JP3644309B2 - 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法 - Google Patents

投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3644309B2
JP3644309B2 JP15924099A JP15924099A JP3644309B2 JP 3644309 B2 JP3644309 B2 JP 3644309B2 JP 15924099 A JP15924099 A JP 15924099A JP 15924099 A JP15924099 A JP 15924099A JP 3644309 B2 JP3644309 B2 JP 3644309B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
projection lens
image
test pattern
screen
projection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15924099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000346746A (ja
Inventor
雅志 北林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP15924099A priority Critical patent/JP3644309B2/ja
Publication of JP2000346746A publication Critical patent/JP2000346746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3644309B2 publication Critical patent/JP3644309B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投写レンズを検査するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
投写型表示装置では、照明光学系から射出された光を、液晶パネルなどを用いて画像情報(画像信号)に応じて変調し、変調された光を投写レンズを用いてスクリーン上に投写することにより画像表示を実現している。
【0003】
図1は、投写型表示装置の一例を示す概略構成図である。投写型表示装置1000は、照明光学系100と、色光分離光学系200と、リレー光学系220と、3枚の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bと、クロスダイクロイックプリズム320と、投写レンズ340とを備えている。
【0004】
照明光学系100は、略平行な光を射出する光源装置20の他に、偏光発生光学系を備えており、偏光方向の揃った1種類の直線偏光光を射出する。照明光学系100から射出された光は、色光分離光学系200において赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。分離された各色光は、液晶ライトバルブ300R,300G,300Bにおいて画像情報に応じて変調される。液晶ライトバルブ300R,300G,300Bは、液晶パネルと、その光入射面側および光射出面側に配置された偏光板とによって構成されている。液晶ライトバルブ300R,300G,300Bにおいて変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズム320で合成され、投写レンズ340によってスクリーンSC上に投写される。これにより、スクリーンSC上に画像が表示されることとなる。なお、図1に示すような投写型表示装置の各部の構成および機能については、例えば、本願出願人によって開示された特開平10−325954号公報に詳述されているので、本明細書において詳細な説明は省略する。
【0005】
ところで、投写型表示装置1000に用いられる投写レンズ340は、その製造工程等のばらつきにより、その特性(色収差など)にもばらつきが生じることがある。投写レンズの特性のばらつきは、投写型表示装置1000によって表示される画像の品質に影響するため、投写型表示装置の出荷前には、投写レンズの特性が検査されている。
【0006】
従来では、投写レンズの特性の良否は、検査対象となる投写レンズを所定の投写型表示装置などに実装し、投写表示される画像を目視で確認することにより判断されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、投写画像を目視で確認することによって投写レンズの特性を検査する場合には、投写レンズの正確な特性値を得ることができず、また、その良否の判断基準も曖昧であるという問題があった。
【0008】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、投写レンズの特性を正確に検査することができる技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装置は、投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査するための投写レンズ検査装置であって、
テストパターンを有し、前記テストパターンを表す画像光を射出する画像光射出部と、
前記投写レンズによって前記画像光が照射され、前記画像光の照射により前記テストパターンの画像を表示するスクリーンと、
前記スクリーン上に表示される前記テストパターン画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像される前記テストパターン画像のフォーカス状態を自動調整するフォーカス状態調整部と、
前記テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて、前記投写レンズの特性値を算出する特性値算出部と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の投写レンズ検査装置では、スクリーン上に表示された画像のフォーカス状態を調整した後に、調整後のテストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて特性値を算出することができるので、投写レンズの特性を正確に検査することができる。
【0011】
上記の装置において、
前記フォーカス状態調整部は、前記画像光射出部における前記テストパターンの空間的な位置を調整することによって前記フォーカス状態の調整を実行するようにしてもよい。
【0012】
こうすれば、スクリーン上に表示されたテストパターン画像のフォーカス状態の調整を容易に行うことができる。
【0013】
上記の装置において、
前記スクリーンは、画像光が投写される投写面の裏側から画像を観察可能なリアスクリーンであり、
前記撮像部は、前記投写面の裏側に配置されていることが好ましい。
【0014】
