JP2004279345A - 曲面ミラー及び面形状の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2次元曲面の形状測定を簡易に、かつ高精度で行う。
【解決手段】測定対象の軸外し放物面ミラー101には、測定対象となる放物面101aとともに、その放物面に予定された入射光の方向と直交する基準平面101bが設けられている。測定に際してはまず、基準平面101bに測定光を照射して、その反射光によりCCDカメラ108に形成される干渉縞を観測し、その位置が所定の位置となるよう、ミラー101のアライメント調整する。次に、折返しミラー102のアライメントを、放物面101aからの反射光による干渉縞がCCDカメラ108撮像面に形成されるよう調整する。その後、この干渉縞を観測して放物面101aの形状を測定する。
【選択図】図1
【解決手段】測定対象の軸外し放物面ミラー101には、測定対象となる放物面101aとともに、その放物面に予定された入射光の方向と直交する基準平面101bが設けられている。測定に際してはまず、基準平面101bに測定光を照射して、その反射光によりCCDカメラ108に形成される干渉縞を観測し、その位置が所定の位置となるよう、ミラー101のアライメント調整する。次に、折返しミラー102のアライメントを、放物面101aからの反射光による干渉縞がCCDカメラ108撮像面に形成されるよう調整する。その後、この干渉縞を観測して放物面101aの形状を測定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光学部品や金型などの物体表面形状を高精度に測定する3次元形状測定技術に関し、特に2次曲面形状を測定するための2次曲面測定方法及び2次曲面ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
放物面、双曲面、楕円面と言った2次曲面形状を有する光学部品の形状測定を行う場合、従来より“折返しヌル干渉計測”がしばしば用いられる。この“折返しヌル干渉計測”を用いた形状計測方法は、例えば特開平8−233548号公報に開示されている。以下に、被測定物が双曲面形状を有する場合の形状測定方法を説明する。
【0003】
折返しヌル干渉計測により双曲面形状を測定する場合は、図5に示すような配置の干渉計を用いる。図5において、被測定物1は、ここでは双曲面形状1aを有する。折り返しミラー2は理想的な球面形状を有しており、ここでは光軸及びその近傍部分が中抜けで光波を通過させることができる形状となっている。TSレンズ3は、後述する干渉計本体9から出射される平面波を球面波に変換させる役割を担うと共に、TSレンズ3の最終面が基準参照面3b(フィゾー面)になっている。He−Neレーザ4は干渉縞光源である。レンズ5aを通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ6により反射されて、λ/4板7、集光レンズ5bを通してTSレンズ3に入射される。干渉光はビームスプリッタ6を通して撮像手段であるCCDカメラ8に結像する。ここではレーザ4〜CCDカメラ8までの干渉計の要素を干渉計本体9と呼ぶことにする。
【0004】
干渉計本体9から出射された平面波はTSレンズ3で球面波に変換され、被測定物1へ向かって出射する。尚この時、TSレンズ3の最終面(フィゾー面)で一部の光波は反射し、参照光波となる。一方、TSレンズ3を透過した光波は被測定物1の双曲面形状1aにて反射されることになる。この時、双曲面1aの第1焦点と双曲面1aに入射する球面波の球心とが合致するようにアライメントされていれば、双曲面1aにて反射される波面は双曲面1aの第2焦点で集光する球面波となる。したがってこの球面波の球心に対して折返しミラー2の球心を合致させることで、折返しミラー2に対して球面波は垂直に入射し反射することになる。したがって折返しミラー2で反射した光波は、今来た光路を逆戻りして測定光波となる。この後測定光波と参照光波を干渉させた後、観察される干渉縞を干渉計本体9のCCDカメラ8にて撮像することになる。
【0005】
この際に干渉計本体9で使用されている光学部品や被測定物1及び折返しミラー2が理想的な形状を有しかつ正確にアライメントが行われていれば、観察される干渉縞はワンカラー(縞一色)となる。もし被測定物1の形状が理想的な双曲面から形状誤差を有している場合は干渉縞をワンカラーにすることは出来ず、その偏差が干渉縞から観察できることになる。
【0006】
以上が折返しヌル干渉計測による双曲面の測定のための構成及び原理である。ここでは折返しヌル干渉計測を用いて双曲面を有する被測定物の形状測定を例に示したが、被測定物が放物面となる場合は図6(a)に示すような構成にする方法が知られている。図5との違いは、被測定物は放物面形状を有するものとなり、また折返しミラー形状が球面形状ではなく平面形状を有するミラー602となる。一方、図6(a)に示すTSレンズ3の代わりに図6(b)に示すTFレンズ603(最終面には基準参照面(フィゾー面)603bを有し、平面波を発生させるレンズ)を用いてもよく、この場合の折返しミラー612は球面形状とすれば良い。
【0007】
やはりこの場合でも干渉計本体9で使用されている光学部品や放物面601a及び折返しミラー602,612が理想的な形状を有しかつ正確にアライメントが行われていれば、観察される干渉縞はワンカラー(縞一色)となる。放物面に形状誤差を有している場合は干渉縞をワンカラーにすることは出来ず、その偏差が干渉縞から観察できることになる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−233548号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、2次曲面形状の形状測定には“折返しヌル干渉計測”がしばしば用いられる。この測定方法では、入射光波もしくは出射光波の光線角度がほぼ設計値となるように、被測定物及び折返しミラーのそれぞれについて、位置のアライメントを実施する必要がある。ある程度のアライメントの追い込みがなされていれば干渉縞は観察できる。最終的には観察させる干渉縞を頼りにより微細なアライメント調整を行い、干渉縞をワンカラーに追い込むことで位置のアライメントを完了させることができる。
【0010】
しかしながら干渉縞が観察できる状態、すなわち干渉計本体の配置に対して、おおまかに被測定物や折返しミラーを位置決めされた状態に追い込むためには調整機構や治工具を用いる必要があった。特に被測定物が軸外しの放物面形状や双曲面形状の場合、軸外し量が大きくなるほど被測定物と光軸間の距離が離れるためにアライメントが難しくなり、位置決めのために多大な手間と労力を要することになる。
【0011】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、2次曲面を有する被測定物の面形状を干渉計を用いて測定する場合、被測定物及び折返しミラーの位置に関するアライメント作業の負荷を軽減させて測定を簡易化させ、高精度で曲面の測定を行うと共に、測定の生産性を向上させた面形状の測定方法及び曲面ミラーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるために、本発明は、被測定物に基準面を設けたことを特徴としており、この基準面を利用して被測定物のアライメントを行うようにするものである。すなわち、被測定物にて反射した測定光波と基準参照面にて反射した参照光波を干渉させて干渉縞を発生させ、干渉縞の位相分布を用いて被測定物の形状を測定する装置において、2次曲面形状を有する被測定物に位置のアライメントに使用する基準面が取り付けられたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明は以下の構成を備える。
【0014】
まず本発明は、曲面形状の反射面と、該反射面と一定の位置関係となるよう設けられた基準面とを有することを特徴とする曲面ミラーにある。
【0015】
更に好ましくは、前記基準面は、前記反射面への予定された入射光に直交する平面である。
【0016】
更に好ましくは、前記反射面は放物面形状を有する放物面ミラーであり、前記基準面は入射光波を反射する光学基準平面で構成されている。
【0017】
更に好ましくは、前記反射面は双曲面形状を有する双曲面ミラーであり、前記基準面は入射光波を反射する光学基準球面で構成されている。
【0018】
あるいは、本発明は以下の構成を備える。
【0019】
すなわち本発明は、前記基準面を、前記反射面への予定された入射光と平行な平面とした請求項1に記載の曲面ミラーと、
前記基準面と当接する第1の平面と、該第1の平面と直交する第2の平面とを有するステージ部と、
前記第2の平面と、一部において当接する基準平面を有する基準ミラーと
を備える。
【0020】
