JP2009068922A - 測定装置、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

測定装置、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)の両方を測定。
【解決手段】被検光学系に入射する光の偏光状態を互いに異なる少なくとも2つの偏光状態に制御する第1の偏光制御部と、撮像面を有する撮像センサと第1の偏光制御部と被検光学系との間又は被検光学系と撮像センサとの間に配置されて光の波面を分割する波面分割部と、被検光学系と撮像センサとの間に配置され、光軸周りに回転可能な位相差板を含み、光の偏光状態を制御する第2の偏光制御部と、少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて複数の干渉パターンが順次に撮像面に形成されるように位相差板の回転を制御する制御部と、撮像センサで撮像された複数の干渉パターンに基づいて被検光学系の光学特性を算出する処理部とを有することを特徴とする測定装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定装置、露光装置及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィー技術を用いて半導体メモリや論理回路などの微細な半導体デバイスを製造する際に、露光装置が従来から使用されている。露光装置は、レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウエハ等の基板に投影して回路パターンを転写する。
露光装置で転写できる最小の寸法(解像度)は、露光光の波長に比例し、投影光学系の開口数(NA)に反比例する。従って、近年の半導体デバイスの高密度化・高集積化の要求に伴い、露光装置には高い解像度が求められ、露光光の短波長化及び投影光学系の高NA化が進んでいる。例えば、露光光の短波長化においては、超高圧水銀ランプに代わって、KrFエキシマレーザー(波長約248nm)やArFエキシマレーザー(波長約193nm)が露光光源として用いられてきている。投影光学系の高NA化においては、投影光学系とウエハとの間の空間を純水などの1よりも大きい屈折率を有する液体で満たして投影光学系のNAを増大させる液浸露光技術が注目されている。
一方、露光装置の高解像度化が進むにつれて、投影光学系の光学特性の測定及び調整や補正には厳しい要求がなされている。例えば、露光装置を輸送する際に発生するレンズ位置の僅かな変化による光学特性の変化や露光中の熱による光学特性の変化についても、これらを正確に測定して調整することが求められている。従って、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、かかる投影光学系の光学特性を露光装置において測定し、光学特性を最適な状態に調整することが必要である。但し、ここでの光学特性は、露光光の偏光に依存せず、従来の波面収差と同様に、理想状態との位相の差を示し、以下では、「無偏光収差」と称する。
また、投影光学系の高NA化に伴って、露光光の偏光状態が重要になってきているため、露光光の偏光を制御する必要がある。但し、露光光の偏光状態が所望の偏光状態となるように照明光学系で制御したとしても、レンズの保持、レンズ内の熱による歪み、複屈折を有する硝材の使用、ミラーでの反射などに起因して、投影光学系での偏光状態が変化することがある。従って、投影光学系での偏光状態を正確に把握する必要性も高まっている。投影光学系の複屈折に起因する光学特性は、露光光の偏光に依存するため、以下では、「偏光収差」と称する。偏光収差には、複屈折によるリタデーションと方位(進相軸及び遅相軸)が含まれる。但し、偏光収差の表現方法としては、リタデーションと方位以外にも、ストークスパラメータ、ジョーンズ行列、ミュラー行列など様々なものが知られている。
このように、近年の露光装置においては、投影光学系の光学特性として、露光光の偏光に依存しない無偏光収差と露光光の偏光に依存する偏光収差とを、短時間で高精度に測定することが必須となってきている。そこで、光学系の無偏光収差や偏光収差を測定する技術が幾つか提案されている(特許文献1乃至7参照)。
例えば、特許文献1乃至3は、参照波面と被検波面との干渉を利用した測定専用の干渉計を用いた技術を開示している。特許文献4は、無偏光収差を測定する収差測定ユニットと、偏光収差を概算する偏光変換ユニットとを用いた技術を開示している。特許文献5は、投影光学系の偏光収差としてミュラー行列を算出する技術を開示している。特許文献6及び7は、干渉計を用いて投影光学系の偏光収差を測定する技術を開示している。
特開平2−116732号公報 特開2002−71515号公報 特開2004−257854号公報 再公表WO2003/028073号 特開2005−116732号公報 特開2004−61515号公報 特開2006−237617号公報
しかしながら、従来技術では、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)とを同時に、且つ、短時間で高精度に測定することができなかった。特に、近年では、露光光によって光学系が加熱され、無偏光収差及び偏光収差が経時的に変化してしまうため、かかる変化に対応して無偏光収差及び偏光収差を更に短時間で測定する必要がある。また、半導体デバイスの微細化が進んでいることで、無偏光収差及び偏光収差の測定に要求される測定精度も厳しさを増している。
例えば、特許文献1乃至3に開示されている測定専用の干渉計は、光路が長く複雑で、コモンパスでないため振動の影響を無視できないことに加えて、露光光はコヒーレント長が非常に短いため露光装置上での測定に適用することは難しい。
特許文献4は、収差測定ユニット及び偏光変換ユニットを用いて、互いに直交する2つの直線偏光から光学系の光学特性を測定する技術を提案しているが、互いに直交する2つの直線偏光だけでは、投影光学系の偏光収差を正確に測定することはできない。また、収差測定ユニット及び偏光変換ユニットは、撮像素子としてCCDを有し、かかるCCDを露光装置に対して挿脱するため、露光装置における光軸とCCDとの位置関係が変動して光学特性を高精度に測定できない可能性がある。更に、収差測定ユニットと偏光変換ユニットとを測定前にアライメントする必要があるため、アライメント精度によっては無偏光収差と偏光収差との対応関係にずれが生じてしまう場合がある。また、特許文献4には、収差測定ユニットと偏光変換ユニットの2台のユニットを必要とするため、コストが高くなってしまうという課題もある。
特許文献5に開示された技術は、被検光学系の後段に、位相子、偏光子、受光素子を順に配置し、位相子を回転させて強度変化を検出することで被検光学系の偏光状態を検出する一般的な技術を応用したものである。特許文献5は、偏光収差としてミュラー行列を正確に算出することができるものの、無偏光収差を測定する技術を開示していない。
特許文献6及び7は、上述したように、干渉計を用いて投影光学系の偏光収差を測定する技術を開示しており、特に、シアリング干渉を利用している。但し、特許文献6及び7は、偏光収差を測定する技術を開示しているものの、測定条件や無偏光収差を測定する技術を開示しない。光検出器の前段に偏光子を配置する場合には、入射光の偏光状態と偏光子の回転角との関係によって、光量が大きく変化する。例えば、入射光が直線偏光である場合、偏光方向が偏光子の透過軸と一致していれば光量が最も多くなるが、偏光方向が偏光子の透過軸と直交していれば光量が最も少なくなる。複屈折量が少ない場合には、光量が特に小さくなる。測定精度と光量は大きく関係しているため、最適な測定条件でなければ光学特性を高精度に測定することができない。
更に、特許文献6及び7に開示された技術は、偏光収差を測定する際の基準となる基準偏光収差を露光装置において測定できるシステムではない。従って、基準偏光収差の経時的な変化に対応できないため、投影光学系の偏光収差を高精度に測定することができない。また、別の測定系で基準偏光収差を予め測定したとしても、投影光学系を露光装置に搭載した際のレンズの変形や露光光による熱変化等の影響によって露光装置上での基準偏光収差と異なっているため、偏光収差を高精度に測定することができない。