このように、リアスクリーンを用いて、撮像部を投写面の裏側に配置すれば、撮像部がスクリーン上におけるテストパターン画像の表示を妨げてしまうという可能性を排除できる。したがって、テストパターン画像のフォーカス状態をうまく調整し、投写レンズの特性値を正確に算出することが可能となる。
【0015】
上記の装置において、
略矩形形状の前記テストパターンは、少なくともその周辺部の四隅に設けられた複数の局所パターンを有し、
前記特性値算出部は、
前記スクリーン上に表示された前記複数の局所パターンの画像の位置情報を用いて、前記投写レンズの特性値を算出することが好ましい。
【0016】
このようなテストパターンを用いれば、局所パターン画像の位置情報を利用して、投写レンズの特性値を正確に求めることができる。
【0017】
上記の装置において、
前記投写レンズの特性値は、画像の歪み量に関する値であるようにしてもよい。
【0018】
こうすれば、投写レンズに起因する画像の歪み量を評価することができる。
【0019】
また、上記の装置において、
前記投写レンズの特性は、投写レンズの焦点距離に関連する値であるようにしてもよい。
【0020】
こうすれば、投写レンズの焦点距離を評価することができる。
【0021】
また、上記の装置において、
前記画像光射出部は、少なくとも2種類の異なる色の画像光を個別に射出可能であり、
前記投写レンズの特性は、異なる色の画像光によって前記スクリーン上に表示された前記複数の局所パターンの画像の位置情報を用いて算出される投写レンズの色収差に関連する値であるようにしてもよい。
【0022】
こうすれば、投写レンズに起因する色収差を評価することができる。
【0023】
さらに、上記の装置において、
前記スクリーン上に表示された前記テストパターン画像のうち、前記局所パターン画像が形成されていない領域において、照度および色度を測定する分光特性測定部を備えるようにしてもよい。
【0024】
こうすれば、投写レンズに起因する照度および色度の相違を評価することができる。
【0025】
本発明の方法は、投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査する投写レンズ検査方法であって、
(a)テストパターンを表す画像光を射出する工程と、
(b)前記投写レンズによって前記画像光をスクリーン上に照射し、前記スクリーン上に前記テストパターンの画像を表示する工程と、
(c)前記スクリーン上に表示される前記テストパターン画像を撮像する工程と、
(d)撮像される前記テストパターン画像のフォーカス状態を自動調整する工程と、
(e)前記テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて、前記投写レンズの特性値を算出する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の方法を用いた場合にも、上記の装置と同様の作用・効果を有し、テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて特性値を算出することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
A.投写レンズ検査装置:
図2は、本発明を適用した投写レンズ検査装置の一例を示す説明図である。この装置は、図1の投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査するための装置である。投写レンズ検査装置は、検査対象である投写レンズ480が搭載される投写部400と、ミラー510と、スクリーン500と、検査部600とを備えている。この装置において、検査対象である投写レンズ480は、取り外し可能であり、他の投写レンズに容易に交換することができる。
【0028】
投写部400から射出された画像光(画像を表す光)は、ミラー510において反射され、スクリーン500を照射する。スクリーン500は、画像光が投写される投写面500aの裏面500b側から画像を観察可能な透過型スクリーンである。検査部600は、スクリーン500上に表示された画像を用いて、投写レンズ480の検査を行う。
【0029】
なお、以下の説明では、図2に示すように、検査装置は、スクリーン500の表示面500bと平行な面をXY平面とするXYZ直交座標系で表される。また、投写部400は、検査装置において、図示しない保持部によって、XZ平面に対し所定の角度だけ傾けて配置されている。このため、以下の説明では、投写部400を、XYZ直交座標系をX軸を中心として上記の所定の角度だけ回転させたSTU直交座標系で表す。なお、投写レンズ480の中心軸n1はSU平面に対し平行となっている。
【0030】
図3は、図2の投写部400を+T方向から見たときの様子を示す説明図である。図3に示すように、投写部400は、投写レンズ480の他に、光源装置410と、色光フィルタ420と、第1および第2のミラー430,442と、検査シート450と、検査シート保持部440と、検査シート保持部440の配置を調整するための6軸調整部460と、ダミープリズム470とを備えている。なお、検査シート保持部440は、第2のミラー442に触れないように検査シート450を保持している。図2では、図3に示す光源装置410と色光フィルタ420と第1のミラー430とは、6軸調整部460と検査シート保持部440とダミープリズム470と投写レンズ480よりも、+S方向(紙面奥手方向)に存在するため、便宜上、図示を省略している。
【0031】
なお、図3に示すように、投写部400は、図1の投写型表示装置において投写レンズが使用される場合とほぼ同様な光が投写レンズ480に入射されるように構成されている。すなわち、光源装置410は図1の光源装置20に対応し、検査シート450は図1の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bに対応し、ダミープリズム470は図1のクロスダイクロイックプリズム320に対応している。このような投写部400を備える検査装置を用いれば、投写型表示装置において投写レンズを使用する場合と同じような環境で、投写レンズを検査することができると考えられる。
【0032】
図3の光源装置410は、光源ランプ412と放物面リフレクタ414とを備えている。放物面リフレクタ414は、その凹面が回転放物面形状となっている。光源ランプ412は、回転放物面形状の凹面の焦点位置近傍に配置されている。この構成により、光源ランプ412から射出され、放物面リフレクタ414で反射された光は、略平行な光線束となって光源装置410から射出される。なお、光源ランプ412としては、メタルハライドランプや高圧水銀灯などが用いられる。また、放物面リフレクタ414としては、例えば、ガラスセラミックスで形成された回転放物体の凹面上に、誘電体多層膜や金属膜などの反射膜が形成されてものが利用される。
【0033】
