JPH07229811A - 非球面レンズの偏心測定装置 - Google Patents

非球面レンズの偏心測定装置

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JPH07229811A
JPH07229811A JP2163094A JP2163094A JPH07229811A JP H07229811 A JPH07229811 A JP H07229811A JP 2163094 A JP2163094 A JP 2163094A JP 2163094 A JP2163094 A JP 2163094A JP H07229811 A JPH07229811 A JP H07229811A
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JP
Japan
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lens
aspherical lens
aspherical
eccentricity
measuring device
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Application number
JP2163094A
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English (en)
Inventor
Yukio Hagiwara
由起夫 萩原
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Akinori Iikawa
晃記 飯川
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検非球面レンズを回転させないで非球面レ
ンズの偏心測定を可能にする非球面レンズの偏心測定装
置を提供すること。 【構成】 少なくとも一面が非球面の非球面レンズの偏
心状態を測定する偏心測定装置であって、互いに直交す
る3軸方向の3次元位置測定装置21と、被検非球面レ
ンズ51を支持する非球面レンズ支持器41と、前記3
次元位置測定装置21により測定した、非球面レンズ支
持器41の座標を基準とする被検非球面レンズ51の非
球面の座標に基づいてその被検非球面レンズ51の偏心
量を演算するコンピュータ31と、を備えたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形誤差や心取り誤差
などによって発生する、非球面光学レンズの偏心を測定
するための非球面レンズの偏心測定装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、非球面レンズの良
否を判定するために、測定器の回転軸を基準としてこれ
に対する非球面の振れを測定していた。例えば、特開平
1−296132号公報に開示された装置はこれに類す
るものであるが、このような回転式の偏心測定装置は、
非球面レンズを回転する高精度な回転機構を必要とする
ので、装置が大掛りになるばかりではなく、本質的に、
動くことによりがた、振れを生じ、これらが大きな測定
誤差の原因となっている。さらに、非球面中央部と周辺
部とを別々の異なる座標系を持つ測定手段で測定するの
で、両者の関連を付けるための手段、例えば回転方位に
関してはロータリーエンコーダが必要になるなど装置が
複雑化するという問題がある。
【0003】
【発明の目的】本発明は、被検非球面レンズを回転させ
ないで非球面レンズの偏心測定を可能にする非球面レン
ズの偏心測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【発明の概要】上記従来技術の問題に鑑みて本発明は、
互いに直交する3軸方向の座標測定手段と、少なくとも
一面が非球面の被検非球面レンズを支持する非球面レン
ズ支持手段と、前記座標測定手段により測定された前記
非球面レンズ支持手段の位置座標および被検非球面レン
ズの表面の位置座標に基づいて被検非球面レンズの偏心
量を演算する演算手段と、を備えたことに特徴を有す