更に好ましくは、前記基準ミラーには、前記基準平面と直交する軸を有する基準球面がさらに設けられている。
【0021】
更に好ましくは、ミラーの反射面の形状を、前記反射面による反射光を副鏡を用いて折り返し該反射光の干渉像を測定することで測定する面形状の測定方法であって、
前記反射面への予定された入射光に直交するよう前記反射面の位置及び方向を基に設けられた基準平面に、測定光を入射し、前記基準平面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記ミラーの位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記副鏡の位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像を測定する。
【0022】
更に好ましくは、前記基準平面は、前記ミラーにおいて前記反射面と一体に設けられている。
【0023】
更に好ましくは、前記基準平面は、前記ミラーと同一のステージに載置された基準ミラーに設けられている。
【0024】
あるいは、本発明は以下の構成を備える。
【0025】
すなわち本発明は、ミラーの反射面の形状を、前記反射面による反射光を副鏡を用いて折り返し該反射光の干渉像を測定することで測定する面形状の測定方法であって、
前記反射面への予定された入射球面光を折り返すよう設けられた基準球面に測定光を入射し、前記基準球面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記ミラーの位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記副鏡の位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像を測定することを特徴とする面形状の測定方法にある。
【0026】
あるいは、本発明は以下の構成を備える。
【0027】
すなわち本発明は、干渉計からの出射光波を2次曲面形状を有する被測定物へ入射し、2次曲面形状からの反射光波を理想的な球面形状を有する折返し球面ミラーで反射させた後、往きの光路を逆戻りさせて測定光波とする一方、基準参照面にて一部の光波を反射させて参照光波とし、測定光波と参照光波とを干渉させて干渉縞を発生させ、この干渉縞の位相分布を用いて被測定物の2次曲面形状を測定する方法であって、
被測定物の位置のアライメントを、予め取り付けられている2次曲面形状の光線角度に起因した基準面を利用して発生させた干渉縞を用いて行うことを特徴とする2次曲面形状の測定方法にある。
【0028】
更に好ましくは、前記基準面は入射光波を反射させる役割を担う理想的な球面形状もしくは平面形状を有する光学基準面で構成されており、干渉計本体からの出射光波を被測定物の光学基準面へ入射し、光学基準面からの反射光波である測定光波と基準参照面からの反射光波である参照光波とを干渉させ発生させた干渉縞の情報を用いて被測定物の位置をアライメントする。
【0029】
更に好ましくは、前記基準面を利用して、アライメントミラーを入射光波もしくは出射光波の光線角度に対して垂直方向となるように位置決めし、アライメントミラーからの反射光波である測定光波と基準参照面からの反射光波である参照光波とを干渉させ発生させた干渉縞を用い、この干渉縞の情報を用いて被測定物の位置をアライメントする。
【0030】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下に、被測定物が軸外し回転放物面形状を有する放物面ミラーの場合を例にして、折返しヌル干渉計測を用いた被測定物の形状測定方法を説明する。
【0031】
図1は、本発明に於ける軸外し回転放物面形状を有する被測定物の面形状を測定する際の干渉計の構成を示す。図1において、被測定物101は、たとえばガラス等により構成され、軸外し回転放物面形状101aを有する放物面ミラーである。すなわち、放物面ミラーは、その中心が回転放物面の軸と一致していない。折返しミラー102は、ここでは理想的な球面形状102aを有するミラーである。TFレンズ103は、最終面には基準参照面103b(フィゾー面)を有し、平面波を発生させるレンズである。He−Neレーザ104は、干渉計の光源となるレーザ光を発する。出射されたレーザ光は、レンズ105a、偏光ビームスプリッタ106、λ/4板7、集光レンズ105bを通してTFレンズ103に入射する。
【0032】
TFレンズ103から出射して被測定物101および折返しミラー102により反射された光は、入射径路を折り返して変更ビームスプリッタ106を通して撮像手段であるCCDカメラ108に結像し、干渉像が撮影される。撮影された画像は、不図示のコンピュータなどに入力されて表示されるとともに、干渉縞の分析が行われて被測定面の形状誤差が求められる。レーザ4〜CCDカメラ8は干渉計を構成する主要素であり、ここでは干渉計本体109と呼ぶことにする。面形状の測定は、この干渉縞の位相分布を用いて測定される
干渉計本体109から出射された平面波はTFレンズ103に入射する。TFレンズ103の最終面(フィゾー面)103bで一部の光波は反射し、参照光波となる。一方、透過した光波は平面波のまま放物面ミラー101に入射し反射することになる。この時、放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状と、放物面ミラー101に入射する平面波の光線角度の関係が2次曲面形状設計値で定められる位置にアライメントされていれば、放物面ミラー101によって反射された光波は折返しミラー102に向かって球面波を発生させることになる。すなわち干渉計における放物面形状の配置は、TFレンズ103を透過した平面波の光線角度によって決められるものである。
【0033】
この時、放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状が設計値通りの理想的な形状を有していた場合、放物面ミラー101で反射した球面波の波面は理想的な球面形状を有することになる。設計値に対して加工誤差のある軸外し回転放物面形状で有れば、理想的な球面波から乱れが生じた波面が発生することになる。ここで発生した球面波の集光点が放物面ミラー101の焦点であり、放物面ミラー101の焦点と折返しミラー102の焦点を合致させるように折返しミラー102をアライメントすれば、球面波を折返しミラー102に垂直に入射、反射させることが可能となる。
【0034】
折返しミラー102で反射された光波は、往きの光路を逆戻りさせて測定光波となる。この後測定光波と参照光波を干渉させ、干渉計本体109のCCDカメラ108にて干渉縞を撮像させ、解析により被測定物の面形状を算出することになる。干渉計で使用されている光学部品や折返しミラー102は理想的な形状で、かつ放物面ミラー101や折返しミラー102は設計値通りに位置のアライメントがなされていれば、観察される干渉縞の乱れの状態は放物面ミラー101の形状誤差を表わすことになる。もし放物面ミラー101が設計値通りの理想的な放物面形状を有していれば、観察される干渉縞はワンカラー(縞一色)となり、形状誤差が存在しない状態となる。
【0035】
次にTFレンズ103を透過した平面波の光線方向に、放物面ミラー101の設計上の入射光波の光線角度を合致させるように放物面ミラー101をアライメントする方法について詳細に説明していく。この方法では、被測定物である放物面ミラー101及び折返しミラー102の位置に関するアライメント負荷を軽減するため、被測定物に基準面を設け、この基準面を利用して入射光波の光線角度に対して被測定物のアライメントを行う。
【0036】
被測定物である放物面ミラー101に設けるあるいは取りつける基準面の様子を図2に示す。図2(a)は、軸外し回転放物面形状面101a側に光学基準面101bを設けた放物面ミラーの様子を示す。図2(c)は、軸外し回転放物面形状面101aの裏面側に取り付けた基準面101dによって位置出しされた光学基準平面110bを有する平面板の様子を示す。いずれの場合も予め被測定物である放物面ミラー101に基準面となる基準平面101b,101dを研磨加工(例えば面形状精度:λ/20程度)しておく。
【0037】
図2(a)の構成においては、基準平面101bを放物面101aと同一の側に設け、基準平面101bに対して光軸が垂直となるように放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状101aを加工する。こうして放物面ミラー101と一体に光学基準面を設けている。
【0038】
