JPH0755638A - 光学系の焦点距離測定装置及び測定方法 - Google Patents

光学系の焦点距離測定装置及び測定方法

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JPH0755638A
JPH0755638A JP22512493A JP22512493A JPH0755638A JP H0755638 A JPH0755638 A JP H0755638A JP 22512493 A JP22512493 A JP 22512493A JP 22512493 A JP22512493 A JP 22512493A JP H0755638 A JPH0755638 A JP H0755638A
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JP
Japan
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optical system
measured
light beam
focal length
optical
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JP22512493A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Shimozono
裕明 下薗
Tsuneo Wakabayashi
常生 若林
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】有限物像間距離の光学系の焦点距離を、使用共
役条件に近い配置で測定する。 【構成】移動自在に支持された被測定光学系19への発
散光束生成手段1と、被測定光学系19を移動自在に支
持する光学支持体3と、被測定光学系19からの出射光
束の収束点検出手段9とからなり、光束収束点が検出さ
れる発散光束生成手段1と被測定光学系19の位置とか
ら、焦点距離を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光学系の焦点距離の
測定装置及び測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズの焦点距離測定装置として、図8
と図9で示される構成のものが従来から知られている。
【0003】図8の測定装置は、ノーダルスライド法と
呼ばれる測定方法に用いる装置であって、光源51、標
線52、コリメーターレンズ53、光軸方向に移動でき
る摺動台54と回転台55からなるノーダルスライド台
56、光軸方向に移動可能な光学ベンチ57に設置され
た顕微鏡58を備えている。標線52はコリメーターレ
ンズ53の焦点位置に配置される。被験レンズ59はノ
ーダルスライド台56に載せてある。
【0004】被験レンズ59を、回転台55により光軸
に垂直な方向に僅かな角度回転してもコリメーターレン
ズ53の焦点に置いた標線52の像が動かなくなるよう
に、ノーダルスライド台56の摺動台54と顕微鏡58
を光軸方向に調整して、そのときの顕微鏡58の位置
「S」を読み取る。
【0005】次に被験レンズ59の代わりに標線を刻ん
だガラス板を、標線の方向が回転台55の回転軸とほぼ
平行に、かつ標線側を顕微鏡58に向けてノーダルスラ
イド台56に取り付け、回転台55により光軸方向に垂
直名方向に回転しても顕微鏡58で観察したガラスの標
線の像が動かなくなるように、摺動台54と顕微鏡58
を光軸方向に調整する。そのときの顕微鏡58の位置
「S0 」とすると、被験レンズ59の焦点距離は|S−
0 |で与えられる。
【0006】図9の測定装置は、倍率法と呼ばれる測定
方法に用いられる装置であって、光源60、長さyが既
知の標板61、焦点距離f0 が既知のコリメーターレン
ズ62、顕微鏡63を備えている。
【0007】標板61はコリメーターレンズ62の焦点
位置に配置される。被験レンズ59をコリメーターレン
ズ62の後方に光軸を一致させて配置し、被験レンズ5
9の焦点面64に生ずる標板61の像の大きさy’を顕
