JP2001004492A - 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法 - Google Patents

投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法

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JP2001004492A JP11173671A JP17367199A JP2001004492A JP 2001004492 A JP2001004492 A JP 2001004492A JP 11173671 A JP11173671 A JP 11173671A JP 17367199 A JP17367199 A JP 17367199A JP 2001004492 A JP2001004492 A JP 2001004492A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投写レンズの特性を正確に検査することがで
きる技術を提供する。 【解決手段】 投写レンズ検査装置は、画像光射出部
と、スクリーンと、撮像部と、フォーカス状態調整部
と、特性値算出部とを備える。画像光射出部は、テスト
パターンを有しており、テストパターンを表す画像光を
射出する。投写レンズが画像光をスクリーン上に照射す
ると、テストパターンの画像がスクリーン上に表示され
る。特性値算出部は、撮像部によって撮像されたテスト
パターン画像の明暗の変化に基づいて投写レンズの特性
値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投写レンズを検査
するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】投写型表示装置では、照明光学系から射
出された光を、液晶パネルなどを用いて画像情報(画像
信号)に応じて変調し、変調された光を投写レンズを用
いてスクリーン上に投写することにより画像表示を実現
している。
【0003】図1は、投写型表示装置の一例を示す概略
構成図である。投写型表示装置1000は、照明光学系
100と、色光分離光学系200と、リレー光学系22
0と、3枚の液晶ライトバルブ300R,300G,3
00Bと、クロスダイクロイックプリズム320と、投
写レンズ340とを備えている。
【0004】照明光学系100は、略平行な光を射出す
る光源装置20の他に、偏光発生光学系を備えており、
偏光方向の揃った1種類の直線偏光光を射出する。照明
光学系100から射出された光は、色光分離光学系20
0において赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光
に分離される。分離された各色光は、液晶ライトバルブ
300R,300G,300Bにおいて画像情報に応じ
て変調される。液晶ライトバルブ300R,300G,
300Bは、液晶パネルと、その光入射面側および光射
出面側に配置された偏光板とによって構成されている。
液晶ライトバルブ300R,300G,300Bにおい
て変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズム
320で合成され、投写レンズ340によってスクリー
ンSC上に投写される。これにより、スクリーンSC上
に画像が表示されることとなる。なお、図1に示すよう
な投写型表示装置の各部の構成および機能については、
例えば、本願出願人によって開示された特開平10−3
25954号公報に詳述されているので、本明細書にお
いて詳細な説明は省略する。
【0005】ところで、投写型表示装置1000に用い
られる投写レンズ340は、その製造工程等のばらつき
により、その特性にもばらつきが生じることがある。投
写レンズの特性のばらつきは、投写型表示装置1000
によって表示される画像の品質に影響するため、投写型
表示装置の出荷前には、投写レンズの特性が検査されて
いる。
【0006】従来では、投写レンズの特性の良否は、検
査対象となる投写レンズを所定の投写型表示装置などに
実装し、投写表示される画像を目視で確認することによ
り判断されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、投写画像を目
視で確認することによって投写レンズの特性を検査する
場合には、投写レンズの正確な特性値を得ることができ
ず、また、その良否の判断基準も曖昧であるという問題
があった。
【0008】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、投写レンズの特
性を正確に検査することができる技術を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装
置は、投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査す
るための投写レンズ検査装置であって、テストパターン
を有し、前記テストパターンを表す画像光を射出する画
像光射出部と、前記投写レンズによって前記画像光が照
射され、前記画像光の照射により前記テストパターンの
画像を表示するスクリーンと、前記スクリーン上に表示
される前記テストパターンの画像を撮像する撮像部と、
前記テストパターンの画像のフォーカス状態を自動調整
するフォーカス状態調整部と、前記テストパターンの画
像の明暗の変化に基づいて、前記投写レンズの特性値を
算出する特性値算出部と、を備えることを特徴とする。
【0010】本発明の投写レンズ検査装置では、スクリ
ーン上に表示された画像のフォーカス状態を調整した後
に、調整後のテストパターン画像の明暗の変化に基づい
て特性値を算出することができるので、投写レンズの特
性を正確に検査することができる。
【0011】上記の装置において、前記フォーカス状態
調整部は、前記画像光射出部における前記テストパター
ンの空間的な位置を調整することによって前記フォーカ
ス状態の調整を実行するようにしてもよい。
【0012】こうすれば、スクリーン上に表示されたテ
ストパターン画像のフォーカス状態の調整を容易に行う
ことができる。
【0013】上記の装置において、前記スクリーンは、
画像光が投写される投写面の裏側から画像を観察可能な
