JP2007150028A - 光学装置の調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法精度の高い長いレールを不要とし、筐体を回転させるという作業を不要とする光学装置の位置調整方法を提供する。
【解決手段】筐体103に保持される光ビーム発光素子であるLD102とこのLD102からの発散光を平行光とする集光光学素子であるコリメートレンズ101との相互の位置関係を調整する光学装置の調整方法である。基準土台21可動ステージ22可動ステージ22を直線上に配置する。調整用レーザ光源15をからの調整用光ビームがピンホールP1およびピンホールP2を通過するように、調整用光ビームの出射方向およびターゲット11の位置を調整する初期調整ステップと、筐体103に保持されるLD102からの光ビームがピンホールP1に照射されるようにLD102の位置を調整する調整ステップとを有するものである。
【選択図】図3

Description

この発明は、光学装置の調整方法に関し、特に、光ビーム発光素子と光ビーム発光素子からの発散光を平行光とする集光光学素子とを含む光学装置の調整方法に関する。
近年レーザ光を用いた装置が広範囲に産業上の各分野で用いられている。そして、このようなレーザ光を用いた装置を用いる装置においては、光学的な調整が非常に重要となっており、光学的な調整が不十分である場合には、十分に装置の性能を発揮できない場合もありうる。
例えば、ホログラム記録、高精度計測などの分野では、単一縦モード光を出射するレーザが必要とされている。そして、半導体レーザであるLD(レーザダイオード)に外部共振器を付加した外部共振器レーザが単一縦モード光を得るための比較的安価で簡便な方法の一つであるので多用されている。外部共振器レーザとしては、例えば、リットロー型のレーザ装置がある(例えば、非特許文献1を参照)。
リットロー型のレーザ装置においては、コリメートレンズに対するLDの位置調整には高精度が必要とされている。すなわち、外部共振器から単一縦モード光を出射するための帰還光量を得る為には、コリメートレンズのNAを従来の光ディスクで用いられるNA(0.2程度)よりも高いNA(例えば0.5以上など)として使用しなくてはならないために調整には高精度が必要とされるものである。そして、この外部共振器レーザをホログラムメモリに応用する際には、記録光源として均一な波面が必要となっており、通常は外部共振器レーザの後に空間フィルタを設置している。このとき、上述したようにNAが高いコリメートレンズを用いた結果、その調整には、より高精度のものが要求されるにもかかわらず、LDの調整が悪く発振波面が悪い場合は、空間フィルタの透過率が低下するので記録メディアに届く光量が低下してしまい、結果的には高転送レート実現の阻害要因となる。そこで、このような用途に用いる光学装置においては、従来に較べてさらに高精度のコリメートレンズに対するLDの位置調整が必要となる。
ここで、従来のコリメートレンズに対するLDの調整をどのようにしているかについて、図6と図7を参照して簡単に説明する。図6は、従来における調整方法の全体の概念を説明する模式図である。まず、表面の平坦精度を高くした長いレール100を安定な土台の上に置き、レール100の片端にコリメートレンズ101およびLD(レーザダイオード)102を組み込んだ筐体103(例えば、光学ピックアップの光学部品取り付けブロック)を置く。ここで、筐体103の2つの底面(レール100と接する面)は、基準面として表面の平坦精度を高くしてある。そして、レール100のもう一方の片端にターゲット104を立てる。このターゲット104のレール100と接する面も同様に、表面の平坦精度を高くしてある。このターゲット104には筐体103の縦と横の2つの基準面となる底面からコリメートレンズ101の光軸(光学系を構成する屈折曲面の曲率中心を連ねる直線、以下、光軸の用語を同じ意味で用いる。図8を参照)の位置までの距離に応じた高さにターゲット用線Laおよびターゲット用線Lbが引いてある。
図7は、ターゲット104に引かれたターゲット用線Laおよびターゲット用線Lbの位置と、筐体103に配されたコリメートレンズ101の光軸の位置との関係を表す図である。ここで、距離aは、筐体103の基準面となる底面103b(以下、基準面103bと省略する)と筐体103に固着されたコリメートレンズ101の光軸の位置とのY方向距離を表し、距離bは、筐体103基準面となる底面103a(以下、基準面103aと省略する)と筐体103に固着されたコリメートレンズ101の光軸の位置とのX方向距離を表すものである。なお、Y方向距離およびX方向距離の原点はレール100の平坦な表面とされている。
コリメートレンズ101に対するLD102の位置の調整は以下のようにして行われる。まず、レール100の長手方向の一方の端に、筐体103の平坦なY方向基準面103bをレール100の平坦面に接して配置し、レール100の長手方向の他方の端に、ターゲット104の平坦な底面104aをレール100の平坦面に接して配置する。LD101から出射されコリメートレンズ101を透過したレーザ光の光線aがこのターゲット用線Laの線上にくるようにLD102の位置をY軸方向に移動させる(図6の(A)において、矢印で示す方向がY軸方向である)。
次に、筐体103を90度回転させ、レール100の長手方向の一方の端に、筐体103の平坦なX方向基準面103aをレール100の平坦面に接して配置し、レール100の長手方向の他方の端に配置されターゲット用線Lbの線上にLD102から出射され、コリメートレンズ101を透過したレーザ光の光線bがくるようにLD102の位置をX軸方向に移動させる(図6の(B)において、矢印で示す方向がX軸方向である)。このようにして、コリメートレンズに対するLD101の位置の調整を正確におこなうことができる。ここで、レール100の長さが長ければ長いほど、正確な位置合わせが可能となるものである。