微鏡63で測定する。そのとき被験レンズの焦点距離は
(y’/y)・f0 で与えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光ディスク用光学系に
おいて用いられる、光源から光束をコリメーターレンズ
を介さずに直接ディスク面に集光させる所謂有限仕様の
対物レンズは、コリメーターレンズが不要なため、その
構成が単純化される、コストダウンが図れる、等の利点
を有するため、広く用いられている。この種の光ディス
ク用途の対物レンズは、プラスチックの射出成形によっ
て、その量産化がなされているが、近年プラスチックの
射出成形技術の向上と相まって光ディスク用途の対物レ
ンズも更なる高精度化、高性能化が望まれるようになっ
た。したがって製造されたレンズが、設計値通りである
か厳しい検査が必要となり、光学系の最も基本的な幾何
光学的特性である焦点距離も、重要な検査項目のひとつ
となっている。
【0009】一方、前述の従来公知の焦点距離測定法で
あるノーダルスライド法も、倍率法も、平行光束を被験
レンズで結像させる構成となっており、無限遠の物体を
結像させるカメラレンズ等では良好に測定されるが、有
限仕様の光ディスク用途の対物レンズのように有限位置
の物体を集光するレンズでは、収差による像のボケの発
生が大きくなるため、高精度に測定できないという問題
があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、発散光束生成手段と、発
散光束生成手段を移動自在に支持する光学支持体と、発
散光束生成手段の位置の読取手段と、読取手段で読み取
られた発散光束生成手段の位置の記憶手段と、被測定光
学系をその光軸方向に移動自在に支持する光学支持体
と、被測定光学系の位置の読取手段と、読取手段で読み
取られた位置の記憶手段と、被測定光学系から出射する
光束の収束点を検出する光束収束点検出手段と、発散光
束生成手段の位置及び被測定光学系の位置から、被測定
光学系の焦点距離を算出する演算手段とを備えたことを
特徴とする光学系の焦点距離測定装置を提供する。
【0011】また、本発明は少なくとも3箇所のN箇所
の発散光束生成手段の位置をxi (i=1,2,・・
・,N)とし、被測定光学系の位置をyi (i=1,
2,・・・,N)とするとき、上記焦点距離を算出する
演算手段が、数3により算出する演算手段であることを
特徴とする光学系の焦点距離測定装置を提供する。
【0012】
【数3】
【0013】また、本発明は被測定光学系を移動し、被
測定光学系からの出射する光束の収束点が光束収束点検
出手段により検出される位置を求めることを、少なくと
も3箇所の発散光束生成手段の位置に対して行い、各々
における発散光束生成手段の位置と被測定光学系の位置
とから、被測定光学系の焦点距離を求めることを特徴と
する光学系の焦点距離測定方法を提供する。
【0014】また、本発明は発散光束生成手段を移動
し、被測定光学系から出射する光束の収束点が光束収束
点検出手段により検出される位置を求めることを、少な
くとも3箇所の被測定光学系の位置に対して行い、各々
における、被測定光学系の位置と、発散光束生成手段の
位置とから、被測定光学系の焦点距離を求めることを特
徴とする光学系の焦点距離測定方法を提供する。
【0015】さらに本発明は、少なくとも3箇所の発散
光束生成手段の位置xi (i=1,2,・・・,N)
と、被測定光学系の位置をyi (i=1,2,・・・,
N)とから、前記数3により被測定光学系の焦点距離を
算出することを特徴とする上記光学系の焦点距離測定方
法を提供する。
【0016】本発明の測定装置の構成を、図1により説
明する。本発明の測定装置は、発散光束生成手段1(実
施例では半導体レーザー2)と、発散光束生成手段1を
その光束の光軸方向に移動自在に支持する光学支持体3
(実施例では載物台4及び光学ベンチ5)と、発散光束
生成手段1の位置の読取手段6(実施例ではレーザー干
渉測長器7)と、読取手段6で読み取られた位置の記憶
手段8と、被測定光学系19を、その光軸方向に移動自
