JP6472641B2 - 非接触位置決め方法および非接触位置決め装置 - Google Patents
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Description
しかし、接触式の検出器では、温度などの環境変動による誤差が避けられない。とくに、測定面が多数ある場合、各測定面に対する接触動作を繰り返す必要があり、作業時間が長大化し、前述した環境変動による誤差が更に拡大することもある。
これに対し、各測定面に直接レーザ光を照射する、非接触式の測定が行われている。
つまり、基準器などの所期のピッチで配列された多数の測定面の各々に対し、レーザ干渉計を用いた非接触式の位置測定を行うためには、各測定面とレーザ干渉計とを正確に位置決めする非接触位置決め装置が必要とされる。
特許文献1では、光源からのレーザ光を参照光と測定光とに分け、配列された周期的な測定面に測定光を斜めに入射させて反射させ、反射光を先の参照光と合わせてホログラムを生成させ、記録しておく。そして、位置決めの際には、同様な配置において、記録しておいたホログラムと実際に生成されるホログラムとが一致した状態を検出し、当該位置を選択することで、高精度の位置決めを実現している。
特許文献2は、一般の白色光源のコヒーレンス長が短いことを利用し、マイケルソン形光波干渉計の参照光と測定光との光路長が一致したところで、測定面の位置決めを行うものである。
しかし、特許文献1を、長尺で大型の測定対象物に適用した場合、測定対象物の測定軸方向のアライメントの狂いや移動台の姿勢変化(ピッチング、ヨーイング、ローリング、など)の影響が無視できなくなる。
さらに、現状の白色光源干渉計による位置決めでは、位置決め対象面への照明が垂直方向に限定され、かつ粗面の位置決めが不可能であり、測定対象物が限定され、前述した多数の測定面が繰り返される基準器への適用が困難である。
予め、前記位置決め対象面が所期の基準位置に配置された状態で、前記位置決め対象物を挟んで反対側に得られる、前記位置決め対象面で反射された一対の前記レーザ光を、互いに重ね合わせてホログラフィ干渉させ、得られたホログラムを前記基準ホログラムとして記録しておき、
前記位置決め対象物を移動させ、前記位置決め対象面に一対のレーザ光を入射させ、前記位置決め対象面で反射された一対の前記レーザ光からホログラムを生成し、得られる生のホログラムを前記基準ホログラムと重ね合わせ、得られる重ね合わせ状態に基づいて前記位置決め対象物の位置決めを行うことを特徴とする。
本発明において、ホログラフィ干渉に基づく位置決め対象物の位置決めとしては、前述した特許文献1に記載の技術を利用することができる。
この際、一対のレーザ光が位置決め対象面に入射して反射される光路は、互いに同じ経路で逆向きとなり、位置決め対象物(位置決め対象面のレーザ光の入射位置を通る配列方向軸線)を基準として各側で対称形となる。
従って、これら一対の信号光をホログラフィ干渉させ、得られたホログラムに基づいて位置決め対象物の位置決めを行うことで、位置決め対象面の傾きの影響を解消することができる。
この場合でも、生成されたホログラムには各側の信号光における傾きの影響による測定誤差を相殺することができる。
これにより、長尺で大型の位置決め対象物に適用した場合でも、位置決め対象物の測定軸方向のアライメントの狂いや移動台の姿勢変化(ピッチング、ヨーイング、ローリング、など)の影響を解消することができる。
とくに、本発明では、共通のレーザ光を供給する投光装置、および位置決め対象物の両側に配置された第1光学経路および第2光学経路を有するホログラフィ干渉装置を用いることで、各側のホログラムに生じる位置決め対象面の傾き誤差を相殺させることができ、更に高精度な位置決めを行うことができる。