透過型スクリーンであり、前記撮像部は、前記投写面の
裏側に配置されていることが好ましい。
【0014】このように、透過型スクリーンを用いて、
撮像部を投写面の裏側に配置すれば、撮像部がスクリー
ン上におけるテストパターン画像の表示を妨げてしまう
という可能性を排除できる。したがって、テストパター
ン画像のフォーカス状態をうまく調整し、投写レンズの
特性値を正確に算出することが可能となる。
【0015】上記の装置において、前記テストパターン
は、前記テストパターンの画像内に周期的な明暗を形成
するための第1の局所パターンを含み、前記投写レンズ
の特性値は、前記スクリーン上に表示される前記第1の
局所パターンの画像の周期的な明暗の変化に基づいて決
定される画像の解像度に関する値であるようにしてもよ
い。
【0016】こうすれば、投写レンズの特性値として、
画像の解像度に関する値を求めることが可能となる。
【0017】また、上記の装置において、前記テストパ
ターンは、前記テストパターンの画像内に孤立した明領
域を形成するための第2の局所パターンを含み、前記投
写レンズの特性値は、前記スクリーン上に表示される前
記第2の局所パターンの画像の前記明領域を用いて算出
される画像のフレアに関連する値であるようにしてもよ
い。
【0018】こうすれば、投写レンズの特性値として、
画像のフレアに関連する値を算出することが可能とな
る。
【0019】本発明の方法は、投写型表示装置に用いら
れる投写レンズを検査する方法であって、(a)テスト
パターンを表す画像光を射出する工程と、(b)前記投
写レンズによって前記画像光をスクリーン上に照射し、
前記スクリーン上に前記テストパターンの画像を表示す
る工程と、(c)前記スクリーン上に表示される前記テ
ストパターンの画像を撮像する工程と、(d)前記テス
トパターンの画像のフォーカス状態を自動調整する工程
と、(e)前記テストパターンの画像の明暗の変化に基
づいて、前記投写レンズの特性値を算出する工程と、を
備えることを特徴とする。
【0020】本発明の方法を用いた場合にも、上記の装
置と同様の作用・効果を有し、テストパターン画像の明
暗の変化に基づいて特性値を算出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】A.投写レンズ検査装置:図2
は、本発明を適用した投写レンズ検査装置の一例を示す
説明図である。この装置は、図1の投写型表示装置に用
いられる投写レンズを検査するための装置である。投写
レンズ検査装置は、検査対象である投写レンズ480が
搭載される投写部400と、ミラー510と、スクリー
ン500と、検査部600とを備えている。この装置に
おいて、検査対象である投写レンズ480は、取り外し
可能であり、他の投写レンズに容易に交換することがで
きる。
【0022】投写部400から射出された画像光(画像
を表す光)は、ミラー510において反射され、スクリ
ーン500を照射する。スクリーン500は、画像光が
投写される投写面500aの裏面500b側から画像を
観察可能な透過型スクリーンである。検査部600は、
スクリーン500上に表示された画像を用いて、投写レ
ンズ480の検査を行う。
【0023】なお、以下の説明では、図2に示すよう
に、検査装置は、スクリーン500の表示面500bと
平行な面をXY平面とするXYZ直交座標系で表され
る。また、投写部400は、検査装置において、図示し
ない保持部によって、XZ平面に対し所定の角度だけ傾
けて配置されている。このため、以下の説明では、投写
部400を、XYZ直交座標系をX軸を中心として上記
の所定の角度だけ回転させたSTU直交座標系で表す。
なお、投写レンズ480の中心軸n1はSU平面に対し
平行となっている。
【0024】図3は、図2の投写部400を+T方向か
ら見たときの様子を示す説明図である。図3に示すよう
に、投写部400は、投写レンズ480の他に、光源装
置410と、色光フィルタ420と、第1および第2の
ミラー430,442と、検査シート450と、検査シ
ート保持部440と、検査シート保持部440の配置を
調整するための6軸調整部460と、ダミープリズム4
70とを備えている。なお、検査シート保持部440
は、第2のミラー442に触れないように検査シート4
50を保持している。図2では、図3に示す光源装置4
10と色光フィルタ420と第1のミラー430とは、
6軸調整部460と検査シート保持部440とダミープ
リズム470と投写レンズ480よりも、+S方向(紙
面奥手方向)に存在するため、便宜上、図示を省略して
いる。
【0025】なお、図3に示すように、投写部400
は、図1の投写型表示装置において投写レンズが使用さ
れる場合とほぼ同様な光が投写レンズ480に入射され
るように構成されている。すなわち、光源装置410は
図1の光源装置20に対応し、検査シート450は図1
の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bに対
応し、ダミープリズム470は図1のクロスダイクロイ
ックプリズム320に対応している。このような投写部
400を備える検査装置を用いれば、投写型表示装置に
おいて投写レンズを使用する場合と同じような環境で、
投写レンズを検査することができると考えられる。
【0026】図3の光源装置410は、光源ランプ41
2と放物面リフレクタ414とを備えている。放物面リ
フレクタ414は、その凹面が回転放物面形状となって
いる。光源ランプ412は、回転放物面形状の凹面の焦
点位置近傍に配置されている。この構成により、光源ラ
ンプ412から射出され、放物面リフレクタ414で反
射された光は、略平行な光線束となって光源装置410
から射出される。なお、光源ランプ412としては、メ
タルハライドランプや高圧水銀ランプなどが用いられ
る。また、放物面リフレクタ414としては、例えば、
ガラスセラミックスで形成された回転放物体の凹面上
に、誘電体多層膜や金属膜などの反射膜が形成されても
のが利用される。
【0027】色光フィルタ420は、光源装置410か
ら射出される光に含まれる所定の色の色光を抽出する機
能を有している。本実施例の色光フィルタ420は、略
円板状の形状を有しており、中心軸420cを中心に回
転可能である。色光フィルタ420には、Rフィルタ、
Gフィルタ、Bフィルタ、Wフィルタの4種類のフィル