在に支持する光学支持体12(実施例では載物台13及
び光学ベンチ14)と、被測定光学系19の位置の読取
手段15(実施例ではレーザー干渉測長器16)と、読
取手段15で読み取られた位置の記憶手段17と、被測
定光学系19から出射する光束の収束点を検出する光束
収束点検出手段9(実施例では2次元CCDセンサー1
0)と、記憶手段8、及び記憶手段17に記憶された値
から被測定光学系の焦点距離を演算する演算手段18と
を備える。
【0017】次に、本発明の測定方法を、図1及び図2
により説明する。本発明の測定方法は以下の手順からな
る。
【0018】発散光束生成手段1の位置の設定数N(≧
3)を決めた後、発散光束生成手段1を第1の設定位置
に設置する(ステップ1)。
【0019】被測定光学系19を、その光軸方向に移動
し、光束収束点検出手段9が光束収束点を検出する被測
定光学系19の位置を求める(実施例では2次元CCD
センサー10により画像として観察される光束の光束径
が最小になる被測定光学系19の位置を求める。)(ス
テップ2)。
【0020】発散光束生成手段1の位置x1 、及び被測
定光学系19の位置y1 を読み取り、記憶させた後(ス
テップ3)、発散光束生成手段1を第2の設定位置へ移
動する(ステップ4)。
【0021】以下発散光束生成手段1の位置の設定数N
を満足するまでステップ2、3、4を繰り返す。
【0022】こうして求めたN組の共役配置における、
発散光束生成手段1の設定位置xi(i=1,2,・・
・,N)と、被測定光学系19の位置yi (i=1,
2,・・・,N)とから、演算手段18を用いて焦点距
離を算出する。
【0023】また、本発明の他の測定方法を説明する。
図1及び図3により説明する。本発明の他の測定方法は
以下の手順からなる。
【0024】被測定光学系19の光軸方向の位置の設定
数N(≧3)を決めた後、第1の設定位置に設置する
(ステップ11)。
【0025】発散光束生成手段1を、被測定光学系19
の光軸方向に移動し、光束収束点検出手段9により光束
収束点が検出される発散光束生成手段1の位置を求め
る。(実施例ではCCDセンサー10により画像として
観察された光束の光束径が最小になる発散光束生成手段
1の位置を求める。)(ステップ12)
【0026】発散光束生成手段1の位置x1 及び被測定
光学系19の位置y1 を読み取り、記憶させた後(ステ
ップ13)、被測定光学系19を第2の設定位置へ移動
する(ステップ14)。
【0027】以下被測定光学系19の位置の設定数Nを
満足するまでステップ2、3、4を繰り返す。
【0028】こうして求めたN組の共役配置における、
発散光束生成手段1の設定位置xi(i=1,2,・・
・,N)と、被測定光学系19の位置yi (i=1,
2,・・・,N)とから、演算手段18を用いて焦点距
離を算出する。
【0029】
【作用】図4を参照して、本発明に用いた焦点距離算出
の原理を説明する。レンズLから有限の位置にある物点
をO、物点OのレンズLによる像点をI、レンズLの前
側(物体側)焦点位置をF、レンズLの後側(像側)焦
点位置をF’とし、OとFの距離をx,F’とIの距離
をy,レンズLの焦点距離をfとすると、ニュートンの
式(数4)が成り立つ。
【0030】
【数4】x・y=f・f
【0031】物点OをO’にΔx移動(物点Oがレンズ
Lに近づく方向を正とする)させ、レンズLをΔy移動
(レンズLが物点Oから遠ざかる方向を正とする)した
ときに像点Iの位置の移動がないとすると、数5もまた
成立することになる。
【0032】
【数5】(x−Δx+Δy)(y−Δy)=f・f
【0033】したがって、物点を光軸方向に異なる3箇
所x1 、x2 、x3 に設定し、それぞれに対するレンズ
の位置がy1 、y2 、y3 のときに像点の位置の移動が
なかったとすると、数6の2つの式が成立し、またニュ
ートンの式(数4)も成立しているので、これら3つの
式を連立方程式として解き、x、y、fを数7により求
めることができる。
【0034】
【数6】(x−(x2 −x1 )+(y2 −y1 ))(y
