JP2009049288A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】III族窒化物半導体からなり、ヘテロ接合を有する半導体装置において、HJFETを作製する際、エンハンスメント型のHJFETが容易に実現でき、そのエンハンスメント動作時におけるチャネル抵抗の低減がなされる構造を提供を提供する。
【解決手段】ゲート部を、障壁層に接するように設ける。ゲート直下となる部分では、ゲートを設けていない状態でも、障壁層とチャネル層とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しないように、チャネル層上に形成されるInAlGaN障壁層を構成する、InAlGaNの組成を選択する。ゲート直下を除き、InAlGaN障壁層の上層として、InAlGaNキャップ層を設ける。InAlGaNキャップ層は、バッファ層と格子整合し、自発分極により、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子を発生させる組成のInAlGaNで形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体からなり、ヘテロ接合を有する半導体装置に関するものである。特には、本発明は、III族窒化物半導体を利用して作製される、ヘテロ接合電界効果トランジスタに適用可能な、半導体装置の構造に関する。
図8は、従来技術によるヘテロ接合電界効果トランジスタ(以下、HJFETと記す)の構造の一例を模式的に示す断面図である(特許文献1を参照)。図8に示すHJFETは、下記する構造を有している。基板110上に、GaNバッファ層111があり、その上にGaNチャネル層112があり、その上にInAlGaN障壁層113がある。InAlGaN障壁層113の表面に、オーミック接触するソース電極101とドレイン電極103がある。ソース電極101とドレイン電極103の間に、InAlGaN障壁層113とショットキ接合する、ゲート電極102がある。図8に示す構造のHJFETにおいては、GaNチャネル層112、GaNバッファ層111のGaNの格子定数:a(GaN)よりも、InAlGaN障壁層113のInAlGaNの格子定数:a(InAlGaN)の方が大きくなるように、InAlGaNの組成を選択している。その結果、InAlGaN障壁層113とGaNチャネル層112とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスが発生せず、エンハンスメント型のHJFETが実現できる。
なお、III族窒化物半導体の種々の物理定数に関して、二元半導体の値から、それらの混晶が示す値を推定する手法は、文献に報告されている(非特許文献1を参照)。
特開2000−223697号公報 ジャーナル・オブ・フィジクス(Journal of Physics)第14巻、第3399頁、2002年
図8に例示する半導体構造では、ゲート下に二次元電子が存在しないため、エンハンスメント動作の実現には有利であるが、ソース−ゲート間、ゲート−ドレイン間にも二次元電子が存在しないため、チャネル抵抗が非常に大きいという課題を有している。
すなわち、本発明が解決する課題は、例えば、III族窒化物半導体からなり、ヘテロ接合を有する半導体装置において、HJFETを作製する際、エンハンスメント型のHJFETが容易に実現でき、そのエンハンスメント動作時におけるチャネル抵抗の低減がなされる構造を提供することである。
本発明は、前記の課題を解決するものである。本発明の目的は、下記の二つの性質を発揮可能な新規な構造のIII族窒化物半導体からなり、ヘテロ接合を有する半導体装置を提供することにある。第一の性質は、ゲート電極の直下においては、障壁層とチャネル層とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しないことである。一方、第二の性質は、ソース−ゲート間、ゲート−ドレイン間においては、障壁層とチャネル層とのヘテロ接合界面に二次元電子ガスは発生することである。また、本発明の更なる目的は、前記の新規な構造のIII族窒化物半導体からなり、ヘテロ接合を有する半導体装置を、III族窒化物半導体を利用して作製される、ヘテロ接合電界効果トランジスタに適用することにある。
前記の課題を解決するために、本発明では、下記の構成を選択している。
まず、ゲート部を、障壁層に接するように設ける。その際、このゲート直下となる部分では、ゲートを設けていない状態でも、障壁層とチャネル層とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しないように、チャネル層上に形成されるInAlGaN障壁層を構成する、InAlGaNの組成を選択する。一方、ゲート直下を除き、InAlGaN障壁層の上層として、InAlGaNキャップ層を設ける。このInAlGaNキャップ層は、バッファ層と格子整合し、自発分極により、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子を発生させる組成のInAlGaNで形成する。
従って、作製される半導体装置では、ゲート部は、前記InAlGaN障壁層の表面に接するように設けられる。一方、ソース電極とドレイン電極は、前記InAlGaNキャップ層上にオーミック接触するように形成される。その際、ソース−ゲート間、ゲート−ドレイン間には、InAlGaN障壁層の上層として、前記InAlGaNキャップ層が形成されている構造とする。その結果、ソース−ゲート間、ゲート−ドレイン間には、前記InAlGaNキャップ層に因って、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子が存在している。
前記の技術思想を適用している、本発明にかかる半導体装置における代表的な形態として、下記の二つの形態を例示することができる。
すなわち、本発明の第一の形態にかかる半導体装置は、
バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に、チャネル層のGaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に障壁層(In1-zAlztGa1-tN(0<z≦1,0≦t<1)があり、
その上にキャップ層(In1-pAlpqGa1-qN(0<p≦1,0≦q<1)があり、
キャップ層上にオーミック接触する、ソース電極およびドレイン電極を備え、
ソース電極とドレイン電極の間に、障壁層に接するゲート部を備える半導体装置であって、
障壁層は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあい、ゲート直下の障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させない組成を有し、
キャップ層は、バッファ層と格子整合し、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させる組成を有する
ことを特徴とする半導体装置である。
本発明の第二の形態にかかる半導体装置は、
バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に、チャネル層のGaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に障壁層In1-rAlrN(0≦r≦1)があり、
その上にキャップ層In1-sAlsN(0≦s≦1)があり、
キャップ層上にオーミック接触する、ソース電極およびドレイン電極を備え、
ソース電極とドレイン電極の間に、障壁層と接するゲート部を備える半導体装置であって、
障壁層は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあい、ゲート直下の障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させない組成を有し、
キャップ層は、バッファ層と格子整合し、自発分極により、バッファ層と障壁層の界面に二次元電子ガスを発生させる組成を有する
ことを特徴とする半導体装置である。
本発明にかかる半導体装置の構造を採用すると、そのゲート直下となる部分では、ゲートを設けていない状態でも、障壁層とチャネル層とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しないので、ゲート部を、障壁層に接するように設けることで、エンハンスメント型動作を実現できる。同時に、ソース−ゲート間、ゲート−ドレイン間には、InAlGaN障壁層の上層として、前記InAlGaNキャップ層が形成されているので、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子が存在する結果、チャネル抵抗は大幅に低減される。従って、本発明の半導体装置によれば、III族窒化物半導体を用いて、エンハンスメント型の特性を持つ、低オン抵抗のHJFETを実現できる。
以下に、本発明にかかる半導体装置に関して、詳しく説明する。
本発明にかかる半導体装置は、III族窒化物半導体を使用し、ヘテロ接合を形成し、かかるヘテロ接合をその動作に活用する半導体装置である。
本発明の好適な形態について、以下に説明する。本発明の半導体装置においては、下記の二つの形態を選択することが好ましい。
本発明の第一の形態は、
バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に、チャネル層のGaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に障壁層(In1-zAlztGa1-tN(0<z≦1,0≦t<1)があり、
その上にキャップ層(In1-pAlpqGa1-qN(0<p≦1,0≦q<1)があり、
キャップ層上にオーミック接触する、ソース電極およびドレイン電極を備え、
ソース電極とドレイン電極の間に、障壁層に接するゲート部を備える半導体装置であって、
障壁層は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあい、ゲート直下の障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させない組成を有し、
キャップ層は、バッファ層と格子整合し、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させる組成を有する
ことを特徴とする半導体装置である。
前記の第一の形態では、例えば、
前記本発明の第一の形態にかかる半導体装置において、
バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
障壁層(In1-zAlztGa1-tNにおけるzは、0<z≦0.74であり、
キャップ層(In1-pAlpqGa1-qNにおけるpは、0.77≦p≦0.85である
という構成を選択することができる。
また、バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
チャネル層が、GaNであり、
障壁層(In1-zAlztGa1-tNにおけるzは、0.62≦z≦0.74であり、
キャップ層(In1-pAlpqGa1-qNにおけるpは、0.77≦p≦0.85である
という構成を選択することができる。
本発明の第二の形態は、
バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に、チャネル層のGaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
その上に障壁層In1-rAlrN(0≦r≦1)があり、
その上にキャップ層In1-sAlsN(0≦s≦1)があり、
キャップ層上にオーミック接触する、ソース電極およびドレイン電極を備え、
