JP4265404B2 - 点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置 - Google Patents

点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、点回折型干渉計測(Point Diffraction Interferometry)を利用した点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置、該方法を用いて投影レンズを製造する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
半導体素子を製造するために、半導体製造装置が用いられている。例えば、代表的な半導体製造装置として、縮小投影型逐次露光装置(以下、適宜、「ステッパー」という)が挙げられる。ステッパーは高精度な投影レンズを備えている。そして、この高精度投影レンズの精度を保証するために、実際の露光波長領域において、投影レンズ全体、及び投影レンズを構成する個々の光学素子の透過波面収差、又は反射波面収差を測定する必要がある。このため、露光波長領域と同一、又は露光波長領域にほぼ等しい波長の光を発する可干渉性の高い光源を用いた種々の干渉計が提案されている。
【0003】
また近年、半導体素子の高集積化が進んでいる。この高集積化に対応するために、ステッパーの露光波長は短波長化している。例えば、光源として高圧水銀ランプを用いたg線(λ=436nm)からi線(λ=365nm)へ短波長化している。さらには、KrFエキシマレーザ(λ=248nm)からArFエキシマレーザ(λ=193nm)へと短波長化している。この結果、露光波長付近の発振波長を持つ可干渉性の高い光源の入手は非常に困難となってきている。そのため、可干渉性の比較的低い光源でも高精度な干渉計測を行うことができる点回折型干渉計測を用いた点回折型干渉計測装置が提案されている。
【0004】
以下、従来の点回折型干渉計測装置を添付図面に基づいて説明する。図8は、従来の点回折型干渉計測装置の概略構成図である。図8において、光源1から射出された光束はピンホール2を照明する。該ピンホール2を射出した光は、ほぼ理想的な球面波と見なすことができる。ピンホール2を射出した球面波は、光源1側から順に、コリメータレンズ3と、折り曲げミラー4と、ビームスプリッタ5と、折り曲げミラー6と、折り曲げミラー7と、集光レンズ8とを経由する。そして、集光レンズ8を射出した光は被検物9を透過し、折り返しミラー10によって反射される。
【0005】
この反射された光は、折り返しミラー10側から順に、再び被検物9と、集光レンズ8と、折り曲げミラー7と、折り曲げミラー6とを経由する。そして、ビームスプリッタ5によって集光レンズ11に向かって反射される。このビームスプリッタ5によって反射された光は、集光レンズ11を経由した後、回折格子12に入射する。
【0006】
回折格子12に入射した光は、該回折格子12によって0次光と、+1次光と、及びそれ以外の次数の回折光とに回折される。0次光は、参照光を生成するためのピンホール13aへ入射する。ピンホール13aを射出した光は、ほぼ理想的な球面波とみなすことができるためこれが参照光となる。+1次光は、測定光を通過させるためのウィンドウ13bへ入射する。そして、ピンホール13aを射出した参照光と、ウィンドウ13bを射出した測定光とは、コリメータレンズ14を経由して、干渉縞検出部15に入射する。干渉縞検出部15では、参照光と測定光とが干渉することによって形成される干渉縞を観察することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の点回折型干渉計測装置においては、光束を分離するために回折格子を用いている。このため、0,+1次光以外の次数の回折光がピンホール13aやウィンドウ13bに入射してノイズ光となるという問題がある。
【0008】
また、ピンホール13aに入射する0次のスポット光とウィンドウ13bに入射する+1次のスポット光がそれぞれ収差によって広がる。このため、スポット光同士の分離が難しくなり、互いにノイズ光となるという問題がある。これらのノイズ光の存在により干渉縞検出時のS/Nまたはダイナミックレンジを低下させていた。
【0009】
また、上述のようにピンホールに入射する光束は、該ピンホールを通過することによってほぼ理想的な球面波に変換される。ここで、ピンホールに入射する光束の収差によって、発生する球面波の光量が異なる。尚、ピンホールに入射する光束の光量は、回折格子の設計によって決まる。ピンホールに入射する光束の収差が小さく集光性が良い場合、ピンホールを通過する光の光量が大きいため、参照光(発生する球面波)の光量は大きくなる。一方、ピンホールに入射する光束の収差が大きく集光性が悪い場合、ピンホールを通過する光の光量が小さいため、参照光(発生する球面波)の光量は小さくなる。このため、参照光の光量と測定光の光量とに差が生じて、干渉縞のコントラストが低下してしまうという問題がある。
【0010】
【発明の開示】
さらに、被検物を別の被検物に替えて計測する度に、被検物を通った光をピンホールに戻すために被検物への入射光に対して被検物をアライメント(以下、適宜、被検物のアライメントという)する必要がある。これには次の理由による。すなわち、被検物は、発生する収差量がそれぞれ異なる多様な光学部材である。従って、このような被検物を透過した光束は、収差や屈折によりピンホールに向かう光路が変化するために、必ずしもピンホールに入るとは限らない。それゆえ、被検物をその入射光に対して3次元的にアライメントして被検物を通った光を微小なピンホールへ精度良く導く必要がある。しかし、この3次元的なアライメントを短時間で精度良く行うことは非常に困難であるという問題がある。なお、本明細書において、「被検物のアライメント」とは、測定光に対して被検物の方位または位置を調整するだけではなく、被検物を通った光を被検物に戻すための反射ミラーの角度または位置を調整することも含む概念である。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光束を被検物の光学特性を計測する計測方法に用いられる参照光と測定光とに分離する際に生じるノイズ光を低減した点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置を提供することを第1の目的とする。
【0012】
また本発明の第2の目的は、被検物を経由した参照光がピンホールを確実に通過するように被検物のアライメントを短時間で精度良く行うことができる点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置を提供するにある。本発明の第3の目的は、被検物を交換しても参照光が常にピンホールに迅速に且つ高精度に導かれる点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置を提供することにある。本発明の第4の目的は、波面収差が充分に低減された投影レンズ、特に露光装置に搭載される投影レンズを製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の参考態様に従えば、略理想的な球面波を形成する工程と、
前記球面波を被検物に経由させた光束を2つの光束へ分割する工程と、
前記分割した光束のうちの一方の光束を、ピンホールを通過させて略理想的な球面波である参照光へ変換する工程と、
前記分割した光束のうちの他方の光束である測定光と前記参照光とを干渉させて生ずる干渉縞を検出する工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法が提供される。本発明の方法では、回折格子を用いることなく光路分割素子により測定光と参照光を充分に分離してノイズ光が発生することを防止することができる。また、この方法では、参照光が測定光とほぼ同一の光路を通るので振動などの外乱による影響を受けにくく、高精度な測定が可能である。光路分割素子はビームスプリッターやプリズムにし得る。
【0014】
第2の参考態様に従えば、略理想的な球面波を形成する工程と、
前記球面波からなる光束を被検物に経由させる前に、該光束を2つの光束へ分割する工程と、
前記分割した光束のうちの一方の光束を、ピンホールを通過させて略理想的な球面波である参照光へ変換する工程と、
