JP2007328238A - 非球面ミラー,投射型画像表示装置及び投射型画像表示装置の製造方法 - Google Patents
非球面ミラー,投射型画像表示装置及び投射型画像表示装置の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】非球面ミラー(5,50,55)は、一軸(CL)の回りに軸対称とされた非球面からこの非球面と一軸との交点(P5)を含む所定の範囲(ABCD)を切り出した面を有する反射面(5a,15a,55a)と、この反射面に設けられ一軸と交わる平面(9a,19a)を有する基準面部(9,19)と、を備える。また、平面(9a,19a)は一軸と直交する。また、投射型画像表示装置(150,151)は、画像を光変調してなる投射光(4)を出射する光学ブロック(BK)と、その投射光を非球面ミラー(5,50,55)と、このミラーで反射した前記投射光(4)が投射されて画像を表示するスクリーン(6)とを備える。
【選択図】図1
Description
この非球面ミラーとそれを備えた背面投射型映像表示装置の一例が特許文献1に記載されており、また、非球面ミラーの光軸調整に関する技術として特許文献2に記載されたものが知られている。
特に、近年の拡大率が大きい大画面のスクリーンにおいては、非球面ミラーの取り付け位置や姿勢の、設計上位置に対するわずかなずれが、投影画像において大きな歪みとなって現れるので、ミラーの取り付けに非常に高い精度が要求されている。
また、非球面ミラーを所定の位置に所定の姿勢で、高精度に、かつ、少ないばらつきで取り付けることができ、高品位の画像を得ることができる投射型画像表示装置及びその製造方法を提供することにある。
(1) 一軸(CL)の回りに軸対称とされた非球面から該非球面と前記一軸(CL)との交点(P5)を含む所定の範囲(ABCD)を切り出した面を有する反射面(5a,15a,55a)と、前記反射面(5a,15a,55a)に設けられ前記一軸(CL)と交わる平面(9a,19a)を有する基準面部(9,19)と、を備えた非球面ミラー(5,50,55)である。
(2) 前記平面(9a,19a)は前記一軸(CL)と直交することを特徴とする請求項1記載の非球面ミラー(5,50,55)である。
(3) 画像を光変調してなる投射光(4)を出射する光学ブロック(BK)と、
前記投射光(4)を前記反射面(5a,15a,55a)で反射する(1)又は(2)に記載の非球面ミラー(5,50,55)と、
前記反射面(5a,15a,55a)で反射した前記投射光(4)が投射されて前記画像を表示するスクリーン(6)と、を備えた投射型画像表示装置(150,151)である。
(4) (3)に記載の投射型画像表示装置(150,151)を製造する投射型画像表示装置の製造方法において、
前記非球面ミラー(5,50,55)の前記光学ブロック(BK)に対する位置を決定する位置決め工程を有し、該位置決め工程は、前記非球面ミラー(5,50,55)の前記平面(9a,19a)に光ビーム(10a,4j)を照射して該平面(9a,19a)で反射させ、反射した前記光ビーム(10a,4j)の正反射光の光路に基づいて前記位置を決定することを特徴とする投射型画像表示装置(150,151)の製造方法である。
また、投射型画像表示装置において、非球面ミラーを所定の位置に所定の姿勢で、高精度に、かつ、少ないばらつきで取り付けることができ、高品位の画像を得ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の投射型画像表示装置の実施例を説明する概略構造図である。
図2は、本発明の非球面ミラーの第1実施例を説明する外観斜視図である。
図3は、本発明の非球面ミラーの第1実施例を説明するための正面部である。
図4は、本発明の非球面ミラーの第1実施例における要部を説明するための部分断面図である。
図5は、本発明の非球面ミラーの第1実施例における要部の変形例を説明するための部分断面図である。
図6は、本発明の非球面ミラーの第2実施例を説明するための図面である。
図7は、本発明の投射型画像表示装置の実施例を製造する方法を説明するための図である。
図8は、本発明の投射型画像表示装置における、凸面の反射面を有する非球面ミラーを搭載した実施例を説明する概略構造図である。
光学ブロックKBは、ランプまたはLEDを発光源とする光源1と、透過型の液晶表示素子2と光学レンズ3とを含んで構成される。
光源1からの光は、液晶表示素子2及び光学レンズ3を通過して所定の角度で拡がる光束4として放出される。この光束4は、光学レンズ3の光軸CL1を含まない範囲(当図では光軸CL1より上方側)を通過するように構成されている。
尚、以下の説明における画像は、動画と静止画とを含むものである。