ソース電極とドレイン電極の間に、障壁層と接するゲート部を備える半導体装置であって、
障壁層は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあい、ゲート直下の障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させない組成を有し、
キャップ層は、バッファ層と格子整合し、自発分極により、バッファ層と障壁層の界面に二次元電子ガスを発生させる組成を有する
ことを特徴とする半導体装置である。
前記の第二の形態では、例えば、
前記本発明の第二の形態にかかる半導体装置において、
バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
障壁層In1-rAlrNのAl組成rは、0<r≦0.74であり、
キャップ層In1-sAlsNのAl組成sは、0.77≦s≦0.85である
という構成を選択することができる。
また、バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
チャネル層が、GaNであり、
障壁層In1-rAlrNのAl組成rは、0.62≦r≦0.74であり、
キャップ層In1-sAlsNのAl組成sは、0.77≦s≦0.85である
という構成を選択することができる。
本発明の第一の形態にかかる半導体装置、第二の形態にかかる半導体装置のいずれにおいても、
ゲート部の構造は、
障壁層に接して、金属−絶縁体−半導体で構成されるMISゲート電極である
という構成を選択することができる。あるいは、
ゲート部の構造は、
障壁層にショットキ接合するゲート電極である
という構成を選択することもできる。
加えて、本発明における好適な構成の一例と、その構成を選択する際の指針に関して、以下に説明する。
本発明にかかる半導体装置では、バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)の何れかを利用する。このバッファ層上に、エピタキシャル成長によって、キャップ層/障壁層/チャネル層/バッファ層の多層構造を形成している。
バッファ層として利用する、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)は、六方晶の結晶系(ウルツ鉱型構造)を有するので、基板上にGa面成長する際には、通常、C面成長((0001)面成長)させる。
一般に、III族窒化物系半導体のエピタキシャル成長に利用可能な基板としては、下記表1に示すものが知られている。また、各基板材料の熱・電気的特性の一部を、表2に示す。
Figure 2009049288
Figure 2009049288
なお、各種基板表面に、GaNを成長させた際、両者の結晶方位の関係は、下記表3に示すものとなることが報告されている。
Figure 2009049288
バッファ層として利用する、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)を、基板上にGa面成長する際には、通常、C面成長((0001)面成長)が可能な基板を選択することが好ましい。例えば、表3に示す基板材料中、C面成長((0001)面成長)が可能と報告されるものから、基板を選択することが可能である。
例えば、SiC基板は、高温成長用の下地基板として適しており、また、大口径の基板が容易に入手可能であり、上記のHJFET用の多層エピタキシャル膜を作製する上では、最も好適な基板の一つである。SiCには、異なる結晶系に属する、結晶ポリタイプが知られているが、そのうちでも、六方晶系に属する6H−SiC及び4H−SiCを利用することがより好ましい。III族窒化物半導体を利用するHJFET用の多層エピタキシャル膜においては、下地基板は、高抵抗であり、高い絶縁破壊電界を有することが好適であり、6H−SiC基板、4H−SiC基板を始めとするSiC基板は、この要件を十分に満足するものである。さらには、SiC自体、良好な熱伝導率を示す材料であり、例えば、HJFETの動作領域で発生する熱の放散に大きな寄与を示す。この熱放散への寄与を考慮すると、特に、大電力動作を目標とする、III族窒化物半導体系のHJFETを作製する際、その下地基板として、6H−SiC基板、4H−SiC基板を利用すると好適である。
基板上にGa面成長される、バッファ層の膜厚は、該バッファ層の上面における格子定数が、用いるIII族窒化物半導体の本来の格子定数となるように選択することが好ましい。一般に、異種基板上にエピタキシャル成長する際、成長開始時点では、下地基板の格子定数の影響を受け、III族窒化物半導体の本来の格子定数から、若干偏移することがある。その後、成長膜厚が増すと共に、バッファ層の成長上面のでは、III族窒化物半導体の本来の格子定数となる。本発明では、バッファ層の成長上面では、利用するIII族窒化物半導体の本来の格子定数となった状態で、キャップ層/障壁層/チャネル層/バッファ層の多層構造を形成する。その際、該バッファ層上にエピタキシャル成長される、キャップ層/障壁層/チャネル層/バッファ層の多層構造は、その成長面方位は、バッファ層の成長面方位と一致した状態とできる。
チャネル層は、バッファ層に利用される、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)と全く同じ、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)を採用する。従って、チャネル層/バッファ層の界面は、ヘテロ接合界面とはなっていない状態となる。勿論、チャネル層の格子定数と、バッファ層の格子定数は、同じになっている。
一方、キャップ層/障壁層は、本発明の第一の形態にかかる半導体装置では、障壁層(In1-zAlztGa1-tN(0<z≦1,0≦t<1)、キャップ層(In1-pAlpqGa1-qN(0<p≦1,0≦q<1)の組み合わせを採用している。そのため、障壁層/チャネル層の界面では、異なる半導体材料が接合され、ヘテロ接合界面が形成される。また、キャップ層/障壁層の界面でも、異なる半導体材料が接合され、ヘテロ接合界面が形成される。
