JP2005156446A - 非球面形状測定方法、及び投影光学系の製造方法 - Google Patents

非球面形状測定方法、及び投影光学系の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】波面変換素子の製作誤差の影響が抑えられた非球面形状測定方法を提供する。
【解決手段】被検非球面の近似球面と等価な設計形状をした基準球面(11s)、被検非球面の設計形状と等価な第1波面(A)を生成するための第1回折パターンが形成された第1回折光学素子(1a)、基準球面の設計形状と等価な第2波面(S)を生成するための第2回折パターンが第1回折パターンと等しい製造条件の工程を経て形成された第2回折光学素子(1s)をそれぞれ用意し、第1回折光学素子を用いて被検非球面の干渉測定し、第1波面と被検非球面との間の差異を示す第1データを取得し、第2回折光学素子を用いて基準球面を干渉測定し、第2波面と基準球面との間の差異を示す第2データを取得し、第1データ及び第2データに基づけば、第1回折パターンと第2回折パターンとの等しく生じたパターン形成誤差成分に依らず被検非球面の相対形状が求まる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、非球面レンズや非球面ミラーなどの表面(つまり回転対称な非球面)の形状を測定する非球面形状測定方法、及び、非球面レンズや非球面ミラーを有した投影光学系を製造する投影光学系の製造方法に関する。
高性能で知られる投影光学系には、非球面レンズや非球面ミラーなどの光学素子が用いられることがある。投影光学系の製造時、それら非球面の形状を高精度に測定する必要がある。
非球面形状測定は、次のように行われる(非特許文献1,非特許文献2,非特許文献3など)。
フィゾー型干渉計から射出する測定光束に対し、透過性の参照面を有したフィゾー部材、被検非球面を有した被検物がこの順で挿入される。
また、フィゾー部材と被検物との間には、測定光束を適正な状態で被検物に入射させるために、ヌル素子が挿入される。
ヌル素子は、測定光束の波面を、被検非球面の設計形状と等価な波面に変換する波面変換素子(又は波面変換光学系)である。設計形状と等価な波面とは、設計形状どおりに製作された非球面に対し垂直かつ同位相で入射するような波面のことである。
この状態でフィゾー型干渉計が出力するデータは、参照面の形状を基準とした被検非球面の形状のデータである。よって、参照面の形状が既知であれば、そのデータから被検非球面の形状が求まる。
R.N.Smartt,"Zone plate interferometer",Appl.Opt.13,1093-1099,1974 T.Yatagai and H.Saito,"Measurement of an aspherical mirror using zone-plate interferometry",in Preprints of the Annual Meeting of Japan Society of Applied Physics p.116,1976 K.Nakagawa,"Holographic zone-plate interferometer for testing aspheric surfaces",Jpn.J.Opt.14,365-376,1985
しかし、ヌル素子の生成する波面にはヌル素子の製作誤差に起因する誤差成分が重畳している。よって、フィゾー型干渉計が出力するデータにも誤差が重畳する。
このため、ヌル素子を用いた非球面形状測定を高精度化するためには、ヌル素子の製作誤差を抑えなければならなかった。
そこで本発明は、ヌル素子などの波面変換素子を用いつつもその波面変換素子の製作誤差の影響が抑えられた、又は影響を殆ど受けない非球面形状測定方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、確実に高性能な投影光学系を製造することのできる投影光学系の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の非球面形状測定方法は、被検非球面の近似球面と等価な設計形状をした基準球面、前記被検非球面の設計形状と等価な第1波面を生成するための第1回折パターンが形成された第1回折光学素子、前記基準球面の設計形状と等価な第2波面を生成するための第2回折パターンが、前記第1回折パターンと等しい製造条件の工程を経て形成された第2回折光学素子をそれぞれ用意する手順と、前記第1回折光学素子を用いて前記被検非球面を干渉測定し、前記第1波面と前記被検非球面との間の差異を示す第1データを取得する手順と、前記第2回折光学素子を用いて前記基準球面を干渉測定し、前記第2波面と前記基準球面との間の差異を示す第2データを取得する手順と、前記第1データ及び前記第2データに基づく演算を行い、前記第1回折パターン及び前記第2回折パターンそれぞれのパターン形成誤差に依らずに、前記基準球面を基準とした前記被検非球面の相対形状を求める手順とを有したことを特徴とする。
請求項2に記載の非球面形状測定方法は、請求項1に記載の非球面形状測定方法において、前記工程前に、前記第1回折光学素子の基板単体及び前記第2回折光学素子の基板単体を用いた干渉測定を行い、前記第1回折光学素子の基板誤差と前記第2回折光学素子の基板誤差との差異を示す第3データを取得する手順をさらに有し、前記被検非球面の相対形状を求める手順では、前記第1データ及び前記第2データ並びに前記第3データに基づく演算を行い、前記パターン形状誤差と、前記第1回折光学素子及び前記第2回折光学素子それぞれの基板誤差とに依らずに、前記基準球面を基準とした前記被検非球面の形状を求めることを特徴とする。