L. Ricci, et al. 「A compact grating-stabilized diode laser system for atomic physics」, Optics Communications, 117 1995, pp541-549
背景技術に示した、従来の調整方法では、コリメートレンズ101に対するLD102の位置の調整精度を出す為には寸法精度の高い長いレール100が必要とされ、さらにLD102の2つの方向、すなわち、X軸方向とY軸方向の調整をおこなうためには、筐体103を回転させるという作業が必要となり、調整に時間を要した。
本発明は従来の課題を解決して、寸法精度の高い長いレールを不要とし、さらに、X軸方向とY軸方向の調整をおこなうに際して、筐体を回転させるという作業を不要とする、より改善された光学装置の位置調整方法を提供するものである。
本発明の光学装置の調整方法は、筐体に保持される光ビーム発光素子と前記光ビーム発光素子からの発散光を平行光とする集光光学素子とを含む光学装置の調整方法であって、前記筐体の位置基準となる筐体基準面と当接する基準土台基準面を有する基準土台と、前記基準土台から調整精度に応じて離間した第1の可動ステージと、前記第1の可動ステージからさらに離間した第2の可動ステージと、を直線上に配置し、平面を貫通する第1のピンホールを設けた第1のターゲットを前記第1の可動ステージに配置し、平面を貫通するピンホールの中心の位置が前記基準土台基準面を基準として前記筐体に保持される前記集光光学素子の光軸と一致する第2のピンホールを設け、前記第2のピンホールの開口部が形成される平面に光ビームを反射する反射板を設けた第2のターゲットを前記基準土台の所定の位置に配置し、平行光とされた調整用光ビームを出射する調整用レーザ光源を前記第2の可動ステージに配置し、前記調整用光ビームが前記第1のピンホールおよび前記第2のピンホールを通過して、前記反射板で反射して、前記第1のターゲットの前記平面に生じる光ビームの中心と前記第1のピンホールの中心とが一致するように、前記調整用光ビームの出射方向および前記第1のターゲットの位置を調整する初期調整ステップと、前記初期ステップの終了後に、前記第2のターゲットに替えて、前記筐体基準面が前記基準土台の前記基準土台基準面に当接するように前記筐体を所定の位置に配置し、前記筐体に保持される前記光ビーム発光素子からの光ビームが前記第1のピンホールの中心に照射されるように前記光ビーム発光素子の基準土台基準面からの離間距離を調整する調整ステップと、を有するものである。
この光学装置の調整方法では、筐体に保持される光ビーム発光素子とこの光ビーム発光素子からの発散光を平行光とする集光光学素子とを含む光学装置の調整方法であって、筐体の位置基準となる筐体基準面と当接する基準土台基準面を有する基準土台と、この基準土台から調整精度に応じて離間した第1の可動ステージと、この第1の可動ステージからさらに離間した第2の可動ステージと、を直線上に配置する。
また、平面を貫通する第1のピンホールを設けた第1のターゲットをこの第1の可動ステージに配置し、直交する2つの基準土台基準面の両方に直交する平面を貫通するピンホールの中心の位置が基準土台基準面を基準として筐体に保持される集光光学素子の光軸と一致する第2のピンホールを設け、第2のピンホールの開口部が形成される平面に光ビームを反射する反射板を設けた第2のターゲットを基準土台の所定の位置に配置し、平行光とされた調整用光ビームを出射する調整用レーザ光源を前記第2の可動ステージに固着する。
そして、調整用光ビームが第1のピンホールおよび第2のピンホールを通過して、反射板で反射して、第1のターゲットの平面に照射される光ビームの中心と第1のピンホールの中心とが一致するように、調整用光ビームの出射方向および第1のターゲットの位置を調整する初期調整ステップを有する。このようにして、調整用光ビームが第2のピンホールを形成した面と正確に直交するように進行し、かつ、調整用光ビームの中心の位置を、筐体を基準土台上に配置した場合における集光光学素子の光軸の位置と一致させることができる。さらに、第1のピンホールの中心を集光光学素子の光軸の位置と一致させることができる。
さらに、初期ステップの終了後に、第2のターゲットに替えて、筐体基準面が基準土台の基準土台基準面に当接するように筐体を所定の位置に配置し、筐体に保持される光ビーム発光素子からの光ビームが第1のピンホールの中心に照射されるように光ビーム発光素子の基準土台基準面からの離間距離を調整する調整ステップを有する。このようにして、筐体に保持される光ビーム発光素子からの光ビームを第1のピンホールの中心に照射するように調整することによって、集光光学素子の光軸の位置と光ビーム発光素子からの光ビームの中心の位置とを一致させることができる。この場合において、基準土台と第1の可動ステージとの離間距離に応じた調整精度を得ることができる。
本発明によれば、寸法精度の高い長いレールを不要とし、筐体を回転させるという作業を不要とする光学装置の位置調整方法を提供することができる。
(第1実施形態)
図1ないし図4に沿って、第1実施形態の光学調整方法を示す。第1実施形態は、筐体103(図3を参照)に保持されるコリメートレンズ101(図3を参照)の光軸が基準土台21(図3を参照)のX方向基準面21a(図3を参照)およびY方向基準面21b(図3を参照)の両方に平行となるように設定されている場合におけるコリメートレンズに対するLDの位置調整の方法に関するものである。