色光フィルタ420は、光源装置410から射出される光に含まれる所定の色の色光を抽出する機能を有している。本実施例の色光フィルタ420は、略円板状の形状を有しており、中心軸420cを中心に回転可能である。色光フィルタ420には、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ、および、Wフィルタの4種類のフィルタおよび遮光部が5等分に区分して形成されている。なお、遮光部は、光源装置410から光が射出されている状態のままで、光を遮断したいときに用いられる。Rフィルタは、光源装置410から射出された光のうち、赤色の色光のみを透過させる機能を有している。同様に、GフィルタおよびBフィルタは、それぞれ緑色の色光、青色の色光のみを透過させる機能を有している。また、Wフィルタは、すべての色光(以下、白色の色光とも呼ぶ)を透過させる機能、すなわち、光源装置410から射出された光をそのまま射出する機能を有している。4種類のフィルタとしては、例えば、略円形のガラス板上に、4種類の色光をそれぞれ透過させるような誘電体多層膜を形成したものを利用できる。なお、Wフィルタとしては、誘電体多層膜が形成されていないガラス領域をそのまま利用してもよい。
【0034】
第1および第2のミラー430,442は、光源装置410から射出され、色光フィルタ420を通過した色光を投写レンズ480に導くための導光手段としての機能を有している。第1および第2のミラーとしては、すべての色光を反射するような誘電体多層膜が形成されたミラーや金属ミラーなどを用いることができる。
【0035】
検査シート保持部440は、検査シート450を保持する機能を有している。検査シート450は、ガラスなどの透光性の板材に、遮光部となるテストパターンが形成されたものである。
【0036】
図4は、テストパターンTPが形成された検査シート450を示す説明図である。図4に示す検査シート450には、その周辺部の四隅に4つの略正方形状の局所パターン(以下、「正方局所パターン」とも呼ぶ)PSa〜PSdが形成されており、また、複数の直線状の局所パターン(以下、「直線局所パターン」とも呼ぶ)PLが格子状に形成されている。本明細書においては、正方局所パターンPSa〜PSdや直線局所パターンPLなどの全てパターンをまとめてテストパターンTPと呼んでいる。なお、図4のテストパターンTPでは、4つの正方局所パターンPSa〜PSdと複数の直線局所パターンPLとが形成されている領域以外には、局所パターンが全く形成されていないが、他の局所パターンを形成するようにしてもよい。
【0037】
図5は、図4のテストパターンTPに含まれる1つの正方局所パターンPSaを拡大して示す説明図である。図示するように、正方局所パターンPSaは、その内側に9つの正方形の透光部を含んでいる。他の正方局所パターンPSb〜PSdについても同じである。
【0038】
なお、図4に示すテストパターンTPは、図1の液晶ライトバルブ300R,300G,300Bにおいて画像光が形成される有効表示領域とほぼ同じ大きさ(約26.64mm×約19.98mm)に設定されている。テストパターンTPに含まれる直線局所パターンPLは、約0.1〜約0.2mmの線幅で形成されている。また、正方局所パターンPSa〜PSdは、図5に示すように、その一辺が約0.4mmの大きさで形成されている。
【0039】
検査シート保持部440(図3)は、6軸調整部460に固定されており、6軸調整部460を制御することによって、検査シート保持部440の配置が調整される。6軸調整部460は、図中、S方向,T方向,U方向の平行移動、および、S軸,T軸,U軸を中心とする回転の可能な6つの可動ステージが組み合わされたものである。この6軸調整部460を制御することにより、検査シート保持部440に保持された検査シート450の空間的な配置を調整することができる。換言すれば、6軸調整部460の制御によって、テストパターンTPの空間的な配置が調整される。
【0040】
ダミープリズム470は、前述したように、図1の投写型表示装置のクロスダイクロイックプリズム320に対応して設けられている。図1に示すクロスダイクロイックプリズム320では、3つの液晶ライトバルブ300R,300G,300Bから射出された光を合成するために「X」字状の薄膜が内部に設けられている。しかし、本検査装置においてはこの薄膜は不要なため、クロスダイクロイックプリズム320と同じ立方体形状のガラス体に反射防止コーティングを施したものが、ダミープリズム470として用いられている。
【0041】
検査対象である投写レンズ480は、順次取り替えて検査装置に実装される。本実施例において、投写レンズ480は、図示しない保持部に固定して設置される。
【0042】
以上の投写部400の構成により、光源装置20(図3)から射出された光は、色光フィルタ420を通過した後に、第1および第2のミラー430,442で反射される。第2のミラー442で反射された光は、検査シート450を通過することによって、テストパターンTPの画像を表す画像光となって射出される。この画像光は、ダミープリズム470を通過した後、投写レンズ480によって投写される。この説明からも分かるように、本実施例における投写レンズ480を除く投写部400が、本発明の画像光射出部に相当する。
【0043】
ところで、図2に示すように、本実施例の投写部400では、投写レンズ480の中心軸n1と、検査シート450の中心を通る法線n2とが、所定の距離だけずれている。これは、投写型表示装置における「あおり投写」の状態を模擬するためである。投写レンズ480は、このようなあおり投写状態において、歪みのない画像を投写表示するように設計されている。なお、投写レンズ480の中心軸n1と検査シート450の中心を通る法線n2とが一致しないような投写は、通常、「完全あおり投写」と呼ばれている。
【0044】
図2の検査部600は、処理部610と、スクリーン500の四隅の近傍に配置された4つの撮像部620a〜620dと、1つの分光特性測定部640とを備えている。処理部610は、撮像部620a〜620dおよび分光特性測定部640と電気的に接続されている。処理部610は、撮像部620a〜620dによって得られる画像データや、分光特性測定部640によって得られる測定結果を処理して、投写レンズの特性値を算出する機能を有するコンピュータである。また、処理部610は、投写部400の6軸調整部460とも電気的に接続されている。処理部610は、撮像部620a〜620dによって得られた画像データを解析し、その解析結果に基づいて、6軸調整部460を制御する。なお、上述したように、6軸調整部460を制御することによって、テストパターンTPの空間的な配置が調整されるので、テストパターン画像のフォーカス状態(後述する)が調整されることとなる。
【0045】
この説明からも分かるように、本実施例の処理部610が本発明における特性値算出部に相当し、処理部610と6軸調整部460とがフォーカス状態調整部に相当する。
【0046】
図6は、スクリーン500を+Z方向から見たときの撮像部620a〜620dおよび分光特性測定部640の配置を示す説明図である。図示するように、4つの撮像部620a〜620dは、スクリーン500の四隅にそれぞれが設けられており、図示しない移動機構によってXY平面内で移動可能である。撮像部620a〜620dは、スクリーン500上に表示されたテストパターンTPの画像を撮像し、撮像した画像データを処理部610(図2)に伝送する。また、分光特性測定部640は、スクリーン500の中央付近に設けられている。分光特性測定部640は、スクリーン500上に表示された画像の明るさに関する値を測定し、測定結果を処理部610(図2)に伝送する。