キャップ層/障壁層は、本発明の第二の形態にかかる半導体装置では、障壁層In1-rAlrN(0≦r≦1)、キャップ層In1-sAlsN(0≦s≦1)の組み合わせを採用している。そのため、障壁層/チャネル層の界面では、異なる半導体材料が接合され、ヘテロ接合界面が形成される。また、キャップ層/障壁層の界面でも、異なる半導体材料が接合され、ヘテロ接合界面が形成される。
本発明の半導体装置を、HJFETとする場合、該HJFETが「ON状態」となっている段階では、障壁層/チャネル層のヘテロ接合界面に、二次元電子ガスが蓄積される状態とする。一方、該HJFETが「OFF状態」となっている段階では、障壁層/チャネル層のヘテロ接合界面から、二次元電子ガスが取り除かれた状態とする。
特には、本発明の半導体装置を、HJFETとする場合、エンハンスメント型の動作特性を示すものとすることが好ましい。従って、該HJFETでは、ゲート電圧VGを、VG=0Vに設定した時点では、該HJFETは「OFF状態」となっていることが好ましい。すなわち、本発明の半導体装置をHJFETとする場合、所謂、「ノーマリー・OFF」状態が達成されていることが好ましい。
本発明の半導体装置を適用して、エンハンスメント型の動作特性を示すHJFETとする場合、該HJFETが「ON状態」となっている段階で、障壁層/チャネル層のヘテロ接合界面に二次元電子ガスを蓄積するため、伝導帯エネルギーECに不連続が存在する状態とすることが好ましい。この障壁層/チャネル層のヘテロ接合界面では、障壁層側の伝導帯エネルギーが、チャネル層側の伝導帯エネルギーより高い状態とし、伝導帯エネルギーECの不連続:ΔECを設けることが好ましい。
所謂、「ノーマリー・OFF」状態を達成する上では、少なくとも、ゲート直下に存在する、障壁層/チャネル層/バッファ層部分に存在する残留ドナー不純物の濃度を低くすることが好ましい。従って、少なくとも、障壁層/チャネル層/バッファ層部分は、アンドープ状態とすることが好ましい。さらには、キャップ層/障壁層/チャネル層/バッファ層の多層構造全体を、アンドープ状態とすることが好ましい。
本発明にかかる半導体装置の構造を適用して、エンハンスメント型の動作特性を示すHJFETを構成する場合を例に採用して、以下に、本発明における好適な構成を説明する。
以下、具体例を示し、本発明の実施形態を詳しく説明する。
その際、各実施形態の構成を説明する目的で、例示される具体例は、本発明における最良の実施形態の一例である。しかしながら、本発明の技術範囲は、これら具体例で示される形態に限定されるものでは無い。
下記する第1の実施形態〜第3の実施形態は、上述する本発明の第一の形態にかかる半導体装置における、好適な実施形態の一例を例示するものである。
下記する第4の実施形態〜第6の実施形態は、上述する本発明の第二の形態にかかる半導体装置における、好適な実施形態の一例を例示するものである。
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態にかかるHJFETの構造を示す断面図である。このHJFETは、SiCなどの基板10上に形成される。基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18が、順次形成されている。(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の上面に、ソース電極1とドレイン電極3が形成される。ソース電極1とドレイン電極3は、いずれも、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18とオーム性接触をしている。ソース電極1とドレイン電極3の間に、キャップ層18を貫通して、障壁層17の表面に到達する領域が設けられている。この部分に、障壁層17とショットキ接合するゲート電極2が形成されている。ソース電極1とゲート電極2の間、ゲート電極2とドレイン電極3の間のキャップ層18上に、フィールドプレート膜21が形成されている。ゲート電極2からドレイン電極3側に、ひさし状にフィールドプレート膜21に乗り上げた形状のフィールドプレート電極5が形成される。
図1に示すように、ゲート電極2の側面は、キャップ層18の側壁面と接触している。前記フィールドプレート電極5は、ゲート電極2に逆方向バイアス電圧を印加した際、ゲート電極2の側面と接するキャップ層18において、ゲート電極2のドレイン電極3側に発生する電界集中を抑制する機能を有する。
第1の実施形態にかかるHJFETでは、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の組成は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定される。一方、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の組成は、バッファ層であるGaNと格子整合するように決定される。
(In1-pAlpqGa1-qN障壁層17の組成と(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の組成は、それぞれ、以下の手順で決定される。
アンバシャー(O. Ambacher)らの推定計算の手法(非特許文献1:Journal of Physics, vol.14, p.3399 (2002)を参照)によれば、In1-wAlwNおよびGaNについて、その格子定数aおよび自発分極Pspは、それぞれ、以下のように与えられる。
a(GaN)=3.1986 Å ・・・・(1)
a(In1-wAlwN)=3.5848 - 0.4753w Å・・・・(2)
Psp(GaN)=-0.031 Cm-2 ・・・・(3)
