JP4434431B2 - 三次元形状測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばレンズ、ミラー、或いは金型などの連続した曲面形状を有する被測定物の被測定面の表面を、三次元座標を基準として測定する三次元形状測定装置に係り、特に2つ以上の被測定面を相対的に高精度に測定することができる三次元形状側定装置にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カメラ、ビデオカメラ、半導体製造装置などに用いられるレンズ、ミラーなどの光学素子の表面形状を精度良く測定する形状測定装置が各種提案され開発されている。この形状測定装置としては、例えば、被測定物をセットしたベースと、このベースに設けたコラムに取付けたプローブと、ベース上の被測定物に対してプローブを3次元的に移動させる3次元スライド手段とを備えたものが知られている。
【0003】
ところで、このような形状測定装置で被測定物を正確に測定するためには、その被測定物をベース上で正確な位置にセットすることが重要となっている。ところが、通常、その被測定物を正確に位置決めしてセットさせることは難しく、予め設定されたセット位置との間に、ある程度のずれ(以下、これを「セット誤差」とよぶ)を生じている場合が多い。
【0004】
その結果、例えば、形状測定装置を基準として設定したときの座標系(以下、「測定器座標系」とよぶ)と、被測定物の被測定面を基準として設定したときの座標系(以下、「被測定物座標系」とよぶ)とがうまく一致せず、譬え、「測定器座標系」で精度良く測定できたとしても、その測定値には、次式
「測定値」=「真の形状値」+「セット誤差」
のように、「セット誤差」を含む虞れがある。
【0005】
また、この被測定物の被測定面には、製造に伴なう固有の誤差も生じる虞れがある。従って、かりにその「測定値」から「設計値」を差し引いたとしても、
という、2種類の誤差が含まれることとなり、「形状誤差」のみを単独に測定することができない。
【0006】
そこで、このような「形状誤差」を測定する形状測定装置及びその方法として、特開平11−173835号公報に記載のものが知られている。
【0007】
この形状測定装置では、図5に示すように、1つの被測定面と3つの球面9´とを有する被測定物1´の形状測定を行うようになっている。具体的には、被測定物1´の取付け位置を示す球面9´を3個所設け、その球面9´の中心点を接触式のプローブ5Aで測定することにより、「測定器座標系」で測定した測定点群の位置を求める。そして、この「測定器座標系」での位置を「被測定物座標系」での座標位置に変換するため、所謂、座標変換行列を求め、この座標変換行列を用いて測定点群の位置座標を変換するようになっている。この座標変換により、被測定物1´の「セット誤差」が除去され、「形状誤差」の測定が行えるようになっている。
【0008】
しかも、この公報に記載の形状測定装置では、例えば被測定物1´に2つ以上の被測定面を有し、それらの相対位置を高精度に測定する必要がある場合であって、それらの被測定面を反転させるなど(以下、段取り替えとよぶ)の再セットを行わなければ、測定不可能であるようなものでも、2つ以上の被測定面に対して、高精度な形状測定が行える。即ち、これは、それぞれの被測定面での形状測定に加えて、3つの球面9´を測定し、これらの球面9´の中心座標位置を基準とするあらたな座標系を用いて、被測定面どうしの相対位置を、段取り替えに伴なう「セット誤差」の影響を受けることなく、高精度に測定するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構成の形状測定装置にあっては、被測定物1´のセッティングを変えて被測定面をそれぞれ測定するたびに、毎回3つの球面9´を測定する必要があるが、この測定には、球面9´にもプローブ5Aを実際に接触しながらトレースして形状測定を行う訳であるから、測定にある程度長い時間を要する、といった不都合を生じている。
【0010】
そこで、この発明は、上記した欠点に鑑み、段取り替えに伴なう「セット誤差」を発生させることなく、2つ以上の被測定面を短時間で高精度に測定することができる3次元形状測定装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明の三次元形状測定装置は、少なくとも3つ以上の球面を有するワークホルダをセットするステージと、前記ワークホルダに搭載された被測定物の複数の被測定面、前記ワークホルダに設けられた球面の曲率中心位置光学的干渉計によって測定する被測定面測定手段と、
