JP2005140673A - 非球面偏心測定装置及び非球面偏心測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光源ユニット11と光線Q1を非球面レンズTLの被検面Aの近軸曲率中心近傍に集光する集光レンズ13と光線Q1を光軸AXに対して角度θ1i(i=1,2,…,N)で被検面Aに入射させる角度変化手段12と非球面レンズ保持冶具3と光分割素子14と結像レンズ16と結像レンズ16による集光位置を検出する光検出素子17と演算装置4を有する。演算装置4は角度変化手段12で生じた光線Q1i(i=1,2,…,N)より、被検面Aの設計データに基づくスポット位置P1i(i=1,2,…,N)と光検出素子17で得たスポット位置P1mi(i=1,2,…,N)とのズレ量ΔP1i(i=1,2,…,N)から被検面Aの偏心量を算出する。
【選択図】 図1
Description
非球面レンズは研磨による成形が非常に困難であるため、型を用いた成形法が一般的である。しかし、成形時における型の調整不足等が原因で非球面レンズの面間偏心が発生し、最終的に光学モジュールを組み上げたとき光学性能の劣化に繋がる。このため、光学性能の向上だけでなく、成形ときの型の再調整のためにも、成形後の非球面レンズの偏心を測定する測定器は必須となる。
ここで、前記傾斜角度シフト変化関数gAshift(y)は、前記被検面Aが単位シフト量δA0だけ平行移動したときの傾斜角度分布と、無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、前記傾斜角度ティルト変化関数gAtilt(y)は、前記被検面Aが単位ティルト量εA0だけ回転移動したときの傾斜角度分布と無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、前記傾斜角度変化関数g2(δA,βA,y)は、前記実測に基づく前記被検面A上の傾斜角度分布と、設計値である無偏心状態での傾斜角度分布との差である。
ここで、前記傾斜角度シフト変化関数gBshift(y)は、前記被検面Bが単位シフト量δB0だけ平行移動したときの傾斜角度分布と、無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、前記傾斜角度ティルト変化関数gBtilt(y)は、前記被検面Bが単位ティルト量εB0だけ回転移動したときの傾斜角度分布と無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、前記傾斜角度変化関数g2(δB,βB,y)は、前記実測に基づく前記被検面B上の傾斜角度分布と、設計値である無偏心状態での傾斜角度分布との差である。
第1実施形態にかかる非球面偏心測定装置は、図1に示すように、非球面レンズTLの被検面Aの偏心を測定する測定部1と、非球面レンズTLを保持する保持手段3と、演算装置4を有して構成されている。ここで、非球面レンズTLは測定対象物である。
測定部1は、光源ユニット11と、角度変化手段12と、集光レンズ13と、光分割素子14と、コリメータレンズ15と、結像レンズ16と、光検出素子17を備えている。ここで、光源ユニット11は、コリメート光Q1を生成するように構成されている。また、集光レンズ13は、光源ユニット11から射出された光線Q1を、非球面レンズTLに向けて集光する。より具体的には、被検面Aの近軸曲率中心FA近傍に、光線Q1を集光するように配置されている。
また、角度変化手段12は、光源ユニット11と集光レンズ13の間に配置されている。この角度変化手段12は、光源ユニット11から射出された光線Q1を、異なる角度で射出する。光線Q1は、角度変化手段12と集光レンズ13によって、被検面Aに向かって異なる角度で入射する。なお、角度変化手段12を射出した光線を、Q1i(i=1,2,…,N)とする。
仮に、非球面レンズTLの被検面Aが非球面ではなく、球面Sであるとする。この場合、各光線Q1i’(i=1,2,…,N)の経路は図2(a)に示すようになる。
