JP4380311B2 - 欠陥検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハや液晶基板などの欠陥を検査する欠陥検査装置に関する。
半導体回路素子や液晶表示素子の製造工程では、半導体ウエハや液晶基板(総じて「基板」という)の表面に形成された繰り返しパターンの欠陥検査が行われる。自動化された欠陥検査装置では、チルト可能なステージの上に基板を載置し、基板の表面に検査用の照明光を照射し、基板上の繰り返しパターンから発生する光(例えば回折光や正反射光)に基づいて基板の画像を取り込み、この画像の輝度情報に基づいて繰り返しパターンの欠陥を検出する。
検査用の照明光としては、ライトガイドファイバからの光をコリメートしたものが用いられる(例えば特許文献1を参照)。この場合、図5に示す通り、ライトガイドファイバの光出射面51からコリメート光学系52までの距離が、コリメート光学系52の焦点距離f0と等しく保たれる。そして、コリメート光学系52からの平行光が、検査用の照明光として基板53に導かれる。
特開2001−108637号公報
ところで、ライトガイドファイバから出射した光の強度分布が角度的に不均一で、出射角度の小さい光軸付近ほど強度が高く光軸から離れるにしたがって強度が減少する場合には、その不均一さが基板53での強度分布に反映されると不都合である。ライトガイドファイバから出射した光のうち光軸付近の光は強度がほぼ均一と見なせるため、上記のコリメート光学系52の焦点距離f0を長くすることによって、光軸付近の光のみを選択的に照明光として用い、基板53での強度分布を均一化することが考えられる。しかし、図5から分かるように、コリメート光学系52の焦点距離f0を長くすると、その分だけ欠陥検査装置も大型化してしまう。このような傾向は、ライトガイドファイバの光出射面51での開口数が小さいほど顕著である。
本発明の目的は、ライトガイドファイバから出射した光の強度分布が角度的に不均一であっても、装置を大型化せずに基板を照明する光の強度分布を均一化することができる欠陥検査装置を提供することにある。
本発明の欠陥検査装置は、被検基板に照明光を照射する照明手段と、前記照明光の照射により前記被検基板から発生した光に基づいて、前記被検基板の像を形成する結像手段とを備え、前記照明手段は、ライトガイドファイバと、該ライトガイドファイバの光出射面の変倍像を投影する第1光学系と、該第1光学系からの光をコリメートして前記照明光を生成する第2光学系とを有し、前記ライトガイドファイバの光出射面の直径φLと、該光出射面での開口数NALと、前記第1光学系の倍率βと、前記第2光学系の焦点距離fとは、予め定めた定数k(ただし0<k<1)と、前記被検基板の直径φWと、該被検基板での開口数NAWとに対して、次の条件式(1),(2)を満足するとともに、前記第1光学系は、前記被検基板に共役な視野絞りを含み、前記視野絞りはチルト機構を備え、前記被検基板は、チルト調整可能なステージで保持され、前記ステージのチルト調整に応じて前記視野絞りをチルトさせるものである。
φL ≧ 2・f・NAW / β…(1)
NAL・k≧ β・φW /(2・f)…(2)
なお、前記第1光学系は、ケプラー型ビームエキスパンダであっても良い
また、前記第1光学系は、両側テレセントリックであっても良い
また、前記第1光学系は、前記被検基板に共役な視野絞りを含み、前記定数kは、前記視野絞りの直径に応じて設定されるものであっても良い
また、前記視野絞りを用い、前記照明光による照明領域の形状を調整する調整手段を備えても良い
また、前記ライトガイドファイバは石英ガラス系であり、前記定数kは0.6であっても良い
なお、本明細書では、縮小像と拡大像とを総じて「変倍像」という。つまり、本明細書における「変倍像」とは、倍率βを等倍以外の倍率(つまり縮小倍率または拡大倍率)に変更した系による像を意味し、ズーム系による像の意味ではない。