図1は、本実施形態において必要となる2つのターゲットであるターゲット11とターゲット12とを示すものである。以下の図1の(A)、図1の(B)に沿った説明においては、紙面の表裏方向をZ軸方向とし、Z軸の正方向を紙面の裏面から表面に向かう方向としている。また、紙面の上下方向をY軸方向とし、Y軸の正方向を紙面の下側から上側に向かう方向としている。また、紙面の左右方向をX軸方向とし、X軸の正方向を紙面に向かって左側から右側に向かう方向としている。図1の(C)に沿った説明においては、紙面の表裏方向をX軸方向とし、X軸の正方向を紙面の裏面から表面に向かう方向としている。また、紙面の上下方向をY軸方向とし、Y軸の正方向を紙面の下側から上側に向かう方向としている。また、紙面の左右方向をZ軸方向とし、Z軸の正方向を紙面に向かって右側から左側に向かう方向としている。この座標軸で表す、ターゲット11およびターゲット12の位置は、後述する初期ステップの終了後に、可動ステージ22及び可動ステージ23に配置されたターゲット11とターゲット12とが理想的な位置関係となった状態を基準とした位置を表すものである。
図1の(A)に正面図を示すターゲット11は、ピンホールP1を設けた熱膨張率の小さい部材で形成されるブロック材である。ピンホールP1は、ターゲット11の表面(図1では紙面の表面)からターゲット11の裏面(図1では紙面の裏面)に及ぶ貫通孔である。
図1の(B)に正面図を示し、図1の(C)に側面図を示すターゲット12は、筐体103に保持されるコリメートレンズ101(図3を参照)の光軸が配置されるべきX軸方向およびY軸方向の位置と同じ位置にピンホールP2の中心を設けた熱膨張率の小さい部材で形成されるブロック材である。ピンホールP2は、ターゲット12の表面(図1では紙面の表面)からターゲット11の裏面(図1では紙面の裏面)に及ぶ貫通孔である。ターゲット12の背面のピンホールP2の開口部には、ミラー13を貼り付けている。
また、ターゲット12は、X軸方向の筐体基準面であるX方向基準面12aおよびY軸方向の筐体基準面であるY方向基準面12bの2つの平坦な基準面を有している。X方向基準面12aは、基準土台21のX方向の基準面となるX方向基準面21aに押し当てられ、Y方向基準面12bは、基準土台21のY方向の基準面となるY方向基準面21bに押し当てられて位置精度をだすようになされている。また、X方向基準面21aおよびY方向基準面12bの厚み、すなわち、X軸およびY軸の両方に直交する座標軸であるZ軸方向の長さは、ミラー13が貼り付けられたターゲット12の背面の精度が十分に出せるような長さに設定されている。すなわち、ターゲット12のミラー13が貼り付けられた背面部分は、基準土台21(図2を参照)の直交する2つの基準土台基準面であるX軸方向の位置の基準となるX方向基準面21a(図3を参照)およびY軸方向の位置の基準となるY方向基準面21b(図3を参照)の両方に直交する、風圧や振動等に対して安定した位置を確保した平面となるように、ターゲット12の厚み(Z軸方向長さ)は十分な大きさとされている。
図2は、本実施形態の調整方法の初期調整ステップにおける上述した部材であるターゲット11およびターゲット12の初期設定を示すものである。初期設定において、どのようにターゲット11、ターゲット12の位置を設定するかについて、各部の構成に言及しながら以下に説明をする。以下の図2に沿った説明においては、紙面の表裏方向をX軸方向とし、X軸の正方向を紙面の裏面から表面に向かう方向、すなわち、X方向基準面21aを原点に定めるものとする。また、紙面の上下方向をY軸方向とし、Y軸の正方向を紙面の下側から上側に向かう方向、すなわち、Y方向基準面21bを原点に定めるものとする。また、紙面の左右方向をZ軸方向とし、Z軸の正方向を紙面に向かって右側から左側に向かう方向、すなわち、LD102の光ビーム発光点を原点に定めるものとする。また、R方向はY軸の周りを回転する方向で、Y軸の正方向に向かって右回りに回転する方向を正方向に定めている。また、θ方向はX軸の周りを回転する方向で、X軸の正方向に向かって右回りに回転する方向を正方向に定めている。
基準土台21は、X方向の基準面となるX方向基準面21aと、Y方向の基準面となるY方向基準面21bとを備えている。X方向基準面21aは、Y軸と平行する平行精度の高い、表面が平坦化された基準面であり、Y方向基準面21bは、X軸と平行する平行精度の高い、表面が平坦化された基準面である。基準土台21は、基準となる床(図示せず)の上に置かれている。ここで、床は、水平、垂直方向が正確に特定された位置基準である必要はないが、硬い面であり、周囲からの振動の影響を受けない面であることが望ましい。ターゲット12のX方向基準面12aは基準土台21のX方向基準面21aと接して押し付けられ、ターゲット12のY方向基準面12bは基準土台21のY方向基準面21bと接して押し付けられて基準土台21の上に配置されている。これによって、基準土台21とターゲット12との位置関係は、所定の位置関係が維持される。
ターゲット11は、可動ステージ22の上に置かれている。ここで、可動ステージ22と基準土台21とのZ軸方向の離間距離は長ければ長いほど、調整精度は向上するものであり、離間距離は、光ビームの強度が減衰することなく視認ができる範囲であれば、理論的な限界があるものではなく、この離間距離に応じて調整精度が向上するものである。本実施形態においては、2m(メータ)程度としている。可動ステージ22は、基準となる床(図示せず)の上に置かれている。ここで、床は、水平、垂直方向が正確に特定された位置基準である必要はないが、硬い面であり、周囲からの振動の影響を受けない面であることが望ましい。また、この床は、ターゲット12が置かれた床と同一の床である必要はなく、例えば、別の建物の床であっても良い。
可動ステージ22は、X軸方向、Y軸方向、R方向およびθ方向の各々に独立して移動可能なステージであり、マイクロ・メータ方式で構成される、X方向調整ねじ、Y方向調整ねじ、R方向調整ねじおよびθ方向調整ねじによって、可動ステージ22の上に配される物体を各々の方向に微細に移動させることが可能とされている。