各光線Q1i(i=1,2,…,N)が球面Sの曲率中心F0に向けて集光すると、球面Sで反射した各光線Q1i’(i=1,2,…,N)は、コリメータレンズ15を通過後、いずれも互いに平行になる。そして、結像レンズ16の後側焦平面F12近傍に集光する。この時、集光位置には光検出素子17が配置されているが、その検出面上において同一の点に集光する。
というのは、被検面Aが球面Sである場合、各光線Q1i(i=1,2,…,N)の球面Sへの入射角度と、各光線Q1i’(i=1,2,…,N)の球面Sでの反射角度はいずれも0である。このため、球面Sで反射後の各光線Q1i’(i=1,2,…,N)は、入射光路に一致した経路を戻る。そして、光分割素子14で反射され、コリメータレンズ15を経たときに、結像レンズ16の光軸と平行になる。そのため、結像レンズ16で集光されたときは、同一の点(位置)に集光する。
このように、集光点(スポット)の位置は、各光線Q1i’(i=1,2,…,N)によって異なる。ここでは、各光線Q1i’(i=1,2,…,N)のスポット位置を、P1mi(i=1,2,…,N)とする。このスポット位置P1mi(i=1,2,…,N)は、非球面の形状と偏心状態を表している。そこで、このスポット位置を用いて、被検面Aの偏心を測定することが可能となる。スポット位置P1mi(i=1,2,…,N)は光検出素子17で検出され、その位置が記憶される。
なお、傾斜角度変化関数とは、非球面形状の接線角度、もしくは法線角度の偏心による変化量を表す関数を意味する。また、傾斜角度変化関数の座標系は、偏心に関して固定したものを用いる。
第2実施形態にかかる非球面偏心測定装置は、図3に示すように、非球面レンズTLの被検面Aの偏心を測定する第1測定部1と、被検面Bを測定する第2測定部2と、被検非球面レンズTLを保持する保持手段3と、演算装置4を有して構成されている。ここで、第1測定部1は、第1実施形態(図1)に示した構成と同じである。
また、第2角度変化手段22は、第2光源ユニット21と第2集光レンズ23の間に配置されている。この第2角度変化手段22は、第2光源ユニット21から射出された光線Q2を、異なる角度で射出する。光線Q2は、角度変化手段22と集光レンズ23によって、被検面Bに向かって異なる角度で入射する。なお、第2角度変化手段22を射出した光線を、Q2i(i=1,2,…,N)とする。
このようにして、被検面Aと被検面Bの夫々において偏心量が求まる。よって、これらの偏心量から、非球面レンズTLの面間偏心を算出することができる。
第3実施形態にかかる非球面偏心測定装置は、検出手段1’、非球面レンズTLを保持する保持手段3、演算装置4及び基準台5を有して構成されている。検出手段1’は、非球面レンズTLの被検面A上を移動(走査)し、被検面Aの形状を測定する。測定結果は、演算装置4に記憶される。演算装置4は、測定結果から、被検面Aにおける傾斜角度分布(関数)を算出する。なお、傾斜角度分布は、基準台5を基準としている。そして、傾斜角度分布から、被検面Aの偏心量を算出する。
第4実施形態にかかる非球面偏心測定装置は、第3実施形態の構成に、検出手段が付加されたものである。すなわち、第2検出手段2’は、非球面レンズTLの被検面Bを測定するために設けられている。また、第2検出手段2’を支持するために、支持部材5aが基準台5上に設けられている。検出手段2’は、非球面レンズTLの被検面B上を移動(走査)し、被検面Bの形状を測定する。測定結果は、演算装置4に記憶される。演算装置4は、測定結果から、被検面Bにおける傾斜角度分布(関数)を算出する。なお、傾斜角度分布は、基準台5を基準としている。そして、傾斜角度分布から、被検面Bの偏心量を算出する。また、2つの偏心量から、非球面レンズTLの面間偏心を算出することができる。
なお、被検面Aが偏心を全く有していないとき、面頂においてx−y面と接しているものとする。また、被検面Aが光軸AXと垂直方向に平行移動することをシフト、光軸AXに対して回転移動することをティルトとする。また、x−y面内での平行移動量をシフト量δ、回転移動によって変化した非球面軸Aaxisとz軸とのなす角をティルト量εと呼ぶ。そして、偏心量をシフト量δとティルト量εとを用いて(δ,ε)と表すこととする。
