JP2007003344A - 反射非球面光学素子の偏芯測定方法、光学系の製造方法、反射非球面光学素子、及び光学系 - Google Patents

反射非球面光学素子の偏芯測定方法、光学系の製造方法、反射非球面光学素子、及び光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】反射非球面光学素子の偏芯を高精度に測定する。
【解決手段】第1基準面(14a)を持った反射非球面光学素子(11)と、第2基準面(15a)を持ったヌル光学素子(13)とを、干渉計の測定光束中に配置する手順と、反射非球面光学素子(11)とヌル素子(13)との配置関係を保った状態で、反射非球面光学素子(11)の反射非球面(11a)、第1基準面(14a)、及び第2基準面(15a)の各々を、干渉計の共通の参照面(24a)で検出する手順と、各検出の結果に基づき、第2基準面(14a)を基準に反射非球面光学素子(11)の偏芯を求める手順とを含むことを特徴とする。各検出では、共通の参照面(24a)を基準としているので、参照面(24a)の姿勢誤差は測定結果に影響しない。また、ヌル光学素子(13)の姿勢の情報も取得しているので、ヌル光学素子(13)の姿勢誤差も、測定結果から排除できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、リッチー・クレチアン式、カセグレン式など、反射非球面光学素子を少なくとも1つ備えた光学系、及びその製造方法に関する。また、本発明は、その光学系を構成する反射非球面光学素子、及びその偏芯測定方法に関する。
リッチー・クレチアン式、カセグレン式などの反射光学系には、収差を効果的に抑えるため、双曲面や放物面などの非球面ミラーが使用されている。光軸が1つしか存在しない非球面ミラーは、その組み立ての際に、ミラー裏面を基準に用いるなどの工夫が必要となる。
したがって、組み立てに先立ち、非球面ミラーの裏面を基準とした偏芯を、正確に測定しておくことが有効となる。それに類似した技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載されているのは、トワイマン・グリーン型、又はフィゾー型の干渉計において、被検レンズの波面収差を測定しながらその被検レンズの当て付け基準面の傾きを検出する機能を付加したものである。
また、組み立てに先立ち、非球面ミラーの偏芯が抑えられるよう、非球面ミラーの反射面と裏面とを高精度に加工しておくことも有効である。その高精度加工の技術は、特許文献2に開示されている。
特開2004−340693号公報 特開平5−57606号公報
しかし、特許文献1の技術を利用して非球面ミラーの偏芯を測定するには、その反射面(非球面)の形状に適合したヌル光学素子を干渉計の光路に挿入する必要があり、その場合、ヌル光学素子の光軸調整誤差が測定結果に重畳されるので、高精度な測定が難しい。また、特許文献2の技術を利用しても限界があり、偏芯は、研削機・研磨機の機械精度までしか抑えられない。
そこで本発明は、反射非球面光学素子の偏芯を高精度に測定することのできる反射非球面光学素子の偏芯測定方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、高性能な光学系を製造することのできる光学系の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、高精度に偏芯の測定された反射非球面光学素子、又は偏芯の抑えられた高精度な反射非球面光学素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、高性能な光学系を提供することを目的とする。