前記分割した光束のうちの他方の光束のみを、前記被検物を経由させることによって測定光とする工程と、
前記参照光と前記測定光とを干渉させて生ずる干渉縞を検出する工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法が提供される。本発明の第2の参考態様に従う方法では、参照光が被検物を通過していないので、被検物を取り替えられても参照光のピンホールに対する位置は変動しない。それゆえ、被検物のアライメントが極めて容易となり、測定を短時間で行うことができる。
【0015】
第2の参考態様に従う方法において、前記略理想的な球面波を形成するために光源と光源用ピンホールとを用い、前記光源から前記干渉縞検出部までの参照光の光路長と前記光源から前記干渉縞検出部までの測定光の光路長との差を、前記光源からの光の可干渉距離以内となるように補正する工程を含み得る。
【0016】
本発明の第の態様に従えば、点光源生成手段によって略理想的な球面波である光源球面波を形成する工程と、
前記光源球面波からなる光源光束を被検物に経由させた後、前記被検物を経由した光束を第1光路分割素子によって2つの光束へ分割し、前記第1光路分割素子によって分割された光束のうちの一方の光束を、第1ピンホールを通過させて略理想的な球面波である第1参照光へ変換し、第1光路分割素子によって分割された光束のうちの他方の光束である第1測定光と前記第1参照光とを干渉させて生じる第1の干渉縞を検出する第1の計測と、前記光源光束を前記被検物に経由させる前に、前記光源光束を第2光路分割素子によって2つの光束へ分割し、前記第2光路分割素子によって分割された光束のうちの一方の光束を、第2ピンホールを通過させて略理想的な球面波である第2参照光へ変換し、前記第2光路分割素子によって分割された光束のうちの他方の光束のみを前記被検物を経由させることによって第2測定光とし、前記第2参照光と前記第2測定光とを干渉させて生じる第2の干渉縞を検出する第2の計測とを切り換える工程と、
前記第2の干渉縞の情報を、前記第1の計測のために、第1光路分割素子によって分割された光束のうち前記第1参照光とするための光束を前記第1ピンホールに入射させる際のアライメントに用いる工程とを含むことを特徴とする点回折干渉計測方法が提供される。この第の態様に従う方法では、第1の参考態様に従う方法(計測モード)と第2の参考態様に従う方法(アライメントモード)の利点を備えることができる。すなわち、被検物が取り替えられても被検物のアライメントを短時間に行うことができ、また、実際の計測は被検物を経由した参照光を用いるので高精度な結果が得られる。
【0017】
の態様に従う方法において、前記第1ピンホールと前記第2ピンホールとは、共通のピンホールによって兼用され得る。また、前記第1光路分割素子及び前記第2光路分割素子は、偏光ビームスプリッタにし得る。
【0018】
第1または2の参考態様に従う方法において、前記干渉縞の検出面において前記参照光の光量と前記測定光の光量とが略等しくなるように、前記参照光の光量と前記測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整工程を含み得る。この場合、前記光量調整工程は、前記光路を分割する前の光路に1/2波長板を挿入し、前記ピンホールを通過した参照光と前記測定光との少なくとも一方の光量に基づいて1/2波長板を回転させることによって行うことができる。
【0019】
また、本発明の第2の態様によれば、第1または2の参考態様における前記光量調整工程は、前記ピンホールを通過した前記参照光の光量を、前記ピンホールより後方側で測定する参照光光量測定工程と、前記測定光の光量を前記光路分割した後で測定する測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記参照光光量測定工程と前記測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記1/2波長板を回転させる波長板調整工程とを含
【0020】
の態様に従う方法において、前記干渉縞の検出面において前記第1参照光の光量と前記第1測定光の光量とが略等しくなるように、前記第1参照光の光量と前記第1測定光の光量との少なくとも一方を調整し、前記第2参照光の光量と前記第2測定光の光量とが略等しくなるように、前記第2参照光の光量と前記第2測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整工程を含み得る。この場合、前記光量調整工程は、前記第1ピンホールを通過した第1参照光と前記第1測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記第1光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された第1の1/2波長板を回転させ、前記第2ピンホールを通過した第2参照光と前記第2測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記第2光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された第2の1/2波長板を回転させる工程であり得る。また、前記光量調整工程は、前記第1ピンホールを通過した前記第1参照光の光量を、前記第1ピンホールよりも前記干渉縞検出部側で測定する第1参照光光量測定工程と、前記第1測定光の光量を前記第1光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側で測定する第1測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記第1参照光光量測定工程と前記第1測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記第1の1/2波長板を回転させる第1の波長板調整工程と、前記第2ピンホールを通過した前記第2参照光の光量を、前記第2ピンホールよりも前記干渉縞検出部側で測定する第2参照光光量測定工程と、前記第2測定光の光量を前記第2光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側で測定する第2測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記第2参照光光量測定工程と前記第2測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記第2の1/2波長板を回転させる第2波長板調整工程とを含み得る。
【0021】
第3の参考態様に従えば、球面波を生成する点光源生成装置と、
前記点光源生成手段から射出された光を被検物に経由させ、前記被検物を経由させた光を測定光と参照光とに反射または屈折により分割する光路分割素子と、
前記参照光を略理想的な球面波に変換するピンホールと、
前記測定光と前記ピンホールからの参照光とを干渉させて生じた干渉縞を検出する干渉縞検出部とを有する点回折型干渉計測装置が提供される。この装置を用いて第1の参考態様の点回折型干渉計測方法を実施し得る。
【0022】
第4の参考態様に従えば、球面波を生成する点光源生成装置と、
前記点光源生成手段から射出された光を、参照光と、被検物へ向かう測定光とに分割する光路分割素子と、
前記参照光を略理想的な球面波に変換するピンホールと、
前記被検物からの測定光と前記ピンホールからの参照光とを干渉させて生じた干渉縞を検出する干渉縞検出部とを有することを特徴とする点回折型干渉計測装置が提供される。第4参考態様に従う装置を用いて本発明の第2の参考態様の点回折型干渉計測方法を実施し得る。
【0023】
第3または第4の参考態様に従う点回折型干渉計測装置において、前記干渉縞検出部の検出面において、前記ピンホールを通過した参照光の光量と前記測定光の光量とが略等しくなるように、前記参照光の光量と前記測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整部を有し得る。前記光量調整部は、前記光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された1/2波長板と、前記ピンホールを通過した参照光と前記測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記1/2波長板を回転させる回転機構とを有し得る。点回折型干渉計測装置は、さらに、測定光の光路長に対する参照光の光路長を調整するための光路長差補正部を備え得る。