−(y2 −y1 ))=f・f (x−(x3 −x1 )+(y3 −y1 ))(y−(y3
−y1 ))=f・f
【0035】
【数7】
【0036】さらに、物点Oを光軸方向に異なるN箇所
(N≧3)xi (i=1,2,・・・,N)に設定した
場合には、次のように焦点距離fを求めることができ
る。
【0037】物点xi に対する像点位置が動かないレン
ズ位置をyi (i=1,2,・・・,N)として、数8
のN個の式が成立する。
【0038】
【数8】(x−(xi −xj )+(yi −yj ))(y
−(yi −yj ))=f・f (i=1,2,・・・,N) (jは1からNまでの任意の整数)
【0039】数9の(N−1)個の式に、ニュートンの
式(数4)を代入し、両辺を展開整理すると、数10と
なり、x,yについて線形の(N−1)個の式を得る。
【0040】
【数9】(x−(xi −xj )+(yi −yj ))(y
−(yi −yj ))=f・f (i=1,2,・・・,N、ただしi=jを除く)
【0041】
【数10】−(yi −yj )x+(−(xi −xj )+
(yi −yj ))y=−(yi −yj )((xi −x
j )−(yi −yj )) (i=1,2,・・・,N、ただしi=jを除く) (jは1からNまでの任意の整数)
【0042】これら(N−1)個の式を観測方程式と
し、最小自乗法を適用することにより、数3のように
x、y、fを求めることができる。
【0043】測定箇所が3箇所の場合と3箇所以上の場
合に分けて説明したが、数3においてN=3, j=1の
場合は数7の結果に一致するので、数3が焦点距離を求
める一般式となる。
【0044】本発明の測定装置、及び測定方法はこの原
理に基づき構成されたものであり、発散光束生成手段1
を、光学支持体3で移動自在に支持することで、物点の
位置を変更できる。
【0045】被測定光学系19の移動は、被測定光学系
19を光学支持体12で移動自在に支持することで行
う。
【0046】発散光束生成手段1の位置に対して、被測
定光学系19を移動させ、光束収束点検出手段9が光束
収束点を検出する位置を求めることで、物点と像点が共
役であることの確認ができる。また、被測定光学系19
の位置に対して、光束収束点検出手段9が光束収束点を
検出するように、被測定光学系19を移動させて、物点
と像点の共役の確認をしてもよい。
【0047】演算手段18は、少なくとも3箇所の共役
配置に対する、被測定光学系19の位置の値と、光束収
束点検出手段9の位置の値とから被測定光学系19の焦
点距離を演算する機能を有する。
【0048】以上により、本発明は、被測定光学系の物
像間距離を有限の配置にして焦点距離の測定を可能とす
るものである。
【0049】
【実施例】実施例の測定装置を、図1により説明する。
実施例の測定装置は、発散光束生成手段1と、発散光束
生成手段1をその光束の光軸方向に移動自在に支持する
光学支持体3と、発散光束生成手段1の位置の読取手段
6と、読取手段6で読み取られた位置の記憶手段8と、
被測定光学系19をその光軸方向に移動自在に支持する
光学支持体12と、被測定光学系19の位置の読取手段
15と、読取手段15で読み取られた位置の記憶手段1
7と、被測定光学系からの光束の収束点を検出する光束
収束点検出手段9と、記憶手段8と記憶手段17で記憶
された発散光束生成手段1と被測定光学系19の位置情
報をもとに、被測定光学系の焦点距離を演算する演算手
段18とを備える。被測定光学系19は、発散光束生成
手段1からの発散光束中に、光軸をほぼ一致させて配置
される。以下に各部位毎の説明を行う。
【0050】(発散光束生成手段1)半導体レーザー2
からの発散光束を用いる。
【0051】(光学支持体3)発散光束生成手段1を保
持する載物台4と光学ベンチ5からなる。光学ベンチ5
は、発散光束生成手段1の光束の光軸方向に長くなった
ものである。この上に置かれた載物台4は図示しないパ
ルスモーターと送りねじで光学ベンチ5上を移動自在と
なっている。
【0052】(読取手段6)載物台4に図示しないコー
ナーキューブを取り付け、レーザー干渉測長器7により