本発明の偏芯測定方法は、第1基準面を持った反射非球面光学素子と、第2基準面を持ったヌル光学素子とを、干渉計の測定光束中に配置する手順と、前記反射非球面光学素子と前記ヌル素子との配置関係を保った状態で、前記反射非球面光学素子の反射非球面、前記第1基準面、及び前記第2基準面の各々を、前記干渉計の共通の参照面で検出する手順と、前記各検出の結果に基づき、前記第2基準面を基準に前記反射非球面光学素子の偏芯を求める手順とを含むことを特徴とする。
なお、前記第1基準面は、前記反射非球面光学素子の裏面と平行に固定された平面であり、前記第2基準面は、前記ヌル素子の光軸と垂直に固定された平面であることが望ましい。また、前記干渉計の光源は、出射光の波長を変調可能な光源であることが望ましい。
また、本発明の光学系の製造方法は、反射非球面光学素子を少なくとも1つ備えた光学系の製造方法であって、前記光学系を構成する少なくとも1つの反射非球面光学素子の偏芯を、本発明の何れかの反射非球面光学素子の偏芯測定方法で測定する手順と、前記測定の結果に応じて前記光学系を組み立てる手順とを含むことを特徴とする。なお、この光学系の製造方法において、前記測定の結果に応じて前記反射非球面光学素子を再加工する手順をさらに含んでもよい。
また、本発明の反射非球面光学素子は、本発明の何れかの反射非球面光学素子の偏芯測定方法で測定されたことを特徴とする。
また、本発明の反射非球面光学素子は、本発明の何れかの反射非球面光学素子の偏芯測定方法で測定され、かつその測定の結果に応じて再加工されたことを特徴とする。
また、本発明の光学系は、本発明の何れかの光学系の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、反射非球面光学素子の偏芯を高精度に測定することのできる反射非球面光学素子の偏芯測定方法が実現する。
また、本発明によれば、高性能な光学系を製造することのできる光学系の製造方法が実現する。
また、本発明によれば、高精度に偏芯の測定された反射非球面光学素子、又は偏芯の抑えられた高精度な反射非球面光学素子が実現する。
また、本発明によれば、高性能な光学系が実現する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、リッチー・クレチアン式の反射光学系の製造方法の実施形態である。
図1は、実施形態で製造する反射光学系を示す図である。図1に示すように、この反射光学系には、凹の非球面ミラーである主鏡11と、凸の非球面ミラーである副鏡12とが備えられる。このうち、主鏡11は、穴開きミラーである。また、リッチー・クレチアン式なので、主鏡11の反射面11aと副鏡12の反射面12aとは、それぞれ双曲面に近い高次非球面である。
図2は、製造方法の全体の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、本製造方法には、加工工程S1、測定工程S2、組み立て工程S3とが含まれる。
加工工程S1では、主鏡11、副鏡12の各々を加工する。その加工では、主鏡11の反射面11a、副鏡12の反射面12aだけでなく、主鏡11の裏面11b、副鏡12の裏面12bも加工される。その際、それらの裏面は、滑らかな平面となるように研磨される。また、その加工では、主鏡11の反射面11aの光軸(非球面軸)と主鏡11の裏面11bとが垂直に近づけられ、かつ、副鏡12の反射面12aの光軸(非球面軸)と副鏡12の裏面12bとが垂直に近づけられる。
測定工程S2では、裏面11bを基準とした主鏡11の偏芯と、裏面12bを基準とした副鏡12の偏芯とを、それぞれ測定する。ここでは、特に、偏芯として、光軸と裏面法線との角度ずれを測定する。よって、以下では、「偏芯」を、その角度ずれの意味で使用する。主鏡11の偏芯測定、及び副鏡12の偏芯測定の詳細は、後述する。
組み立て工程S3では、主鏡11と副鏡12との位置関係を、両者の裏面11b,12bを基準として調整する。その際、測定工程S2で測定した主鏡11の偏芯の情報と、副鏡12の偏芯の情報とを用いて、両者の光軸同士が平行になるように、裏面11b,12bの位置関係が調整される。さらに、両者の姿勢を保ちながら、主鏡11と副鏡12との相対位置をシフトさせて、両者の光軸を一致させる。その後、主鏡11と副鏡12とを組み立てて、反射光学系(図1)を完成させる。