を備え、前記ステージ上の被測定物のセット状態を変更することで、前記被測定物の複数の被測定面の相対形状を測定する三次元形状測定装置であって、
前記被測定面測定手段は、光学的干渉計を共有し、
測定光の焦点位置を前記球面の曲率中心位置とすることにより、正反射波面測定で前記球面の曲率中心位置を測定するために干渉縞を計測する撮像手段と、
前記測定光を被測定物表面に焦点位置となるように照射して、被測定物表面から反射した光を計測する光検出器と、
を有し、するように構成したことを特徴としている。
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記被測定面測定手段が、光学的手段により表面非接触トレースで行うように構成したことを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明の三次元形状測定方法は、基準となる球面の曲率中心位置及び、ステージ上に配置された、複数の被測定面を有する被測定物の相対形状を、光学的干渉計による被測定面測定手段により測定する三次元形状測定方法において、前記被測定物を搭載し、少なくとも3つ以上の球面を有するワークホルダを、前記ステージにセットし、同一の前記被測定面測定手段により、前記被測定物の複数の被測定面の1つの面の形状測定と、ワークホルダに設けられた球面の曲率中心位置を正反射波面測定とを行った後に、前記ステージ上の被測定物のセット状態を変更し、前記被測定面測定手段により前記被測定物の複数の被測定面の他の面の形状を測定、ワークホルダに設けられた球面の曲率中心位置を正反射波面測定行なうことで、前記被測定物の複数の被測定面の相対形状を測定することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、この発明に係る三次元形状測定装置を示すものであり、この三次元形状測定装置では、ベース定盤B上のステージに、ワークホルダWHを介して非球面レンズである被測定物1がセットされており、この非球面レンズの球面R1の形状と、ワークホルダWHごと被測定物1を裏返して球面R2の形状と、これら2面R1、R2間の偏心状態とを測定するようになっている。
【0018】
このため、この三次元形状測定装置には、ベース定盤Bと、これに設けたコラムCと、光源2と、AOM周波数シフタ3と、偏波面保存光ファイバ4と、測定光学ヘッド5と、信号処理系6と、三次元スライド手段7と、干渉計8とを備えている。
【0019】
ベース定盤Bには、後述する三次元スライド手段7の一部であり、ステージでもあるYテーブル7BがY軸方向にスライド可能に設けられている。このYテーブル7Bは、モータ71Bによって回転駆動される図示外のボールネジにより、Y軸方向に平行に設けた図示外のガイド軸に沿ってスライドするようになっている。このYテーブル7B上には、被測定物1の搭載部であるワークホルダWHがセットされており、このワークホルダWHの3個所に基準球9が設けられている。
【0020】
なお、この基準球9は、特に、複数の被測定面間の相対位置関係を測定する場合に誤差を生じ易いという事情を配慮して設けてあるものである。即ち、具体的には、例えば非球面レンズの両球面R1,R2の形状を測定する場合には、球面R1の形状測定が終了したら、通常、ベース定盤BのステージであるYテーブル7Bから非球面レンズを取り外し、被測定面となる面を球面R1から球面R2へと反転させてからでないと、球面R2の形状を測定できない。このため、反転後に、この非球面レンズを再度ステージへセットする際に、球面R1測定時のセット状態との間で、セット位置に相対的な位置ずれ、つまり「セット誤差」を生じる虞れがある。そこで、この基準球9の位置を反転前後に測定することにより、この前後で測定した基準球9の位置データのずれの値から、被測定物1の反転前後での「セット誤差」を間接的に測定しようとするものである。
【0021】
光源2には、コヒーレントな光を出射するレーザが使用されており、コラムCに固定されている。入射した光をわずかに周波数(F1,F2)の異なる2周波光に変換するAOM周波数シフタ3も、この光源2の近傍のコラムCに固定されており、AOMドライバ3A(図2参照)によって駆動制御されている。
【0022】