Psp(In1-wAlwN)=-0.090w-0.042(1-w)+0.070w(1-w) Cm-2 ・・・・(4)
さらに、(In1-wAlwvGa1-vNに関しては、In1-wAlwNおよびGaNの値に基づき、In1-wAlwNとGaNの組成比(v:1−v)によって、下記のように与えられるとする。
a((In1-wAlw)vGa1-vN)= v(3.5848-0.4753w) + (1-v)3.1986 Å ・・・・(2)'
Psp((In1-wAlw)vGa1-vN)= v[-0.090w -0.042(1-w) + 0.070w(1-w)] - (1-v)0.031 Cm-2 ・・・・(4)'
また、バッファ層上にエピタキシャル成長した際、格子不整合があると、エピタキシャル成長膜は、歪εを有する。εの歪がある時、AlNのピエゾ分極:Ppz(AlN,ε)、InNのピエゾ分極:Ppz(InN,ε)は、それぞれ、下記のように表記できる。
Ppz(AlN,ε) = -1.808ε + 5.624ε2 Cm-2 ε<0 ・・・・・(5)
Ppz(AlN,ε) = -1.808ε - 7.888ε2 Cm-2 ε>0 ・・・・・(6)
Ppz(InN,ε) = -1.373ε + 7.559ε2 Cm-2 ・・・・・(7)
ここで、格子不整合に起因する歪εは、バッファ層の格子定数をabuffer、その上にエピタキシャル成長される半導体材料の格子定数をaesとすると、以下のようになる。
ε = (abuffer - aes) / aes ・・・・(8)
また、バッファ層上にエピタキシャル成長した際、前記格子不整合に起因する歪がεである場合、In1-wAlwNのピエゾ分極:Ppz(In1-wAlwN,ε)は、次のように表記できる。
Ppz(In1-wAlwN,ε) = w Ppz(AlN,ε) + (1-w) Ppz(InN,ε) Cm-2 ・・・・(9)
本発明においては、GaN層上にエピタキシャル成長した際、(In1-wAlwvGa1-vN層では、自発分極:Psp((In1-wAlwvGa1-vN)をピエゾ分極:Ppz((In1-wAlwvGa1-vN,ε)で打ち消す。その際、GaN層に格子定数a(GaN)よりも、(In1-wAlwvGa1-vNの格子定数a((In1-wAlwvGa1-vN)が大きい範囲、すなわち、abuffer<aesとなる範囲のみを考慮すればよい。従って、ε<0であり、In1-wAlwNのピエゾ分極:Ppz(In1-wAlwN,ε)は、式(5)、(7)より以下のように表記できる。
Ppz(In1-wAlwN,ε) = -1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w Cm-2 ε<0 ・・・・・(10)
また、GaN層上にエピタキシャル成長した際、In1-wAlwN層中の歪:ε(In1-wAlwN/GaN)は、式(1)、(2)、(8)より、下記のようになる。
ε(In1-wAlwN/GaN) =(0.4753w - 0.3862) / (3.5848 - 0.4753w) ・・・・(11)
また、GaN層上にエピタキシャル成長した際、格子不整合に起因する歪がεである場合、(In1-wAlwvGa1-vNのピエゾ分極:Ppz((In1-wAlwvGa1-vN,ε)は、In1-wAlwNとGaNの組成比(v:1−v)によって、下記のように与えられるとする。
Ppz((In1-wAlw)vGa1-vN,ε)=Ppz(In1-wAlwN,ε)・v
=[-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w]v Cm-2 ε<0 ・・・(10)'
GaN層上にエピタキシャル成長した際、In1-wAlwN/GaN界面に発生する、自発分極を起源とする界面電荷:σsp(In1-wAlwN/GaN)は、式(3)、(4)より、下記のように表記される。
σsp(In1-wAlwN/GaN) = Psp(In1-wAlwN) - Psp(GaN)
= -0.011+0.022w-0.070w2 Cm-2 ・・・・(12)
GaNバッファ層上にエピタキシャル成長した際、(In1-wAlwvGa1-vN/GaN界面に発生する、自発分極を起源とする界面電荷:σsp((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)は、式(3)、(4)’より、下記のように表記される。
σsp((In1-wAlw)vGa1-vN/GaN) = Psp((In1-wAlw)vGa1-vN) - Psp(GaN)
= v(-0.011+0.022w-0.070w2) Cm-2 ・・・・(12)'
GaN層上にエピタキシャル成長した際、In1-wAlwN層中の歪がεである場合、そのIn1-wAlwN/GaN界面に発生する、ピエゾ分極を起源とする界面電荷:σpz(In1-wAlwN/GaN)は、下記のように表記される。
σpz(In1-wAlwN/GaN)=Ppz(In1-wAlwN,ε)
GaN層上にエピタキシャル成長した際、(In1-wAlwvGa1-vN層中の歪がεである場合、その(In1-wAlwvGa1-vN/GaN界面に発生する、ピエゾ分極を起源とする界面電荷:σpz((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)は、下記のように表記される。
σpz((In1-wAlw)vGa1-vN/GaN) = Ppz((In1-wAlw)vGa1-vN,ε)
=Ppz(In1-wAlwN,ε)・v
=[-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w]v Cm-2 ε<0
従って、GaN層上にエピタキシャル成長した際、In1-wAlwN層中の歪がεである場合、そのIn1-wAlwN/GaN界面に発生する界面電荷:σ(In1-wAlwN/GaN)は、下記のように表記される。
