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向とを求める工程とを有することを特徴としている。
本発明の非球面レンズの評価装置によれば、非球面レンズの各面の三次元的位置関係を、簡単な構成で正確に求めることが可能となる。その際、非球面レンズの外径の大きさに応じて異なるサイズの治具を用いたり、測定の基準となる部材を非球面レンズに固定する必要がない。
また、本発明の非球面レンズの評価装置によれば、発光部と、受光部とを備えた接触子測定手段と、演算部とを備えているので、三次元形状測定手段の球状接触子の球心位置を求めるようにすることが可能となる。
また、本発明の非球面レンズの評価装置によれば、演算部が、受光部の受光光量が最小となることを検出するので、高精度に球心位置を求めることが可能となる。
また、本発明の非球面レンズの評価方法によれば、回転軸上の一方の被検面と他方の被検面の近軸曲率中心間距離と、一方の被検面の非球面軸の距離と、他方の被検面の非球面軸の距離を補正するので、被検面の両面の三次元的位置関係、並びに非球面偏心量及び非球面偏心方向を正確に求めることが可能となる。
また、本発明の他の非球面レンズの評価方法によれば、被検物を上下反転させるので、被検面が保持部に干渉されず、被検面の三次元形状測定の測定範囲が制限されることなく、被検面を測定することができる。
本発明の非球面レンズの評価装置及び評価方法によれば、非球面レンズの外径の大きさに応じて異なるサイズの治具を用いたり、測定の基準となる部材を非球面レンズに固定することなく、非球面レンズの光軸に対する被検面の両面の三次元的位置関係、面形状、並びに非球面偏心量及び偏心方向を評価することが可能な非球面レンズの評価方法及び評価装置が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第一実施形態)
本発明の実施形態の説明に先立ち、非球面レンズの偏心について説明する。
図1は両面非球面レンズにおける非球面偏心量及び非球面偏心方向を概略的に示す説明図である。
図1の両面非球面レンズ1は、上側被検面1Aと下側被検面1Bとからなる。
非球面の中心付近の曲率中心を近軸曲率中心という。上側被検面1Aの近軸曲率中心を符号oaで表し、同様に下側被検面1Bの近軸曲率中心を符号obで表す。
両面の近軸曲率中心oa,obを結ぶ軸Axが両面非球面レンズ1の光軸であり、この光軸Axが非球面偏心の評価の基準となる。
また、上側被検面1Aの非球面面頂taと近軸曲率中心oaとを結んだ軸Axaが、上側被検面1Aの非球面軸である。同様に、下側被検面1Bの非球面面頂tbと近軸曲率中心obとを結んだ軸Axbが、下側被検面1Bの非球面軸である。言い換えると、非球面面頂とは、非球面と非球面軸(回転対称軸)との交点であり、必ずしも面の最も高い点ではない。また、非球面軸は、回転対称非球面の回転対称軸でもある。
両面非球面レンズ1が設計どおりに製作されていれば、光軸Axと各面の非球面軸Axa,Axbは完全に一致する。しかしながら、実際には製作誤差により、光軸Axと各面の非球面軸Axa,Axbは一致しない。
通常の場合、図1(a)に示すように、二つの非球面軸Axa,Axbは、理想状態から傾いている。ここで、光軸Axと非球面軸Axaとは、角度εaを成して交差している。また、光軸Axと非球面軸Axbとは、角度εbを成して交差している。この角度εaが上側被検面1Aの非球面偏心量であり、角度εbが下側被検面1Bの非球面偏心量である。
非球面偏心量は、(1)光軸に対する非球面軸の傾き(チルト)、(2) 光軸に対する非球面軸の距離(シフト)で定義することができる。
上記角度εa、εbは、光軸に対する非球面軸の傾き(チルト)で、非球面偏心量を定義した場合である。
また、光軸に対する距離(シフト)で、非球面偏心量を定義した場合は、上側被検面1Aの非球面面頂taと光軸Axとの間の距離δaが、上側被検面1Aの非球面偏心量(シフト)である。また、下側被検面1Bの非球面面頂tbと光軸Axとの間の距離δbが、下側被検面1Bの非球面偏心量(シフト)である。
非球面軸が光軸に対して傾いている場合には、図1(b),(c)に表すように、原点から非球面面頂への方向が非球面偏心の方向になる。なお、図1(b),(c)では、光軸がxy平面の原点である。
具体的には、図1(b)の場合、xy平面におけるx軸とy軸との交点が光軸Axを表している。このxy平面において、上側被検面1Aの非球面面頂taをプロットする。そして、x軸を角度の基準(0度)とすると、x軸と線分Ax−taとのなす角度θεaが、上側被検面1Aの非球面偏心の方向になる。
同様に、図1(c)の場合も、xy平面の原点が光軸Axを表している。そして、x軸と線分Ax−tbとのなす角度θεbが、下側被検面1Bの非球面偏心の方向になる。
図2は本発明の第一実施形態にかかる非球面レンズの評価装置の概略構成図である。
図2において、非球面レンズの評価装置16は、レンズホルダ2と、エアスピンドル3と、モータ4と、ロータリーエンコーダ5と、スポット軌跡検出手段8と、接触式測長器10と、測長器移動テーブル11と、接触式測長器12と、測長器移動テーブル13と、非接触式測長器6と、非接触式測長器移動テーブル7と、演算手段14と、モニタ15を有している。
両面非球面レンズ1は、それぞれ非球面である上側被検面1Aと下側被検面1Bとからなる。
レンズホルダ2は、被検物である両面非球面レンズ1を保持する。
エアスピンドル3は、モータ4を介して、レンズホルダ2を回転させる。その際、レンズホルダ2の回転は、回転軸17を中心として行われる。
モータ4は、エアスピンドル3を回転させる。
ロータリーエンコーダ5は、エアスピンドル3の回転角により被検物の回転角を検出する。
スポット軌跡検出手段8は、両面非球面レンズ1の各面に光を照射し、反射した光のスポットの軌跡を検出する。
接触式測長器10は、両面非球面レンズ1の上側被検面1Aの三次元形状を測定する。この接触式測長器10は、プローブ10−1を有している。
測長器移動テーブル11には、接触式測長器10が設けられている。測長器移動テーブル11は、接触式測長器10を測定基準位置、形状測定位置及び退避位置に移動させるためにxyz方向に駆動する。
接触式測長器12は、両面非球面レンズ1の下側被検面1Bの三次元形状を測定する。この接触式側長器12は、プローブ12−1を有している。
測長器移動テーブル13には、接触式測長器12が設けられている。測長器移動テーブル13は、接触式測長器12を測定基準位置、形状測定位置及び退避位置に移動させるためにxyz方向に駆動する。
非接触式測長器6は、プローブ10−1とプローブ12−1の間の距離(以下、プローブ間距離とする)を検出する。このプローブ間距離は、回転軸に沿う方向における距離である。
非接触式測長器移動テーブル7には、非接触式測長器6が搭載されている。非接触式測長器移動テーブル7は、プローブ間距離を検出するために、z方向に移動する。また、この非接触式測長器移動テーブル7は、非接触式測長器6を退避位置に移動させるために、所定方向(例えばx方向)に駆動する。
演算手段8は、評価装置における移動部の制御、スポット軌跡検出手段8で検出されたスポットの軌跡と両面非球面レンズ1の回転位置とに関する情報の処理、接触式測長器10,12より得られる三次元形状の処理、非球面偏心等の計算を行う。
モニタ15は、測定結果等を表示する。
図3(a)は、図2に示した非接触式測長器6を、z軸のプラス方向(即ち、上方)から見た状態を示す説明図である。
非接触式測長器6は、投光部6Aと、受光部6Bと、ベース部6Cとで構成されている。投光部6Aは、測定光6Dを発する光源を有している。受光部6Bは、投光部6Aから発した測定光を受光し、受光光量を検出する受光素子を有する。ベース部6Cは、両端に接続部を有し、この接続部を介して投光部6Aと受光部6Bを支えている。
ベース部6Cは、非接触式測長器移動テーブル7上に固定されている。
投光部6Aは、平行なレーザ光を測定光6Dとして照射する。
図3(b)は、図3(a)に示した受光部6Bを、受光部の正面から見た状態を示す説明図である。
受光部6Bの正面には、スリット形状のマスク6B−1が設けられている。マスク6B−1は、スリット状の開口部が設けられている。この開口部の形状は、z軸方向の幅が、x方向の幅に比べて狭い形状となっている。また、x軸方向の幅は、ある範囲の測定光6Dの光量変化を読み取ることが可能な幅となっている。
レンズホルダ2は、円筒形状に形成されている。図2にはレンズホルダ2の断面が示されている。レンズホルダ2の上側端面は、輪帯形状を有しており、レンズホルダ2の中心軸に直交している。レンズホルダ2の上側端面は、内側の円形接触部と外側の円形接触部を有している。内側の円形接触部は、上側端面と内周面との境界であって、円形のエッジからなる。また、外側の円形接触部は、上側端面と外周面との境界であって、円形のエッジから成る。レンズホルダ2は、内側及び外側の円形接触部の中心点が、エアスピンドル3の回転軸17上に位置するように、エアスピンドル3上に配置される。
スポット軌跡検出手段8は、光源8aと、コリメートレンズ8bと、ハーフミラー8cと、結像光学系8d,8fと、撮像素子8eとを含んでいる。
光源8aは、例えばランプで構成されている。
ハーフミラー8cは、コリメートレンズ8bと結像光学系8dの間に配置されている。よって、光源8aから発せられた光は、ハーフミラー8cを透過して、両面非球面レンズ1(被検物)に照射される。また、ハーフミラー8cは、両面非球面レンズ1のレンズ面からの戻り光を撮像素子8eへ向けて反射する。つまり、ハーフミラー8cは、被検物に向かう光と被検物から戻る光の一部を分離する分離光学素子を構成している。このような分離光学素子は、ハーフミラーに限定されるものではない。例えば、プリズムで分離光学素子を構成しても良い。
なお、結像光学系8dは、図2では省略化して一枚のレンズで示したが、実際には、通常、複数のレンズを含むレンズ群で構成されている。それら複数のレンズのうちの一部は、光軸に沿って移動可能になっている。よって、それら複数のレンズの位置を調整することにより、光源8aからの光を所望の大きさの径(点)に収束させることができる。なお、結像光学系8dを構成するレンズの位置調整を行うために、移動機構を設けることが好ましい。移動機構としては、例えば、モータ等を利用したステージがある。そして、モータの制御を演算手段14で行えば、遠隔操作により、レンズの位置調整を行うことが可能となる。
このように構成された第一実施形態の評価装置では、光源8aから発せられた光は、コリメートレンズ8b、ハーフミラー8c、結像光学素子8dを経て、両面非球面レンズ1に照射される。上側被検面1Aの測定を行う場合、上側被検面1Aを透過して上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaに収束するように、光が照射される。一方、下側被検面1Bの測定を行う場合、下側被検面1Bで反射した光が下側被検面1Bの近軸曲率中心1obに収束するように、光が照射される。そして、上側被検面1A又は下側被検面1Bで反射した光は、結像光学系8d、ハーフミラー8c、結像光学系6fを経て撮像素子8eの撮像面で収束する。このようにして、撮像面上に、ビームスポットが形成される。