本発明では、第1光学経路および第2光学経路により、位置決め対象面で反射された逆向き一対のレーザ光(信号光)が生成され、これらの信号光は第1投射面および第2投射面に投射される。第2光学経路の信号光は、第2投射面の反射鏡で反射され、第1投射面において第1光学経路の信号光と重ね合わせられる。これにより第1投射面には現在のホログラムが生成され、記録媒体による基準ホログラムとの重ね合わせにより、検出装置において位置決め対象面の位置信号を検出することができる。
とくに、本発明では、共通のレーザ光を供給する投光装置、および位置決め対象物の両側に配置された第1光学経路および第2光学経路を有するホログラフィ干渉装置を用いることで、各側のホログラムに生じる位置決め対象面の傾き誤差を相殺させることができ、更に高精度な位置決めを行うことができる。
本発明では、第1光学経路および第2光学経路により、位置決め対象面で反射された逆向き一対のレーザ光(信号光)が生成され、これらの信号光は第1投射面および第2投射面の反射鏡でそれぞれ反射され、反射された一対の信号光は、記録媒体において互いに重ね合わせられる。これにより記録媒体には現在のホログラムが生成され、記録媒体による基準ホログラムとの重ね合わせにより、検出装置において位置決め対象面の位置信号を検出することができる。
〔第1実施形態〕
図1ないし図6には、本発明には含まれないが後述する本発明の第2実施形態、第3実施形態、および第4実施形態の前提となる第1実施形態が示されている。
図1において、ステップゲージ測定装置1は、長尺の基準器であるステップゲージ2のピッチを測定するためのものである。
ステップゲージ2は、長尺のゲージホルダ2Hに、所定ピッチで多数のブロックゲージ2Bが配列されたものである。本実施形態においては、各ブロックゲージ2Bの同じ側にある測定面2Sの、ゲージホルダ2Hの長手方向(配列方向)の位置を決めることで、各ブロックゲージ2B間のピッチを測定する。
制御装置8は、移動装置3、ヘッド機構5、非接触位置決め装置6およびレーザ干渉測長機7を連携させて制御することで、一連のステップゲージ2の測定面2S間つまりブロックゲージ2B間のピッチの測定を実行するものである。
移動台31および基礎台32は、ステップゲージ2の長手方向に沿って延びる長尺の部材で構成されている。
設置台33は、移動台31の端部に設置され、移動台31とは交差方向に延びている。設置台33の端部には、それぞれレーザ干渉測長機7の投光部71および受光部72(詳細は後述)が設置されている。
なお、移動装置3の総移動量(基礎台32に対する移動台31の最大移動量)は、ステップゲージ2の全長に相当するものとされる。
プレート41には、レーザ干渉測長機7の3つの反射鏡73,74,75(詳細は後述)が設置されている。
一対のホログラフィ干渉装置61は、移動装置3に載置されたステップゲージ2に平行とされ、かつステップゲージ2を両側から挟むように配置されている。
ヘッド機構5の総移動量は、高々数mm程度である。ただし、位置決めヘッド4の支持剛性、つまり位置決めヘッド4の位置の保持能力は高く設計される。
すなわち、測定面2Sと位置決めヘッド4とを高精度に位置合わせしておき、この状態で、レーザ干渉測長機7を用いて位置決めヘッド4の位置を測定する。つまり、位置決めヘッド4を介して間接的に、ステップゲージ2における各測定面2Sの位置を、レーザ干渉測長機7で高精度に測定する。
このような測定を、各測定面2Sに対して順次繰り返すことで、ステップゲージ2における各測定面2S間のピッチが測定できる。
そこで、本実施形態では、非接触位置決め装置6を用い、測定面2Sと位置決めヘッド4とを、全ての測定面2Sが互いに同じ条件となるように、ホログラフィ干渉を利用して高精度に位置決めする。
非接触位置決め装置6については、後に詳細に説明する。
投光部71および受光部72は、移動装置3の設置台33の互いに反対側の端部にそれぞれ固定されている。
反射鏡73,74は、それぞれ移動装置3を挟んで反対側に配置されている。反射鏡75は、移動装置3の上方であって移動装置3の中心軸線上に配置されている。