液晶表示素子2としては、透過型に限らず、D−ILA(登録商標)(Direct−Drive Image Light Amplifier)などの反射型の液晶表示素子(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)を用いてもよい。
この反射型の液晶表示素子(LCOS)2を用いた場合は、光源1からの光はLCOS2に投射され、ここで反射した光が、画像として光学レンズ3を介して光学ブロックKBから同様の光束4として放出される。
そして、鑑賞者7は、光スクリーン6の正面6a側から、スクリーン6の裏面6bに投射された拡大画像を鑑賞することができる。
この金属としては射出成形用の金型鋼材を用いることができる。
例えば、STAVAX(登録商標)を用い、中削り後、表面にNiP(ニッケル−リン合金)めっきを施して反射面の鏡面仕上げ加工を行う。このNiPめっきにより、切削性及び耐蝕性が向上すると共により高い反射率を得ることができる。
また、背面5h側には、階段状に削られた凹部である肉抜き部5n(図1参照)
また、天面5tと底面5bとは平行に形成される一方、反射面5aにはこれらの面と平行な光軸CLが設定されている。
更に具体的には、ミラー5を光軸CL方向から見た図3に示すように、反射面5aは、光軸CLの回りに軸対称な非球面なる凹面を軸方向からみて概ね長方形ABCDとなるように、かつ、光軸CLの位置がその長方形ABCDの中心Oではなくその中心Oを通り長辺DAに直交する線分EO上に位置する曲面を有している。
そして、凹部の底面9aは平面であり、特に、この実施例においては光軸CLとなす角度θをθ=90°とした直交平面として形成され、また、その底面9aに照射された光を概ね正反射する表面粗さで仕上げられている。
具体的には、図5に示すように、基準面部19は、光軸CLが、基準面部9がない場合の反射面5aと交わる位置P5を基準とした所定の直径φ及び突出量Dなる円筒状凸部として形成されている。この凸部の具体的寸法例としては、φ=4.8mm,D=0.5mmである。
そして、凸部の天面(突出面)19aは平面であり、特に、この実施例においては光軸CLと直交する平面として形成され、また、突出面19aに照射された光を概ね正反射する表面粗さで仕上げられている。
一方、反射面5aが、ラッピング加工による鏡面仕上げ工程を含んで形成される場合は、ラッピング加工の妨げとならないように凹部の基準面部9として切削により形成することが望ましい。
図6において、(a)図は上面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は右側面図である。
また、反射面50aは、射出成形した成形品に蒸着によってアルミニウムや銀などの反射膜が設けられて形成され、この反射膜により高反射率面とされている。
射出成形に用いる樹脂としては、ポリカーボネート(PC)の不透明材が好適であるが、もちろんこれに限るものではなく、種々の樹脂を用いることができる。
反射面50aの面形状は、第1実施例と同様に形成されている。
更に具体的には、図6(b)に示すように、反射面50aは、光軸CLの回りに軸対称な非球面なる凹面を軸方向からみて概ね長方形ABCDとなるように、かつ、光軸CLの位置がその長方形ABCDの中心Oではなくその中心Oを通り長辺DAに直交する線分EO上に位置する曲面を有している。
また、各側面50s1,50s2の長辺BC側には、その長辺BCと平行な方向で外側に延出する鍔部50q1,50q2が形成されている。これらの鍔部50q1,50q2には、孔50dがそれぞれ設けられている。
一方、底面50bには、U字状の切り欠きを有する一対の鍔部50r1,50r2が設けられている。
また、天面50tの中央部には、突起50kが形成されている。
これらのピン50p1,50p2、鍔部50q1,50q2、孔50d、鍔部50r1、50r2及び突起50kを利用して、このミラー50は支持台8に固定される。
いずれにおいても、光軸CLに沿って入射した光を概ね再び光軸上に正反射するよう光軸CLに直交して(θ=90°)形成された底面9aまたは突出面19aを備えていればよい。
ミラー5を、支持台8の概ね所定となる位置に載置し、固定構造により仮止めしておく。この固定構造は、上述したように、光軸CL回りの回動R,左右方向移動X,上下方向移動Y及びあおりSFのすべて、又は、一部を所定範囲で調節可能とされており、周知の構造を適用できるので図7において省略してある。
この光ビーム10aは、基準面部9の底面9aで反射するので、その反射光の内の正反射光を基に底面9aの傾きを測定し、その傾きがゼロとなるように(仮止めしたミラー5の光軸CLが設計上の光軸CLと一致するように)ミラー5の位置と姿勢とを調整し、傾きがゼロの状態で固定する。
従って、スクリーン6に画像を投影することなくミラー5の位置と姿勢を調整して固定が行えるので作業が容易であり、また、スクリーン6や筐体49がない状態でもミラー5の調整作業と固定作業が可能である。