【0047】
処理部610は、撮像部620a〜620dから伝送された画像データを処理して、また、分光特性測定部640から伝送された測定結果を処理して、以下に説明するような手法で投写レンズ480の特性値を求める。
【0048】
B.投写レンズの特性検査:
図7は、投写レンズの検査を行う際の一連の処理手順を示すフローチャートである。ステップS101では、スクリーン500上に表示された画像のフォーカス状態の調整と、表示された画像の位置合わせを行う。なお、ステップS101においては、図3の光源装置410から射出された光は、色光フィルタ420においてWフィルタを通過するように設定されている。このとき、図4の検査シート450から射出された画像光に従ってスクリーン500上に表示されるテストパターン画像は、テストパターンTPの透光部に相当する領域が白色となり遮光部に相当する領域が黒色となる白黒画像となっている。
【0049】
図8は、スクリーン500上に表示されたテストパターンTP(図4)の画像ITPを示す説明図である。ただし、図8のテストパターン画像ITPには、図4のテストパターンTPに含まれる4つの正方局所パターンPSa〜PSdに従って表示される4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdと、テストパターンTPの外縁を構成する直線局所パターンPLに従って表示される直線局所パターン画像IPLのみが図示されている。なお、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdは、説明の便宜上、かなり拡大して描かれている。
【0050】
テストパターン画像ITPをスクリーン500上に最初に表示した際には、フォーカス状態が悪く画像がぼけている場合がある。このため、ステップS101(図7)では、まず、テストパターン画像ITPのフォーカス状態を調整する。なお、本明細書において、「フォーカス状態が良い」とは、合焦点状態となっていることを意味し、「フォーカス状態が悪い」とは、合焦点状態となっていないことを意味する。
【0051】
フォーカス状態の調整においては、まず、図6の4つの撮像部620a〜620dを用いて4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdをそれぞれ探す。正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの探索は、処理部610にテストパターンTPのパターン情報を予め入力しておき、正方局所パターンPSa〜PSdのパターン情報とほぼ一致するような画像領域をパターンマッチングによって自動的に探すことによって行われる。あるいは、ユーザが撮像部620a〜620dによって撮像された画像を確認しながら行うようにしてもよい。
【0052】
4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdが見つかると、撮像された4つの正方局所パターン画像のフォーカス状態の良否を調べる。フォーカス状態の良否は、撮像された画像データを用いて判断される。例えば、撮像された画像データを用いて、白黒画像の白色領域と黒色領域の境界におけるエッジ強度を調べ、エッジ強度の大小によってフォーカス状態の良否を判断することができる。すなわち、エッジ強度のようなフォーカス状態の良否を示す特定の指標値を用いることによって、合焦点状態か否かを判断できる。
【0053】
各正方局所パターン画像IPSa〜IPSdについての指標値が得られると、4つの指標値に基づいて6軸調整部460を制御し、検査シート450(テストパターンTP)の空間的な配置を調整する。この後、再度、各正方局所パターン画像IPSa〜IPSdについての指標値を求める。このようにして、6軸調整部の調整と、4つの指標値の算出とを繰り返しながら、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdについての指標値がほぼ等しくなり、かつ、最も大きくなるような位置を、テストパターン画像ITPのフォーカス状態が良好となる位置として決定する。
【0054】
また、図8に示すように、テストパターン画像ITPをスクリーン500上に最初に表示した際には、テストパターン画像ITPの中心ITPcが、スクリーン500の中心500cとずれている場合がある。ここで、テストパターン画像の中心ITPcとは、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの位置を頂点とする四角形領域の2つの対角線の交点を意味している。なお、本実施例において、正方局所パターン画像の位置とは、正方局所パターン画像の画像の中心の位置を意味する。ステップS101(図7)においては、画像のフォーカス状態が調整された後に、画像の位置合わせを行う。
【0055】
具体的には、図8に示すテストパターン画像ITPの中心ITPcが、スクリーン500の中心500cと一致するように、6軸調整部460を制御し、検査シート450(テストパターンTP)の配置を調整する。また、本実施例においては、スクリーン500上に表示された2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSbの位置が、X方向にほぼ平行となるように、検査シート450(テストパターンTP)の配置が調整される。こうすれば、検査シート450が、検査シート保持部440の所定の位置にうまく取り付けられていない場合にも、実質的に所定の位置に取り付けられたように補正をすることができる。なお、画像の位置合わせが行われた際には、再度、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdのフォーカス状態が確認される。
【0056】
ステップS101(図7)においてテストパターン画像ITPのフォーカス状態の調整および位置合わせが終了すると、ステップS102〜S105において、投写レンズの特性を検査する。
【0057】
ステップS102(図7)では、投写レンズの特性値として、画像の歪み量を求める。図9は、スクリーン上に表示されたテストパターン画像ITPを示す説明図である。図示するように、投写表示されたテストパターン画像ITPには、投写レンズ480に依存する画像歪みが生じる場合がある。ステップS102では、各正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの位置情報に基づいて、画像の歪み量を測定する。なお、正方局所パターン画像の位置情報とは、正方局所パターン画像の中心の座標値を意味する。本実施例では、画像の歪み量ε(%)は、2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSb間のX方向の距離IDabと、2つの正方局所パターン画像IPSc,IPSd間のX方向の距離IDcdとを用いて、次の式(1)で与えられる。
【0058】
ε=2[(IDab−IDcd)/(IDab+IDcd)]×100……(1)