図2(A)および図2(B)に示すように、投光部71から出射されたレーザ光は、移動装置3に載置されたステップゲージ2の長手方向に沿って進み、反射鏡73に入射される。反射鏡73で反射されたレーザ光は、反射鏡75に入射され、さらに反射されて反射鏡74に入射される。反射鏡74で反射されたレーザ光は、移動装置3に載置されたステップゲージ2の長手方向に沿って先ほどとは逆向きに進み、受光部72で受光される。
従って、受光部72で受光した測定レーザ光を、投光部71から受光部72に直接送られる参照レーザ光と干渉させることで、移動台31の変位を測定し、位置決めヘッド4までの距離の変化を測長することができる。
すなわち、ステップゲージ2の両側の反射鏡73,74に対し、プレート41に装着した反射鏡75を高く配置することで、投光部71から反射鏡73までの間の光路および反射鏡74から受光部72までの間の光路を、それぞれ測長対象であるブロックゲージ2Bおよび測定面2Sの高さに維持することができる。
このような構成により、測定軸線を測定面2Sの高さにして、ステップゲージ2の姿勢変化に因る測定誤差、とくにピッチング誤差およびヨーイング誤差を解消することができる。
これにより、前述のような3つの反射鏡73,74,75によりステップゲージ2を跨ぐことができるとともに、測定面2S上の点Mでレーザ光を反射させるのと等価な光路(測定面2S上の点Mからステップゲージ2の長手方向に沿って投光部71および受光部72までの距離に等価な光路)を確保することができる。
図3において、従来のステップゲージ測定装置1Pでは、位置決めヘッド4、ヘッド機構5、接触式位置決め装置6P、レーザ干渉測長機7Pおよび制御装置8Pが設置される。このうち、位置決めヘッド4、ヘッド機構5は本実施形態のステップゲージ測定装置1と同様である。一方、接触式位置決め装置6P、レーザ干渉測長機7Pおよび制御装置8Pは、本実施形態のステップゲージ測定装置1とは異なる。
ステップゲージ測定装置1Pでは、機械的な接触式プローブ69Pを用いることから、各ブロックゲージ2Bを位置決めする際には、ヘッド機構5により、位置決めヘッド4を昇降させて、相互の干渉を避ける必要がある。
すなわち、ステップゲージ測定装置1Pでは、位置決めが一つの測定面2Sで終了した後、再びヘッド機構5により位置決めヘッド4を上昇させ、ヘッド機構5をステップゲージ2の長手測定方向に移動させ、次のブロックゲージ2Bの測定面2Sの近くで再び位置決めヘッド4を所望の測定面2Sの位置まで下降させ、安定状態を確認して位置決めする。
従来のステップゲージ測定装置1Pでは、接触式位置決め装置6Pを用いることで、ヘッド機構5の長手測定方向への移動、位置決めヘッド4の上下動と長手測定方向への移動、それらの位置決めの際の静止状態の保持、位置決め信号の発生、などの機能を得ている。
とくに、本実施形態のステップゲージ測定装置1における特長は、非接触位置決め装置6による効果である。
以下、本実施形態の非接触位置決め装置6について説明する。
偏光ビームスプリッタ622で反射されたレーザ光LA(s偏光)は、前述した配列方向つまりステップゲージ2と平行に送られ、一対のホログラフィ干渉装置61の一方(ホログラフィ干渉装置61A)に供給される。
このように、投光装置62は、一対のホログラフィ干渉装置61に、それぞれ同じ特性のレーザ光LA,LBを供給する。
ビームスプリッタ612は、絞られたレーザ光LA,LBの一部を透過させ、他の一部を反射させる。
また、集光レンズ611は、レーザ光LA,LBの焦点が、測定面2Sの所定位置に合焦するように調整されている。
前述した測定面2Sに入射されたレーザ光LA,LBは、反対側のホログラフィ干渉装置61のビームスプリッタ612を透過して進む。
これらの光束(反射鏡613で反射されたレーザ光、および測定面2Sで反射されビームスプリッタ612を透過したレーザ光)は、各々の光軸が交差する投射面618(第1投射面618Aおよび第2投射面618B)で重ね合わせられ、ホログラムを生成する。