タおよび遮光部が5等分に区分して形成されている。な
お、遮光部は、光源装置410から光が射出されている
状態のままで、光を遮断したいときに用いられる。Rフ
ィルタは、光源装置410から射出された光のうち、赤
色の色光のみを透過させる機能を有している。同様に、
GフィルタおよびBフィルタは、それぞれ緑色の色光、
青色の色光のみを透過させる機能を有している。また、
Wフィルタは、すべての色光(以下、白色の色光とも呼
ぶ)を透過させる機能、すなわち、光源装置410から
射出された光をそのまま射出する機能を有している。4
種類のフィルタとしては、例えば、略円形のガラス板上
に、4種類の色光をそれぞれ透過させるような誘電体多
層膜を形成したものを利用できる。なお、Wフィルタと
しては、誘電体多層膜が形成されていないガラス領域を
そのまま利用してもよい。
【0028】第1および第2のミラー430,442
は、光源装置410から射出され、色光フィルタ420
を通過した色光を投写レンズ480に導くための導光手
段としての機能を有している。第1および第2のミラー
としては、すべての色光を反射するような誘電体多層膜
が形成されたミラーや金属ミラーなどを用いることがで
きる。
【0029】検査シート保持部440は、検査シート4
50を保持する機能を有している。検査シート450
は、ガラスなどの透光性の板材に、遮光領域となるテス
トパターンが形成されたものである。
【0030】図4は、テストパターンTPが形成された
検査シート450を示す説明図である。図4に示す検査
シート450には、その周辺部の四隅に4つの略正方形
状の局所パターン(以下、「正方局所パターン」とも呼
ぶ)PSa〜PSdが形成されている。また、複数の罫
線状の局所パターン(以下、「罫線局所パターン」とも
呼ぶ)PLが格子状に形成されており、20個の矩形の
ブロックに区分されている。20個のブロックのそれぞ
れには、投写レンズの特性を評価するための第1の測定
用局所パターンPM1〜PM20が形成されている。さ
らに、図中、破線で示す斜線L1,L2に沿って、投写
レンズの特性を評価するための第2の測定用局所パター
ンPMC1〜PMC4が形成されている。本明細書にお
いては、正方局所パターンPSa〜PSdや罫線局所パ
ターンPL、第1および第2の測定用局所パターンPM
1〜PM20,PMC1〜PMC4などの全てパターン
をまとめてテストパターンTPと呼んでいる。なお、図
4のテストパターンTPでは、4つの正方局所パターン
PSa〜PSdと複数の罫線局所パターンPLと第1お
よび第2の測定用局所パターンPM1〜PM20,PM
C1〜PMC4とが形成されている領域以外には、局所
パターンが全く形成されていないが、他の局所パターン
を形成するようにしてもよい。
【0031】図5は、図4のテストパターンTPに含ま
れる1つの正方局所パターンPSaを拡大して示す説明
図である。なお、図中、ハッチが付された領域は、光が
通過しない遮光領域であり、ハッチが付されていない領
域は、光が通過する透光領域である。図示するように、
正方局所パターンPSaは、その内側に9つの正方形の
透光領域を含んでいる。図5に示すパターンは、図4の
他の正方局所パターンPSb〜PSdについても同じで
ある。
【0032】図6は、図4のテストパターンTPに含ま
れる1つの第1の測定用局所パターンPM1を拡大して
示す説明図である。図6に示すように、第1の測定用局
所パターンPM1には、2つの領域WA,WBのそれぞ
れに複数のパターンが含まれている。なお、領域WA内
のパターンは、遮光領域によって特定の形状が形成され
たパターンであり、領域WB内のパターンは、透光領域
によって特定の形状が形成されたパターンである。図
中、領域WAには、「20」,「25」などの数字が形
成された文字パターンと、8種類の平行線パターンPT
Aa〜PTAhとが含まれている。各平行線パターンP
TAa〜PTAhは、短冊形の透光領域と遮光領域とが
周期的に配列されたものであり、各パターンの大きさ、
あるいは、向きは相互に異なっている。一方、領域WB
には、「A」,「B」などのアルファベットが形成され
た文字パターンと、4種類の平行線パターンPTBa〜
PTBdと、略円形の透光領域である4種類の小孔パタ
ーンPHa〜PHdとが含まれている。図6に示すパタ
ーンは、図4の他の第1の測定用局所パターンPM2〜
PM20についても同じである。
【0033】図7は、図4のテストパターンTPに含ま
れる1つの第2の測定用局所パターンPMC1を拡大し
て示す説明図である。第2の測定用局所パターンPMC
1は、図6に示す第1の測定用局所パターンPM1の領
域WAに含まれる平行線パターンPTAa〜PTAhと
同様の4種類の平行線パターンが形成されている。ただ
し、第2の測定用局所パターンPMC1では、図4の斜
線L1に沿って短冊状の透光領域と遮光領域とが配列さ
れているため、第1の測定用局所パターンPM1(図
6)に含まれる各平行線パターンと向きが異なってい
る。図7に示すパターンは、図4の他の第2の測定用局
所パターンPMC2〜PMC4についても同様である。
【0034】なお、図4に示すテストパターンTPは、
図1の液晶ライトバルブ300R,300G,300B
において画像光が形成される有効表示領域とほぼ同じ大
きさ(約26.64mm×約19.98mm)に設定されて
いる。テストパターンTPに含まれる罫線局所パターン
PLは、約0.1〜約0.2mmの線幅で形成されてい
る。また、4つの正方局所パターンPSa〜PSdは、
図5に示すように、その一辺が約0.4mmの大きさで形
成されている。第1の測定用局所パターンPM1〜PM
20は、図6に示すように、約0.8mm×約1.4mmの
大きさで形成されている。第2の測定用局所パターンP
MC1〜PMC4は、図7に示すように、約0.39mm
×約0.32mmの大きさで形成されている。また、第1
および第2の測定用局所パターン(図6,図7)に含ま
れる各平行線パターンは、短冊状の遮光領域および透光
領域がそれぞれ約10〜約25μmの幅で形成されてお
り、第1の測定用局所パターン(図7)に含まれる各小
孔パターンは、直径約5〜約30μmの大きさで形成さ
れている。
【0035】検査シート保持部440(図3)は、6軸
調整部460に固定されており、6軸調整部460を制
御することによって、検査シート保持部440の配置が