<主鏡11の偏芯測定>
以下、主鏡11の偏芯測定を詳細に説明する。
図3は、主鏡11の偏芯測定を説明する図である。その偏芯測定では、図3に示すように、トワイマン・グリーン型の干渉計が用いられる。干渉計には、光源21、コリメータレンズ22、ビームスプリッタ23、参照面24aを持つ参照板24、観察レンズ25、撮像素子26、不図示のモニタ、不図示のコンピュータなどが備えられる。
この干渉計の測定光束中に、ヌル光学素子13と主鏡11とが所定の位置関係で配置される。ヌル光学素子13は、干渉計からの測定光束の波面(平面)を、主鏡11の反射面11aに対し略垂直に入射する波面(非球面)に変換する素子であり、屈折レンズ、回折光学素子、或いは屈折レンズと回折光学素子との組み合わせなどで構成される。
この干渉計において、ヌル光学素子13を介し主鏡11の反射面11aへ入射した測定光束は、反射面11aで反射すると、その光路を折り返し、ヌル光学素子13を介して干渉計へと戻る。
ここで、主鏡11の裏面11bには、基準平面14aを持つ基準ミラー14が固定される。基準ミラー14は、その基準平面14aを裏面11bに押し当てることによって、その基準平面14aの光軸を裏面11bの法線に一致させている。この基準平面14aの少なくとも1部は、ヌル光学素子13の側へ露出している。
一方、ヌル光学素子13の周囲には、基準平面15aを持つ輪帯ミラー15が固定される。輪帯ミラー15は、平行度の高い平行平面板からなり、そのヌル光学素子13に対して、基準平面15aが干渉計側を向き、かつその基準平面15aがヌル光学素子13の光軸と垂直になるように予め調整されている。
但し、ヌル光学素子13には、偏芯が残留している可能性があるので、輪帯ミラー15を取り付ける際には、ヌル光学素子13の保持部材をそのまま基準に用いると、輪帯ミラー15の基準平面15aとヌル光学素子13の光軸とが正確に垂直にならない可能性がある。このため、本実施形態では、図4に示すように、ヌル光学素子13を回転ステージにのせて回転させながら光を投光し、その焦点位置の振れがなくなるようにヌル光学素子13自体の芯出しをしてから、輪帯ミラー15を取り付けることが望ましい。
さて、図3に示す輪帯ミラー15は、干渉計からヌル光学素子13の周囲へ向かった測定光束の一部をその基準平面15aで反射する。そこで反射した測定光束は、その光路を折り返して干渉計へ戻る。
また、基準ミラー14は、干渉計からヌル光学素子13を経ずに主鏡11の側へ向かった測定光束をその基準平面14aで反射する。そこで反射した測定光束は、その光路を折り返して、ヌル光学素子13を経ずに干渉計へと戻る。
なお、以下では、図3に示したように、輪帯ミラー15が透過性部材(測定光束に対し透過性のある部材)からなり、その輪帯ミラー15を透過した測定光束が主鏡11の穴開き部分へ入射し、その穴開き部分に設けられた基準平面14aが、そこへ入射した測定光束を反射するとして説明する。
干渉計へ戻った各測定光束は、干渉計の観察面26a(撮像素子26の撮像面)へ向かい、参照面24aで反射した参照光束と干渉する。その結果、観察面26aには、図5に示すような2種類の領域に干渉縞が形成される。
図5(A)・・・観察面26aの中央の円形領域E1に形成される干渉縞である。この干渉縞は、反射面11aの形状を示す。この干渉縞は、参照面24aで反射した光と、反射面11aで反射した光とが、円形領域E1に到達して互いに干渉することで形成したものである。