ビームスプリッタ612Aを透過したレーザ光LArは、反射鏡613Aで反射され、第1投射面618Aに送られる。
レーザ光LBsは、測定面2Sで反射され、反対側のホログラフィ干渉装置61Aのビームスプリッタ612Aを透過し、第1投射面618Aに送られる。
つまり、第1投射面618Aには、測定面2Sで反射されたレーザ光LBsと、参照光となるレーザ光LArとが重ね合わせられ、これにより測定面2SのホログラムHAが生成される。
第1投射面618Aに生成されるホログラムHAと、第2投射面618Bに生成されるホログラムHBとは、光源が同じレーザ光Loから生成され、かつ測定面2Sの同じ位置に同じ角度で入射されており、従って向きが逆であるが他の条件は同一である。
第2投射面618Bに配置された第2記録媒体63Bには、予め第2基準ホログラムRHBが記録されている。
これらの第1基準ホログラムRHAおよび第2基準ホログラムRHBは、測定面2Sが所期の位置に正確に位置決めされた基準状態において、第1投射面618Aおよび第2投射面618Bに生成されるホログラムHA,HBを記録したものである。
この状態で、投光装置62でレーザ光Loを発生させると、ホログラフィ干渉装置61A,61Bにそれぞれレーザ光LA,LBが供給され、第1投射面618AにはホログラムHAが生成され、第2投射面618BにはホログラムHBが生成される。
検出素子64では、第1記録媒体63Aおよび第2記録媒体63Bのレーザ光入射側とは反対側の透過光を観測する。また、入射側を観測してもよい。
前述の通り、第1投射面618Aには、ホログラフィ干渉装置61Aからのレーザ光LAr,LBsにより、ホログラムHAが生成される。
従って、第1投射面618Aには、第1記録媒体63Aから再生された第1基準ホログラムRHAと、レーザ光LAr,LBsに基づく現在のホログラムHAとが重ね合わせられる。
同様にして、第2検出素子64Bにおいては、第2基準ホログラムRHB(凍結ホログラム)および現在のホログラムHB(生のホログラム)を重ね合わせたとき、画像全体の透過光の強弱が観測される。
これらのずれ量の検出ないし正しいずれ量による最終的な位置決め信号の位置決め動作制御は、制御装置8で一括して行われる。
図6(A)に示す波形は、第1集光レンズ66Aまたは第2集光レンズ66Bで集光され、第1検出素子64Aまたは第2検出素子64Bで観測されるレーザ光の強弱信号を光電変換した位置決め信号波形を示す。
ステップゲージ2が更に移動し、次のブロックゲージ2Bの測定面2Sに対してレーザ光LA,LBが入射されると、新たな測定面2Sについて同様な位置決め信号の強弱変化が繰り返される。
この際、一対のレーザ光が位置決め対象面に入射して反射される光路(第1光学経路619Aおよび第2光学経路619B)は、互いに同じ経路で逆向きとなり、ステップゲージ2の長手方向を基準として各側で対称形となる。
従って、各側に得られた一対のホログラムHA,HBから位置情報(図6参照)を検出し、得られた一対の位置情報を合成(算術和の平均値の位置を発生)することで、各々の傾きの影響による測定誤差を相殺することができる。
これにより、長尺で大型の位置決め対象物に適用した場合でも、位置決め対象物の測定軸方向のアライメントの狂いや移動台の姿勢変化(ピッチング、ヨーイング、ローリング、など)の影響を解消することができる。
図7および図8には、本発明の第2実施形態が示されている。
前述した第1実施形態の非接触位置決め装置6では、第1投射面618Aおよび第2投射面618Bにおいて、それぞれレーザ光LAr,LBsのホログラフィ干渉あるいはレーザ光LBr,LAsのホログラフィ干渉を生じさせてホログラムHA,HBを生成した。さらに、第1記録媒体63Aおよび第2記録媒体63Bに基準ホログラムRHA,RHBを記録しておき、それぞれと現在のホログラムHA,HBとの重ね合わせを第1検出素子64Aおよび第2検出素子64Bで観測した。