本発明の欠陥検査装置によれば、ライトガイドファイバから出射した光の強度分布が角度的に不均一であっても、装置を大型化せずに基板を照明する光の強度分布を均一化することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の欠陥検査装置10は、図1に示すように、被検基板である半導体ウエハ11を支持するステージ12と、半導体ウエハ11に照明光L1を照射する照明系13と、半導体ウエハ11からの戻り光L2に基づいて半導体ウエハ11の像を形成する結像系14と、撮像素子15と、画像処理装置16とで構成される。欠陥検査装置10は、半導体回路素子の製造工程において、半導体ウエハ11の表面(例えば最上層のレジスト膜)に形成された繰り返しパターンの欠陥検査を自動的に行う装置である。繰り返しパターンとは、周期的に繰り返される線配列形状の回路パターンである。
ステージ12の説明を行う。ステージ12は、不図示の搬送系によってウエハカセットまたは現像装置から搬送されてきた半導体ウエハ11を上面に載置し、例えば真空吸着により固定保持する。また、不図示のチルト機構によって、半導体ウエハ11の表面を通る軸Ax(紙面と垂直な軸)のまわりに所定の角度範囲内でチルト可能である。ステージ12をチルト調整することにより、結像系14に導かれる戻り光L2の種類(回折光や正反射光や散乱光のうち何れか)を選択したり、ピッチの異なる繰り返しパターンの欠陥検査を行うことができる。
照明系13の説明を行う。照明系13は、ランプハウス21と、ライトガイドファイバ22と、縮小系(23〜26)と、凹面反射鏡27とで構成された偏心光学系であり、半導体ウエハ11側に対してテレセントリックである
ランプハウス21の内部には、不図示の光源と楕円鏡が収納されている。光源は、メタルハライドランプや水銀ランプなどの放電光源であり、紫外域から可視域(例えば200nm〜500nm程度の波長域)の光を射出する。楕円鏡は、光源からの光を反射して、ライトガイドファイバ22の光入射面22aに集光する。楕円鏡の楕円率は、光入射面22aに入射する光の角度範囲が、ライトガイドファイバ22の開口数NAL以上となるように定められている。また、ランプハウス21の内部には波長選択フィルタも収納され、例えば紫外域の光が選択される。
ライトガイドファイバ22は、ランプハウス21から光入射面22aを介して入射した光を伝送し、他方の光出射面22bから縮小系(23〜26)に向けて光L3を出射する。光出射面22bは照明系13の瞳面に相当する。本実施形態では、ライトガイドファイバ22として石英ガラス系のものを用いる。石英ガラス系は、波長200nm付近の深紫外光の伝送に適した特性を有し、その開口数NALが非常に小さい(0.2程度)。
また、ライトガイドファイバ22は、数10μm〜数100μmの光ファイバ素線を多数束ねたものであり、光ファイバ素線の配列が光入射面22aと光出射面22bとでランダムになっている(バンドル型ランダムライトガイドファイバ)。このため、光入射面22aに入射する光の強度分布が空間的に不均一であっても、光出射面22bから出射する光L3の強度分布を空間的に均一化することができる。
さらに、ライトガイドファイバ22から出射する光L3の強度は、出射角度の小さい光軸付近ほど強度が高く光軸から離れるにしたがって強度が減少するような分布を有する(図2参照)。図2の角度θ1は、ライトガイドファイバ22の開口数NAL(0.2程度)に応じた角度である。このように、光L3の強度分布は開口数NALに応じた角度θ1の近傍では小さくなっているが、光軸付近(角度θ2の範囲内)の光は強度がほぼ均一と見なすことができる。石英ガラス系の場合、均一な強度と見なせる角度θ2の範囲は、開口数NALに応じた角度θ1の約60%の範囲である。したがって、その範囲内に含まれる(均一な強度と見なせる)光軸付近の光のみを、選択的に照明光L1として用いることにする。その範囲とは、開口数NAL(0.2程度)×0.6(=開口数0.12)に応じた角度0〜θ2の範囲である。この場合、角度0の光量に対して最大で約20%減となる。
