JP3295993B2 - 面精度測定装置 - Google Patents

面精度測定装置

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JP3295993B2
JP3295993B2 JP34359992A JP34359992A JP3295993B2 JP 3295993 B2 JP3295993 B2 JP 3295993B2 JP 34359992 A JP34359992 A JP 34359992A JP 34359992 A JP34359992 A JP 34359992A JP 3295993 B2 JP3295993 B2 JP 3295993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凹面の面精度を測定す
る面精度測定像知に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から球面の面精度を測定する装置と
しては、干渉計を応用したものが知られており、これら
に応用される干渉計には、トワイマングリーン型干渉
計、フィゾー型干渉計等がある。
【0003】また、これらの干渉計を更に応用して、光
源手段にピンホールからの回折光を用いる干渉計が特開
平2−228505号として公開されている。この先行
例では、光源からの光束をいったん集光させてピンホー
ルに導き、ピンホールから出射される回折光を測定用光
と参照用光とに利用するものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トワイマン
グリーン型干渉計、フィゾー型干渉計を面精度の測定に
応用する場合には、測定精度を向上させるために、球面
ゲージを用いて光学系の収差の影響を補正する必要があ
り、この球面ゲージ自体の絶対精度は、使用する測定用
光束の波長λに対して、λ/40(λ=633 nm)程度で
ある。しかしながら、近年、短波長光学素子、特に軟X
線用の光学素子では、λ/100〜λ/1000 (数10Å)以下
の面精度が要求されており、従来の球面ゲージを用いる
干渉計では、求められる精度に対応することができない
問題が生じてきた。
【0005】一方、先行例のようにピンホールからの回
折光を用いる干渉計では、λ/100〜λ/1000 という高い
精度での測定が可能であるが、以下に示す問題から一般
への利用がなされていない。まず、光源手段に用いるピ
ンホールには、ミクロンオーダーの精密な精度が要求さ
れるが、このようなピンホールの製作は極めて困難であ
り、製作してもコストがかかり過ぎる問題がある。
【0006】さらに、このような微小なピンホールに対
する光学系、特にピンホール照明系の位置決めには、レ
ーザ光の集光が極めて精密な精度を要求されるため、こ
のような光学系の制作はコストを含めて極めて困難であ
る。また、光源として比較的安定性の良い半導体レーザ
などを用いても、レーザ自体の振動や電気的条件の変動
(ノイズ等)、並びに装置環境に対する磁界等の影響
や、これらに基づく光源からの光束の位置のドリフト等
を考慮する必要がある。このため、レーザ光の集光のピ
ンスポットをピンホールの径よりもある程度余裕のある
大きさにする必要があるので、ピンホール周辺(ピンホ
ール以外)に集光される光量の損失が避けられない問題
も生じていた。
【0007】そこで、本発明では、従来の方式での上記
の問題点を解決し、極めて高い精度を有する面精度測定
装置の容易な実施化を図ること、並びに装置の小型化と
応用の範囲の拡大を目的として、一般利用可能な構成か
らなる面精度測定装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため本願
請求項1に記載の発明は、光源手段からの光束の照射位
置に被測定面となる凹面を配置し、この被測定面で反射
された測定用光束と、参照用光束とを互いに干渉させ、
該干渉により生ずる干渉縞の状態を検知することによ
り、前記被測定面の面精度を測定する面精度測定装置に
おいて、前記光源手段の出射光束を伝達する固体光伝送
路を有し、この光伝送路の光出射部から直接出射する光
束を前記測定用光束及び参照用光束として直接利用する
ことを特徴とする面精度測定装置を提供する。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、光源手