なお、本実施形態は非接触位置決め装置6の構成が異なるのみであり、ステップゲージ測定装置1と共通する構成についての重複した説明は省略する。
ただし、本実施形態では、第1実施形態のようなレーザ光LAr、LBrは用いない。
本実施形態では、第2投射面618Bの位置に反射鏡65が設置され、測定面2Sで反射されたレーザ光LAsが第1投射面618Aの記録媒体63に向けて反射される。
反射されたレーザ光LAsは、ビームスプリッタ612Bを透過し、第2投射面618Bの反射鏡65で反射され、第1投射面618Aの記録媒体63に入射される。
反射されたレーザ光LBsは、ビームスプリッタ612Aを透過し、第1投射面618Aの記録媒体63に入射される。
従って、第1投射面618Aにおいては、レーザ光LAsおよびレーザ光LBsが重ね合わせられ、これらによりホログラムHCが生成される。
図8(A)に示すように、測定面2Sを、前述した第1実施形態と同様に正確に位置決めしておき、その際のホログラムHCを記録媒体63に記録することで、基準ホログラムRHCが記録される。
この際、ホログラムHCは、互いに逆向きのレーザ光LAsおよびレーザ光LBsを重ね合わせたものであるため、測定面2Sの傾きの影響は各々に逆向きに生じ、重ね合わせに伴って互いに相殺される。
さらに、本実施形態では、第1投射面618Aおよび第2投射面618Bまでの2系統の光路(第1光学経路619Aおよび第2光学経路619B)は共通であるが、それ以降の記録媒体63および検出素子64は1系統とされており、構造の簡略化およびコストの低減を図ることができる。
また、ホログラムHCとして、互いに逆向きのレーザ光LAsおよびレーザ光LBsを重ね合わせることで、ホログラム段階で測定面2Sの傾きの影響を相殺することができ、制御装置8における処理を簡略化することができる。
図9ないし図12には、本発明の第3実施形態が示されている。
前述した第2実施形態の非接触位置決め装置6Aでは、互いに逆向きのレーザ光LAsとレーザ光LBsとのホログラフィ干渉によりホログラムHCを生成していた。
本実施形態でも、同様なホログラムHCを採用するが、逆向きのレーザ光LAsとレーザ光LBsの光路構成が異なる。
つまり、本発明の必須構成としての第1光学経路619Aおよび第2光学経路619Bの対称性は確保されていたが、第1投射面618Aおよび第2投射面618B以降の光路構成が非対称になっていた。
これに対し、本実施形態の非接触位置決め装置6Bでは、第1投射面618Aおよび第2投射面618B以降の光路構成についても、対称性を確保する。
記録媒体63の背面側には集光レンズ66および検出素子64が設置され、記録媒体63の表面に生成されるホログラムHCおよび再生される基準ホログラムRHCの重ね合わせの観測が行われる。
なお、記録媒体63に予め記録しておく基準ホログラムRHCは、図11および図12に示す状態で記録される。
さらに、本実施形態では、第1光学経路619Aおよび第2光学経路619Bの対称性に加えて、第1反射鏡65Aおよび第2反射鏡65Bから記録媒体63に至る光路構成についても対称性が確保されている。このため、レーザ光LAr、LBr(第1実施形態)の省略による簡略化の効果を得つつ、全体配置を対称にすることができ、簡略化と高精度とを両立することができる。
図13および図14には、本発明の第4実施形態が示されている。
前述した第2実施形態および第3実施形態の前提となる第1実施形態では、投光部71、受光部72および3つの反射鏡73,74,75を用いるレーザ干渉測長機7により、両側で投受光する従来のレーザ干渉測長機7Pでは得られない各効果を得ていた。
これに対し、本実施形態のレーザ干渉測長機7Aは、投光部71、受光部72および2つの反射鏡73,74を用いることで、光路構成の簡略化が図られている。
2つの反射鏡73,74は、それぞれ位置決めヘッド4に固定され、投光部71および受光部72との相対的な距離変化の測長を可能にする。