【0059】
なお、画像の歪み量εは、式(1)に代えて、他の式を用いても同様に評価することができ、例えば、次の式(2)を用いてもよい。
【0060】
ε=[(IDab−IDcd)/IDab]×100 ……(2)
【0061】
また、式(1)では、画像の歪み量は、X方向の2つの距離IDab,IDcdを用いて求められているが、これに代えて、2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSc間のY方向の距離と、2つの正方局所パターン画像IPSb,IPSd間のY方向の距離とを用いて求めるようにしてもよい。あるいは、2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSb間の直線距離と、2つの正方局所パターン画像IPSc,IPSd間の直線距離とを用いても歪み量をうまく見積もることができる可能性がある。一般に、テストパターン画像に含まれる複数の局所パターン画像から得られる位置情報を用いて画像の歪み量に関する値が決定されていればよい。こうすれば、画像の歪み量に関し、投写レンズの評価をかなり正確に行うことができる。
【0062】
なお、本実施例の画像の歪み量の測定は、色光フィルタ420(図3)においてWフィルタを通過した白色の色光のみでなく、Rフィルタや、Gフィルタ、Bフィルタを通過した各色光についても行われる。ただし、色光フィルタを変更する場合には、各色光の画像のフォーカス状態を調整した後に画像の歪み量を測定することが望ましい。こうすれば、各色光に応じた画像の歪み量を正確に求めることが可能となる。
【0063】
ステップS103(図7)では、投写レンズの焦点距離を求める。なお、焦点距離の測定は、色光フィルタ420においてWフィルタを通過した白色の色光のみを用いて行われる。
【0064】
図10は、スクリーン上に表示されたテストパターン画像ITPを示す説明図である。本実施例において、投写レンズの焦点距離は、2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSd間の直線距離IDadを用いて求められる。図11は、検査シート450と投写レンズ480とスクリーン500との関係を示す説明図である。図1に示す投写型表示装置に用いられる投写レンズは、テレセントリック光学系を構成している。このような光学系を構成する投写レンズ480では、図11に示すような関係が成り立つので、投写レンズ480の焦点距離Fは、ほぼ次の式(3)で見積もることができる。
【0065】
F≒L1=(Dad/IDad)・L2 ……(3)
【0066】
ここで、L1は投写レンズ480と検査シート450との距離、L2は投写レンズ480とスクリーン500との距離、Dadは図4のテストパターンTPにおける2つの正方局所パターンPSa,PSd間の直線距離である。
【0067】
式(3)において、距離Dadおよび距離L2は、それぞれテストパターンTP(図4)および検査装置(図2)の設計値によって決定される定数である。したがって、焦点距離Fは、距離IDad、すなわち、2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSd間の直線距離によって決定される。
【0068】
式(3)では、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの位置を頂点とする四角形領域における対角線の長さを用いて焦点距離Fを求めているが、他の方法によって焦点距離Fを求めることも可能である。例えば、上記の四角形領域のY方向に並ぶ2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSc間の直線距離を用いて焦点距離Fを求めるようにしてもよい。ただし、対角線の長さの方が、Y方向に並ぶ2つの正方局所パターン画像IPSa,IPSc間の直線距離より大きいため、より正確に焦点距離を求めることができる可能性が高い。また、2つの正方局所パターン画像間の距離に代えて、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの位置を頂点とする四角形領域の面積を用いて焦点距離Fを求めるようにしてもよい。
【0069】
また、本実施例では、投写レンズの焦点距離Fは、式(3)を用いてほぼ正確に求められているが、複数の投写レンズのばらつきを検査するような場合には、正確な焦点距離Fを求める必要はあまりない。式(3)において、焦点距離Fは、距離IDadのみによって変化する。したがって、正確な焦点距離Fを求める必要のない場合には、距離IDadをそのまま焦点距離に関連する値として用いても投写レンズの焦点距離Fの評価を行うことができる。すなわち、一般には、テストパターン画像に含まれる複数の局所パターン画像から得られる位置情報を用いて投写レンズの焦点距離に関連する値が決定されていればよい。こうすれば、焦点距離に関する投写レンズの評価をかなり正確に行うことができる。
【0070】
ステップS104(図7)では、投写レンズの特性値として、色収差を示す指標値を求める。ステップS104では、色光フィルタ420(図3)を順次回転させ、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタの3種類の色フィルタを通過した色光によって表示された4つの正方局所パターン画像の位置情報を用いて、色収差を示す指標値が求められる。なお、色光フィルタを変更した際には、各色光毎にフォーカス状態が調整され、調整後の正方局所パターンの位置情報を用いて色収差を示す指標値が以下の手順で求められる。
【0071】
図12は、2種類の色光によってスクリーン上に表示された2種類のテストパターン画像を一緒に示す説明図である。図12中、実線で示す4つの正方局所パターン画像IPSGa〜IPSGdを含むテストパターン画像ITPGは、Gフィルタを通過した緑色の色光によって表示された画像である。破線で示す4つの正方局所パターン画像IPSBa〜IPSBdを含むテストパターン画像ITPBは、Bフィルタを通過した青色の色光によって表示された画像である。なお、図12では、青色の色光によって表示されたテストパターン画像ITPBの方が、緑色の色光によって表示されたテストパターン画像ITPGよりも大きくなっているが、実際には、この逆の関係になることもある。本実施例では、色収差を示す次の4つの指標値Xab,Xcd,Yac,Ybdは、次の式(4)に従って決定される。
【0072】
Xab=(IDCab−IDGab)/2
Xcd=(IDCcd−IDGcd)/2
Yac=(IDCac−IDGac)/2
Ybd=(IDCbd−IDGbd)/2 ……(4)
【0073】
ここで、IDGabは、図12に示すように、緑色色光によって表示された2つの正方局所パターン画像IPSGa,IPSGb間のX方向の距離である。同様に、IDGcdは、2つの正方局所パターン画像IPSGc,IPSGd間のX方向の距離である。また、IDGac,IDGbdは、それぞれ2つの正方局所パターン画像IPSGa,IPSGc間のY方向の距離、および、2つの正方局所パターン画像IPSGb,IPSGd間のY方向の距離である。