【0024】
また、本発明の第3の態様によれば、第3または第4の参考態様に従う点回折型干渉計測装置において、前記ピンホールよりも前記干渉縞検出部側に配置され、前記参照光の光量を測定する参照光光量測定部と、前記光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側に配置され、前記測定光の光量を測定する測定光光量測定部とを備える。
【0025】
第5の参考態様に従えば、球面波を生成する点光源と、
前記点光源から射出された光を参照光と被検物を経由する測定光とに分割する光路分割素子と、
前記参照光を略理想的な球面波に変換するピンホールと、
前記参照光の光路を、被検物を経由してピンホールに導く第1参照光路と被検物を経由せずにピンホールに導く第2参照光路に切り替える光路切換器と、
前記測定光と前記ピンホールからの参照光とを干渉させて生じた干渉縞を検出する干渉縞検出器とを有する点回折型干渉計測装置が提供される。第5の参考態様に従う干渉計測装置は、参照光の光路切換器、例えば、第1参照光路及び第2参照光路の光路を開閉するシャッターを備えるので、被検物のアライメントの際には第2参照光路を用いて容易にアライメントを実行し、一方、被検物の波面収差を測定する際には第1参照光路を用いてコントラストの良好で最適な干渉縞を外乱の影響を受けることなく観測することができる。第5の参考態様に従う干渉計測装置は、さらに、測定光の光路長に対する参照光の光路長を調整するための光路長差補正部を備え得る。
【0026】
本発明の第の態様に従えば、略理想的な球面波を生成する点光源と、前記球面波を、参照光と被検物を経由する測定光とに分割する分割素子と、前記参照光を理想的な球面波にするためのピンホールと、測定光とピンホールを通過した参照光との干渉を検出する検出器とを有する干渉計測装置を用いて、測定光路上に置かれた被検物の光学特性を測定するための干渉計測方法であって、
前記測定光路に被検物が置かれていない状態で、測定光路に参照光と測定光を通し、且つ参照光と測定光を調整して最適な干渉縞を得る第1の工程と;
前記測定光路に被検物を置くとともに、参照光が測定光路を通ることなくピンホールを通過するように参照光の光路を変更する第2工程と;
第2工程で参照光の光路を変更した後に、第1工程で得られた干渉縞にもっとも近い状態になるように被検物を測定光路に相対してアライメントする第3工程と;
第3工程のアライメントがされた状態で、参照光が測定光路を通過するように光路変更し、その状態で干渉縞を観測する第4の工程とを備える上記干渉計測方法が提供される。この方法を用いると、光学特性が未知の被検物が測定光路に挿入されたときであっても、容易に被検物のアライメントを行うことができ、実際に被検物の波面収差を計測する際には、参照光が測定光路を通過し、すなわち、被検物を通過するので、外乱の影響を受けずに、高精度の干渉縞の観測が可能になる。
【0027】
本発明の第6の参考態様に従えば、投影レンズの製造方法であって、
被検物として投影レンズを用いて第1、2の参考態様および本発明の第4の態様の方法により投影レンズの波面収差測定を行い、測定した波面収差の測定結果に基づいて投影レンズを再加工することを含む投影レンズの製造方法が提供される。この方法により波面収差が高精度に調整された投影レンズを得ることができる。この方法は、露光装置、特に紫外線などの短波長のレーザ光を光源とする露光装置に用いられる投影レンズの製造に極めて有用である。
【0028】
また本発明により、被検物を経由した参照光のアライメントを短時間で精度良く行うことができる点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置を提供することができる。また、本発明の投影レンズの製造方法を用いれば、波面収差が良好に調整された投影レンズが提供される。このため、本発明の投影レンズの製造方法によれば、露光装置に用いられる高精度の投影レンズ及びそれを搭載した露光装置を提供することができる。
【0029】
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の各実施形態に係る点回折型干渉計測装置を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
第1参考形態
図1は第1参考形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。図1において、光源101から射出された光束(紫外光)は、光源用ピンホール102を照明する。ここで、該光源用ピンホール102を射出した光は、ほぼ理想的な球面波と見なすことができる。そして光源用ピンホール102を射出した球面波は、光源101側から順に、コリメータレンズ103と、折り曲げミラー104と、ハーフミラー105と、折り曲げミラー106と、折り曲げミラー107と、集光レンズ108とを経由する。そして、集光レンズ108を射出した光は被検物109を透過し、折り返し反射ミラー110によって反射される。ここで、集光レンズ108と折り返し反射ミラー110との間の光路が被検物が設置される測定光路となる。この反射された光束は、折り返し反射ミラー110側から順に、再び被検物109と、集光レンズ108と、折り曲げミラー107と、折り曲げミラー106とを経由する。そして、折り曲げミラー106を経由した光は、ハーフミラー105によってハーフミラー121に向かって反射される。
【0031】
このハーフミラー121に入射した光は、該ハーフミラー121によって2つの光束に分割される。分割された光束のうちの一方の光束は、集光レンズ122と、開口絞り123と、コリメータレンズ124と、折り曲げミラー125とを経由した後、ハーフミラー126へ入射する。また、分割された光束のうちの他方の光束は、折り曲げミラー127と、集光レンズ128とを経由した後、参照光用ピンホール129へ入射する。参照光用ピンホール129を射出した光は、ほぼ理想的な球面波と見なすことができるためこれが参照光となる。そしてこの参照光は、コリメータレンズ130を経由した後、ハーフミラー126へ入射する。尚、この分割された2つの光路は、2つのハーフミラー121,126と、2つの折り曲げミラー125,127とからなるマッハツェンダー型の分岐光路をなす。
【0032】
ハーフミラー126へ入射した2つの光束は、該ハーフミラー126によって重ね合わされる。そしてこの重ね合わされた光は、コンピュータ制御により画像解析が可能なCCDのような干渉縞検出部115へ入射し、該干渉縞検出部115上に干渉縞を形成する。干渉縞検出部115では、干渉縞の位相差に基づいて被検物109の透過波面収差が算出される。例えば、上記のようなCCDを干渉縞検出部115として用いた場合には、画像全体の明または暗の均一性として干渉縞が解析される。
【0033】
以上のように本参考形態に係る点回折型干渉計測装置では、測定光と参照光との分離をハーフミラーによって行っている。これにより、上述のように従来回折格子による分離によって生じていたノイズ光の発生を防ぐことができる。
【0034】
第2参考形態
図2は第2参考形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。図2において、光源101から射出された光束(紫外光)は、光源用ピンホール102を照明する。ここで、該光源用ピンホール102を射出した光は、ほぼ理想的な球面波と見なすことができる。そして光源用ピンホール102を射出した球面波は、コリメータレンズ103と折り曲げミラー104とを経由した後、ハーフミラー105へ入射する。このハーフミラー105に入射した光は、該ハーフミラー105によって2つの光束に分割される。分割された光束のうちの一方の光束は、光源101側から順に、折り曲げミラー106と、折り曲げミラー107と、集光レンズ108とを経由する。そして、集光レンズ108を射出した光は被検物109を透過し、折り返し反射ミラー110によって反射される。この反射された光束は、折り返し反射ミラー110側から順に、再び被検物109と、集光レンズ108と、折り曲げミラー107と、折り曲げミラー106とを経由する。そして、折り曲げミラー106を経由した光は、ハーフミラー105によって集光レンズ122に向かって反射される。ハーフミラー105で反射された光は、集光レンズ122と、開口絞り123と、コリメータレンズ124と、折り曲げミラー125とを経由する。そして、折り曲げミラー125を経由した光は、ハーフミラー126へ入射する。