段からの光束の照射位置に被測定面となる凹面を配置
し、この被測定面で反射された測定用光束と、参照用光
束とを互いに干渉させ、該干渉により生ずる干渉縞の状
態を検知することにより、前記被測定面の面精度を測定
する面精度測定装置において、前記光源手段を半導体レ
ーザにより構築し、該半導体レーザから空間を介さずに
直接出射される光束を前記測定用光束及び参照用光束と
して直接利用するものである。
【0010】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項2に記載の面精度測定装置において、前記半導体レー
ザから直接出射される測定用光束と参照用光束との光軸
を、前記半導体レーザの光軸に対して互いに軸対称とな
るように構成したものである。
【0011】更にまた、請求項4に記載の発明では、請
求項1、2又は3に記載の面精度測定装置において、前
記光源手段の光出射部近傍位置に光反射部を設けたこと
を特徴とする。
【0012】
【作用】本発明は、上記のように構成されているため以
下の作用を奏する。まず、請求項1に記載の発明では、
例えば光ファイバーや光導波路等からなる固体光伝送路
を有しており、光源からの光束をこの固体光伝送路の一
端に入射させて他方の出射端から出射させる。ここで、
この出射端の大きさを適当に定めることでここから出射
される光束は球面波となって放射状に広がりを持つもの
となる。
【0013】出射光の一部は測定用光束として前記被測
定面に照射され、他の一部の光束は参照用光束として利
用される。そして、被測定面で反射された測定用光束と
参照用光束とは互いに干渉を起こすように導かれる。即
ち、概略すればこの固体光伝送路の出射端からの光束を
利用した干渉計としての機能を応用した面精度測定装置
となる。
【0014】したがって、この発明では光源手段に先行
例のようなミクロンオーダーの精密なピンホールを製作
する必要がなく、固体光伝送路として例えば光ファイバ
ーを用いる場合には、コア径が数ミクロンの単一モード
ファイバーを用いればよく、市販の製品をそのまま用い
ることもできる。さらに、例えば光ファイバーへの光の
入射には、やはり市販の光結合素子を用いることができ
るため、先行例のように集光に関する問題点を解消し、
極めて容易に光ファイバーへの光の入射が行える。この
点は、固体光伝送路として例えば光導波路を用いた場合
にもほぼ同様であり、先行例等と比較して光源手段の光
学系が簡略な構成となる。
【0015】なお、例えば光導波路を固体光伝送路とし
て用いた場合には、光源として半導体レーザを用いれ
ば、光源手段を構成する半導体レーザと光導波路とを同
一の基板上に形成して一体化することが可能であり、コ
ンパクトに集積された光源手段を利用して、装置全体が
小型・軽量化された安定な面精度測定装置となる。
【0016】一方、本発明では光源手段における固体光
伝送路の出射端自体を疑似光源と考えることができるの
で、本来の光源が干渉計を構成する部材から離れた位置
に任意に構成できるので、装置の設計上の自由度が増加
して干渉計としての利用範囲も拡大し、例えば光学部品
製作現場等での利用も可能になる。
【0017】又、請求項2に記載の発明では、光源手段
として半導体レーザ光源からの出射光を空間を介するこ
となく直接用いることにより、上記の課題を達成してい
る。即ち、本発明では半導体レーザから出射した光の一
部をそのまま測定用光束として被測定面に照射するとと
もに、半導体レーザから出射した光の他の一部を参照用
光束として直接利用する。そして、被測定面で反射され
た測定用光束と参照用光束とを互いに干渉させて、簡単
な構成の干渉計を応用した面精度測定装置を実現してい
る。
【0018】ここで、半導体レーザは、光出射部が極め
て微小(構造により0.1〜20μm)であり、この光
出射部から略放射状に球面波を射出する。このため、本
発明では上記の発明の光出射部の代わりに、半導体レー
ザからの光束を直接そのまま測定用及び参照用光束とし
て利用することで、上記発明同様に干渉計の作用を利用
して面精度を測定できるものとなっている。
【0019】更に、請求項1に記載の発明では、固体光
伝送路として光導波路を使用した場合に、導波路上で位
相変調を行うことが可能であり、また、請求項2に記載
の発明では、半導体レーザの波長を変調することで、各
々測定用光束の波長を変更することが可能であり、これ