この際、反射鏡73,74は、ステップゲージ2よりも高い位置に支持されており、反射鏡73,74の間の光路がブロックゲージ2B等と干渉することがない。
また、投光部71および受光部72も設置台33に載せ、反射鏡73,74に対応した高さでステップゲージ2と共通の移動台31に固定されており、投光部71から反射鏡73までの間および反射鏡74から受光部72までの間の各光路は、それぞれステップゲージ2の長手方向(ブロックゲージ2Bの配列方向)と平行とされている。
図14(A)および図14(B)に示すように、投光部71から出射されたレーザ光は、移動装置3に保持されたステップゲージ2の長手方向に沿って進み、反射鏡73に入射される。反射鏡73で反射されたレーザ光は、直交方向に向きを変え、ステップゲージ2の上方を横断して反射鏡74に入射される。反射鏡74で反射されたレーザ光は、移動装置3に保持されたステップゲージ2の長手方向に沿って先ほどとは逆向きに進み、受光部72で受光される。
すなわち、本実施形態では、投光部71から反射鏡73までの間の光路および反射鏡74から受光部72までの間の光路が、ステップゲージ2よりも高い位置に設定されるため、測定軸線が高さhだけオフセットし、ピッチング誤差が生じる可能性がある。
従って、本実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形等は本発明に含まれるものである。
前述した各実施形態では、本発明の適用対象を、長尺の基準器であるステップゲージ2のピッチを測定するためのステップゲージ測定装置1とした。
図17において、ボールねじ22は、所定ピッチでねじ山22Tが形成されている。ボールねじ22の長手方向に見ると、所定ピッチでねじ山22Tが繰り返し配列された状態となり、そのピッチの測定に本発明を適用することができる。
しかし、本発明は、例えば歯車のように、円周面上に周方向に沿って複数の歯面が配列される形状に対して適用してもよい。
2…ステップゲージ
21…マイクロパターン
21B…基材
21E…凸部
21S…側壁面
22…ボールねじ
22S…溝側面
22T…ねじ山
23…歯車
23S…歯面
23T…歯
2B…ブロックゲージ
2H…ゲージホルダ
2S…測定面
3…移動装置
31…移動台
32…基礎台
33…設置台
4…位置決めヘッド
41…プレート
42…延長プレート
5…ヘッド機構
6,6A,6B…非接触位置決め装置
61,61A,61B…ホログラフィ干渉装置
611,611A,611B…集光レンズ
612,612A,612B…ビームスプリッタ
613,613A,613B…反射鏡
618…投射面
618A…第1投射面
618B…第2投射面
619A…第1光学経路
619B…第2光学経路
62…投光装置
621…レーザ光源
622…偏光ビームスプリッタ
623…反射鏡
624…1/2波長板
63…記録媒体
63A…第1記録媒体
63B…第2記録媒体
64…検出素子
64A…第1検出素子
64B…第2検出素子
65…反射鏡
65A…第1反射鏡
65B…第2反射鏡
66…集光レンズ
66A…第1集光レンズ
66B…第2集光レンズ
7,7A…レーザ干渉測長機
71…投光部
72…受光部
73,74,75…反射鏡
8…制御装置
HA,HB,HC…ホログラム
Lo…光源からのレーザ光
LA,LB,LB’…レーザ光
LAr,LBr…参照用レーザ光
LAs,LBs…測定用レーザ光
RHA…第1基準ホログラム
RHB…第2基準ホログラム
RHC…基準ホログラム
Claims (3)
- 複数の位置決め対象面が前記位置決め対象面と交差する配列方向に配列された位置決め対象物を、前記配列方向に移動させ、前記位置決め対象面を所定の目標位置に位置決めするために、
同じ光源からの一対のレーザ光を、前記位置決め対象物を挟んで反対側から、前記位置決め対象面に対して同じ角度で、それぞれ前記位置決め対象面の同じ位置に入射させ、