る。
【0005】
【実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説明す
る。図1は、本発明を適用した非球面レンズの偏心測定
装置の一実施例の外観を示す図、図2および図3は、同
実施例の被検レンズ支持器部分の断面図、斜視図であ
る。この実施例は、3次元位置測定装置21により、予
め被検レンズ支持器41の中心軸を求め、この中心軸に
対する、被検レンズ支持器41に載せた被検非球面レン
ズの非球面軸の偏心状態を測定することに特徴を有す
る。
【0006】非球面レンズの偏心測定装置10は、基台
11と、基台11の基準面12上に装着されたXYZ軸
3次元位置測定装置21と、3次元位置測定装置21で
計測した3次元座標に関するデータを解析、演算するコ
ンピュータ31と、3次元位置測定装置21の一対の脚
部22の間の基準面12上に、被検レンズ支持器41を
備えている。コンピュータ31は、いわゆるパソコン、
ワークステーションなどが利用できる。
【0007】3次元位置測定装置21は、非球面レンズ
51の形状を三次元座標データとして計測する接触プロ
ーブ25を、基準面12に対して直交方向(Z軸方
向)、およびZ軸と直交するX−Y軸方向に移動させて
接触プローブ25の接触部26を非球面レンズ51に接
触させ、その接触位置をXYZ軸3次元方向の座標位置
として高精度に計測する。
【0008】この3次元位置測定装置21は、所定間隔
で被検レンズ支持器41をまたぎ、基準面12に対して
直角に立てられた一対の脚部22と、一対の脚部22
に、上下方向および前後方向に、基準面12に対して平
行移動自在に両端部が支持されたガイドレール23と、
ガイドレール23に左右方向に摺動自在に支持されたス
ライダ24とを備え、このスライダ24にプローブ25
が懸架されている。ガイドレール23およびスライダ2
4は、図示しないが精密駆動機構により、ガイドレール
23は上下方向(基準面12に対して接離する方向)お
よび前後方向(紙面に対して直交する方向)に精密に移
動制御され、スライダ24は、基準面12と平行にガイ
ドレール23に沿って精密に移動制御される。
【0009】図2および図3は、被検レンズ支持器の一
実施例の断面図および斜視図である。被検レンズ支持器
41は、中空の筒状本体42と、本体の下端部に一体に
形成されたフランジ状の基準板43を備えている。筒状
本体42の先端の被検レンズ当接縁部44は、被検非球
面レンズ51の球面が当て付けられたときには、球面の
曲率中心が筒状本体42の中心軸42zと一致するよう
に、球面と当接する縁部が中心軸42zを中心とした真
円になり、かつその真円を含む面が中心軸42zと直交
するように形成してある。また、筒状本体42の外周面
42aは、中心軸42zに対して同心的に形成されてい
る。さらに基準板43は、その表裏の基準面43a、4
3bが中心軸42zに対して直交するように形成してあ
る。そして被検レンズ支持器41は、基台11の基準面
12上に、中間台80を介して載置され、固定されてい
る。
【0010】中間台80には、筒状本体42の中空部4
5に通じる吸気孔13が形成され、この吸気孔13に、
吸気ポンプ(図示せず)が接続されている。被検非球面
レンズ51が被検レンズ支持器41に載せられ、球面S
1が被検レンズ当接縁部44に接触した状態で吸気ポン
プが作動され、中空部45内の気圧が低下して非球面レ
ンズ51が被検レンズ当接縁部44に押し付けられ、固
定される。
【0011】図4および図5には、被検レンズ支持器の
別の実施例を示してある。この被検レンズ支持器60
は、円板形状の平面基板61上に、その中心を重心とす
る正三角形の頂点位置にそれぞれレンズ支持チップ63
を設けてある。図2に示した実施例と同様に、被検非球
面レンズ51の球面が載置されたときにはその球面の曲
率中心がこの被検レンズ支持器60の中心軸上に位置す
るように、各レンズ支持チップ63は、同一の形状、寸
法に形成し、被検非球面レンズと当接する当接縁部64
は、所定の半径の球面に形成してある。
【0012】一方、レンズ支持チップ63上に載置され
た被検非球面レンズ51を押圧固定する3個のクランプ