調整用レーザ光源15は、可動ステージ23の上に置かれている。ここで、可動ステージ23は、可動ステージ22と同じ構成の可動ステージであり、X軸方向、Y軸方向、R方向およびθ方向の各々に独立して、調整用レーザ光源15を移動させることが可能とされている。
このような配置において、ターゲット11および調整用レーザ光源15のX軸方向、Y軸方向、R方向およびθ方向の調整を行う。調整は、以下の手順で行う。調整用レーザ光源15から出射された光線c(光ビームの仮想的な中心を、以下光線の用語を用いて表す)がターゲット11のピンホールP1を透過するようにする。さらに、その光線cはターゲット12に照射される。そして、調整用レーザ光源15のR方向およびθ方向の角度とX軸方向およびY軸方向の位置と、ターゲット11のR方向およびθ方向の角度とX軸方向およびY軸方向の位置とを同時に調整して、ターゲット12に照射された光ビームがその中心のピンホールを透過し背面のミラー13で反射してターゲット11のピンホールに戻るようにする。この調整の手順は、X軸方向、Y軸方向、R方向およびθ方向への光ビームの変化を視認し、望ましくは、最終的には後述する回折リングを視認しながら順に追い込んでいくものである。
ここで、光ビーム進行方向へのターゲット11の厚みが薄いほど、R方向およびθ方向の調整は容易なものとなる。すなわち、ターゲット11の厚みが薄ければ、R方向およびθ方向へのずれ量が多少生じたとしても光ビームは、ターゲット11に設けられたピンホールP1を透過するので位置合わせに大きな支障を生じることはない。しかしながら、ターゲット11に生じる後述する回折リングを振動で揺れることなく安定して発生させる必要があるのである程度の厚みは必要となる。また、ターゲット11に設けられたピンホールP1は位置基準となるので、振動等によって測定誤差を生じさせないためにもターゲット11に剛性を与えるに十分なる厚みが必要とされる。
また、調整対象のLD102およびコリメートレンズ101を埋め込んだ(保持した)筐体103において、コリメートレンズ101に対してのLD102の相対位置を調整する時点においては、ターゲット12に替えて、筐体103が基準土台21のX方向基準面21aおよびY方向基準面21bを基準として配置されるので、ターゲット12がX方向基準面21aおよびY方向基準面21bと接触する面の形状は、筐体103のそれと同一であることが望ましい。しかしながら、ピンホールP2の中心位置を、筐体103に保持されるコリメートレンズ101の光軸のX方向基準面21aからのX軸方向の距離およびY方向基準面21bからのY軸方向の距離に一致させることができるものであれば、特にターゲット12の基準面の形状に限定があるものではない。
また、ターゲット12のピンホールP2の中心位置は、筐体103に保持されるコリメートレンズの光軸と一致していることが、位置合わせの前提となっている。よって、ピンホールP2の長さ、すなわち、ターゲット12の光ビーム進行方向に対する厚み(Z軸方向の長さ)は、ピンホールP2の中心位置と筐体103に配されたコリメートレンズ101の光軸と一致している限り、どのような厚みであってもよく、さらに、ミラー13が貼り付けられたターゲット12の背面の位置精度が基準土台21に対して十分に得られるものであれば、ピンホールP2の長さが短いものであっても良い。すなわち、後述する調整ステップにおいて、ピンホールP1の中心とピンホールP2の中心とを結ぶ直線は、コリメートレンズ101の光軸と一致するように設定されるものであるので、ピンホールP2の長さに特に限定があるものではなく、この厚みは、理論的には零であっても良いものである。
しかしながら、上述したように、ターゲット12の背面のミラー13が配される部分の位置精度を十分に得るために、この厚みは、例えば、コリメートレンズ101の平行光出射側の表面からLD102の光ビーム出射点までの長さと同一とすることも一つの望ましい選択である。
このような配置において、調整用レーザ光源15のR方向およびθ方向の角度とX軸方向およびY軸方向の位置と、ターゲット11のR方向およびθ方向の角度とX軸方向およびY軸方向の位置との基準土台21に対する位置調整、すなわち、可動ステージ22の位置調整は、単にピンホールP1に照射される光ビーム(光線)がピンホールの中心付近に照射されることを検出するものであっても良いが、上述したように回折リングを用いて行うことがより望ましい。
すなわち、少なくともターゲット11のピンホールP1の径は、光ビームの波長および平行光とされた光ビームの直径との関係で回折効果が生じる程度に、小さいものとしておき、ピンホールP1によって回折光を生じさせるようにするのである。その結果、ターゲット11の平面に照射されるターゲット12からの反射した光線d(光線cと同一の光路を戻る方向が逆向きの光線である)の作用によって、ピンホールP1の開口部付近のターゲット11の平面に回折リングが見えるので、この回折リングの中心がピンホールP1の位置と一致するように、可動ステージ22および可動ステージ23の位置を調整するものである。
このときに、ターゲット11の厚み(Z軸方向の長さ)が大きい場合には、ピンホールP1をターゲット11の平面(表面)に対して垂直(直交する方向)に設けておけば、光線cがこのピンホールP1を透過するように調整することによって、自動的にターゲット11の表面のピンホールP1の付近の回折リングは同心円状となってこの回折リングの中心をピンホールP1の中心に合わせるように調整することは容易にできるものである。一方、ターゲット11の厚みが非常に小さい場合には、ターゲット11の表面と光線cとを垂直の関係とするために、回折リングが同心円状となるように可動ステージ22のR方向の角度およびθ方向の角度を調整する必要がある。上述するような初期調整ステップによって、基準土台21に対するターゲット11の位置が確定することとなる。そして、ターゲット12を取り外す。