一般に、傾斜角度の変化量と接線の変化量は、等しいとみなせるはずである。よって、以下、傾斜角度の変化量を表す傾斜角度変化関数を、接線の変化から求めることとする。
この非球面aの傾斜角度変化関数g1(δA,εA,y)は、次の式(3)で表される。
また、gAshift(y)を、単位シフト量δA0によって変化する被検面Aの傾斜角度シフト変化関数、gAtilt(y)を、単位ティルト量εA0によって変化する被検面Aの傾斜角度ティルト変化関数とする。そうすると、gAshift(y)、gAtilt(y)は、次の式(4)、(5)によって求められる。
なお、式(6)のg2(δA,εA,y)と式(7)のg1(δA,εA,y)は同一の関数を表しているので、被検面Aの任意の偏心量(δA,εA)と、単位シフト量δA0、単位ティルト量εA0の間には、以下の式(8)の関係が成り立つ。
まず、被検面Aとして次の表1に示す仕様の非球面を用意し、単位シフト量δA0=1μm、単位ティルト量εA0=0.1分のときの傾斜角度シフト関数gAshift(y)と傾斜角度ティルト関数gAtilt(y)を求める。
なお、表1におけるR0は被検面Aの曲率半径、kは円錐係数、A4、A6、A8、A10は非球面係数である。非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、次の式で表される。
z=(y2/R0)/[1+{1−(1+k)(y/R0)2}1/2]
+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10
(i):式(1)で表される被検面A上の無偏心点列データ(y,z)を求める。
(ii):単位シフト点列データ(ys,zs)を無偏心点列データ(y,z)を単位シフト量δA0だけシフトさせて求める。
(iii):単位ティルト量εA0による単位ティルト点列データ(yt,zt)を、無偏心点列データ(y,z)を回転行列Tで変換することにより求める。
(iv):無偏心点列データ(y,z)、単位シフト点列データ(ys,zs)、単位ティルト点列データ(yt,zt)の微分点列データ(y,z’)、(ys,zs’)、(yt,zt’)を求める。
(v):微分点列データ(y,z’)、(ys,zs’)、(yt,zt’)をそれぞれ最小2乗法によって多項式近似し、得られた多項式をそれぞれ、∂fA(y)/∂y、∂fAs(δ0,y)/∂y、∂fAt(ε0,y)/∂yとみなし、式(4)、(5)か
ら傾斜角度シフト関数gAshift(y)と傾斜角度ティルト関数gAtilt(y)を求める。
具体例1は任意の偏心量が非常に小さい場合について、式(6)が成り立つことを示した例である。
単位シフト量δA0=1μmと単位ティルト量εA0=0.1分のときの傾斜角度シフト関数gAshift(y)と傾斜角度ティルト関数gAtilt(y)を図7に示す。図7に示すように、傾斜角度シフト関数gAshift(y)と傾斜角度ティルト関数gAtilt(y)は、それぞれ形状が異なることがわかる。
次に、式(3)に従って求めた傾斜角度変化関数g1(δA0,εA0,y)と、式(7)においてα=1、β=1として求めた傾斜角度変化関数g2(δA0,εA0,y)とを図8に示す。
図8より、傾斜角度変化関数g1(δA0,εA0,y)と傾斜角度変化関数g2(δA0,εA0,y)=gAshift(y)+gAtilt(y)との差がほとんど0であることが分かる。つまり、g1(δA0,εA0,y)=g2(δA0,εA0,y)であり、式(6)が成立することがわかる。
具体例2は任意の偏心量が大きい場合について式(6)が成り立つことを示した例である。
被検面Aの任意の偏心量を(100μm,100分)とする。式(3)に従う傾斜角度変化関数g1(100μm,100分,y)=g1(100δA0,1000εA0,y)と式(6)に従う傾斜角度変化関数g2(100μm,100分,y)=100gAshift(y)+1000gAtilt(y)を図9に示す。