71が、レンズ支持チップ63と対応する位置に設けら
れている。各クランプ71は、逆L字形の支柱72と、
各支柱72の張出し部に基準面12と直交方向に螺合さ
れたクランプねじ73とを備えている。各クランプねじ
73は、レンズ支持チップ63と同一の軸線上に位置し
ている。また、支柱72は、平面基板61上に直接、ま
たは別個の部材を介して固定する構成でもよく、あるい
は別個のベース上に固定する構成でもよい。
【0013】以上本実施例にかかる非球面レンズの偏心
測定装置は、3次元位置測定装置21により被検レンズ
支持器41の座標測定を行ない、被検レンズ支持器41
の中心軸42zを設定してから、被検非球面レンズの表
面の複数位置を測定して、非球面形状、非球面軸、およ
び偏心状態などを検出する。以上は本発明の偏心測定装
置の一例であって、図示実施例に限定されるものではな
い。要するに、被検非球面レンズを支持する被検レンズ
支持手段と、被検非球面レンズの表面を3次元の座標デ
ータとして測定できる測定手段があればよい。
【0014】本実施例により非球面レンズの偏心測定を
行なう操作手順、原理について以下説明する。座標の検
出は3次元位置測定装置21により行ない、検出した座
標データに基づく所定の演算処理等は、あらかじめ入力
されている非球面形状を考慮してプログラミングされた
演算プログラムに基づいてコンピュータ31(演算手
段)が実行する。
【0015】(1)被検レンズ支持器のセッティング 非球面レンズの偏心測定に先立って、被検レンズ支持器
41の角度調整を行なう。被検レンズ支持器41の角度
調整手段として、例えば図6、図7に示す、3本の高さ
調整ねじ83を備えた水平調整板81上に中間台80お
よび被検レンズ支持器41を載せて基準面12上に載置
し、3個の調整ねじ83を適時回転させて、スラスト面
(上側基準面)43aを、3次元位置測定装置21の基
準XYZ座標系の基準面12(X−Y面)と平行にする
(図6および図7参照)。そして、スラスト面43a上
の3点P1 (X1 ,Y1 ,Z1 )、P2 (X2 ,Y2
2 )、P3 (X3 ,Y3 ,Z3 )の座標をサンプリン
グ(測定)する。これらの3点P1 、P2 、P3 を通る
平面Fは、行列式、
【数1】 で定義される。この平面FがXY面と平行になるよう
に、3個の調整ねじ83を適時回転させて被検レンズ支
持器41の傾き調整(角度調整)を行なう。具体的に
は、Z1 =Z2 =Z3 となるように調整する。
【0016】(2)被検レンズ支持器の座標系(x,
y,z)の設定 前記(1)の座標系(X,Y,Z)は、測定値を定義す
るために3次元位置測定装置21が持つ座標系である。
これを第一座標系とするならば、ここに新たに第二座標
系(x,y,z)を定義する。この第二座標系(x,
y,z)は、被検レンズ支持器41を基準とした座標系
であって、そのz軸は被検レンズ支持器41の中心軸4
2zに一致させ、x、y、z軸をそれぞれ第一座標系の
X、Y、Z軸と平行に設定する。
【0017】また、原点はz軸とスラスト面43aとの
交点に取る。そのために、図8に示すように、筒状本体
42の外周面42aの3点、例えばラジアル方向の3
点、P4 (X4 ,Y4 ,Z4 )、P5 (X5 ,Y5 ,Z
5 )、および、P6 (X6 ,Y6 ,Z6 )を測定する。
そして、これら3点のXY成分のみを考慮すると、それ
らを通る円は、行列式、
【数2】 で定義される。この円の中心を(X0 ,Y0 )とする。
そして、先に求めたスラスト方向の3点P1 、P2 およ
びP3 のZ座標をZ0 (すなわちZ1 =Z2 =Z3 =Z
0 )とし、これらで決まる第一座標系の点(X0 ,Y
0 ,Z0 )の位置を、第二座標系(x,y,z)の原点
とする。
【0018】(3)被検非球面レンズの球面の曲率中心
(Ox ,Oy ,Oz )の計算 被検非球面レンズ51が片側非球面レンズであるとし
て、球面S1が凸面の場合および凹面の場合の実施例
を、それぞれ図9、図10に示してある。球面S1の曲
率半径をr、球面S1と被検レンズ当接縁部44とが接
触する円の半径をΦdとする。ここで、被検非球面レン