σ(In1-wAlwN/GaN)=σsp(In1-wAlwN/GaN)+σpz(In1-wAlwN/GaN) ・・・・(13)
= [-0.011+0.022w-0.070w2] + [-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w ] Cm-2
従って、GaN層上にエピタキシャル成長した際、(In1-wAlwvGa1-vN層中の歪がεである場合、その(In1-wAlwvGa1-vN/GaN界面に発生する界面電荷:σ((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)は、下記のように表記される。
σ((In1-wAlw)vGa1-vN/GaN)=σsp((In1-wAlw)vGa1-vN/GaN)+σpz((In1-wAlw)vGa1-vN/GaN) ・・・・(13)'
= v[-0.011+0.022w-0.070w2] + v [-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w ] Cm-2
= v[[-0.011+0.022w-0.070w2] + [-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w ]] Cm-2
なお、GaN層上にエピタキシャル成長した、(In1-wAlwvGa1-vN層中の歪:ε((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)は、式(8)に従って、下記のように表される。
ε((In1-wAlw)vGa1-vN/GaN)=[a(GaN)-a((In1-wAlw)vGa1-vN)]/a((In1-wAlw)vGa1-vN)
式(13)で示されるσ(In1-wAlwN/GaN)に関して、上記の近似式で表記される場合、[[-0.011+0.022w-0.070w2] + [-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w]]の値が0となる際、σ(In1-wAlwN/GaN)は0となる。歪ε(In1-wAlwN/GaN)が、式(11)で示される際、[[-0.011+0.022w-0.070w2] + [-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w]]の値が0となるのは、In1-wAlwNのAl組成wが、w=0.70の時である。
式(13)で示されるσ(In1-wAlwN/GaN)が、σ(In1-wAlwN/GaN)≦0となる場合、In1-wAlwN/GaNの界面では、二次元電子ガスの発生は起こらない。σ(In1-wAlwN/GaN)≦0となる条件は、In1-wAlwNのAl組成wが、0≦w≦0.70の範囲であることになる。エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、0≦w±(0.05×w)≦0.70となる。この条件は、近似的に、0≦(0.95×w)≦0.70、あるいは、0≦w≦0.74と表記できる。
同様に、式(13)’で示されるσ((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)に関しても、上記の近似式で表記される場合、[[-0.011+0.022w-0.070w2] + [-1.373ε + 7.559ε2 - (0.435ε + 1.935ε2) w ]]の値が、0となる際、σ((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)は0となる。また、σ((In1-wAlwvGa1-vN/GaN)≦0となるためには、少なくとも、GaN層上にエピタキシャル成長した、(In1-wAlwvGa1-vNの組成中のwは、0≦w≦0.70の範囲であることが必要である。エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、0≦w±(0.05×w)≦0.70となる。この条件は、近似的に、0≦(0.95×w)≦0.70、あるいは、0≦w≦0.74と表記できる。
一方、式(1)、(2)から、GaNと格子整合するIn1-wAlwNのAl組成wは、w=0.81となる。エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、GaNと格子整合するIn1-wAlwNのAl組成sは、w±(0.05×w)=0.81と表記される。この条件は、換言すると、w−(0.05×w)≦0.81≦w+(0.05×w)、あるいは、近似的に、0.77≦w≦0.85と表記できる。
前記の要件を考慮して、第1の実施形態にかかるHJFETでは、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の組成を、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定する際、(In1-zAlztGa1-tNの組成中のzを次の範囲に選択する。すなわち、エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、(In1-zAlztGa1-tNの組成中のzを、少なくとも、0≦z≦0.74の範囲に選択している。
一方、エンハンスメント型動作を行う際、HJFETが「ON」状態となる際、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面に、二次元電子ガスが蓄積されると、「ON」状態の抵抗を低減する上で有利である。(In1-zAlztGa1-tN障壁層17とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面に、二次元電子ガスが蓄積されるためには、該界面において、伝導帯エネルギーECに不連続が存在することが必要である。