調整される。6軸調整部460は、図中、S方向,T方
向,U方向の平行移動、および、S軸,T軸,U軸を中
心とする回転の可能な6つの可動ステージが組み合わさ
れたものである。この6軸調整部460を制御すること
により、検査シート保持部440に保持された検査シー
ト450の空間的な配置を調整することができる。換言
すれば、6軸調整部460の制御によって、テストパタ
ーンTPの空間的な配置が調整される。
【0036】ダミープリズム470は、前述したよう
に、図1の投写型表示装置のクロスダイクロイックプリ
ズム320を模擬するために設けられている。図1に示
すクロスダイクロイックプリズム320では、3つの液
晶ライトバルブ300R,300G,300Bから射出
された光を合成するために「X」字状の薄膜が内部に設
けられている。しかし、本検査装置においてはこの薄膜
は不要なため、クロスダイクロイックプリズム320と
同じ立方体形状のガラス体に反射防止コーティングを施
したものが、ダミープリズム470として用いられてい
る。
【0037】検査対象である投写レンズ480は、順次
取り替えて検査装置に実装される。本実施例において、
投写レンズ480は、図示しない保持部に固定して設置
される。
【0038】以上の投写部400の構成により、光源装
置20(図3)から射出された光は、色光フィルタ42
0を通過した後に、第1および第2のミラー430,4
42で反射される。第2のミラー442で反射された光
は、検査シート450を通過することによって、テスト
パターンTPの画像を表す画像光となって射出される。
この画像光は、ダミープリズム470を通過した後、投
写レンズ480によって投写される。この説明からも分
かるように、本実施例における投写レンズ480を除く
投写部400が、本発明の画像光射出部に相当する。
【0039】ところで、図2に示すように、本実施例の
投写部400では、投写レンズ480の中心軸n1と、
検査シート450の中心を通る法線n2とが、所定の距
離だけずれている。これは、投写型表示装置における
「あおり投写」の状態を模擬するためである。投写レン
ズ480は、このようなあおり投写状態において、歪み
のない画像を投写表示するように設計されている。な
お、投写レンズ480の中心軸n1と検査シート450
の中心を通る法線n2とが一致しないような投写は、通
常、「あおり投写」と呼ばれている。
【0040】図2の検査部600は、処理部610と、
スクリーン500の四隅の近傍に配置された4つの調整
用撮像部620a〜620dと、1つの測定用撮像部6
40とを備えている。処理部610は、調整用撮像部6
20a〜620dおよび測定用撮像部640と電気的に
接続されているとともに、投写部400の6軸調整部4
60とも電気的に接続されている。処理部610は、調
整用撮像部620a〜620dによって得られる画像デ
ータを解析し、その解析結果に基づいて、6軸調整部4
60を制御する。なお、上述したように、6軸調整部4
60を制御することによって、テストパターンTPの空
間的な配置が調整され、これによってテストパターン画
像のフォーカス状態(後述する)が調整されることとな
る。また、処理部610は、測定用撮像部640によっ
て得られる画像データを処理して、投写レンズの特性値
を算出する機能を有している。
【0041】この説明からも分かるように、本実施例の
処理部610が本発明における特性値算出部に相当す
る。また、調整用撮像部620a〜620dと測定用撮
像部640とは本発明における撮像部に相当し、調整用
撮像部620a〜620dと処理部610と6軸調整部
460とがフォーカス状態調整部に相当する。
【0042】図8は、スクリーン500を+Z方向から
見たときの調整用撮像部620a〜620dおよび測定
用撮像部640の配置を示す説明図である。図示するよ
うに、4つの調整用撮像部620a〜620dは、スク
リーン500の四隅にそれぞれが設けられており、図示
しない移動機構によってXY平面内で移動可能である。
また、測定用撮像部640は、スクリーン500の中央
付近に設けられており、図示しない移動機構によってX
Y平面内で移動可能である。ただし、測定用撮像部64
0は、図2に示すように、各調整用撮像部620a〜6
20dから+Z方向にずらして配置されているので、各
調整用撮像部620a〜620dと干渉しないように移
動させることができる。調整用撮像部620a〜620
dおよび測定用撮像部640は、スクリーン500上に
表示されたテストパターンTPの画像を撮像し、撮像し
た画像データを処理部610(図2)に伝送する。
【0043】処理部610は、調整用撮像部620a〜
620dおよび測定用撮像部640から伝送された画像
データを処理して、以下に説明するような手法で投写レ
ンズ480の特性値を求める。
【0044】B.投写レンズの特性検査:図9は、投写
レンズの検査を行う際の一連の処理手順を示すフローチ
ャートである。ステップS101では、スクリーン50
0上に表示された画像のフォーカス状態の調整と、表示
された画像の位置合わせを行う。ステップS101の処
理では、図4のテストパターンTPに含まれる4つの正
方局所パターンPSa〜PSd(図5)が利用される。
なお、ステップS101においては、図3の光源装置4
10から射出された光は、色光フィルタ420において
Wフィルタを通過するように設定されている。このと
き、図4の検査シート450から射出された画像光に従
ってスクリーン500上に表示されるテストパターン画
像は、テストパターンTPの透光領域に対応する領域が
白色(明領域)となり遮光領域に対応する領域が黒色
(暗領域)となる白黒画像となっている。
【0045】図10は、スクリーン500上に表示され
たテストパターンTP(図4)の画像ITPを示す説明
図である。ただし、図10のテストパターン画像ITP
には、図4のテストパターンTPに含まれる4つの正方
局所パターンPSa〜PSdに従って表示される4つの
正方局所パターン画像IPSa〜IPSdと、テストパ
ターンTPの外縁を構成する罫線局所パターンPLに従
って表示される罫線局所パターン画像IPLのみが図示
されている。なお、4つの正方局所パターン画像IPS
a〜IPSdは、説明の便宜上、かなり拡大して描かれ
ている。
【0046】テストパターン画像ITPをスクリーン5
