JP5113030B2 - 三次元形状計測方法及びその為の基準部材 - Google Patents
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Description
具体的装置例としては、例えば株式会社キーエンス(大阪市東淀川区)から販売されているセンサヘッドLJ−080及びコントローラLJ−3000がある。また、関連する特許文献として、例えば下記特許文献1がある。
それ故通常は、計測対象物を定盤等の上に載置し、そこで姿勢を変えて複数回計測をする。例えば、先ず表側について三次元形状を計測する。そのあと裏返し、こちらの側についてその三次元形状を計測する。そのあと、これら表側、裏側の夫々の三次元形状データを、自動で、或いは作業実行者の判断で合成し、一つの三次元形状データとする。
しかし、実際は、一方の点に対応する他方の点がどれであるか、なかなか判別ができない。それ故、実際には熟練を要する。
図に於て、50は基準部材、51は取付座、52は所定形状部(真球(所定精度の))である。この所定形状部51の真球形の中心点を、表側の形状データと裏側の形状データとを合成するときの指標とする。このような中心点が三つ以上与えられれば三角形が想定でき、一つの平面が定まる。従って、夫々の三次元形状データに現れている各平面を合致させれば、表側のデータと裏側のデータとを一つに合成できる。この場合、この基準部材50には造影剤53が塗布される。これにより鮮明な画像が取得できる。
計測装置の精度は年々向上している。また向上を求められている。この為、膜厚にムラがあると、それが所定形状部52の中心点の導出に影響し、このような中心点を基準にデータを合成してしまうと、三次元形状データの誤差が大きくなる。
本発明の目的は、この誤差を出来るだけ少なくすることにある。
。
そこで、発明者は、所定形状部であるセラミックの真球にサンドブラストを施し、表面を粗面にしてみた(請求項1,請求項2)。すると、造影剤を塗布しなくても、その形状が正しく計測されるようになった。粗面にしたことでレーザ光の乱反射が無くなり、その結果、取得される画像が鮮明になって、この真球部の形状が正しく認識されるようになったのではと考えられる。
真球は、所定精度にすると良い(請求項1,請求項2)。真球は、直径の精度及び真球度について、精度の高いものが製作可能であり、市販されている。実験では直径9.525mmの市販の真球を用いた。球形についての三次元形状データから、球の中心点を導出するソフトウェアも提供されている。これらを利用することで、精度の高い計測が安価に実現できる。
また、真球部分には段差を設ける。こうすると、計測対象物が不図示ディスプレイに表示された際、取付座部分と真球部分の境界が見分け易くなる。それにより、この真球部分を指定する作業が容易になる。
基準部材1の詳細を図3に示す。同図(A)にその正面形状を示し、同図(B)に中央縦断面を示す。この基準部材1は、取付座2と、これに固定された基準球3とからなる。
但し、精度の高い計測が必要なときは、言うまでもなく、それに見合う精度の直径と真球度を有する真球を用いる。
研磨剤WA#120、ガン形式F2−3、空気圧0.4Mpa、距離50mm、時間60秒
但し、研磨剤、ガン形式は、株式会社不二製作所(東京都江戸川区)が使用している呼称である。ここに示した例は一例に過ぎず、研磨剤の種類、粗さ、ガンの種類その他は、要求される計測精度や、計測の確実性を勘案して定める。粗面化が不十分だと、従来手法で造影剤を塗布しなかったときと同様に計測が不確実になる。
この場合、球形部分をソフトウェアで自動検出することも考えられる。ここでは、マウス等を操作して、作業実行者の手で球形部分を指定することを想定している。
そういうとき、上記のように段差4を設けておくと、計測対象物30が不図示ディスプレイに表示された際、取付座2部分と基準球3部分の境界が見分け易い。それにより、基準球3の球形部分を指定する作業が容易になる。
7は自在継手であり、駆動機構を内蔵する(不図示)。この駆動機構により、その下に支承されている第二アーム8及びプローブ9を、原点C1を中心にして、各矢印RX+−,RY+−各方向に回動する。矢印RX+−はX軸を含む垂直面内にあり、矢印RY+−はY軸を含む垂直面内にある。