図5(B)・・・観察面26aのうち、円形領域E1の周囲の輪帯状領域E2に形成される干渉縞である。この干渉縞は、主に、参照面24aに対する主鏡11、及びヌル光学素子13の傾きを示す。この干渉縞は、参照面24aで反射した光、輪帯ミラー15を透過して基準平面14aで反射した光、及び、輪帯ミラー15を反射した光が、輪帯状領域E2に到達して相互に干渉することで形成したものである。輪体状領域E2に到達して干渉する光を具体的に挙げると、少なくとも、
(1)参照面24aで反射した光、
(2)基準平面14aで反射した光、
(3)基準平面15aで反射した光、
(4)輪帯ミラー15の裏面15bで反射した光(ノイズ光)
の4つの光がある。因みに、主鏡11の裏面11bの傾きを示すのは、(1),(2)の2つの光が成す干渉縞であり、ヌル光学素子13の傾きを示すのは、(1),(3)の2つの光が成す干渉縞である。
そして、以上の干渉縞が形成される観察面26aは、撮像素子26によって撮像され、撮像素子26が取得した画像データは、不図示のモニタ上にリアルタイムで表示される。よって、測定者は、干渉縞をリアルタイムで目視することができる。
なお、干渉縞のコントラストを高めるため、少なくとも、基準平面14aの反射率、基準平面15aの反射率、及び参照面24aの反射率は、略同じ(例えば4%)に設定されていることが望ましい。一般に、或る2面で反射した2つの光が成す干渉縞のコントラストを高めるには、その2面の反射率を近づければよい。また、ノイズとなる干渉縞のコントラストを下げるため、輪帯ミラー15の裏面15bに反射防止膜を施して、その反射率を下げておく(例えば0.1%にする)ことが望ましい。
(配置調整)
最初に、参照面24aに対するヌル光学素子13の傾きが調整される。この傾き調整の段階では、主鏡11は干渉計の測定光束の光路から外れているか、又は、図6に示すように遮光手段16によって遮光されている。この状態で、測定者は、観察面26aの輪帯状領域E2から、ヌル光学素子13の傾きを示す干渉縞を目視することができる。
測定者は、その干渉縞を目視しながらヌル光学素子13の傾きを調整し、その干渉縞がワンカラーになった時点で、ヌル光学素子13を固定する。この調整により、ヌル光学素子13の傾き誤差は、或る程度抑えられる。
なお、この傾き調整時、輪帯状領域E2には、輪帯ミラー15の裏面15bで反射した光(ノイズ光)も到達するので、必要な干渉縞(参照面24a及び基準平面15aの反射光が成す干渉縞)だけでなくノイズとなる干渉縞も生起しているが、裏面15bの反射率は低いため、必要な干渉縞の方がコントラストが高く、識別が可能である。
続いて、干渉計に対する主鏡11の位置及び傾きが調整される。このとき、測定者は、観察面26aの円形領域E1から、反射面11aの形状を示す干渉縞(図5(A)参照)を目視することができる。
測定者は、その干渉縞を目視しながら主鏡11の位置及び傾きを調整し、その干渉縞がワンカラーになった時点で、主鏡11の位置及び傾きを固定する。この調整により、主鏡11の配置誤差は、或る程度抑えられる。
(干渉測定)
干渉測定では、配置調整後の状態を保ったまま、撮像素子26で観察面26aを撮像する。その撮像素子26が取得した画像データは、不図示のコンピュータへ取り込まれる。
コンピュータは、取り込まれた画像データから、反射面11aの形状を示す干渉縞(図5(A)参照)、ヌル光学素子13の傾きを示す干渉縞、及び主鏡11の裏面11bの傾きを示す干渉縞(図5(B)参照)を、個別に認識する。
このうち、反射面11aの形状を示す干渉縞は、図5(A)に示したように、円形領域E1に単独で形成されるので、円形領域E1の画像データから、直接的に認識することができる。
一方、ヌル光学素子13の傾きを示す干渉縞と、主鏡11の裏面11bの傾きを示す干渉縞とは、図5(B)に示したように、同じ輪帯状領域E2に重畳されるので、それらの干渉縞については、その輪帯状領域E2の画像データから直接認識することはできない。
しかも、その輪帯状領域E2上では、少なくとも、上述した(1),(2),(3),(4)の4つの光による干渉(4光束干渉)が生じている。
