JP2011242346A - 光学素子、光学装置および光学素子の偏芯量および曲面形状測定方法。 - Google Patents

光学素子、光学装置および光学素子の偏芯量および曲面形状測定方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光軸位置と向きを精度良く決定できる光学素子及び光学素子の偏芯量測定方法を提供する。
【解決手段】 光学素子は、光束を通過又は反射し、第1の関数で規定される第1表面を有する有効領域(YR)と、有効領域の外側の領域に形成され、第1の関数と異なる第2の関数で規定される第2表面を有する非有効領域(HR)と、を備える。そして光学的非有効領域(HR)の第2の関数は、曲面又は互いに異なる関数で表わされる2つ以上の平面を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偏芯量と曲面形状を精度良く決定できる光学素子、その光学素子を有する光学装置及び光学素子の偏芯量測定方法に関する。
携帯電話内蔵カメラ、液晶プロジェクターなどの製品は、非軸対称光学レンズまたは非軸対称光学ミラー等の光学素子を用いることにより小型化を実現している。これらの光学素子の偏芯量は、光軸の位置、角度を精度よく決めることができないため光学素子の外形から設計値により機械的公差の範囲内で決定する方法が用いられてきた。また、特許文献1に示すように、光学素子の表面上の複数点の三次元の座標を求め、これらの座標から表面形状を表わす関数を導出して偏芯量を求める三次元表面形状測定による方法もある。この方法では光学素子の偏芯量を演算により求めることができる。さらに、測定する座標点の点数を増やすことにより容易に測定精度を高めることができる。
特開平7−229811号公報
しかし、三次元表面形状測定では、光学素子の形状により偏芯量の測定が困難な場合がある。例えば、X−Y平面に広がる平坦な光学素子は、X−Y平面内の方向に偏芯しても光学素子の表面形状を表わす関数は偏芯の前後で同じため、関数を導いただけでは偏芯量は分からない。特に、非軸対称光学系は表面の凹凸が少なくて平坦な場合が多く、正確な偏芯量を求めることが困難である。また、光学素子の外形形状から偏芯量を求めることができるが、外形形状が不規則である場合には正確な外形形状を把握しにくいため、偏芯量の測定精度が落ち、その結果,決定した偏芯量にも曲面形状にも不確定性が残る場合が多かった。
本発明は、有効領域内の設計面形状を表現する関数形とは異なる関数形の面形状を有効領域外に形成することにより、光軸位置と向きが精度良く決定できる光学素子、この光学素子を使用した光学装置及びこの光学素子を使用した光学素子の偏芯量および曲面形状測定方法を提供することを目的とする。
第1の態様の光学素子は、光束を通過又は反射し第1の関数で規定される第1表面を有する有効領域と、有効領域の外側の領域に形成され第1の関数と異なる第2の関数で規定される第2表面を有する非有効領域と、を備える。そして光学的非有効領域の第2の関数は、曲面又は互いに異なる関数で表わされる2つ以上の平面を有する。
第2の態様の光学装置は、第1の態様の光学素子を光束の光路上に配置されている光学装置である。
第3の態様の曲面形状測定方法は、第1の関数で規定される第1表面と第2の関数で規定される第2表面とを有する光学素子を三次元表面形状計測装置の光学素子支持部で支持する工程と、三次元表面形状計測装置を用いて光学素子の表面形状を測定する工程と、第1の関数と第2の関数とを導出し、光学素子の偏芯量を求める工程と、を有する。
本発明の光学素子は、光学素子の光軸位置と向きを精度良く決定できる。また,曲面形状も精度良く決定できる。
光学素子100の斜視図である。 光学素子の表面形状の測定方法を示すフローチャートである。 (a)は、三次元表面形状計測装置TDの概略図である。 (b)は、三次元表面形状計測装置TDのプローブPBの軌跡を説明するための図である。 (a)は、軸対称光学素子JKの表面のX軸に垂直な面での断面図である。 (b)は、図4A(a)の一点鎖線KD1の拡大図である。 (c)は、非軸対称光学素子HKの表面のX軸に垂直な面での断面図である。 (d)は、図4A(c)の一点鎖線KD2の拡大図である。 光学的非有効領域HRを有する非軸対称光学素子HHKの表面のX軸に垂直な面での断面図である。 光学素子200の斜視図である。 (a)は、光学素子300の斜視図である。 (b)は、光学素子300の原点Oを通るY軸に垂直な面での表面形状を表わしたグラフである。 (c)は、光学素子300の原点Oを通るX軸に垂直な面での表面形状を表わしたグラフである。 (a)は、光学素子400の斜視図である。 (b)は、光学素子400の原点Oを通るY軸に垂直な面での表面形状を表わしたグラフである。 (a)は、光学素子500の斜視図である。 (b)は、図8(a)のG−G断面の概略図である。 光学素子600の平面図である。 (a)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された凸レンズを拡大した図である。 (b)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された凸レンズを拡大した図である。 (c)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された凹レンズを拡大した図である。 (d)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された凹レンズを拡大した図である。 (a)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された凸ミラーを拡大した図である。 (b)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された凸ミラーを拡大した図である。 (c)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された凹ミラーを拡大した図である。 (d)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された凹ミラーを拡大した図である。 映像投写装置700の概略図である。