すなわち、この検査には3次元測定機を用いるが、基準面部がない従来のミラーの場合、反射面に基準となる平面がないため、反射面の3次元設計データと測定した3次元実測データとの照合において、ミラーをどの位置、どの姿勢にして照合すればよいかの判断がつかず、その作業は極めて難しいものであった。
具体的には、反射面全体にわたって所定ピッチで得られる複数の設計データと実測データとをそれぞれ照合して差分を求め、その差分の総和が最も小さくなるミラーの姿勢を求めてその姿勢を基準姿勢とし、この基準姿勢における照合データを基に加工面の評価をしなければならなかった。
従って、手間がかかると共に、基準姿勢が、比較すべき正しい姿勢か否かが明確でなく、照合データの信頼性に疑念が生じる場合があった。
この構成において、図8に示すように、光学ブロックKBから放出された光束4は、ミラー55の非球面に形成された凸面の反射面55aで反射されてスクリーン6の裏面6b側(図の右側面)に画像として拡大投射される。ここで、反射面55aは凸面であるから、反射する画像は反射前後で上下左右が反転することなくスクリーン6に投射される。
そして、鑑賞者7は、光スクリーン6の正面6a側から、スクリーン6の裏面6bに投射された拡大画像を鑑賞することができる。
また、ミラー5と同様に、反射面55aには光軸CLを軸とする円筒状凹部を有する基準面部9が設けられている。この基準面部は、円筒状凸部を有する基準面部19であってももちろんよい。
そして、ミラー55の支持台8への取り付けの際に、光学レンズ3の前面側に光軸を含むその近傍の光のみを出射させるマスクMKを配置し、光学ブロックKBから光軸CL1上に放出される光ビーム(以下、軸光とも称する)4jを出射させる。
すると、軸光4jは底面9aにおいて正反射し、筐体49における前パネル49aの内面49a1に当たり、その位置P1に輝点が生じる。
また、ミラーが成形品の場合も、成形金型における反射面と基準面部の基準面とをワークに対するチャッキングを変えずに同じ加工工程で形成できるので、両者の相対位置を極めて高い精度として形成することができ、このような金型で成形したミラーにおける基準面部の基準面と反射面との相対位置も当然高精度に得られる。
そして、このようにして得られた基準面の位置や姿勢を、その基準面に投射した光の反射光に基づいて測定して正規の位置や姿勢に調整するので、この非球面ミラーは、極めて高精度に位置決めされて取り付けられ、また、この非球面ミラーを搭載した反射型画像表示装置は、歪みや解像度の偏りが極めて少ない高品位の画像を提供することができる。
反射面5a,50a,55aと光軸CLとの交点を含む平面を基準面として有するものでもよい。
ただし、ミラーの製造の観点から、基準面を反射面形状の基準となる光軸に直交する面として形成するのが最も容易であるので、基準面9a,19aは光軸に直交する面とするのが好ましい。
また、光軸CL上の基準面9a,19aに加えて、光軸CLから遠い位置に別の基準面を設け、複数の基準面を用いてオートコリメータによる位置出しを行うようにしてもよい。
2 液晶表示素子(LCOS)
3 光学レンズ
4 光束
4j 光ビーム(軸光)
5,50,55 (非球面)ミラー
5a,50a,55a 反射面
5b,50b 底面
5h,50h 背面
5s 支持面
5t 天面
6 スクリーン
6a 正面
6b 裏面
7 鑑賞者
8 支持台
8a 基準面
9,19 基準面部
9a 底面
10 オートコリメータ
10a 光ビーム
19a 突出面
49 筐体
49a 前面パネル
49a1 内面
150,151 投射型画像表示装置
CL,CL1,CL5 光軸
KB 光学ブロック
MK マスク
P1 (輝点の)位置
Claims (4)
- 一軸の回りに軸対称とされた非球面から該非球面と前記一軸との交点を含む所定の範囲を切り出した面を有する反射面と、
前記反射面に設けられ前記一軸と交わる平面を有する基準面部と、
を備えた非球面ミラー。 - 前記平面は前記一軸と直交することを特徴とする請求項1記載の非球面ミラー。
- 画像を光変調してなる投射光を出射する光学ブロックと、
前記投射光を前記反射面で反射する請求項1又は2記載の非球面ミラーと、
前記反射面で反射した前記投射光が投射されて前記画像を表示するスクリーンと、を備えた投射型画像表示装置。 - 請求項3に記載の投射型画像表示装置を製造する投射型画像表示装置の製造方法において、
前記非球面ミラーの前記光学ブロックに対する位置を決定する位置決め工程を有し、
該位置決め工程は、
前記非球面ミラーの前記平面に光ビームを照射して該平面で反射させ、反射した前記光ビームの正反射光の光路に基づいて前記位置を決定することを特徴とする投射型画像表示装置の製造方法。
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