一方、図2(c)の構成においては、基準平面101dは放物面101aと反対側の面に設けられている。そして、基準平面101dに対して光軸が垂直となるように放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状101aを加工する。そして、別途作成した、放物面ミラー101よりも大きく、基準平面101dと同程度の精度の平面110bを有する平面ミラー110を、基準平面101dと平面110bとが対向するように合わせて一体とする。このときに、放物面ミラー101外側にはみ出した平面110bを、補物面ミラー101及び折返しミラー102の位置合せ用の光学基準面として用いる。なお、この基準平面110bは、放物面ミラー101とは別に作成するものと説明したが、基準平面110bを放物面ミラー101と一体に設けても良い。
【0039】
このように構成された放物面ミラー101に対して、干渉計本体109に取り付けられたTFレンズ103を透過した平面波が入射され、光学基準面101bまたは110bにて反射される。その反射光の光束を測定光波とし、TFレンズ103の最終面(フィゾー面)103bで反射された光束を参照光波とし、測定光波と参照光波を干渉させて発生させた干渉縞がCCDカメラ108に結像される。
【0040】
放物面ミラー101の設計上の入射光角度が、TFレンズ103からの平面波の出射方向と一致している場合には、図2(b)や図2(d)に示すように、光学基準面101b,110bそれぞれに相当する部分の干渉縞101c,101eが、撮影された像において観察される。そこで、干渉縞の様子を頼りに放物面ミラーをアライメントすることによって、干渉計本体から出射される平面波の入射光波の光線角度に対して、放物面ミラーを正確にアライメントすることが可能となる。具体的には、光学基準面101b,110bからの反射波について形成される干渉像をCCDカメラ108により撮像し、撮像された干渉縞の位置を測定する。そして測定された光学基準面の干渉像の位置が所定位置に納まるように放物面ミラー101をアライメントする。この所定位置は、本来の測定対象である軸外し放物面101bについて形成される干渉像が、CCDカメラ108により撮影可能なあらかじめ決められた位置となるように決定される。
【0041】
このようにして調整された放物面ミラー101の位置や方向等のアライメントは、予め取り付けられた光学基準面によって保証されることになる。そのため、干渉計本体109からの光波と放物面ミラー101の入射光波の光線角度は設計値通りとなり、被測定物の位置のアライメントが完了している状態である。
【0042】
次に折返しミラー102の位置の調整方法を説明する。折返しミラー102の位置調整が行われていない状態では、図2(b)や図2(d)に示したように干渉縞の発生は光学基準面部分に限定される。しかし折返しミラー102を3軸(X,Y,Z)方向に移動させながら干渉縞の縞調整を行うことで、被測定物の軸外し放物面形状部分についても干渉縞を発生(すなわちCCDカメラ108に干渉縞を結像)させることができる。したがって、折返しミラー102の入射光波の光線角度と折返しミラー102の位置関係をアライメントすることが出来る。
【0043】
このようにして被測定物及び折返しミラーの位置のアライメントが完了する。この後、放物面ミラー101の面形状を測定すれば、解析により放物面ミラーの面形状を算出することが出来る。
【0044】
以上のように本実施形態では、放物面形状等の2次曲面形状を有する被測定物を干渉計にて測定する場合において、被測定物に基準面を取り付け、その基準面を用いて干渉計本体から出射した平面光波の光線角度に対して、被測定物の2次曲面形状の位置をアライメントできるようにしたものである。
【0045】
2次曲面形状の測定の際には、2次曲面形状(2次曲面ミラー)及び折返しミラーのいずれに対しても正確に位置のアライメントをする必要がある。しかし、従来はどちらのアライメントが不充分か(すなわち位置が不正確か)明確に判断できなかったため、アライメントが困難で手間も多く掛かってしまう課題があった。本実施形態の構成を用いることによって、まず2次曲面形状に取り付けられた基準面を用いて被測定物の位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置をアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。このように、被測定物のアライメント調整を折り返しミラーの調整とは独立して行えるようにしたことで、被測定物および折返しミラーの双方についてそれぞれ独立にアライメント調整を行える。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【0046】
[第2実施形態]
先述した第1実施形態では、2次曲面形状を有する被測定物に反射する基準面(光学基準面)を設け、あるいは取り付けて、被測定物と一体となった基準面を設けたことを特徴としており、その特徴により被測定物のアライメントを折返しミラーの位置とは独立して調整することができた。この第1実施形態における基準面は必ずしも光学基準面に限定されるわけではない。次に被測定物の基準面を突きあて基準面として使用した第2の実施形態について説明する。
【0047】
図3は、図1の構成から、干渉計本体109および折返しミラー102を除いた測定対象物の構成を示す。干渉計本体109および折返しミラー102については、図1と同様の構成である。図3における放物面ミラー301は、位置出し可能な基準面301bを設けているものである。この基準面301bは、軸外し放物面形状へ入射させる平面波の光線角度と平行となるように予め加工したものである。ここでL型治具311は、直角基準面311bを有した治具である。アライメントミラー(平面ミラー)312の基準面312bをL型治具の直角基準面に対して位置出しすることにより、放物面ミラー301の基準面301bに対して、アライメントミラー312の基準面312bを直角に位置決めできることになる。これにより予め入射する平面波の光線角度と平行となるように加工された放物面ミラーの基準面に対して、アライメントミラー312の基準面312bは入射する平面波の入射角度に直角に配置されることなる。
【0048】
干渉計本体109から出射した平面波に対して、位置出し済みの放物面ミラー301及びL型治具及びアライメントミラー312を一体に搭載したステージ313の位置のアライメントを行う。この時、アライメントミラー312にて反射した光波は測定光波となり、参照基準面103bにて反射した参照光波と干渉し、干渉縞が発生してCCDカメラ108により撮影される。この干渉縞の位置が所定位置に納まるように、第1実施形態と同様の要領で、ステージ313のアライメント調整を行う。基準面による干渉像が所定位置に納まるようにステージ313をアライメントすることで、放物面301についての干渉像もCCDカメラ108の撮影範囲における所定位置に納まる。これにより、干渉計本体109から出射した平面波に対して、アライメントミラー312を垂直に位置アライメントできる。この後、図3(b)に示すようにアライメントミラー312を取り除けば、放物面ミラー301の軸外し放物面形状に入射する平面波の光線角度は、設計値通りに調整できた状態となる。
【0049】
この後、折返しミラー102を3軸(X,Y,Z)方向にアライメントすれば、被測定物の軸外し放物面形状部分についても干渉縞が発生させることができる。したがって、折返しミラーの入射光波の光線角度と折返しミラーの位置関係をアライメントすることが出来る。
【0050】
図3(c)(d)は、それぞれ図3(a)(b)を図の下方向から見た場合の外観図である。これら図においても、アライメントミラー312や放物面ミラー301は、ステージ313により隠された基準平面により位置合わせされている。
【0051】
このようにして被測定物及び折返しミラーの位置のアライメントが完了した後、放物面ミラーの面形状を測定すれば、解析により放物面ミラーの面形状を算出することが出来る。
【0052】
以上のように本実施形態では、放物面形状等の2次曲面形状を有する被測定物を干渉計にて測定する場合において、被測定物をステージに対して位置決めしておき、そのステージに対して別途位置決めされたアライメントミラー(基準ミラー)によりステージのアライメントを調整する。
【0053】
これにより、2次曲面形状の測定の際には、まずステージに取り付けられたアライメントミラーを用いて被測定物の位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置をアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。このように、被測定物のアライメント調整を折り返しミラーの調整とは独立して行えるようにしたことで、被測定物および折返しミラーの双方についてそれぞれ独立にアライメント調整を行える。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【0054】
[第3実施形態]