【0074】
また、式(4)中、IDCab,IDCcd,IDCac,IDCbdは、上記の4つの距離IDGab,IDGcd,IDGac,IDGbdと同様に、青色色光によって表示された4つの正方局所パターン画像IPSBa〜IPSBdにおけるX方向およびY方向の距離である。
【0075】
ところで、上記のように求められた色収差を示す4つの指標値Xab,Xcd,Yac,Ybdは、1つの正方局所パターンに対応する2種類の正方局所パターン画像の移動距離を示している。例えば、(Xab,Yac)は、正方局所パターンPSa(図4)に対応する緑色の正方局所パターン画像IPSGaと青色の正方局所パターン画像IPSBaとの、X方向およびY方向の移動距離を示している。他の組み合わせ(Xab,Ybd)、(Xcd,Yac)、(Xcd,Ybd)についても同様である。したがって、この4つの値Xab,Xcd,Yac,Ybdを求めることにより、投写レンズに起因する色収差を評価することが可能である。
【0076】
なお、図12では、青色色光と緑色色光によって表示されたテストパターン画像ITPB,ITPGを用いて色収差を示す4つの指標値Xab,Xcd,Yac,Ybdを求める場合が示されているが、本実施例では、さらに、赤色色光と緑色色光に関しても、同様に、色収差の指標値Xab,Xcd,Yac,Ybdを求める。このとき、式(4)のIDCab,IDCcd,IDCac,IDCbdとしては、赤色色光によって表示された4つの正方局所パターン画像の位置情報を用いて決定される値を用いる。なお、本実施例において緑色色光を基準として色収差の指標値を求めているのは、緑色色光の波長が、青色色光から赤色色光までの中間の波長を有するためである。
【0077】
上記のように、本実施例では、赤,緑,青の3種類の色光を用いて、緑色の色光を基準とする2種類の色収差に関して、4つの指標値Xab,Xcd,Yac,Ybdをそれぞれ求めているが、緑色を基準とする1種類の色収差に関してのみ、これらの4つの指標値を求めるようにしてもよい。また、赤色色光や青色色光を基準として色収差に関連する値を求めるようにしてもよい。さらに、上記4つの指標値の代わりに、色収差に関連した他の値を求め、その値によって色収差の良否を評価するようにしてもよい。一般には、少なくとも2種類の異なる色の色光によってスクリーン上に表示された複数の局所パターン画像の位置情報を用いて、投写レンズの色収差に関連する値を決定すればよい。
【0078】
ステップS105(図7)では、図6に示す分光特性測定部640を用いて、投写された画像の照度Yおよび色度(x,y)を測定する。なお、照度Yは、XYZ表色系における刺激値Yであり、色度(x,y)は、xy色度図における座標値である。なお、照度および色度の測定は、色光フィルタ420(図3)においてWフィルタを通過した白色の色光のみを用いて行われる。
【0079】
本実施例において、照度Yおよび色度(x,y)は、スクリーン500の中央付近においてのみ測定される。ただし、図4に示すように、テストパターンTPの中央付近には直線局所パターンPLが存在しているので、この直線局所パターン画像が表示されていない領域で測定を行う必要がある。テストパターンTPの中央付近の直線局所パターン画像の位置は、4つの正方局所パターン画像IPSa〜IPSdの位置情報から推定することができる。したがって、直線局所パターン画像が存在すると予想される領域を避けて、分光特性測定部640を配置することができる。これにより、直線局所パターンPLの画像が形成されていない領域において、照度Yおよび色度(x,y)をうまく測定することができる。
【0080】
ところで、光源ランプ412(図3)は、通常、時間が経つに連れて劣化し、輝度が低下する。そこで、本実施例においては、検査対象である投写レンズを用いて検査を行う前に、常に、標準となる投写レンズを用いて検査を行うようにしている。処理部610は、標準の投写レンズを用いた場合の測定結果を照度および色度の基準値として記録する。検査対象である投写レンズを用いた場合の照度および色度の測定結果は、照度および色度の基準値を用いて補正して評価される。こうすれば、検査日時の異なる測定結果でも、同じように評価することが可能となる。
【0081】
以上のステップS102〜S105において求められた投写レンズの特性値を用いれば、投写レンズの良否を容易に判断することができる。なお、本実施例では、ステップS102〜S105において、順次、投写レンズの4種類の特性値を測定しているが、測定の順序は不問である。
【0082】
以上、説明したように、本発明の投写レンズ検査装置は、スクリーン上に表示された画像のフォーカス状態を調整した後に、調整後のテストパターン画像から得られる位置情報を用いて特性値を算出する。これにより、投写レンズの特性を正確に検査することが可能となる。
【0083】
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0084】
(1)上記実施例では、図2に示すように、画像光射出部としてテストパターンTPが形成された検査シート450(図4)を備える投写部400が用いられているが、検査シート450に代えて、液晶ライトバルブを用いてもよい。こうしても、液晶ライトバルブに画像信号を供給することによって、図4のテストパターンTPと同様のテストパターンを表す画像光を射出することができる。また、テストパターンを複数種類用いるような場合には、それに応じた画像信号を供給することによって、容易にテストパターンの内容を変更することが可能である。
【0085】
また、上記実施例では、投写部400に光源装置410が備えられているが、光源装置410を用いずに画像光射出部を構成するようにしてもよい。例えば、画像光射出部として、高輝度ブラウン管を用いれば、光源装置を省略することができる。また、高輝度ブラウン管を用いる場合には、上記の液晶ライトバルブを用いる場合と同様に、供給する画像信号に応じて、容易にテストパターンの内容を変更することが可能である。
【0086】
なお、液晶ライトバルブや高輝度ブラウン管を用いる場合には、図7のステップS101における画像の位置合わせは、液晶ライトバルブや高輝度ブラウン管におけるテストパターンの表示位置を変更することによっても行うことができる。
【0087】
(2)上記実施例では、スクリーン500が投写面の裏側から画像を観察可能なリアスクリーンである場合について説明したが、スクリーンとしては、投写面側から画像を観察可能なものを用いてもよい。ただし、この場合には、撮像部や分光特性測定部などによって、スクリーン上におけるテストパターン画像の表示が妨げられないように注意する必要がある。本実施例のように、リアスクリーン500を用いて、撮像部620a〜620dや分光特性測定部640などを投写面の裏側に配置すれば、容易にテストパターン画像を撮像することができる。
【0088】