図9より、具体例1の場合と比べてシフト量が100倍、ティルト量が1000倍と非常に大きくなっているにもかかわらず、傾斜角度変化関数g1(100μm,100分,y)と傾斜角度変化関数g2(100μm,100分,y)との差がほとんど0であり、式(6)が成立することが分かる。
具体例3は、更に、表1に示した以外の非球面においても、式(6)が成り立つことを示した例である。
具体例3で用いる非球面データを次の表2に示す。
これらの図10〜15より、いずれも式(6)が成立していることが分かる。
このように、具体例1〜3の場合においても、被検面Aの偏心量(δA,εA)による傾斜角度変化関数は、式(6)に従うことがわかる。
集光レンズ3、コリメータレンズ15、結像レンズ16及び被検面Aのデータは予めわかっている。よって、被検面Aが偏心を持たない場合のスポット位置P1iと偏心が生じたときのスポット位置P1miの差であるスポットズレ量をΔP1i(i=1,2,…,N)とすると、このΔP1iと傾斜角度変化関数g1(δ,ε,y)の間に、式(9)に示すような関係式を求めることができる。
g1(δ,ε,y)=h(ΔP1i,θ1i) (9)
また、被検面A上のy座標y1iについては、式(10)に示すように、各光線Q1iの入射角θ1iの関数として与えられる。
y1i=y1i(θ1i) (i=1,2,…,N) (10)
結局、第1及び第2実施形態の非球面測定装置においては、以上の式(9)を用いることによって、光学的に被検面Aの傾斜角度変化関数を求めることができる。よって、演算装置4によって、式(6)、(7)に関する解析を行うことによって、被検面Aの偏心(δA,εA)を算出することが可能となる。
また、第3及び第4実施形態の非球面偏心測定装置及び非球面偏心測定方法を用いれば、非球面レンズTLを保持する保持手段3を厳密にセッティングする必要がなく、検出手段1’,2’によって得られる傾斜角度分布を求めるだけで、非球面レンズTLの面間偏心を求めることが可能となる。
なお、いずれか一方の被検面が非球面でない場合には、非球面でない被検面については従来公知の偏心測定方法で偏心量を測定し、被球面について本発明の非球面偏心方法で測定すればよい。その場合、非球面については従来の方法に比べて簡単に導出できる。また、面間偏心は両面の偏心量の差をとるため、従来公知の偏心測定方法で測定した非球面でない被検面の偏心量に含まれる保持手段等の誤差と本発明の非球面偏心測定方法で測定した非球面の偏心量に含まれる保持手段等の誤差とが相殺される。このため、保持手段等を厳密にセッティングする必要がない。
実施例1の非球面偏心測定装置は、被検非球面(被検面)Aの偏心を測定する第1測定部1と、被検非球面(被検面)Bを測定する第2測定部2と、非球面レンズTLを保持する保持手段3と、演算装置4とを有して構成されている。
第1測定部1は、コリメート光Q1を生成するHe−Neレーザである第1光源ユニット11と、第1光源ユニット11から射出されたコリメート光Q1を非球面レンズTLの被検非球面Aの近軸曲率中心FA近傍に集光する正のパワーを有する第1非球面照射レンズ13と、第1光源ユニット11から射出されたコリメート光Q1を、第1非球面照射レンズ13を介して集光される際の第1非球面照射レンズ13の光軸AXとのなす角度がθ1i(i=1,2,…,N)である光線Q1i(i=1,2,…,N)に変化させる第1角度変化手段12と、非球面レンズTLの被検非球面Aで反射した光線Q1i’(i=1,2,…,N)を反射するビームスプリッタである第1反射手段14と、光線Q1i’(i=1,2,…,N)を略平行光に変換する第1コリメータレンズ15と、光線Q1i’(i=1,2,…,N)を集光する第1結像レンズ16と、光線Q1i’(i=1,2,…,N)のスポット位置を検出するCCDである第1検出手段17によって構成されている。