そこで、本発明は、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)の両方を、短時間で高精度に測定することができる測定装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての測定装置は、被検光学系の光学特性を測定する測定装置であって、前記被検光学系に入射する光の偏光状態を互いに異なる少なくとも2つの偏光状態に制御する第1の偏光制御部と、撮像面を有する撮像センサと、前記第1の偏光制御部と前記被検光学系との間又は前記被検光学系と前記撮像センサとの間に配置されて光の波面を分割する波面分割部と、前記被検光学系と前記撮像センサとの間に配置され、光軸周りに回転可能な位相差板を含み、光の偏光状態を制御する第2の偏光制御部と、前記少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて複数の干渉パターンが順次に前記撮像面に形成されるように前記位相差板の回転を制御する制御部と、前記撮像センサで撮像された複数の干渉パターンに基づいて前記被検光学系の光学特性を算出する処理部とを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)の両方を、短時間で高精度に測定することができる測定装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る実施例1の露光装置1の構成を示す概略ブロック図である。露光装置1は、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式でレチクルのパターンをウエハ(基板)に露光する投影露光装置である。但し、露光装置1は、ステップ・アンド・リピート方式やその他の露光方式も適用することができる。
露光装置1は、光源からの光を用いてレチクルを照明し、レチクルとウエハとをスキャンしながら、基板基準位置に配置されたウエハにレチクルのパターンを投影して露光する。ここで、基板基準位置は、投影光学系30の焦点位置(即ち、投影光学系30の像面)と同じである。このように、露光装置1は、光源と、かかる光源からの光を用いてレチクルを照明する照明光学系10とを含む照明装置と、レチクルを支持及び駆動するレチクルステージと、投影光学系30と、ウエハを支持及び駆動するウエハステージとを有する。露光装置1は、照明光学系10を調整する照明系制御部90及び投影光学系30を調整する投影系制御部100を更に有する。なお、投影光学系30は、屈折系であっても、反射屈折系であってもよい。
また、露光装置1は、被検光学系としての投影光学系30の光学特性を測定する測定装置を備える。かかる測定装置は、実施例1では、シアリング干渉計を構成し、第1の偏光制御部12を含む照明光学系10と、測定用レチクル20と、コリメータレンズ40と、波面分割部50と、第2の偏光制御部60と、検出部70と、処理部80とから構成される。
シアリング干渉計は、回折格子を用いて、図2に示すように、被検光学系としての投影光学系30を通過した光の2つのずれた(シアされた)波面を重ね合わせ、その光路長差から干渉パターン(干渉縞)を得る干渉計である。図2に示す波面のシア量Sに応じて干渉パターンが変化する。ここで、図2は、シアリング干渉計を説明するための図である。
測定装置は、具体的には、投影光学系30の光学特性として、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を測定する。無偏光収差とは、被検光学系である投影光学系30に入射する光の偏光状態に依存しない収差(例えば、波面収差)である。また、偏光収差とは、被検光学系である投影光学系30に入射する光の偏光状態に依存する収差(例えば、複屈折のリタデーションと方位)である。偏光収差には、ジョーンズ行列、ミュラー行列など種々の表現方法が知られている。
例えば、投影光学系30の光学特性である偏光収差をジョーンズ行列で表現した場合、以下の式1で表される。
Figure 2009068922
露光装置の投影光学系には、一般的に、複屈折量の小さい硝材が用いられるため、J12及びJ21成分は小さい。但し、露光装置に要求される性能が厳しくなっている現在では、数式1に示す対角成分も正確に測定(算出)し、投影光学系30の偏光収差をより高精度に測定する必要がある。露光装置1に備えられた測定装置は、後述するように、J12及びJ21成分を含む全ての成分を高精度に測定(算出)することが可能である。
投影光学系30の光学特性を測定する際には、投影光学系30の物体面に配置されたレチクルを測定用レチクル20に交換し、投影光学系30の像面(基板基準位置)側にコリメータレンズ40、波面分割部50、第2の偏光制御部60及び検出部70を配置する。
測定用レチクル20は、ピンホールやスリットなどの開口部22を有する。開口部22は、照明光学系10からの光に含まれる照明光学系10の収差を除去し、収差のない理想的な波面を生成する。
コリメータレンズ40は、投影光学系30を透過した光を略平行光にする。
波面分割部50は、被検光学系である投影光学系30を通過した光の波面を分割する。波面分割部50によって、投影光学系30を通過した光の波面を分割して干渉させるシアリング干渉計を構成することが可能となる。波面分割部50は、測定用レチクル20に応じて、回折格子(1次元回折格子、2次元回折格子、振幅格子、位相格子)、平行平板、半透明反射基板、複数のミラー、プリズム等を使用する。
ここで、図3を参照して、測定用レチクル20の構成と波面分割部50の構成との組み合わせを説明する。
図3(a)は、測定用レチクル20としてピンホールの開口部22を有するレチクルを、波面分割部50として2次元回折格子を用いる場合を示している。この場合、後述する検出部70で検出される1つの干渉パターン(干渉縞)からX方向及びY方向のシア干渉パターンの情報を得ることができる。
なお、波面分割部50としての2次元回折格子は、図4(a)に示すようなクロス回折格子、図4(b)に示すような市松回折格子、図4(b)に示す市松回折格子を45°回転させた市松回折格子などを用いることができる。但し、図4(b)に示す市松回折格子の回転角度は45°に限定されず、いかなる回転角度であってもよい。例えば、検出部70を構成するCCDの画素の並び方向と回折格子で発生する回折光の方向とが重ならないように回転角度を設定することで、CCDの画素で発生する誤差要因を排除し、検出部70において波面を高精度に検出することができる。更に、波面分割部50としての2次元回折格子は、振幅格子であっても位相格子であってもよい。
図3(b)は、測定用レチクル20としてピンホールの開口部22を有するレチクルを、波面分割部50として1次元回折格子を用いる場合を示している。この場合、1つの1次元回折格子を用いてX方向にシアした干渉パターンを検出し、かかる1次元回折格子に直交した1次元回折格子を用いてY方向にシアした干渉パターンを検出する。2つの方向の干渉パターンを得るために、互いに直交する2つの1次元回折格子を用いることが必要となる。なお、1次元回折格子は、2次元回折格子と同様に、振幅格子でも位相格子でもよい。
図3(c)は、測定用レチクル20としてスリットの開口部22を有するレチクルを、波面分割部50として1次元回折格子を用いる場合を示している。測定用レチクル20としてスリットの開口部22を有するレチクルを用いることによって、検出部70で検出される光の光量を増加させることが可能となる。なお、測定用レチクル20のスリットの方向は、波面分割部50として用いられる1次元回折格子の方向と合わせる必要がある。従って、X方向のスリットを有する測定用レチクル20とX方向の1次元回折格子を用いてX方向にシアした干渉パターンを検出し、Y方向のスリットを有する測定用レチクル20とY方向の1次元回折格子を用いてY方向にシアした干渉パターンを検出する。2つの方向の干渉パターンを得るために、互いに直交する2つの1次元回折格子を用いることが必要となる。
図3(d)は、測定用レチクル20としてピンホールの開口部22を有するレチクルを、波面分割部50として半透明反射基板を用いる場合を示している。この場合、1つの干渉パターンから動径方向のシア情報を得ることができる。
波面分割部50は、図1に示すように、投影光学系30と検出部70との間に配置してもよいし、図5に示すように、測定用レチクル20と投影光学系30との間に配置してもよい。図5では、波面分割部50として、半透明反射基板を用いている。この場合、波面分割部50の半透明反射基板で反射された光と半透明反射基板を透過した光とが干渉して干渉パターンを形成するラジアルシアリング干渉計が構成される。ここで、図5は、本発明に係る実施例1の露光装置1の別の構成を示す概略ブロック図である。
第2の偏光制御部60は、投影光学系30と検出部70との間に配置される。第2の偏光制御部60は、光軸周りに回転可能な位相差板62と、固定された偏光子64と、制御部66とを含み、投影光学系30を通過した光の偏光状態を制御する。なお、制御部66は、後述するように、第1の偏光制御部12によって生成される少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて、複数の干渉パターンが順次に検出部70としての撮像センサの撮像面に形成されるように、位相差板62の回転を制御する。
検出部70は、例えば、CCD等の撮像面を有する撮像センサで構成され、投影光学系30、コリメータレンズ40、波面分割部50、第2の偏光制御部60を通過した光を検出する。
処理部80は、検出部70としての撮像センサで撮像された複数の干渉パターンに基づいて投影光学系30の光学特性を算出する。換言すれば、処理部80は、後述する投影光学系30の光学特性(無偏光収差及び偏光収差)の測定に関して必要となる算出処理を実行する。
以下、投影光学系30の光学特性の測定について具体的に説明する。まず、照明光学系10に配置された第1の偏光制御部12において、投影光学系30に入射する光の偏光状態として、互いに異なる少なくとも2つの偏光状態を生成する。このように、第1の偏光制御部12は、投影光学系30に入射する光の偏光状態を互いに異なる少なくとも2つの偏光状態に制御する機能を有する。
照明光学系10からの光は、測定用レチクル20の開口部22を通過して理想波面となり、投影光学系30を透過して投影光学系30の収差情報を含む波面に変化する。投影光学系30の収差情報を含む波面は、波面分割部50で分割され、第2の偏光制御部60を通過する。そして、波面分割部50で分割された2つの波面の光路長差から得られる干渉パターンを検出部70で検出(撮像)する。
検出部70で得られた干渉パターン情報は処理部80で解析され、投影光学系30の収差に起因した位相情報が算出される。なお、干渉パターン情報から投影光学系30の位相情報を算出する算出方法としては、例えば、位相シフト法、FFT法、電子モアレ法など、様々な算出方法を用いることができる。但し、本実施例のようなシアリング干渉計の場合、処理部80で算出される位相情報は、分割された2つの波面の差分波面(差分位相)である。また、検出部70で検出された干渉パターンから得られる波面は、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とが混在した波面である。従って、1つの偏光状態の光から得られる波面情報だけでは、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離することができない。
そこで、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離するために、第2の偏光制御部60として、光軸周りに回転可能な位相差板62と、光軸周りに回転不可能な偏光子64を設けている。なお、偏光子64は、投影光学系30の光軸周りに回転しないように固定されている。そして、照明光学系10の第1の偏光制御部12において2つの偏光状態の光を生成し、かかる2つの偏光状態のそれぞれについて、偏光子64は光軸周りに回転させないで固定のまま、位相差板62を光軸周りに回転させる。これにより、検出部70で少なくとも4つの検出結果を得る。少なくとも4つの検出結果を得ることにより、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離する(即ち、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差の両方を測定する)ことが可能となる。
偏光状態を高精度に測定するためには、変化しない基準となる方位情報(基準軸)が必要である。このように、偏光子64を固定することによって、偏光状態の基準軸を得ることができるため、常に高精度な偏光状態の計測が可能となる。
例えば、偏光子64が投影光学系30と検出部70との間に配置されている場合、入射偏光をL、投影光学系30のジョーンズ行列をJ、位相差板62の位相差をφ、位相差板の回転角をα、偏光子64の回転角をβとする。この場合、検出部70で検出される光の波面(測定波面)WPは、以下の式2で表される。
WP=f(L,J,α,φ,β)・・・(式2)
例えば、位相差板62として1/2λ板を用いて、偏光子64の回転角、つまり透過軸をθ°とすると、以下のような4つの測定条件で測定した結果から投影光学系30の光学特性を算出する。ここで、4つの測定条件は、偏光制御部12で互いに異なる2つの直線偏光(θ+45°,θ−45°)を生成し、偏光子64を固定して位相差板62(1/2λ板)をθ°,θ+45°と回転させた場合である。かかる4つの測定条件の場合における波面WP1乃至WP4は、式3で表される。
WP1=f(θ+45,J,θ,1/2λ,θ)
WP2=f(θ−45,J,θ,1/2λ,θ)
WP3=f(θ+45,J,θ+45,1/2λ,θ)
WP4=f(θ−45,J,θ+45,1/2λ,θ)
・・・(式3)
計測の一例として、4つの測定条件(波面WP1乃至WP4)で投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離して算出することができる。ここで、偏光子の透過軸θに対して直交する2つの入射偏光は±45°と異なっている。
投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離して算出する算出方法を説明する。ここでは、説明を簡単にするために、まず、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を配置せず、4つの入射偏光を用いる場合について説明する。無偏光収差は、上述したように、入射する光の偏光状態に依存しないため、どの偏光方向の光を用いても変化しない。一方、偏光収差は、入射する光の偏光方向、位相差板62の位相差及び回転角に応じて変化する。従って、4つの入射偏光に対して測定される波面(測定波面)は、以下の式4で表される。
0°偏光波面=無偏光収差+偏光収差(0°)
90°偏光波面=無偏光収差+偏光収差(90°)
45°偏光波面=無偏光収差+偏光収差(45°)
−45°偏光波面=無偏光収差+偏光収差(−45°)
・・・(式4)
偏光収差である複屈折の方位に関して、進相軸と遅相軸は直交する関係になっている。従って、進相軸が0°方向である場合には、遅相軸は90°方向である。同様に、進相軸が45°方向である場合には、遅相軸は−45°方向である。
例えば、投影光学系30の複屈折の進相軸が0°方向である場合、0°方向の直線偏光を投影光学系30に入射させると、複屈折の進相軸と入射偏光とが一致するため、波面は無偏光収差から全体的にリタデーションの量だけ進む。一方、90°方向の直線偏光を投影光学系30に入射させると、複屈折の遅相軸と入射偏光とが一致するため、波面は無偏光収差から全体的にリタデーションの量だけ遅れる。波面が進んだときを+、波面が遅れたときを−とすると、以下の式5で表されるように、偏光波面の符号が反転する関係になっている。なお、45°の入射偏光と−45°の入射偏光との関係も同様であると考えられる。
偏光収差(0°)=−偏光収差(90°)
偏光収差(45°)=−偏光収差(45°)
・・・(式5)
従って、式4を以下の式6で表すように変形することができる。
0°入射波面=無偏光収差+偏光収差(0°)
90°入射波面=無偏光収差−偏光収差(0°)
45°入射波面=無偏光収差+偏光収差(45°)
−45°入射波面=無偏光収差−偏光収差(45°)
・・・(式6)
式6を参照するに、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを以下の式7で表すように分離することができる。
無偏光収差=(0°入射波面+90°入射波面)/2
=(45°入射波面+(−45°入射波面))/2
=(0°入射波面+90°入射波面+45°入射波面+(−45°入射波面)/4)
偏光収差(0°)=(0°入射波面−90°入射波面)/2
偏光収差(45°)=(45°入射波面−(−45°入射波面))/2
・・・(式7)
このように、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離するためには、偏光状態(偏光方向)の異なる複数の光を用いて計測することが重要であることがわかる。
0°の直線偏光、90°の直線偏光、45°の直線偏光と−45°の直線偏光を用いて波面を測定すれば、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離することができる(式7参照)。ここでは、4つの入射偏光を用いる場合について説明したが、式7からも明らかなように、−45°入射波面は、0°入射波面、90°入射波面及び45°入射波面の3つの波面から算出することができる。従って、0°、90°及び45°の3つの入射偏光を用いて波面を測定することで、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを分離して算出することができる。
第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を配置せずに入射偏光を変更することで測定した波面と、第2の偏光制御部60を配置し、偏光子の透過軸θ=0°として測定した波面WP1乃至WP4との対応は、以下の式8で表される。
0°入射波面=WP1+WP2
90°入射波面=WP3+WP4
45°入射波面=WP1+WP3
−45°入射波面=WP2+WP4
・・・(式8)
従って、無偏光収差、偏光収差(0°)及び偏光収差(45°)を以下の式9で表されるように算出することができる。
無偏光収差=((WP1+WP2)+(WP3+WP4))/2
偏光収差(0°)=((WP1+WP2)−(WP3+WP4))/2
偏光収差(45°)=((WP1+WP3)−(WP2+WP4))/2
・・・(式9)
このように、実施例1の露光装置1に備えられた測定装置は、偏光子64を固定した状態で投影光学系30の無偏光収差と偏光収差の両方を測定することができる。また、偏光子64(θ°)に対して、θ+45°の直線偏光とθ−45°の直線偏光を用いることで、検出部70で検出される光の光量が最も有利な測定条件で測定することが可能である。換言すれば、固定された偏光子64に対して、入射偏光の偏光方向を最適な条件に設定することで、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を高精度に測定することができる。
例えば、偏光子64の透過軸が0°であり、入射直線偏光の偏光方向が0°である場合、検出部70で検出される光の光量は非常に大きく、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を良好に測定することができる。但し、偏光子64の透過軸を90°回転させると、漏れ光成分だけが検出されるため、複屈折量が小さい場合には光量が非常に小さくなり、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を高精度に測定することができない。なお、漏れ光成分は、ジョーンズ行列の対角成分J12及びJ21(式1参照)に対応している。
そこで、実施例1の露光装置1に備えられた測定装置においては、入射直線偏光(即ち、少なくとも2つの直線偏光)の偏光方向は、偏光子64の透過軸と異なっている。特に、入射直線偏光の偏光方向は、偏光子64の透過軸に対して45°異なっていることが好ましい。これにより、偏光子64の透過軸と入射直線偏光の偏光方向とが一致している場合より光量が小さいものの、全ての測定条件において、良好な光量を得ることが可能となる。その結果、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を高精度に測定することができる。
ここでは、第2の偏光制御部60の位相差板62として1/2λ板を用いる場合について説明した。但し、位相差板62の位相差は、1/2λ限定されるものではなく、位相差板62として1/2λ以外の位相差を持つ位相板や、フレネルロムなど他の光学素子を用いても同様の効果を得ることができる。また、上述した測定条件は一例であって、少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて、位相差板62を回転させることによって少なくとも4つの検出結果を得るための測定条件は様々ある。また、入射偏光の条件も上記に限ったものではなく、別の角度の直線偏光を用いても良いし、円偏光など直線偏光以外の光を使ってもよい。更に、入射偏光の数や位相差板62の回転角の数(即ち、測定条件)を増加させ、測定波面の数を増やすことで、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を更に高精度に算出することが可能となる。
このようにして算出された投影光学系30の無偏光収差と偏光収差は、上述したように、2つの波面の差分位相である。従って、真の無偏光収差と偏光収差を算出するためには、積分処理が必要となる。無偏光収差の場合には、差分位相からも算出できるが、偏光収差の場合には、少なくとも1つの基準複屈折情報が必要である。別途測定したデータを用いてもよいが、保持方法、測定環境、熱収差など、実際の測定条件と異なるという課題がある。偏光収差を高精度に測定するためには、基準複屈折情報も同じ環境で高速に測定する必要がある。
基準複屈折情報は以下のように計測する。基準複屈折を測定する場合は、波面分割部50を光路から取り出す(即ち、波面分割部50を光路上に配置しない)だけでよい。波面分割部50を光路から取り出すことによって、投影光学系30の像面側には、コリメータレンズ40及び第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)が配置されることになり、投影光学系30の偏光強度を測定する測定装置が構成される。
投影光学系30の偏光強度を測定する際には、まず、照明光学系10の第1の偏光制御部12において、入射直線偏光を形成する。照明光学系10からの入射直線偏光は、投影光学系30を透過すると、投影光学系30の偏光収差によって楕円偏光になる。そして、位相差板62を少なくとも3つの回転角に回転させ、各回転角について、偏光子64を通過した光の光強度分布を検出部70で検出する。
このように、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を用いて、投影光学系30を通過した光の楕円偏光の偏光状態を解析することで、投影光学系30の偏光収差を得ることができる。但し、位相差板62を回転させずに互いに異なる複数の入射偏光を入射して偏光強度を測定してもよいし、互いに異なる複数の入射偏光を入射すると共に位相差板62を回転させることで偏光強度の測定結果(測定条件)を増やしてもよい。
また、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差をより高精度に測定(算出)するためには、例えばコリメータレンズ40の収差などの、所謂システム収差を分離する必要がある。システム収差を測定するためには、例えば、基板基準位置にピンホールを配置し、投影光学系30の収差情報を除いた状態で、上述した干渉パターンと偏光強度を測定すればよい。
具体的には、投影光学系30の物体面にピンホールを配置した場合及び基板基準位置にピンホールを配置した場合において、波面分割部50を光路上に配置して干渉パターンを測定し、波面分割部50を光路から取り出して偏光強度を測定する。そして、投影光学系30の物体面にピンホールを配置した場合において測定された収差から、基板基準位置にピンホールを配置した場合において測定されたシステム収差を減算することで、投影光学系30の収差を正確に測定(算出)することができる。
露光装置1においては、測定装置によって測定された(即ち、処理部80によって算出された)投影光学系30の無偏光収差と偏光収差に基づいて照明光学系10及び投影光学系30の少なくとも一方を調整、制御する。投影光学系30の無偏光収差はレンズの形状や面間隔に依存するため、投影系制御部100は、測定装置によって測定された投影光学系30の無偏光収差に基づいて、例えば、投影光学系30を構成するレンズの形状や面間隔などを調整する。また、投影系制御部100は、測定装置によって測定された投影光学系30の偏光収差に基づいて、例えば、偏光収差が小さくなるように、投影光学系30を構成するレンズの保持状態を変化させたりする。一方、照明系制御部90は、測定装置によって測定された投影光学系30の偏光収差に基づいて、例えば、照明光がウエハ上に最適な状態で導光されるように、照明光学系10における面内偏光状態や照明分布などを調整する。
最終的には、ウエハ面上で無偏光収差及び偏光収差が最小になっていることが好ましい。従って、投影光学系30の光学特性(無偏光収差と偏光収差)の測定と、照明光学系10及び投影光学系30の調整とを繰り返して、無偏光収差及び偏光収差が最小になるようにしてもよい。
このように、実施例1の露光装置1に備えられた測定装置は、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)の両方を、短時間で高精度に測定することができる。
図6は、本発明に係る実施例2の露光装置1Aの構成を示す概略ブロック図である。露光装置1Aは、実施例1の露光装置1と同様な構成及び機能を有するが、露光装置1Aに備えられた測定装置の構成が異なる。かかる測定装置は、投影光学系30の光学特性として、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を測定し、ポイントディフラクション干渉計(PDI)を構成する。ポイントディフラクション干渉計はコモンパス干渉計であるため、光路や構成が単純であり、振動による影響を受けにくい。なお、図6では、照明系制御部90及び投影系制御部100の図示を省略している。
実施例2の露光装置1Aに備えられた測定装置は、照明光学系10と、測定用レチクル20と、コリメータレンズ40と、波面分割部50Aと、第2の偏光制御部60と、検出部70と、処理部80と、ウエハ側測定用パターン110とから構成される。
投影光学系30の光学特性を測定する際には、投影光学系30の物体面に配置されたレチクルを測定用レチクル20に交換し、測定用レチクル20と投影光学系30との間に波面分割部50Aを配置する。また、基板基準位置近傍にウエハ側測定用パターン110を配置する。
波面分割部50Aは、被検光学系としての投影光学系30に入射する光の波面を分割する機能を有する。波面分割部50Aは、本実施形態では、図7(a)及び図7(b)に示すように、1次元回折格子502Aで構成される。なお、図7(a)に示す1次元回折格子502Aと図7(b)に示す1次元回折格子502Aとは、格子方向が互いに直交している。換言すれば、図7(a)に示す1次元回折格子502Aと図7(b)に示す1次元回折格子502Aとは、互いに90°回転させた状態を示している。但し、波面分割部50Aは、1次元回折格子502Aに限定されるものではなく、例えば、CGH(計算機ホログラム)などを用いてもよい。ここで、図7は、波面分割部50Aとしての1次元回折格子の構成を示す図である。
ウエハ側測定用パターン110は、図8(a)及び図8(b)に示すように、ピンホール112と、窓114とを有する。なお、図8(a)に示すウエハ側測定用パターン110と図8(b)に示すウエハ側測定用パターン110とは、ピンホール112と窓114の配置方向が互いに直交している。換言すれば、図8(a)に示すウエハ側測定用パターン110と図8(b)に示すウエハ側測定用パターン110とは、互いに90°回転させた状態を示している。ここで、図8は、ウエハ側測定用パターン110の構成を示す図である。
波面分割部50Aとしての1次元回折格子502A及びウエハ側測定用パターン110を配置する際には、1次元回折格子502Aの格子方向とウエハ側測定用パターン110のピンホール112と窓114の配置方向とを一致させる必要がある。また、1次元回折格子502Aの格子ピッチやスリットサイズ、ウエハ側測定用パターン110のピンホール112などの具体的な寸法は、測定精度などに応じて適宜最適化される。
まず、1次元回折格子502Aを図7(a)に示す状態で測定用レチクル20と投影光学系30との間に配置し、ウエハ側測定用パターン110を図8(a)に示す状態で基板基準位置近傍に配置する。照明光学系10からの光は、測定用レチクル20の開口部22を通過して、照明光学系10の収差を含まない理想波面となる。測定用レチクル20の開口部22を通過した光は、1次元回折格子502Aで2つに分割され、若干ずれた波面となって投影光学系30に入射する。かかる2つの光の波面は、投影光学系30の波面収差によって変化する。投影光学系30から射出する2つの光のうち一方の光は、ウエハ側測定用パターン110のピンホール112を通過して、再び理想波面となる。一方、投影光学系30から射出する2つの光のうち他方の光は、ウエハ側測定用パターン110の窓114を通過する。窓114を通過した光の波面は、投影光学系30の収差情報を含んでいる。
ピンホール112を通過した理想波面と、窓114を通過した投影光学系30の収差情報を含む波面とは、コリメータレンズ40によって略平行光となり、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を通過して検出部70で検出される。これにより、1つの干渉パターンを得ることができる。
次いで、1次元回折格子502Aを90°回転させて図7(b)に示す状態で測定用レチクル20と投影光学系30との間に配置し、ウエハ側測定用パターン110を90°回転させて図8(b)に示す状態で基板基準位置近傍に配置する。そして、同様に、ピンホール112を通過した理想波面及び窓114を通過した投影光学系30の収差情報を含む波面から1つの干渉パターンを得る。
このようにして得られた2つの干渉パターンを合成することで、投影光学系30の収差変化である波面情報を得ることができる。
なお、実施例1と同様に、第2の偏光制御部60において、偏光子64は、投影光学系30と検出部70との間に固定されている。また、位相差板62は、投影光学系30と検出部70との間に配置され、光軸周りに回転可能に構成されている。
従って、照明光学系10の偏光制御部12で互いに異なる少なくとも2つの偏光状態の光(入射偏光)を生成し、かかる2つの偏光状態の光のそれぞれについて、位相差板62を回転させることで、少なくとも4つの波面(測定波面)を得ることができる。これにより、処理部80は、実施例1と同様に、4つの波面から投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を算出することができる。
このように、実施例2の露光装置1Aに備えられた測定装置は、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)の両方を、短時間で高精度に測定することができる。なお、かかる測定装置は、ポイントディフラクション干渉計を構成しているため、1つの波面に対して2つの測定方向が必要となる。従って、4つの波面を得るためには、それぞれ2つの測定方向の測定が必要となり、合計で8回の測定が必要となる。
実施例1の露光装置1に備えられた測定装置はシアリング干渉計を構成し、投影光学系30の差分波面を測定していた。一方、実施例2の露光装置1Aに備えられた測定装置は、ピンホール112を通過した理想波面と窓114を通過した収差波面との干渉パターンを測定しているため、測定された収差波面が投影光学系30の収差情報となる。従って、偏光収差を算出する際に基準複屈折を必要とせず、検出部70で干渉パターンを検出するだけで投影光学系30の光学特性である無偏光収差と偏光収差を算出することができる。換言すれば、波面分割部50を光路から取り出して偏光強度を測定する必要がないため、波面分割部50を駆動する駆動部が不要となり、測定装置の構成を簡易にすることができる。
また、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差をより高精度に測定するためには、投影光学系30の収差と、例えばコリメータレンズ40の収差などの、所謂システム収差とを分離する必要がある。システム収差を測定するためには、例えば、ウエハ側測定用パターン110の窓114をピンホールに置換して、上述した測定を行えばよい。システム収差を減算することで、投影光学系30の収差を正確に測定することができる。
なお、実施例2では、照明光学系10、測定用レチクル20(開口部22)、1次元回折格子502Aの順で配置しているが、照明光学系10、1次元回折格子502A、測定用レチクル20(開口部22)の順で配置してもよい。換言すれば、測定用レチクル20(開口部22)と1次元回折格子502Aの配置順が逆になっていてもよい。この場合、測定用レチクル20には、ウエハ側測定用パターン110と同様に、ピンホールと窓とを形成し、1次元回折格子502Aで分割された2つの光のうち、1つはピンホール、もう1つは窓に入射するようにする。更に、測定用レチクル20のピンホールを通過した光は、ウエハ側測定用パターン110の窓114を通過し、測定用レチクル20の窓を通過した光は、ウエハ側測定用パターンのピンホール112を通過するようにする。これにより、干渉する2つの波面の光量バランスをそろえることができ、コントラストの高い干渉パターンを得ることができる。
図9は、本発明に係る実施例3の露光装置1Bの構成を示す概略ブロック図である。露光装置1Bは、実施例1の露光装置1と同様な構成及び機能を有するが、露光装置1Bに備えられた測定装置の構成が異なる。かかる測定装置においては、投影光学系30の物体面側(即ち、レチクル側)に、波面分割部50、偏第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)及び検出部70が配置されている。換言すれば、露光装置1Bに備えられた測定装置は、投影光学系30の物体面側でシアリング干渉計を構成し、投影光学系30の光学特性として、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差を測定する。投影光学系30の物体面側で構成されるシアリング干渉計はコモンパス干渉計であるため、光路や構成が単純であり、振動による影響を受けにくい。なお、図6では、照明系制御部90及び投影系制御部100の図示を省略している。
実施例3の露光装置1Bに備えられた測定装置は、照明光学系10と、測定用レチクル20と、波面分割部50と、第2の偏光制御部60と、検出部70と、処理部80と、反射鏡120とから構成される。実施例3の露光装置1Bに備えられた測定装置は、投影光学系30を通過した光を反射鏡120で反射させ、投影光学系30を再度通過させた波面を、投影光学系30の物体面に配置された検出部70で検出する。なお、シアリング干渉計において、かかる波面が差分波面であるため、干渉パターンと偏光強度の両方を測定する必要がある。
実施例3の露光装置1Bに備えられた測定装置は、実施例1及び実施例2のような投影光学系30の像面側(ウエハ側)に構成された測定装置と比較して、投影光学系30を2回通過した光を検出するため、投影光学系30の収差量が2倍になるという利点がある。近年、投影光学系の収差量は極めて小さくなってきているため、収差量を拡大して検出できることは大きな利点となる。また、投影光学系30の物体面側から射出する光は開口数が小さいため、コリメートしやすく、構成部材の配置上の自由度を向上させることができるという利点もある。
波面分割部50としては、実施例1と同様に、回折格子を用いている。波面分割部50は、光路に挿脱可能に構成されている。波面分割部50が光路に配置されている場合には検出部70で干渉パターンを検出することができ、波面分割部50が光路から取り出されている場合には検出部70で光強度を検出することができる。
投影光学系30の光学特性を測定する際には、まず、波面分割部50を光路に配置する。照明光学系10の第1の偏光制御部12で生成された入射偏光は、測定用レチクル20の開口部22を通過して理想波面となる。測定用レチクル20の開口部22を通過した光は、投影光学系30を通過して投影光学系30の無偏光収差と偏光収差とを含む波面になる。投影光学系30の像面側から射出された光は反射鏡120で反射され、投影光学系30を再び通過して、投影光学系30の物体面側から射出する。投影光学系30の物体面側から射出した光の波面は、波面分割部50で分割され、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を通過して、干渉パターンとして検出部70で検出される。
なお、実施例1と同様に、第2の偏光制御部60において、偏光子64は、投影光学系30と検出部70との間に固定されている。また、位相差板62は、投影光学系30と検出部70との間に配置され、光軸周りに回転可能に構成されている。
従って、照明光学系10の第1の偏光制御部12で互いに異なる少なくとも2つの偏光状態の光(入射偏光)を生成し、かかる2つの偏光状態の光のそれぞれについて、位相差板62を回転させることで、少なくとも4つの干渉パターンを得ることができる。
次に、波面分割部50を光路から取り除き、偏光強度を測定する。具体的には、照明光学系10の第1の偏光制御部12で所定の入射偏光を生成し、位相差板62を回転させて強度変化を検出する。そして、少なくとも1つの偏光収差データを算出し、基準複屈折とする。
次いで、処理部80において、干渉パターンから得られた差分波面と、偏光強度から得られた基準複屈折に基づいて投影光学系30の光学特性である無偏光収差と偏光収差を算出する。
このように、実施例3の露光装置1Bに備えられた測定装置は、投影光学系を露光装置に搭載した状態で、投影光学系の光学特性である無偏光収差と偏光収差(複屈折のリタデーションと方位)の両方を、短時間で高精度に測定することができる。
また、投影光学系30の無偏光収差と偏光収差をより高精度に測定するためには、投影光学系30の収差と、例えばコリメータレンズ40の収差などの、所謂システム収差とを分離する必要がある。システム収差を測定するためには、例えば、投影光学系30の物体面側に反射鏡120を配置して、上述したように、干渉パターン及び偏光強度を測定すればよい。
具体的には、投影光学系30の物体面側に反射鏡120を配置した場合及び投影光学系30の像面側に反射鏡120を配置した場合において、波面分割部50を光路上に配置して干渉パターンを測定し、波面分割部50を光路から取り出して偏光強度を測定する。そして、投影光学系30の像面側に反射鏡120を配置した場合において測定された収差から、投影光学系30の物体面側に反射鏡120を配置した場合において測定されたシステム収差を減算することで、投影光学系30の収差を正確に測定することができる。
なお、実施例3の露光装置1Bに備えられた測定装置の構成は、図9に示す構成に限定されず、例えば、図10に示すように、投影光学系30の物体面側においても一度集光させる構成であってもよい。この場合、投影光学系30の物体面側における集光点よりも前段に波面分割部50として回折格子を配置し、集光点近傍に次数選択窓130を配置する。
次数選択窓130は、波面分割部50としての回折格子によって回折(分割)される光のうち、測定に必要な次数の光のみを選択する機能を有し、例えば、±1次光のみを取り出すような窓で構成される。このように、次数選択窓130を用いて、測定に必要な次数の光のみを選択的に取り出す(例えば、0次光や高次光を除去して±1次光のみを取り出す)ことで、投影光学系の無偏光収差と偏光収差を更に高精度に測定(算出)することが可能となる。なお、次数選択窓130は、偏光強度を測定する際には必要ないため、波面分割部50としての回折格子と同期して光路から取り出すことができるように構成する。ここで、図10は、本発明に係る実施例3の露光装置1Bの別の構成を示す概略ブロック図である。
また、図5に示したように、波面分割部50として半透明反射基板を照明光学系10と投影光学系30との間に配置した場合でも、投影光学系30の物体面側に反射鏡120を配置させることで、投影光学系30の物体面側に測定装置を構成することが可能である。更に、図6に示したように、波面分割部50Bとして1次元回折格子502Aを照明光学系10と投影光学系30との間に配置した場合でも、投影光学系30の物体面側に反射鏡120を配置させればよい。これにより、投影光学系30の物体面側に測定装置を構成することが可能である。
実施例4では、上述した測定装置を照明光学系の光学特性(無偏光収差と偏光収差)の測定に適用した場合について説明する。この場合、かかる測定装置は、投影光学系に入射する光(照明光)が所望の偏光状態になっているかどうかを確認するセンサとしても使用することも可能である。
照明光学系10の光学特性を測定する測定装置は、図11に示すように、照明光測定用レチクル150を含んで構成される。なお、照明光測定用レチクル150は、本実施形態では、コリメータレンズ40を有する。また、かかる測定装置は、波面分割部50と、第2の偏光制御部60と、検出部70と、処理部80とを有する。波面分割部50としては、実施例1と同様に、回折格子を用いており、光路に挿脱可能に構成されている。これにより、波面分割部50としての回折格子が光路に配置されている場合には干渉パターンを測定することが可能となり、波面分割部50としての回折格子が光路から取り出されている場合には偏光強度を測定することが可能となる。ここで、図11は、照明光学系10の光学特性を測定する測定装置に含まれる照明光測定用レチクル150を示す図である。
レチクルは、一般的に、約6mmの厚さを有し、そのレチクルの下面から約6mmの位置にペリクルを有する。従って、レチクルは、全体として、約12mmの厚さを有する。この12mmの範囲内に収まるように、レンズやミラーを配置すると、投影光学系30を動かすことなく、投影光学系30に入射する光の偏光状態をレチクル位置で測定することが可能となる。
照明光学系10の光学特性である無偏光収差と偏光収差を測定する際には、まず、波面分割部50を光路に配置する。照明光学系10の第1の偏光制御部12で生成された入射偏光は、照明光測定用レチクル150に含まれるコリメータレンズ40やミラーによって平行光となる。照明光測定用レチクル150から射出した光は、波面分割部50で分割され、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を通過して、干渉パターンとして検出部70で検出される。
なお、第2の偏光制御部60において、偏光子64は、投影光学系30と検出部70との間に固定されている。また、位相差板62は、投影光学系30と検出部70との間に配置され、光軸周りに回転可能に構成されている。
従って、照明光学系10の第1の偏光制御部12で互いに異なる少なくとも2つの偏光状態の光(入射偏光)を生成し、かかる2つの偏光状態の光のそれぞれについて、位相差板62を回転させることで、少なくとも4つの干渉パターンを得ることができる。
次に、波面分割部50を光路から取り除き、偏光強度を測定する。具体的には、照明光学系10の第1の偏光制御部12で所定の入射偏光を生成し、位相差板62を回転させて強度変化を検出する。そして、少なくとも1つの偏光収差データを算出し、基準複屈折とする。
次いで、処理部80において、干渉パターンから得られた差分波面と、偏光強度から得られた基準複屈折に基づいて照明光学系10の光学特性である無偏光収差と偏光収差を算出する。
このように、照明光測定用レチクル150を用いることで、投影光学系30の光学特性だけではなく、照明光学系10の光学特性も測定することが可能となる。照明光学系10及び投影光学系30の光学特性を個別に測定することができれば、照明光学系10を調整した場合には照明光学系10の光学特性のみを測定したり、照明光学系10及び投影光学系30の光学特性をシミュレーションに適用したりすることができる。換言すれば、照明光学系10及び投影光学系30の光学特性を個別に測定することで、種々の応用が可能となり、測定精度の向上や測定時間の短縮なども可能となる。
なお、投影光学系30に入射する光(照明光)の偏光状態を測定する場合には、波面分割部50を光路に配置せず、コリメータレンズ40、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)及び検出部70の組み合わせで測定する。
照明光測定用レチクル150におけるレンズやミラーの配置は、図11に示す配置に限定されず、例えば、ミラーの後段にコリメータレンズ40を配置してもよい。また、偏光子64は、ブリュースター角に配置したミラーやPBSに置換することも可能である。また、検出部70は、アライメントスコープを用いてもよい。
実施例5では、上述した測定装置を露光装置以外の光学系の光学特性(無偏光収差と偏光収差)の測定に適用した場合について説明する。
図12は、本発明に係る実施例5の測定装置300の構成を示す概略ブロック図である。測定装置300は、被検光学系TOの光学特性(無偏光収差と偏光収差)を測定する測定装置である。測定装置300は、図12に示すように、照明光学系310と、第1の偏光制御部312と、波面分割部50と、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)と、検出部70と、処理部80とを有する。なお、照明光学系310は、照明光学系10と実質的に同じ機能を有し、第1の偏光制御部312は、第1の偏光制御部12と実質的に同じ機能を有する。
被検光学系TOの光学特性を測定する際には、まず、波面分割部50を光路に配置する。第1の偏光制御部312で生成された入射偏光は、被検光学系TOを通過して被検光学系TOの光学特性を含む波面になる。被検光学系TOから射出された光は、波面分割部50で分割され、第2の偏光制御部60(位相差板62及び偏光子64)を通過して、干渉パターンとして検出部70で検出される。
なお、第2の偏光制御部60において、偏光子64は、被検光学系TOと検出部70との間に固定されている。また、位相差板62は、被検光学系TOと検出部70との間に配置され、光軸周りに回転可能に構成されている。
従って、第1の偏光制御部312で互いに異なる少なくとも2つの偏光状態の光(入射偏光)を生成し、かかる2つの偏光状態の光のそれぞれについて、位相差板62を回転させることで、少なくとも4つの測定波面を得ることができる。
次に、波面分割部50を光路から取り除き、偏光強度を測定する。具体的には、第1の偏光制御部312で所定の入射偏光を生成し、位相差板62を回転させて強度変化を検出する。そして、少なくとも1つの偏光収差データを算出し、基準複屈折とする。
次いで、処理部80において、干渉パターンから得られた差分波面と、偏光強度から得られた基準複屈折に基づいて被検光学系TOの光学特性である無偏光収差と偏光収差を算出する。
なお、波面分割部50を配置する位置は、図12に示す位置に限定するものではなく、第2の偏光制御部60の後段に配置してもよいし、被検光学系TOの前段に配置してもよい。
このように、測定装置300は、露光装置の投影光学系や照明光学系の光学特性に限らず、他の光学系や光学素子(レンズ、回折光学素子など)の光学特性を、短時間で高精度に測定することができる。