半導体レーザー2と一体で移動する載物台4の光学ベン
チ5に対する位置を読み取る。方向は、載物台4(半導
体レーザー2)が被測定光学系19に近づく方向を正と
する。
【0053】(記憶手段8)レーザー干渉測長器7で読
み取られた位置情報はA/D変換され、記憶手段8に記
憶される。
【0054】(光束収束点検出手段9)2次元CCDセ
ンサー10である。得られる画像はモニター11で観察
する。2次元CCDセンサー10上に集光する光束の光
束径が最小となるとき、被測定光学系9の像面が2次元
CCDセンサー上にあると判断する。
【0055】(光学支持体12)被測定光学系19を保
持する載物台13と光学ベンチ14からなり、光学ベン
チ14は、被測定光学系の光軸方向に長くなったもので
ある。この上に置かれた載物台13は図示しないパルス
モーターと送りねじで光軸方向に移動自在となってい
る。
【0056】(読取手段15)載物台13に図示しない
コーナーキューブを取り付け、レーザー干渉測長器16
により、被測定光学系19と一体で移動する載物台13
の光学ベンチ14に対する位置を読み取る。方向は、載
物台13(2次元CCDセンサー10)が光束収束点検
出手段9に近づく方向を正とする。
【0057】(記憶手段17)レーザー干渉測長器16
で読み取られた位置情報はA/D変換され、記憶手段1
7に記憶される。
【0058】(演算手段18)共役関係にあるN箇所
(N≧3)の発散光束生成手段1の位置(載物台4の光
学ベンチ5に対する位置として読み込んだ値)xi (i
=1,2,・・・,N)と、被測定光学系19の位置
(載物台13の光学ベンチ14に対する位置として読み
込んだ値)yi (i=1,2,・・・,N)とから数1
1により被測定光学系の焦点距離を演算する機能を有す
る。
【0059】
【数11】
【0060】実施例の測定方法を、図1及び図2により
説明する。
【0061】発散光束生成手段1の位置の設定数N(≧
3)を決めた後、発散光束生成手段1からの光束が、被
測定光学系19に光軸にほぼ一致して導かれるように、
発散光束生成手段1を第1の設定位置に設置する(ステ
ップ1)。光束収束点検出手段9が、光束径最小である
ことを検出する被測定光学系19の位置を、被測定光学
系19をその光軸方向に移動することにより求める(ス
テップ2)。
【0062】発散光束生成手段1の位置x1 及び被測定
光学系19の位置y1 を読み取り、記憶させた後(ステ
ップ3)、発散光束生成手段1を第2の設定位置へ移動
する(ステップ4)。
【0063】以下発散光束生成手段1の位置の設定数N
を満足するまでステップ2、3、4を繰り返す。
【0064】こうして求めたN組の発散光束生成手段1
の設定位置xi (i=1,2,・・・,N)と、被測定
光学系19の位置yi (i=1,2,・・・,N)とか
ら演算手段18により被測定光学系の焦点距離を算出す
る。
【0065】また、実施例の他の測定方法を図1及び図
3により説明する。
【0066】被測定光学系19の位置の設定数N(≧
3)を決めた後、発散光束生成手段1からの光束が、被
測定光学系19に光軸にほぼ一致して導かれるように、
被測定光学系19を第1の設定位置に設置する(ステッ
プ11)。光束収束点検出手段9が、光束径最小である
ことを検出する発散光束生成手段1の位置を、発散光束
生成手段1をその光束の光軸方向に移動することにより
求める(ステップ12)。
【0067】発散光束生成手段1の位置x1 及び被測定
光学系19の位置y1 を読み取り、記憶させた後(ステ
ップ13)、被測定光学系19を第2の設定位置へ移動
する(ステップ14)。
【0068】以下被測定光学系19の位置の設定数Nを
満足するまでステップ12、13、14を繰り返す。
【0069】こうして求めたN組の発散光束生成手段1
の設定位置xi (i=1,2,・・・,N)と、被測定
光学系19の位置yi (i=1,2,・・・,N)とか
ら演算手段18により被測定光学系の焦点距離を算出す
る。
【0070】ところで、この発明は上述の実施例に限定
されない。光束の収束点の検出手段としては、光束中に
1次元のラインセンサーをおき、光束径が最小となると