次に、図3に沿って、コリメートレンズ101を埋め込んだ筐体103における調整対象のLD102の位置を調整する調整ステップについて説明をする。LD102、コリメートレンズ101および筐体103は背景技術に示すと同様の構成を有するものであり、筐体103の基準土台21のX方向基準面21aおよびY方向基準面21bと接する各々の底面は、表面の平坦精度を高くしてある。コリメートレンズ101のNAは0.5程度である。なお、コリメートレンズ101とLD102とのZ軸方向の距離は、筐体103の寸法精度、コリメートレンズ101自体の製造精度、LD102のZ軸方向の取り付け精度を高くすることによって、調整を不要とされている。また、別の調整方法を併用して筐体毎に別途、Z軸方向の調整を行い、調整が終了した部材を本実施形態の調整対象としても良いものである。
調整は以下のようにして行う。まず、調整対象のLD102およびコリメートレンズ101を埋め込んだ筐体103を基準土台21の上に置く。筐体103のX方向基準面103aは基準土台21のX方向基準面21aと接して押し付けられ、筐体103のY方向基準面103bは基準土台21のY方向基準面21bと接して押し付けられて、筐体103は基準土台21の上に配置されている。すなわち、筐体103は、X方向基準面21aおよびY方向基準面21bと正確に当接して、コリメートレンズの光軸が、正確にX方向基準面21aおよびY方向基準面21bに平行となるようにされている。このために、第1実施形態においては、基準土台21の上に置く筐体103のZ軸方向の位置は厳密なものである必要はない。
次にLD102に電力を供給して、コリメートレンズ101を透過した光線eがターゲット11のピンホールP1に照射されるようにLD102の筐体103に対するX軸方向およびY軸方向の調整を行う。
図4を参照して、LD102をX軸方向およびY軸方向に調整する機構を示す。図4の紙面はY軸とZ軸を含む平面から見た筐体103の断面の模式図であり、筐体103とコリメートレンズ101との位置は予め定めた位置関係とされ、LD102がX軸方向およびY軸方向に移動してコリメートレンズ101との位置関係が調整可能とされるものである。
筐体103とコリメートレンズ101との位置関係の維持は、コリメートレンズホルダ44によって行われる。コリメートレンズ101はコリメートレンズホルダ44に接着剤等で、位置決め後に固着されている。コリメートレンズホルダ44には位置決め溝44aが形成されており、この位置決め溝44aと筐体103に設けられた凸部とによってコリメートレンズホルダ44は、筐体103の所定の位置に配置され、その後、コリメートレンズ固定ねじ46で筐体103に固着される構造を採用している。このような構成によってコリメートレンズ101の光軸の位置がX方向基準面103aおよびY方向基準面103bと平行となる所定の位置関係が維持されることとなる。
LD102は、LDホルダ41に接着剤等で、Z軸方向の位置決め後に固着されている。すなわち、LD102はLDホルダ41に対するZ軸方向の位置が所定の位置となされている。このようにしてLD102が固着されたLDホルダ41を筐体103のホルダ保持面103cに押し当て、LDホルダ41がX軸方向とY軸方向に移動可能となるようにLDホルダ押さえ部材42を筐体103にねじで固定する。なお、Y軸方向の筐体基準面であるY方向基準面103bおよびX軸方向の筐体基準面であるX方向基準面103a(図4には図示しない、紙面と平行する面)は平坦となるように、LDホルダ押さえ部材42を固定するねじの頭が筐体103に埋め込まれている。そして、LDホルダ41はホルダ保持面103cとLDホルダ押さえ部材42とで形成される両側の壁面に対して滑らかにすべるようにして、LDホルダ41はX軸方向とY軸方向に移動可能となされている。
上述した構造において、ばね43がLDホルダ41をY軸の正方向に付勢力を与えるためにY軸方向調整ねじ45を回転させることによって、Y軸方向の位置が調整され、Y軸方向調整ねじ45と90度、角度が異なる位置に配置された、図示しないX軸方向へ付勢力を与えるばね、およびX軸方向調整ねじによってX軸方向の位置が調整される。
図5のフローチャートに沿って、本実施形態の調整法を説明する。図5に示すステップST100からステップST106をYes(肯定)によって抜け出すまでが、初期調整ステップに該当し、ステップST110からステップST111をYes(肯定)によって抜け出すまでが調整ステップに該当するものである。
調整の開始後の最初の手順は、基準台21にターゲット12を配置し、さらに、可動ステージ22の上にターゲット11、可動ステージ23の上に調整用レーザ光源15を配置することである(ステップST100)。
次に、調整用レーザ光源15を発振させる(ステップST101)。
次に、ターゲット11を透過してターゲット12に照射される光ビームの光量が最大か否かを判断する(ステップST102)。光ビームの光量が最大であるか否かの判断は、可動ステージ23の位置を少し動かし、目視によって判断する。
ステップST102において、光ビームの光量が最大であると判断しない場合(No:否定)には、可動ステージ23のX方向調整ねじ、Y方向調整ねじを操作して、位置(X、Y)を動かし、再び、ステップST102の判断の処理を繰り返す。
一方、可動ステージ23のX方向調整ねじ、Y方向調整ねじを操作しても、これ以上は光ビームの光量が増加せず、光ビームの光量が最大であると判断する場合(Yes)には、ステップST104に処理を移す。