このうち、特定の2つの光が成す干渉縞のデータのみを、他の干渉縞のデータから分離するには、例えば、以下の分離方法が適用可能である。
(干渉縞の分離方法)
予め、干渉計の光源21(図3参照)の波長を可変にしておく。そのため、光源21には半導体レーザを用いるとよい。半導体レーザの注入電流を制御すれば、干渉計の波長を制御することができる。
干渉測定では、その注入電流を適切に制御して所定の変調波形で波長を変調させながら、撮像素子26による撮像を繰り返し、複数フレーム分の画像データを取得する。光源21に波長830nmの半導体レーザを用いると共に10mm厚の輪帯ミラー15を用いるとき、その波長変調幅は、例えば、0.025nm以上である。取得された複数フレーム分の画像データは、コンピュータへ取り込まれる。
データ取得後、取得された複数フレーム分の画像データと、波長変調の変調パターンとに基づき演算を行い、特定の2つの光が成した干渉縞のデータのみを抽出する。なお、その演算を簡略化するために、波長変調は注入電流に対して線形で、変調波形を鋸歯状としておくことが好ましい。
ここで、干渉測定時に波長が変調されると、干渉縞の位相が変調される。但し、光路長(幾何学的光路長)の略等しい2つの光の干渉縞では、たとえ波長が変化しても位相が殆ど変化しない。一方、光路長の異なる2つの光の干渉縞では、波長が変化すると位相が一様に変化するので、その2つの光による干渉縞は流れ、波長変調速度が速いときには縞として認識できない。そこで、以下の調節が、干渉測定前に行われる。
すなわち、分離すべき干渉縞が、ヌル光学素子13の傾きを示す干渉縞(参照面24a及び基準平面15aの反射光が成す干渉縞である。図6参照。)である場合は、ビームスプリッタ23から参照面24aまでの光路長と、ビームスプリッタ23から基準平面15aまでの光路長とが一致するように、参照板24の光軸方向の位置を調節する。但し、その調節の際には、参照板24の傾きが変化しないように注意する。
また、分離すべき干渉縞が、主鏡11の裏面11bの傾きを示す干渉縞(参照面24a及び基準平面14aの反射光が成す干渉縞)である場合は、ビームスプリッタ23から参照面24aまでの光路長と、ビームスプリッタ23から基準平面14aまでの光路長とが一致するように、参照板24の光軸方向の位置を調節する。但し、その調節の際には、参照板24の傾きが変化しないように注意する。
(偏芯の算出)
以上のとおり、円形領域E1,輪帯状領域E2の干渉縞(図5(A),(B))のデータからは、ヌル光学素子13の傾きデータ、反射面11aの形状データ、主鏡11の裏面11bの傾きデータが得られる。これらのデータは、何れも共通の参照面24aを基準としたデータである。
そこで、コンピュータは、参照面24aに対するヌル光学素子13の傾きデータと、参照面24aに対する主鏡11の裏面11bの傾きデータとに基づき、裏面11bを基準とした主鏡11の偏芯を算出する。ヌル光学素子13の傾きは参照面24aに対して調整されているので小さいが、より正確に裏面11bに対する主鏡11の偏芯が求められる。
<副鏡12の偏芯測定>
以下、副鏡12の偏芯測定を詳細に説明する。副鏡12の偏芯測定も、主鏡11の偏芯測定と同様にトワイマン・グリーン型の干渉計を用いた同様の手順で高精度に行われる。ここでは、主鏡11の偏芯測定との相違点のみ説明する。相違点は、干渉計に配置された副鏡12の周辺の光学系にある。
図7は、干渉計に配置された副鏡12の周辺の光学系を示す図である。図7において、図3に示す要素と同じ機能を持つものには同じ符号を付した。この光学系のうち、ヌル光学素子13は、干渉計からの測定光束の波面を、副鏡12の反射面12aに対し略垂直に入射する波面に変換する。副鏡12の反射面12aは凸面なので、副鏡12とヌル光学素子13との位置関係は、ヌル光学素子13の焦点よりも前側に反射面12aが位置するような位置関係となる。このとき、反射面12aへ入射する測定光束は、発散光束ではなく集光光束である。そのような測定光束を反射面12aの全体へ入射させるために、ヌル光学素子13の径は、反射面12aのサイズに応じて予め大きく設定される。