(第1実施例)
<光学素子100の構成>
第1実施例として自由曲面を有する光学素子100について、図1を参照して説明する。
図1は、光学素子100の斜視図である。光学素子100は単独で使用されたり、他の素子と組み合わされたりして使用される。図1における光学素子100は、点線の内側の領域である光学的有効領域YRと、点線の外側の領域である光学的非有効領域HRとを有している。図1では、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとの境界線BOが点線として示されている。
光学的有効領域YRは、機器に組み込まれたりした場合に光束を反射または透過する領域である。光学的非有効領域HRは光学的有効領域YR以外の領域であり、機器に組み込まれた際に基本的に光束が透過したり反射されたりしない領域である。機器に不要な迷光が光学的非有効領域HRに入射することはあり得る。光学素子100の有効領域HRは、軸に対して対称とならない自由曲面として形成されている。
光学的有効領域YRの表面である第1表面の形状を表わす関数を第1の関数、光学的非有効領域HRの表面である第2表面の形状を表わす関数を第2の関数とする。第1の関数及び第2の関数は、互いに異なる関数である。しかし、第1の関数と第2の関数とは同じ原点Oを通り同じ座標系で表わされる。つまり、光学素子100は光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが同じ原点Oを基準として形成される。第1の関数と第2の関数とを同じ原点Oを有する関数として表わすことにより、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとを形成する時に、座標を移動させる必要がなくなるため、光学素子100の作製が容易になる。また,第2の関数情報で作成された光学的非有効領域HRからのデータを用いても原点Oの位置を予測できることになる。図1では、光学的有効領域YRの中央部にある原点O、原点Oを通り光学素子100の表面の上方に伸びる軸であるZ軸、原点Oを通りZ軸に垂直な軸をX軸、原点Oを通りX軸及びZ軸に垂直な軸をY軸として示している。
光学素子100は作製された後に三次元表面形状計測装置TD(図3を参照)により光学的有効領域YRの表面形状と姿勢とが測定される。姿勢には、X軸、Y軸、Z軸と各軸まわりの回転パラメータとの計6つのパラメータがある。三次元表面形状計測装置TDでは光学素子100の光学的有効領域YRの表面形状と姿勢とを一回の計測で導きだすのは一般には容易でなく、導きだしたとしても求めたパラメータの不確定性が大きい。光学素子100は、互いに異なる関数で表わされている光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとの表面形状を一度の測定により導きだし、光学的有効領域YRの表面形状と姿勢とをパラメータの不確定性が小さい状態で導くことができる。以下に、光学素子100の表面形状の計測方法を説明し、光学的有効領域YRの表面形状と姿勢とをパラメータの不確定性が小さい状態で導くことができる理由を説明する。
<光学素子の表面形状計測方法>
図2及び図3を参照して光学素子の表面形状の計測方法を説明する。
図2は、光学素子の表面形状の計測方法を示すフローチャートである。
ステップS101は、光学素子100を光学素子支持部KSで支持する工程である。光学素子100は、図1で説明されたように、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとを有している。
ステップS102は、光学素子100の表面形状を計測する工程である。三次元表面形状計測装置TDは、光学素子100の光学的有効領域YR及び光学的非有効領域HRの表面形状をプローブPB(図3を参照)で接触しながら測定し、その表面形状情報から関数を導出する。
図3(a)は、三次元表面形状計測装置TDの概略図である。三次元表面形状計測装置TDは、光学素子支持部KSと、プローブPBと、コンピュータKKとを有している。光学素子支持部KSは光学素子100を例えば3点で支持する。光学素子100は光学素子支持部KSで支持された状態となる。プローブPBはその先端が球状に形成されており、球の表面のいずれの点で光学素子100を接触しても、その球の中心座標で光学素子100の表面形状情報を測定する。
図3(b)は、三次元表面形状計測装置TDのプローブPBの軌跡を説明するための図である。図3(b)には、光学素子支持部KSで支持される光学素子100の平面図が示されている。例えばプローブPBは、−X軸方向から+X軸方向にX軸に平行に光学素子100と接しながら移動する(SA1)。そしてプローブPBは、光学素子100の表面を移動し終わった後に−Y軸方向に距離DSだけ進み、+X軸方向から−X軸方向へX軸に平行に光学素子100と接しながら移動する(SA2)。このようにして、光学素子100の表面全体をプローブPBが移動することにより光学素子100の表面形状を計測する。実際の計測では、例えば距離DSは約0.1から0.2mm、X軸方向にはピッチ10μmで計測を行い、光学素子100の大きさが10〜20mm角程度であるとすると、全体では数万から数十万点の計測点が収集される。