ステップST104では、ターゲット11を透過してターゲット12に照射される光ビームがピンホールP2の中心にあるか否かを判断する。この判断も目視によって行う。
ステップST104において、光ビームがピンホールP2の中心にあると判断しない場合(No)には、可動ステージ23のR方向調整ねじ、θ方向調整ねじを操作して、角度(R、θ)を動かし、再び、ステップST102に処理を移す。
一方、可動ステージ23のR方向調整ねじ、θ方向調整ねじを操作しても、これ以上は光ビームの光量が増加せず、光ビームの光量が最大であると判断する場合(Yes)にはステップST106に処理を移す。
ステップST106では、ターゲット12の背部のミラー13に反射し、ターゲット11に照射される光ビームがピンホールP1の中心にあるか否かを判断する。この判断も目視によって行う。ここで、ターゲット11に照射される光ビームが形成される回折リングに基づいて、例えば、回折リングの中心とピンホールP1の中心とが合っているか否かを判断することは効果的である。
ステップST106において、光ビームがピンホールP1の中心にあると判断しない場合(No)には、可動ステージ22のX方向調整ねじ、Y方向調整ねじ及びR方向調整ねじ、θ方向調整ねじを操作して、位置(X、Y)及び角度(R、θ)を動かし(ステップST107)、再び、ステップST102に処理を移す。
一方、光ビームがピンホールP1の中心にあると判断する場合(Yes)、すなわち、可動ステージ22のX方向調整ねじ、Y方向調整ねじ及びR方向調整ねじ、θ方向調整ねじを操作しても、これ以上は、光ビームがピンホールP1の中心によらないと判断する場合には初期調整ステップは終了し、ステップST110から始まる調整ステップに処理を移す。
ステップST110では、調整用のレーザ光源15の発振を停止して、ターゲット12を調整対象の筐体103に交換し、筐体103に配されたLD102を発振させる。
ステップST111では、ターゲット11に照射された光ビームがピンホールP1の中心部分に照射されているか否かを判断する。この判断は目視によって行う。
光ビームがピンホールP1の中心にあると判断する場合(Yes)、すなわち、LD102のX方向調整ねじ、Y方向調整ねじを操作しても、これ以上は、光ビームがピンホールP1の中心によらないと判断する場合には、調整は終了する。
一方、光ビームがピンホールP1の中心にあると判断しない場合(No)、には、LD102のX方向調整ねじ、Y方向調整ねじを操作して光ビームをピンホールP1の中心に寄せる。
上述した第1実施形態の光学装置の調整方法の要点をまとめると、この調整方法は、筐体103に保持される光ビーム発光素子であるLD102と、このLD102からの発散光を平行光とする集光光学素子であるコリメートレンズ101との相互の位置関係を調整する光学装置の調整方法であって、筐体103の位置基準となる筐体基準面であるX方向基準面103aおよびY方向基準面103bと押し当てて接する直交する2つの基準土台基準面であるX方向基準面21aおよびY方向基準面21bを有する基準土台21と、基準土台21から調整精度に応じて離間した第1の可動ステージである可動ステージ22と、可動ステージ22からさらに離間した第2の可動ステージである可動ステージ23と、を直線上に配置する。
そして、平面を貫通する第1のピンホールであるピンホールP1を設けた第1のターゲットであるターゲット11を第1の可動ステージである可動ステージ22に配置する。
また、平面を貫通する第2のピンホールであるピンホールP2を設け、ピンホールP2の一方の開口部の表面に光ビームを反射する反射板であるミラー13を設け、ピンホールP2と基準土台21との位置関係を所定の位置とした、第2のターゲットであるターゲット12を基準土台21に配置する。
また、平行光とされた調整用光ビームを出射する調整用レーザ光源15を第2の可動ステージである可動ステージ23に配置する。
そして、調整用光ビームがピンホールP1およびピンホールP2を通過して、ミラー13で反射して、ターゲット11の表面に生じる回折リングの中心とピンホールP1の中心とが一致するように、調整用光ビームの出射方向およびターゲット11の位置を調整する初期調整ステップを有する。この初期ステップによって、ターゲット11のピンホールP1の中心位置は、筐体103を基準土台21の上に配置した場合における、コリメートレンズ101光軸の延長線上に位置することとなる。
上述した初期ステップの終了後に、ターゲット12に替えて筐体103を基準土台21の上に載せる。ここで、X方向基準面103aとX方向基準面21aとが接し、Y方向基準面103bとY方向基準面21bとが接するので、X方向基準面103aとY方向基準面103bとは、直交している。そして、この筐体103のX方向基準面103aを基準土台21のX方向基準面21aに押し当て、筐体103のY方向基準面103bを基準土台21のY方向基準面21bに押し当てて配置し、筐体103に保持されるLD102からの光ビームがピンホールP1に照射されるようにLD102の位置関係を、図示しないX軸方向調整ねじおよびY軸方向調整ねじ45によって調整する調整ステップを有するものである。
このようにして、本実施形態の光学装置の調整方法では、LD102のX軸方向とY軸方向の位置合わせの調整を筐体103の配置を変更することなく行うことができ、背景技術に示すように筐体103を回転させる必要がない。
また、本実施形態の光学装置の調整方法では、調整精度を高精度とする場合においては、基準土台21とターゲット11との離間距離を離すことで実現されるものであるが、基準土台21と、ターゲット11を保持する可動ステージとを背景技術に示すようなレールの上に配置する必要がない。そのために、多額の費用の負担なしに、基準土台21とターゲット11との離間距離を離すことが可能となる。