らの変調手段を設ければピエゾ素子等の可動部を必要と
しない、いわゆるAC干渉計を実現することが出来る。
【0020】ところで、一般的な半導体レーザからの出
射光は、光軸に対して理想的な球面ではなく非点収差を
持った波面である場合が多い。このため、本発明にはで
きるだけ非点収差の少ない半導体レーザを用いることが
好ましいが、製造コスト等の問題からこのような非点収
差を持った光源の使用を余儀なくされる場合がある。こ
のような場合に非点収差の影響を排除する必要があり、
請求項3に記載した発明は、この点を考慮したものであ
る。
【0021】請求項3に記載した発明では、半導体レー
ザからなる光源手段から直接出射される測定用光束と参
照用光束との光軸が、前記半導体レーザの光軸に対して
互いに軸対称となるように構成されている。これによ
り、半導体レーザの光軸に対して反転対象となる非点収
差は、軸対称に配置された測定用光束と参照用光束との
光軸の関係から互いに相殺されることとなり、非点収差
の存在が測定上問題とならないものとなる。
【0022】次に、請求項4に記載した発明では、上記
の各発明において、光源手段の光出射部近傍位置に光反
射部を設けているため、被測定面で反射した測定用光束
がこの光反射部で再度反射されて参照用光束と同軸に導
かれる。この反射部を設けない場合には、請求項1に記
載の発明では、固体光伝送路の光出射部の周辺部(例え
ば、光ファイバーのグラッド部、光導波路の基板端面
等)で測定用光束を反射させることとなるが、これらの
周辺部では反射率が低いので、干渉縞のコントラストが
低下して希望する検出精度が得られない場合がある。本
発明はこのような問題を解消するものであり、光反射部
を設けることで被測定面からの測定用光束の反射率を向
上させ、干渉縞を形成する(干渉光の一方となる)測定
用光束の強度を向上させる。
【0023】この光反射部は、例えば請求項1記載の発
明で光ファイバーを使用した場合には、コア部を除いた
周辺部を鏡面加工することで形成することができ、又、
請求項2記載の発明における半導体レーザの光出射部以
外の近傍位置に鏡面加工をすることでも形成することが
できる。なお、光反射部は鏡面に限らず、表面コーティ
ング等により反射効率を高めたものでも良い。
【0024】
【実施例】以下実施例を通じ本発明をさらに詳しく説明
する。図1は本発明の第1の実施例に係る鏡面精度測定
装置の概略構成並びに光路を示す概念図である。この実
施例では、レーザ光源1から出射した光をレンズ2によ
り単一モード光ファイバー3に入射させる。実際にはレ
ンズ2を中心とした光結合素子により、レーザ光源1か
らの光束は効率よく(ほぼ100%)入射端面から単一
モード光ファイバー3内に導かれる。そして、単一モー
ド光ファイバー3内を平行光の形で透過し、別の端面
(出射端面)から出射する。
【0025】この出射波面は、単一モード光ファイバー
3のコア3a径に等しい大きさのピンホールによる回折
波と等しく、ある条件(後述)のもとでは理想的な球面
波とみなすことが出来る。そして、この出射光の一部は
測定用光束として被測定面4を照射する。この被測定面
4の光軸(測定用光束の光軸)は、光ファイバー3の光
軸と所定の角度をなして配置されており、さらに、光フ
ァイバー3の出射端面の位置は被測定面4を構成する球
面の曲率中心の位置と一致させることが好ましい。
【0026】被測定面4で反射された測定用光束は、元
来た光路を通って光ファイバー3の出射端面に再度集光
される。この際、集光された測定用光束は、光ファイバ
ー3のクラッド部3b、或はその外側の固定用治具3c
の端面で反射され、レンズ5で平行光束となり、CCD
6の受光面に到達する。一方、光ファイバー3からの出
射光の他の一部は、参照用光束としてやはりレンズ5で
平行光とされてCCD6に到達する。そして、CCD6
の受光面では、参照用光束と被測定面4並びに光ファー
バー3の出射端面で反射された測定用光束とが互いに干
渉して干渉縞を生じる。
【0027】また、本実施例では、測定精度を向上させ
るために、被測定面4のホルダにピエゾ素子11が配設
されており、被測定面4を光軸方向に微小に振動させ
て、周知のAC干渉計の手法により高精度に被測定面4
の面精度を読み取ることが出来るようになっている。
【0028】なお、本実施例では、測定用光束と参照用
光束との光路長が異なるが、光源1として単一波長レー