(3)上記実施例のテストパターンTPでは、その周辺部の四隅に図5に示すような正方局所パターンPSa〜PSdが形成されているが、周辺部の四隅に形成される局所パターンとしては、他の形状のパターンを利用することも可能である。また、本実施例においては、周辺部の四隅に形成された正方局所パターン画像IPSa〜IPSdは、投写レンズの特性値の算出のみでなく、画像のフォーカス状態の調整や位置合わせにも利用されているが、それぞれの用途に応じた局所パターンを別途設けるようにしてもよい。投写レンズの特性値を算出する際に用いられる局所パターンとしては、スクリーン上に表示されたときに局所パターンの位置を特定できるようなものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】投写型表示装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明を適用した投写レンズ検査装置の一例を示す説明図である。
【図3】図2の投写部400を+T方向から見たときの様子を示す説明図である。
【図4】テストパターンTPが形成された検査シート450を示す説明図である。
【図5】図4のテストパターンTPに含まれる1つの正方局所パターンPSaを拡大して示す説明図である。
【図6】スクリーン500を+Z方向から見たときの撮像部620a〜620dおよび分光特性測定部640の配置を示す説明図である。
【図7】投写レンズの検査を行う際の一連の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】スクリーン500上に表示されたテストパターンTP(図4)の画像ITPを示す説明図である。
【図9】スクリーン上に表示されたテストパターン画像ITPを示す説明図である。
【図10】スクリーン上に表示されたテストパターン画像ITPを示す説明図である。
【図11】検査シート450と投写レンズ480とスクリーン500との関係を示す説明図である。
【図12】2種類の色光によってスクリーン上に表示された2種類のテストパターン画像を一緒に示す説明図である。
【符号の説明】
20…光源装置
100…照明光学系
1000…投写型表示装置
200…色光分離光学系
220…リレー光学系
300R,300G,300B…液晶ライトバルブ
320…クロスダイクロイックプリズム
340…投写レンズ
SC…スクリーン
400…投写部
410…光源装置
412…光源ランプ
414…放物面リフレクタ
420…色光フィルタ
420c…中心軸
430,442…ミラー
440…検査シート保持部
450…検査シート
460…6軸調整部
470…ダミープリズム
480…投写レンズ
500…スクリーン
500a…投写面
500b…表示面
510…ミラー
600…検査部
610…処理部
620a〜620d…撮像部
640…分光特性測定部
PSa〜PSd…正方局所パターン
IPSa〜IPSd…正方局所パターン画像
TP…テストパターン
ITP…テストパターン画像
PL…直線局所パターン
IPL…直線局所パターン画像
n1…中心軸
n2…法線

Claims (10)

  1. 投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査するための投写レンズ検査装置であって、
    テストパターンを有し、前記テストパターンを表す画像光を射出する画像光射出部と、
    前記投写レンズによって前記画像光が照射され、前記画像光の照射により前記テストパターンの画像を表示するスクリーンと、
    前記スクリーン上に表示される前記テストパターン画像を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像される前記テストパターン画像のフォーカス状態を自動調整するフォーカス状態調整部と、
    前記テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて、前記投写レンズの焦点距離に関連する値を含む前記投写レンズの特性値を算出する特性値算出部と、
    を備えることを特徴とする投写レンズ検査装置。
  2. 投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査するための投写レンズ検査装置であって、
    テストパターンを有し、前記テストパターンを表す画像光を射出する画像光射出部と、
    前記投写レンズによって前記画像光が照射され、前記画像光の照射により前記テストパターンの画像を表示するスクリーンと、
    前記スクリーン上に表示される前記テストパターン画像を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像される前記テストパターン画像のフォーカス状態を自動調整するフォーカス状態調整部と、
    前記テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて、前記投写レンズの色収差に関連する値を含む前記投写レンズの特性値を算出する特性値算出部と、
    を備えることを特徴とする投写レンズ検査装置。
  3. 請求項1または2記載の投写レンズ検査装置であって、
    略矩形形状の前記テストパターンは、少なくともその周辺部の四隅に設けられた複数の局所パターンを有し、
    前記特性値算出部は、
    前記スクリーン上に表示された前記複数の局所パターンの画像の位置情報を用いて、前記投写レンズの前記特性値を算出する、投写レンズ検査装置。
  4. 請求項記載の投写レンズ検査装置であって、
    前記画像光射出部は、少なくとも2種類の異なる色の画像光を個別に射出可能であり
    略矩形形状の前記テストパターンは、少なくともその周辺部の四隅に設けられた複数の局所パターンを有し、
    前記特性値算出部は、
    なる色の画像光によって前記スクリーン上に表示された前記複数の局所パターンの画像の位置情報を用いて、前記投写レンズの色収差に関連する値を算出する、投写レンズ検査装置。
  5. 請求項3または4記載の投写レンズ検査装置であって、さらに、
    前記スクリーン上に表示された前記テストパターン画像のうち、前記局所パターン画像が形成されていない領域において、照度および色度を測定する分光特性測定部を備える、投写レンズ検査装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の投写レンズ検査装置であって、
    前記フォーカス状態調整部は、前記画像光射出部における前記テストパターンの空間的な位置を調整することによって前記フォーカス状態の調整を実行する、投写レンズ検査装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の投写レンズ検査装置であって、
    前記スクリーンは、画像光が投写される投写面の裏側から画像を観察可能なリアスクリーンであり、
    前記撮像部は、前記投写面の裏側に配置されている、投写レンズ検査装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の投写レンズ検査装置であって、
    前記投写レンズの前記特性値は、さらに、画像の歪み量に関する値を含む、投写レンズ検査装置。
  9. 投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査する投写レンズ検査方法であって、
    (a)テストパターンを表す画像光を射出する工程と、