請求項3に記載の非球面形状測定方法は、請求項1又は請求項2に記載の非球面形状測定方法において、前記等しい製造条件の工程は、少なくとも、共通のエッチング装置、共通の露光装置、共通のパターン位置測定装置の何れか1つを用いた工程であることを特徴とする。
請求項4に記載の非球面形状測定方法は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の非球面形状測定方法において、前記第1回折光学素子は、平行光束である入射波面を前記第1波面に変換するよう設計された前記第1回折パターンを有した透過型回折光学素子であり、前記第2回折光学素子は、平行光束である入射波面を前記第2波面に変換するよう設計された前記第2回折パターンを有した透過型回折光学素子であることを特徴とする。
請求項5に記載の非球面形状測定方法は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の非球面形状測定方法において、前記第1回折光学素子は、前記被検非球面と等価な入射波面を垂直反射して前記第1波面を生成するよう設計された前記第1回折パターンを有した反射型回折光学素子であり、前記第2回折光学素子は、前記基準球面と等価な入射波面を垂直反射して前記第2波面を生成するよう設計された前記第2回折パターンを有した反射型回折光学素子であることを特徴とする。
請求項6に記載の投影光学系の製造方法は、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の非球面形状測定方法を適用して被検非球面の形状を測定し、前記測定された形状に基づき、投影光学系の少なくとも1部の調整、及び/又は投影光学系の少なくとも1部の光学素子の加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ヌル素子などの波面変換素子を用いつつもその波面変換素子の製作誤差の影響が抑えられた、又は影響を殆ど受けない非球面形状測定方法が実現する。
また、本発明によれば、確実に高性能な投影光学系を製造することのできる投影光学系の製造方法が実現する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
以下、図1、図2を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、波面変換素子として透過型ゾーンプレート(請求項における透過型回折光学素子に対応。)を用いて非球面形状測定を行うものである。
本測定は、図1(a),(b)に示す基板測定、図2(a)に示す非球面測定、図2(b)に示す球面測定、及び不図示の演算からなる。なお、図1(a),(b)に示す基板測定は、省略することも可能であるが(詳細は後述)、以下では基板測定が行われることを前提として説明する。
先ず、本測定に当たり用意されるものについて説明する。
用意されるものは、既知形状の球面原器(請求項における基準球面に対応。)(図2(b)の符号11s)、透過型の非球面用ゾーンプレート(図2(a)の符号1a)、透過型の球面用ゾーンプレート(図2(b)1s)である。
球面原器11sは、被検非球面(図2(a)の符号11a)の近似球面と等価な設計形状をしている。その形状は、別途公知の方法(点回折干渉計を使用した測定や、回転や横ずらしなどの複数回測定など)により測定される。
非球面用ゾーンプレート1aに形成される回折パターン(図2の符号Pa)は、平行光束が入射すると、その平行光束の波面を、被検非球面11aの設計形状と等価な透過波面A(請求項における第1波面に対応。)に変換するよう設計される。
球面用ゾーンプレート1sに形成される回折パターン(図2の符号Ps)は、平行光束が入射すると、その平行光束の波面を、球面原器11sの設計形状と等価な透過波面S(請求項における第2波面に対応。)に変換するよう設計される。
ここで、非球面用ゾーンプレート1a、球面用ゾーンプレート1sの製造時、それらの回折パターンPa,Psの形成には、露光装置を用いた露光工程、エッチング装置を用いたエッチング工程、パターン位置測定装置を用いたパターン位置測定工程などが関わる。
本測定の非球面用ゾーンプレート1aの回折パターンPa、球面用ゾーンプレート1sの回折パターンPsは、共通のエッチング装置で形成されたものである。
このような回折パターンPaの形成誤差のうちエッチング装置のエッチングむら(一般に装置固有である。)に起因する成分(所謂「偏り誤差」)と、回折パターンPsの形成誤差のうち、エッチング装置のエッチングむら(一般に装置固有である。)に起因する誤差成分(所謂「偏り誤差」)とは、互いに等しくなる。
また、球面原器11sの設計形状は被検非球面11aの近似球面と等価なので、非球面用ゾーンプレート1aの回折パターンPaと、球面用ゾーンプレート1sの回折パターンPsとは、似たものとなり、その凹凸分布が近くなる。よって、回折パターンPa,Psの形成誤差のうち、エッチングむら以外の原因で生じる誤差成分(所謂「ばらつき誤差」)は、互いに同程度になる。
よって、本測定では、回折パターンPaの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)と、回折パターンPsの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)とを等しいとみなせる。