ここで、測定対象になっている被検面の近軸曲率中心が、エアスピンドル3の回転軸17上に位置していないとする。この場合、ビームスポットは、両面非球面レンズ1の回転に伴って移動し、その軌跡は結像面上で円を描く。すなわち、スポットの「振れ回り」が生じる。
そこで、両面非球面レンズ1を回転させながら、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力する。その際、モータ4を介して、エアスピンドル3を回転させることで、両面非球面レンズ1を回転させる。この状態で、スポットの「振れ回り」によって生じる円の半径から、被検面における「近軸曲率中心のシフト量」を算出する。また、反射スポットの振れ回りの中心から各スポットへの方向と、ロータリーエンコーダ5により検出する反射スポットの各点における両面非球面レンズ1の回転角とから、被検面の「近軸曲率中心のシフト方向」を算出する。
上述のように、接触式測長器10は、測長器移動テーブル11に設けられている。そこで、上側被検面1Aの測定を行う場合、まず、プローブ10−1を上側被検面1Aに接触させる。そして、測長器移動テーブル11を介して、接触式測長器10を図2で示される横方向(x方向)に移動させる。また、それとともに、モータ4を回転させて、両面非球面レンズ1を回転させる。このようにして、上側被検面1Aの複数箇所で、形状を測定する。ここで、接触式測長器10の移動を連続的に行えば、測定パターンは螺旋状の軌跡となる。一方、一回転するごとに接触式測長器10を離散的に移動させると、測定パターンは輪帯状になる。
接触式測長器10は、両面非球面レンズ1の回転に伴う上側被検面1Aの回転軸17からの等距離におけるz軸方向の変位量を検出する。
なお、下側被検面1Bについては、上側被検面1Aと同様にして測定を行えばよい。すなわち、接触式測長器12を用いて、下側被検面1Bの回転軸17からの等距離におけるz軸方向の変位量を検出する。
両面非球面レンズ1を回転させずに、図2で示されるx軸方向及びy軸方向に、接触式測長器10又は接触式測長器12を移動させてもよい。このようにしても、被検面全面の三次元測定形状データを取得することができる。
次に、第一実施形態の評価装置を用いた非球面レンズの評価方法について説明する。
まず、第一実施形態の非球面レンズの評価方法における概略処理手順を工程名で示す。
1−1.概略心出し調整工程
1−2.心出し調整工程
1−3.上側被検面1Aの近軸曲率中心測定工程
1−4.下側被検面1Bの近軸曲率中心測定工程
1−5.上側プローブ位置検出工程
1−6.上側面三次元形状測定工程
1−7.外径振れ検出工程
1−8.下側プローブ位置検出工程
1−9.下側面三次元形状測定工程
1−10.光軸の位置及び傾き検出工程
1−11.上側被検面1Aの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程
1−12.下側被検面1Bの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程
1−13.被検面間の三次元的位置関係検出工程
1−14.非球面偏心量及び非球面偏心方向検出工程
上記の処理手順を経ることにより、両面非球面レンズ1の被検面間の三次元的位置関係、各面の面形状評価、並びに、非球面偏心量及び非球面偏心方向を求めることができる。
特に、第一実施形態の非球面レンズの評価方法では、上記13.の被検面間の三次元的位置関係検出工程を備えているので、被検面間の三次元的な位置関係を正確に求めることが可能となる。
次に、各工程の詳細について説明する。
(1−1.概略心出し調整工程)
まず、上側被検面1Aをスポット軌跡検出手段8側に向けた(即ち、上に向けた)状態にする。そして、この状態で、両面非球面レンズ1をレンズホルダ2に設置する。
次に、エアスピンドル3を介して両面非球面レンズ1を回転させながら、調心を行う。
調心を行う理由は、両面非球面レンズ1をレンズホルダ2に載せただけでは、スポット軌跡検出手段8の観察範囲内に、反射スポット(ビームスポット)が入らない場合が多いからである。また、その原因は、両面非球面レンズ1の光軸が、回転軸17に対して傾いていることや、ずれていたりしていることである。
そこで、まず、本工程において、上側被検面1Aによって形成される反射スポットが、スポット軌跡検出手段8の観察範囲内に入るように、概略の心出しを非接触式測長器6の出力を用いて行う。
具体的には、まず、非接触式測長器6を、両面非球面レンズ1の外周部1Cと対向する位置に移動させる。この移動は、非接触式測長器移動テーブル7を介して行う。次いで、両面非球面レンズ1を、モータ4を介して回転させる。そして、この状態で、非接触式測長器6の出力(受光光量)とロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力する。2つの入力を演算手段14で処理することにより、両面非球面レンズ1の外周部1Cの位置に関する情報が得られる。そこで、この情報に基づいて、外周部1Cの振れ量が小さくなるように、両面非球面レンズ1の位置を調整する。
外周部1Cの振れ量が小さくなると、反射スポットがスポット軌跡検出手段8の観察範囲内に入るようになる。
(1−2.心出し調整工程)
次に、本工程において、スポット軌跡検出手段8を用いて両面非球面レンズ1の位置調整(偏心調整)を行う。
具体的には、上側被検面1Aの対称軸付近の近軸球面に対して、スポット軌跡検出手段8の測定光束を垂直に入射させる。これは、結像光学系8dを構成するレンズの位置を調整することで行える。
次に、両面非球面レンズ1を回転させながら、近軸曲率中心1oaの回転軸17に対するシフト量を算出し、このシフト量が概ねゼロとなるように偏心調整を行う。近軸曲率中心1oaは、上側被検面1Aの近軸曲率中心である。なお、両面非球面レンズ1の回転は、エアスピンドル3を介して行う。また、シフト量の算出は演算装置14を介して行う。シフト量の算出には上側被検面1Aからの反射スポットの位置を利用するが、反射スポットの位置は検出スポット軌跡検出手段8で行う。
なお、本工程における偏心調整では、近軸曲率中心1oaを回転軸17に完全に一致させる必要はない。しかしながら、両者をできるだけ一致させておくのが好ましい。この点について、説明する。被検面の測定は、最初の面(図1では上側被検面1A)だけでなく、次の面(図1では下側被検面1B)についても行う。この時、次の面の近軸曲率中心について、シフト量の測定を行うには、近軸領域で計算を行う必要がある。そのため、最初の面(図1では上側被検面1A)のシフト量が小さい方が、近軸領域における計算結果として、高い精度の結果を得ることができる。その結果、次の面(図1では下側被検面1B)の近軸曲率中心の位置検出精度が高くなる。
両面非球面レンズ1の上側被検面1Aの心出し調整が完了すると、次の工程に移る。次の工程では、近軸曲率中心1oaの回転軸17に対するシフト量及びシフト方向を、スポット位置検出手段8を介して検出する。
(1−3.上側被検面1Aの近軸曲率中心測定工程)
理想的な状態は、上側被検面1Aが、回転軸17に対してシフト及びチルトしていない状態(理想的な状態)である。このような状態においては、上側被検面1Aに垂直に入射した測定光束は、垂直に反射して同じ光路を戻る。この反射した測定光束は、結像光学系8dを通過し、ハーフミラー8cを介して結像光学系8fに導かれる。そして、結像光学系8fを介して、反射光束は撮像素子8e上に結像する。その結果、撮像素子8e上に、反射スポットが形成される。
そこで、測定光束を上側被検面1Aに垂直に入射させた状態で、エアスピンドル3をモータ4を介して回転させる。すると、理想的な状態では、反射スポットは移動しない。一方、上側被検面1Aにシフト及びチルトが存在する場合、反射スポットは撮像素子8e上で回転する。ここで、反射スポットの回転による軌跡は、円となる。この円の半径は、上側被検面1Aの回転軸17に対するシフト量に、スポット軌跡検出手段8の観察光学倍率を掛けた量になる。なお、正確には、スポット軌跡検出手段8は、ほぼ球面とみなせる近軸曲率の範囲に測定光束を照射している。よって、非球面でのみ発生するチルトについて考慮する必要はなく、シフトのみを考慮すれば良い。
そこで、本工程では、エアスピンドル3を回転させながら、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力する。そのときの反射スポットの振れ回りの中心から各スポットへの方向と、ロータリーエンコーダ5により検出する反射スポットの各点における両面非球面レンズ1の回転角とから、両面非球面レンズ1の上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量δa1及びシフト方向θa1を演算手段14で算出する。
(1−4.下側被検面1Bの近軸曲率中心測定工程)
次に、本工程では、下側被検面1Bの近軸曲率中心を測定する。
測定光束が上側被検面1Aを透過している状態にする。この状態で、下側被検面1Bの対称軸付近の近軸球面に対して、測定光束を垂直に測定光束を入射させる。これは、結像光学系8dを構成するレンズの位置を調整することで行える。下側被検面1Bで反射した測定光束は、結像光学系8dを通過し、ハーフミラー8cを介して結像光学系8fに導かれる。そして、結像光学系8fを介して、測定光束は撮像素子8e上に結像する。その結果、撮像素子8e上に、反射スポットが形成される。
測定光束が下側被検面1Bに垂直に入射した状態で、エアスピンドル3を回転させる。すると、反射スポットは、下側被検面1Bの回転に伴って撮像素子8e上で回転する。なお、反射スポットは、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフトによる影響を受けて移動する。
反射スポットが形成された状態で、エアスピンドル3を回転させる。そしてこの状態で、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力する。そして、以下の情報(1)〜(5)を考慮して、下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量δb1、及びシフト方向θb1を演算手段14で算出する。
(1)反射スポットの振れ回りの半径
(2)振れ回りの中心から各点での被検物である両面非球面レンズ1の回転位置の情報
(3)上記(1−3.上側被検面1Aの近軸曲率中心測定工程)において求めた近軸曲率中心1oaのシフト量δa1及びシフト方向θa1
(4)上側被検面1A及び下側被検面1Bの近軸曲率半径
(5)両面非球面レンズ1の肉厚及び屈折率の情報
(1−5.上側プローブ位置検出工程)
次に、本工程では、上側プローブの位置を検出する。
具体的には、両面非球面レンズ1の回転角が基準状態になるように、エアスピンドル3を回転させた後、停止させる。
ここで回転角の基準状態について説明する。
両面非球面レンズ1を三次元評価するために、ロータリーエンコーダ5のある値を基準として設定する。両面非球面レンズ1の三次元形状評価及び非球面偏心評価を行う場合には、両面非球面レンズ1が基準の角度の状態で図1(b)、(c)に示すようにx軸、y軸及び偏心方向を設定する。このように、両面非球面レンズ1を基準角に設定した状態を基準状態とする。
接触式測長器10を移動させて、上側被検面1Aに、プローブ10−1を接触させる。接触式測長器10の移動は、接触式測長器移動テーブル11を介して行う。