プローブ9は、レーザ光走査機構11と撮像装置12とを備える。レーザ光走査機構11は、不図示レーザダイオードから照射されるレーザ光13を、X軸に平行な垂直面内で、下方向に向けて走査する(14)。撮像装置12は下向きで垂直軸に対し所定角度を成す方向に指向されている。
これら撮像により、4つの基準球3を含む計測対象物30の上面全体について、三次元形状データが取得される。
これらの計測で、計測対象物30の表側全体について、即ち、上面及び前後左右の各側面について、その三次元形状データが取得される。
このあと、計測対象物30を裏返す。そして、この裏側について、同様にしてその形状に対応した三次元形状データを取得する。この裏返しの前と後が、請求項にいう「計測対象物の或る姿勢とその裏返しの姿勢」に当る。
これら表側及び裏側についての計測結果に基いて、パーソナルコンピュータで構成される不図示制御装置は、その不図示ディスプレイに計測対象物30の表側及び裏側の各外形を表示する。
前述したように、基準球3と取付座2との間には段差4が設けられている。それ故、容易にこの選択ができる。この後、これら各基準球3の球形の中心点を導出する処理の実行を指示する。
前述したとおり、基準球3の素材のセラミック球は所定精度の真円に仕上げられている。更にその表面は、所定精度の粗面とされていて、造影剤53は塗布されていない。従って、各基準球3の球形を表す夫々の三次元形状データは、所望の精度を維持しており、それらを基に導出された球形の中心点も又、所定の精度を有している。
前述したように、導出された各基準球3の球形の中心点は所定の精度を有している。それ故、表側についての三次元形状データと、裏側についての三次元形状データの合成は、極めて正確に実行される。これによって取得された一群の三次元形状データは、計測対象物30の外形全体を高精度に再現する。
そのような場合は、当該計測対象物30に於て、重視される部分の形状が、より正しく再現されるように、何れかの中心点の座標データを修正し、両者の合成を実行する。
このように一部修正して合成をしても、前述したように基準球3の中心点の座標データは、従来より精度が高くなっている。従って、合成された三次元形状データも従来より精度が高くなる。
2…取付座
3…基準球
4…段差
6…第一垂直アーム
7…自在継手
8…第二アーム
9…プローブ
11…レーザ光走査機構
12…撮像装置
13…レーザ光
14…走査
16…輝線
30…計測対象物
31…波型面
50…基準部材(従来の)
51…取付座(従来の基準部材の)
52…所定形状部(真球。従来の基準部材の)
53…造影剤
Claims (2)
- セラミックから成る所定精度の真球部を有する基準部材が3個以上計測対象物に取着され、前記基準部材を含む前記計測対象物の三次元形状が、前記計測対象物の或る姿勢とその裏返しの姿勢について光学的手法で計測され、前記基準部材の真球部の三次元形状から導出された各基準点を指標にして、前記計測で取得された計測対象物の夫々の姿勢についての夫々の三次元形状データが、前記計測対象物の三次元形状を表す一つの三次元形状データへと合成される三次元形状計測方法に於て、
前記基準部材の真球部の表面全体が所定精度の粗面とされ、且つ該真球部には段差が形成されている
ことを特徴とする三次元形状計測方法。 - セラミックから成る所定精度の真球部を有し、計測対象物に3個以上取着され、それを含めた前記計測対象物の三次元形状が、前記計測対象物の或る姿勢とその裏返しの姿勢について光学的手法で計測され、前記真球部の三次元形状から導出された各基準点を指標にして、前記計測で取得された計測対象物の夫々の姿勢についての夫々の三次元形状データが、前記計測対象物の三次元形状を表す一つの三次元形状データへと合成される三次元形状計測に使用される三次元形状計測用基準部材に於て、
前記真球部の表面全体が所定精度の粗面とされ、且つ該真球部には段差が形成されている
ことを特徴とする三次元形状計測用基準部材。
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