演算装置4は、第1角度変化手段12から送られた第1ミラーユニット122の回転角の情報から、これに対応する第1コリメータレンズ123〜第1非球面照射レンズ13間において光軸AXに平行となっている状態での各光線Q1i(i=1,2,…,N)の光軸AXからの距離、及び第1非球面照射レンズ13を介して集光される際の第1非球面照射レンズ13の光軸AXとのなす角度θ1i(i=1,2,…,N)を計算し、最終的に被検非球面Aに入射する際の座標y1i(i=1,2,…,N)を求める。更に、演算装置4は、この被検非球面Aにおけるy1i座標と、検出手段17で得られるスポット位置P1mi(i=1,2,…,N)を用い、式(4)〜式(10)を用いて、被検非球面Aの偏心量を導出する。
演算装置4は、第2角度変化手段22から送られた第2ミラーユニット222の回転角の情報から、これに対応する第2コリメータレンズ223〜第2非球面照射レンズ23間において光軸AXに平行となっている状態での各光線Q2i(i=1,2,…,N)の光軸AXからの距離、及び第2非球面照射レンズ23を介して集光される際の第2非球面照射レンズ23の光軸AXとのなす角度θ2i(i=1,2,…,N)を計算し、最終的に被検非球面Bに入射する際の座標y2i(i=1,2,…,N)を求める。更に、演算装置4は、この被検非球面Bにおけるy2i座標と、検出手段27で得られるスポット位置P2mi(i=1,2,…,N)を用い、式(4)〜式(10)を用いて、被検非球面Bの偏心量を導出する。
更に、演算装置4は、求めた非球面Aの偏心量と非球面Bの偏心量との差から非球面レンズTLの被検非球面A,B間の相対的な面間偏心を算出する。
実施例2の非球面偏心測定装置では、第1角度変化手段12は、2つの第1ミラーユニット126,122をそれぞれの回転方向が直交するように設けて、各光線Q1i(i=1,2,…,N)を2次元方向に走査できるように構成されている。
即ち、第1非球面照射レンズ13を介して集光される際の第1非球面照射レンズ13の光軸AXとのなす角度θ1i(i=1,2,…,N)は、ミラーユニット126を回転させることにより、x軸とy軸のいずれか一方の方向において変化し、ミラーユニット122を回転させることにより、x軸とy軸の他方の方向において変化する。
このため、実施例2の非球面偏心量測定装置によれば、非球面Aの任意の方向の偏心測定に対処可能となる。
その他の作用効果は実施例1とほぼ同じである。
なお、第2角度変化手段22においても、上記第1角度変化手段12と同様に2つのミラーユニットをそれぞれの回転方向が直交するように設けて、各光線Q1i(i=1,2,…,N)を2次元方向に走査できるように構成してもよい。
実施例3の非球面偏心測定装置では、第1角度変化手段12のミラーユニット1223が、MEMSなどの2次元方向に走査可能な手段を用いて、各光線Q1i(i=1,2,…,N)を2次元方向に走査できるように構成されている。
実施例3の非球面偏心量測定装置によれば、実施例2に比べて少ない部材点数で非球面Aの任意の方向の偏心測定に対処可能となる。
なお、第2角度変化手段22のミラーユニットも、第1角度変化手段12と同様にMEMSなどの2次元方向に走査可能な手段を用いて、各光線Q1i(i=1,2,…,N)を2次元方向に走査できるように構成してもよい。
また、図20に示すようなアフォーカルレンズ18を、図16中の第1コリメータレンズ15と第1結像レンズ16の間に挿入してもよい。このようにすることにより、第1コリメータレンズを射出する光線Q1I’の偏心による角度変化を拡大させることができる。つまり、微小な偏心による各光線Q1I’のスポットズレ量ΔP1iを大きくさせることができるので、測定分解能の向上が実現される。同様に、図16中の第2コリメータレンズ25と第2結像レンズ26の間に、アフォーカルレンズを配置すれば、測定分解能の向上の効果が得られる。
実施例4の非球面偏心測定装置は、第1角度変化手段12が、第1ビームエキスパンダー124と、開口位置を制御可能な第1開口ユニット125によって構成されている。
第1開口ユニット125の開口部は、第1ビームエキスパンダー124によって拡張される平行光束の一部を通過させることによって、光線Q1i(i=1,2,…,N)を生成し、実施例1〜3の角度変化手段とほぼ同じように機能する。
その他の構成及び作用効果は実施例1とほぼ同様である。
また、第2角度変化手段22も、第1角度変化手段12と同様に、ビームエキスパンダーと、開口位置を制御可能な開口ユニットによって構成してもよい。
前記第2角度変化手段が、前記第2光源ユニットから射出された光線Q2を集光する第2集光レンズと、回転によって光線Q2の反射角度を可変にする第2反射角可変素子と、該第2反射角可変素子で反射した光線Q2を光軸AXに対して平行にする第2コリメータレンズによって構成され、前記第2反射角可変素子は、回転中心を前記第2集光レンズの後側焦平面近傍と前記第2コリメータレンズの前側焦平面近傍に一致して配置され、該第2反射角可変素子の回転によって前記各光線Q2i(i=1,2,…,N)を発生させることを特徴とする請求項2又は上記(2)に記載の非球面偏心測定装置。
前記第2角度変化手段が、前記第2光源ユニットから生成されるコリメート光の光束断面を拡大する第2ビームエキスパンダーと、開口位置を可変にする第2開口素子とを有し、前記第2開口素子を前記第2エキスパンダーの光軸に垂直な面内で移動させることにより、前記各光線Q2i(i=1,2,…,N)を生成するように構成されていることを特徴とする請求項2又は上記(2)に記載の非球面偏心測定装置。
2 第2測定部
3 保持治具
4 演算装置
5 基準台
5a 支持部材
1’、2’ 検出手段
11、21 光源ユニット
12、22 角度変化手段
13、23 非球面照射レンズ
14、24 反射素子
15、25 コリメータレンズ
16、26 結像レンズ
17、27 検出手段(CCD)
18、28 アフォーカルレンズ
121、221 集光レンズ
122、1223、222 ミラーユニット
123、223 コリメータレンズ
124、224 ビームエキスパンダー
125、225 開口ユニット
Claims (4)
- 非球面レンズの偏心量を測定する非球面偏心測定装置であって、
光源ユニットと、
該光源ユニットから射出された光線Q1を、非球面レンズの被検面Aの近軸曲率中心近傍に集光する集光レンズと、
前記光源ユニットから射出された光線Q1を、光軸AXに対して角度θ1i(i=1,2,…,N)で、前記被検面Aに入射させる角度変化手段と、
非球面レンズを保持する保持治具と、
前記角度変化手段と該保持治具の間に配置された光分割素子と、
該光分割素子で反射された光を集光する結像レンズと、
該結像レンズによって集光された光の位置を検出する光検出素子と、
演算装置を有し、
該演算装置は、前記角度変化手段で生じた光線Q1i(i=1,2,…,N)の各々について、前記光検出素子から得られるスポット位置P1mi(i=1,2,…,N)を記憶する工程と、
前記被検面Aの設計データに基づいて、前記光線Q1i(i=1,2,…,N)に対するスポット位置P1i(i=1,2,…,N)を算出する工程と、
該スポット位置P1i(i=1,2,…,N)と前記スポット位置P1mi(i=1,2,…,N)とのズレ量ΔP1i(i=1,2,…,N)から被検面Aの偏心量を算出する工程を備えることを特徴とする非球面偏心測定装置。 - 前記保持治具を挟んで、前記光源ユニットの反対側に配置された第2光源ユニットと、
前記光軸AX上に配置され、該第2光源ユニットから射出された光線Q2を、前記被検面Aと反対側に位置する被検面Bの近軸曲率中心近傍に集光する第2集光レンズと、
前記第2光源ユニットから射出された光線Q2を、光軸AXに対して角度θ2i(i=1,2,…,N)で、前記被検面Bに入射させる第2角度変化手段と、
該第2角度変化手段と前記保持治具の間に配置された第2光分割素子と、
該第2光分割素子で反射された光を集光する第2結像レンズと、
該第2結像レンズによって集光された光の位置を検出する第2光検出素子とを有し、
該演算装置は、前記第2角度変化手段で生じた光線Q2i(i=1,2,…,N)の各々について、前記第2光検出素子から得られるスポット位置P2mi(i=1,2,…,N)を記憶する工程と、
前記被検面Bの設計データに基づいて、前記光線Q2i(i=1,2,…,N)に対するスポット位置P2i(i=1,2,…,N)を算出する工程と、
該スポット位置P2i(i=1,2,…,N)と前記スポット位置P2mi(i=1,2,…,N)とのズレ量ΔP2i(i=1,2,…,N)から被検面Bの偏心量を算出する工程と、
前記第1被検面Aの偏心量と第2被検面Bの偏心量とを用いて、前記非球面レンズの面間偏心を算出する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の非球面偏心測定装置。 - 非球面レンズの偏心を測定する非球面偏心測定方法であって、
前記非球面レンズの被検面Aの設計データに基づいて、傾斜角度シフト変化関数gAshift(y)を求める工程と、
前記非球面レンズの被検面Aの設計データに基づいて、傾斜角度ティルト変化関数gAtilt(y)と求める工程と、
非球面レンズの被検面Aに接する接線の傾斜角度分布を実測する工程と、
前記実測結果に基づいて、該被検面A上の傾斜角度分布と設計値である無偏心状態での被検面A上の傾斜角度分布との差である傾斜角度変化関数g2(δA,βA,y)を求める工程と、
前記傾斜角度変化関数g2(δA,βA,y)をαgAshift(y)+βgAtilt(y)で表される関数でフィッティングを行う工程と、
前記フィッティングによって求まったα、βから、前記被検面Aの偏心のシフト量とティルト量(δA,εA)=(αδA0,βεA0)を求めることを特徴とする非球面偏心測定方法。
ここで、
前記傾斜角度シフト変化関数gAshift(y)は、前記被検面Aが単位シフト量δA0だけ平行移動したときの傾斜角度分布と、無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、
前記傾斜角度ティルト変化関数gAtilt(y)は、前記被検面Aが単位ティルト量εA0だけ回転移動したときの傾斜角度分布と無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、
前記傾斜角度変化関数g2(δA,βA,y)は、前記実測に基づく前記被検面A上の傾斜角度分布と、設計値である無偏心状態での傾斜角度分布との差である。 - 前記非球面レンズ被検面Aの反対側に位置する被検面Bの設計データに基づいて、傾斜角度シフト変化関数gBshift(y)を求める工程と、
前記非球面レンズの被検面Bの設計データに基づいて、傾斜角度ティルト変化関数gBtilt(y)と求める工程と、
非球面レンズの被検面Bに接する接線の傾斜角度分布を実測する工程と、
前記実測結果に基づいて、該被検面B上の傾斜角度分布と設計値である無偏心状態での被検面B上の傾斜角度分布との差である傾斜角度変化関数g2(δB,βB,y)を求める工程と、
前記傾斜角度変化関数g2(δB,βB,y)をαgBshift(y)+βgBtilt(y)で表される関数でフィッティングを行う工程と、
前記フィッティングによって求まったα、βから、前記被検面Aの偏心のシフト量とティルト量(δB,εB)=(αδB0,βεB0)を求める工程と、
被検面Aの偏心量と被検面Bの偏心量とから、非球面レンズの面間偏心(δA−δB,εA−εB)を求めることを特徴とする請求項3に記載の非球面偏心測定方法。
ここで、
前記傾斜角度シフト変化関数gBshift(y)は、前記被検面Bが単位シフト量δB0だけ平行移動したときの傾斜角度分布と、無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、
前記傾斜角度ティルト変化関数gBtilt(y)は、前記被検面Bが単位ティルト量εB0だけ回転移動したときの傾斜角度分布と無偏心状態での傾斜角度分布との差によって求められる関数であり、
前記傾斜角度変化関数g2(δB,βB,y)は、前記実測に基づく前記被検面B上の傾斜角度分布と、設計値である無偏心状態での傾斜角度分布との差である。
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