ズ51を、球面S1を被検レンズ当接縁部44に当接さ
せて被検レンズ支持器41に載せると、球面S1の曲率
中心Cは中心軸42z上に位置する。したがって曲率中
心Cの座標は、第二座標系(x,y,z)において、 x=Ox =0、y=Oy =0、 z=Oz =h±(r2 −(d/2)21/2 (但
し:+;凸面 −;凹面) で表わされる。ここでhは、スラスト面43aから被検
レンズ当接縁部44が球面S1に当接する縁部までの距
離を表わす。
【0019】(4)非球面の座標測定サンプル点の座標
変換 3次元位置測定装置21により非球面S2の複数点の第
一座標系(X,Y,Z)上の座標を測定し、第二座標系
(x,y,z)上の座標に変換する。例えば、非球面上
の5点P7 、P8 、P9 、P10、P11の第一座標系
(X,Y,Z)上の座標、P7 (X7 ,Y7 ,Z7 )、
8 (X8 ,Y8 ,Z8 )、P9 (X9 ,Y9 ,Z
9 )、 P10(X10,Y10,Z10)、P11(X11
11,Z11)を、変換式、xi=Xi−X0 、yi=Y
i−Y0 、zi=Zi−Z0 により第二座標系(x,
y,z)の座標に変換する。変換後の第二座標系(x,
y,z)における座標は、P7 (x7 ,y7 ,z7 )、
8 (x8 ,y8 ,z8 )、P9 (x9 ,y9 ,z
9 )、 P10(x10,y10,z10)、P11(x11
11,z11)、となる。
【0020】非球面S2上の複数のサンプリング点を、
例えば図11に示したようにx軸上またはy軸上の5点
に取り、測定したとすると、これらの5点の座標は、下
記の通りになる。 P7 (x7 ,0,z7 )、 P8 (0,0,z8 )、P
9 (x9 ,0,z9 )、 P10(0,y10,z10)、P
11(0,y11,z11
【0021】(5)非球面の偏心計算I 以下は、第二座標系(x,y,z)を中心として説明す
る。一般に、回転対称な非球面の形状は、次のように定
義される。先ず、図12に示したように、z軸に非球面
S2の非球面軸ASが一致している場合は、次の数3式
により非球面S2の形状が定義される。
【数3】 C:近軸曲率(+;凹面 −;凸面) κ:円錐係数(κ<−1;双曲面 κ=−1;放物面 −1<κ;楕円面 κ=0;球面) a2n:非球面係数 b:非球面頂点の高さ
【0022】次に、非球面軸ASがz軸に対して横ずれ
(ディセンター)、およびティルトしている場合(傾い
ている場合)の非球面S2の形状の定義の仕方を、図1
3および図14を参照して説明する。
【0023】先ず、図13に示すように、非球面S2の
頂点は、z軸からxy面に平行にDx,Dy横ずれして
いるものとする。そして、図14に示すように、非球面
S2の頂点を通る非球面軸ASがz軸に対して角度T傾
いて(ティルトして)いるものとする。ここで傾きの方
位を角度θT とする。この角度θT は次のように定義す
る。先ず、非球面S2の頂点を原点として、第二座標系
のx,y,z軸にそれぞれ平行なx′,y′,z′軸を
持つ第三座標系(x′,y′,z′)を考える(図14
参照)。そしてこの第三座標系の原点、すなわち非球面
S2の頂点から見て、x′軸を基線として非球面S2の
周辺部が最も正のz′軸寄りの方位をθT とする。この
とき非球面S2の形状、すなわちz軸座標は、次の数4
式により求まる。
【数4】 なお、ここで、角度Tは必ず正とする。また、θT は第
三座標系の正のx′軸方位を0゜とし、正のy′軸方位
を90゜とする。
【0024】数4式は、非球面形状を表わす設計値以外
に5個の未知数Dx 、Dy 、T、θT 、bを含んでいる
ので、数学的には5個の測定サンプル、例えばP7 〜P
11の5点の位置座標を測定すれば、上記5個の未知数を
求めることができる。ただし、実際には、非球面形状誤
差や測定誤差が発生するので、5点よりも多くの点を測
定し、最小2乗法などにより最適化することによって最
小誤差となる上記5個の未知数の組み合わせを決定す
る。このようにしてz軸、すなわち被検レンズ支持器4
1の中心軸42zに対する非球面S2の非球面軸ASの
偏心を計算できる。
【0025】(6)非球面の偏心計算II 非球面軸ASに一致する直線の式を求める。その手順