ころを検出してもよい。
【0071】また、図5に示すような検出手段でもよ
い。即ちピンホール20。リレーレンズ21、光電変換
素子22からなり、光電変換素子22をピンホール20
のリレーレンズ21による共役位置に配置する。この検
出手段を収束点をもつ光束中を光束の光軸方向に移動さ
せると、ピンホール20が光束の収束点に一致したとき
に光電変換素子22の出力が最大となり、収束点を検出
することが可能である。あるいは、図6に示す干渉パタ
ーンを利用する構成でもよい。即ちレーザー光源23、
レンズ(24、25、26)からなる発散光束生成手段
1の光束中に設けた、光束の一部を来た光路に沿って逆
行反射させる反射手段27と、被測定光学系19出射後
の光束を逆行反射させる反射手段28と、により構成す
るのである。
【0072】反射手段28が図6に示すような凹面の場
合は、収束点の後方に配置し、凹面の球心が光束の収束
点に一致したときに、光束が来た光路に沿って逆行反射
するので、反射手段27で反射された光束との干渉によ
り干渉パターンが得られる。反射手段28が凸面の場合
は、収束点より被測定光学系19に近付けて配置し、凸
面の球心が光束の収束点に一致したときに、光束が来た
光路に沿って逆行反射するので、反射手段27で反射さ
れた光束との干渉により干渉パターンが得られる。
【0073】反射手段24が平面の場合は、光束の収束
点がその平面上にあるとき、光束は光軸に対称に反射
し、反射手段27により反射された光束と干渉し、干渉
パターンを得る。
【0074】いずれの場合も、干渉パターンはレンズ3
0を介して、2次元CCDセンサー31、モニター32
で観察される。このように、反射手段28を、収束点の
検出手段として用いるのである。
【0075】さらには、発散光束生成手段をインコヒー
レント光源と、レンズとで構成し、収束点検出手段を接
眼レンズを有する光学系とし、収束点を目視で判断して
もよい。
【0076】発散光束生成手段については、白色光源
と、分光手段であるモノクロメーターと、を用いて構成
し、被測定光学系の波長による焦点距離の違いを測定す
る構成としてもよい。
【0077】演算手段については、実施例では数3にお
いてj=1と置くことによって得られた数11を用いる
ことを示したが、j=1に限らない。jは1からNまで
N通りの選択が可能である。また、数3においてjを1
からNまでN通りの計算で求めその一部または全部を平
均して焦点距離の値としてもよい。
【0078】実施例では、被測定光学系として、屈折系
光学系の場合の配置を示したが、図7に示すように、発
散光束生成手段1からの光束を、被測定光学系34で反
射させ、その光束をハーフミラー33で折り曲げ光束収
束点検出手段9に導く配置にすることにより、反射系光
学系の焦点距離の測定も可能である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
像間距離が有限の配置で測定できるので、光ディスク用
対物レンズをはじめ、複写機用レンズ、ファクシミリ用
レンズ等、有限で使用される目的で設計された光学系
を、配置の違いから生じる収差の影響をほとんど受ける
ことなく、実使用に非常に近い配置で測定できる。
【0080】従来技術のノーダルスライド法は、被験レ
ンズの節点をノーダルスライド台回転軸上に載せるため
に、レンズの回転と光軸方向の移動を交互に繰り返す、
繁雑な、熟練を要する操作が必要であるが、本発明で
は、発散光生成手段と収束点検出手段を光軸方向に移動
させる操作だけでよく、測定が容易である。また倍率法
では、焦点距離が既知にコリメーターレンズ及び寸法が
既知の指標を必要としたが、本発明では、光学ベンチ上
の載物台の移動量読取手段に用いるスケール以外に、光
学特性あるいは寸法が既知の参照物を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学系の焦点距離測定装置の実施例の
構成図
【図2】本発明の光学系の焦点距離測定方法の実施例の
手順を示す工程図
【図3】本発明の光学系の焦点距離測定方法の他の実施