また、調整用レーザ光源15を発光させることによって、ターゲット11と基準土台21との位置関係が適切なものであるか否かの調整精度の確認が随時できるものである。
さらに、反射板を設けた第2のターゲットであるターゲット12を基準土台21の所定の位置に配置する場合にも、この所定の位置はZ軸方向のいずれの場所としても良いこととされる。すなわち、ターゲット12のX方向基準面12aと基準土台21のX方向基準面21a、およびターゲット12のY方向基準面12bと基準土台21のY方向基準面21bとが接しさえすれば、ターゲット12を基準土台21のどの位置に配置しても良いものである。同様に、初期ステップの終了後に、ターゲット12に替えて、筐体103を所定の位置に配置する場合においても、筐体103のX方向基準面103aと基準土台21のX方向基準面21a、および筐体103のY方向基準面103bと基準土台21のY方向基準面21bとが接しさえすれば、筐体103を基準土台21のどの位置に配置しても良いものである。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態においては、筐体103のX方向基準面103aおよびY方向基準面103bに対してコリメートレンズ101の光軸は平行するものとした。しかしながら、筐体103の形状によっては、コリメートレンズ101の光軸と平行な2つの直交する面を筐体基準面に選ぶことが不可能な場合がありえる、このような場合における調整方法を以下に説明する。
第1実施形態においては、基準土台21に対するターゲット12および筐体103のZ軸方向の位置は、重要な要素ではなかった。この理由は、上述したように、X方向基準面103aおよびY方向基準面103bに対してコリメートレンズ101の光軸は平行するものとしたために得られた効果であるが、逆に基準面に制約をもたらしてしまった。
第2実施形態においては、筐体103A(図示せず)のX方向基準面103AaおよびY方向基準面103Ab(いずれも図示せず)と、筐体103Aに保持されたコリメートレンズ101との間に平行となる関係がない場合でも、筐体103Aに取り付けられたLD102の位置調整を同様な手順によって可能とするものである。
説明を簡単にするために、まず、筐体103Aと筐体103とは、外形が異なるものであるが、X方向基準面103AaおよびY方向基準面103Abは、X方向基準面103aおよびY方向基準面103bと同様に基準土台21に接する平坦な直交する面であるとする。また、ターゲット12に替えて用いるターゲット12Aの外形形状は、筐体103Aと同じ形状であるとして以下説明をおこなう。しかしながら、後述するように、筐体の形状および基準面は基準土台に対して位置決めできるものであればどのような形状であっても構わない。また、コリメートレンズ101の取り付け、LD102の位置調整方法は図4に示すものと同様のものとする。
ターゲット12Aに配されたピンホールP2A(図示せず)は、筐体103Aとターゲット12Aとを基準土台21の同位置おいたとする場合、筐体103Aに配されたコリメートレンズ101の光軸と一致するように設けられている。このような、ターゲット12Aおよび筐体103Aを用いて、筐体103Aに配されたコリメートレンズ101に対するLD102の調整方法を以下に説明する。基本的な調整手順は、第1実施形態と同様であるが、異なる点は、基準土台21に置かれるターゲット12Aの位置と、基準土台21に置かれる筐体103Aの位置は同位置である点である。例えば、基準土台21に設置位置がマークしてあるか、位置決めストッパを設けて同位置に保持される。
第2実施形態の光学装置の調整方法は、基準土台21、可動ステージ22および可動ステージ23を第1実施形態と同様に直線上に配置する。そして、平面を貫通する第1のピンホールであるピンホールP1を設けた第1のターゲットであるターゲット11を第1の可動ステージである可動ステージ22に固着する。また、平面を貫通する第2のピンホールであるピンホールP2A(図示せず)を設け、ピンホールP2Aの開口部が形成される平面に光ビームを反射する反射板であるミラー13A(図示せず)を設け、ピンホールP2Aと基準土台21との位置関係を所定の位置とした第2のターゲットであるターゲット12Aを基準土台21の上のマーキングされた位置に正確に配置する。また、マーキングをしない場合には、基準土台21のターゲット12Aおよび筐体103Aに接する面の寸法を等しくしておくことによって容易に位置決めができる。さらに、可動ステージ22と基準土台21との距離を長くすることによって、基準土台21に配置するターゲット12Aおよび筐体103Aの配置位置の位置誤差が与える調整精度への影響は少ないものとできる。
そして、第1実施形態と同様に、平行光とされた調整用光ビームを出射する調整用レーザ光源15を第2の可動ステージである可動ステージ23に固着し、調整用光ビームがピンホールP1およびピンホールP2Aを通過して、ミラー13A(図示せず)で反射して、ターゲット11の表面に照射される光ビームの中心とピンホールP1の中心とが一致するように、より望ましくは、ピンホールP1の付近に生じる回折リングの中心とピンホールP1の中心とが一致するように、調整用光ビームの出射方向およびターゲット11の位置を調整する初期調整ステップを有する。この初期ステップによって、ターゲット11のピンホールP1の中心位置は、筐体103を基準土台21の上に配置した場合における、コリメートレンズ101の光軸上に位置することとなる。
上述した初期ステップの終了後に、ターゲット12Aに替えて筐体103Aを基準土台21の上に載せる、そして、この筐体103AのX方向基準面103aを基準土台21のX方向基準面21aに押し当て、筐体103AのY方向基準面103bを基準土台21のY方向基準面21bに押し当てて配置し、筐体103Aに保持されるLD102からの光ビームがピンホールP1に照射されるようにLD102の位置関係を、図示しないX軸方向調整ねじおよびY軸方向調整ねじ45によって調整する調整ステップを有するものである。