次に、基板測定について説明する。
図1(a),(b)に示す基板測定は、回折パターンPaの形成前の非球面用ゾーンプレート(基板1a’)及び回折パターンPsの形成前の球面用ゾーンプレート(基板1s’)を用いた干渉測定である。
基板測定では、図1(a),(b)に示すように、フィゾー型干渉計10から射出する測定光束(平行光束である。)に対し、フィゾーフラット20(図1中符号20aが参照面)及び折り返しミラー30がこの順で挿入される。このとき、参照面20aと折り返しミラー30とが向き合う。
そして、フィゾーフラット20と折り返しミラー30との間に図1(a)に示すように基板1a’を挿入し、折り返しミラー30における反射光束L30と、参照面20aにおける反射光束L20とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データdaをフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータdaは、基板1a’を往復する測定光束の波面に対しその基板1a’が与える形状誤差(つまり、非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差)Wkaを示す。但し、データdaには、参照面20aの形状誤差、折り返しミラー30の形状誤差も含まれる。
また、基板1a’に代えて図1(b)に示すように基板1s’を挿入し、折り返しミラー30における反射光束L30と、参照面20aにおける反射光束L20とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データdsをフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータdsは、基板1s’を往復する測定光束の波面に対しその基板1s’が与える形状誤差(つまり、球面用ゾーンプレート1sの基板誤差)Wksを示す。但し、データdsには、参照面20aの形状誤差、折り返しミラー30の形状誤差も含まれる。
そして、以上のとおり取り込まれたデータda,dsの差のデータD3が求められる。データD3は、後述する演算に利用される。
なお、データD3は、式(1)のとおり表される。
D3=da−ds
=Wka−Wks ・・・(1)
つまり、データD3においては、参照面20aの形状誤差、折り返しミラー30の形状誤差は消去されており、非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差Wkaと球面用ゾーンプレート1sの基板誤差Wksとの差異(相対誤差)のみが表れる(請求項の第3データである。)。
次に、非球面測定について説明する。
図2(a)に示す非球面測定は、非球面用ゾーンプレート1aを用いた被検非球面11aの干渉測定である。
非球面測定では、図2(a)に示すように、フィゾー型干渉計10から射出する測定光束(平行光束である。)に対し、フィゾーフラット50(図2中符号50aが参照面)、非球面用ゾーンプレート1a、及び被検非球面11aがこの順で挿入される。このとき、回折パターンPaと被検非球面11aとが向き合う。
そして、非球面用ゾーンプレート1aにおける反射光束(非球面用ゾーンプレート1aの回折パターンPaの側における反射光束)L1aと、被検非球面11aにおける反射光束L11aとを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDa’をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDa’は、被検非球面11aの形状情報Wwを示す。但し、データDa’には、回折パターンPaのパターン形成誤差Wzaも含まれ、Da’=Ww−Wzaである。
また、非球面用ゾーンプレート1aにおける反射光束(非球面用ゾーンプレート1aの回折パターンPaの側における反射光束)L1aと、参照面50aにおける反射光束L50とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDa”をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDa”には、参照面50aの形状誤差Wf、非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差Wkaが含まれ、Da”=Wf+Wkaである。
そして、以上のとおり取り込まれたデータDa’,Da”の差のデータD1が求められる。なお、データD1は、式(2)のとおり表される。
D1=Da’−Da”
=(Ww−Wza)−(Wf+Wka)
=Ww−(Wza+Wka)−Wf ・・・(2)
つまり、データD1は、非球面用ゾーンプレート1aの製作誤差(回折パターンPaのパターン形成誤差Wza+非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差Wka)と、被検非球面11aの形状との間の差異を示す(請求項の第1データである。)。
次に、球面測定について説明する。
図2(b)に示す球面測定は、球面用ゾーンプレート1sを用いた球面原器11sの干渉測定である。
球面測定では、図2(b)に示すように、フィゾー型干渉計10から射出する測定光束(平行光束である。)に対し、非球面測定で用いたのと同じフィゾーフラット50(図2中符号50aが参照面)、球面用ゾーンプレート1s、及び球面原器11sが、この順で挿入される。このとき、回折パターンPsと球面原器11sとが向き合う。