00上に最初に表示した際には、フォーカス状態が悪く
画像がぼけている場合がある。このため、ステップS1
01(図9)では、まず、テストパターン画像ITPの
フォーカス状態を調整する。なお、本明細書において、
「フォーカス状態が良い」とは、合焦点状態となってい
ることを意味し、「フォーカス状態が悪い」とは、合焦
点状態となっていないことを意味する。
【0047】フォーカス状態の調整においては、まず、
図8の4つの調整用撮像部620a〜620dを用いて
4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdをそれ
ぞれ探す。正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの
探索は、処理部610にテストパターンTPのパターン
情報を予め入力しておき、正方局所パターンPSa〜P
Sdのパターン情報とほぼ一致するような画像領域をパ
ターンマッチングによって自動的に探すことによって行
われる。あるいは、ユーザが調整用撮像部620a〜6
20dによって撮像された画像を確認しながら行うよう
にしてもよい。
【0048】4つの正方局所パターン画像IPSa〜I
PSdが見つかると、撮像された4つの正方局所パター
ン画像のフォーカス状態の良否を調べる。フォーカス状
態の良否は、撮像された画像データを用いて判断され
る。例えば、撮像された画像データを用いて、白黒画像
の白色領域(明領域)と黒色領域(暗領域)の境界にお
けるエッジ強度を調べ、エッジ強度の大小によってフォ
ーカス状態の良否を判断することができる。すなわち、
エッジ強度のようなフォーカス状態の良否を示す特定の
指標値を用いることによって、合焦点状態か否かを判断
できる。
【0049】各正方局所パターン画像IPSa〜IPS
dについての合焦点指標値が得られると、4つの合焦点
指標値に基づいて6軸調整部460を制御し、検査シー
ト450(テストパターンTP)の空間的な配置を調整
する。この後、再度、各正方局所パターン画像IPSa
〜IPSdについての合焦点指標値を求める。このよう
にして、6軸調整部460の調整と、4つの合焦点指標
値の算出とを繰り返しながら、4つの正方局所パターン
画像IPSa〜IPSdについての合焦点指標値がほぼ
等しくなり、かつ、最も大きくなるような配置を、テス
トパターン画像ITPのフォーカス状態が良好となる検
査シート450の配置として決定する。
【0050】また、図10に示すように、テストパター
ン画像ITPをスクリーン500上に最初に表示した際
には、テストパターン画像ITPの中心ITPcが、ス
クリーン500の中心500cとずれている場合があ
る。本実施例において、テストパターン画像の中心IT
Pcとは、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IP
Sdの位置を頂点とする四角形領域の2つの対角線の交
点を意味している。ステップS101(図9)において
は、画像のフォーカス状態が調整された後に、画像の位
置合わせを行う。
【0051】具体的には、図10に示すテストパターン
画像ITPの中心ITPcが、スクリーン500の中心
500cと一致するように、6軸調整部460を制御
し、検査シート450(テストパターンTP)の配置を
調整する。また、本実施例においては、スクリーン50
0上に表示された2つの正方局所パターン画像IPS
a,IPSbの位置が、X方向にほぼ平行となるよう
に、検査シート450(テストパターンTP)の配置が
調整される。こうすれば、検査シート450が、検査シ
ート保持部440の所定の位置にうまく取り付けられて
いない場合にも、実質的に所定の位置に取り付けられた
ように補正をすることができる。なお、画像の位置合わ
せが行われた際には、再度、4つの正方局所パターン画
像IPSa〜IPSdのフォーカス状態が確認される。
【0052】ステップS101(図9)においてテスト
パターン画像ITPのフォーカス状態の調整および位置
合わせが終了すると、ステップS102,S103にお
いて、投写レンズの特性を検査する。
【0053】ステップS102(図9)では、投写レン
ズの特性値として、画像の解像度を測定する。ステップ
S102の処理では、図4のテストパターンTPに含ま
れる第1の測定用局所パターンPM1〜PM20(図
6)が利用される。ただし、画像の解像度の測定におい
ては、第1の測定用局所パターン(図6)に含まれる平
行線パターンPTAa〜PTAh,PTBa〜PTBd
が利用される。なお、本実施例において、画像の解像度
の測定は、色光フィルタ420(図3)においてRフィ
ルタ、Gフィルタ、Bフィルタを通過した各色光につい
て行われる。ただし、色光フィルタを変更する場合に
は、各色光の画像のフォーカス状態を調整した後に画像
の解像度を測定することが望ましい。こうすれば、各色
光に応じた画像の解像度を正確に求めることが可能とな
る。
【0054】図11は、スクリーン上に表示されたテス
トパターン画像に含まれる平行線パターンの画像とその
平行線パターン画像の明暗の変化を示す説明図である。
なお、図11のX方向は、図10に示すスクリーン50
0上に表示されたテストパターン画像ITPのX方向と
同じである。
【0055】図11(A−1)は、図6の領域WAに含
まれる平行線パターンPTAdに従って表示された平行
線パターン画像IPTAdを示している。図中、ハッチ
を付した領域は、平行線パターンPTAdの遮光領域に
よって光が遮られた暗領域を示しており、他の領域は明
領域を示している。なお、図11(A−1)では、図示
の便宜上、明領域と暗領域との境界がはっきりと区分し
て描かれているが、実際には、明領域から暗領域へと次
第に変化している。図11(A−2)は、図11(A−
1)の画像データから得られるX方向の光の強度変化を
示しており、図11(A−1)の暗領域が強度の比較的
小さい部分に対応し、明領域が強度の比較的大きい部分
に対応している。
【0056】同様に、図11(B−1)は、図6の領域
WBに含まれる平行線パターンPTBaに従って形成さ
れた平行線パターン画像IPTBaを示している。図1
1(B−2)は、図11(B−1)の画像データから得
られるX方向の光の強度変化を示している。
【0057】図11(A−2),(B−2)に示すよう
な光の強度変化が得られると、画像の解像度を評価する