測定光学ヘッド5は、被測定面を測定する被測定面測定手段及び球面の位置を測定する位置測定手段となるものであり、左右両側のコラムC間に設けたXテーブル7A上のZテーブル7Cに固設されており、被測定物1の被測定面に向けて出射するレーザ光の測定光軸がZ軸に平行となるように設定されている。そして、この測定光学ヘッド5には、図2に示すように、コリメータレンズ51と、偏光ビームスプリッタ52と、第1,第2の四分の一波長板53A,53Bと、参照平面54と、対物レンズ55と、偏光板56と、集光レンズ57と、ハーフミラー58と、CCDカメラ59と、光検出器60とを備えている。
【0023】
光検出器60の出力は、信号処理系6に入力するようになっており、この信号処理系6には、位相計61と、コンピュータ62と、サーボドライバ63とを備えている。そして、この光検出器60の出力は、位相計61の入力に接続されている。一方、この位相計61の入力は、先述したAOMドライバ3Aの出力に接続されているとともに、この位相計61の出力は、コンピュータ62と接続されている。さらに、このコンピュータ62の出力には、サーボドライバ63が接続されており、後述する三次元スライド手段7の一部でありZ軸方向にスライドするZテーブル7Cの駆動用のモータ71Cに対してサーボをかけるようになっている。
【0024】
三次元スライド手段7には、Xテーブル7Aと、Yテーブル7Bと、Zテーブル7Cとを備えているとともに、これらのテーブルを独立別個に精密に位置移動させるための駆動手段として、それぞれボールねじを備えたモータを設けている。
このうち、Xテーブル7Aは、コラムCに取付けたモータ71Aによって回転駆動されるボールネジ72Aにより、コラムC間をX軸方向に沿ってスライドするようになっている。また、Yテーブル7Bは、モータ71Bによって回転駆動される図示外のボールネジにより、Y軸方向に沿ってスライドするようになっている。さらに、Zテーブル7Cは、Xテーブル7Aに取付けたモータ71Cによって回転駆動されるボールネジ72Cにより、Xテーブル7A上でZ軸方向に沿ってスライドするようになっている。
【0025】
干渉計8は、ベース定盤Bと、被測定物1と、測定光学ヘッド5との3体についての相対位置関係や、被測定物1と測定光学ヘッド5と2体についての相対位置関係を、それぞれ3次元座標系上で精密に測定するためのものである。そのため、この実施例の干渉計8では、X干渉計8Aと、図示外のY干渉計と、Z干渉計8Cとを備えており、いずれもレーザ測長器ヘッド81から出射するレーザ光を利用して後述する基準平面ミラーとの間の距離を精密に測定するようになっている。即ち、これらの干渉計8A〜8Cでは、レーザ測長器ヘッド81から出射された1本のレーザ光を、光ファイバ82を介して3つに分波し、この分波した各レーザ光をそれぞれの干渉計8A〜8Cに導光させて使用するようになっている。なお、X干渉計8AとZ干渉計8Cとは、ともに、Xテーブル7A上に設けたZテーブル7C上に搭載されている一方、図示外のY干渉計は、Yテーブル7B上に搭載されている。
【0026】
これらの干渉計のうち、X干渉計8Aは、X軸方向に対して平行にレーザ光を出射するようになっており、この出射するレーザ光の進行するコラムC上には、基準平面ミラー83Aが固設されている。一方、Y干渉計8Bも、X干渉計8Aと同様に、図示外のコラムに設けた基準平面ミラーに向けて、Y軸方向に平行なレーザ光を出射するようになっている。同様に、Z干渉計8Cは、Z軸方向に平行なレーザ光を出射するようになっており、この出射するレーザ光の進行するコラムC間に固設した図示外の適宜の部材上には、基準平面ミラー83Cが固設されている。
【0027】
従って、測定光学ヘッド5については、ベース定盤Bに対する(被測定物1に対しても同様)X軸方向での相対位置関係がX干渉計8Aから、またZ軸方向での相対位置関係がZ干渉計8Cから、計測できるようになる。一方、被測定物1については、ベース定盤Bに対する(測定光学ヘッド5に対しても同様)Y軸方向での相対位置関係がY干渉計8Aから計測できるようになる。
【0028】
ところで、この三次元形状測定装置では、基準平面ミラー83A,83Cを取付けたベース定盤Bにおいて、Yテーブル7B上に設けた被測定物1とZテーブル7C上に設けた測定光学ヘッド5とは、その位置が自由に移動可能である。即ち、被測定物1はXY平面上を、また測定光学ヘッド5はXZ平面上を自由に移動可能である。従って、これらの移動関係にあるベース定盤Bと被測定物1と測定光学ヘッド5との3体間について、XYZ直交座標系での相対位置関係が、干渉計8と基準平面ミラー83とを利用することにより高精度に測定できるようになっている。