1回のプローブPBの移動(例えばSA1の移動)で、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとの両方が計測される。この時、光学素子100の光学的有効領域YRの関数と光学的非有効領域HRの関数とは境界線BOの座標を境にして分けて計算される。
ステップS103は、光学素子100の第1の関数、第2の関数および光学素子100の偏芯量を求める工程である。プローブPBが、光学素子100の表面を計測し終わった後に、第1の関数、第2の関数および偏芯量が求められる。コンピュータKKは、測定された表面形状情報に基づいて、最小2乗法などより表面形状情報を解析して表面形状を表わす関数を導出する。また、偏芯量は、例えば、図1のZ軸に対する第1の関数および第2の関数の偏芯量として求められる。
以下に、計測された光学素子の偏芯量が不確実性を持つ原因と、その不確実性を小さくする方法について説明する。
図4A(a)は、軸対称光学素子JKの表面のX軸に垂直な面での断面図である。図中の「+」は実際の測定点とする。ここで軸対称光学素子JKとは、ある軸に対して回転操作(360°とその倍数の回転を除く)をさせた時に、元の光学素子の形状と区別がつかないように移動させることができる光学素子をいう。実線JS1は実際の測定点から偏差の2乗和を最小にする第1の関数の曲線であり、芯JSS1を有している。点線TS1は実線JS1を+Y軸方向に距離DAだけ移動させており、芯TSS1を有している。芯JSS1と芯TSS1とは距離DAだけ離れている。
図4A(b)は、図4A(a)の一点鎖線KD1の拡大図である。図4A(b)には、実線JS1の外周部付近の点JSP1から点線TS1まで伸びる法線ベクトルJSH1と、点JSP1から点線TS1まで伸びY軸に平行なベクトルJSY1が示されている。ベクトルJSY1の大きさは距離DAである。法線ベクトルJSH1とベクトルJSY1との成す角が小さい時、つまり点JSP1における実線JS1の微分係数の絶対値が大きい場合は、ベクトルJSH1の大きさはDAに近くなる。これは、図4A(b)では、点JSP1において実線JS1と点線TS1との距離が距離DAに近いということになる。
また、図4A(b)では、点JSP1から点線TS1まで伸びるZ軸方向に平行なベクトルJSZ1が示されている。点JSP1では、実線JS1の微分係数の絶対値が大きく、ベクトルJSZ1の大きさが大きい。この大きさが大きいZ軸方向に平行なベクトルの存在は、実線JS1と点線TS1とを見分ける目安とすることができる。
図4A(a)及び図4A(b)を参照すると、法線ベクトルJSH1の大きさが距離DAに近い時、又はベクトルJSZ1の大きさが大きい時には実線JS1と点線TS1とは明確に区別することができる。つまり、軸対称光学素子JKは、導き出された表面形状を示す関数の係数及び姿勢を示すパラメータの不確定性が小さい。
図4A(c)は、非軸対称光学素子HKの表面のX軸に垂直な面での断面図である。ここで、非軸対称光学素子HKとは前記軸対称以外の光学素子であって、どのような軸に対して回転操作(360°とその倍数の回転を除く)をしても、ある回転角について元の光学素子の形状と区別がつかないように移動させることができない光学素子をいう。図中の「+」は実際の測定点である。実線JS2は実際の測定点から偏差の2乗和を最小にする第1の関数の曲線であり、芯JSS2を有している。点線TS2は実線JS2を+Y軸方向に距離DAだけ移動させており、芯TSS2を有している。芯JSS2と芯TSS2とは距離DAだけ離れている。
図4A(d)は、図4A(c)の一点鎖線KD2の拡大図である。図4A(d)には、図4A(c)に示した実線JS2の中心部付近の点JSP2から点線TS2まで伸びる法線ベクトルJSH2と、点JSP2から点線TS2まで伸びY軸に平行なベクトルJSY2が示されている。ベクトルJSY2の大きさは距離DAである。ベクトルJSH2の大きさはDAcosθとみなせ、法線ベクトルJSH2とベクトルJSY2との成す角θが大きくなるに従いベクトルJSH2の大きさは小さくなる。これは、図4A(d)では、点JSP2において点線TS2は実線JS2の位置から+Y軸方向に距離DAだけ移動しているにも関わらず、実線JS2と点線TS2とが、実際に離れている距離はDAcosθということになる。非軸対称光学素子HKの法線ベクトルJSH2はZ成分が小さい領域が多く、角θが大きい領域が多い。従って、非軸対称光学素子HKでは、実線JS2が+Y軸方向にDAだけ移動しているにもかかわらず、実線JS2と点線TS2との距離はDAcosθであり、実線JS2と点線TS2との区別がつきにくくなる。
また、図4A(d)では、点JSP2から点線TS2まで伸びるZ軸方向に平行なベクトルJSZ2が示されている。点JSP2では、図4A(c)の実線JS2の他の領域よりも比較的に実線JS2の微分係数の絶対値が小さく、ベクトルJSZ2の大きさが小さい。
非軸対称光学素子HKの実線JS2と点線TS2との距離はDAcosθであり、特に法線ベクトルJSH2のZ成分が小さい領域が多い表面形状がスロープ状の非軸対称光学素子HKでは、実線JS2と点線TS2との区別がつきにくかった。また、Z軸方向に平行なベクトルの大きい領域が、図4A(a)に示した軸対称光学素子JKでは実線JS1の+Y軸側の端部周辺と−Y軸側の端部周辺との2カ所あるのに対し、図4A(c)に示した非軸対称光学素子HKでは実線JS2の中心部周辺の1カ所のみしかない。つまり、非軸対称光学素子HKは軸対称光学素子JKに比べて導き出された表面形状を示す関数の係数及び姿勢を示すパラメータの不確定性が大きい。