ための値であるMTF値(%)を、次の式(1)によっ
て算出する。
【0058】 MTF=[(LMmax−LMmin)/(LMmax+LMmin)]×100 …(1)
【0059】ここで、図11(A−2),(B−2)に
示すように、LMmax は、周期的に光の強度が変化する
領域における光の強度の最大値であり、LMmin は、周
期的に光の強度が変化する領域における光の強度の最小
値である。
【0060】なお、図11(A−2)に示すような光の
強度変化に基づくMTF値は、図11(A−1)から分
かるように、画像の明領域中に暗領域が表示される場合
の画像の解像度を評価するために求められる。一方、図
11(B−2)に示すような光の強度変化に基づくMT
F値は、図11(B−1)から分かるように、画像の暗
領域中に明領域が表示される場合の画像の解像度を評価
するために求められる。図11(A−2),(B−2)
では、このような2種類の明暗の変化に基づいてMTF
値を求める場合を示しているが、画像の解像度を評価す
るためには、少なくとも一方の種類のMTF値を求めれ
ばよい。
【0061】通常、平行線パターンのピッチが小さいほ
ど、図11(A−1),(B−1)に示すような光の強
度の変化量(LMmax −LMmin )が小さくなり、その
結果、MTF値が小さくなる傾向がある。光の強度の変
化量が小さい場合には、スクリーン上に表示される平行
線パターンの画像の明領域と暗領域とを明確に区別でき
なくなる。したがって、式(1)によって求められるM
TF値が所定の値よりも大きくなる場合には、その平行
線パターンの画像がうまく表示されていると判断するこ
とができ、一方、MTF値が所定の値より小さな場合に
は、その平行線パターンの画像がうまく表示されていな
いと判断することができる。
【0062】このように、図6のテストパターンTPに
含まれる複数の平行線パターンによって表される平行線
パターンの画像を用いて、MTF値を順次求めてゆけ
ば、検査対象である投写レンズ480によってうまく表
示することのできる画像の解像度を知ることができる。
例えば、図6の比較的大きなピッチの平行線パターンP
TAaについてのMTF値が所定の値より大きく、比較
的小さなピッチの平行線パターンPTAdについてのM
TF値が所定の値よりも小さくなるような場合には、平
行線パターンPTAaのピッチに相当する解像度まで、
うまく画像を表示できると判断することができる。
【0063】図6に示すように、本実施例のテストパタ
ーンTPでは、領域WA,WBのそれぞれに、パターン
の向きが異なる平行線パターンが設けられている。した
がって、向きの異なる平行線パターン(例えば、PTA
b)を用いることによって、スクリーン上におけるX方
向の画像の解像度だけでなく、Y方向の画像の解像度も
測定することが可能である。さらに、本実施例のテスト
パターンTP(図4)には、図7に示すような第2の測
定用局所パターンPMC1〜PMC4が含まれている。
したがって、第2の測定用局所パターンPMC1〜PM
C4を用いれば、第1の測定用局所パターンPM1〜P
M20内に含まれる各平行線パターンを用いた場合と異
なる方向(法線方向)についての画像の解像度を測定す
ることが可能となる。第1の測定用局所パターンPM1
〜PM20および第2の測定用局所パターンPMC1〜
PMC4に含まれる各平行線パターンは、本発明におけ
る第1の局所パターンに相当する。このように、第1の
局所パターンとしては、スクリーン上に表示される画像
において周期的な明暗を形成するようなものであればよ
い。
【0064】なお、本実施例では、図4の20個のブロ
ックのそれぞれにおいて、第1の測定用局所パターンP
M1〜PM20に含まれる平行線パターンを用いてMT
F値を求めている。また、各ブロックにおいては、第1
の測定用局所パターンに含まれる少なくとも2種類のピ
ッチの異なる平行線パターンについてのMTF値を求め
ることとしている。このように求められた各MTF値を
総合的に評価することによって、検査対象である投写レ
ンズ480について画像の解像度が決定される。
【0065】また、本実施例において検査対象としてい
る投写レンズ480は、その内部のレンズ系の配置(す
なわち、レンズ間の距離)を変更することにより、投写
される画像の大きさをワイド(大)、ミドル(中)、テ
レ(小)の3段階に変更することができる。このため、
本実施例においては、投写レンズ480のこのような複
数の表示倍率のそれぞれに関して、画像の解像度を測定
することとしている。こうすれば、投写レンズ480の
画像の解像度に関する特性を、使用状態に応じて調べる
ことができる。
【0066】以上のように、ステップS102では、式
(1)を用いてMTF値を求めているが、画像の解像度
を評価するための値としては、他の式を用いてもよい。
例えば、式(1)に外部からの光などに起因する外乱ノ
イズを補正するための補正式を追加したものを用いても
よい。一般には、画像の周期的な明暗の変化に基づいて
画像の解像度に関する値が決定されていればよい。
【0067】ステップS103(図9)では、投写レン
ズの特性値として、画像のフレア(広がり量)を求め
る。画像のフレアは、投写レンズ480の内部において
画像光の一部が反射されることに起因して発生する。す
なわち、投写レンズ内部のレンズ表面等において画像光
の一部が複数回反射されて射出されると、その画像光の
一部は、本来照射すべき領域と異なる領域を照射する場
合がある。このとき、スクリーン上に表示される画像
は、画像光の一部が反射されない場合に表示される画像
よりも大きくなる。ステップS103では、このような
画像のフレアを測定する。
【0068】ステップS103の処理では、ステップS
102の処理と同じく、図4のテストパターンTPに含
まれる第1の測定用局所パターンPM1〜PM20(図
6)が利用される。ただし、ステップS103では、図
6に示す第1の測定用局所パターンのうち、領域WBに
含まれる4種類の小孔パターンPHa〜PHdのみが利
用される。なお、本実施例の画像のフレアの測定は、色
光フィルタ420(図3)においてWフィルタを通過し
た白色の色光のみを用いて行われるが、Rフィルタ、G
フィルタ、Bフィルタを通過した色光について行うよう
にしてもよい。
【0069】図12は、スクリーン上に表示されたテス