を、図15を参照して説明する。この非球面軸ASは、
非球面S2の頂点(Dx ,Dy ,b)を通り、その方向
余弦は次の通りである。 x軸の方向余弦= cos(π/2+T) cosθT =− sinT cosθT y軸の方向余弦= cos(π/2+T) cos{(π/2)−θT } =− sinT sinθT z軸の方向余弦= cosT したがって求める非球面軸ASの式は、下記の通りであ
る。 (x−Dx )/(− sinT cosθT ) =(y−Dy )/(− sinT sinθT ) =(z−b)/ cosT …… 一方、球面の曲率中心の座標(Ox ,Oy ,Oz )は、
(3)において述べたように下記の通りである。 x=Ox =0、y=Oy =0、 z=Oz =h±(r2 −(d/2)21/2 …… (但し、+;凸面、−;凹面) 以上のようにして導かれる式、を使用して、球面S
1と非球面S2の非球面軸ASの偏心関係を計算でき
る。
【0026】さらに、被検非球面レンズの外周を測定し
て、その外周を基準とした場合の非球面軸ASの偏心を
計算することもできる。例えば、図16に示すように、
被検非球面レンズの外周の3点(P12〜P14)を測定す
ると、それらを通る円の中心(被検非球面レンズの外形
中心)を、先の3点P4 〜P6 のときと同様に求めるこ
とができる。その外形中心の座標を(Sx ,Sy ,S
z )とすれば、その座標値と先に求められた式、を
使用して、球面S1の曲率中心と外形中心とで決まる、
基準軸Sに対する非球面軸ASの偏心を計算できる。
【0027】理解を容易にするために、偏心は二次元
(yz平面)内のみにおいて生じているものとし、x成
分の偏心は無いものと仮定する。よって、以下ではx座
標を省略して説明する。図17において、例えば、球面
の曲率中心(0,Oz )と、非球面レンズ51の外径の
中心Oc (Sy ,Sz )とを通る基準軸Sを設定し、こ
の基準軸Sに対する非球面頂点(Dy ,b)の横ズレ
(ディセンター)Aと、非球面軸ASがなす角度(ティ
ルト)Bは、それぞれ下記数5式、数6式により計算す
ることができる。なお、 基準軸Sは、 z={(Sz −Oz )/Sy }y+Oz 非球面軸ASは、z=(1/ tanT)y+b−Dy /tan T により定義される。
【数5】
【数6】
【0028】以上の数5、6式を演算することにより、
非球面S2のディセンターAおよびティルトBを測定す
ることができる。このように本発明では、非球面レンズ
支持手段と被検非球面レンズの3次元座標を測定するこ
とにより、被検非球面レンズの種々の偏心量を計算で算
出できる。
【0029】以上は片面非球面レンズの偏心測定装置に
ついての説明であったが、本発明は、両面非球面レンズ
の偏心測定にも適用することが可能である。その一例を
図18に示す。ここで、この被検非球面レンズ51はメ
ニスカス形状であって、一方の面が凸の第一非球面S
1、他方の面が凹の第二非球面S2である。そして被検
非球面レンズ51は、非球面S1が被検レンズ当接縁部
44に接触するように被検レンズ支持器41に載せられ
ている。
【0030】ここで、被検レンズ当接縁部44は第一非
球面S1の中央部付近に接触するので、第一非球面S1
の中央部の近軸曲率中心C1が被検レンズ支持器41の
中心軸42z上に位置する。
【0031】また、被検レンズ支持器41の筒状本体4
2の外周面42aは、中心軸42zに対して同心的に形
成してあって、基準板43の基準面43aは、中心軸4
2zに対して直交するように形成してある。このため、
この場合も先に説明した片面非球面レンズと全く同様な
操作手順と原理に基づいて偏心測定を行なうことができ
る。つまり、被検レンズ支持器41の外周面42aや基
準面43a、被検非球面レンズ51の第二非球面S2や
レンズ外周の3次元座標の測定を行ない、それらの座標
データから中心軸42zに対する第二非球面S2の第二
非球面軸AS2の偏心や、第一非球面S1の近軸曲率中
心C1と第二非球面S2の第二非球面軸AS2の偏心関
係、さらに第一非球面S1の近軸曲率中心C1と外形中
心とで決まる基準軸に対する第二非球面S2の非球面軸