図4Bは、光学的非有効領域HRを有する非軸対称光学素子HHKの表面のX軸に垂直な面での断面図である。図中の「+」は実際の測定点である。実線JS3は実際の測定点から偏差の2乗和を最小にする第1の関数の曲線(光学的有効領域YR内)および第2の関数の曲線(光学的非有効領域HR内)であり、芯JSS3を有している。点線TS3は実線JS3を+Y軸方向に距離DAだけ移動させており、芯TSS3を有している。実線JS3及び点線TS3は、光学素子の中央部に光学的有効領域YRを有しており外周部に光学的非有効領域HRを有している。図4Bにおいては、実線JS3及び点線TS3の光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、境界JBO3及びTBO3により分けられている。
図4Bの光学的有効領域YRは、図4A(c)と同様の形状である。そのため、図4Bにおける一点鎖線KD4は図4A(c)における一点鎖線KD2と同様の形状をしており、一点鎖線KD4では実線JS3と点線TS3との区別がつきにくい。図4Bの光学的非有効領域HRは、図4A(b)に示したように実線JS3と点線TS3との距離が離れており、実線JS3と点線TS3との区別がつきやすくなっている。また、法線ベクトルJSH2のZ成分が大きい領域が、実線JS3の+Y軸側の光学的非有効領域HRと、−Y軸側の光学的非有効領域HRと、中央部周辺との3箇所に形成されるため、光学的非有効領域HRが形成されていない図4A(c)に示した非軸対称光学素子HKと比べて、実線JS3と点線TS3との区別がつきやすくなっている。
以上により、光学的非有効領域HRに光学的有効領域YRとは異なる関数で表わされる表面を形成することにより、光学的有効領域YRの表面形状を示す関数の係数及び姿勢を示すパラメータの不確実性を小さくできることがわかる。また、光学的非有効領域HRの表面の微分係数の絶対値は、光学的有効領域YRの表面の微分係数の絶対値より大きな値を持つ場合に、偏芯量の不確定性を小さくする事ができ、好ましい。そのため、光学的非有効領域HRの表面の微分係数の絶対値は0とならないことが望ましい。また、光学的非有効領域HR内の表面の少なくとも1カ所以上の微分係数の絶対値が、光学的有効領域YR内の表面の任意の位置における微分係数の絶対値より大きな値を持つことが好ましいと言える。
光学的非有効領域HRの表面の微分係数の絶対値が0として表わされる光学素子100であっても、光学素子100を傾けて測定することにより微分係数の絶対値を0ではないように設定できる場合がある。このような場合でも、少なくても光学的非有効領域HRの全領域の表面は、同一平面上にないことが望ましい。そのため「光学的非有効領域HRの表面の微分係数の絶対値は0とならないことが望ましい」は、より一般的な言い方をすると「光学的非有効領域HRの表面は、曲面又は互いに異なる関数で表わされる2つ以上の平面を有することが望ましい」ということができる。
以下に、光学素子100の偏芯量を求める方法を説明する。
光学的有効領域YRにおける第1関数はZ座標をX座標とY座標との関数として、以下のように記述することができる。
z=f(x,y)・・・・・(1)
式(1)と実際の測定点とを最小二乗法により当てはめ座標を計算すると以下のようになる。

・・・(2)
ここで、最小二乗法により計算された評価量をA、データ点の総数をM、(x, y)でのデータ点の値をData,としている。同様に、光学的非有効領域HRにおける第2の関数は、以下のように記述することができる。
z=g(x,y)・・・・・(3)
ここで式(3)で表わされる第2の関数は、光学的非有効領域内において微分係数が0とはならないことが望ましい。つまり、第2の関数に関して他の座標系を適用することを考えてより一般的な表現をすると、第2の関数の導関数が光学的非有効領域の全領域内で同一の定数とはならない、または、光学的非有効領域内で第2の関数の導関数が変数又は異なる2つ以上の定数を有する、と言える。例えば、光学的非有効領域内で第2の関数の導関数が異なる2つの定数を有する場合とは、光学的非有効領域内に傾きが異なる2つの平面が形成されていることを示している。
式(3)に実際の測定点を最小二乗法により当てはめて座標を計算すると以下のようになる。

・・・(4)
ここで、評価量をB、データ点の総数をNとしている。
式(2)と式(4)とを用いて光学素子100の表面上の全ての計測点に関する評価量Cは以下のように記述できる。
・・(5)
ここで、光学的非有効領域HRの重み付けをwとしている。重み付けwは、光学的非有効領域HRの光学的有効領域YRに対して考慮する割合を示したパラメータである。重み付けwは、0≦w≦1の範囲の数値で表わされる。つまり、光学的有効領域YRの重み付けは1−wになる。
例えば、三次元表面形状計測装置TDが光学的有効領域YRを測定点数Mが9万点、光学的非有効領域HRを測定点数Nが1万点を測定したと仮定する。この時、重み付けwを0.5とすれば、光学素子100の光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとがデータ点数に比例して重み付けされて光学素子100の表面上の座標が計算されることになる。また、特に光学的非有効領域HRでの不確定性が少なくなるように光学素子100の設計がされている場合は、重み付けwをさらに大きくして、光学的非有効領域HRの重み付けを大きくしても良い。
式(5)の関数の係数及び、光学素子支持部KS(図3)で支持されている光学素子100の姿勢を考えるために、以下の例を考える。