例えば、(In1-zAlztGa1-tN/GaNの界面における、伝導帯エネルギーEcの差異:ΔEC((In1-zAlztGa1-tN/GaN)=EC((In1-zAlztGa1-tN)−EC(GaN)は、少なくとも、ΔEC((In1-zAlztGa1-tN/GaN)>0であることが必要である。実際的には、蓄積される二次元電子ガスが、このバンド不連続を熱的に超える現象を回避するため、動作温度TにおけるkT(k:ボルツマン定数)を指標として、ΔEC((In1-zAlztGa1-tN/GaN)>2kTであることが好ましい。
さらに、ΔEC((In1-zAlztGa1-tN/GaN)>0であるためには、(In1-zAlztGa1-tNとGaNのバンドギャップEgの差異:ΔEg((In1-zAlztGa1-tN/GaN)=Eg((In1-zAlztGa1-tN)−Eg(GaN)は、ΔEg((In1-zAlztGa1-tN/GaN)>0である必要がある。
なお、In1-wAlwNのバンドギャップEg(In1-wAlwN)は、近似的に下記の式(14)のように表記できる(非特許文献1:Journal of Physics, vol.14, p.3399 (2002)を参照)。
Eg(In1-wAlwN)=6.13w+1.95(1-w)-5.4w(1-w) eV・・・(14)
一方、GaNのバンドギャップEg(GaN)は、Eg(GaN)=3.42 eVである。
従って、In1-wAlwNのバンドギャップEg(In1-wAlwN)がGaNのバンドギャップEg(GaN)よりも大きくなる条件:ΔEg(In1-wAlwN/GaN)>0は、下記の式(15)と表記される。
Eg(In1-wAlwN)>3.42 eV・・・(15)
式(14)、(15)より、ΔEg(In1-wAlwN/GaN)>0となる、In1-wAlwNのAl組成の範囲は、w>0.65である。
従って、ΔEg((In1-zAlztGa1-tN/GaN)>0であるためには、(In1-zAlztGa1-tNの組成中のzは、少なくとも、z>0.65であることが必要である。エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、前記の条件は、0.65<w±(0.05×w)≦1と表記できる。この条件は、近似的に、0.65<1.05×w、あるいは、0.62≦wと表記できる。
前記の要件をも考慮すると、エピタキシャル成長時の組成の揺らぎが無い場合には、第1の実施形態にかかるHJFETでは、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の組成を、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定する際、(In1-zAlztGa1-tNの組成中のzを次の範囲に選択することが好ましい。すなわち、(In1-zAlztGa1-tNの組成中のzを、少なくとも、0.65<z≦0.70の範囲に選択することが好ましい。一方、エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容する際には、(In1-zAlztGa1-tNの組成中のzを、少なくとも、0.62≦r≦0.74の範囲に選択することが望ましい。
一方、第1の実施形態にかかるHJFETでは、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18は、バッファ層であるGaNと格子整合するように、その組成を選択する。その際、エピタキシャル成長時の組成の揺らぎが無い場合には、キャップ層18に用いる(In1-pAlpqGa1-qNの組成中のpは、p=0.81とする。一方、エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容する際には、キャップ層18に用いる(In1-pAlpqGa1-qNの組成中のpを、少なくとも、0.77≦p≦0.85の範囲に選択することが好ましい。
第1の実施形態にかかるHJFETの構造を採用すると、ゲート下には二次元電子ガスが発生しないため、エンハンスメント型動作が容易に実現できる。また、ゲート下以外の領域では、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18が存在しており、このキャップ層18内には、自発分極による電界が存在する。そのため、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18と(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の界面、ならびに、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17とGaNチャネル層15の界面には、二次元電子ガス22が発生する。すなわち、前記へテロ接合界面に存在する、伝導帯エネルギーECの不連続に因って、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の上面側、ならびに、GaNチャネル層15の上面側には、二次元電子ガス22が蓄積される。これにより、ゲート直下以外の領域のチャネル抵抗を低減できる。
図1に例示する構成のHJFETは、以下の手順で形成される。まず、絶縁性SiCからなる基板10上に、例えば、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)成長法によって、多層の半導体層をエピタキシャル成長させる。形成される多層の半導体層は、基板側から順に、アンドープGaNバッファ層14(膜厚1.5μm)、アンドープのGaNチャネル層15(膜厚0.5μm)、(In0.3Al0.70.5Ga0.5Nからなる障壁層17(膜厚10nm)、アンドープ(In0.17Al0.830.5Ga0.5Nからなるキャップ層18(膜厚100nm)である。