【0035】
ハーフミラー105によって分割された光束のうちの他方の光束は、折り曲げミラー131と、折り曲げミラー132と、集光レンズ128とを経由した後、参照光用ピンホール129へ入射する。該参照光用ピンホール129を射出した光は、ほぼ理想的な球面波と見なすことができるためこれが参照光となる。そしてこの参照光は、コリメータレンズ130を経由した後、ハーフミラー126へ入射する。尚、本参考形態においても分割された2つの光路は、マッハツェンダー型の分岐光路をなす。
【0036】
ハーフミラー126へ入射した2つの光束は、該ハーフミラー126によって重ね合わされる。そしてこの重ね合わされた光は、干渉縞検出部115へ入射し、該干渉縞検出部115上に干渉縞を形成する。干渉縞検出部115では、干渉縞の位相差に基づいて被検物の透過波面収差が算出される。
【0037】
以上のように本参考形態に係る点回折型干渉計測装置では、上記第1参考形態が奏する効果と同様に、ノイズ光の発生を防ぐことができる。さらに本参考形態に係る点回折型干渉計測装置では、上述のように光源101からの光はハーフミラー105によって参照光用の光束と測定光用の光束とに分岐される。この参照光用の光束は、被検物109を経由せずに参照光用ピンホール129を通過して参照光となる。従ってこの参照光用の光束は、被検物109によらずに参照光用ピンホール129に精度良く入射させておくことができる。また、参照光は常に干渉縞検出部115に入射しているため、被検物109を挿入すれば必ず何らかの干渉縞を観察することができる。従って、計測に最適な干渉縞にするためのアライメント調整が容易となる。
【0038】
第3参考形態
図3は第3参考形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。尚、上記第2参考形態と同様の構成である部分には同じ符号を付して重複する説明を省略し、特徴的な部分について詳細に説明する。
【0039】
上記第2参考形態において、被検物109を経由しない参照光用の光束の光路長は、被検物109を経由する測定光用の光束の光路長よりも短い。本参考形態に係る点回折型干渉計測装置は、この光路長差を光源光の可干渉距離以内に補正するため、光源101と光源用ピンホール102との間に光路長差補正部Hを備える構成としている。光路長差補正部Hは、ハーフミラー141,144と折り曲げミラー142,143とから構成される。ここで、光路長差補正部Hは光源用ピンホール102よりも光源側に配置されているため、折り曲げミラー142,143の傾き等により光束が変動したり、波面収差が生じ得る。一方、被検物の光学特性を計測するには被検物に入射する光は収差のない理想的な球面波にすべきである。このため、光路長差補正部Hの後に光源用ピンホール102を設けて、光路長差補正部Hを通過した光によって生じた収差をキャンセルして理想的な球面波をピンホール102から発生させている。光路長差補正部Hは被検物109に応じて該光路長差補正部H内の光路長を調整することが可能である。この構成により、各被検物によって参照光用の光束と測定光用の光束との光路長差が異なる場合でも、該光路長差を補正することが可能となる。
【0040】
ハーフミラー141によって光束はハーフミラー144と折り曲げミラー142にそれぞれ向かう二つの光束に分離される。ここで、ハーフミラー141を透過してハーフミラー144に向かう光は、ハーフミラー144を透過した後、ハーフミラー105により参照光と測定光に分割される。一方、ハーフミラー141で反射され、折り曲げミラー142、143を経由してハーフミラー144で反射された光もまたハーフミラー105により参照光と測定光に分割される。このうち、ハーフミラー144を透過した測定光用の光束と、ハーフミラー144で反射された参照光は、折り曲げミラー142,143を通る光路の存在により、それらの光束の光路長差が可干渉距離以内に補正されている。従って、ハーフミラー144を透過した測定光用の光束と、ハーフミラー144で反射された参照光だけが干渉縞検出部115での干渉に寄与することになる。このことから、光源101からの光は、ハーフミラー141によって参照光用の光束と測定光用の光束とに実質的に分離されていると見ることができる。また、光路長差補正部Hは、折り曲げミラー142,143を通る光路を調節することにより可干渉距離の調整機構として作用している。
【0041】
以上のように本参考形態に係る点回折型干渉計測装置では、上記第2参考形態が奏する効果に加えて、参照光用の光束と測定光用の光束との光路長差を可干渉距離以内に補正することができる。
【0042】
実施形態
図4は本発明の第実施形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。図4において、光源101から出射された直線偏光である紫外光の光束は、1/2波長板161を透過し、光源用ピンホール102を照明する。該光源用ピンホール102を通過した光は、光源101側から順に、コリメータレンズ103と、折り曲げミラー104と、偏光ビームスプリッタ164と、折り曲げミラー106と、折り曲げミラー107とを経由した後、1/4波長板165に入射する。ここで、この光は1/4波長板165を透過することによって円偏光に変換される。1/4波長板165を出射した円偏光は、集光レンズ108と、被検物109を経由し、折り返し反射ミラー110によって反射される。この反射された光は、再び被検物109と、集光レンズ108とを経由した後、1/4波長板165へ入射する。ここで、この光束は1/4波長板165によって偏光方向が90度回転した直線偏光に変換される。1/4波長板165を出射した直線偏光は、折り曲げミラー107と、折り曲げミラー106とを経由して偏光ビームスプリッタ164へ入射する。この直線偏光は偏光ビームスプリッタ164によって反射され、1/2波長板166を透過して偏光ビームスプリッタ167へ入射する。尚、この光束は1/2波長板166によって偏光の方位が回転される。そして偏光ビームスプリッタ167へ入射した光束のうちのP偏光、S偏光は、当該偏光ビームスプリッタ167によってそれぞれ透過、反射されて2つの光路に分割される。
【0043】
偏光ビームスプリッタ167を透過したP偏光の光束は、集光レンズ122と、開口絞り123と、コリメータレンズ124と、ビームスプリッタ182とを経由した後、偏光ビームスプリッタ168へ入射する。ここで、この偏光ビームスプリッタ168に入射したP偏光が測定光である。
【0044】
一方、偏光ビームスプリッタ167によって反射されたS偏光は、折り曲げミラー127と、集光レンズ128とを経由した後、参照光用ピンホール129へ入射する。該参照光用ピンホール129を出射した光は、ほぼ理想的な球面波と見なすことができるためこれが参照光となる。そしてこの参照光は、コリメータレンズ130と、ビームスプリッタ181とを経由した後、偏光ビームスプリッタ168へ入射する。尚、この分割された2つの光路は、マッハツェンダー型の分岐光路をなす。
【0045】
偏光ビームスプリッタ168に入射した2つの光束は、該偏光ビームスプリッタ168によって重ね合わされる。この重ね合わされた光は、偏光の方位が直交しているためにそのままでは干渉縞を生じない。そのためさらに、重ね合わされた光は、偏光ビームスプリッタ168に対して光軸周りに45度回転した偏光ビームスプリッタ169を経由した後に干渉縞検出部115へ入射する。干渉縞検出部115上には干渉縞が形成され、該干渉縞の位相差に基づいて被検物の透過波面収差が算出される。
【0046】
次に、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置の最も特徴的な部分について説明する。本実施形態に係る点回折型干渉計測装置において、1/2波長板166は、例えば、1/2波長板166の周囲に取り付けられたレバーのような回転機構193によって光軸中心に回転可能である。回転機構193が1/2波長板166を回転させることにより、該1/2波長板166を出射する光の偏光方位を調節することができる。偏光ビームスプリッタは、光の偏光方位に応じた光量の比でP偏光とS偏光を分割する。これによって、偏光ビームスプリッタ167で分割されるS偏光(参照光用ピンホール129に入射する光)とP偏光(測定光)との光量比を調節することが可能となる。