ここで、両面非球面レンズ1のx軸上またはy軸上の位置で、プローブ10−1が上側被検面1Aに接する状態が良い。このようにすれば、後で簡単に、被検面の三次元的位置関係を求めることができる。
回転軸17からプローブ10−1の接触位置までの距離を、RSAとする。
このときの状態は、図4において、プローブ10−1のみが上側被検面1Aに接触している状態である。
その状態で接触式測長器10と両面非球面レンズ1を固定し、非接触式測長器6を回転軸17の方向に沿って移動させて、プローブ10−1の中心位置を求める。
次に、非接触式測長器6を、測定位置がプロ−ブ10−1よりも上側の位置に来るように、回転軸17の方向に沿って移動させる。なお、非接触式測長器6の移動は、非接触式測長器移動テーブル7を介して行う。
このときの非接触式測長器6の様子を図3(a)に示す。図3(a)は、z軸の上方から見た時の図である。
ここで、非接触式測長器6の測定位置は、プロ−ブ10−1よりも上側の位置にある。よって、非接触式測長器6の測定光6Dは、プローブ10−1と交差しない。すなわち、測定光6Dは、プローブ10−1によって遮られていない状態となっている。そこで、この状態から、非接触式測長器6を、回転軸17の方向に沿って下げていく。すると、プローブ10−1により、測定光6Dが徐々に遮られてくるので、受光部6Bで検知する受光光量が徐々に小さくなる。受光部6Bで検知する受光光量は、測定光6Dが、ちょうどプローブ10−1の中心部を通る位置に到達した時に、最も小さくなる。(なお、実際には、測定光6Dは、プローブ10−1を透過しない。)さらに、非接触式測長器6を、回転軸17の方向に沿って下げていくと、逆に光量は除々に大きくなる。なお、測定光6Dが、両面非球面レンズ1に遮られるようになると、光量は徐々に小さくなる。
そこで、受光部6Bで検知した受光光量が最も小さくなったときの回転軸17方向の点から、プローブ10−1の中心位置を求めて、その点をPA’とする。(図4参照)
(1−6.上側面三次元形状測定工程)
次に、本工程では、接触式測長器10を、回転軸17と直交する方向に移動させる。接触式測長器10の移動は、接触式測長器移動テーブル11を介して行う。また、その移動は、徐々に行う。これによって、回転軸17からプローブ10−1までの距離を、変えることができる。その結果、上側被検面1Aの三次元形状を測定することができる。
上側被検面1Aの三次元形状を測定後、接触式測長器10を他の部分と干渉しない位置に移動させる。移動は、接触式測長器移動テーブル11を介して行う。
(1−7.外形振れ検出工程)
次に、本工程では、両面非球面レンズ1の外形振れを検出する。
具体的には、非接触式測長器6の測定位置を、両面非球面レンズ1の外周部1Cのほぼ上端に位置させる。測定位置の調整は、非接触式測長器移動テーブル7を介して行う。
エアスピンドル3を回転させて、両面非球面レンズ1を回転させる。エアスピンドル3の回転は、モータ4を介して行う。この状態で、非接触式測長器6の出力と、ロータリーエンコーダ5の出力とを、演算手段14に入力する。演算手段14は、入力されたデータから、両面非球面レンズ1の上端部の外形形状を求める。
次いで、非接触式測長器6を回転軸17方向に除々に下方に移動させる。非接触式測長器6の移動は、非接触式測長器移動テーブル7を介して行う。このようにして、両面非球面レンズ1の複数箇所の外形形状を測定する。また、同時に、非接触式測長器6の回転軸17に沿う方向の位置を検出する。これにより、両面非球面レンズ1の外周面1C全体の三次元的外形形状が求まる。
(1−8.下側プローブ位置検出工程)
次に、本工程では、下側プローブの位置を検出する。
具体的には、両面非球面レンズ1の回転角が基準状態になるように、エアスピンドル3を回転させて停止させる。エアスピンドル3の回転は、モータ4を介して行う。
接触式測長器12を移動させて、下側被検面1Bに、プローブ12−1を接触させる。接触式測長器12の移動は、接触式測長器移動テーブル13を介して行う。
ここで、回転軸17からプローブ12−1の接触位置までの距離を、RSBとする。
このときの状態は、図4において、プローブ12−1のみが下側被検面1Bに接触している状態である。
その状態で接触式測長器12と両面非球面レンズ1を固定し、非接触式測長器6を回転軸17の方向に沿って移動させて、プローブ12−1の中心位置を求める。
次に、非接触式測長器6を、測定位置がプローブ12−1よりも下側の位置に来るように、回転軸17の方向に沿って移動させる。なお、非接触式測長器6の移動は、非接触式測長器移動テーブル7を介して行う。
ここで、非接触式測長器6の測定位置は、プローブ12−1よりも下側の位置にある。よって、非接触式測長器6の測定光6Dは、プローブ12−1と交差しない。すなわち、測定光6Dは、プローブ10−1によって遮られていない状態となっている。そこで、この状態から、非接触式測長器6を、回転軸17の方向に沿って上げていく。すると、プローブ12−1により、測定光6Dが徐々に遮られてくるので、受光部6Bで検知する受光光量が徐々に小さくなる。受光部6Bで検知する受光光量は、測定光6Dが、ちょうどプローブ12−1の中心部を通る位置に到達した時に、最も小さくなる。(なお、実際には、測定光6Dはプローブ10−1を透過しない。)さらに非接触式測長器6を、回転軸17の方向に上げていくと、逆に光量は除々に大きくなる。なお、測定光6Dが、両面非球面レンズ1に遮られるようになると、光量は徐々に小さくなる。
そこで、受光部6Bで検知した受光光量が最も小さくなったときの点から、プローブ12−1の回転軸17方向の中心位置を求めて、その点をPB’とする(図4参照)。
プローブ12−1の位置測定後、非接触式測長器移動テーブル7を介して非接触式測長器6を他の部分と干渉しない位置に移動させる。
(1−9.下側面三次元形状測定工程)
次に、本工程では、接触式測長器12を、回転軸17と直交する方向に移動させる。接触式測長器12の移動は、接触式測長器移動テーブル13を介して行う。また、その移動は、徐々に行う。これによって、回転軸17からプローブ12−1までの距離を、変えることができる。その結果、下側被検面1Bの三次元形状を測定することができる。ここで、測定できる範囲は、レンズホルダ2に干渉しない範囲である。
なお、下側被検面1Bにおいては、極力広い範囲を測定することが好ましい。そのため、レンズホルダ2としては、レンズ保持部分の肉厚が極力細いものを用いるのが良い。具体的には、レンズホルダ2の上側端面は、内側円形接触部から外側円形接触部までの径の差が極力小さい形状であることが好ましい。なお、このような形状は、レンズ1の保持に支障がないことが前提となる。
下側被検面1Bの三次元形状測定後、接触式測長器12を他の部分と干渉しない位置に移動させる。移動は、接触式測長器移動テーブル13を介して行う。
(1−10.光軸の位置及び傾き検出工程)
次に、本工程では、両面非球面レンズ1の光軸(近軸曲率中心1oa,1ob同士を結んだ軸)の回転軸17に対する位置及び傾きを求める。この位置及び傾きは、演算手段14を介して求める。また、この位置及び傾きの算出に当たっては、
(1)上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaの、回転軸17に対するシフト量及びシフト方向、
(2)下側被検面1Bの近軸曲率中心1obの回転軸17に対するシフト量及びシフト方向、
を用いる。なお、回転軸17は、エアスピンドル3の回転軸である。
ここで、
上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量及びシフト方向:δa1,θa1
下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量及びシフト方向:δb1,θb1
とすると、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaの座標位置は、図5のように示すことができる。
図5(a)は両面非球面レンズ1を上側被検面1Aが上に向くようにして設置した状態における説明図である。図5(a)では、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaの座標位置と、下側被検面1Bの近軸曲率中心1obの座標位置と、上側被検面1Aの非球面面頂1taの位置を示している。図5(b)及び(c)は、図5(a)の状態を、xz平面及びyz平面に投影した状態を表している。図5に示すz軸は、測定系の基準軸である。このz軸は、図2に示したエアスピンドル3の回転軸17を表している。
ここで、上側被検面1Aの近軸曲率中心の座標位置1oaは、次式(1-1),(1-2)で表すことができる。
x方向:1oax=δa1×cosθa1 …(1-1)
y方向:1oay=δa1×sinθa1 …(1-2)
同様に、下側被検面1Bの近軸曲率中心の位置1obは、次式(1-3),(1-4)で表すことができる。
x方向:1obx=δb1×cosθb1 …(1-3)
y方向:1oby=δb1×sinθb1 …(1-4)
次に、z軸上での近軸曲率中心1oaから近軸曲率中心1obまでの距離1Zo’を、次式(1-5)により算出する。なお、この算出にあたっては、両面の近軸曲率中心のシフト量を考慮している。
但し、raは上側被検面1Aの近軸曲率半径、rbは下側被検面1Bの近軸曲率半径、dは両面非球面レンズ1の肉厚である。
よって、xz平面における光軸の傾きは、次式(1-6)で表すことができる。
同様に、yz平面における光軸の傾きは、次式(1-7)で表すことができる。
(1−11.上側被検面1Aの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程)
次に、本工程では、上側被検面1Aにおける対称軸の回転軸17に対する相対的なシフト量及びチルト量を求める。これらの量を求めるにあたっては、上側被検面1Aの三次元測定形状データと三次元設計形状データとの対比を行う。そして、両者の差が最も小さくなった時のシフト量及びチルト量を求める。このシフト量及びチルト量が、上側被検面1Aの対称軸(非球面軸)の位置及び傾きになる。
第一実施形態では、上側被検面1Aの三次元測定形状データと三次元設計形状データとを対比させている。よって、上側被検面1Aに生じた部分的なうねりや傷による誤差の影響を、低く抑えることが可能である。そのため、相対的なシフト量及びチルト量を、高い精度で得ることができる。なお、三次元測定形状データで決まる軸の回転軸17に対するシフト量及びチルト量が、それぞれゼロとなる状態がある。この状態は、被検面の非球面軸が回転軸17に一致する状態である。
上側被検面1Aの回転軸17に対する相対的なシフト量及びチルト量について、具体的な求め方を説明する。
演算手段14は、まず、上側被検面1Aの三次元測定形状データを取得する。この三次元測定形状データは、接触式測長器10を介して測定したものである。また、この三次元測定形状データは、上側被検面1Aの全面にわたって測定したものである。ただし、離散的に測定した時のデータである。