次に第3の実施形態として、双曲面形状を有する被測定物自身に基準面を取りつけて位置決めをする測定方法について説明する。本実施形態では測定対象が双曲面ミラーであるために、干渉計本体は図5に示す干渉計本体9と同様の構成を有する。すなわち、TFレンズ103に代わりTSレンズが用いられ、球面波が出射される。
【0055】
図4(a)における双曲面ミラー401は、位置出し可能な基準面401bを設けたものである。この基準面401bは、双曲面形状へ入射させる球面波の光軸位置を一致させ、かつ双曲面に於ける第1焦点距離と第2焦点距離及び位置出しに使用するアライメントミラー(球面ミラー)412の形状を考慮して予め加工したものである。双曲面ミラー401の基準面401bは、双曲面ミラー401の光軸と平行であり、ステージ413のL型基準面(直交する2平面により構成される)の一方と合わせて、双曲面ミラー401はステージ413に対して位置決めされる。また、アライメントミラー412には、球面412bと一体に、その球面の光軸と直交する基準平面が設けられている。そのアライメントミラー412の基準平面が、ステージ413の他方の基準面と合わせられてアライメントミラーがステージに対して位置決めされる。
【0056】
この状態で、干渉計本体9から出射した球面波に対して、位置出し済みの双曲面ミラー401及びL型治具413及びアライメントミラー412を一体に搭載したステージ13の位置のアライメントを行う。この時、アライメントミラー412にて反射した光波は測定光波となり、参照基準面3bにて反射した参照光波と干渉し、干渉縞が発生してCCDカメラ8により撮影される。この干渉縞の位置が所定位置に納まるように、第1実施形態と同様の要領で、ステージ413のアライメント調整を行う。基準面412bによる干渉像が所定位置に納まるようにステージ313をアライメントすることで、双曲面401bについての干渉像もCCDカメラ8の撮影範囲における所定位置に納まる。これにより、干渉計本体9から出射した球面波に対して、アライメントミラー412が折返しミラーとして機能するようアライメントできる。この後、図4(b)に示すようにアライメントミラー412を取り除けば、双曲面ミラー401の双曲面401aで反射した光波は球面波を発生し、第2焦点にて集光することになる。
【0057】
図4においては図5に示した折返しミラー2を省略しているが、上記の手順で双曲面ミラー401のアライメントが完了した後に、折返しミラー2についても先述した放物面ミラーの場合と同様にアライメントを行う。
【0058】
以上のように本実施形態では、双曲面形状を有する被測定物を干渉計にて測定する場合において、被測定物をステージに対して位置決めしておき、そのステージに対して別途位置決めされたアライメントミラー(基準ミラー)によりステージのアライメントを調整する。
【0059】
これにより、双曲面形状の測定の際には、まずステージに取り付けられたアライメントミラーを用いて被測定物の位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置をアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。このように、被測定物のアライメント調整を折り返しミラーの調整とは独立して行えるようにしたことで、被測定物および折返しミラーの双方についてそれぞれ独立にアライメント調整を行える。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【0060】
なお、双曲面ミラーについても、第1実施形態のようにミラー部材と一体に光学基準平面を設け、その光学基準平面による反射光に基づいて、そのアライメント調整を行うこともできる。
【0061】
また、第1乃至第3の実施形態は2次曲面ミラーについて説明したが、折返しミラーなど、面の形状測定のために測定対象の面以外の副鏡を使用しなければならない場合には、いずれかの実施形態に係る発明を適用することができる。そして、この発明を適用することにより、測定対象の位置合わせと副鏡の位置合せとを独立して行うことができる。このため、位置合せを容易かつ高精度に行うことができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、測定対象の鏡面により反射された光を、さらに副鏡により反射させて干渉計により測定する際に、その副鏡のアライメント調整と、特定対象の鏡面のアライメント調整とを独立して行うことができるため、簡易かる高精度でそれぞれの鏡のアライメント調整を行うことが可能となる。そのため、測定の精度を低下させずに測定の生産性を向上させることが可能となる。
【0063】
また、本発明は放物面ミラー形状等の2次曲面形状を干渉計で測定する場合において、2次曲面形状に基準面を取り付け、干渉計から出射する光波の光線角度に対して、この基準面を用いて2次曲面形状の位置をアライメントできるようにしたものである。これによって2次曲面形状の測定における課題、すなわち2次曲面形状及び折返しミラーのいずれの位置の調整が不充分か判断しにくいアライメント作業も、本発明を用いることによって、まず2次曲面形状に取り付けられた基準面を用いて2次曲面形状を有する被測定物について位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置のアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1、本発明の実施例の干渉計要部概略図
【図2】図2(a)は、軸外し放物面ミラーに一体加工で取り付けた光学基準平面の例を示した図
図2(b)は、一体加工で取り付けた光学基準平面を用いた干渉縞の様子を示した図
図2(c)は、軸外し放物面ミラーに接着して取り付けた光学基準平面の例を示した図
図2(d)は、接着して取り付けた光学基準平面を用いた干渉縞の様子を示した図
【図3】図3(a)(c)は、軸外し放物面ミラーに設けた基準面とL型治具を用い、平面ミラーによる干渉縞を用いて軸外し放物面ミラーをアライメントする方法を示した図
図3(b)(d)は、平面ミラーを取り除くことによって、軸外し放物面ミラーのアライメントが完了している様子を示した図
【図4】図4(a)(c)は、双曲面ミラーに設けた基準面とL型治具を用い、球面ミラーによる干渉縞を用いて双曲面ミラーをアライメントする方法を示した図
図4(b)(d)は、球面ミラーを取り除くことによって、双曲面ミラーのアライメントが完了している様子を示した図
【図5】図5は、折返しヌル干渉計測により双曲面形状を測定する従来例を示した図
【図6】図6(a)は、折返しヌル干渉計測により放物面形状を測定する従来例を示した図
図6(b)は、折返しヌル干渉計測により放物面形状を測定するその他の従来例を示した図
【符号の説明】
401 被測定物(軸外し放物面ミラーもしくは双曲面ミラー)
401a 被測定物の表面形状(軸外し回転放物面形状もしくは双曲面形状)
401b 被測定物の基準面
402 折返しミラー
402a 折返しミラーの表面形状(平面形状もしくは球面形状)
403 TFレンズもしくはTSレンズ
403b 基準参照面(フィゾー面)
404 干渉計光源(He−Neレーザ)
405 集光レンズ
406 偏光ビームスプリッタ
407 λ/4板
408 CCDカメラ
409 干渉計本体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光学部品や金型などの物体表面形状を高精度に測定する3次元形状測定技術に関し、特に2次曲面形状を測定するための2次曲面測定方法及び2次曲面ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
放物面、双曲面、楕円面と言った2次曲面形状を有する光学部品の形状測定を行う場合、従来より“折返しヌル干渉計測”がしばしば用いられる。この“折返しヌル干渉計測”を用いた形状計測方法は、例えば特開平8−233548号公報に開示されている。以下に、被測定物が双曲面形状を有する場合の形状測定方法を説明する。
【0003】
折返しヌル干渉計測により双曲面形状を測定する場合は、図5に示すような配置の干渉計を用いる。図5において、被測定物1は、ここでは双曲面形状1aを有する。折り返しミラー2は理想的な球面形状を有しており、ここでは光軸及びその近傍部分が中抜けで光波を通過させることができる形状となっている。TSレンズ3は、後述する干渉計本体9から出射される平面波を球面波に変換させる役割を担うと共に、TSレンズ3の最終面が基準参照面3b(フィゾー面)になっている。He−Neレーザ4は干渉縞光源である。レンズ5aを通過したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ6により反射されて、λ/4板7、集光レンズ5bを通してTSレンズ3に入射される。干渉光はビームスプリッタ6を通して撮像手段であるCCDカメラ8に結像する。ここではレーザ4〜CCDカメラ8までの干渉計の要素を干渉計本体9と呼ぶことにする。