【0029】
次に、被測定物1である非球面レンズの複数の被測定面であるR1,R2を測定する測定光学ヘッド5の作用原理について説明する。
【0030】
さて、光源2から出射したレーザ光は、AOM周波数シフタ3の作用で偏光方向が直交する2つの僅かに周波数が異なる光に変換され、偏波面保存光ファイバ4へ入射する。そして、この偏波面保存光ファイバ4へ入射したレーザ光は、その光ファイバ4内を伝播して測定光学ヘッド5へ導かれる。即ち、この光ファイバ4内を進行したレーザ光は、出射端4Aから偏光方向を維持した状態で2周波光を射出する。
【0031】
この測定光学ヘッド5において、光ファイバ4から射出されたレーザ光は、発散光であり、コリメータレンズ51で平行光となって偏光ビームスプリッタ52へ入射する。この偏光ビームスプリッタ52へ入射した2周波光のうち、一方の光は、反射されて参照平面54側へ、もう一方の光は、透過して被測定物1側へ進行する。このうち、参照平面54側へ進行するレーザ光は、四分の一波長板53Aで円偏光に変換され、参照平面54で正反射されたのちに、再び四分の一波長板53Aを透過するときに直線偏向に変換される。その後、偏光ビームスプリッタ52に戻るが、四分の一波長板53Aを透過の際に偏光方位が90度回転しているために、今度はこの偏光ビームスプリッタ52を透過して光検出器60の方へ向かうこととなる。
【0032】
一方、被測定物1側へ進行するレーザ光は、同様に、四分の一波長板53Bで円偏光に変換され、図3(A)に示すように、対物レンズ55で収斂光となって被測定物1表面で焦点を結び、所謂キャッツアイ反射される。そして、この被測定物1表面でキャッツアイ反射されたレーザ光は、対物レンズ55、四分の一波長板53Bへと戻る。そして、この四分の一波長板53Bで円偏光から直線偏光に変換されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ52に戻るが、四分の一波長板53Bで偏光方向が90度回転しているために、今度はこの偏光ビームスプリッタ52で反射して、光検出器60の方へ向かうこととなる。なお、ここで、対物レンズ55は、被測定物1の最大面傾斜角度よりも大きな開口角となるような開口数(NA)を有しており、また対物レンズ55に入射する光も、この開口いっぱいに入れておくようになっている。
【0033】
このようにして、参照平面54及び被測定物1(被測定面)でそれぞれ反射して光検出器60へ向かうレーザ光は、偏光板56の作用で干渉され、集光レンズ57を透過して光検出器60へ入射する。この光検出器60へ入射した干渉光は、2つの周波数の差(F1−F2)に相当する周波数を有するものであり、この光検出器60からは所謂ビート信号が信号処理系6へ出力される。
【0034】
この信号処理系6において、このビート信号を入力する位相計61では、この測定されたビート信号(以下、測定信号)と基準となるビート信号(以下、参照ビート信号)との位相差を測定すれば、参照平面54側に向かった方の光と、被測定物1側に向かった光との光路長差の変化がわかる。
【0035】
従って、逆に、その位相(差)が一定になるように、Z軸方向に沿い測定光学ヘッド5を移動調整するようにサーボをかけるとともに、被測定物1と測定光学ヘッド5との相対位置をZ軸に直交するXY面内で変化させながら、その移動量を別の直交座標系で読取れば、被測定物1表面の三次元形状を原理的に測定することができる。なお、この実施例では、参照ビート信号は、AOMドライバ3Aから図示外のミキサ回路を通して2つのドライブ周波数の差(F1−F2)が得られる。
【0036】
このように、被測定物1と測定光学ヘッド5とは、三次元測定装置上の直交座標系内で任意に移動可能であるとともに測定可能である。従って、測定光学ヘッド5からの信号でZテーブル7C移動用のモータ71Cにサーボをかけながら、Xテーブル7A及びYテーブル7Bを予め定めたパターンに沿って移動して行くようにして、予め定められた各(X,Y)位置でZ位置を読取っていけば、原理通りに、被測定面の3次元形状を測定することができる訳である。
【0037】