次に、図13及び図14を参照して、露光装置1、1A又は1Bを利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。上述したように、露光装置1、1A又は1Bが用いる照明光学系10及び投影光学系30の無偏光収差及び偏光収差は最小になるように調整されているため、露光装置1、1A又は1Bは優れた露光性能を発揮することができる。従って、露光装置1、1A又は1Bは、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体デバイス、液晶デバイスなど)を提供することが可能である。
図13は、デバイスの製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体デバイスの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。ステップ3(ウエハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は、前工程と呼ばれ、レチクルとウエハを用いてリソグラフィー技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図14は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1、1A又は1Bによってレチクルの回路パターンをウエハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重の回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置1、1A又は1Bを使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明に係る実施例1の露光装置の構成を示す概略ブロック図である。 シアリング干渉計を説明するための図である。 図1に示す露光装置の測定装置において、測定用レチクルの構成と波面分割部の構成との組み合わせを説明するための図である。 図1に示す露光装置の測定装置において、波面分割部としての2次元回折格子の一例を示す図である。 本発明に係る実施例1の露光装置の別の構成を示す概略ブロック図である。 本発明に係る実施例2の露光装置の構成を示す概略ブロック図である。 図6に示す露光装置の測定装置において、波面分割部としての1次元回折格子の構成を示す図である。 図6に示す露光装置の測定装置において、ウエハ側測定用パターンの構成を示す図である。 本発明に係る実施例3の露光装置の構成を示す概略ブロック図である。 本発明に係る実施例3の露光装置の別の構成を示す概略ブロック図である。 照明光学系の光学特性を測定する測定装置に含まれる照明光測定用レチクルを示す図である。 本発明に係る実施例5の測定装置の構成を示す概略ブロック図である。 デバイスの製造を説明するためのフローチャートである。 図13に示すステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。
符号の説明
1 露光装置
10 照明光学系
12 第1の偏光制御部
20 測定用レチクル
22 ピンホール
30 投影光学系
40 コリメータレンズ
50 波面分割部
60 第2の偏光制御部
62 位相差板
64 偏光子
66 制御部
70 検出部
80 処理部
90 照明系制御部
100 投影系制御部
1A 露光装置
50A 波面分割部
502A 1次元回折格子
110 ウエハ側測定用パターン
112 ピンホール
114 窓
1B 露光装置
120 反射鏡
130 次数選択窓
150 照明光測定用レチクル
300 測定装置
310 照明光学系
312 第1の偏光制御部
TO 被検光学系

Claims (11)

  1. 被検光学系の光学特性を測定する測定装置であって、
    前記被検光学系に入射する光の偏光状態を互いに異なる少なくとも2つの偏光状態に制御する第1の偏光制御部と、
    撮像面を有する撮像センサと、
    前記第1の偏光制御部と前記被検光学系との間又は前記被検光学系と前記撮像センサとの間に配置されて光の波面を分割する波面分割部と、
    前記被検光学系と前記撮像センサとの間に配置され、光軸周りに回転可能な位相差板を含み、光の偏光状態を制御する第2の偏光制御部と、
    前記少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて複数の干渉パターンが順次に前記撮像面に形成されるように前記位相差板の回転を制御する制御部と、
    前記撮像センサで撮像された複数の干渉パターンに基づいて前記被検光学系の光学特性を算出する処理部とを有することを特徴とする測定装置。
  2. 前記処理部は、前記被検光学系の光学特性として、前記被検光学系に入射する光の偏光状態に依存しない無偏光収差と、前記被検光学系に入射する光の偏光状態に依存する偏光収差とを算出することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  3. 前記第2の偏光制御部は、偏光子を含み、
    前記偏光子は、固定されていることを特徴とした請求項1又は2記載の測定装置。
  4. 前記第2の偏光制御部は、偏光子を含み、
    前記制御部は、前記少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて複数の干渉パターンが順次に前記撮像面に形成されるように、前記偏光子は回転させないで、前記位相差板を回転させることを特徴とした請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の測定装置。
  5. 前記第1の偏光制御部は、前記被検光学系に入射する光の偏光状態を互いに異なる少なくとも2つの直線偏光に制御し、
    前記第2の偏光制御部は、偏光子を含み、
    前記少なくとも2つの直線偏光の偏光方向は、前記偏光子の透過軸の方向と異なることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の測定装置。
  6. 前記少なくとも2つの直線偏光の偏光方向は、前記偏光子の透過軸の方向と45°異なることを特徴とする請求項5記載の測定装置。
  7. 前記制御部は、前記少なくとも2つの偏光状態の光のそれぞれについて少なくとも2つの干渉パターンが順次に前記撮像面に形成されるように前記位相差板の回転を制御し、
    前記処理部は、前記撮像センサで撮像された少なくとも4つの干渉パターンに基づいて前記被検光学系の光学特性を算出することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の測定装置。
  8. 前記波面分割部は、光路に挿脱可能に構成され、
    前記処理部は、前記波面分割部が光路に配置された場合に前記撮像センサで撮像された干渉パターン及び前記波面分割部が光路に配置されていない場合に前記撮像センサで撮像された光強度分布に基づいて前記被検光学系の光学特性を算出することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の測定装置。
  9. 光源からの光を用いてレチクルを照明する照明光学系と、
    前記レチクルのパターンを基板に投影する投影光学系と、
    前記投影光学系及び前記照明光学系の少なくとも一方を被検光学系として光学特性を測定する測定装置とを有し、
    前記測定装置は、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の測定装置であることを特徴とする露光装置。
  10. 前記照明光学系を調整する照明系制御部及び前記投影光学系を調整する投影系制御部の少なくとも一方を更に有し、
    前記処理部によって算出された前記照明光学系及び前記投影光学系の少なくとも一方の光学特性に基づいて、前記照明光学系及び前記投影光学系の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項9記載の露光装置。
  11. 請求項9又は10記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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