【0004】
干渉計本体9から出射された平面波はTSレンズ3で球面波に変換され、被測定物1へ向かって出射する。尚この時、TSレンズ3の最終面(フィゾー面)で一部の光波は反射し、参照光波となる。一方、TSレンズ3を透過した光波は被測定物1の双曲面形状1aにて反射されることになる。この時、双曲面1aの第1焦点と双曲面1aに入射する球面波の球心とが合致するようにアライメントされていれば、双曲面1aにて反射される波面は双曲面1aの第2焦点で集光する球面波となる。したがってこの球面波の球心に対して折返しミラー2の球心を合致させることで、折返しミラー2に対して球面波は垂直に入射し反射することになる。したがって折返しミラー2で反射した光波は、今来た光路を逆戻りして測定光波となる。この後測定光波と参照光波を干渉させた後、観察される干渉縞を干渉計本体9のCCDカメラ8にて撮像することになる。
【0005】
この際に干渉計本体9で使用されている光学部品や被測定物1及び折返しミラー2が理想的な形状を有しかつ正確にアライメントが行われていれば、観察される干渉縞はワンカラー(縞一色)となる。もし被測定物1の形状が理想的な双曲面から形状誤差を有している場合は干渉縞をワンカラーにすることは出来ず、その偏差が干渉縞から観察できることになる。
【0006】
以上が折返しヌル干渉計測による双曲面の測定のための構成及び原理である。ここでは折返しヌル干渉計測を用いて双曲面を有する被測定物の形状測定を例に示したが、被測定物が放物面となる場合は図6(a)に示すような構成にする方法が知られている。図5との違いは、被測定物は放物面形状を有するものとなり、また折返しミラー形状が球面形状ではなく平面形状を有するミラー602となる。一方、図6(a)に示すTSレンズ3の代わりに図6(b)に示すTFレンズ603(最終面には基準参照面(フィゾー面)603bを有し、平面波を発生させるレンズ)を用いてもよく、この場合の折返しミラー612は球面形状とすれば良い。
【0007】
やはりこの場合でも干渉計本体9で使用されている光学部品や放物面601a及び折返しミラー602,612が理想的な形状を有しかつ正確にアライメントが行われていれば、観察される干渉縞はワンカラー(縞一色)となる。放物面に形状誤差を有している場合は干渉縞をワンカラーにすることは出来ず、その偏差が干渉縞から観察できることになる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−233548号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、2次曲面形状の形状測定には“折返しヌル干渉計測”がしばしば用いられる。この測定方法では、入射光波もしくは出射光波の光線角度がほぼ設計値となるように、被測定物及び折返しミラーのそれぞれについて、位置のアライメントを実施する必要がある。ある程度のアライメントの追い込みがなされていれば干渉縞は観察できる。最終的には観察させる干渉縞を頼りにより微細なアライメント調整を行い、干渉縞をワンカラーに追い込むことで位置のアライメントを完了させることができる。
【0010】
しかしながら干渉縞が観察できる状態、すなわち干渉計本体の配置に対して、おおまかに被測定物や折返しミラーを位置決めされた状態に追い込むためには調整機構や治工具を用いる必要があった。特に被測定物が軸外しの放物面形状や双曲面形状の場合、軸外し量が大きくなるほど被測定物と光軸間の距離が離れるためにアライメントが難しくなり、位置決めのために多大な手間と労力を要することになる。
【0011】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、2次曲面を有する被測定物の面形状を干渉計を用いて測定する場合、被測定物及び折返しミラーの位置に関するアライメント作業の負荷を軽減させて測定を簡易化させ、高精度で曲面の測定を行うと共に、測定の生産性を向上させた面形状の測定方法及び曲面ミラーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるために、本発明は、被測定物に基準面を設けたことを特徴としており、この基準面を利用して被測定物のアライメントを行うようにするものである。すなわち、被測定物にて反射した測定光波と基準参照面にて反射した参照光波を干渉させて干渉縞を発生させ、干渉縞の位相分布を用いて被測定物の形状を測定する装置において、2次曲面形状を有する被測定物に位置のアライメントに使用する基準面が取り付けられたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明は以下の構成を備える。
【0014】
まず本発明は、曲面形状の反射面と、該反射面と一定の位置関係となるよう設けられた基準面とを有することを特徴とする曲面ミラーにある。
【0015】
更に好ましくは、前記基準面は、前記反射面への予定された入射光に直交する平面である。
【0016】
更に好ましくは、前記反射面は放物面形状を有する放物面ミラーであり、前記基準面は入射光波を反射する光学基準平面で構成されている。
【0017】
更に好ましくは、前記反射面は双曲面形状を有する双曲面ミラーであり、前記基準面は入射光波を反射する光学基準球面で構成されている。
【0018】
あるいは、本発明は以下の構成を備える。
【0019】
すなわち本発明は、前記基準面を、前記反射面への予定された入射光と平行な平面とした請求項1に記載の曲面ミラーと、
前記基準面と当接する第1の平面と、該第1の平面と直交する第2の平面とを有するステージ部と、
前記第2の平面と、一部において当接する基準平面を有する基準ミラーと
を備える。
【0020】
更に好ましくは、前記基準ミラーには、前記基準平面と直交する軸を有する基準球面がさらに設けられている。
【0021】
更に好ましくは、ミラーの反射面の形状を、前記反射面による反射光を副鏡を用いて折り返し該反射光の干渉像を測定することで測定する面形状の測定方法であって、
前記反射面への予定された入射光に直交するよう前記反射面の位置及び方向を基に設けられた基準平面に、測定光を入射し、前記基準平面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記ミラーの位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記副鏡の位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像を測定する。
【0022】
更に好ましくは、前記基準平面は、前記ミラーにおいて前記反射面と一体に設けられている。
【0023】
更に好ましくは、前記基準平面は、前記ミラーと同一のステージに載置された基準ミラーに設けられている。
【0024】
あるいは、本発明は以下の構成を備える。
【0025】
すなわち本発明は、ミラーの反射面の形状を、前記反射面による反射光を副鏡を用いて折り返し該反射光の干渉像を測定することで測定する面形状の測定方法であって、
前記反射面への予定された入射球面光を折り返すよう設けられた基準球面に測定光を入射し、前記基準球面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記ミラーの位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記副鏡の位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像を測定することを特徴とする面形状の測定方法にある。
【0026】
あるいは、本発明は以下の構成を備える。
【0027】
すなわち本発明は、干渉計からの出射光波を2次曲面形状を有する被測定物へ入射し、2次曲面形状からの反射光波を理想的な球面形状を有する折返し球面ミラーで反射させた後、往きの光路を逆戻りさせて測定光波とする一方、基準参照面にて一部の光波を反射させて参照光波とし、測定光波と参照光波とを干渉させて干渉縞を発生させ、この干渉縞の位相分布を用いて被測定物の2次曲面形状を測定する方法であって、
被測定物の位置のアライメントを、予め取り付けられている2次曲面形状の光線角度に起因した基準面を利用して発生させた干渉縞を用いて行うことを特徴とする2次曲面形状の測定方法にある。
【0028】
更に好ましくは、前記基準面は入射光波を反射させる役割を担う理想的な球面形状もしくは平面形状を有する光学基準面で構成されており、干渉計本体からの出射光波を被測定物の光学基準面へ入射し、光学基準面からの反射光波である測定光波と基準参照面からの反射光波である参照光波とを干渉させ発生させた干渉縞の情報を用いて被測定物の位置をアライメントする。
【0029】