さらに、また、このような被測定面の測定の前又は後に、ワークホルダWHに取付けられた基準球9の空間位置を最低3個所測定することで、これらの(3個)の基準球9で作られる平面を基準とした被測定面R1、R2の空間位置を確定することができるようになる。
【0038】
なお、ここで、この基準球9の位置の測定については、次のように行う。
【0039】
(1)即ち、図3(B)に示すように、基準球9の中心(ここでは球面の曲率中心に相当)と対物レンズ55の焦点とが一致するようにアライメントを行うと、図示するように基準球9に入射した光束は、反射し元の光路を戻る。そうすると図2において、参照平面54で反射した光と偏光ビームスプリッタ52で反射された光とは、互いに干渉してCCDカメラ(撮像手段)59上で干渉縞を形成し、「セット誤差」に応じて縞パターンを発生する。ただし、この干渉縞を見るためには、AOM周波数シフタ3において、ビート(うなり)を発生させないように、ドライブ周波数を調整する必要がある。
【0040】
(2)次に、この干渉縞パターンがワンカラーとなるようにアライメントすれば、その位置は対物レンズ55の焦点位置と基準球9の中心位置(球面の曲率中心位置に相当)が一致しているものであるから、その基準球9の中心位置を非接触で測定できたことに相当する。同様にして、この操作を他の基準球9にも行い、3個所以上の基準球9の中心位置が分かれば、これらの中心位置を通るただ一つの平面が一義的に決定される訳である。その結果、この平面に対する被測定面R1の相対位置も確定することができる。
【0041】
▲3▼そして、被測定物1をワークホルダWHごと裏返しにセットする段取り替えを行い、今度は裏側の被測定面R2を測定するとともに、先述した方法で、同じ基準球9の位置を再度測定する。
【0042】
▲4▼そして、この測定により得られたデータに基づき、3個以上で決定される基準球9が規定する平面とそれに対する被測定面R2の空間位置とを確定することができる。ここで、この基準球9が規定する平面は、被測定面R1、R2を測定したときでも変化しないから、これらの測定結果から、被測定面R1、被測定面R2の相対位置の測定結果が精密に確定できる。通常、非球面レンズでは、単レンズで偏心が規定されるから、この実施例により面形状と偏心が測定できたことになるものである。
▲5▼なお、この干渉縞パターンをアライメントする替わりに、例えば、公知の干渉縞解析手法で解析することで算出されたチルト、デフォーカスの成分から、ミスアライメント量が演算されるので、このような演算を行うことができる図示外の解析装置を付加すれば、自動測定も可能となる。
【0043】
次に、以下、この発明の第2実施例について図4を参照しながら説明する。なお、この実施例において、第1実施例と同一部分には、同一符号を付して重複説明を避ける。
【0044】
この第2実施例の三次元形状測定装置では、第1実施例のものと、ほぼ同様の構成であるが、測定光学ヘッド5の替わりに、基準球9測定用の非接触式の第1プローブ5Aと、第2プローブ5Bとを独立別個に備えている点が異なっている。
【0045】
第1プローブ5Aについては特に、段取り替えを伴なう複数の被測定面の形状測定を行う場合にその段取り替えの前後で生じる虞れのある被測定面間の「セット誤差」を、短時間で、しかも高精度に測定するため、基準球9を測定するものであり、非接触式のものを使用している。即ち、この第1プローブ5Aは、基準球9の位置を、光学的干渉計により正反射波面測定で行うように構成されている。なお、この第1プローブ5Aでは、この基準球9の測定の他に、次に説明する第2プローブ5Bで測定対象としている被測定物1の被測定面の形状も、必要に応じて測定するようにしてもよい。
【0046】
一方、第2プローブ5Bは、被測定物1の被測定面の形状を測定するためだけのものであって、被測定面に直接接触しながら形状を測定する接触式のものが使用されている。この接触式の第2プローブ5Bでは、特に、被測定面が光学鏡面でない場合や、反射率が非常に低い面を測定するのに欠かせないものとなっており、測定しようとする測定対象物が、先の第1実施例のものに比べて適用範囲を大幅に拡大できるようになっている。
【0047】