式(1)の関数は、y座標のみの変数をもつ3次元関数で表わされるとし、+Y軸方向にaのオフセットを持っているとする。この時、式(1)は、次のように表わすことができる。
f(x,y)=f(y)
=a(y−a+a(y−a+a(y−a)+a・・・(6)
式(3)の関数は、y座標のみの変数をもつ2次元関数で表わされるとし、+Y軸方向にaのオフセットを持っているとする。この時、式(3)は、次のように表わすことができる。
g(x,y)=g(y)
=a(y−a+a(y−a)+a・・・(7)
最小二乗法の計算は、評価量Cが最小となるパラメータaからaを求めることにより行うことができる。評価量Cを最小にするためには、aからaの各パラメータでCを偏微分した値が零になるように計算する。このようにして求めたパラメータaからa、特にオフセット量a及び光学的有効領域YR内の関数に関するパラメータaからaは、光学的有効領域YRのみを使用して計算した場合に比べ、不確定性が小さい。
(第2実施例)
<光学素子200の構成>
図5は、光学素子200の斜視図である。光学素子200は、図5の境界線BOで囲まれた光学的有効領域YRの表面の面形状が平面FAに対して面対称になるように形成されている。境界線BO外の領域である光学的非有効領域HRは、平面FAに対して面対称であっても面対称ではなくても良い。平面FAは、原点Oを通り、X軸に垂直である。光学素子200においても第1実施例と同様に不確実性が少ないように表面形状と姿勢とを求めることが可能である。さらに、光学素子200は軸対称の光学的有効領域YRを有していても良い。
(第3実施例)
第1実施例の光学素子100では、境界線BOにおいて光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが連続して形成されず、境界線BOで段差が形成される場合もあった。これは、式(1)により示される光学的有効領域YRの関数と、式(3)により示される光学的非有効領域HRの関数とが、同一のX、Y座標に対して異なるZ座標を有することである。しかし、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが境界線BOにおいて連続して形成されていた方が、三次元表面形状計測装置TD(図3)による測定で都合のよいことが多い。以下に、境界線BOにおいて光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが連続して形成されている光学素子300に関して説明する。
<光学素子300の構成>
図6(a)は、光学素子300の斜視図であり、図6(b)は、光学素子300の原点Oを通るY軸に垂直な面での表面形状を表わしたグラフであり、図6(c)は、光学素子300の原点Oを通るX軸に垂直な面での表面形状を表わしたグラフである。
光学素子300の光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、連続的に接合されている。図6(b)に示すように、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、境界線BO上の点Aにおいて同じX座標であるA及び同じZ座標であるAを有している。また光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、境界線BO上の点Bにおいても同じX座標であるB及び同じZ座標であるBを有している。また、図6(c)に示すように、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、点Cにおいて同じY座標であるC及び同じZ座標であるCを有している。また光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、点Dにおいても同じY座標であるD及び同じZ座標であるDを有している。
光学素子300は、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが連続的に繋がっていることにより光学素子100の作製時に加工し易かったり、割れ欠け等の欠陥が生じ難くなったりしている。
<光学素子400の構成>
図7(a)は、光学素子400の斜視図であり、図7(b)は、光学素子400の原点Oを通るY軸に垂直な面での表面形状を表わしたグラフである。光学素子400は、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとの境界線BOにおいて、光学的非有効領域HRと光学的有効領域YRとの同じ座標における法線が共通の軸上に存在している。図7(b)に示すように、光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、境界線BO上の点Eにおいて同じX座標であるE及び同じZ座標であるEを有している。また光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとは、境界線BO上の点Fにおいても同じX座標であるF及び同じZ座標であるFを有している。
光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが共通の法線を有することにより、境界線BO上で光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが角が無く滑らかに接続されることになる。光学素子400の表面形状が滑らかであることで、光学素子400が加工し易く、また,割れ欠け等が生じ難い状態になる。また、図3(b)に示される三次元表面形状計測装置TDのプローブPBの先端は球状になっているため、光学素子の表面に角がある場合は、プローブPBの先端座標の複数の箇所で光学素子の表面の角を計測してしまうことがある。そのため、光学素子の表面の角は、正確に計測できないことになる。境界線BO上で光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが角が無く滑らかに接続された場合は、光学素子の表面形状を正確に計測できない状況を防ぎ,しかも滑らかに連続した計測をすることができる。