そして、球面用ゾーンプレート1sにおける反射光束(非球面用ゾーンプレート1sの回折パターンPsの側における反射光束)L1sと、球面原器11sにおける反射光束L11sとを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDs’をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDs’は、球面原器11sの形状情報Wrを示す。但し、データDs’には、回折パターンPsのパターン形成誤差Wzsも含まれ、Ds’=Wr−Wzsである。
また、球面用ゾーンプレート1sにおける反射光束(非球面用ゾーンプレート1sの回折パターンPsの側における反射光束)L1sと、参照面50aにおける反射光束L50とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDs”をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDs”には、参照面50aの形状誤差Wf、球面用ゾーンプレート1sの基板誤差Wksが含まれ、Ds”=Wf+Wksである。
そして、以上のとおり取り込まれたデータDs’,Ds”の差のデータD2が求められる。なお、データD2は、式(3)のとおり表される。
D2=Ds’−Ds”
=(Wr−Wzs)−(Wf+Wks)
=Wr−(Wzs+Wks)−Wf ・・・(3)
つまり、データD2は、球面用ゾーンプレート1sの製作誤差(回折パターンPsのパターン形成誤差Wzs+球面用ゾーンプレート1sの基板誤差Wks)と、球面原器11sの形状との間の差異を示す(請求項の第2データである。)。
次に、演算について説明する。
被検非球面11aの形状”Ww”は、上記取得したデータD1,D2,D3,及び、既知である球面原器11sの形状情報Wrを、式(4)に当てはめることにより求められる。
”Ww”=D1−D2+D3+Wr ・・・(4)
なお、この式(4)によれば、回折パターンPaのパターン形成誤差Wzaと、回折パターンPsのパターン形成誤差Wzsとが相殺される(詳細は後述する式(5)参照)。
また、この式(4)によれば、非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差Wkaと、球面用ゾーンプレート1sの基板誤差Wksとが共に消去される(詳細は後述する式(5)参照。)。
また、この式(4)によれば、フィゾーフラット50の参照面50aの形状誤差Wfが消去される(詳細は後述する式(5)参照)。
因みに、形状誤差Wfの消去が可能となったのは、球面測定(図2(b)参照)と非球面測定(図2(a))との間で共通の参照面50aが用いられたからである。
次に、本測定の効果について説明する。
本測定の演算で使用した式(4)の右辺は、上述した式(1),(2),(3)より、次式(5)で表される。
D1−D2+D3+Wr
=[Ww−(Wza+Wka)−Wf]−[Wr−(Wzs+Wks)−Wf]+[Wka−Wks]+Wr
=Ww+(Wzs−Wza) ・・・(5)
ここで、上述したとおり、本測定では、回折パターンPaの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)と、回折パターンPsの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)とが等しいとみなせる。よって、回折パターンPaのパターン形成誤差Wzaと、回折パターンPsのパターン形成誤差Wzsとを互いに等しいとみなせる。つまり、(Wzs−Wza)≒0である。よって、式(5’)が成り立つ。
D1−D2+D3+Wr≒Ww ・・・(5’)
したがって、本測定によれば、回折パターンPaのパターン形成誤差Wza、回折パターンPsのパターン形成誤差Wzs、非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差Wka、球面用ゾーンプレート1sの基板誤差Wksの何れにも依らず、被検非球面11aの形状が求まる。すなわち、非球面用ゾーンプレート1aの製作誤差、及び球面用ゾーンプレート1sの製作誤差の影響を殆ど受けない非球面形状測定が可能となる。
なお、本測定では、非球面測定(図2(a)参照)、球面測定(図2(b)参照)の他に、基板測定(図1(a),(b))を行うとしたが、その基板測定を省略することもできる。
但し、省略した場合にはデータD3が取得できないので、非球面用ゾーンプレート1aの基板誤差Wkaと球面用ゾーンプレート1sの基板誤差Wksとを消去することはできない。よって、その場合の非球面形状測定は、回折パターンPaのパターン形成誤差Wza、回折パターンPsのパターン形成誤差Wzsに依らない非球面形状測定、すなわち、
非球面用ゾーンプレート1aの製作誤差及び球面用ゾーンプレート1sの製作誤差の影響が抑えられた非球面形状測定となる。
なお、本測定において、基板測定時(図1(a),(b)参照)の基板1a’と基板1s’との配置関係、非球面測定時(図2(a)参照)の非球面用ゾーンプレート1aと球面測定時(図2(b)参照)の球面用ゾーンプレート1sとの配置関係、エッチング装置における基板1a’と基板1s’との配置関係は、互いに同じである。
また、非球面用ゾーンプレート1aの製造で用いられる露光装置と、球面用ゾーンプレート1sの製造で用いられる露光装置とを共通化し、露光装置における基板1a’と基板1s’との配置関係を前記各配置関係と同じとしてもよい。