次に、縮小系(23〜26)は、ライトガイドファイバ22の光出射面22bの縮小像を投影する光学系であり、光出射面22b側から順に、レンズ23と視野絞り24とレンズ25と開口絞り26とで構成される。開口絞り26は、ライトガイドファイバ22の光出射面22bと共役である。開口絞り26の配置面に光出射面22bの縮小像が投影される。視野絞り24は、半導体ウエハ11の表面と共役である。
レンズ23,25は、互いに焦点距離が異なり、ケプラー型の配置となっている。つまり、図3に示す通り、レンズ23から視野絞り24までの距離がレンズ23の焦点距離f1と等しく、視野絞り24からレンズ25までの距離がレンズ25の焦点距離f2と等しく保たれ、両側テレセントリックである。さらに、焦点距離f1に比べて焦点距離f2の方が短いため、レンズ23,25を備えた縮小系(23〜26)の倍率βは、縮小倍率となる(β=f2÷f1)。丁度、ケプラー型ビームエキスパンダを縮小系として配置した形となっている
次に、凹面反射鏡27は、縮小系(23〜26)からの光L4をコリメートして半導体ウエハ11への照明光L1を生成する光学系であり、曲面の内側が反射面となっている。凹面反射鏡27は、前側焦点が上記の開口絞り26と略一致し、後側焦点が半導体ウエハ11の表面と略一致するように、ステージ12の斜め上方に配置される。凹面反射鏡27を反射後の光学系の光軸O1は、ステージ12の中心を通り、ステージ12のチルト軸Axに直交する。ちなみに、開口絞り26から凹面反射鏡27までの距離と、凹面反射鏡27から半導体ウエハ11の表面までの距離は、各々、凹面反射鏡27の焦点距離fと等しく保たれる。
そして、本実施形態の欠陥検査装置10では、さらに、照明系13のライトガイドファイバ22の直径φLおよび開口数NALが、次の条件式(1),(2)を満足するように構成されている。ここで、fは凹面反射鏡27の焦点距離、NAWは半導体ウエハ11上での照明光の開口数、φWは半導体ウエハ11上での照明領域の直径、βは縮小系(23〜26)の倍率である。
φL ≧ 2・f・NAW / β …(1)
NAL・k ≧ β・φW /(2・f) …(2)
条件式(1)は、半導体ウエハ11を均一に照明するために必要な、ライトガイドファイバ22の光出射面22bの直径φLの大きさを、縮小系(23〜26)の倍率βと、凹面反射鏡27の焦点距離fと、半導体ウエハ11での開口数NAWとを用いて表したものである。条件式(2)は、半導体ウエハ11を均一に照明するために必要な、ライトガイドファイバ22の光出射面22bでの開口数NALの大きさを、定数kと、縮小系(23〜26)の倍率βと、凹面反射鏡27の焦点距離fと、半導体ウエハ11の直径φWとを用いて表したものである。
定数k(本実施形態では0.6)は、既に説明した石英ガラス系のライトガイドファイバ22において、光出射面22bから出射した光束と、そのうち均一な強度と見なせる光束の開口の比率(近似的には図2の角度θ1に対する角度θ2の比率)を表している。この定数kは、照明系13の視野絞り24の直径に応じて設定される。
上記の条件式(1),(2)を満足するためには、必要な検査条件である半導体ウエハ11の直径φWと半導体ウエハ11での開口数NAWとの積(φW×NAW)が、開口絞り26の位置と、視野絞り24の位置と、ライトガイドファイバ22の光出射面22bと、の各々で維持されるように構成する必要がある。つまり、各々の位置における光束径と開口数との積が、上記の積(φW×NAW)と等しいか、それ以上の値となるように構成する。