AS2の偏心を、演算により求めることができる。
【0032】次に、この両面非球面レンズである被検非
球面レンズ51の向きを逆にして、第二非球面S2が被
検レンズ当接縁部44に接触するように被検レンズ支持
器41に載せて上記同様の測定を行なう。このときの載
置状態を、図19に示す。この場合は、第二非球面S2
の中央部の近軸曲率中心C2が中心軸42z上に位置す
る。そこでこの場合には、測定された座標データから、
中心軸42zに対する第一非球面S1の第一非球面軸A
S1の偏心をはじめとして、上記同様の種々の偏心を演
算により求めることができる。
【0033】さらに、図18と図19の測定で得られる
座標データに加え、両者間の座標変換(被検非球面レン
ズ51の載せ方の違い)を考慮することにより、非球面
S1、S2のそれぞれの非球面軸AS1、AS2の相対
的な偏心関係を演算することもできる。
【0034】なお、これらの図18、19において、位
置決め治具46は、被検レンズ支持器41の筒状本体4
2の外周面42aとの間にインロー内周面46aを持
ち、この内周面46aにより被検非球面レンズ51の外
周を規制して被検非球面レンズ51を中心軸42zとほ
ぼ同心的に位置決めする補助的な治具である。非球面の
非球面量が大きい場合、近軸曲率中心を中心軸42z上
に正しく載せるためには、中心軸42zに対して被検非
球面レンズ51の外周をおよそ同心的に位置決めガイド
する必要がある。
【0035】そこで、この位置決め治具46を筒状本体
42に装着し、被検非球面レンズ51をこの位置決め治
具46の内周面46aに沿わせて被検レンズ支持器41
に載置し、位置決めをする。位置決めが終了したら、位
置決め治具46を取り外して座標の測定を行なう。な
お、この位置決め治具46は、座標の測定に支障の無い
形に、被検レンズ支持器41と一体に形成してもよい。
このように一体に形成すれば、位置決め治具46を着脱
する手間が不要となり、さらにその着脱時に被検レンズ
に干渉することも無くなる。
【0036】以上の通り本実施例の偏心測定装置10
は、被検非球面レンズを回転させる回転機構を使用しな
いで片面および両面非球面の偏心測定ができるので、回
転機構に起因する測定誤差の発生がない。しかも偏心測
定は、被検面の座標を数点測定して演算により偏心を求
めるので、短時間で測定できる。特に、被検レンズ支持
器41の中心軸42zに対して被検非球面レンズの非球
面軸が大きく偏位し、傾いていたとしても、3次元位置
測定装置31により測定できる範囲内であれば測定がで
きるので、レンズの回転位置を検出するロータリーエン
コーダや、レンズ位置を調整する手段および調整操作が
不要になり、装置構成が簡単になり、被検非球面レンズ
のセットが非常に容易になり、よって測定時間が短縮さ
れる。さらに、被検非球面レンズの面形状や、レンズ外
形形状に誤差があっても、必要に応じて測定サンプルを
増やし、最適化演算処理を行なうことによりソフト的に
簡単に測定精度を高めることができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明は、
動かない非球面レンズ支持手段により被検非球面レンズ
を支持して、被検面の複数箇所の相対位置を3次元の座
標測定手段で測定し、それらの測定データに基づいて演
算手段により演算して非球面レンズの偏心を求めるの
で、被検非球面レンズを回転することにより生じる誤差
がなく、被検非球面レンズのセットが容易なので操作性
がよく、しかも短時間で測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した非球面レンズの偏心測定装置
の一実施例の外観を示す図である。
【図2】被検レンズ支持器の一実施例を中心軸で縦断し
て示した断面図である。
【図3】同被検レンズ支持器の外観斜視図である。
【図4】被検レンズ支持器の他の実施例を示す正面図で
ある。
【図5】同他の実施例の基板部を示す斜視図である。
【図6】被検レンズ支持器を偏心測定装置の3次元位置
測定装置により測定する状態を示す斜視図である。
【図7】同被検レンズ支持器の水平調整を行なう水平調
整板の側面図である。
【図8】同被検レンズ支持器の筒状部の外周面の測定態
様を説明する斜視図である。
【図9】凸球面を有する片面非球面レンズの球面の曲率
中心の出し方を説明する断面図である。
【図10】凹球面を有する片面非球面レンズの球面の曲
率中心の出し方を説明する断面図である。
【図11】被検非球面レンズの非球面上のサンプリング
点の一例を示す図である。
【図12】被検非球面レンズの非球面軸と被検レンズ支
持器の回転軸とが一致している様子を示す断面図および
平面図である。
【図13】被検非球面レンズの非球面軸の被検レンズ支
持器の中心軸に対する横ずれ(ディセンター)を示す平
面図である。
【図14】被検非球面レンズの非球面軸の座標軸に対す
る傾き(ティルト)を説明する図である。
【図15】非球面軸がティルトしている状態を示す図で
ある。
【図16】被検非球面レンズの外周のサンプリング点の
一例を示す図である。
【図17】被検非球面レンズのディセンターおよびティ
ルト状態を示す図である。
【図18】メニスカス形状の両面非球面レンズの凸面側
の非球面の近軸曲率中心の出し方を説明する断面図であ
る。
【図19】メニスカス形状の両面非球面レンズの凹面側
の非球面の近軸曲率中心の出し方を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
10 非球面レンズ偏心測定装置 11 基台 12 基準面 21 XYZ軸3次元位置測定装置(座標測定手段) 25 プローブ 31 コンピュータ(演算手段) 41 被検レンズ支持器(被検非球面レンズ支持手段) 42 筒状本体 42a 外周面 42z 中心軸 44 被検レンズ当接縁部 46 位置決め治具 51 被検非球面レンズ 81 水平調整板(角度調整手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直交する3軸方向の座標測定手段
    と、 少なくとも一面が非球面の被検非球面レンズを支持する
    非球面レンズ支持手段と、 前記座標測定手段により測定された前記非球面レンズ支
    持手段の位置座標および被検非球面レンズの表面の位置
    座標に基づいて被検非球面レンズの偏心量を演算する演
    算手段と、を備えたことを特徴とする非球面レンズの偏
    心測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記非球面レンズ支
    持手段は、前記被検非球面レンズの一方の面に当接する
    被検レンズ当接縁部と、この被検レンズ当接縁部と同心
    加工された外周面を持つ筒状本体を備えている非球面レ
    ンズの偏心測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記非球面レンズ支
    持手段は、前記筒状本体に着脱自在に形成された、前記
    被検非球面レンズを所定位置にガイドする位置決め治具
    を備えている非球面レンズの偏心測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記非球面レンズ支
    持手段は、前記非球面レンズに当接する当接部が、既知
    の曲率半径を持つ3個のチップであって、該3個のチッ
    プが、三角形の頂点位置に配置されている非球面レンズ
    の偏心測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項におい
    て、前記座標測定手段の基準座標に対する前記非球面レ
    ンズ支持手段の傾きを調整する角度調整手段を備えてい
    る非球面レンズの偏心測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項におい
    て、前記座標測定手段は、前記非球面レンズ支持手段が
    固定される基台、およびこの基台に装着された、3次元
    方向に移動して前記基台上の被測定物の表面の3次元位
    置を検出するプローブを備えた3次元位置測定装置であ
    る非球面レンズの偏心測定装置。
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