例の手順を示す工程図
【図4】本発明の光学系の焦点距離測定の原理の説明に
供する被測定光学系の構成図
【図5】本発明の光学系の焦点距離測定装置における光
束収束点検出手段の変形例の構成図
【図6】本発明の光学系の焦点距離測定装置における光
束収束点検出手段の他の変形例の構成図
【図7】本発明を反射凹面鏡に対して実施する場合の配
置を示す構成図
【図8】従来技術であるノーダルスライド法による焦点
距離測定装置の構成図
【図9】従来技術である倍率法による焦点距離測定装置
の構成図
【符号の説明】
1:発散光束生成手段 2:半導体レーザー 3:光学支持体 4:載物台 5:光学ベンチ 6:読取手段 7:レーザー干渉測長器 8:記憶手段 9:収束点検出手段 10:2次元CCDセンサー 11:モニター 12:光学支持体 13:載物台 14:光学ベンチ 15:読取手段 16:レーザー干渉測長器 17:記憶手段 18:演算手段 19:被測定光学系 20:ピンホール 21:リレーレンズ 22:光電変換素子 23:レーザー光源 24:レンズ 25:レンズ 26:レンズ 27:反射手段 28:反射手段 29:ハーフミラー 30:レンズ 31:2次元CCDセンサー 32:モニター 33:ハーフミラー 34:被測定光学系 51:光源 52:標線 53:コリメーターレンズ 54:摺動台 55:回転台 56:ノーダルスライド台 57:光学ベンチ 58:顕微鏡 59:被験レンズ 60:光源 61:標板 62:コリメーターレンズ 63:顕微鏡 64:被験レンズの焦点面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発散光束生成手段と、発散光束生成手段を
    移動自在に支持する光学支持体と、発散光束生成手段の
    位置の読取手段と、読取手段で読み取られた発散光束生
    成手段の位置の記憶手段と、被測定光学系をその光軸方
    向に移動自在に支持する光学支持体と、被測定光学系の
    位置の読取手段と、読取手段で読み取られた位置の記憶
    手段と、被測定光学系から出射する光束の収束点を検出
    する光束収束点検出手段と、発散光束生成手段の位置及
    び被測定光学系の位置から、被測定光学系の焦点距離を
    算出する演算手段とを備えたことを特徴とする光学系の
    焦点距離測定装置。
  2. 【請求項2】少なくとも3箇所のN箇所の発散光束生成
    手段の位置をxi (i=1,2,・・・,N)とし、被
    測定光学系の位置をyi (i=1,2,・・・,N)と
    するとき、請求項1の焦点距離を算出する演算手段が、
    数1により算出する演算手段であることを特徴とする光
    学系の焦点距離測定装置。 【数1】
  3. 【請求項3】被測定光学系を移動し、被測定光学系から
    の出射する光束の収束点が光束収束点検出手段により検
    出される位置を求めることを、少なくとも3箇所の発散
    光束生成手段の位置に対して行い、各々における発散光
    束生成手段の位置と被測定光学系の位置とから、被測定
    光学系の焦点距離を求めることを特徴とする光学系の焦
    点距離測定方法。
  4. 【請求項4】発散光束生成手段を移動し、被測定光学系
    から出射する光束の収束点が光束収束点検出手段により
    検出される位置を求めることを、少なくとも3箇所の被
    測定光学系の位置に対して行い、各々における、被測定
    光学系の位置と、発散光束生成手段の位置とから、被測
    定光学系の焦点距離を求めることを特徴とする光学系の
    焦点距離測定方法。
  5. 【請求項5】少なくとも3箇所の発散光束生成手段の位
    置xi (i=1,2,・・・,N)と、被測定光学系の
    位置をyi (i=1,2,・・・,N)とから、数2に
    より被測定光学系の焦点距離を算出することを特徴とす
    る請求項3または請求項4の光学系の焦点距離測定方
    法。 【数2】
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