従って、この実施例によれば、非接触式の第1プローブ5Aとともに、接触式の第2プローブ5Bを併せ持っているから、被測定面の形状は非接触式の第1プローブ5Aか接触式の第2プローブ5Bを、被測定面の性状に応じて選択し、使い分けることができる。これにより、先述したように、被測定面が光学鏡面でない場合や、反射率が非常に低い面の場合であっても、被測定面を測定することが可能となる。しかも、同時に、基準球9の測定には、高速測定可能な非接触式の第1プローブ5Aを使用することで、効率のよい被測定物の測定が可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、位置測定手段が、球面位置を非接触で測定するように構成しており、非接触での位置測定のために高速測定が可能となっている。このため、この発明によれば、段取り替えに伴なう「セット誤差」が発生するのを、この球面位置の測定によって防止できるようになるばかりか、2つ以上の被測定面を、短時間で、しかも、高精度に測定することができるようになり、被測定物の複数の被測定面に対する測定作業が高精度に行えるとともに、測定作業効率の大幅アップが図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る三次元形状測定装置を示す概略構成図である。
【図2】この第1実施例の測定光ヘッド及び信号処理系を示す概略構成図である。
【図3】(A)は測定光ヘッドによる被測定物の測定時の要部光路図、(B)は測定光ヘッドによる基準球の測定時の要部光路図を示す。
【図4】この発明の第1実施例に係る三次元形状測定装置を示す概略構成図である。
【図5】従来の三次元形状測定装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 被測定物(ワーク)
2 光源(レーザ)
3 AOM周波数シフタ
3A AOMドライバ
4 偏波面保存光ファイバ
5 測定光ヘッド(被測定面測定手段、位置測定手段)
5A 第1プローブ(非接触式の被測定面測定手段)
5B 第2プローブ(接触式の位置測定手段)
51 コリメータレンズ
52 偏光ビームスプリッタ
53A 四分の一波長板
53B 四分の一波長板
54 参照平面
55 対物レンズ
56 偏光板
57 集光レンズ
59 CCDカメラ
6 信号処理系
60 光検出器
61 位相計
62 コンピュータ
63 サーボドライバ
7 三次元スライド手段
7A Xテーブル
71A モータ
72A ボールネジ
7B Yテーブル(ステージ)
71B モータ
7C Zテーブル
71C モータ
72C ボールネジ
8 干渉計
8A X干渉計
8C Z干渉計
83A 基準平面ミラー
83C 基準平面ミラー
9 基準球(球面)
B ベース定盤
C コラム
WH ワークホルダ(搭載部)

Claims (3)

  1. 少なくとも3つ以上の球面を有するワークホルダをセットするステージと、前記ワークホルダに搭載された被測定物の複数の被測定面の形状と、前記ワークホルダに設けられた球面の曲率中心位置とを光学的干渉計によって測定する被測定面測定手段と、を備え、前記ステージ上の被測定物のセット状態を変更することで、前記被測定物の複数の被測定面の相対形状を測定する三次元形状測定装置であって、前記被測定面測定手段は、光学的干渉計を共有し、測定光の焦点位置を前記球面の曲率中心位置とすることにより、正反射波面測定で前記球面の曲率中心位置を測定するために干渉縞を計測する撮像手段と、前記測定光を被測定物表面が焦点位置となるように照射して、被測定物表面から反射した光を計測する光検出器と、をそれぞれ有することを特徴とする三次元形状測定装置。
  2. 前記被測定面測定手段が、光学的手段により表面非接触トレースで行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の三次元形状測定装置。
  3. 基準となる球面の曲率中心位置及び、ステージ上に配置された、複数の被測定面を有する被測定物の相対形状を、光学的干渉計による被測定面測定手段により測定する三次元形状測定方法において、前記被測定物を搭載し、少なくとも3つ以上の球面を有するワークホルダを、前記ステージにセットし、同一の前記被測定面測定手段により、前記被測定物の複数の被測定面の1つの面の形状測定と、ワークホルダに設けられた球面の曲率中心位置を正反射波面測定とを行った後に、前記ステージ上の被測定物のセット状態を変更し、前記被測定面測定手段により前記被測定物の複数の被測定面の他の面の形状を測定、ワークホルダに設けられた球面の曲率中心位置を正反射波面測定行なうことで、前記被測定物の複数の被測定面の相対形状を測定することを特徴とする三次元形状測定方法。
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