(第4実施例)
光学素子は、光学的非有効領域HRに凹凸部を有していても良い。光学素子が光学的非有効領域HRに凹凸部を有することにより、より正確に表面形状を計測することができる。以下に、光学的非有効領域HRに凹凸部を有している光学素子500について説明する。
<光学素子500の構成>
図8(a)は、光学素子500の斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のG−G断面の概略図である。光学素子500は、光学的非有効領域HRに局所的な凹凸部COが形成されている。ここでの「凹凸部CO」は、凹部又は凸部のどちらかが形成されるという意味で用いている。図8(b)では、光学的非有効領域HRに形成されている凹凸部COが凸であるとして記載されている。光学素子500では、4つの凹凸部COが形成されている。凹凸部COの形状は、どのような形状でも良いが、球面の一部の形状になるように形成された方が好ましい。これは、光学素子の軸が傾いていた場合でも、凹凸部COの表面形状を判別しやすくなるためである。図8(b)では、境界線BOを示す点線GBOにより光学的有効領域YRと光学的非有効領域HRとが分けられている。
光学素子500は、凹凸部COにより光軸の位置をある程度特定することが容易になる。例えば、凹凸部同士を結んだ線の交点に光軸が来るように凹凸部を配置すれば、光軸の位置の特定が容易になる。更に、凹凸部を球面の一部として形成すれば、球面は様々な方向の法線ベクトルを含んでいるため、光学素子500の光軸がシフトしていても球面の中心点の座標は正確に求め易い。光学素子500の表面形状の測定では、凹凸部のみを第2の関数としても良い。また、凹凸部の表面形状の計測と光学的有効領域YRの表面形状の計測とを分けても良い。
図9は、光学素子600の平面図である。光学素子600は、矩形に近い形状をしている。通常、光学素子は、光学素子の全体形状をなるべく小さくするために、光学的非有効領域HRをあまり大きく取らず、光学的有効領域YRをできる限り大きく取ることが多い。しかし、矩形に近い形状をした光学素子では、四隅に広い光学的非有効領域HRをとることができる。光学素子600では、この四隅の光学的非有効領域HRに凹凸部が形成されている。
<レンズにおける凹凸部>
図10は、光学素子が光学レンズである場合の凹凸部の形状を考察するための図である。図10(a)から図10(d)は、光学的非有効領域HRに形成されている凹凸部COと、光学的非有効領域HRに隣接した光学的有効領域YRとの拡大図である。また、図10では、点線LBOの右側を光学的有効領域YR、左側を光学的非有効領域HRとしている。光学的非有効領域HRには凹凸部が形成されている。図10(a)から図10(d)を用いて、光学レンズの光学的有効領域YRに入射する光束R2と、光学的非有効領域HRの凹凸部COの光学的有効領域YR側に入射し、光束R2に平行である光束R1との光学レンズに入射後の各光束の進行方向を考える。なお、光学的非有効領域HRに入射する光束は散乱光などの迷光であり、光学的有効領域YR側の方が、可能性が高い。
図10(a)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された光学凸レンズを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凸部COに入射した光束R1は光束R3となって光学レンズ内を透過し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学レンズ内を透過する。光束R3と光束R4とは互いに離れる方向に進んでいる。
図10(b)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された光学凸レンズを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凹部COに入射した光束R1は光束R3となって光学レンズ内を透過し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学レンズ内を透過する。光束R3と光束R4とは互いに接近する方向に進んでいる。
図10(c)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された光学凹レンズを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凸部COに入射した光束R1は光束R3となって光学レンズ内を透過し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学レンズ内を透過する。光束R3と光束R4とは互いに離れる方向に進んでいる。
図10(d)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された光学凹レンズを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凹部COに入射した光束R1は光束R3となって光学レンズ内を透過し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学レンズ内を透過する。光束R3と光束R4とは互いに接近する方向に進んでいる。