また、副鏡12は非穴開きミラーなので、基準ミラー14の基準平面14aは、副鏡12の周囲に向かう測定光束を反射できるように、副鏡12の周囲へ張り出している。
ここで、副鏡12の径が大きい場合、例えば、図8に示すような光学系を用いてもよい。図8において、図7に示す要素と同じものには同じ符号を付した。
図8に示す光学系では、ヌル光学素子13の焦点よりも後側に副鏡12の反射面12aを配置して、副鏡12が無収差の2つの共役点を有することを利用して検査を行う。そこで、この光学系では、穴開きの折り返し反射ミラー16を追加し、その折り返し反射ミラー16によって反射光束の光路を折り返している。
この光学系を用いた偏芯測定では、折り返し反射ミラー16を追加した分だけ測定誤差が増えると考えられるが、その折り返し反射ミラー16の固有情報(反射面の形状や配置誤差など)を別途測定しておけば、前述した偏芯測定と同等の精度で偏芯測定を行うことが可能である。
<イタレーション>
図2に示した測定工程S2の実行後に、その工程で取得した偏芯の情報を用いて主鏡11及び/又は副鏡12を評価し、もしも必要と判断された場合には、加工工程S1に戻り、主鏡11及び/又は副鏡12を再加工してもよい。これを繰り返せば、主鏡11及び/又は副鏡12の偏芯を小さく抑え込み、それら主鏡11及び/又は副鏡12を高精度化することができる(図2の点線部参照)。このイタレーションによって偏芯が十分に小さく抑えられた場合は、組み立て工程S3においてその偏芯をゼロとみなしてもよい。
また、測定工程S2の実行後、その工程で取得した反射面の形状データを用いて、主鏡11及び/又は副鏡12の反射面を評価し、もしも必要と判断された場合には、加工工程S1に戻り、主鏡11及び/又は副鏡12の反射面を再研磨してもよい。これを繰り返せば、主鏡11及び/又は副鏡12の反射面の面精度を高めることができる(図2の点線部参照)。
<実施形態の効果>
以上、本実施形態では、測定工程S2において、干渉計、輪帯ミラー15、ヌル光学素子13、及び基準ミラー14を適切に用いることで、非球面ミラーの1種である主鏡11、副鏡12の偏芯をそれぞれ高精度に測定する。また、組み立て工程S3では、高精度に測定された偏芯の情報を用いるので、主鏡11と副鏡12とを高精度に位置合わせすることができる。したがって、完成した反射光学系(図1参照)は、高性能である。
<その他>
本実施形態では、図3に示したとおり、輪帯ミラー15が透過部材からなり、かつ、その輪帯ミラー15を透過した測定光束が、基準ミラー14の基準平面14aへ入射する場合(図3参照)を説明したが、それに限定されることはない。
例えば、輪帯ミラー15の径方向の幅を細くし、輪帯ミラー15の更に外側を通過した測定光束を、基準ミラー14の基準平面14aへ直接入射させ、輪帯ミラー15を非透過部材としてもよい。因みに、その場合は、ヌル光学素子13の傾きを示す干渉縞(参照面24a及び基準平面15aの反射光が成す干渉縞)と、主鏡11の裏面11bの傾きを示す干渉縞(参照面24a及び基準平面14aの反射光が成す干渉縞)とが観察面26a上で分離されるので、上述した3種類の干渉縞の認識が容易となる。
また、輪帯ミラー15の形状については、ヌル光学素子13の周囲へ入射する測定光束を反射可能な適当な形状に整えられる(輪帯状で無くとも構わない。)。但し、その形状は、ヌル光学素子13へ入射する測定光束や、基準ミラー14へ入射する測定光束をなるべく妨げることなく、かつ、ヌル光学素子13の傾きデータをなるべく高精度に生成できるように選定されることが望ましい。その点では、輪帯状であることが望ましい。
また、干渉縞を分離する方法としては、波長変調による方法以外に、公知の各種の方法を適用することが可能である。また、干渉縞の検出方法には、検出精度を向上するための公知の各種の方法を適用することが可能である。