例えば、半導体ウエハ11の照明領域の直径φWが300mm、半導体ウエハ11での開口数NAWが0.005とすると、これらの積(φW×NAW)は1.5となる。そして、この“1.5”を定数として条件式(1),(2)を満足するように、例えば、ライトガイドファイバ22の光出射面22bでの光束径(つまり直径φL)を12.5mm、開口数NAL×0.6を0.12とする。このとき例えば、開口絞り26の位置では、光束径(絞り径)を9mm、開口数を0.167とし、視野絞り24の位置では、光束径を10mm、開口数を0.15とすれば、ライトガイドファイバ22からの光束を「φW×NAW≧1.5」の関係を保ったまま、半導体ウエハ11上に照明することができる。
この場合、ライトガイドファイバ22の直径φLと開口絞り26の直径φS2から、縮小系(23〜26)の倍率βは0.72倍となる。さらに、レンズ25の焦点距離f2は30mm、凹面反射鏡27の焦点距離fは900mm、視野絞り24の位置から半導体ウエハ11の位置への投影倍率は30倍である。
次に、ライトガイドファイバ22の光出射面22bから出射した光L3が、縮小系(23〜26)と凹面反射鏡27とを介して照明光L1となり、半導体ウエハ11に照射されるまでの様子を説明する。
ライトガイドファイバ22の光出射面22bから出射した光L3は、直径φL=12.5mm、開口数NAL=0.2であり、この開口数NALに応じた角度θ1の範囲(図2参照)内で強度分布が不均一になっている。光L3は、レンズ23(図3)を介して平行光に変換された後、視野絞り24に入射する。
このときの光束径は、約17mmであり、視野絞り24の直径(10mm)よりも大きい。また、レンズ23から視野絞り24に入射した光は、ライトガイドファイバ22から出射した光L3の射出角度により、図2に示すような強度分布を有する。つまり、中心部の光軸付近ほど強度が高く光軸から離れるほど強度が減少するような強度分布となっている。
しかし、レンズ23から視野絞り24に入射したときの光束径(約17mm)は、視野絞り24の直径(10mm)よりも大きいため、レンズ23から視野絞り24に入射した光のうち中心部の光L5(光束径10mmで均一な強度と見なせる光軸付近の光L5)のみが、選択的に視野絞り24を通過してレンズ25に到達する。周辺部(強度の低い部分)の光は、視野絞り24により遮断される。
視野絞り24の直径(10mm)は、上記した条件式(2)の定数k(=0.6)を設定するものである。この結果、レンズ23から射出した光のうち、中心部の光の強度に対して約80%までの強度の光L5が視野絞り24を通過する。光L5は、ライトガイドファイバ22の開口数NALに応じた角度θ1の範囲(図2参照)のうち、約60%の角度θ2の範囲内で射出した光に相当する。視野絞り24による選択の結果、光L5の強度分布は、図4に示す通り、ほぼ均一と見なせるようになる。なお、光L5は、開口数が0.15である。
視野絞り24からの光L5は、レンズ25(図3)を介した後、開口絞り26位置に縮小像を形成する。このときの光束径は開口絞り26の直径(9mm)と同じであり、開口数は0.166である。つまり、縮小系(23〜26)の倍率β(0.72倍)に応じて、光束径が小さくなり、開口数が大きくなったことになる。
開口絞り26に到達した光は、開口絞り26を通過して(光L4)、凹面反射鏡27(図1)に向かう。そして、凹面反射鏡27を介して平行光に変換された後、検査用の照明光L1として半導体ウエハ11に導かれる。照明光L1による半導体ウエハ11での強度分布は、光L4の強度分布(図4参照)を反映した均一なものとなる。
このように、欠陥検査装置10の照明系13において、ランプハウス21からの光は、光学素子(22〜27)を介して照明光L1となり、半導体ウエハ11の表面全体(直径φW=300mm)に均一な強度で照射される。また、照明光L1の開口数NAWは0.005である。照明光L1の光束の主光線の方向は、光軸O1に略平行な光束である。