更に好ましくは、前記基準面を利用して、アライメントミラーを入射光波もしくは出射光波の光線角度に対して垂直方向となるように位置決めし、アライメントミラーからの反射光波である測定光波と基準参照面からの反射光波である参照光波とを干渉させ発生させた干渉縞を用い、この干渉縞の情報を用いて被測定物の位置をアライメントする。
【0030】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下に、被測定物が軸外し回転放物面形状を有する放物面ミラーの場合を例にして、折返しヌル干渉計測を用いた被測定物の形状測定方法を説明する。
【0031】
図1は、本発明に於ける軸外し回転放物面形状を有する被測定物の面形状を測定する際の干渉計の構成を示す。図1において、被測定物101は、たとえばガラス等により構成され、軸外し回転放物面形状101aを有する放物面ミラーである。すなわち、放物面ミラーは、その中心が回転放物面の軸と一致していない。折返しミラー102は、ここでは理想的な球面形状102aを有するミラーである。TFレンズ103は、最終面には基準参照面103b(フィゾー面)を有し、平面波を発生させるレンズである。He−Neレーザ104は、干渉計の光源となるレーザ光を発する。出射されたレーザ光は、レンズ105a、偏光ビームスプリッタ106、λ/4板7、集光レンズ105bを通してTFレンズ103に入射する。
【0032】
TFレンズ103から出射して被測定物101および折返しミラー102により反射された光は、入射径路を折り返して変更ビームスプリッタ106を通して撮像手段であるCCDカメラ108に結像し、干渉像が撮影される。撮影された画像は、不図示のコンピュータなどに入力されて表示されるとともに、干渉縞の分析が行われて被測定面の形状誤差が求められる。レーザ4〜CCDカメラ8は干渉計を構成する主要素であり、ここでは干渉計本体109と呼ぶことにする。面形状の測定は、この干渉縞の位相分布を用いて測定される
干渉計本体109から出射された平面波はTFレンズ103に入射する。TFレンズ103の最終面(フィゾー面)103bで一部の光波は反射し、参照光波となる。一方、透過した光波は平面波のまま放物面ミラー101に入射し反射することになる。この時、放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状と、放物面ミラー101に入射する平面波の光線角度の関係が2次曲面形状設計値で定められる位置にアライメントされていれば、放物面ミラー101によって反射された光波は折返しミラー102に向かって球面波を発生させることになる。すなわち干渉計における放物面形状の配置は、TFレンズ103を透過した平面波の光線角度によって決められるものである。
【0033】
この時、放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状が設計値通りの理想的な形状を有していた場合、放物面ミラー101で反射した球面波の波面は理想的な球面形状を有することになる。設計値に対して加工誤差のある軸外し回転放物面形状で有れば、理想的な球面波から乱れが生じた波面が発生することになる。ここで発生した球面波の集光点が放物面ミラー101の焦点であり、放物面ミラー101の焦点と折返しミラー102の焦点を合致させるように折返しミラー102をアライメントすれば、球面波を折返しミラー102に垂直に入射、反射させることが可能となる。
【0034】
折返しミラー102で反射された光波は、往きの光路を逆戻りさせて測定光波となる。この後測定光波と参照光波を干渉させ、干渉計本体109のCCDカメラ108にて干渉縞を撮像させ、解析により被測定物の面形状を算出することになる。干渉計で使用されている光学部品や折返しミラー102は理想的な形状で、かつ放物面ミラー101や折返しミラー102は設計値通りに位置のアライメントがなされていれば、観察される干渉縞の乱れの状態は放物面ミラー101の形状誤差を表わすことになる。もし放物面ミラー101が設計値通りの理想的な放物面形状を有していれば、観察される干渉縞はワンカラー(縞一色)となり、形状誤差が存在しない状態となる。
【0035】
次にTFレンズ103を透過した平面波の光線方向に、放物面ミラー101の設計上の入射光波の光線角度を合致させるように放物面ミラー101をアライメントする方法について詳細に説明していく。この方法では、被測定物である放物面ミラー101及び折返しミラー102の位置に関するアライメント負荷を軽減するため、被測定物に基準面を設け、この基準面を利用して入射光波の光線角度に対して被測定物のアライメントを行う。
【0036】
被測定物である放物面ミラー101に設けるあるいは取りつける基準面の様子を図2に示す。図2(a)は、軸外し回転放物面形状面101a側に光学基準面101bを設けた放物面ミラーの様子を示す。図2(c)は、軸外し回転放物面形状面101aの裏面側に取り付けた基準面101dによって位置出しされた光学基準平面110bを有する平面板の様子を示す。いずれの場合も予め被測定物である放物面ミラー101に基準面となる基準平面101b,101dを研磨加工(例えば面形状精度:λ/20程度)しておく。
【0037】
図2(a)の構成においては、基準平面101bを放物面101aと同一の側に設け、基準平面101bに対して光軸が垂直となるように放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状101aを加工する。こうして放物面ミラー101と一体に光学基準面を設けている。
【0038】
一方、図2(c)の構成においては、基準平面101dは放物面101aと反対側の面に設けられている。そして、基準平面101dに対して光軸が垂直となるように放物面ミラー101の軸外し回転放物面形状101aを加工する。そして、別途作成した、放物面ミラー101よりも大きく、基準平面101dと同程度の精度の平面110bを有する平面ミラー110を、基準平面101dと平面110bとが対向するように合わせて一体とする。このときに、放物面ミラー101外側にはみ出した平面110bを、補物面ミラー101及び折返しミラー102の位置合せ用の光学基準面として用いる。なお、この基準平面110bは、放物面ミラー101とは別に作成するものと説明したが、基準平面110bを放物面ミラー101と一体に設けても良い。
【0039】
このように構成された放物面ミラー101に対して、干渉計本体109に取り付けられたTFレンズ103を透過した平面波が入射され、光学基準面101bまたは110bにて反射される。その反射光の光束を測定光波とし、TFレンズ103の最終面(フィゾー面)103bで反射された光束を参照光波とし、測定光波と参照光波を干渉させて発生させた干渉縞がCCDカメラ108に結像される。
【0040】
放物面ミラー101の設計上の入射光角度が、TFレンズ103からの平面波の出射方向と一致している場合には、図2(b)や図2(d)に示すように、光学基準面101b,110bそれぞれに相当する部分の干渉縞101c,101eが、撮影された像において観察される。そこで、干渉縞の様子を頼りに放物面ミラーをアライメントすることによって、干渉計本体から出射される平面波の入射光波の光線角度に対して、放物面ミラーを正確にアライメントすることが可能となる。具体的には、光学基準面101b,110bからの反射波について形成される干渉像をCCDカメラ108により撮像し、撮像された干渉縞の位置を測定する。そして測定された光学基準面の干渉像の位置が所定位置に納まるように放物面ミラー101をアライメントする。この所定位置は、本来の測定対象である軸外し放物面101bについて形成される干渉像が、CCDカメラ108により撮影可能なあらかじめ決められた位置となるように決定される。
【0041】
このようにして調整された放物面ミラー101の位置や方向等のアライメントは、予め取り付けられた光学基準面によって保証されることになる。そのため、干渉計本体109からの光波と放物面ミラー101の入射光波の光線角度は設計値通りとなり、被測定物の位置のアライメントが完了している状態である。
【0042】
次に折返しミラー102の位置の調整方法を説明する。折返しミラー102の位置調整が行われていない状態では、図2(b)や図2(d)に示したように干渉縞の発生は光学基準面部分に限定される。しかし折返しミラー102を3軸(X,Y,Z)方向に移動させながら干渉縞の縞調整を行うことで、被測定物の軸外し放物面形状部分についても干渉縞を発生(すなわちCCDカメラ108に干渉縞を結像)させることができる。したがって、折返しミラー102の入射光波の光線角度と折返しミラー102の位置関係をアライメントすることが出来る。
【0043】
このようにして被測定物及び折返しミラーの位置のアライメントが完了する。この後、放物面ミラー101の面形状を測定すれば、解析により放物面ミラーの面形状を算出することが出来る。
【0044】