前記位置決め対象面で反射された一対のレーザ光をホログラフィ干渉させ、得られたホログラムに基づいて前記位置決め対象物の位置決めを行う非接触位置決め方法であって、
予め、前記位置決め対象面が所期の基準位置に配置された状態で、前記位置決め対象物を挟んで反対側に得られる、前記位置決め対象面で反射された一対の前記レーザ光を、互いに重ね合わせてホログラフィ干渉させ、得られたホログラムを前記基準ホログラムとして記録しておき、
前記位置決め対象物を移動させ、前記位置決め対象面に一対のレーザ光を入射させ、前記位置決め対象面で反射された一対の前記レーザ光からホログラムを生成し、得られる生のホログラムを前記基準ホログラムと重ね合わせ、得られる重ね合わせ状態に基づいて前記位置決め対象物の位置決めを行うことを特徴とする非接触位置決め方法。 - 複数の位置決め対象面が前記位置決め対象面と交差する配列方向に配列された位置決め対象物を、前記配列方向に移動させ、前記位置決め対象面を所定の目標位置に位置決めする非接触位置決め装置であって、
前記位置決め対象物を前記配列方向に移動させる移動装置と、前記移動装置で移動される前記位置決め対象物を挟んで配置された第1光学経路および第2光学経路を有するホログラフィ干渉装置と、前記ホログラフィ干渉装置に共通のレーザ光源からのレーザ光を供給する投光装置と、前記ホログラフィ干渉装置で得られた一対のホログラムに基づいて前記位置決め対象物の位置決めを行う制御装置と、を有し、
前記ホログラフィ干渉装置は、
前記投光装置から供給された前記レーザ光を、前記位置決め対象面に対して所定の角度で、前記位置決め対象面の同じ位置に入射させる前記第1光学経路および前記第2光学経路と、
前記位置決め対象面で反射された前記レーザ光が投射される第1投射面および第2投射面と、
を有し、さらに、
前記第1投射面に配置されかつ基準ホログラムが記録された記録媒体と、
前記第2投射面に配置されかつ前記第2投射面に投射された前記レーザ光を前記第1投射面に向けて反射させる反射鏡と、
前記第1投射面に生成される現在のホログラムと前記記録媒体から再生される前記基準ホログラムとを重ね合わせて、前記位置決め対象面の位置信号を検出する検出装置と、
を有することを特徴とする非接触位置決め装置。 - 複数の位置決め対象面が前記位置決め対象面と交差する配列方向に配列された位置決め対象物を、前記配列方向に移動させ、前記位置決め対象面を所定の目標位置に位置決めする非接触位置決め装置であって、
前記位置決め対象物を前記配列方向に移動させる移動装置と、前記移動装置で移動される前記位置決め対象物を挟んで配置された第1光学経路および第2光学経路を有するホログラフィ干渉装置と、前記ホログラフィ干渉装置に共通のレーザ光源からのレーザ光を供給する投光装置と、前記ホログラフィ干渉装置で得られた一対のホログラムに基づいて前記位置決め対象物の位置決めを行う制御装置と、を有し
前記ホログラフィ干渉装置は、
前記投光装置から供給された前記レーザ光を、前記位置決め対象面に対して所定の角度で、前記位置決め対象面の同じ位置に入射させる前記第1光学経路および前記第2光学経路と、
前記位置決め対象面で反射された前記レーザ光が投射される第1投射面および第2投射面と、
を有し、さらに、
前記第1投射面および前記第2投射面から等距離に配置されかつ基準ホログラムが記録された記録媒体と、
前記第1投射面および前記第2投射面にそれぞれ配置されかつ前記第1投射面および前記第2投射面に投射された前記レーザ光を前記記録媒体に向けて反射させる一対の反射鏡と、
一対の前記反射鏡で反射された前記レーザ光により生成される現在のホログラムと、前記記録媒体から再生される前記基準ホログラムとを重ね合わせて、前記位置決め対象面の位置信号を検出する検出装置と、
を有することを特徴とする非接触位置決め装置。
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