【0047】
上述のように、参照光用ピンホール129を通過した光(参照光)は、ビームスプリッタ181を経由する。このとき参照光の一部は、該ビームスプリッタ181によって反射される。受光素子191は、この反射された参照光の一部を検出し、その光量を測定する。
【0048】
また、偏光ビームスプリッタ167を透過した光(測定光)は、ビームスプリッタ182を経由する。このとき測定光の一部は、該ビームスプリッタ182を透過する。受光素子192は、この透過した測定光の一部を検出し、その光量を測定する。
【0049】
演算制御部194は、受光素子191,192の測定結果に基づいて、参照光と測定光との光量比を計算する。そして演算制御部194は、参照光と測定光との光量比が所定の値となるように回転機構193によって1/2波長板166を回転させる。この演算制御部194による光量比の調節は、干渉縞のコントラストが極端に低下することを避けるため、所定のタイミングで自動的に行われる。この構成のため、参照光用ピンホール129に入射する光束の収差が大きく、参照光の光量が小さくなってしまう場合でも、測定光の収差によらず高コントラストの干渉縞を維持することができる。
【0050】
また本実施形態の好ましい態様では、偏光ビームスプリッタ167とビームスプリッタ182との間の光路中に、フィルタ等の光量調節部材を配置することが望ましい。測定光の光量が参照光の光量よりも大きい場合、この光量調節部材によって測定光の光量を所定の値まで抑えることが可能である。
【0051】
さらに、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置は、光路分割を偏光ビームスプリッタによって行っている。しかし、光路分割をハーフミラーによって行う点回折型干渉計測装置においても、前述の光量調節部材を配置することによって参照光と測定光との光量比を調節することが可能である。
【0052】
また、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置では、受光素子191,192によって参照光の光量と測定光の光量との両方を測定する構成としているが、これらのうちのいずれか一方の光量のみを測定する構成としても良い。さらに、参照光の光量と測定光の光量の測定を、干渉縞検出部115によって行う構成とすることも可能である。すなわち、干渉縞検出部115では、測定光と参照光の光量の和(絶対光量)が得られるとともに、測定光と参照光の光量の比率がコントラストとして検出される。それゆえ、絶対光量とコントラストから、参照光と測定光の光量をそれぞれ求めることができる。
【0053】
尚、上述の本実施形態の特徴的な構成は、上述の各参考形態及び後述の各実施形態に係る点回折型干渉計測装置に適用することが可能である。
【0054】
以上のように本実施形態に係る点回折型干渉計測装置では、上記各参考形態が奏する効果に加えて、高コントラストな干渉縞を容易に得られるという効果を奏する。
【0055】
また、上記各参考形態に係る点回折型干渉計測装置を用いることにより、投影レンズの波面収差を精度良く、かつ簡便に干渉計測することができる。これにより、高精度な投影レンズを製造することが可能である。
【0056】
実施形態
図5は本発明の第実施形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。本実施形態に係る点回折型干渉計測装置は、第1参考形態に係る点回折型干渉計測装置(以下、「計測モード」という)による計測と第2参考形態に係る点回折型干渉計測装置(以下、「アライメントモード」という)による計測とを可能としたものである。
【0057】
図5に示すように本実施形態に係る点回折型干渉計測装置は、計測モードにおける測定光の光路と、アライメントモードにおける測定光の光路とが共通である。また、計測モードにおける参照光用ピンホール129から干渉縞検出部115までの参照光の光路と、アライメントモードにおける参照光用ピンホール129から干渉縞検出部115までの参照光の光路とが共通である。この構成の下、シャッタ151,152を交互に光路内に挿脱することによって計測モードとアライメントモードとを切り替えることができる。尚、計測モードによって計測する場合、シャッタ151を光路内へ挿入し、シャッタ152を光路外へ退避させる。また、アライメントモードによって計測する場合、シャッタ151を光路外へ退避させ、シャッタ152を光路内へ挿入する。
【0058】
上記第1参考形態において述べたように、計測モードでは被検物109を経由した光が参照光と測定光とに分割される。このため、被検物109を調整する際に参照光と測定光との両方が同時に変動する。従って、装置系の振動などの外乱が発生した場合、測定光と参照光のいずれも同程度に影響を受けるため、被検物の収差を求めるためにそのような外乱の影響をキャンセルすることが容易となる。一方、アライメントモードでは、被検物109を経由しない光が参照光に変換されるために被検物109の調整に際して変動するのは測定光のみである。それゆえ、アライメントモードよりも、計測モードではさらに高精度な計測を行うことができる。以上より、第1参考形態に係る点回折型干渉計測装置(計測モード)は主として計測に使用する。
【0059】
また、上記第2参考形態において述べたように、アライメントモードでは参照光が常に干渉縞検出部に入射している。このため、被検物109を挿入すれば必ず何らかの干渉縞を観察することができ、計測に最適な干渉縞にするための被検物109のアライメント調整が容易である。以上より、第2参考形態に係る点回折型干渉計測装置(アライメントモード)は主として被検物109のアライメント調整に使用する。
【0060】
以下に、干渉計測と該干渉計測の前段階として行うアライメント調整との手順について詳細に説明する。上記構成の下、コントラストの良好な干渉縞を干渉縞検出部15上に形成するため、以下の手順に従って被検物109のアライメント調整を行う。
【0061】
<手順>
(1)計測モードにおいて、被検面(物)の代わりに折り返しミラーMを集光レンズ108と被検物109との間の光路内へ挿入する。この状態では、図5に示した光学系で生じさせることができる最良の干渉縞の状態が分っていない。
【0062】
(2)コントラストが良好で、計測に最適な状態の干渉縞となるように、折り返しミラーMの位置を3次元的に調整する。より具体的には、図5に示す装置の光学配置において形成され得る最良な干渉縞が得られる状態、具体的には、充分な光量の参照光がピンホール129を通過しており、それにより参照光と測定光が互いに干渉し合って形成する最も理想的な干渉縞が得られるように、ミラーMの位置を3次元的に調整する。そして、調整されて得られた最も理想的な干渉縞の観測結果から測定光と参照光との位相差中のパワー成分とチルト成分(アライメント情報)をコンピュータ解析により求めてをベース(ターゲット)データとして干渉検出部115に備えられた解析用コンピュータに記憶させておく。
【0063】
(3)折り返しミラーMを光路外へ退避させ、被検物109をレンズ108と反射鏡110の間の光路内に設置する。被検物を光路内に設置した結果、(2)の調整された状態における測定光の光軸方向のずれ(集光位置のずれ)及び光軸と直交する方向の位置ずれ(集光位置のずれ)が生じている。
【0064】
(4)アライメントモードへ切り替える。アライメントモードでは、参照光が被検物を透過していないために、参照光はピンホール129を確実に通過しているはずである。この状態では、何らかの干渉縞が現れる。しかしながら、測定光は被検物を透過した結果、前述のように(2)で調整された光路(集光位置)からずれているので、この状態で測定モードに切り替えた場合には最良の干渉縞が得られるとはいえない。
【0065】
(5)(4)において現れた干渉縞を解析することによって測定光と参照光との位相差中のパワー成分とチルト成分(アライメント情報)をコンピュータ解析により求める。ここで、パワー成分とは被検物109の光軸方向へのシフト等を原因とする波面中心点の光軸方向のシフトをいう。また、チルトと成分とは被検物109の光軸と垂直な方向へのシフト等を原因とする波面中心点の光軸と垂直方向のシフトをいう。