ザ等の可干渉性の良い光源を使用すれば、この程度の光
路長の差は測定上問題にならない。
【0029】ところで、本実施例の測定精度は、光ファ
イバー3からの出射光の出射波面の精度で決まる。ここ
で、光ファイバーのコアの径(直径)φが、使用波長
λ、被測定面の曲率半径をr、その口径をaとすると
き、以下の(1) 式の関係を満たしていれば、ここからの
出射波面は理想的な球面波とみなすことができるので、
λ/100〜λ/1000 という高い精度で面精度を測定するこ
とが出来る。
【0030】 λ/2 < φ < λr/2a (1)
【0031】したがって、この(1) 式の条件から本実施
例では、単一モード光ファイバー3のコア3aの径をφ
=6 μm、λ=0.6 μmとすると、被測定面4との関係
は、r/ aが20以上のであることが条件となる。
【0032】次に、本実施例の単一モード光ファイバー
3は図2に示すように、直径数μmのコア3a、直径 1
00μm程度のクラッド3bからなり、光コネクタ用等の
固定用治具3c内に固定されている。そして、前述した
ように被測定面4で反射された測定用光束は、光ファイ
バー出射端面のクラッド3b近傍で反射される。
【0033】この測定用光束は、被測定面4とファイバ
ー端面との2つの面で(一部のみ)反射されるため、1
度も反射されていない参照用光束に比べ光量が減衰して
おり、CCD6の受光面に生じる干渉縞のコントラスト
が低くなる。この場合には、ピエゾ素子を稼動させてA
C干渉計の手法を用いれば、低いコントラストの干渉縞
も測定可能である。
【0034】しかし、あまりに低いコントラストは測定
精度を悪化させる要因となるので、測定用光束の反射効
率を高めることで、干渉縞のコントラスト(測定用光束
の光量)を向上させることが考えられる。このため、他
の実施例では光ファイバー端面のクラッド部にコーティ
ング(図示せず)をし、反射率を高めることでこの問題
の解決を図っている。また、金属性の固定用治具3c表
面は高い反射率を持つので、これを光反射部として測定
用光束をここで反射させてもよい。いずれにせよ、光フ
ァイバー端面部の測定用光束を反射する部分は、そのス
ポットの範囲内で十分良い面精度であることが必要であ
る。
【0035】以上のように本実施例によれば、光源1か
らの光束を無駄なく利用することができると共に、先行
例のようにピンホールを使用しないため、光学系自体を
簡素化できるものとなっている。また、レーザ光特有の
ドリフト等に伴う光源の安定性や光量損失等の問題も解
消され、極めて高い精度で面精度を測定することが出来
る面精度測定装置となっている。
【0036】加えて、本実施例によれば、測定装置並び
に干渉計の構成を非常にフレキシブルにすることができ
る利点がある。例えば、本実施例の光ファイバーを長く
すれば、光源1から十分に離れた場所で面精度の測定を
行うことが可能であり、光源部の大きさに影響されない
コンパクトな干渉計を構成することが出来る。さらにこ
の場合には、光源1を干渉計部分から離すことで、光源
1の発熱、振動等の影響を被測定面に与えない安定した
測定装置を構成することが可能になった。
【0037】また、光ファイバーとして、偏波面保存フ
ァイバーを用いれば、光源1の偏光状態を保った状態で
の光束を測定に利用することができるものとなる。この
場合には、面精度のみならず、偏光した光束に基づく複
屈折作用等を応用して、例えば球面の表面に施されたコ
ーティング部材の厚み(均一性)の測定等に応用するこ
とも可能である。
【0038】次に、固体光伝送路として光導波路を用い
た実施例を図3に示す。この実施例では、基板上に単一
モード導波路37が設けられており、この導波路部の大
きさは数ミクロンに形成されている。そして、ここから
出射される光束を用いることで、前述した単一モード光
ファイバーを用いるのと同様な作用を得ることができ
る。なお、本実施例における被測定面4、レンズ5、ピ
エゾ素子11並びにこれらの配置構成は上記実施例と同
様である。
【0039】ところで、図3に示す実施例では、レーザ
光源31からの光を光集光素子32を介して光導波路3
7に入射させているが、光源として半導体レーザを用い
ることも可能であり、この場合にはレンズを介さずダイ
レクトに光源と光導波路37を結合することも可能であ
る。さらに、光導波路37の基板上に半導体レーザをモ
ノリシックに一体化することも可能であり、光源手段の