トパターン画像に含まれる小孔パターンの画像の一例を
示す説明図である。なお、図12では、図8のスクリー
ン500の左上付近に表示される小孔パターンPHa
(図6)の画像IPHaが示されている。なお、小孔パ
ターン画像IPHaの形状は、図12に示すような卵形
に限られず、投写レンズによって種々の形状となり得
る。
【0070】図中、略円形の領域HA1は、画像光の一
部が投写レンズ内部で反射されないと仮定した場合に、
小孔パターンPHaによって照射されるべき明領域を示
している。領域HA1を含む卵形の領域HA2は、画像
光の一部が投写レンズ内部で実際に反射される場合に、
小孔パターンPHaによって照射される明領域を示して
いる。また、領域HA2の外側の領域BAは、光が照射
されていない暗領域を示しており、明領域HA2は暗領
域BA内で孤立している。この説明から分かるように、
本実施例の各小孔パターンPHa〜PHd(図6)が本
発明における第2の局所パターンに相当する。なお、第
2の局所パターンとしては、図6に示すような、略円形
の小孔パターンに限られず、他の形状のパターンを用い
てもよい。各領域における光の強度分布は、領域HA1
内で比較的大きく、領域HA1を除く領域HA2で比較
的小さくなっている。また、図12では、図示の便宜
上、各領域HA1,HA2,BAの境界がはっきりと区
分して描かれているが、実際には、それぞれ領域の境界
において光の強度は次第に変化している。
【0071】本実施例において、画像のフレアE(%)
は、次の式(2)で与えられる。
【0072】 E=(SHA2 /SHA1 )×100 …(2)
【0073】ここで、SHA1 は領域HA1の面積であ
り、SHA2 は領域HA1を含む領域HA2の面積であ
る。面積SHA1 は、図6の小孔パターンPHaの小孔の
面積と、画像の拡大率とを用いて決定することができ
る。なお、画像の拡大率は、例えば、図4のテストパタ
ーンTPに含まれる2つの正方局所パターンPSa,P
Sd間の距離と、図10のテストパターン画像ITPに
含まれる2つの正方局所パターン画像IPSa,IPS
d間の距離とを用いて計算することができる。また、面
積SHA2 は、図12に示すように撮像された画像データ
を、所定の閾値で2値化することによって求めることが
できる。
【0074】上記のように、本実施例では、領域HA1
の面積と領域HA2の面積とを用いて画像のフレアEを
決定しているが、他の方法を用いてもよい。例えば、領
域HA1の面積と、領域HA1を除いた領域HA2の面
積とを用いて画像のフレアを決定するようにしてもよ
い。あるいは、領域HA1の外周上の2点間の距離の最
大値(すなわち、領域HA1の直径)と、領域HA2の
外周上の2点間の距離の最大値とを用いて決定してもよ
い。一般には、画像内に孤立した明領域を用いて画像の
フレアに関連する値が決定されていればよい。
【0075】なお、本実施例では、図4の20個のブロ
ックのそれぞれにおいて、第1の測定用局所パターンP
M1〜PM20に含まれる小孔パターンを用いて画像の
フレアを測定することとしている。しかし、画像のフレ
アEは、投写レンズの中心軸から離れるに連れて、換言
すれば、スクリーン上に表示される画像の周辺に向かう
に連れて大きくなる傾向がある。したがって、スクリー
ン上に表示されるテストパターン画像の周辺に位置する
小孔パターン画像のみを用いて、画像のフレアを評価す
るようにしてもよい。
【0076】以上のステップS102,S103におい
て求められた投写レンズに起因する画像の解像度に関す
る特性値、および、画像のフレアに関連する特性値を用
いれば、投写レンズの良否を容易に判断することができ
る。なお、本実施例では、ステップS102,S103
において、順次、投写レンズの特性値を測定している
が、測定の順序は不問である。
【0077】以上、説明したように、本発明の投写レン
ズ検査装置は、スクリーン上に表示された画像のフォー
カス状態を調整した後に、調整後のテストパターン画像
の明暗の変化に基づいて特性値を算出する。これによ
り、投写レンズの特性を正確に検査することが可能とな
る。
【0078】なお、本発明は上記の実施例や実施形態に
限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の態様において実施することが可能であり、例
えば次のような変形も可能である。
【0079】(1)上記実施例では、図2に示すよう
に、画像光射出部としてテストパターンTPが形成され
た検査シート450(図4)を備える投写部400が用
いられているが、検査シート450に代えて、液晶ライ
トバルブを用いてもよい。こうしても、液晶ライトバル
ブに画像信号を供給することによって、図4のテストパ
ターンTPと同様のテストパターンを表す画像光を射出
することができる。また、テストパターンを複数種類用
いるような場合には、それに応じた画像信号を供給する
ことによって、容易にテストパターンの内容を変更する
ことが可能である。
【0080】また、上記実施例では、投写部400に光
源装置410が備えられているが、光源装置410を用
いずに画像光射出部を構成するようにしてもよい。例え
ば、画像光射出部として、高輝度ブラウン管を用いれ
ば、光源装置を省略することができる。また、高輝度ブ
ラウン管を用いる場合には、上記の液晶ライトバルブを
用いる場合と同様に、供給する画像信号に応じて、容易
にテストパターンの内容を変更することが可能である。
【0081】なお、液晶ライトバルブや高輝度ブラウン
管を用いる場合には、図9のステップS101における
画像の位置合わせは、液晶ライトバルブや高輝度ブラウ
ン管におけるテストパターンの表示位置を変更すること
によっても行うことができる。
【0082】(2)上記実施例では、スクリーン500
が投写面の裏側に画像を表示する透過型スクリーンであ
る場合について説明したが、スクリーンとしては、投写
面側に画像を表示するようなものを用いてもよい。ただ
し、この場合には、調整用撮像部や測定用撮像部などに
よって、スクリーン上におけるテストパターン画像の表
示が妨げられないように注意する必要がある。本実施例
のように、透過型スクリーン500を用いて、調整用撮
像部620a〜620dや測定用撮像部640などを投
写面の裏側に配置すれば、容易にテストパターン画像を
撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】投写型表示装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】本発明を適用した投写レンズ検査装置の一例を
示す説明図である。
【図3】図2の投写部400を+T方向から見たときの
様子を示す説明図である。
【図4】テストパターンTPが形成された検査シート4
50を示す説明図である。
【図5】図4のテストパターンTPに含まれる1つの正
方局所パターンPSaを拡大して示す説明図である。
【図6】図4のテストパターンTPに含まれる1つの第
1の測定用局所パターンPM1を拡大して示す説明図で
ある。
【図7】図4のテストパターンTPに含まれる1つの第
2の測定用局所パターンPMC1を拡大して示す説明図
である。
【図8】スクリーン500を+Z方向から見たときの調
整用撮像部620a〜620dおよび測定用撮像部64
0の配置を示す説明図である。
【図9】投写レンズの検査を行う際の一連の処理手順を
示すフローチャートである。
【図10】スクリーン500上に表示されたテストパタ
ーンTP(図4)の画像ITPを示す説明図である。
【図11】スクリーン上に表示されたテストパターン画
像に含まれる平行線パターンの画像とその平行線パター
ン画像の明暗の変化を示す説明図である。
【図12】スクリーン上に表示された図6の小孔パター
ンの画像の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
20…光源装置 100…照明光学系 1000…投写型表示装置 200…色光分離光学系 220…リレー光学系 300R,300G,300B…液晶ライトバルブ 320…クロスダイクロイックプリズム 340…投写レンズ SC…スクリーン 400…投写部 410…光源装置 412…光源ランプ 414…放物面リフレクタ 420…色光フィルタ 420c…中心軸 430,442…ミラー(全反射ミラー) 440…検査シート保持部 450…検査シート 460…6軸調整部 470…ダミープリズム 480…投写レンズ(被検レンズ) 500…スクリーン 500a…投写面 500b…表示面 510…ミラー(全反射ミラー) 600…検査部 610…処理部 620a〜620d…調整用撮像部 640…測定用撮像部 TP…テストパターン ITP…テストパターン画像 PSa〜PSd…正方局所パターン IPSa〜IPSd…正方局所パターン画像 PL…罫線局所パターン IPL…罫線局所パターン画像 PM1〜PM20…第1の測定用局所パターン PMC1〜PMC4…第2の測定用局所パターン PTAa〜PTAh…平行線パターン PTBa〜PTBd…平行線パターン IPTAd,IPTBa…平行線パターン画像 PHa〜PHd…小孔パターン IPHa…小孔パターン画像 n1…中心軸 n2…法線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投写型表示装置に用いられる投写レンズ
    を検査するための投写レンズ検査装置であって、 テストパターンを有し、前記テストパターンを表す画像
    光を射出する画像光射出部と、 前記投写レンズによって前記画像光が照射され、前記画
    像光の照射により前記テストパターンの画像を表示する
    スクリーンと、 前記スクリーン上に表示される前記テストパターンの画
    像を撮像する撮像部と、 前記テストパターンの画像のフォーカス状態を自動調整
    するフォーカス状態調整部と、 前記テストパターンの画像の明暗の変化に基づいて、前
    記投写レンズの特性値を算出する特性値算出部と、を備
    えることを特徴とする投写レンズ検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投写レンズ検査装置であ
    って、 前記フォーカス状態調整部は、前記画像光射出部におけ
    る前記テストパターンの空間的な位置を調整することに
    よって前記フォーカス状態の調整を実行する、投写レン
    ズ検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の投写レンズ検査装置であ
    って、 前記スクリーンは、画像光が投写される投写面の裏側か
    ら画像を観察可能な透過型スクリーンであり、 前記撮像部は、前記投写面の裏側に配置されている、投
    写レンズ検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の投写レンズ検査装置であ
    って、 前記テストパターンは、前記テストパターンの画像内に
    周期的な明暗を形成するための第1の局所パターンを含
    み、 前記投写レンズの特性値は、前記スクリーン上に表示さ
    れる前記第1の局所パターンの画像の周期的な明暗の変
    化に基づいて決定される画像の解像度に関する値であ
    る、投写レンズ検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の投写レンズ検査装置であ
    って、 前記テストパターンは、前記テストパターンの画像内に
    孤立した明領域を形成するための第2の局所パターンを
    含み、 前記投写レンズの特性値は、前記スクリーン上に表示さ
    れる前記第2の局所パターンの画像の前記明領域を用い
    て算出される画像のフレアに関連する値である、投写レ
    ンズ検査装置。
  6. 【請求項6】 投写型表示装置に用いられる投写レンズ
    を検査する方法であって、(a)テストパターンを表す
    画像光を射出する工程と、(b)前記投写レンズによっ
    て前記画像光をスクリーン上に照射し、前記スクリーン
    上に前記テストパターンの画像を表示する工程と、
    (c)前記スクリーン上に表示される前記テストパター
    ンの画像を撮像する工程と、(d)前記テストパターン
    の画像のフォーカス状態を自動調整する工程と、(e)
    前記テストパターンの画像の明暗の変化に基づいて、前
    記投写レンズの特性値を算出する工程と、を備えること
    を特徴とする投写レンズ検査方法。
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