既に説明した通り、ライトガイドファイバ22の光出射面22bから出射した光L3は強度分布が均一なため、照明光L1の開口数NAWに応じた角度範囲内で、照明光L1の角度的な強度分布も均一となる。つまり、半導体ウエハ11の表面は、空間的にも角度的にも均一な強度で良好に照明されたことになる。
このようにして照明光L1が照射されると、半導体ウエハ11の表面に形成された繰り返しパターンからは、回折光や正反射光や散乱光(戻り光L2)が発生する。戻り光L2の強度は、繰り返しパターンの欠陥箇所と正常箇所とで異なる。結像系14の光軸O2に沿って進行する戻り光L2の種類(回折光や正反射光や散乱光のうち何れか)は、ステージ12のチルト調整により選択できる。チルト調整は、例えば、予め検査レシピに登録された繰り返しパターンのピッチと照明光L1の波長に基づいて行えばよい。
次に、結像系14の説明を行う。結像系14は、凹面反射鏡31とレンズ32とで構成された偏心光学系である。凹面反射鏡31は、上記の凹面反射鏡27と同様の反射鏡であり、その光軸O2が、ステージ12の中心を通り、チルト軸Axに直交するように配置されている。また、凹面反射鏡31の前側焦点は半導体ウエハ11の表面と略一致し、レンズ32の後側焦点は撮像素子15の撮像面と略一致する。
上記の結像系14において、半導体ウエハ11の表面に形成された繰り返しパターンから発生した戻り光L2は、凹面反射鏡31の光軸O2に沿って進行した後、凹面反射鏡31とレンズ32を介して集光され、撮像素子15の撮像面上に到達する。撮像素子15の撮像面には、戻り光L2による半導体ウエハ11の像が形成される。
次に、撮像素子15と画像処理装置16の説明を行う。撮像素子15は、例えばCCD撮像素子などであり、撮像面に形成された半導体ウエハ11の像を撮像して検査用のウエハ画像を生成し、画像処理装置16に出力する。画像処理装置16は、撮像素子15から検査用のウエハ画像を取り込み、ウエハ画像の輝度情報(明暗差)に基づいて、繰り返しパターンの欠陥を検出する。この検出処理は、予め記憶させた良品ウエハの画像(検査基準画像)とのパターンマッチングや、予め学習させた検査基準画像の特徴との相違点の有無を調べることにより行われる。繰り返しパターンの欠陥箇所とは、デフォーカスによる膜厚むら、パターン形状の異常、傷などである。
本実施形態の欠陥検査装置10では、半導体ウエハ11の表面に対して、空間的にも角度的にも均一な強度分布の照明光L1を照射するため、半導体ウエハ11の表面から発生する戻り光L2の強度が欠陥か否かを正確に反映したものとなる。したがって、簡単な画像処理によって、半導体ウエハ11の繰り返しパターンの欠陥箇所を正確に検出することができる。その結果、欠陥検出率が向上し、疑似欠陥の発生を回避でき、効率的な欠陥検査を行える。また、半導体プロセスでの歩留まり向上が図られると同時に、無駄な戻り作業を減少させ、コスト削減が可能となる。
さらに、本実施形態の欠陥検査装置10では、必要な検査条件(つまり半導体ウエハ11の直径φWと半導体ウエハ11での開口数NAW)に対して、上記の条件式(1),(2)を満足するように、照明系13の光学素子(22〜27)を構成したことにより、ライトガイドファイバ22から出射した光L3の強度分布が射出角度により不均一(図2参照)であっても、凹面反射鏡27の焦点距離fを長くせずに、半導体ウエハ11の強度分布を均一化することができる。
例えば上記例では、凹面反射鏡27の焦点距離fが900mmである。これに対し、同じ検査条件(半導体ウエハ11の直径φW=300mm)で、同じ石英ガラス系のライトガイドファイバ22を用い、図5のコリメート光学系52の焦点距離f0を長くすることにより強度分布を均一化する場合には、その焦点距離f0が1250mmとなる。
この比較からも分かるように、本実施形態の欠陥検査装置10では、凹面反射鏡27の焦点距離fを長くせずに半導体ウエハ11の強度分布を均一化することができ、装置の大型化を確実に回避できる。