このとき、回折パターンPaの形成誤差のうち露光装置のパターン位置むら(一般に装置固有である。)に起因する成分(所謂「偏り誤差」)と、回折パターンPsの形成誤差のうち、露光装置のパターン位置むら(一般に装置固有である。)に起因する誤差成分(所謂「偏り誤差」)とが互いに等しくなるので、被検非球面11aの形状”Ww”はさらに高精度に求まる。
また、非球面用ゾーンプレート1aの製造で用いられるパターン位置測定装置と、球面用ゾーンプレート1sの製造で用いられるパターン位置測定装置とを共通化し、パターン位置測定装置における基板1a’と基板1s’との配置関係を前記各配置関係と同じとしてもよい。
このとき、回折パターンPaの形成誤差のうちパターン位置測定装置のパターン位置測定むら(一般に装置固有である。)に起因する成分(所謂「偏り誤差」)と、回折パターンPsの形成誤差のうち、パターン位置測定装置のパターン位置測定むら(一般に装置固有である。)に起因する誤差成分(所謂「偏り誤差」)とが互いに等しくなるので、被検非球面11aの形状”Ww”はさらに高精度に求まる。
なお、共通化される装置が多いほど精度が高まる。また、他の装置と比較するとエッチング装置を共通化することが最も効果的である。
[第2実施形態]
以下、図3、図4を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、波面変換素子として反射型ゾーンプレート(請求項における反射型回折光学素子に対応。)を用いて非球面形状測定を行うものである。
なお、ここでは、第1実施形態の測定との相違点についてのみ説明し、その他の点については説明を省略する。
先ず、本測定に当たり用意されるものについて説明する。
本測定では、透過型の非球面用ゾーンプレート1aに代えて、反射型の非球面用ゾーンプレート(図4(a)の符号2a)が用意され、透過型の球面用ゾーンプレート1sに代えて、反射型の球面用ゾーンプレート(図4(b)の符号2s)が用意される。
非球面用ゾーンプレート2aに形成される回折パターン(図4の符号Pra)は、被検非球面11aの設計形状と等価な波面の光束が入射すると、その光束を垂直に反射して同じ波面形状の反射波面Ar(請求項における第1波面に対応。)を生成するよう設計される。
球面用ゾーンプレート2sに形成される回折パターン(図4の符号Prs)は、基準球面11sの設計形状と等価な波面の光束が入射すると、その光束を垂直に反射して同じ波面形状の反射波面Sr(請求項における第2波面に対応。)を生成するよう設計される。
本測定の非球面用ゾーンプレート2aの回折パターンPra、球面用ゾーンプレート2sの回折パターンPrsは、共通のエッチング装置で形成されたものである。
よって、本測定でも、回折パターンPraの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)と、回折パターンPrsの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)とを等しいとみなせる。
次に、基板測定について説明する。
図3(a),(b)に示す基板測定は、回折パターンPraの形成前の非球面用ゾーンプレート(基板2a’)及び回折パターンPrsの形成前の球面用ゾーンプレート(基板2s’)を用いた干渉測定である。
基板測定では、図3(a),(b)に示すように、フィゾー型干渉計10から射出する測定光束(平行光束である。)に対し、フィゾーフラット20(図3中符号20aが参照面)及び基板2a’がこの順で挿入される。このとき、基板2a’のパターン形成面(=回折パターンの形成されるべき面)と参照面20aとが向き合う。
そして、基板2a’のパターン形成面における反射光束L2a’と、参照面20aにおける反射光束L20とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データdraをフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータdraは、基板2a’のパターン形成面を反射する測定光束の波面に対しその基板2a’が与える形状誤差(つまり、非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差)Wrkaを示す。但し、データdraには、参照面20aの形状誤差も含まれる。
また、基板2a’に代えて図3(b)に示すように基板2s’を挿入し、基板2s’のパターン形成面における反射光束L2s’と、参照面20aにおける反射光束L20とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データdrsをフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータdrsは、基板2s’のパターン形成面を反射する測定光束の波面に対しその基板2s’が与える形状誤差(つまり、球面用ゾーンプレート2sの基板誤差)Wrksを示す。但し、データdrsには、参照面20aの形状誤差も含まれる。
そして、以上のとおり取り込まれたデータdra,drsの差のデータDr3が求められる。データDr3は、後述する演算に利用される。
なお、データDr3は、式(6)のとおり表される。
Dr3=dra−drs
=Wrka−Wrks ・・・(6)