図10(a)から図10(d)より、光学的非有効領域HRに形成される凹凸部COが凸形状であった場合には、凹凸部COを通った光と光学的有効領域YRを通った光とは互いに離れ、凹凸部COの形状が凹部であった場合には、凹凸部COを通った光と光学的有効領域YRを通った光とは互いに近づく。光学レンズ内に入射した光束が互いに近づくとゴーストやフレアが発生する。ゴーストは画像に生ずる光の輪や玉で、光束がレンズ内で反射を繰り返すことによって起こる。フレアは、画像のコントラストが下がる現象で、光学レンズ内で光束が散乱や複雑な反射を繰り返すことにより発生する。そのため光学素子が光学レンズの場合には、光学的非有効領域HRに入射した光束R1が光学的有効領域YRに入射した光束R2と混じらないように互いに離れる方向に透過する事が望ましい。すなわち、光学的非有効領域HRに形成される凹凸部COは凸形状に形成した方が好ましい。
<ミラーにおける凹凸部>
図11は、光学素子が光学ミラーである場合の凹凸部の形状を考察するための図である。図11(a)から図11(d)は、光学的非有効領域HRに形成されている凹凸部COと、光学的非有効領域HRに隣接した光学的有効領域YRとの拡大図である。また、図では、点線LBOの右側を光学的有効領域YR、左側を光学的非有効領域HRとしている。光学的非有効領域HRには凹凸部が形成されている。図11(a)から図11(d)を用いて、光学ミラーの光学的有効領域YRに入射する光束R2と、光学的非有効領域HRの凹凸部COの光学的有効領域YR側に入射し、光束R2に平行である光束R1との光学ミラーに入射後の各光束の進行方向を考える。
図11(a)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された光学凸ミラーを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凸部COに入射した光束R1は光束R3となって光学ミラーを反射し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学ミラーを反射する。光束R3と光束R4とは互いに接近する方向に進んでいる。
図11(b)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された光学凸ミラーを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凹部COに入射した光束R1は光束R3となって光学ミラーを反射し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学ミラーを反射する。光束R3と光束R4とは互いに離れる方向に進んでいる。
図11(c)は、光学的非有効領域HRに凸部が形成された光学凹ミラーを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凸部COに入射した光束R1は光束R3となって光学ミラーを反射し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学ミラーを反射する。光束R3と光束R4とは互いに接近する方向に進んでいる。
図11(d)は、光学的非有効領域HRに凹部が形成された光学凹ミラーを拡大した図である。光学的非有効領域HRの凹部COに入射した光束R1は光束R3となって光学ミラーを反射し、光学的有効領域YRに入射した光束R2は光束R4となって光学ミラーを反射する。光束R3と光束R4とは互いに離れる方向に進んでいる。
図11(a)から図11(d)より、光学的非有効領域HRに形成される凹凸部COが凸形状であった場合には、凹凸部COを反射する光と光学的有効領域YRを反射する光とは互いに接近し、凹凸部COの形状が凹部であった場合には、凹凸部COを反射する光と光学的有効領域YRを反射する光とは互いに離れる。光学ミラーを反射した光束が互いに近づくとゴーストやフレアの発生原因となる。そのため光学素子が光学ミラーの場合には、光学ミラーで反射する光束が互いに干渉しにくいように互いに離れる方向に反射する事が望ましい。すなわち、光学的非有効領域HRに形成される凹凸部COは凹形状に形成した方が好ましい。
(第5実施例)
自由曲面を有する光学素子を光学装置に用いた例として、光学素子を映像投写装置に応用した例を説明する。映像投写装置は、スクリーンに斜め下方向から投写すると、投写された映像にはスクリーンの上端が広くなり下端が狭くなる台形の歪みが生じる問題があったが、自由曲面を有する光学素子を用いることにより解決することができる。
図12は、映像投写装置700の概略図である。映像投写装置700は、電源ユニット710と、光源ユニット720と、光変調ユニット730と、自由曲面ミラー743を含む投写光学ユニット740と、を備えている。電源ユニット710は、各ユニットに必要な電圧及び電流を供給する。光源ユニット720は、高輝度の白色光を発生するランプ及び集光ミラー等を有している。光変調ユニット730は、光源ユニット720から照射された光を、画像又は映像を表示する画像表示素子で変調する。投写光学ユニット740は、光源ユニット720で変調された光を、拡大してスクリーン(不図示)に照射する。図12中の点線矢印は、光の通る光路と進む方向とを示している。