また、本実施形態の欠陥検査装置10では、縮小系(23〜26)をケプラー型ビームエキスパンダとしたため、半導体ウエハ11に対してテレセントリックな照明を行うことができる。さらに、縮小系(23〜26)に視野絞り24を配置したので、照明光L1による半導体ウエハ11の照明領域を検査領域と同じ大きさに限定することができ、ノイズ光を低減できる。このためS/N比のよい良好な欠陥検査を行える。
さらに、本実施形態の欠陥検査装置10では、視野絞り24にチルト機構を設け、視野絞り24をチルトさせることにより、照明光L1による照明領域の形状を調整することができる。視野絞り24のチルト軸はステージ12のチルト軸Axと平行である。このような視野絞り24をステージ12のチルト角に応じて調整することにより、照明光L1の光束の主光線方向から見たときの半導体ウエハ11(楕円形状)の短軸の長さが変化しても、照明光L1による照明領域を同様の楕円形(例えば相似形)に設定できる。その結果、照明領域が半導体ウエハ11から外れるのを防ぐので、ノイズ光を低減でき、S/N比のよい良好な欠陥検査を行える。視野絞り24をチルトさせる代わりに、絞り形状の異なる複数の視野絞りを予め用意しておき、ステージ12のチルト角に応じて交換しても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の欠陥検査装置10では、石英ガラス系のライトガイドファイバ22を用いると共に、条件式(2)の定数kを0.6に設定したため、装置を大型化せずに、紫外光(例えば波長200nm付近の深紫外光)による均一な強度分布の照明が実現する。その結果、繰り返しパターンの微細化などにも対応でき、紫外光による良好な欠陥検査を行うことができる。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、条件式(2)の定数kを0.6としたが、本発明はこれに限定されない。半導体ウエハ11における強度分布の均一性をさらに高めたい場合には、定数kを0.6より小さくすればよい。また逆に、強度分布の均一性よりも照明光L1の光量を優先したい場合には、定数kを0.6より大きくすればよい。何れにしても、定数kの調整は、“0<k<1”を満足する範囲内で、視野絞り24の直径を拡大または縮小することにより簡単に行える。
また、上記した実施形態では、石英ガラス系のライトガイドファイバ22を例に説明したが、本発明は多成分ガラス系のライトガイドファイバにも適用できる。この場合、条件式(2)の定数Kは、石英ガラス系と同様の“0.6”でも構わないが、多成分ガラス系のライトガイドファイバから出射する光の強度分布に応じて、“0<k<1”を満足する範囲内で、最適な値を設定することが好ましい。
さらに、上記した実施形態では、具体的な数値例として、条件式(1),(2)の“=”に相当する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。ライトガイドファイバ22の光出射面22bの直径φLを“2・f・NAW / β”より大きくしても構わないし、ライトガイドファイバ22の光出射面22bでの開口数NALと定数kとの積を“β・φW /(2・f)”より大きくしても構わない。
また、上記した実施形態では、縮小系(23〜26)を両側テレセントリックなケプラー型ビームエキスパンダとしたが、本発明はこれに限定されない。ライトガイドファイバ22の光出射面22bの縮小像を投影できれば、その他の構成を用いても構わない。さらに、視野絞り24を省略することもできる。開口絞り26を省略してもよい。
さらに、上記した実施形態では、縮小系(23〜26)のうち、焦点距離の異なる2つの集光光学系を、屈折光学系(レンズ23,25)により構成したが、本発明はこれに限定されない。縮小系(23〜26)の集光光学系を反射光学系により構成してもよい。また、凹面反射鏡27,31を屈折光学系で構成してもよい。さらに、欠陥検査装置10と異なり、固定されたステージに対して照明系と結像系が可動な場合にも適用できる。また、バンドル型ランダムライトガイドファイバ(22)に限らず、他の構成のライトガイドファイバを用いた場合にも本発明を適用できる。
また、上記した実施形態では、半導体ウエハ11を被検基板としたが、本発明はこれに限定されない。液晶表示素子の製造工程において、液晶基板(液晶ディスプレイパネル)を被検基板として欠陥検査を行う場合にも本発明を適用できる。また、欠陥検査装置の画像処理装置16により欠陥検出処理を行う場合に限らず、欠陥検査装置に接続された外部のコンピュータを用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
さらに、上記した実施形態では、ライトガイドファイバ22から開口絞り26までの倍率βを縮小倍率としたが、本発明はこれに限定されない。倍率βを拡大倍率とした場合(拡大系)にも、本発明を適用できる。ライトガイドファイバ22の開口数に対して、照明光の強度分布が被検面の照明領域よりも広い範囲にわたって均一である場合には(例えば照明領域が小さい場合)、ライトガイドファイバ22から開口絞り26までの倍率βを照明領域に応じた所定の拡大倍率とすれば、ファイバ端面からの射出光を有効に使用することができる。
本実施形態の欠陥検査装置10の全体構成を示す図である。 ライトガイドファイバ22から出射した光L3の角度的な強度分布を説明する図である。 縮小系(23〜26)を説明する図である。 縮小系(23〜26)の視野絞り24を通過した後の光L5の角度的な強度分布を説明する図である。 従来の構成を説明する図である。
符号の説明
10 欠陥検査装置
11 半導体ウエハ
12 ステージ
13 照明系
14 結像系
15 撮像素子
16 画像処理装置
21 ランプハウス
22 ライトガイドファイバ
23,25,32 レンズ
24 視野絞り
26 開口絞り
27,31 凹面反射鏡

Claims (4)

  1. 被検基板に照明光を照射する照明手段と、
    前記照明光の照射により前記被検基板から発生した光に基づいて、前記被検基板の像を形成する結像手段とを備え、
    前記照明手段は、ライトガイドファイバと、該ライトガイドファイバの光出射面の変倍像を投影する第1光学系と、該第1光学系からの光をコリメートして前記照明光を生成する第2光学系とを有し、
    前記ライトガイドファイバの光出射面の直径φLと、該光出射面での開口数NALと、前記第1光学系の倍率βと、前記第2光学系の焦点距離fとは、予め定めた定数k(ただし0<k<1)と、前記被検基板の直径φWと、該被検基板での開口数NAWとに対して、次の条件式を満足するとともに、
    φL ≧ 2・f・NAW / β
    NAL・k ≧ β・φW /(2・f)
    前記第1光学系は、前記被検基板に共役な視野絞りを含み、
    前記視野絞りはチルト機構を備え、
    前記被検基板は、チルト調整可能なステージで保持され、
    前記ステージのチルト調整に応じて前記視野絞りをチルトさせる
    ことを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 請求項1に記載の欠陥検査装置において、
    前記第1光学系は、ケプラー型ビームエキスパンダである
    ことを特徴とする欠陥検査装置。
  3. 請求項1に記載の欠陥検査装置において、
    前記第1光学系は、両側テレセントリックである
    ことを特徴とする欠陥検査装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の欠陥検査装置において、
    前記ライトガイドファイバは、石英ガラス系であり、
    前記定数kは、0.6である
    ことを特徴とする欠陥検査装置。
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