【0066】
(6)(2)で調整した計測に最適な状態の干渉縞のパワー成分とチルト成分(ベースデータ)となるように、(5)で求めたアライメント情報(パワー成分とチルト成分)に基づいて折り返しミラー110を3次元的に調整する。この調整により、被検物を挿入した状態であっても、被検物を透過した測定光の集光位置が調整されて最良の干渉縞が形成されたことになる。
【0067】
(7)計測モードに切り替える。このとき、計測に最適な状態の干渉縞が現れるため、これを干渉計測する。この状態では、測定光及び参照光は、ステップ(1)で求められた最良の干渉縞のベースデータが得られるような光路及び集光位置に調整されている。これは、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置において、計測モードにおける測定光の光路とアライメントモードにおける測定光の光路とが共通であるため、アライメントモードにおいてアライメント調整して得られた干渉縞は、計測モードに切り替えた際にもそのまま得ることができるためである。上記のような操作を実行することにより、光学特性が未知の被検物を光路に挿入したときでも、図5に示した光学系において生じさせることができる最良の干渉縞を極めて短時間で且つ簡単な操作で得ることができ、それによって干渉計測を一層容易にすることができる。
【0068】
ここで、(1),(2),(3)は被検物109に関わらず装置に対して原則として一回だけ行えばよい。
【0069】
以上のように本実施形態に係る点回折型干渉計測装置では、計測モードにおける参照光用の光束を参照光用ピンホール129に入射させる際のアライメント調整を短時間且つ容易に行うことができ、また高精度な干渉計測を行うことができる。
【0070】
実施形態
図6は本発明の第実施形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。本実施形態に係る点回折型干渉計測装置は、上記第実施形態において光路分割を行っていたビームスプリッタに代えて偏光ビームスプリッタを備える構成としたものである。以下、本実施形態をアライメントモードで用いるときの構成を詳細に説明する。
【0071】
図6において、光源101から射出した紫外光の直線偏光の光束は、1/2波長板161によって偏光の方位が回転され、偏光ビームスプリッタ162に入射する。ここで、1/2波長板161は回転可能に構成されている。この1/2波長板161を回転させることにより、該1/2波長板161を出射する光の偏光方位を調節することができる。これによって、偏光ビームスプリッタ164で分割されるS偏光(参照光用ピンホール129に入射する光)とP偏光(測定光)との光量比を調節することが可能である。偏光ビームスプリッタ162に入射した光束のうちのP偏光、S偏光は、当該偏光ビームスプリッタ162によってそれぞれ透過、反射されて2つの光路に分割される。
【0072】
分割された2つの光束は、偏光ビームスプリッタ163によって再び重ね合わされて、光源用ピンホール102を照明する。該光源用ピンホール102を通過した光は、集光レンズ103と、折り曲げミラー104とを経由して、偏光ビームスプリッタ164へ入射する。偏光ビームスプリッタ164に入射した光は、該偏光ビームスプリッタ164によって偏光成分ごとに透過、又は反射される。
【0073】
偏光ビームスプリッタ164を透過したP偏光の光束は、折り曲げミラー106と、折り曲げミラー107とを経由した後、1/4波長板165に入射する。ここで、この光束は1/4波長板165によって円偏光に変換される。1/4波長板165を射出した円偏光は、集光レンズ108と、被検物109とを経由し、折り返し反射ミラー110によって反射される。この反射された光は、再び被検物109と、集光レンズ108とを経由した後、1/4波長板165へ入射する。ここで、この光束は偏光方位が90度回転した直線偏光に変換される。1/4波長板165を射出した直線偏光は、折り曲げミラー107と、折り曲げミラー106とを経由して偏光ビームスプリッタ164へ入射する。この直線偏光は偏光ビームスプリッタ164によって反射され、1/2波長板166によって偏光の方位が回転される。そしてこの光束は、偏光ビームスプリッタ167によって偏光成分ごとに透過、又は反射される。
【0074】
偏光ビームスプリッタ167を透過したP偏光の光束は、集光レンズ122と、開口絞り123と、コリメータレンズ124と、折り曲げミラー125とを経由して、偏光ビームスプリッタ168に入射する。
【0075】
一方、偏光ビームスプリッタ164によって反射されたS偏光の光束は、折り曲げミラー131と、折り曲げミラー132とを経由して1/2波長板170に入射する。ここで、この光束は、偏光ビームスプリッタ171での反射を防止するために1/2波長板170によって偏光の方位が回転される。そして、この光束は偏光ビームスプリッタ171を透過し、1/2波長板172に入射する。ここで、この光束は、偏光ビームスプリッタ168での反射を防止するために1/2波長板172によって偏光の方位が回転される。1/2波長板172を出射した光束は、集光レンズ128を介して参照光用ピンホール129に入射する。該参照光用ピンホール129を通過した光はコリメータレンズ130を経由して偏光ビームスプリッタ168に入射する。
【0076】
偏光ビームスプリッタ168に入射した2つの光束は、該偏光ビームスプリッタ168によって重ね合わされる。この重ね合わされた光は、偏光の方位が直交しているためにそのままでは干渉縞を生じない。そのためさらに、偏光ビームスプリッタ168に対して光軸周りに45度回転した偏光ビームスプリッタ169を経由した後に干渉縞検出部115へ入射する。干渉縞検出部115上には干渉縞が形成され、該干渉縞の位相差に基づいて被検物の透過波面収差が算出される。
【0077】
尚、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置を計測モードで計測する場合、シャッタ151を光路内へ挿入し、シャッタ152と1/2波長板172とを光路外へ退避させる。また、アライメントモードで計測する場合、上記のようにシャッタ151を光路外へ退避させ、シャッタ152と1/2波長板172とを光路内へ挿入する。
【0078】
また、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置を計測モードで計測する際に、1/2波長板161を回転(調整)することにより、光源101を出射した光束が光路長差補正部Hを経由しないようにすることによって光量のロスを軽減することが可能である。
【0079】
以上のように本実施形態に係る点回折型干渉計測装置は、光束の分割を偏光ビームスプリッタによって行っている。従って偏光を有効的に活用することにより、光量ロスのない、意図した光量比で光束を分割することができ、点回折型干渉計測装置における光量の向上を図ることができる。
【0080】
尚、本実施形態に係る点回折型干渉計測装置において、計測モードにおける参照光用ピンホールとアライメントモードにおける参照光用ピンホールとは、1つのピンホール129によって兼用される構成としている。しかし、これに限られるものでなく、計測モードとアライメントモードとにおいて各々異なる参照光用ピンホールを有する構成とすることもできる。
【0081】
実施形態
図7は、本発明の第実施形態に係る投影露光装置の概略構成図である。本実施形態に係る投影露光装置は、上記各実施形態に係る点回折型干渉計測装置を用いて製造された高精度投影レンズを、投影光学系として搭載するものである。
【0082】
本実施形態に係る投影露光装置は、少なくともウェハステージ401と、光を供給するための光源部200と、投影光学系600とを含む。ここで、ウェハステージ401は、感光剤を塗布した基板(ウェハ)Wを表面401a上に置くことができる。また、ステージ制御系400は、ウェハステージ401の位置を制御する。
【0083】
投影光学系600は、上述のように上記各実施形態に係る点回折型干渉計測装置を用いて製造された高精度投影レンズである。また投影光学系600は、レチクル(マスク)Rが配置された物体面P1と、ウェハWの表面と一致させた像面P2との間に配置される。さらに投影光学系600は、スキャンタイプの投影露光装置に応用されるアライメント光学系を有する。
【0084】