ここで、説明を分かりやすくするために、この筐体103AのX方向基準面103aを基準土台21のX方向基準面21aに押し当て、筐体103AのY方向基準面103bを基準土台21のY方向基準面に押し付ける場合において説明したが、筐体103Aの基準面および基準土台21の基準面は直交する必要は全くない、すなわち、ピンホールP1およびピンホールP2Aによって光線の経路が一義的に特定された後、これに基づいてターゲット11のピンホールP1の位置が調整のために正しく特定されるので、基準面をどのように配置するかは全く問題とはならない。
このようにして、第2実施形態の光学装置の調整方法では、LD102のX軸方向とY軸方向の調整が、筐体103Aの配置を変更することなく行うことができ、背景技術に示すように筐体103Aを回転させるといったことが必要ない。
また、第2実施形態の光学装置の調整方法では、調整精度を高精度とする場合においては、基準土台21とターゲット11との離間距離を離すことで実現されるものであるが、基準土台21と、ターゲット11を保持する可動ステージとを背景技術に示すようなレールの上に配置する必要がない。そのために、多額の費用の負担なしに、基準土台21とターゲット11との離間距離を離すことが可能となる。
また、調整用レーザ光源15を発光させることによって、ターゲット11と基準土台21との位置関係が適切なものであるか否かの調整精度の確認が随時できるものである。
さらに、基準土台21に対して、ターゲット12Aおよび筐体103Aとの位置関係が所定のものとされるものであれば、基準面がどのように選ばれようとも、筐体103Aがどのような形状であっても正確にコリメートレンズ101に対するLD102の位置の調整が可能である。
実施形態における第1のターゲットと第2のターゲットとを示すものである。 実施形態の初期調整ステップにおける第1のターゲットおよび第2のターゲットの設定を示す図である。 実施形態における調整ステップにおける第1のターゲットと筐体とを示すものである。 実施形態の筐体の構成概略図である。 実施形態における調整方法をフローチャートで示すものである。 背景技術の位置調整方法を示す概念図である。 背景技術の位置調整方法を示す概念図である。 背景技術の説明するコリメートレンズ、LDおよび光軸を示す概念図である。
符号の説明
11、12 ターゲット、12a、21a、103a X方向基準面、12b、21b、103b Y方向基準面、13、13A ミラー、15 調整用レーザ光源、21 基準土台、22、23 可動ステージ、101 コリメートレンズ、103 筐体、P1、P2 ピンホール

Claims (4)

  1. 筐体に保持される光ビーム発光素子と前記光ビーム発光素子からの発散光を平行光とする集光光学素子とを含む光学装置の調整方法であって、
    前記筐体の位置基準となる筐体基準面と当接する基準土台基準面を有する基準土台と、前記基準土台から調整精度に応じて離間した第1の可動ステージと、前記第1の可動ステージからさらに離間した第2の可動ステージと、を略直線上に配置し、
    平面を貫通する第1のピンホールを設けた第1のターゲットを前記第1の可動ステージに配置し、
    平面を貫通するピンホールの中心の位置が前記基準土台基準面を基準として前記筐体に保持される前記集光光学素子の光軸と一致する第2のピンホールを設け、前記第2のピンホールの開口部が形成される平面に光ビームを反射する反射板を設けた第2のターゲットを前記基準土台の所定の位置に配置し、
    平行光とされた調整用光ビームを出射する調整用レーザ光源を前記第2の可動ステージに配置し、
    前記調整用光ビームが前記第1のピンホールおよび前記第2のピンホールを通過して、前記反射板で反射して、前記第1のターゲットの前記平面に照射される光ビームの中心と前記第1のピンホールの中心とが一致するように、前記調整用光ビームの出射方向および前記第1のターゲットの位置を調整する初期調整ステップと、
    前記初期ステップの終了後に、
    前記第2のターゲットに替えて、前記筐体基準面が前記基準土台の前記基準土台基準面に当接するように前記筐体を所定の位置に配置し、前記筐体に保持される前記光ビーム発光素子からの光ビームが前記第1のピンホールの中心に照射されるように前記光ビーム発光素子の前記直交する2つの基準土台基準面からの離間距離を調整する調整ステップと、を有する光学装置の調整方法。
  2. 前記初期調整ステップにおいて、前記第1のターゲットの前記平面に生じる光ビームの中心と前記第1のピンホールの中心とが一致するように、前記調整用光ビームの出射方向および前記第1のターゲットの位置を調整する場合、前記第1のターゲットの前記平面に生じる回折リングの中心と前記第1のピンホールの中心とが一致するように、前記調整用光ビームの出射方向および前記第1のターゲットの位置を調整する請求項1に記載の光学装置の調整方法。
  3. 前記筐体基準面および前記基準土台基準面の各々は直交する2つの平面を有し、前記2つの平面の各々が、前記筐体に保持される前記集光光学素子の光軸と平行するものであること特徴とする請求項1に記載の光学装置の調整方法。
  4. 前記第2のターゲットに配される基準面は、第2のピンホールが前記筐体に保持される前記集光光学素子の光軸と一致させることが可能となるように形成されるとともに、前記調整ステップにおいて、前記第2のピンホールと前記集光光学素子の光軸とを一致させることを特徴とする請求項1に記載の光学装置の調整方法。


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