以上のように本実施形態では、放物面形状等の2次曲面形状を有する被測定物を干渉計にて測定する場合において、被測定物に基準面を取り付け、その基準面を用いて干渉計本体から出射した平面光波の光線角度に対して、被測定物の2次曲面形状の位置をアライメントできるようにしたものである。
【0045】
2次曲面形状の測定の際には、2次曲面形状(2次曲面ミラー)及び折返しミラーのいずれに対しても正確に位置のアライメントをする必要がある。しかし、従来はどちらのアライメントが不充分か(すなわち位置が不正確か)明確に判断できなかったため、アライメントが困難で手間も多く掛かってしまう課題があった。本実施形態の構成を用いることによって、まず2次曲面形状に取り付けられた基準面を用いて被測定物の位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置をアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。このように、被測定物のアライメント調整を折り返しミラーの調整とは独立して行えるようにしたことで、被測定物および折返しミラーの双方についてそれぞれ独立にアライメント調整を行える。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【0046】
[第2実施形態]
先述した第1実施形態では、2次曲面形状を有する被測定物に反射する基準面(光学基準面)を設け、あるいは取り付けて、被測定物と一体となった基準面を設けたことを特徴としており、その特徴により被測定物のアライメントを折返しミラーの位置とは独立して調整することができた。この第1実施形態における基準面は必ずしも光学基準面に限定されるわけではない。次に被測定物の基準面を突きあて基準面として使用した第2の実施形態について説明する。
【0047】
図3は、図1の構成から、干渉計本体109および折返しミラー102を除いた測定対象物の構成を示す。干渉計本体109および折返しミラー102については、図1と同様の構成である。図3における放物面ミラー301は、位置出し可能な基準面301bを設けているものである。この基準面301bは、軸外し放物面形状へ入射させる平面波の光線角度と平行となるように予め加工したものである。ここでL型治具311は、直角基準面311bを有した治具である。アライメントミラー(平面ミラー)312の基準面312bをL型治具の直角基準面に対して位置出しすることにより、放物面ミラー301の基準面301bに対して、アライメントミラー312の基準面312bを直角に位置決めできることになる。これにより予め入射する平面波の光線角度と平行となるように加工された放物面ミラーの基準面に対して、アライメントミラー312の基準面312bは入射する平面波の入射角度に直角に配置されることなる。
【0048】
干渉計本体109から出射した平面波に対して、位置出し済みの放物面ミラー301及びL型治具及びアライメントミラー312を一体に搭載したステージ313の位置のアライメントを行う。この時、アライメントミラー312にて反射した光波は測定光波となり、参照基準面103bにて反射した参照光波と干渉し、干渉縞が発生してCCDカメラ108により撮影される。この干渉縞の位置が所定位置に納まるように、第1実施形態と同様の要領で、ステージ313のアライメント調整を行う。基準面による干渉像が所定位置に納まるようにステージ313をアライメントすることで、放物面301についての干渉像もCCDカメラ108の撮影範囲における所定位置に納まる。これにより、干渉計本体109から出射した平面波に対して、アライメントミラー312を垂直に位置アライメントできる。この後、図3(b)に示すようにアライメントミラー312を取り除けば、放物面ミラー301の軸外し放物面形状に入射する平面波の光線角度は、設計値通りに調整できた状態となる。
【0049】
この後、折返しミラー102を3軸(X,Y,Z)方向にアライメントすれば、被測定物の軸外し放物面形状部分についても干渉縞が発生させることができる。したがって、折返しミラーの入射光波の光線角度と折返しミラーの位置関係をアライメントすることが出来る。
【0050】
図3(c)(d)は、それぞれ図3(a)(b)を図の下方向から見た場合の外観図である。これら図においても、アライメントミラー312や放物面ミラー301は、ステージ313により隠された基準平面により位置合わせされている。
【0051】
このようにして被測定物及び折返しミラーの位置のアライメントが完了した後、放物面ミラーの面形状を測定すれば、解析により放物面ミラーの面形状を算出することが出来る。
【0052】
以上のように本実施形態では、放物面形状等の2次曲面形状を有する被測定物を干渉計にて測定する場合において、被測定物をステージに対して位置決めしておき、そのステージに対して別途位置決めされたアライメントミラー(基準ミラー)によりステージのアライメントを調整する。
【0053】
これにより、2次曲面形状の測定の際には、まずステージに取り付けられたアライメントミラーを用いて被測定物の位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置をアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。このように、被測定物のアライメント調整を折り返しミラーの調整とは独立して行えるようにしたことで、被測定物および折返しミラーの双方についてそれぞれ独立にアライメント調整を行える。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【0054】
[第3実施形態]
次に第3の実施形態として、双曲面形状を有する被測定物自身に基準面を取りつけて位置決めをする測定方法について説明する。本実施形態では測定対象が双曲面ミラーであるために、干渉計本体は図5に示す干渉計本体9と同様の構成を有する。すなわち、TFレンズ103に代わりTSレンズが用いられ、球面波が出射される。
【0055】
図4(a)における双曲面ミラー401は、位置出し可能な基準面401bを設けたものである。この基準面401bは、双曲面形状へ入射させる球面波の光軸位置を一致させ、かつ双曲面に於ける第1焦点距離と第2焦点距離及び位置出しに使用するアライメントミラー(球面ミラー)412の形状を考慮して予め加工したものである。双曲面ミラー401の基準面401bは、双曲面ミラー401の光軸と平行であり、ステージ413のL型基準面(直交する2平面により構成される)の一方と合わせて、双曲面ミラー401はステージ413に対して位置決めされる。また、アライメントミラー412には、球面412bと一体に、その球面の光軸と直交する基準平面が設けられている。そのアライメントミラー412の基準平面が、ステージ413の他方の基準面と合わせられてアライメントミラーがステージに対して位置決めされる。
【0056】
この状態で、干渉計本体9から出射した球面波に対して、位置出し済みの双曲面ミラー401及びL型治具413及びアライメントミラー412を一体に搭載したステージ13の位置のアライメントを行う。この時、アライメントミラー412にて反射した光波は測定光波となり、参照基準面3bにて反射した参照光波と干渉し、干渉縞が発生してCCDカメラ8により撮影される。この干渉縞の位置が所定位置に納まるように、第1実施形態と同様の要領で、ステージ413のアライメント調整を行う。基準面412bによる干渉像が所定位置に納まるようにステージ313をアライメントすることで、双曲面401bについての干渉像もCCDカメラ8の撮影範囲における所定位置に納まる。これにより、干渉計本体9から出射した球面波に対して、アライメントミラー412が折返しミラーとして機能するようアライメントできる。この後、図4(b)に示すようにアライメントミラー412を取り除けば、双曲面ミラー401の双曲面401aで反射した光波は球面波を発生し、第2焦点にて集光することになる。
【0057】
図4においては図5に示した折返しミラー2を省略しているが、上記の手順で双曲面ミラー401のアライメントが完了した後に、折返しミラー2についても先述した放物面ミラーの場合と同様にアライメントを行う。
【0058】
以上のように本実施形態では、双曲面形状を有する被測定物を干渉計にて測定する場合において、被測定物をステージに対して位置決めしておき、そのステージに対して別途位置決めされたアライメントミラー(基準ミラー)によりステージのアライメントを調整する。
【0059】
これにより、双曲面形状の測定の際には、まずステージに取り付けられたアライメントミラーを用いて被測定物の位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置をアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。このように、被測定物のアライメント調整を折り返しミラーの調整とは独立して行えるようにしたことで、被測定物および折返しミラーの双方についてそれぞれ独立にアライメント調整を行える。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【0060】