さらに照明光学系201は、レチクルRとウェハWとの間の相対位置を調節するためのアライメント光学系210を含む。レチクルRは、該レチクルRのパターンのイメージをウェハW上に投影するためのものであり、ウェハステージ401の表面401aに対して平行移動が可能であるレチクルステージ301上に配置される。そしてレチクル交換系300は、レチクルステージ301上にセットされたレチクルRを交換し運搬する。またレチクル交換系300は、ウェハステージ401の表面401aに対し、レチクルステージ301を平行移動させるためのステージドライバー(不図示)を含む。また、主制御部500は位置合わせから露光までの一連の処理に関する制御を行う。
【0085】
4参考形態
上記各実施形態に係る点回折型干渉計測装置を用いることにより、投影レンズの波面収差を精度良く、かつ簡便に干渉計測することができる。計測装置の精度限界に近い波面収差を求められる高精度な投影レンズにあっては、計測精度が最終性能の保証に重要であるばかりでなく、計測した結果をもとに投影レンズの構成パラメータ(面・中心厚・間隔・相互偏芯)を高精度に再調整・再加工することが可能となり、従来の干渉計測装置を用いて製造した投影レンズに対して更に高精度な投影レンズを製造することが可能となる。本発明に従う点回折型干渉計測方法及び装置を用いた投影レンズの製造方法を例示する。製造方法は以下の工程1)〜6)に従う。
【0086】
1)最初に投影レンズの初期組立を行う。
2)実施形態で説明した点回折型干渉計にて像面内の複数点の波面収差測定を行う。
3)測定した波面収差の値を、投影レンズの設計データを考慮可能で且つ光線追跡が可能な光学ソフトウェアにデータとして取り込み、投影レンズの構成パラメータ(面・中心厚・間隔・相互偏芯)を現状に対していかなる値だけ変化させれば良いか計算にて求める。
4)投影レンズの構成パラメータである光学部品の面や中心厚を上記計算で求めた変化量だけ変化するように再加工を行う。
5)再加工を行った部品の再組立てを行うとともに、他の構成パラメータである光学部品同士の間隔や相互偏芯を初期組立の値から上記計算で求めた変化量だけ初期組立の際の値から変更する。
6)点回折型干渉計にて像面内の複数点の波面収差測定を行い、所定の波面収差性能が得られたかどうかの確認を行う。所定の波面収差性能が得られていない場合は再度上記3)〜5)の工程行う。
【0087】
以上の構成により、高精度投影レンズを搭載した投影露光装置を実現することができる。なお、本発明の点回折型干渉計測方法及び装置は、露光装置に用いられる投影光学系のみならず、露光装置中の照明光学系や照明光のアライメントに用いられる光学系のレンズの特性計測にも使用することができる。さらに、本発明の点回折型干渉計測方法及び装置並びに投影レンズの製造方法は、顕微鏡、光学レンズを用いた各種の検査装置、カメラ、メガネなどの任意の光学レンズの特性計測や製造プロセスに用いることができる。
【0088】
【産業上の利用可能性】
本発明により、光束を被検物の光学特性を計測する計測方法に用いられる参照光と測定光とに分離する際に生じるノイズ光を低減した点回折型干渉計測方法、点回折型干渉計測装置、該方法を用いて製造された高精度投影レンズ、及び該高精度投影レンズを搭載した投影露光装置を提供することができる。
【0089】
また本発明により、被検物を経由した参照光のアライメントを短時間で精度良く行うことができる点回折型干渉計測方法及び点回折型干渉計測装置を提供することができる。また、本発明の投影レンズの製造方法を用いれば、波面収差が良好に調整された投影レンズが提供される。このため、本発明の投影レンズの製造方法によれば、露光装置に用いられる高精度の投影レンズ及びそれを搭載した露光装置を提供することができる。
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1参考形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。
【図2】 図2は、本発明の第2参考形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。
【図3】 図3は、本発明の第3参考形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。
【図4】 図4は、本発明の第実施形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。
【図5】 図5は、本発明の第実施形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。
【図6】 図6は、本発明の第実施形態に係る点回折型干渉計測装置の概略構成図である。
【図7】 図7は、本発明の第実施形態に係る投影露光装置の概略構成図である。
【図8】 図8は、従来の点回折型干渉計測装置の概略構成図である。

Claims (11)

  1. 点光源生成手段によって略理想的な球面波である光源球面波を形成する工程と、
    前記光源球面波からなる光源光束を被検物に経由させた後、前記被検物を経由した光束を第1光路分割素子によって2つの光束へ分割し、前記第1光路分割素子によって分割された光束のうちの一方の光束を、第1ピンホールを通過させて略理想的な球面波である第1参照光へ変換し、第1光路分割素子によって分割された光束のうちの他方の光束である第1測定光と前記第1参照光とを干渉させて生じる第1の干渉縞を検出する第1の計測と、前記光源光束を前記被検物に経由させる前に、前記光源光束を第2光路分割素子によって2つの光束へ分割し、前記第2光路分割素子によって分割された光束のうちの一方の光束を、第2ピンホールを通過させて略理想的な球面波である第2参照光へ変換し、前記第2光路分割素子によって分割された光束のうちの他方の光束のみを前記被検物を経由させることによって第2測定光とし、前記第2参照光と前記第2測定光とを干渉させて生じる第2の干渉縞を検出する第2の計測とを切り換える工程と、
    前記第2の干渉縞の情報を、前記第1の計測のために、第1光路分割素子によって分割された光束のうち前記第1参照光とするための光束を前記第1ピンホールに入射させる際のアライメントに用いる工程とを含むことを特徴とする点回折干渉計測方法。
  2. 請求項1に記載の点回折干渉計測方法において、
    前記第1ピンホールと前記第2ピンホールとは、共通のピンホールによって兼用されることを特徴とする点回折干渉計測方法。
  3. 請求項1に記載の点回折型干渉計測方法において、前記第1光路分割素子及び前記第2光路分割素子は、偏光ビームスプリッタを有することを特徴とする点回折型干渉計測方法。
  4. 請求項1に記載の点回折型干渉計測方法において、前記干渉縞の検出面において前記第1参照光の光量と前記第1測定光の光量とが略等しくなるように、前記第1参照光の光量と前記第1測定光の光量との少なくとも一方を調整し、前記第2参照光の光量と前記第2測定光の光量とが略等しくなるように、前記第2参照光の光量と前記第2測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整工程を含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法。
  5. 請求項4に記載の点回折型干渉計測方法において、前記光量調整工程は、前記第1ピンホールを通過した第1参照光と前記第1測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記第1光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された第1の1/2波長板を回転させ、前記第2ピンホールを通過した第2参照光と前記第2測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記第2光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された第2の1/2波長板を回転させる工程であることを特徴とする点回折型干渉計測方法。
  6. 略理想的な球面波を形成する工程と、
    前記球面波を被検物に経由させた光束を2つの光束へ分割する工程と、
    前記分割した光束のうちの一方の光束を、ピンホールを通過させて略理想的な球面波である参照光へ変換する工程と、