つまり、データDr3においては、参照面20aの形状誤差は消去されており、非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差Wrkaと球面用ゾーンプレート2sの基板誤差Wrksとの差異(相対誤差)のみが表れる(請求項の第3データである。)。
次に、非球面測定について説明する。
図4(a)に示す非球面測定は、非球面用ゾーンプレート2aを用いた被検非球面11aの干渉測定である。
非球面測定では、図4(a)に示すように、フィゾー型干渉計10から射出する測定光束(平行光束である。)に対し、フィゾーフラット50(図4中符号50aが参照面)、ヌルレンズ60、及び被検非球面11aがこの順で挿入される。このとき、ヌルレンズ60の最終面と被検非球面11aとが向き合う。
ヌルレンズ60は、測定光束の波面を被検非球面11aの設計形状と等価な波面に変換するよう予め設計されたものである。因みに、このヌルレンズ60の誤差は本測定に影響しないので(後述する式(7)参照。)、その製作精度は問わない。
そして、被検非球面11aにおける反射光束L11aと、参照面50aにおける反射光束L50とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDra’をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDra’は、被検非球面11aの形状情報Wwを示す。但し、データDra’には、参照面50aの形状誤差、ヌルレンズ60の誤差も含まれる。
また、被検非球面11aに代えて非球面用ゾーンプレート2aを図4(a)点線枠内に示すごとく挿入し、非球面用ゾーンプレート2aにおける反射光束L2aと、参照面50aにおける反射光束L50とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDra”をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDra”には、参照面50aの形状誤差、非球面用ゾーンプレート2aの製作誤差(つまり、回折パターンPraのパターン形成誤差Wrza+非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差Wrka)が含まれる。
そして、以上のとおり取り込まれたデータDra’,Dra”の差のデータDr1が求められる。なお、データDr1は、式(7)のとおり表される。
Dr1=Dra’−Dra”
=Ww−(Wrza+Wrka) ・・・(7)
つまり、データDr1は、非球面用ゾーンプレート2aの製作誤差(つまり、回折パターンPraのパターン形成誤差Wrza+非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差Wrka)と、被検非球面11aの形状との間の差異を示す(請求項の第1データである。)。
次に、球面測定について説明する。
図4(b)に示す球面測定は、球面用ゾーンプレート2sを用いた球面原器11sの干渉測定である。
球面測定では、図4(b)に示すように、フィゾー型干渉計10から射出する測定光束(平行光束である。)に対し、フィゾーレンズ70(図4中符号70aが参照面)及び球面原器11sがこの順で挿入される。このとき、参照面70aと球面原器11sとが向き合う。
そして、球面原器11sにおける反射光束L11sと、参照面70aにおける反射光束L70とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDrs’をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDrs’は、球面原器11sの形状情報Wrを示す。但し、データDrs’には、参照面70aの形状誤差も含まれる。
また、球面原器11sに代えて球面用ゾーンプレート2sを図4(b)点線枠内に示すごとく挿入し、球面用ゾーンプレート2sにおける反射光束L2sと、参照面70aにおける反射光束L70とを干渉させ、その干渉によって生起する干渉縞の位相分布データDrs”をフィゾー型干渉計10から取り込む。
このデータDrs”には、参照面70aの形状誤差、球面用ゾーンプレート2sの製作誤差(つまり、回折パターンPrsのパターン形成誤差Wrzs+球面用ゾーンプレート2sの基板誤差Wrks)が含まれる。
そして、以上のとおり取り込まれたデータDrs’,Drs”の差のデータDr2が求められる。なお、データDr2は、式(8)のとおり表される。
Dr2=Drs’−Drs”
=Wr−(Wrzs+Wrks) ・・・(8)
つまり、データDr2は、球面用ゾーンプレート2sの製作誤差(つまり、回折パターンPrsのパターン形成誤差Wrzs+球面用ゾーンプレート2sの基板誤差Wrks)と、球面原器11sの形状との間の差異を示す(請求項の第2データである。)。
次に、演算について説明する。
被検非球面11aの形状”Ww”は、上記取得したデータDr1,Dr2,Dr3,及び、既知である球面原器11sの形状情報Wrを、式(9)に当てはめることにより求められる。
”Ww”=Dr1−Dr2+Dr3+Wr ・・・(9)
なお、式(9)によれば、回折パターンPraのパターン形成誤差Wrzaと、回折パターンPrsのパターン形成誤差成分Wrzsとが相殺される(詳細は後述する式(10)参照)。
また、この式(9)によれば、非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差Wrkaと、球面用ゾーンプレート2sの基板誤差Wrksとが共に消去される(詳細は後述する式(10)参照。)。
次に、本測定の効果について説明する。
本測定の演算で使用した式(9)の右辺は、上述した式(6),(7),(8)より、次式(10)で表される。
Dr1−Dr2+Dr3+Wr
=[Ww−(Wrza+Wrka)]−[Wr−(Wrzs+Wrks)]+[Wrka−Wrks]+Wr
=Ww+(Wrzs−Wrza) ・・・(10)
ここで、本測定でも、回折パターンPraの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)と、回折パターンPrsの形成誤差(偏り誤差及びばらつき誤差)とが等しいとみなせる。よって、回折パターンPraのパターン形成誤差Wrzaと、回折パターンPrsのパターン形成誤差成分Wrzsとを互いに等しいとみなせる。つまり、(Wrzs−Wrza)≒0である。よって、式(10’)が成り立つ。
Dr1−Dr2+Dr3+Wr≒Ww ・・・(10’)
したがって、本測定によれば、回折パターンPraのパターン形成誤差Wrza、回折パターンPrsのパターン形成誤差Wrzs、非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差Wrka、球面用ゾーンプレート2sの基板誤差Wrksの何れにも依らず、被検非球面11aの形状が求まる。すなわち、非球面用ゾーンプレート2aの製作誤差、及び球面用ゾーンプレート2sの製作誤差の影響を殆ど受けない非球面形状測定が可能となる。
なお、本測定では、非球面測定(図4(a)参照)、球面測定(図4(b)参照)の他に、基板測定(図3(a),(b))を行うとしたが、その基板測定を省略することもできる。
但し、省略した場合にはデータDr3が取得できないので、非球面用ゾーンプレート2aの基板誤差Wrkaと球面用ゾーンプレート2sの基板誤差Wrksとを消去することはできない。よって、その場合の非球面形状測定は、回折パターンPraのパターン形成誤差Wrza、回折パターンPrsのパターン形成誤差Wrzsに依らない非球面形状測定、すなわち、非球面用ゾーンプレート2aの製作誤差、及び球面用ゾーンプレート2sの製作誤差の影響が部分的に抑えられた非球面形状測定となる。
なお、本測定において、基板測定時(図3(a),(b)参照)の基板2a’と基板2s’との配置関係、非球面測定時(図4(a)参照)の非球面用ゾーンプレート2aと球面測定時(図4(b)参照)の球面用ゾーンプレート2sとの配置関係、エッチング装置における基板2a’と基板2s’との配置関係は、互いに同じである。
また、非球面用ゾーンプレート2aの製造で用いられる露光装置と、球面用ゾーンプレート2sの製造で用いられる露光装置とを共通化し、露光装置における基板2a’と基板2s’との配置関係を前記各配置関係と同じとしてもよい。
このとき、回折パターンPraの形成誤差のうち露光装置のパターン位置むら(一般に装置固有である。)に起因する成分(所謂「偏り誤差」)と、回折パターンPrsの形成誤差のうち、露光装置のパターン位置むら(一般に装置固有である。)に起因する誤差成分(所謂「偏り誤差」)とが互いに等しくなるので、被検非球面11aの形状”Ww”はさらに高精度に求まる。
また、非球面用ゾーンプレート2aの製造で用いられるパターン位置測定装置と、球面用ゾーンプレート2sの製造で用いられるパターン位置測定装置とを共通化し、パターン位置測定装置における基板2a’と基板2s’との配置関係を前記各配置関係と同じとしてもよい。
このとき、回折パターンPraの形成誤差のうちパターン位置測定装置のパターン位置測定むら(一般に装置固有である。)に起因する成分(所謂「偏り誤差」)と、回折パターンPrsの形成誤差のうち、パターン位置測定装置のパターン位置測定むら(一般に装置固有である。)に起因する誤差成分(所謂「偏り誤差」)とが互いに等しくなるので、被検非球面11aの形状”Ww”はさらに高精度に求まる。
なお、共通化される装置が多いほど精度が高まる。また、他の装置と比較するとエッチング装置を共通化することが最も効果的である。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、上記各実施形態の何れかの測定を適用し、非球面レンズ及び/又は非球面ミラーを有した投影光学系を製造するものである。
この製造の手順は、次の各手順を含む。
投影光学系に組み込むべき各光学素子の光学面を加工する。
加工された各光学面の面精度を測定する。このとき、光学面の設計形状が非球面であれば、上記各実施形態の何れかの測定を適用する。
測定された面精度が許容範囲に収まっていない光学面については、加工する手順に戻る。
投影光学系を組み立てる。このとき、測定された面精度に基づき、組み立て後の投影光学系の収差が許容範囲に収まるよう調整を行う。
このような製造の手順によれば、たとえ非球面の測定以外の各手順が従来どおりであったとしても、非球面の測定が、上述したごとく、周知の波面変換素子を用いて確実に精度高く行われるので、確実に高性能な投影光学系が製造される。
因みに、本実施形態の投影光学系は、例えば図5に示すような投影露光装置に搭載される。投影光学系が確実に高性能化されれば、この投影露光装置も確実に高性能化される。
投影露光装置において、マスク201は、マスクホルダ202を介して、マスクステージ203上に後述するウエハ207と平行に保持されている。
マスクステージ203は、不図示の駆動系の作用により、マスク面に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はマスク移動鏡204を用いた測長干渉計205によって計測され、かつ位置制御される。