集積化による小型化が図れるものとなる。なお、いずれ
の場合でも光源には可干渉性の良い光源を用いることは
言うまでもない。
【0040】また、導波路基板上に電極を設けて光導波
路37上で位相変調を行うことで、ピエゾ素子を用いず
にいわゆるAC干渉計の手法を用いることも出来る。
【0041】このように、本実施例並びにその応用例に
よれば、非常に小型な測定装置を形成することが可能で
あり、特に、CCD6等の検出手段を用いずに直接目視
で干渉縞を観察するだけであれば、半導体レーザ光源と
光導波路だけからなる大きさ数mmの超小型測定装置が
実現できる。
【0042】次に、本発明の他の実施例として、光源か
らの出射光を直接用いる実施例にかかる球面形状測定装
置の概略構成を図4に示す。この実施例では、光源とし
て半導体レーザ48を利用し、この半導体レーザ48か
らの出射光を直接測定用光束並びに参照用光束に利用し
ている。なお、本実施例における被測定面4、レンズ
5、ピエゾ素子11並びにこれらの配置構成も上記実施
例と同様である。
【0043】図4に示すように本実施例では、半導体レ
ーザ48から出射した出射光束の一部がそのまま測定用
光束として半導体レーザ48の光軸と所定の角度をなし
て置かれた被測定面4を直接照射する。被測定面4で反
射された測定用光束は、元来た光路を通って半導体レー
ザ48の出射端面に集光される。そして、この集光され
た光は、半導体レーザ48の端面で再度反射され、レン
ズ5で平行光束となり、CCD6の受光面に到達する。
また、半導体レーザ48からの出射光束の他の一部は、
そのまま参照用光束としてレンズ5で平行光とされてC
CD6に直接到達する。そして、CCD6の受光面で
は、参照用光束と被測定面4で反射された測定用光束と
が互いに干渉して干渉縞が生じる。
【0044】ところで、一般的な半導体レーザの出射光
(出射波面)は、理想的な球面波ではなく非点収差を持
った波面であることが知られているが、最近では非点収
差の少ない半導体レーザが開発されており、全く非点収
差のない面発光レーザの開発も進められているので、本
干渉計にはこうしたものを用いることが望ましい。
【0045】しかし、一般的な半導体レーザを利用する
場合には、出射光束における非点収差が半導体レーザの
光軸に対して反転対称であることを利用して、被測定面
4の光軸と半導体レーザ48の光軸のなす角を、レンズ
5の光軸と半導体レーザ48の光軸のなす角と等しくす
ることで、非点収差を相互にキャンセルすることが可能
であり、これらの非点収差の存在は実際には問題になら
ないものとなる。
【0046】ここで、一般的なダブルヘテロ接合の半導
体レーザを例にとって、ここから出射される光の状態を
図5に示す。この図に示すように、半導体レーザからの
出射光は、活性層に垂直な方向(z方向)に大きな広が
り角(40〜60°)を持ち、水平方向(y方向)には
小さな広がり(約10°)を持つ。このため、本実施例
のように非点収差を打ち消す目的を達成する場合には、
各部材の配置を考慮すると、測定用光束(被測定面4)
の光軸を半導体レーザの活性層と垂直な方向に傾けると
共に、参照用光束(レンズ5)の光軸をそれと対称な方
向に傾けることが好ましい。
【0047】さらに、半導体レーザ48の出射端面は、
通常波長以上の精度で研磨されているため反射効率はか
なり高いものとなるが、光出射部を除いて鏡面加工を施
すことで被測定面4で反射してきた測定用光束を効率よ
く反射させることができるので、干渉縞の測定が容易と
なる。
【0048】また、本実施例に係る測定装置でも、ピエ
ゾ素子11により被測定面を光軸方向に微小に振動させ
て、周知のAC干渉計の手法により高精度に被測定面の
面精度を読み取ることが出来るものとなっている。ここ
で、半導体レーザ48の波長を変調することによっても
AC干渉計の手法を用いることが可能であり、この場合
には全く架動部のない測定装置が構成できる。
【0049】なお、本実施例でも測定用光束と参照用光
束の光路長が異なるが、半導体レーザ光源48は一般的
に単一波長レーザであり可干渉性の良い光源であるた
め、この程度の光路長の差は問題にならない。
【0050】以上のように、本実施例によれば、光源で
ある半導体レーザ48、干渉縞結像系となるレンズ5並
びにCCD6だけからなる最もシンプルな構成の測定装