投写光学ユニット740は、第1レンズ群741、第2レンズ群742、自由曲面ミラー743より構成されている。光変調ユニット730から照射された光は、第1レンズ群741に入射する。第1レンズ群741は、回転対称な面形状を有し、正のパワー又は負のパワーを有する複数の屈折レンズを含んで構成されている。第1レンズ群741を射出した光は、第2レンズ群742に入射する。第2レンズ群742は自由曲面を有するレンズを備えている。自由曲面を有するレンズは、光の射出方向に凹部を向け、スクリーンの下端に入射する光線が通過する部分の曲率がスクリーンの上端に入射する光線が通過する部分よりも大きく形成されている。これにより、スクリーン上に投写される映像の台形の歪みを補正することができる。第2レンズ群742を射出した光は、自由曲面ミラー743により拡大反射され、映像がスクリーン上に投写される。自由曲面ミラー743は、レンズにより得られる光の偏向角に比べてより大きな偏向角が得られ、収差も生じ難いことから装置の大型化を抑え、広画角化を図ることが可能である。
以上のように、映像投写装置に自由曲面を有する光学素子を使用することにより、映像の歪みを補正することができ、装置の大型化を抑え、広画角化を図ることが可能となる。また本発明が用いられた光学素子は偏芯量および曲面形状が精度良く決定されているため光学素子の配置を正確に決定することができるため、装置の小型化に有利である。
自由曲面を有する光学素子は、映像投写装置の他に、携帯電話用カメラ、デジタルカメラ、レーザープリンター等、装置の小型化及び広角化が求められる光学装置に効果的に用いることができる。
以上実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、種々の変更、置換、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
100、200、300、400、500、600 光学素子
700 映像投写装置
710 電源ユニット
720 光源ユニット
730 光変調ユニット
740 投写光学ユニット
741 第1レンズ群
742 第2レンズ群
743 自由曲面ミラー
BO 境界線
CO 凹凸部
FA 平面
HK 非軸対称光学素子
HHK 光学的非有効領域HRを有する非軸対称光学素子
HR 光学的非有効領域
JBO3 実線JS3の境界線
JK 軸対称光学素子
JS1、JS2、JS3 実線
JSS1、JSS2、JSS3 実線で示された光学素子の芯
KK 計算機
KS 光学素子支持部
PB プローブ
R1〜R4 光束
TBO3 点線TS3の境界線
TD 三次元表面形状計測装置
TS1、TS2、TS3 点線
TSS1、TSS2、TSS3 点線で示された光学素子の芯
YR 光学的有効領域

Claims (14)

  1. 光束を通過又は反射し、第1の関数で規定される第1表面を有する光学的有効領域と、
    前記有効領域の外側の領域に形成され、前記第1の関数と異なる第2の関数で規定される第2表面を有する光学的非有効領域と、を備え、
    前記光学的非有効領域の第2の関数は、曲面又は互いに異なる関数で表わされる2つ以上の平面を表わす光学素子。
  2. 前記第2の関数の導関数が前記光学的非有効領域内で変数又は異なる2つ以上の定数を有する請求項1に記載の光学素子。
    前記第2の関数の導関数が前記光学的非有効領域内で変数又は異なる2つ以上の定数を有する請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第2の関数が、前記光学的非有効領域内の少なくとも1カ所以上の前記第2の関数の微分係数の絶対値が、前記光学的有効領域内の任意の位置における前記第1の関数の微分係数の絶対値より大きな値を持つ請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記第1の関数で規定される第1表面が、軸に対して対称とならない自由曲面を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 前記第1の関数で規定される第1表面が、前記有効領域内に前記第1の関数を面対称に分割する平面を有する請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記有効領域と前記非有効領域との境界線上において、前記第1の関数と前記第2の関数とが交差又は接している請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記境界線上において、前記第1の関数の法線と前記第2の関数の法線とが同一直線上にある請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記光学素子が光学レンズまたは光学ミラーである請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. 前記第2の関数は、局所的な凸部を有する請求項8に記載の光学素子。
  10. 前記局所的な凸部は球面の一部の形状に形成される請求項9に記載の光学素子。
  11. 前記第2の関数は、局所的な凹部を有する請求項8に記載の光学素子。
  12. 前記局所的な凹部は球面の一部の形状に形成される請求項11に記載の光学素子。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学素子が前記光束の光路上に配置されている光学装置。
  14. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光学素子を三次元表面形状計測装置の光学素子支持部で支持する工程と、
    前記三次元表面形状計測装置を用いて前記光学素子の表面形状を測定する工程と、
    前記第1の関数と前記第2の関数とを導出し、前記光学素子の偏芯量を求める工程と、
    を有する光学素子の偏芯量および曲面形状測定方法。
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