なお、双曲面ミラーについても、第1実施形態のようにミラー部材と一体に光学基準平面を設け、その光学基準平面による反射光に基づいて、そのアライメント調整を行うこともできる。
【0061】
また、第1乃至第3の実施形態は2次曲面ミラーについて説明したが、折返しミラーなど、面の形状測定のために測定対象の面以外の副鏡を使用しなければならない場合には、いずれかの実施形態に係る発明を適用することができる。そして、この発明を適用することにより、測定対象の位置合わせと副鏡の位置合せとを独立して行うことができる。このため、位置合せを容易かつ高精度に行うことができる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、測定対象の鏡面により反射された光を、さらに副鏡により反射させて干渉計により測定する際に、その副鏡のアライメント調整と、特定対象の鏡面のアライメント調整とを独立して行うことができるため、簡易かる高精度でそれぞれの鏡のアライメント調整を行うことが可能となる。そのため、測定の精度を低下させずに測定の生産性を向上させることが可能となる。
【0063】
また、本発明は放物面ミラー形状等の2次曲面形状を干渉計で測定する場合において、2次曲面形状に基準面を取り付け、干渉計から出射する光波の光線角度に対して、この基準面を用いて2次曲面形状の位置をアライメントできるようにしたものである。これによって2次曲面形状の測定における課題、すなわち2次曲面形状及び折返しミラーのいずれの位置の調整が不充分か判断しにくいアライメント作業も、本発明を用いることによって、まず2次曲面形状に取り付けられた基準面を用いて2次曲面形状を有する被測定物について位置のアライメントを完了させた後、改めて折返しミラーの位置のアライメントすることになり、アライメントの作業手順を明確にすることができる。これによって大幅にアライメント作業の負荷軽減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1、本発明の実施例の干渉計要部概略図
【図2】図2(a)は、軸外し放物面ミラーに一体加工で取り付けた光学基準平面の例を示した図
図2(b)は、一体加工で取り付けた光学基準平面を用いた干渉縞の様子を示した図
図2(c)は、軸外し放物面ミラーに接着して取り付けた光学基準平面の例を示した図
図2(d)は、接着して取り付けた光学基準平面を用いた干渉縞の様子を示した図
【図3】図3(a)(c)は、軸外し放物面ミラーに設けた基準面とL型治具を用い、平面ミラーによる干渉縞を用いて軸外し放物面ミラーをアライメントする方法を示した図
図3(b)(d)は、平面ミラーを取り除くことによって、軸外し放物面ミラーのアライメントが完了している様子を示した図
【図4】図4(a)(c)は、双曲面ミラーに設けた基準面とL型治具を用い、球面ミラーによる干渉縞を用いて双曲面ミラーをアライメントする方法を示した図
図4(b)(d)は、球面ミラーを取り除くことによって、双曲面ミラーのアライメントが完了している様子を示した図
【図5】図5は、折返しヌル干渉計測により双曲面形状を測定する従来例を示した図
【図6】図6(a)は、折返しヌル干渉計測により放物面形状を測定する従来例を示した図
図6(b)は、折返しヌル干渉計測により放物面形状を測定するその他の従来例を示した図
【符号の説明】
401 被測定物(軸外し放物面ミラーもしくは双曲面ミラー)
401a 被測定物の表面形状(軸外し回転放物面形状もしくは双曲面形状)
401b 被測定物の基準面
402 折返しミラー
402a 折返しミラーの表面形状(平面形状もしくは球面形状)
403 TFレンズもしくはTSレンズ
403b 基準参照面(フィゾー面)
404 干渉計光源(He−Neレーザ)
405 集光レンズ
406 偏光ビームスプリッタ
407 λ/4板
408 CCDカメラ
409 干渉計本体
Claims (13)
- 曲面形状の反射面と、該反射面と一定の位置関係となるよう設けられた基準面とを有することを特徴とする曲面ミラー。
- 前記基準面は、前記反射面への予定された入射光に直交する平面であることを特徴とする請求項1に記載の曲面ミラー。
- 前記反射面は放物面形状を有する放物面ミラーであり、前記基準面は入射光波を反射する光学基準平面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の曲面ミラー。
- 前記反射面は双曲面形状を有する双曲面ミラーであり、前記基準面は入射光波を反射する光学基準球面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の曲面ミラー。
- 前記基準面を、前記反射面への予定された入射光と平行な平面とした請求項1に記載の曲面ミラーと、
前記基準面と当接する第1の平面と、該第1の平面と直交する第2の平面とを有するステージ部と、
前記第2の平面と、一部において当接する基準平面を有する基準ミラーと
を備えることを特徴とする測定用ミラーユニット。 - 前記基準ミラーには、前記基準平面と直交する軸を有する基準球面がさらに設けられていることを特徴とする請求項5に記載の測定用ミラーユニット。
- ミラーの反射面の形状を、前記反射面による反射光を副鏡を用いて折り返し該反射光の干渉像を測定することで測定する面形状の測定方法であって、
前記反射面への予定された入射光に直交するよう前記反射面の位置及び方向を基に設けられた基準平面に、測定光を入射し、前記基準平面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記ミラーの位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記副鏡の位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像を測定することを特徴とする面形状の測定方法。 - 前記基準平面は、前記ミラーにおいて前記反射面と一体に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記基準平面は、前記ミラーと同一のステージに載置された基準ミラーに設けられていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- ミラーの反射面の形状を、前記反射面による反射光を副鏡を用いて折り返し該反射光の干渉像を測定することで測定する面形状の測定方法であって、
前記反射面への予定された入射球面光を折り返すよう設けられた基準球面に測定光を入射し、前記基準球面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記ミラーの位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像の位置が所定位置となるように前記副鏡の位置を調整し、
前記反射面に測定光を入射し、前記反射面による反射波により形成される干渉像を測定することを特徴とする面形状の測定方法。 - 干渉計からの出射光波を2次曲面形状を有する被測定物へ入射し、2次曲面形状からの反射光波を理想的な球面形状を有する折返し球面ミラーで反射させた後、往きの光路を逆戻りさせて測定光波とする一方、基準参照面にて一部の光波を反射させて参照光波とし、測定光波と参照光波とを干渉させて干渉縞を発生させ、この干渉縞の位相分布を用いて被測定物の2次曲面形状を測定する方法であって、
被測定物の位置のアライメントを、予め取り付けられている2次曲面形状の光線角度に起因した基準面を利用して発生させた干渉縞を用いて行うことを特徴とする2次曲面形状の測定方法。 - 前記基準面は入射光波を反射させる役割を担う理想的な球面形状もしくは平面形状を有する光学基準面で構成されており、干渉計本体からの出射光波を被測定物の光学基準面へ入射し、光学基準面からの反射光波である測定光波と基準参照面からの反射光波である参照光波とを干渉させ発生させた干渉縞の情報を用いて被測定物の位置をアライメントすることを特徴とする請求項11記載の2次曲面形状の測定方法。
- 前記基準面を利用して、アライメントミラーを入射光波もしくは出射光波の光線角度に対して垂直方向となるように位置決めし、アライメントミラーからの反射光波である測定光波と基準参照面からの反射光波である参照光波とを干渉させ発生させた干渉縞を用い、この干渉縞の情報を用いて被測定物の位置をアライメントすることを特徴とする請求項11記載の2次曲面形状の測定方法。
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