置を構築することが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の一般的な干渉計を応用した装置のように、球面ゲー
ジを用いて光学系の収差の影響を補正する必要はなく、
これらの装置では得られなかった高い精度での面精度が
測定できる利点がある。
【0052】一方、先行例のように精密なピンホールの
製作上の問題や、これを利用する光学系の精密な位置合
わせや、これらに伴う光源の光量損失や安定性等の諸問
題が解消されており、光源手段の光学系が簡略な構成と
なるので、一般実施が極めて容易に行える。
【0053】さらに、固体光伝送路として市販の光ファ
イバー等を簡単に利用でき、光源にも市販の半導体レー
ザをそのまま用いることができるので、製造コストも大
幅に減少しその製作工程も簡素化できるものとなってい
る。加えて、光源と光ファイバーや光導波路等の固体光
伝送路を一体に設けて集積化することにより小型で扱い
易い面精度測定装置を実現できる。
【0054】また、固体光伝送路を延長すれば、光源を
装置の干渉縞結像系から離れた位置に配設することが可
能であり、設計の自由度が向上すると共に干渉計の利用
範囲が拡大し、例えばレンズ等の製作現場での利用が容
易となる。さらに、この場合には干渉縞結像系等へ光源
の振動等の影響を排除できるため、測定精度の誤差が生
じにくいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る面精度測定装置を
示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る面精度測定装置に
おける光ファイバーの出射端面を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る面精度測定装置を
示す説明図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係る面精度測定装置を
示す説明図である。
【図5】半導体レーザの構造並びに出射光束の状態を示
す説明図である。
【符号の説明】
1,31…光源、 48…半導体レーザ、 2,32…
集光レンズ(光集光素子)、 3…光ファーバー、 3
a…コア、 3b…グラッド、 3c…固定治具、 3
7…光導波路、 4…被測定面(凹球面)、 5…レン
ズ、 6…CCD、11…ピエゾ素子、

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源手段からの光束の照射位置に被測定
    面となる凹面を配置し、この被測定面で反射された測定
    用光束と、参照用光束とを互いに干渉させ、該干渉によ
    り生ずる干渉縞の状態を検知することにより、前記被測
    定面の面精度を測定する面精度測定装置において、前記
    光源手段の出射光束を伝達する固体光伝送路を有し、
    の光伝送路の光出射部から直接出射する光束を前記測定
    用光束及び参照用光束として直接利用することを特徴と
    する面精度測定装置。
  2. 【請求項2】 光源手段からの光束の照射位置に被測定
    面となる凹面を配置し、この被測定面で反射された測定
    用光束と、参照用光束とを互いに干渉させ、該干渉によ
    り生ずる干渉縞の状態を検知することにより、前記被測
    定面の面精度を測定する面精度測定装置において、前記
    光源手段が半導体レーザを含み、該半導体レーザから空
    間を介さずに直接出射される光束を前記測定用光束及び
    参照用光束として直接利用することを特徴とする面精度
    測定装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザから直接出射される測
    定用光束と参照用光束との光軸が、前記半導体レーザの
    光軸に対して互いに軸対称となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の面精度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光源手段の光出射部近傍位置に光反
    射部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3の
    いずれか一項に記載の面精度測定装置。
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