    (b)前記投写レンズによって前記画像光をスクリーン上に照射し、前記スクリーン上に前記テストパターンの画像を表示する工程と、
    (c)前記スクリーン上に表示される前記テストパターン画像を撮像する工程と、
    (d)撮像される前記テストパターン画像のフォーカス状態を自動調整する工程と、
    (e)前記テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて、前記投写レンズの焦点距離に関連する値を含む前記投写レンズの特性値を算出する工程と、
    を備えることを特徴とする投写レンズ検査方法。
  10. 投写型表示装置に用いられる投写レンズを検査する投写レンズ検査方法であって、
    (a)テストパターンを表す画像光を射出する工程と、
    (b)前記投写レンズによって前記画像光をスクリーン上に照射し、前記スクリーン上に前記テストパターンの画像を表示する工程と、
    (c)前記スクリーン上に表示される前記テストパターン画像を撮像する工程と、
    (d)撮像される前記テストパターン画像のフォーカス状態を自動調整する工程と、
    (e)前記テストパターン画像から得られる特定の位置情報を用いて、前記投写レンズの色収差に関連する値を含む前記投写レンズの特性値を算出する工程と、
    を備えることを特徴とする投写レンズ検査方法。
JP15924099A 1999-06-07 1999-06-07 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法 Expired - Fee Related JP3644309B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15924099A JP3644309B2 (ja) 1999-06-07 1999-06-07 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15924099A JP3644309B2 (ja) 1999-06-07 1999-06-07 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000346746A JP2000346746A (ja) 2000-12-15
JP3644309B2 true JP3644309B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=15689417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15924099A Expired - Fee Related JP3644309B2 (ja) 1999-06-07 1999-06-07 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3644309B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7001023B2 (en) * 2003-08-06 2006-02-21 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. Method and system for calibrating projectors to arbitrarily shaped surfaces with discrete optical sensors mounted at the surfaces
KR102345791B1 (ko) * 2019-03-19 2021-12-31 가부시키가이샤 피에프에이 카메라 모듈 제조 장치 및 카메라 모듈 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000346746A (ja) 2000-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN208060922U (zh) 投影镜头及投影仪
TW557354B (en) Lens inspection equipment and inspection sheet
JP3893922B2 (ja) レンズの評価方法およびレンズ評価装置
JP2007041529A (ja) 投射光学系の製造方法及び投射光学系
TWI484283B (zh) 影像計算量測方法、影像計算量測裝置及影像檢查裝置
US6760096B2 (en) Lens-evaluating method and lens-evaluating apparatus
JP2012532314A (ja) デジタルゲージ付きの光学コンパレータ
US7048390B2 (en) Producing method of optical device, positioning master, optical device and projector
JP3644309B2 (ja) 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法
JP3644311B2 (ja) 投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法
JP3707474B2 (ja) 光軸調整装置、光学ユニットの製造方法、およびプロジェクタの製造方法
TW535007B (en) Position adjusting device for optical device, method for adjusting position of optical modulating device, and its initial position adjusting clamp
JP4100075B2 (ja) プロジェクタ検査装置およびプロジェクタ検査方法
KR20040075115A (ko) 조명 광학 유닛의 제조 방법, 조명 광학 유닛의 제조장치, 이 제조 방법에 의해 제조된 조명 광학 유닛 및프로젝터
JP2012002612A (ja) 校正用ボード及びこの校正用ボードを備えた校正用装置
JP3807201B2 (ja) 投写レンズ検査シート、投写レンズ検査装置および投写レンズ検査方法
JP2006208472A (ja) 光学装置の製造装置、その製造方法、およびプロジェクタ
KR20130005847U (ko) 비 텔레센트릭 전압 이미징 광학 시스템(ntvios)
JP2003270093A (ja) レンズ検査装置、およびレンズ検査方法
JP3716745B2 (ja) 光変調装置の位置調整装置
JP2008241495A (ja) 検査装置
JP4228704B2 (ja) レンズ検査装置
JP2008139812A (ja) プロジェクタを構成する光学部品の調整装置、及び調整方法
JP2003075345A (ja) 光量補正フィルタの透過率測定装置および透過率測定方法
JPH0587679A (ja) 光学系評価装置及び光学系評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees