JP3625953B2 - 外観検査用投光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大型液晶ガラス基板などの外観検査に用いられる外観検査用投光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶ディスプレイのガラス基板の品質を安定して保つため、基板上のレジストなどの膜厚のむらやIOT膜上のピンホールなどの外観検査を始め、基板上に印刷されたパターンの乱れやむら、あるいは基板表面に付着したごみや傷などの外観検査が極めて重要になっている。
【0003】
しかして、従来、このような外観検査には、外観検査用投光装置が用いられるが、このような外観検査用投光装置のうち基板上のレジストなどの膜厚のむらやIOT膜上のピンホールなどの外観検査に適したものとして、図3に示すように光源1の背部に楕円回転ミラー2を配置し、光源1からの照明光を、楕円回転ミラー2で反射させ熱線吸収フィルタ3を介してゲート4に集め、さらにフィルタ5を通して集光用フレネルレンズ6に入射させて平行光束に規制し、この集光用フレネルレンズ6により規制される平行光束中に被検査部材としてガラス基板7を所定の角度を持たせて配置して、このガラス基板7面をむらなく照明するとともに、ガラス基板7面より発生される微小な散乱光を観察者9の目視により観察することで、基板上のレジストなどの膜厚のむらやIOT膜上のピンホールなどの欠陥部8を検出するようにしたものがある。
【0004】
また、基板上に印刷されたパターンの乱れやむら、あるいは基板表面に付着したごみや傷などの外観検査に適したものとして、図3と同一部分には同符号を付した図4に示すように集光用フレネルレンズ6により規制される平行光束中に、さらに投光用フレネルレンズ10を配置し、この投光用フレネルレンズ10による光束の収束位置Aの手前の光路中に被検査部材としてのガラス基板7を所定の角度を持たせて配置し、このガラス基板7面をむらなく照明するとともに、ガラス基板7からの反射光の収束位置Sの近傍から、ガラス基板7面より発生される微小な散乱光を観察者9の目視により観察することで、基板上に印刷されたパターンの乱れやむら、あるいは基板表面に付着したごみや傷などの欠陥部11を検出するようにしたものがある。
ところで、最近、液晶ディスプレイは、ますます大型化の傾向にあり、これにともない、これに用いられるガラス基板も大型化される傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように構成したものは、いずれもガラス基板が大型化されると、この時のガラス基板の大きさとほぼ同じ大きさの集光用フレネルレンズ6や投光用フレネルレンズ10が必要となるため、これら集光用フレネルレンズ6や投光用フレネルレンズ10は、ますます大型化する傾向にあるが、現在の技術では、レンズ径を必要以上に大きくすることは、レンズ性能を一定に保つ上で製作が困難であり、また、これによりガラス基板7上をむらなく照明するのも難しくなることから、外観検査の信頼性が低下するという問題があり、さらに大型の集光用フレネルレンズ6や投光用フレネルレンズ10を使用すると、焦点距離も大きくなるため、図示のように縦型タイプのものでは、高さ方向の寸法が著しく大きくなり、装置の大型化も避けられないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、大型基板に対しても基板全体をむらなく照明でき、信頼性の高い外観検査を行うことができ、しかも装置の小型化も図れる外観検査用投光装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、大型基板面に照明光を照射して目視により欠陥を検査する外観検査装置において、前記大型基板を照明する照明光源と、前記照明光源と前記大型基板との間の照明光路に複数分割して配置され、前記照明光源の照明光軸に対して所定の角度ずらして前記照明光源からの照明光を収束させて前記大型基板を照明する分割フレネルレンズとを備えたことを特徴とする。
【0010】本発明によれば 第1の光学手段として照明用光源に対して複数に分割された小型のフレネルレンズを使用することにより、レンズ性能を一定に保つことが容易で、レンズ製作も簡単なものにでき 焦点距離の小さい小型のフレネルレンズを用いることが可能となり、装置の小型化も図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態を適用した外観検査用投光装置の概略構成を示している。この場合の外観検査用投光装置は、基板上のレジストなどの膜厚のむら、IOT膜上のピンホールや膜下の外観検査に適用されるものを示している。
【0012】
図において、21は光源で、この光源21の背部には楕円回転ミラー22を配置している。この楕円回転ミラー22は、光源21からの照明光を反射して熱線吸収フィルタ23を介してゲート24に集めるようにしている。
【0013】
同様に、25は光源で、この光源25の背部には楕円回転ミラー26を配置し、この楕円回転ミラー26により、光源25からの照明光を反射して熱線吸収フィルタ28を介してゲート29に集めるようにしている。、
そして、これらゲート24、29を通った照明光をフィルタ(グリーン、イエロー、偏光板など)30、31を各別に通して集光用フレネルレンズ32に照射するようにしている。
【0014】
この場合、集光用フレネルレンズ32は、焦点距離が同一の2個の分割集光用フレネルレンズ321、322から構成していて、分割集光用フレネルレンズ321には、光源21からの照明光を、分割集光用フレネルレンズ322には、光源25からの照明光をそれぞれ照射し、これら照明光を平行光束に規制するようにしている。この時、これら光源21、25の、それぞれの照明光軸21a、25aに対して分割集光用フレネルレンズ321、322のそれぞれの光軸321a、322aを所定角度ずらして配置している。
【0015】
また、2個の分割集光用フレネルレンズ321、322からなる集光用フレネルレンズ32は、例えば、レンズの型を用意し、この型にレンズ材料を流し込むことにより、焦点距離が同一の分割集光用フレネルレンズ321、322を一体に形成したもの、焦点距離が同一の2個の分割集光用フレネルレンズ321、322を用意し、これら分割集光用フレネルレンズ321、322の間を融着して一体化構成としたもの、あるいは所定の枠体を用意し、この枠体内に焦点距離が同一の2個の分割集光用フレネルレンズ321、322を嵌め込むように構成したものなどが考えられる。
【0016】
分割集光用フレネルレンズ321、322により規制される平行光束中に、さらに投光用フレネルレンズ33を配置している。この投光用フレネルレンズ33も焦点距離が同一の2個の分割投光用フレネルレンズ331、332から構成したもので、それぞれの分割投光用フレネルレンズ331、332を、分割集光用フレネルレンズ321、322に各別に対応させて配置し、これら分割集光用フレネルレンズ321、322からの平行光束を収束光束に規制するようにしている。
【0017】
なお、このような投光用フレネルレンズ33についても、上述した集光用フレネルレンズ32と同様に、その光軸が光源21、25の照明光軸21a、25aからずれるように配置され、また、集光用フレネルレンズ32と同様にして製作される。
【0018】
そして、このような分割投光用フレネルレンズ331、332による収束光束中に、散乱板34を配置している。この散乱板34は、投光用フレネルレンズ331、332から出射される光束を透過することにより、所定の光学的特性を与えることでシャーカステン照明光を生成するようにしている。
【0019】
散乱板34に対応させて被検査部材としてのガラス基板35を所定の角度を持たせて配置している。このガラス基板35は、散乱板34からのシャーカステン照明光がむらなく照明されるようになっていて、このガラス基板35上のレジストなどの膜厚のむらやIOT膜上のピンホールなどの欠陥部36に原因するガラス基板35面での微小な散乱光を観察者37の目視により検出するするようにしている。
【0020】
このような構成とすると、光源21からの照明光は、楕円回転ミラー22で反射され、熱線吸収フィルタ23を介してゲート24よりフィルタ30を通って集光用フレネルレンズ32の一方の分割集光用フレネルレンズ321に照射され、同様にして、光源25からの照明光は、楕円回転ミラー26で反射され、熱線吸収フィルタ28を介してゲート29より、フィルタ31を通って集光用フレネルレンズ32の他方の分割集光用フレネルレンズ322に照射される。すると、これら分割集光用フレネルレンズ321、322より規制される平行光束が出射され、これら分割集光用フレネルレンズ321、322からの平行光束は、さらに投光用フレネルレンズ33の分割投光用フレネルレンズ331、332に照射され収束光束として散乱板34に照射される。
【0021】
すると、この散乱板34よりシャーカステン照明光が生成され、このシャーカステン照明光がガラス基板35面に照明される。
そして、この状態から、ガラス基板35面に発生される微小な散乱光を観察者37の目視により観察することで、ガラス基板35上のレジストなどの膜厚のむらやIOT膜上のピンホールなどの欠陥部36が検出されるようになる。
【0022】
従って、このようにすれば、照明用光源21、25に対応させて焦点距離が同一の分割集光用フレネルレンズ321、322を、それぞれの光軸が光源21、25の照明光軸からずれるように配置し、それぞれの分割集光用フレネルレンズ321、322により光源21、25からの照明光を平行光束に規制し、また、これら集光用フレネルレンズ321、322からの平行光束を、分割集光用フレネルレンズ321、322に対向して配置された分割投光用フレネルレンズ331、332を通して収束光束に規制し、さらに、これら分割投光用フレネルレンズ331、332による収束光束中に散乱板34を配置して、シャーカステン照明光を生成し、このシャーカステン照明光により被検査部材であるガラス基板35の表面を照射して欠陥部36に原因するガラス基板35面での微小な散乱光を観察者37の目視により観察することにより、ガラス基板35上のレジストなどの膜厚のむら、IOT膜上のピンホールや膜下の外観検査を行うことができる。
【0023】
この場合、集光用フレネルレンズ32および投光用フレネルレンズ33は、それぞれ2分割された集光用フレネルレンズ321、322および投光用フレネルレンズ331、332により構成していて、それぞれのレンズとして小型ものを使用できるので、従来の被検査部材のガラス基板の大きさとほぼ同じ大きさの集光用フレネルレンズや投光用フレネルレンズを用意するものと比べ、レンズ性能を一定に保つことが容易で、しかもレンズ製作を簡単なものにできる。
【0024】
また、これら分割集光用フレネルレンズ321、322および分割投光用フレネルレンズ331、332は、それぞれの光軸が光源21、25の照明光軸からずれるように配置され、これらを通して形成された光束を、散乱板34面にむらなく照射することで、散乱板34全面に一様なシャーカステン照明光を生成することができるので、大型のガラス基板35に対しても信頼性の高い外観検査を実現することができる。
【0025】
また、分割集光用フレネルレンズ32および投光用フレネルレンズ33は、それぞれ分割集光用フレネルレンズ321、322および分割投光用フレネルレンズ331、332により構成することにより、従来のガラス基板の大型化とともに焦点距離の大きい大型のフレネルレンズを必要とするものと比べ、それぞれの分割集光用フレネルレンズ321、322および分割投光用フレネルレンズ331、332の焦点距離を小さくできるので、装置全体の高さ寸法を小さくでき、装置の小型化も実現できる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態を適用した外観検査用投光装置の概略構成を示すもので、図1と同一部分には同符号を付している。
【0026】
この第2の実施の形態では、基板上に印刷されたパターンの乱れやむら、あるいは基板表面に付着したごみや傷などの外観検査に適用されるものを示している。
【0027】
この場合、第1の実施の形態で述べた散乱板34を光路中から除去し、投光用フレネルレンズ33の各分割投光用フレネルレンズ331、332により規制される収束光束中に、被検査部材としてのガラス基板35を所定の角度を持たせて配置し、このガラス基板35面を各分割投光用フレネルレンズ331、332からの収束光束によりむらなく照明するとともに、ガラス基板35からの反射光の収束位置Sの近傍から、ガラス基板35上の欠陥部36に原因する微小な散乱光を観察者37の目視により検出するようにしている。この場合も、光源21、25の、それぞれの照明光軸21a、25aに対して分割集光用フレネルレンズ321、322のそれぞれの光軸321a、322aを所定角度ずらして配置することで、各光源21、25の光源像位置を分割投光用フレネルレンズ331、332による光束の収束位置Aに一致させるようにしている。
【0028】
なお、ガラス基板35からの反射光の収束位置Sに、例えば遮光板を配置すれば、ガラス基板35からの反射された光が観察者37の目に直接入らないような構成とすることもできる。
【0029】
しかして、このようにしても、光源21からの照明光は、楕円回転ミラー22で反射され、熱線吸収フィルタ23を介してゲート24より、フィルタ30を通って集光用フレネルレンズ32の一方の分割集光用フレネルレンズ321に照射され、同様にして、光源25からの照明光は、楕円回転ミラー26で反射され、熱線吸収フィルタ28を介してゲート29より、フィルタ31を通って集光用フレネルレンズ32の他方の分割集光用フレネルレンズ322に照射される。すると、これら分割集光用フレネルレンズ321、322より規制される平行光束が出射され、これら分割集光用フレネルレンズ321、322からの平行光束は、さらに投光用フレネルレンズ33の分割投光用フレネルレンズ331、332に照射され、収束光束としてガラス基板35面に照射される。
【0030】
そして、この状態から、ガラス基板35からの反射光の収束位置Sの近傍から、ガラス基板35上の欠陥部36に原因する微小な散乱光を観察者37の目視により観察することで、基板上に印刷されたパターンの乱れやむら、あるいは基板表面に付着したごみや傷などの欠陥部36が検出されるようになる。
【0031】
従って、このようにしても、上述した第1の実施の形態と同様な効果を期待でき、さらに、分割集光用フレネルレンズ321、322および分割投光用フレネルレンズ331、332は、それぞれの光軸が光源21、25の照明光軸からずれるように配置されることで、これらを通して形成された収束光束を、ガラス基板35面にむらなく照明することができるので、このガラス基板35面からの反射光の収束位置S近傍での観察は、大型のガラス基板35に対しても、信頼性の高い外観検査を実現できる。
【0032】
なお、上述した実施の形態では、照明用光源は、光源21、25の2個で、集光用フレネルレンズ32および投光用フレネルレンズ33も、それぞれ2分割する場合について述べたが、照明用光源は、2個以上であってもよく、また、集光用フレネルレンズ32および投光用フレネルレンズ33も、2分割以上であってもよい。また、上述では、光源とフレネルレンズの数を同数としているが、広範囲の照明を行うことができる光源であれば、この光源の照明範囲に複数のフレネルレンズを配置させるようにもできる。また、上述では、散乱板34は固定になっているが、この散乱板34を着脱可能にすれば、第1の実施の形態のものと第2の実施の形態のものを選択的に実行することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、第1の光学手段として複数分割された小型のフレネルレンズを使用することにより、レンズ性能を一定に保つことが容易で、しかもレンズ製作も簡単なものにできる。また、分割されたフレネルレンズのそれぞれの光軸が照明用光源の照明光軸からずらして配置されることで、大型基板に対しても基板全体をむらなく照明することができ、この照明状態から信頼性の高い外観検査を実現できる。さらに、焦点距離の小さい小型のフレネルレンズを使用することで、装置の小型化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【図3】従来の外観検査用投光装置の一例を示す図。
【図4】従来の外観検査用投光装置の他例を示す図。
【符号の説明】
21、25…光源、
22、26…楕円回転ミラー、
23、28…熱線吸収フィルタ、
24、29…ゲート、
30、31…フィルタ、
32…集光用フレネルレンズ、
321、322…分割集光用フレネルレンズ、
33…投光用フレネルレンズ、
331、332…分割投光用フレネルレンズ、
34…散乱板、
35…ガラス基板、
36…欠陥部、
37…観察者。

Claims (4)

  1. 大型基板面に照明光を照射して目視により欠陥を検査する外観検査装置において、
    前記大型基板を照明する照明光源と、
    前記照明光源と前記大型基板との間の照明光路に複数分割して配置され、前記照明光源の照明光軸に対して所定の角度ずらして前記照明光源からの照明光を収束させて前記大型基板を照明する分割フレネルレンズとを備えたことを特徴とする外観検査用投光装置。
  2. 前記分割フレネルレンズは、前記照明光源から出射される照明光を平行光束に規制する第1のフレネルレンズと、この平行光束を収束光束に規制する第2のフレネルレンズからなることを特徴とする請求項1記載の外観検査用投光装置。
  3. 前記分割フレネルレンズは、前記大型基板面を照明する照明光をシャーカス照明光に生成する散乱手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の外観検査用投光装置。
  4. 前記分割フレネルレンズは、それぞれの焦点距離が同一で、且つそれぞれの収束位置が一致していることを特徴とする請求項1記載の外観検査用投光装置。
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