照明光学系200からマスク201を介して照射された光は、投影光学系206を介して、ウエハ207上にマスクパターンの像を形成する。
ウエハ207は、ウエハホルダ208を介して、ウエハステージ209上にマスク201と平行に保持されている。
ウエハステージ209は、不図示の駆動系の作用により、ウエハ面に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウエハ移動鏡210を用いた測長干渉計211によって計測され、かつ位置制御される。
第1実施形態の基板測定を説明する図である。 (a)は第1実施形態の非球面測定を説明する図であり、(b)は第1実施形態の球面測定を説明する図である。 第2実施形態の基板測定を説明する図である。 (a)は第2実施形態の非球面測定を説明する図である、(b)は第2実施形態の球面測定を説明する図である。 一般の投影露光装置を説明する図である。
符号の説明
1a 透過型の非球面用ゾーンプレート
1s 透過型の球面用ゾーンプレート
2a 反射型の非球面用ゾーンプレート
2s 反射型の球面用ゾーンプレート
11a 被検非球面
11s 球面原器
10 干渉計
20,50 フィゾーフラット
20a,50a,70a 参照面
30 折り返しミラー
Pa,Ps,Pra,Prs 回折パターン
60 ヌルレンズ
70 フィゾーレンズ
200 照明光学系
201 マスク
202 マスクホルダ
203 マスクステージ
204 マスク移動鏡
205,211 測長干渉計
206 投影光学系
207 ウエハ
208 ウエハホルダ
209 ウエハステージ
210 ウエハ移動鏡

Claims (6)

  1. 被検非球面の近似球面と等価な設計形状をした基準球面、
    前記被検非球面の設計形状と等価な第1波面を生成するための第1回折パターンが形成された第1回折光学素子、
    前記基準球面の設計形状と等価な第2波面を生成するための第2回折パターンが、前記第1回折パターンと等しい製造条件の工程を経て形成された第2回折光学素子
    をそれぞれ用意する手順と、
    前記第1回折光学素子を用いて前記被検非球面を干渉測定し、前記第1波面と前記被検非球面との間の差異を示す第1データを取得する手順と、
    前記第2回折光学素子を用いて前記基準球面を干渉測定し、前記第2波面と前記基準球面との間の差異を示す第2データを取得する手順と、
    前記第1データ及び前記第2データに基づく演算を行い、前記第1回折パターン及び前記第2回折パターンそれぞれのパターン形成誤差に依らずに、前記基準球面を基準とした前記被検非球面の相対形状を求める手順と
    を有したことを特徴とする非球面形状測定方法。
  2. 請求項1に記載の非球面形状測定方法において、
    前記工程前に、前記第1回折光学素子の基板単体及び前記第2回折光学素子の基板単体を用いた干渉測定を行い、前記第1回折光学素子の基板誤差と前記第2回折光学素子の基板誤差との差異を示す第3データを取得する手順をさらに有し、
    前記被検非球面の相対形状を求める手順では、
    前記第1データ及び前記第2データ並びに前記第3データに基づく演算を行い、前記パターン形状誤差と、前記第1回折光学素子及び前記第2回折光学素子のそれぞれの基板誤差とに依らずに、前記基準球面を基準とした前記被検非球面の形状を求める
    ことを特徴とする非球面形状測定方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非球面形状測定方法において、
    前記等しい製造条件の工程は、
    少なくとも、共通のエッチング装置、共通の露光装置、共通のパターン位置測定装置の何れか1つを用いた工程である
    ことを特徴とする非球面形状測定方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の非球面形状測定方法において、
    前記第1回折光学素子は、
    平行光束である入射波面を前記第1波面に変換するよう設計された前記第1回折パターンを有した透過型回折光学素子であり、
    前記第2回折光学素子は、
    平行光束である入射波面を前記第2波面に変換するよう設計された前記第2回折パターンを有した透過型回折光学素子である
    ことを特徴とする非球面形状測定方法。
  5. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の非球面形状測定方法において、
    前記第1回折光学素子は、
    前記被検非球面と等価な入射波面を垂直反射して前記第1波面を生成するよう設計された前記第1回折パターンを有した反射型回折光学素子であり、
    前記第2回折光学素子は、
    前記基準球面と等価な入射波面を垂直反射して前記第2波面を生成するよう設計された前記第2回折パターンを有した反射型回折光学素子である
    ことを特徴とする非球面形状測定方法。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の非球面形状測定方法を適用して被検非球面の形状を測定し、
    前記測定された形状に基づき、投影光学系の少なくとも1部の調整、及び/又は投影光学系の少なくとも1部の光学素子の加工を行う
    ことを特徴とする投影光学系の製造方法。
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