また、干渉計の形態としては、トワイマン・グリーン型を示したが、本発明が適用できるものならば、他のタイプの干渉計を用いても構わない。
上述した実施形態では、リッチー・クレチアン式の反射光学系を製造したが、カセグレン式の反射光学系の製造にも、本発明は適用可能である。また、反射非球面光学素子を少なくとも1つ備えているのであれば、他の光学系の製造にも本発明は適用可能である。
因みに、凹の反射非球面の偏芯測定には、図3に示した光学系が適用可能であり、凸の反射非球面の偏芯測定には、図7や図8に示した光学系が適用可能である。
実施形態で製造する反射光学系を示す図である。 製造方法の全体の流れを示すフローチャートである。 主鏡11の偏芯測定を説明する図である。 ヌル光学素子13と輪帯ミラー15の取り付けを説明する図である。 干渉計内で生じる干渉縞を説明する図である。 ヌル光学素子13の傾き調整時に干渉計内で生じる干渉縞を説明する図である。 干渉計に配置された副鏡12の周辺の光学系を示す図である。 副鏡12の周辺の光学系の変形例を示す図である。
符号の説明
11・・・主鏡,12・・・副鏡,11a,12a・・・反射面,14・・・基準ミラー,15・・・輪帯ミラー,14a,15a・・・基準平面

Claims (8)

  1. 第1基準面を持った反射非球面光学素子と、第2基準面を持ったヌル光学素子とを、干渉計の測定光束中に配置する手順と、
    前記反射非球面光学素子と前記ヌル素子との配置関係を保った状態で、前記反射非球面光学素子の反射非球面、前記第1基準面、及び前記第2基準面の各々を、前記干渉計の共通の参照面で検出する手順と、
    前記各検出の結果に基づき、前記第2基準面を基準に前記反射非球面光学素子の偏芯を求める手順と
    を含むことを特徴とする反射非球面光学素子の偏芯測定方法。
  2. 請求項1に記載の反射非球面光学素子の偏芯測定方法において、
    前記第1基準面は、前記反射非球面光学素子の裏面と平行に固定された平面であり、
    前記第2基準面は、前記ヌル素子の光軸と垂直に固定された平面である
    ことを特徴とする反射非球面光学素子の偏芯測定方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射非球面光学素子の偏芯測定方法において、
    前記干渉計の光源は、出射光の波長を変調可能な光源である
    ことを特徴とする反射非球面光学素子の偏芯測定方法。
  4. 反射非球面光学素子を少なくとも1つ備えた光学系の製造方法であって、
    前記光学系を構成する少なくとも1つの反射非球面光学素子の偏芯を、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の反射非球面光学素子の偏芯測定方法で測定する手順と、
    前記測定の結果に応じて前記光学系を組み立てる手順と、
    を含むことを特徴とする光学系の製造方法。
  5. 請求項4に記載の光学系の製造方法において、
    前記測定の結果に応じて前記反射非球面光学素子を再加工する手順をさらに含む
    ことを特徴とする光学系の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の反射非球面光学素子の偏芯測定方法で測定されたことを特徴とする反射非球面光学素子。
  7. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の反射非球面光学素子の偏芯測定方法で測定され、かつその測定の結果に応じて再加工されたことを特徴とする反射非球面光学素子。
  8. 請求項4又は請求項5に記載の光学系の製造方法により製造されたことを特徴とする光学系。
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