次いで、上記式(1-1),(1-2)で得られた上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaの座標位置分だけ、三次元測定形状データを、x方向及びy方向にシフトさせる。このシフトは、三次元設計形状データに対する三次元測定形状データの相対的なシフトである。さらに、三次元測定形状データと三次元設計形状データとの差が最も小さくなるように、三次元測定形状データをz軸(回転軸)方向にのみ相対的にシフトさせる。次に、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaを中心にして、三次元測定形状データを三次元形状設計データに対して相対的にチルトさせる。そして、三次元測定形状データと三次元形状設計データとの差が最も小さくなる状態を検出する。
このときの傾きは、図5に、xz平面での回転軸17(即ちz軸)に対するチルトをεax’、yz平面でのチルトをεay’として示してある。
このようにして求められたチルト量が、上側被検面1Aの対称軸、即ち、非球面軸1Axaの回転軸17に対する傾き量となる。
次に、回転軸17、即ち、z軸に対する被検面1Aの面頂1taの位置を次の式(1-8),(1-9)を用いて取得する。この取得にあたっては、
(1)x方向のシフト量1oax、
(2)y方向のシフト量1oay、
(3)x方向のチルト量εax’、
(4)y方向のチルト量εay’、
を用いる。なお、(1)及び(2)は、上側被検面1Aの三次元測定形状データの移動量である。
1tax=1oax+1rax×sin(εax’) …(1-8)
1tay=1oay+1ray×sin(εay’) …(1-9)
但し、1taxは面頂1taのx方向の座標位置、1tayは面頂1taのy方向の座標位置である。1raxはxz平面での上側被検面1Aの面頂1taxと近軸曲率中心1oaxとの間の線分の長さ(即ち、非球面軸1Axaxの長さ)、1rayはyz平面での上側被検面1Aの面頂1tayと近軸曲率中心1oayとの間の線分の長さ(即ち、非球面軸1Axayの長さ)である。
図5(b)、図5(c)にはそれぞれ−y方向、x方向から見た上側被検面1Aの面頂1taの位置1tax,1tayが示されている。
次に、演算手段14は、z軸上での近軸曲率中心1oaから上側被検面1Aの面頂1taまでの距離1Za’を取得する。この取得にあたっては、
(1)上側被検面1Aの面頂1taの座標位置(1tax,1tay)、
(2)下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量δb1及びシフト方向θb1、
(3) 上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量δa1及びシフト方向θa1、
を用いる。
近軸曲率中心のシフト量δa1,δb1及びシフト方向θa1,θb1は、既に上記1−3.上側被検面1Aの近軸曲率中心測定工程、及び上記1−4.下側被検面1Bの近軸曲率中心測定工程において求めてある。
図5(b)は−y方向から見た、上側被検面1Aの面頂1taのx軸上の座標位置1tax、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのx軸上の座標位置1oax、及び下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのx軸上の座標位置1obxを示す図である。
図5(c)はx方向から見た、上側被検面1Aの面頂1taのy軸上の座標位置1tay、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのy軸上の座標位置1oay、及び下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのy軸上の座標位置1obyを示す図である。
上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaの座標位置(1oax,1oay)、下側被検面1Bの近軸曲率中心1obの座標位置(1obx,1oby)は、上記1−9.光軸の位置及び傾き検出工程において式(1-1)〜式(1-4)に基づいて取得されている。
近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間のz軸上の距離1Zo’を既に述べた次式(1-5)により求める。

但し、raは上側被検面1Aの近軸曲率半径、rbは下側被検面1Bの近軸曲率半径、dは両面非球面レンズ1の肉厚である。
次に、演算手段14は、上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間のz方向の距離1Za’を次式(1-10)により求める。
ここで、回転軸17に対する両面の近軸曲率中心位置は、既に求まっている。よって、回転軸17に対する両面非球面レンズ1の光軸の三次元的位置関係がわかる。加えて上記のように、回転軸17に対する上側被検面1Aの非球面軸1Axaのシフト量及びチルト量が求まっている。よって、両面非球面レンズ1の光軸に対する上側被検面1Aの非球面軸1Axaの三次元的位置関係が求まる。その結果、両面非球面レンズ1の光軸に対する上側被検面1Aの三次元的位置が決められる。
さらに、三次元測定形状データと三次元設計形状データとの差が、形状偏差となる。これにより、(設計値に対する)面形状の評価を行うことができる。
なお、三次元測定形状データにおける対称軸の回転軸17に対するシフト量及びチルト量の求め方は、このような方法に限定されるものではない。例えば、三次元測定形状データを、三次元設計形状データに対してx,y,z方向にシフトさせる。この時、両者の差が最も小さくなるようにする。そして、その状態から、さらにxz平面及びyz平面でチルトを与えて、両者の差が最も小さくなる状態を求めても良い。
以上により、上側被検面1Aの回転軸17に対する三次元的位置関係を、求めることが可能となり、かつ、面形状の評価を行うことができる。
(1−12.下側被検面1Bの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程)
次に、本工程では、下側被検面1Bにおける対称軸の回転軸17に対する相対的なシフト量及びチルト量を求める。これらの量を求めるにあたっては、下側被検面1Bの三次元測定形状データと三次元設計形状データとの対比を行う。そして、両者の差が最も小さくなった時のシフト量及びチルト量を求める。このシフト量及びチルト量が、下側被検面1Bの対称軸(非球面軸)の位置及び傾きになる。
下側被検面1Bの回転軸17に対する相対的なシフト量及びチルト量について、具体的な求め方を説明する。
演算手段14は、まず、下側被検面1Bの三次元測定形状データを取得する。この三次元測定形状データは、接触式測長器12を介して測定したものである。また、この三次元測定形状データは、下側被検面1Bの極力広い範囲にわたって測定したものである。ただし、離散的に測定した時のデータである。
次いで、上記式(1-3),式(1-4)で得られた下側被検面1Bの近軸曲率中心1obの座標位置分だけ、三次元測定形状データを、x方向及びy方向にシフトさせる。このシフトは、三次元設計形状データに対する三次元測定形状データの相対的なシフトである。さらに、三次元測定形状データと三次元設計形状データとの差が最も小さくなるように、三次元測定形状データをz軸(回転軸)方向にのみ相対的にシフトさせる。次に、下側被検面1Bの近軸曲率中心1obを中心にして、三次元測定形状データを三次元設計形状データに対して相対的にチルトさせる。そして、三次元測定形状データと三次元設計形状データとの差が最も小さくなる状態を検出する。
このときの傾きは、図6に、xz平面での回転軸17(即ちz軸)に対するチルトをεbx’、yz平面でのチルトをεby’として示してある。
このようにして求められたチルト量が上側被検面1Aの対称軸、即ち、非球面軸1Axbの回転軸17に対する傾き量となる。
次に、回転軸17、即ち、z軸に対する下側被検面1Bの面頂1tbの位置を次の式(1-11),(1-12)を用いて取得する。この取得にあたっては、
(1)x方向のシフト量1obx、
(2)y方向のシフト量1oby、
(3)x方向のチルト量εbx’、
(4)y方向のチルト量εby’、
を用いる。なお、(1)及び(2)は、下側被検面1Bの三次元測定形状データの移動量である。
1tbx=1obx+1rbx×sin(εbx’) …(1-11)
1tby=1oby+1rbx×sin(εby’) …(1-12)
但し、1tbxは面頂1tbのx方向の座標位置、1tbyは面頂1tbのy方向の座標位置である。1rbxはxz平面での下側被検面1Bの面頂1tbxと近軸曲率中心1obxとの間の線分の長さ(即ち、非球面軸1Axbxの長さ)、1rbyはyz平面での下側被検面1Bの面頂1tbyと近軸曲率中心1obyとの間の線分の長さ(即ち、非球面軸1Axbyの長さ)である。
図6(b)、図6(c)にはそれぞれ−y方向、x方向から見た下側被検面1Bの面頂1tbの位置1tbx,1tbyが示されている。
次に、演算手段14は、下側被検面1Bの近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間のz方向の距離1Zb’を、次式(1-13)により求める。
ここで、回転軸17に対する両面の近軸曲率中心位置は、既に求まっている。よって、回転軸17に対する両面非球面レンズ1の光軸の三次元的位置関係がわかる。加えて上記のように回転軸17に対する下側被検面1Bの非球面軸1Axbのシフト量及びチルト量が求まっている。よって、両面非球面レンズ1の光軸に対する下側被検面1Bの非球面軸1Axbの三次元的位置関係が求まる。その結果、両面非球面レンズ1の光軸に対する下側被検面1Bの三次元的位置が決められる。
さらに、三次元測定形状データと三次元設計形状データとの差が、形状偏差となる。これにより、(設計値に対する)面形状の評価を行うことができる。
なお、三次元測定形状データにおける対称軸の回転軸17に対するシフト量及びチルト量の求め方は、このような方法に限定されるものではない。例えば、三次元測定形状データを三次元設計形状データに対してx,y,z方向にシフトさせる。この時、両者の差が最も小さくなるようにする。そして、その状態から、さらにxz平面及びyz平面でチルトを与えて、両者の差が最も小さくなる状態を求めても良い。
以上により、下側被検面1Bの回転軸17に対する三次元的位置関係を求めることが可能となり、かつ、面形状の評価が行うことができる。
(1−13.被検面間の三次元的位置関係検出工程)
本工程では、上記各工程で求めた回転軸17に対する各量から、図7に示すように、両面非球面レンズ1の上側被検面1Aと下側被検面1Bの三次元的位置関係を求める。
図7は、本工程において三次元的位置関係を求める前後のxz平面の状態を示す説明図である。ここで、図7(a)は、設計値及び本工程よりも前の状態、すなわち、光軸及び各面の非球面軸を仮決めした状態を示す。また、図7(b)は、本工程よりも後の状態、すなわち、光軸及び各面の非球面軸を求めて三次元的位置を求めた後の状態を示している。
なお、yz平面についても全く同様に考えれば良いので、便宜上、図示を省略する。
図中に示す1Axxは光軸1Axのxz平面に投影した線分を示す。
図4と図7を用いて、本工程における被検面間の三次元的位置関係の求め方を説明する。
図4は、両面非球面レンズ1が回転方向の基準状態となっている様子を示している。ここで、プローブ10−1が上側被検面1Aに接触した状態での回転軸17方向の中心(球心)位置がPA’、その時の回転軸17と垂直な方向での回転軸17からプローブ10−1の球心までの距離がRSA’、プローブ10−1の直径がφDBAで表されている。そこで、これらの各値と、上側被検面1Aの三次元測定形状データと、上側被検面1Aの回転軸17に対する三次元的位置関係とから、RSAとPAとを求めることができる。なお、RSAは、プローブ10−1と上側被検面1Aとが接触する点から回転軸17までの距離である。また、PAは、プローブ10−1と上側被検面1Aとが接触する点の回転軸17方向の位置である。
なお、距離RSA、位置PAを求める際に、上側被検面1Aの三次元測定形状データとして、三次元測定形状データをそのまま用いても良い。あるいは、三次元測定形状データとして、三次元測定形状データをツェルニケ係数にフィッティングしたデータを用いても良い。
また、プローブ10−1の接触面についても予め、干渉計等の測定器にて三次元形状を求めておく。そして、三次元測定形状データもしくはツェルニケ係数にフィッティングしたデータを接触面のデータとして用いてもよい。このようにして、上側被検面1Aとプローブ10−1との接触点を求めると、より高精度な結果を得ることができる。
同様に、図4には、プローブ12−1が下側被検面1Bに接触した状態での回転軸17方向の中心(球心)位置がPB’、その時の回転軸17と垂直な方向での回転軸17からプローブ12−1の球心までの距離がRSB’、プローブ12−1の直径がφDBBで表されている。そこで、これらの各値と、下側被検面1Bの三次元測定形状データと、下側被検面1Bの回転軸17に対する三次元的位置関係とから、RSBとPBとを求めることができる。なお、RSBは、プローブ12−1と下側被検面1Bとが接触する点から回転軸17までの距離である。また、PBは、プローブ12−1と下側被検面1Bとが接触する点の回転軸17方向の位置である。
以上より、最終的には、上側被検面1Aの回転軸17からの距離RSAにおける回転軸17方向の位置PAと、下側被検面1Bの回転軸17からの距離RSBにおける回転軸17方向の位置PBとから、両非球面間の距離Pを求めることができる。
これらにより、図7(a)に示す仮決めされた、近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間のz軸上の距離1Zo’、図5(a)に示した近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間のz軸上の距離1Za’、図6(a)に示した近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間のz軸上の距離1Zb’を、図7(b)に示すように正確に求め直すことができる。
図7(b)に示すように、本実施形態では、三次元的位置関係を求め直した後の、近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間のz軸上の距離を1Zo、近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間のz軸上の距離を1Za、近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間のz軸上の距離を1Zbとする。
三次元的位置関係を求め直す前では、上側被検面1Aの距離RSAにおける回転軸17方向の位置PAと下側被検面1Bの距離RSBにおける回転軸17方向の位置PBとの回転軸17方向の間隔がP’であるとした。この場合に得た間隔P’を上記工程で求め直すことにより、新たな間隔Pを求めることができる。そして、この間隔Pを用いることにより、近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間のz軸上の距離1Zo、近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間のz軸上の距離1Za、近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間のz軸上の距離1Zbを求めることができる。
その場合、近軸曲率中心のシフト量1oax,1oay及び、1obx,1oby、非球面面頂のシフト量1tax,1tay及び、1tbx,1tbyの座標位置は変化させない。
また、近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間のz軸上の距離1Zaと、近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間のz軸上の距離1Zbとから、補正された非球面軸距離ra’,rb’(上側被検面1A,下側被検面1Bのそれぞれにおける近軸曲率中心と非球面面頂間との間の距離)を求めることができる。
また、両面非球面レンズ1の外周部1Cの三次元形状も、プローブの位置を基準にして、三次元的位置関係を求めることが可能である。
(1−14.非球面偏心量及び非球面偏心方向検出工程)
本工程では、上側被検面1A及び下側被検面1Bの非球面偏心量及び非球面偏心方向を求める。なお、この算出にあたっては、
(1)各距離1Zo,1Za,1Zb,ra’,rb’
(2)上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量、
(3)上側被検面1Aの非球面面頂1taのシフト量、
(4)下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量
(5)下側被検面1Bの非球面面頂1taのシフト量
が用いられる。なお、各距離1Zo,1Za,1Zb,ra’,rb’は、被検面間の三次元的位置関係検出工程において補正された量である。
ここでは、上側被検面1Aの非球面偏心量及び非球面偏心方向を求める。
先ず、xz平面での計算を行い、次に、yz平面での計算を行う。
xz平面でのz軸(回転軸17)に対する両面非球面レンズ1の光軸1Axxの傾きは、次式(1-14)により求め直すことができる。
同様に、xz平面でのz軸(回転軸17)に対する非球面軸1Axaxの傾きを、次式(1-15)により求め直す。
(1-14)式と(1-15)式とにより、非球面偏心量εaのx成分εaxは、次式(1-16)となる。
xz平面で、非球面面頂1taのx成分1taxから光軸1Axのx成分1oax−1obxに垂線を下ろし、その線分の距離Laxを求める。
距離Laxを算出するために、先に、非球面軸1Axaxのxz平面への投影長さ1raxを、次式(1-17)により求める。
非球面軸1Axaxのxz平面への投影長さ1raxを用いることにより、距離Laxは、次式(1-18)により求まる。
Lax=1rax×sinεax …(1-18)
同様に、yz平面での計算を行う。
yz平面でのz軸(回転軸17)に対する光軸1Axyの傾きは、次式(1-19)により求め直すことができる。
同様に、yz平面でのz軸(回転軸17)に対する非球面軸1Axayの傾きは、次式(1-20)により得られる。
(1-19)式と(1-20)式とにより、非球面偏心量εaのy成分εayは、次式(1-21)により得られる。
yz平面で、非球面面頂1taのy成分1tayから光軸1Axのy成分1oay−1obyに垂線を下ろし、その線分の距離Layを求める。
距離Layを算出するために、先に、非球面軸1Axayのyz平面への投影長さ1rayを、次式(1-22)により求める。
非球面軸1Axayのyz平面への投影長さ1rayを用いることにより、距離Layは、次式(1-23)により求まる。
Lay=1ray×sinεay …(1-23)
両面非球面レンズ1の光軸1Axから上側被検面1Aの面頂1taまでの距離がLax,Layにより求まる。よって、次式(1-24)により、両面非球面レンズ1の光軸1Ax(即ち、線分1oa−1ob)に対する上側被検面1Aの非球面軸1Axaの傾き、即ち、上側被検面1Aの非球面偏心量をチルト量εaとして求めることができる。
ここで、上側被検面1Aの非球面偏心量をシフト量δaとして求める場合について、説明する。この場合は、シフト量δaは、上側被検面1Aの面頂1taから両面非球面レンズ1の光軸1Axまでの距離Lax,Layにより定義される。よって、シフト量δaは、次式(1-25)により求めることができる。
次に、両面非球面レンズ1の光軸1Ax(即ち、線分1oa−1ob)に対する上側被検面1Aの非球面軸1Axaの非球面偏心方向θaを算出する。
非球面偏心方向θaは、光軸に対して非球面面頂1taがx方向に距離Lax、y方向に距離Layだけ離れている。そこで、非球面偏心方向θaは、次式(1-26)により求まる。
これらの手順により、光軸1Ax(即ち、線分1oa−1ob)に対する上側被検面1Aの非球面偏心量εa,δa及び非球面偏心方向θaを、正確に求めることができる。
同様に、下側被検面1Bの非球面偏心量εb及び非球面偏心方向θbを求める。
先ず、xz平面での計算を行う。
xz平面でのz軸(回転軸17)に対する非球面軸1Axbxの傾きは、次式(1-27)により得られる。
(1-14)式と(1-27)式とにより、非球面偏心量εbのx成分εbxは、次式(1-28)となる。
xz平面で、非球面面頂1tbのx成分1tbxから光軸1Axのx成分1oax−1obxに垂線を下ろし、その線分の距離Lbxを求める。
距離Lbxを算出するために、先に、非球面軸1Axbxのxz平面への投影長さ1rbxを、次式(1-29)により求める。
非球面軸1Axbxのxz平面への投影長さ1rbxを用いることにより、距離Lbxは、次式(1-30)により求まる。
Lbx=1rbx×sinεbx …(1-30)
同様に、yz平面での計算を行う。
yz平面でのz軸(回転軸17)に対する両面非球面レンズ1の非球面軸1Axbyの傾きは次式(1-31)により得られる。
(1-31)式と(1-19)式とにより、非球面偏心量εbのy成分εbyは、次式(1-32)となる。
yz平面で、非球面面頂1tbのy成分1tbyから光軸1Axのy成分1oay−1obyに垂線を下ろし、その線分の距離Layを求める。
距離Layを算出するために、先に、非球面軸1Axbyのyz平面への投影長さ1rbyを、次式(1-33)により求める。
非球面軸1Axbyのyz平面への投影長さ1rbyを用いることにより、距離Lbyは、次式(1-34)により求める。
Lby=1rby×sinεby …(1-34)
両面非球面レンズ1の光軸1Axから下側被検面1Bの面頂1tbまでの距離をLbx,Lbyにより求める。よって、次式(1-35)により、両面非球面レンズ1の光軸1Ax(即ち、線分1oa−1ob)に対する下側被検面1Bの非球面軸1Axbの傾き、即ち、下側被検面1Bの非球面偏心量をチルト量εbとして求めることができる。
ここで、下側被検面1Bの非球面偏心量をシフト量δbとして求める場合について、説明する。この場合は、シフト量δbは、下側被検面1Bの面頂1tbから両面非球面レンズ1の光軸1Axまでの距離Lbx,Lbyにより定義される。よって、シフト量δaは、次式(1-36)により求めることができる。
次に、両面非球面レンズ1の光軸1Ax(即ち、線分1oa−1ob)に対する下側被検面1Bの非球面軸1Axbの非球面偏心方向θbを算出する。
非球面偏心方向θbは、光軸に対して非球面面頂1tbがx方向に距離Lbx、y方向に距離Lbyだけ離れている。そこで、非球面偏心方向θaは、次式(1-37)により求まる。
これらの手順により、光軸1Ax(即ち、線分1oa−1ob)に対する下側被検面1Bの非球面偏心量εb,δb及び非球面偏心方向θbを正確に求めることができる。
本発明の第一実施形態の評価装置及び評価方法によれば、被検レンズを反転することなく両面の三次元形状評価が可能である。そして、両面の三次元的位置関係、さらに外径の三次元的位置関係を、治具を設けることなく求めることが可能である。加えて、非球面偏心量とその方向を、高精度に求めることが可能となる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態の非球面レンズの評価方法について説明する。
なお、評価装置については、第一実施形態の非球面レンズの評価装置と同様であるので、その説明は省略する。
先ず、第二実施形態の非球面レンズの評価方法における概略処理手順を工程名で示す。なお、本実施形態では、第一実施形態における上側被検面1A及び下側被検面1Bをそれぞれ一方の面1A及び他方の面1Bとしている。
2−1.概略心出し調整工程
2−2.心出し調整工程
2−3.一方の面1Aの近軸曲率中心測定工程
2−4.他方の面1Bの近軸曲率中心測定工程
2−5.上側プローブ位置検出工程
2−6.一方の面1Aの三次元形状測定工程
2−7.外径振れ検出工程
2−8.下側プローブ位置検出工程
2−9.概略心出し調整工程
2−10.心出し調整工程
2−11.他方の面1Bの近軸曲率中心測定工程
2−12.一方の面1Aの近軸曲率中心測定工程
2−13.一方の面1Bの三次元形状測定工程
2−14.光軸の位置及び傾き検出工程
2−15.一方の面1Aの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程
2−16.他方の面1Bの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程
2−17.被検面間の三次元的位置関係検出工程
2−18.非球面偏心量及び非球面偏心方向検出工程
上記の処理手順を経ることにより、両面非球面レンズ1の被検面間の三次元的位置関係、各面の面形状評価、並びに、非球面偏心量及び非球面偏心方向を求めることができる。
第二実施形態の評価方法は、上記処理手順中において、処理手順2−1.〜処理手順2−8.では一方の面1Aを上側に向けてレンズホルダ2に設置した状態で、また、処理手順2−9.〜処理手順2−13.では他方の面1Bを上側に向けてレンズホルダ2に設置した状態でそれぞれ調整及び測定を行う点で、即ち、測定処理手順の途中で被検面を上下反転させる点で、第一実施形態の評価方法と大きく異なる。
次に、各工程の詳細について説明する。
(2−1.概略心出し調整工程)
一方の面1Aをスポット軌跡検出手段8側に向けた(即ち、上に向けた)状態にして、両面非球面レンズ1をレンズホルダ2に設置する。
本工程の概略心出しの方法については、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
(2−2.心出し調整工程)
次に、本工程において、スポット軌跡検出手段8を用いて被検レンズ(両面非球面レンズ1)の位置調整(偏心調整)を行う。
本工程についても、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
(2−3.一方の面1Aの近軸曲率中心測定工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、前の工程で両面非球面レンズ1の心出し調整が完了した後に、エアスピンドル3をモータ4を介して回転させながら、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力する。そのときの反射スポットの振れ回りの中心から各スポットへの方向と、ロータリーエンコーダ5により検出する反射スポットの各点における両面非球面レンズ1の回転角とから、両面非球面レンズ1の一方の面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量δa1及びシフト方向θa1を演算手段14で算出する。
(2−4.他方の面1Bの近軸曲率中心測定工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、スポット軌跡検出手段8の結像光学系8dを構成するレンズの位置を調整し、一方の面1Aを透過させた状態にて、他方の面1Bの対称軸付近の近軸球面に対して垂直に測定光束を入射させる。他方の面1Bで反射したスポット軌跡検出手段8の測定光束は、結像光学系8dを通過し、ハーフミラー8cを介して結像光学系8fに導かれ、結像光学系8fを介して撮像素子8e上に結像する。
スポット軌跡検出手段8の測定光束が他方の面1Bに垂直に入射した状態で、エアスピンドル3をモータ4を介して回転させる。すると、被検面の反射スポットは、一方の面1Aの近軸曲率中心1oaのシフトの影響を受けながら、他方の面1Bの近軸曲率中心1obの動きに応じて撮像素子8e上で回転する。
エアスピンドル3をモータ4を介して回転させながら、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力し、反射スポットの振れ回りの中心から各スポットへの方向と、ロータリーエンコーダ5により検出する反射スポットの各点における両面非球面レンズ1の回転角の情報と、先に上記2−3.の一方の面1Aの近軸曲率中心測定工程において求めた一方の面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量δa1及びシフト方向θa1と、一方の面1A及び他方の面1Bの近軸曲率半径と、両面非球面レンズ1の肉厚及び屈折率の情報から、一方の面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量及びシフト方向を考慮して、他方の面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量δb1及びシフト方向θb1を演算手段14で算出する。
(2−5.上側プローブ位置検出工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、被検物である両面非球面レンズ1の一方の面1Aにプローブ10−1を接触させた状態において、回転軸17の方向のプローブ10−1の位置を検出する。
(2−6.一方の面1Aの三次元形状測定工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、一方の面1A全面の三次元形状を測定する。
(2−7.外径振れ検出工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、被検物である両面非球面レンズ1の外周部1Cの三次元形状を測定する。
(2−8.下側プローブ位置検出工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、一方の面1Aを上に向けた状態にて、他方の面1Bにプローブ12−1を接触させて、回転軸17の方向のプローブ12−1の位置を検出する。
一方の面1Aを上に向けた状態での測定は以上の工程までである。次の工程からは、他方の面1Bを上に向けてレンズホルダ2に設置した状態にする。
(2−9.概略心出し調整工程)
次に、本工程では、上述のように、他方の面1Bを上に向けた状態で概略心出しを行う。
概略心出しの方法については、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
(2−10.心出し調整工程)
次に、本工程では、他方の面1Bを上に向けた状態でスポット軌跡検出手段8を用いて被検レンズの位置調整(偏心調整)を行う。
本工程についても、第一実施形態と同様であるので説明を省略する。
(2−11.他方の面1Bの近軸曲率中心測定工程)
次に、本工程では、他方の面1Bの対称軸付近の近軸球面に対して垂直に測定光束を入射させた状態にして、前の工程で他方の面1Bを上に向けた状態での心出しが完了した後に、エアスピンドル3をモータ4を介して回転させながら、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力する。そのときの反射スポットの振れ回りの半径と、振れ回りの中心から各点での被検物である両面非球面レンズ1の回転位置とから、両面非球面レンズ1の他方の面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量及びシフト方向を演算手段14で算出する。
(2−12.一方の面1Aの近軸曲率中心測定工程)
次に、本工程では、スポット軌跡検出手段8の結像光学系8dを構成するレンズの位置を調整し、他方の面1Bを透過させた状態にて、一方の面1Aの対称軸付近の近軸球面に対して垂直に測定光束を入射させる。一方の面1Aで反射したスポット軌跡検出手段8の測定光束は、結像光学系8dを通過し、ハーフミラー8cを介して結像光学系8fに導かれ、結像光学系8fを介して撮像素子8e上に結像する。
スポット軌跡検出手段8の測定光束が一方の面1Aに垂直に入射した状態で、エアスピンドル3をモータ4を介して回転させる。すると、被検面の反射スポットは、他方の面1Bの近軸曲率中心1obのシフトの影響を受けながら、一方の面1Aの近軸曲率中心1oaの動きに応じて撮像素子8e上で回転する。
エアスピンドル3をモータ4を介して回転させながら、撮像素子8eの出力と、ロータリーエンコーダ5の出力を演算手段14に入力し、反射スポットの振れ回りの半径と、振れ回りの中心から各点での被検物である両面非球面レンズ1の回転位置の情報と、先に上記2−11.の他方の面1Bの近軸曲率中心測定工程において求めた他方の面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量δb1及びシフト方向θb1と、一方の面1A及び他方の面1Bの近軸曲率半径と、両面非球面レンズ1の肉厚及び屈折率の情報から、他方の面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量及びシフト方向を考慮して、一方の面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量δa1及びシフト方向θa1を演算手段14で算出する。
(2−13.他方の面1Bの三次元形状測定工程)
本工程では、2−6.一方の面1Aの三次元形状測定工程と同様に、他方の面1B全面の三次元形状を測定する。この時、両面非球面レンズ1は他方の面1Bが上側に向けてレンズホルダ2に設置した状態である。よって、第一実施形態と異なり他方の面1Bの三次元形状測定で、レンズホルダ2により測定範囲を狭められない。
(2−14.光軸の位置及び傾き検出工程)
次に、本工程では、両面非球面レンズ1の一方の面1Aを上に向けた状態での近軸曲率中心1oaの回転軸17に対するシフト量及びシフト方向と、他方の面1Bを上に向けた状態での近軸曲率中心1obの回転軸17に対するシフト量及びシフト方向とから、両面非球面レンズ1の光軸(近軸曲率中心1oa,1ob同士を結んだ軸)のエアスピンドル3の回転軸17に対する位置及び傾きを演算手段14を介して求める。
一方の面1Aを上に向けた状態においての一方の面1Aの近軸曲率中心1oaと他方の面1Bの近軸曲率中心1obは、xz平面、yz平面では次のように表すことができる。
ここで、
一方の面1Aの近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向:δa1,θa1
他方の面1Bの近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向:δb1,θb1
とすると、一方の面1Aの近軸曲率中心1oaの座標位置は、次式(2-1),(2-2)で表すことができる。
x方向:1oax=δa1×cosθa1 …(2-1)
y方向:1oay=δa1×sinθa1 …(2-2)
同様に、他方の面1Bの近軸曲率中心1obの位置は、次式(2-3),(2-4)で表すことができる。
x方向:1obx=δb1×cosθb1 …(2-3)
y方向:1oby=δb1×sinθb1 …(2-4)
次に、両面の近軸曲率中心のシフト量を考慮して、z軸上での近軸曲率中心1oaから近軸曲率中心1obまでの距離1Zo’を次式(2-5)により算出する。

但し、raは一方の面1Aの近軸曲率半径、rbは他方の面1Bの近軸曲率半径、dは両面非球面レンズ1の肉厚である。
よって、xz平面における光軸の傾きは、次式(2-6)で表すことができる。
同様に、yz平面における光軸の傾きは、次式(2-7)で表すことができる。
同様に、他方の面1Bを上に向けた状態においての一方の面1A及び他方の面1Bの近軸曲率中心をそれぞれ2oa,2obとし、xz平面、yz平面で次のように表すこととする。
一方の面1Aの近軸曲率中心2oaのシフト量及びシフト方向:δa2,θa2
他方の面1Bの近軸曲率中心2obのシフト量及びシフト方向:δb2,θb2
このとき、一方の面1Aの近軸曲率中心2oaの位置は、次式(2-8),(2-9)で表すことができる。
x方向:2oax=δa2×cosθa2 …(2-8)
y方向:2oay=δa2×sinθa2 …(2-9)
同様に、他方の面1Bの近軸曲率中心2obの位置は、次式(2-10),(2-11)で表すことができる。
x方向:2obx=δb2×cosθb2 …(2-10)
y方向:2oby=δb2×sinθb2 …(2-11)
次に、両面の近軸曲率中心のシフト量を考慮して、z軸上での近軸曲率中心2oaから近軸曲率中心2obまでの距離2Zo’を次式(2-12)により算出する。

但し、raは一方の面1Aの近軸曲率半径、rbは他方の面1Bの近軸曲率半径、dは両面非球面レンズ1の肉厚である。
よって、xz平面における光軸の傾きは、次式(2-13)で表すことができる。
同様に、yz平面における光軸の傾きは、次式(2-14)で表すことができる。
(2−15.一方の面1Aの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程)
次に、本工程では、第一実施形態と同様に、一方の面1Aの三次元測定形状データと設計形状データとを対比させて、両者の差が最も小さくなるエアスピンドル3の回転軸17に対する相対的なシフト量及びチルト量を求める。このシフト量及びチルト量が即ち、一方の面1Aの対称軸(非球面軸)の位置及び傾きになる。
先の上記2−14.の光軸の位置及び傾き検出工程で一方の面1Aを上に向けた状態での回転軸17に対する光軸の位置関係を求めているので、この工程により光軸と一方の面1Aの非球面軸の三次元的位置関係を求めることができる。
(2−16.他方の面1Bの対称軸(非球面軸)の位置及び傾き検出工程)
次に、本工程では、上記2−15.の一方の面1Bの対称軸の位置と傾き検出工程と同様に、他方の面1Bを上に向けた状態で測定した結果の他方の面1Bの三次元測定形状データと三次元設計形状データとを対比させて、両者の差が最も小さくなるエアスピンドル3の回転軸17に対する相対的なシフト量及びチルト量を求める。このシフト量及びチルト量が即ち、他方の面1Bの対称軸(非球面軸)の位置及び傾きになる。
このとき、他方の面1Bは上下を反転させているので、その点について考慮する必要がある。
上記2−14.の光軸の位置及び傾き検出工程で他方の面1Bを上に向けた状態での回転軸17に対する光軸の位置関係を求めているので、この工程により光軸と他方の面1Bの非球面軸の位置関係を求めることができる。
これにより、光軸を基準軸として、一方の面1Aと他方の面1Bとの三次元的位置関係を求めることが可能となる。
(2−17.被検面間の三次元的位置関係検出工程)
先の工程で一方の面1Aと他方の面1Bの三次元的位置関係を求めたが、本工程では、プローブ10−1と12−1との位置関係から一方の面1Aと他方の面1Bの三次元的位置関係を求め直す。
非球面レンズ1が一方の面1Aを上に向けてレンズホルダ2上にあり、回転方向の基準状態において、接触式測長器10のプローブ10−1が一方の面1Aに接触した状態での回転軸17方向の中心(球心)位置PA’、その時の回転軸17と垂直な方向での回転軸17からプローブ10−1の球心までの距離RSA’、プローブ10−1の直径φDBAの各値と、一方の面1Aの三次元測定形状データと、一方の面1Aの回転軸17に対する三次元的位置関係とから、プローブ10−1と一方の面1Aとが接触する点から回転軸17までの距離RSAと、プローブ10−1と一方の面1Aとが接触する点の回転軸17方向の位置PAとを求めることができる。
同様に、一方の面1Aを上に向けた状態で、接触式測長器12のプローブ12−1が他方の面1Bに接触した状態での回転軸17方向の中心(球心)位置PB’、その時の回転軸17と垂直な方向での回転軸17からプローブ12−1の球心までの距離RSB’、プローブ12−1の直径φDBBの各値と、他方の面1Bの三次元形状データと、他方の面1Bの回転軸17に対する三次元的位置関係とから、プローブ12−1と他方の面1Bとが接触する点から回転軸17までの距離RSBと、プローブ12−1と他方の面1Bとが接触する点の回転軸17方向の位置PBとを求めることができる。
このとき、他方の面1Bは上下を反転させているので、その点について考慮する必要がある。
以上のことより、最終的には一方の面1Aの回転軸17からの距離RSAにおける回転軸17方向の位置PAと、他方の面1Bの回転軸17からの距離RSBにおける回転軸17方向の位置PBとから、両面の間隔Pを求めることができる。
これらにより、光軸に対する一方の面1Aと1Bとの三次元的位置関係を正確に求めることが可能となる。
先に求めたz軸上の近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間の距離1Zo’、近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間の距離1Za’、近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbの間の距離1Zb’をそれぞれ求め直すことにより、近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間の距離1Zo、近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間の距離1Za、近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間の距離1Zbを正確に求めることが可能になる。
また、近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間の距離1Zaと近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間の距離1Zbとから補正された非球面軸距離ra’、rb’(近軸曲率中心と非球面面頂との間の距離)を求めることができる。
また、両面非球面レンズ1の外周部1Cの三次元形状もプローブの位置を基準にして、三次元的位置関係を求めることが可能である。
(2−18.非球面偏心量及び非球面偏心方向検出工程)
本工程では、先の工程により、光軸を基準として求めた一方の面1Aと他方の面1Bの三次元的位置関係に基づき、両面の非球面偏心量及び非球面偏心方向を求める。
その方法については、第一実施形態の上記1−14.の非球面偏心量及び非球面偏心方向検出工程とほぼ同じであるので、省略する。
本発明の第二実施形態の評価方法によれば、他方の非球面を三次元形状測定を行う際に、レンズを反転させるので、レンズホルダ2と干渉しない。このため、他方の面1Bの全面の三次元形状測定が可能となる。そして、その結果、広い範囲での面形状の評価が可能となる。
両面非球面レンズにおける非球面偏心量及び非球面偏心方向を概略的に示す説明図である。 本発明の第一実施形態にかかる非球面レンズの評価装置の概略構成図である。 (a)は図2に示した非接触式測長器6をz軸のプラス方向から見た状態を示す説明図、(b)は(a)に示した受光部6Bを受光部の正面から見た状態を示す説明図である。 両面非球面レンズ1にプローブ10−1,12−1が接触している状態を示す説明図である。 (a)は両面非球面レンズ1を上側被検面1Aを上にして設置した状態を、上側被検面1Aの近軸曲率中心の位置1oaと、下側被検面1Bの近軸曲率中心の位置1obと、上側被検面1Aの非球面面頂の位置1taを用いて示した説明図、(b)は(a)の状態をxy平面に投影した状態を示す説明図、(c)は(a)の状態をyz平面に投影した状態を示す説明図である。 (a)は両面非球面レンズ1を上側被検面1Aを上にして設置した状態を、上側被検面1Aの近軸曲率中心の位置1oaと、下側被検面1Bの近軸曲率中心の位置1obと、下側被検面1Bの非球面面頂の位置1tbを用いて示した説明図、(b)は(a)の状態をxy平面に投影した状態を示す説明図、(c)は(a)の状態をyz平面に投影した状態を示す説明図である。 (a)は設計値及びこの被検面間の三次元的位置関係検出工程以前で、光軸及び各面の非球面軸を仮決めした状態を示す説明図、(b)はプローブ10−1及び12−1の回転軸方向の位置により、光軸及び各面の非球面軸を求めて三次元的位置を求めた状態を示す説明図である。 従来、非球面レンズの評価装置及び評価方法の一従来例を示す要部概略構成図である。
符号の説明
1 両面非球面レンズ
1A 上側被検面(一方の面)
1B 下側被検面(他方の面)
2 レンズホルダ
3 エアスピンドル
4 モータ
5 ロータリーエンコーダ
6 非接触式測長器
6A 投光部
6B 受光部
6B−1 マスク
6C ベース部
6D 測定光
7 非接触式測長器移動テーブル
8 スポット軌跡検出手段
8a 光源
8b コリメートレンズ
8c ハーフミラー
8d、8f 結像光学系
8e 撮像素子
10、12 接触式測長器
10−1、12−1 プローブ
11、13 測長器移動テーブル
14 演算手段
15 モニタ
16 非球面レンズの評価装置
17 回転軸
Ax、1Ax 光軸
Axa、1Axa 上側被検面1Aの非球面軸
Axb、1Axb 下側被検面1Bの非球面軸
oa、1oa 上側被検面1Aの近軸曲率中心
ob、1ob 下側被検面1Bの近軸曲率中心
ta、1ta 上側被検面1Aの非球面面頂
tb、1tb 下側被検面1Bの非球面面頂
εa 上側被検面1Aの非球面偏心量(チルト)
εb 下側被検面1Bの非球面偏心量(チルト)
δa 上側被検面1Aの非球面偏心量(シフト)
δb 下側被検面1Bの非球面偏心量(シフト)
δa1 上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト量
δb1 下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのシフト量
θa1 上側被検面1Aの近軸曲率中心1oaのシフト方向
θb1 下側被検面1Bの近軸曲率中心1obのシフト方向
1Zo’、1Zo z軸上の近軸曲率中心1oaと近軸曲率中心1obとの間の距離
1Za’、1Za 近軸曲率中心1oaと非球面面頂1taとの間の距離
1Zb’、1Zb 近軸曲率中心1obと非球面面頂1tbとの間の距離

Claims (5)

  1. 非球面レンズを保持する保持部と、
    保持部を回転させる回転部と、
    非球面レンズの回転角を測定する回転角測定部と、
    非球面レンズに前記回転部の回転軸に沿って光を照射し、非球面レンズの二つの被検面の各々からの反射光のスポットの軌跡を検出するスポット軌跡検出手段と、
    非球面レンズの被検面の三次元形状を測定する球状の接触子を有する、第1及び第2の三次元形状測定手段と、
    前記球状接触子の前記回転軸方向の球心位置を検出する接触子測定手段と、
    前記接触子測定手段の前記回転軸方向の移動量を検出する接触子測定手段位置測定手段と、
    前記スポット軌跡検出手段と前記第1の三次元形状測定手段と前記第2の三次元形状測定手段と前記回転角測定部と前記接触子測定手段と前記接触子測定手段位置測定手段とで得られる情報を演算処理して被検面の評価を行う演算手段を有し、
    前記演算手段が、
    前記スポット軌跡検出手段で検出される非球面レンズの二つの被検面の各々の反射光のスポットの軌跡と前記回転角測定部で測定される非球面レンズの回転角とに基づいて、非球面レンズの二つの被検面の各々の近軸曲率中心の前記回転軸に対する位置(シフト量及びシフト方向)を求め、
    二つの被検面の各々の近軸曲率中心の位置に基づいて、非球面レンズの光軸(二つの被検面の各々の近軸曲率中心を通る直線)の前記回転軸に対する傾きを求め、
    二つの被検面の各々の近軸曲率中心の位置と前記第1及び第2の三次元形状測定手段で測定された被検面の三次元形状データと予め分かっている被検面の三次元設計形状データとに基づいて、三次元形状測定された被検面の対称軸(非球面軸)の前記回転軸に対する傾きを求め、
    非球面レンズの一方の被検面に前記第1の三次元形状測定手段の球状接触子が接した状態での回転軸方向の前記接触子測定手段の位置と、他方の被検面に前記第2の三次元形状測定手段の球状接触子が接した状態での回転軸方向の前記接触子測定手段の位置とに基づいて、非球面レンズの一方の被検面と他方の被検面との間の距離を求め、
    非球面レンズの光軸の前記回転軸に対する傾きと被検面の対称軸(非球面軸)の前記回転軸に対する傾きと双方の被検面同士の間の距離とに基づいて、非球面レンズの被検面の三次元的位置を求めるように構成されていることを特徴とする非球面レンズの評価装置。
  2. 前記接触子測定手段が、
    前記回転軸と直交する平面に平行な測定光束を発光する発光部と、
    該測定光束を受光する受光部と、
    該受光部における受光光量により、被検物の回転軸からの距離を検出する演算部を有することを特徴とする請求項1に記載の非球面レンズの評価装置。
  3. 前記演算部が、前記受光部の受光光量が最小となることを検出することにより、前記球状接触子の球心位置を求めるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の非球面レンズの評価装置。
  4. 少なくとも一方が非球面である二つの被検面を持つ非球面レンズを評価する方法であって、
    一方の被検面を上に向けた状態にて、
    被検物を回転させながら、一方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、
    被検物の一方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、
    被検物を回転させながら、他方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、
    被検物の他方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、
    被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、
    被検物の一方の被検面の三次元形状を取得する工程と、
    被検物の外形形状を取得する工程と、
    被検物の他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、
    被検物の他方の被検面の三次元形状を取得する工程と、
    被検物の一方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向と被検物の他方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向とから、回転軸に対する光軸の位置及び傾きを求める工程と、
    被検物の一方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の一方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、
    被検物の他方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の他方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、
    被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置と、他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置とにより、一方の被検面と他方の被検面との間の距離を求め、両者の三次元的位置関係により、回転軸上の一方の被検面と他方の被検面の近軸曲率中心間距離と、一方の被検面の非球面軸の距離と、他方の被検面の非球面軸の距離を補正する工程と、
    被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、一方の被検面の非球面面頂の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、他方の被検面の非球面面頂の回転軸に対するシフト量及びシフト方向と、回転軸上の一方の被検面と他方の被検面の近軸曲率中心間距離と、一方の被検面の非球面軸の距離と、他方の被検面の非球面軸の距離とにより、一方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向と、他方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向とを求める工程とを有することを特徴とする非球面レンズの評価方法。
  5. 少なくとも一方が非球面である二つの被検面を持つ非球面レンズを評価する方法であって、
    一方の被検面を上に向けた状態にて、
    被検物を回転させながら、一方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、
    被検物の一方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、
    被検物を回転させながら、他方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポット軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、
    被検物の他方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、
    被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、
    被検物の一方の被検面の三次元形状を検出する工程と、
    被検物の外形形状を取得する工程と、
    被検物の他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接する状態で、球状接触子の回転軸方向の位置を検出する工程と、
    他方の被検面を上に向けた状態にて、
    被検物を回転させながら、他方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポットの軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、
    被検物の他方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の他方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、
    被検物を回転させながら、一方の被検面に光を回転軸に沿って照射し、反射光のスポットの軌跡を検出すると共に、スポット軌跡上の各点に対応する被検物の回転角を検出する工程と、
    被検物の一方の被検面の反射光のスポットの軌跡と被検物の回転角とに基づき、被検物の一方の被検面の近軸曲率中心の回転軸に対するシフト量及びシフト方向を求める工程と、
    被検物の他方の被検面の三次元形状を取得する工程と、
    被検物の一方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向と被検物の他方の被検面の近軸曲率中心のシフト量及びシフト方向とから、回転軸に対する光軸の位置と傾きを求める工程と、
    被検物の一方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の一方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、
    被検物の他方の被検面の三次元測定形状と三次元設計形状とから、回転軸に対する被検物の他方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置及び傾き、並びに形状偏差を求める工程と、
    被検物の一方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置と、他方の被検面に三次元形状測定手段の球状接触子が接触する状態での球状接触子の回転軸方向の位置とにより、一方の被検面と他方の被検面との間の距離を求め、両者の三次元的位置関係を求める工程と、
    被検物の光軸に対する一方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置関係から一方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向と、光軸に対する他方の被検面の対称軸(非球面軸)の位置関係から他方の被検面の非球面偏心量及び非球面偏心方向とを求める工程とを有することを特徴とする非球面レンズの評価方法。
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