    前記分割した光束のうちの他方の光束である測定光と前記参照光とを干渉させて生ずる干渉縞を検出する工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法において、
    前記干渉縞の検出面において前記参照光の光量と前記測定光の光量とが略等しくなるように、前記参照光の光量と前記測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整工程 を含み、
    前記光量調整工程は、前記光路を分割する前の光路に1/2波長板を挿入し、前記ピンホールを通過した参照光と前記測定光との少なくとも一方の光量に基づいて1/2波長板を回転させることによって行い、更に、
    前記光量調整工程は、前記ピンホールを通過した前記参照光の光量を、前記ピンホールより後方側で測定する参照光光量測定工程と、前記測定光の光量を前記光路分割した後で測定する測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記参照光光量測定工程と前記測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記1/2波長板を回転させる波長板調整工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法。
  7. 略理想的な球面波を形成する工程と、
    前記球面波からなる光束を被検物に経由させる前に、該光束を2つの光束へ分割する工程と、
    前記分割した光束のうちの一方の光束を、ピンホールを通過させて略理想的な球面波である参照光へ変換する工程と、
    前記分割した光束のうちの他方の光束のみを、前記被検物を経由させることによって測定光とする工程と、
    前記参照光と前記測定光とを干渉させて生ずる干渉縞を検出する工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法において、
    前記干渉縞の検出面において前記参照光の光量と前記測定光の光量とが略等しくなるように、前記参照光の光量と前記測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整工程を含み、
    前記光量調整工程は、前記光路を分割する前の光路に1/2波長板を挿入し、前記ピンホールを通過した参照光と前記測定光との少なくとも一方の光量に基づいて1/2波長板を回転させることによって行い、更に、
    前記光量調整工程は、前記ピンホールを通過した前記参照光の光量を、前記ピンホールより後方側で測定する参照光光量測定工程と、前記測定光の光量を前記光路分割した後で測定する測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記参照光光量測定工程と前記測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記1/2波長板を回転させる波長板調整工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法。
  8. 請求項5に記載の点回折型干渉計測方法において、前記光量調整工程は、前記第1ピンホールを通過した前記第1参照光の光量を、前記第1ピンホールよりも前記干渉縞検出部側で測定する第1参照光光量測定工程と、前記第1測定光の光量を前記第1光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側で測定する第1測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記第1参照光光量測定工程と前記第1測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記第1の1/2波長板を回転させる第1の波長板調整工程と、
    前記第2ピンホールを通過した前記第2参照光の光量を、前記第2ピンホールよりも前記干渉縞検出部側で測定する第2参照光光量測定工程と、前記第2測定光の光量を前記第2光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側で測定する第2測定光光量測定工程との少なくとも一方の測定工程と、前記第2参照光光量測定工程と前記第2測定光光量測定工程との少なくとも一方の結果に基づいて、前記第2の1/2波長板を回転させる第2波長板調整工程とを含むことを特徴とする点回折型干渉計測方法。
  9. 球面波を生成する点光源生成装置と、
    前記点光源生成手段から射出された光を被検物に経由させ、前記被検物を経由させた光を測定光と参照光とに反射または屈折により分割する光路分割素子と、
    前記参照光を略理想的な球面波に変換するピンホールと、
    前記測定光と前記ピンホールからの参照光とを干渉させて生じた干渉縞を検出する干渉縞検出部とを有する点回折型干渉計測装置において、
    前記干渉縞検出部の検出面において、前記ピンホールを通過した参照光の光量と前記測定光の光量とが略等しくなるように、前記参照光の光量と前記測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整部を有し、
    前記光量調整部は、前記光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された1/2波長板と、前記ピンホールを通過した参照光と前記測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記1/2波長板を回転させる回転機構とを有し、
    更に、前記ピンホールよりも前記干渉縞検出部側に配置され、前記参照光の光量を測定する参照光光量測定部と、前記光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側に配置され、前記測定光の光量を測定する測定光光量測定部とを備えることを特徴とする点回折型干渉計測装置。
  10. 球面波を生成する点光源生成装置と、
    前記点光源生成手段から射出された光を、参照光と、被検物へ向かう測定光とに分割する光路分割素子と、
    前記参照光を略理想的な球面波に変換するピンホールと、
    前記被検物からの測定光と前記ピンホールからの参照光とを干渉させて生じた干渉縞を検出する干渉縞検出部とを有することを特徴とする点回折型干渉計測装置において、
    前記干渉縞検出部の検出面において、前記ピンホールを通過した参照光の光量と前記測定光の光量とが略等しくなるように、前記参照光の光量と前記測定光の光量との少なくとも一方を調整する光量調整部を有し、
    前記光量調整部は、前記光路分割素子よりも前記点光源生成手段側に配置された1/2波長板と、前記ピンホールを通過した参照光と前記測定光との少なくとも一方の光量に基づいて、前記1/2波長板を回転させる回転機構とを有し、
    更に、前記ピンホールよりも前記干渉縞検出部側に配置され、前記参照光の光量を測定する参照光光量測定部と、前記光路分割素子よりも前記干渉縞検出部側に配置され、前記測定光の光量を測定する測定光光量測定部とを備えることを特徴とする点回折型干渉計測装置。
  11. 略理想的な球面波を生成する点光源と、前記球面波を、参照光と被検物を経由する測定光とに分割する分割素子と、前記参照光を理想的な球面波にするためのピンホールと、測定光とピンホールを通過した参照光との干渉を検出する検出器とを有する干渉計測装置を用いて、測定光路上に置かれた被検物の光学特性を測定するための干渉計測方法であって、
    前記測定光路に被検物が置かれていない状態で、測定光路に参照光と測定光を通し、且つ参照光と測定光を調整して最適な干渉縞を得る第1の工程と;
    前記測定光路に被検物を置くとともに、参照光が測定光路を通ることなくピンホールを通過するように参照光の光路を変更する第2工程と;
    第2工程で参照光の光路を変更した後に、第1工程で得られた干渉縞にもっとも近い状態になるように被検物を測定光路に相対してアライメントする第3工程と;
    第3工程のアライメントがされた状態で、参照光が測定光路を通過するように光路変更し、その状態で干渉縞を観測する第4の工程とを備える上記干渉計測方法。
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