次いで、エピタキシャル成長した、多層の半導体層の一部を、GaNチャネル層15が露出するまでエッチング除去して、素子間分離メサを形成する。続いて、InAlGaNキャップ層18上に、例えば、Ti/Alなどの金属を蒸着することにより、ソース電極1およびドレイン電極3を形成する。このソース電極1およびドレイン電極3は、650℃でアニールを行うことにより、InAlGaNキャップ層18とオーム性接触させる。キャップ層18の表面に、フィールドプレート膜21として、例えば、SiNなどの絶縁膜を形成する。形成されたフィールドプレート膜21のうち、ソース−ドレイン間の一部領域を開口する。このフィールドプレート膜21をマスクとし、エッチングガスとして、例えばBCl3などを用いて、リセスを形成し、InAlGaN障壁層17を露出させる。この上に、例えばNi/Auなどの金属を蒸着して、ショットキ接触のゲート電極2およびフィールドプレート電極5を形成する。その結果、ゲート電極2と、フィールドプレート膜21の上に、フィールドプレート電極5が設けられている、図1に示す構造のHJFETが作製される。
第1の実施形態にかかるHJFETでは、逆方向耐圧を向上させる目的で、ゲート電極として、図1に例示するフィールドプレート構造を採用しているが、ゲート電極の形状は任意の形態としてもよい。また、バッファ層およびチャネル層をGaNとしているが、これらをAlGaNあるいはInGaNとしても、同様の効果を持つHJFETを構成できる。
(第2の実施形態)
図2を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
図2は、第2の実施形態にかかるHJFETの構造を示す断面図である。このHJFETは、SiCなどの基板10上に形成される。基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18が、順次形成されている。(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の上面に、ソース電極1とドレイン電極3が形成される。ソース電極1とドレイン電極3は、いずれも、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18とオーム性接触をしている。ソース電極1とドレイン電極3の間に、キャップ層18を貫通して、障壁層17の表面に到達する領域が設けられている。この部分に、障壁層17とショットキ接合するゲート電極2が形成されている。ゲート電極2の側面に、SiNなどの絶縁膜からなる側壁膜24が形成されている。ソース電極1とゲート電極2の間、ゲート電極2とドレイン電極3の間のキャップ層18上に、フィールドプレート膜21が形成されている。ゲート電極2からドレイン電極3側に、ひさし状にフィールドプレート膜21に乗り上げた形状のフィールドプレート電極5が形成される。
(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の組成は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定されている。(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の組成は、バッファ層であるGaNと格子整合するように決定される。従って、第2の実施形態の障壁層17の(In1-zAlztGa1-tNの組成、キャップ層18の(In1-pAlpqGa1-qNの組成は、第1の実施形態における障壁層17、キャップ層18に利用する組成の同様に決めることができる。
第2の実施形態にかかるHJFETでは、第1の実施形態にかかるHJFETで実現される特性に加え、ゲート電極2側面に絶縁膜からなる側壁膜24を設けた効果により、逆方向耐圧の改善が実現できる。すなわち、ゲート電極2とキャップ層18との間に絶縁膜を挿入することで、MIS構造を形成し、逆方向耐圧を向上させている。
図2に例示する構成のHJFETは、以下の手順で形成される。まず、絶縁性SiCからなる基板10上に、例えば、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)成長法によって、多層の半導体層をエピタキシャル成長させる。形成される多層の半導体層は、基板側から順に、アンドープGaNバッファ層14(膜厚1.5μm)、アンドープのGaNチャネル層15(膜厚0.5μm)、(In0.3Al0.70.5Ga0.5Nからなる障壁層17(膜厚10nm)、アンドープ(In0.17Al0.830.5Ga0.5Nからなるキャップ層18(膜厚100nm)である。
次いで、エピタキシャル成長した、多層の半導体層の一部を、GaNチャネル層15が露出するまでエッチング除去して、素子間分離メサを形成する。続いて、InAlGaNキャップ層18上に、例えば、Ti/Alなどの金属を蒸着することにより、ソース電極1およびドレイン電極3を形成する。このソース電極1およびドレイン電極3は、650℃でアニールを行うことにより、InAlGaNキャップ層18とオーム性接触させる。キャップ層18の表面に、フィールドプレート膜21として、例えば、SiNなどの絶縁膜を形成する。形成されたフィールドプレート膜21のうち、ソース−ドレイン間の一部領域を開口する。このフィールドプレート膜21をマスクとし、エッチングガスとして、例えばBCl3などを用いて、リセスを形成し、InAlGaN障壁層17を露出させる。側壁膜24として、SiNなどの絶縁膜を形成する。その後、前記開口部の底面の絶縁膜を除去して、InAlGaN障壁層17を露出させる。この上に、例えばNi/Auなどの金属を蒸着して、ショットキ接触のゲート電極2およびフィールドプレート電極5を形成する。その結果、ゲート電極2とInAlGaNキャップ層18との間に側壁膜24が挿入され、フィールドプレート膜21と前記絶縁膜の上に、フィールドプレート電極5が設けられている、図2に示す構造のHJFETが作製される。
第2の実施形態にかかるHJFETでは、逆方向耐圧を向上させる目的で、側壁膜24に加えて、ゲート電極として、図2に例示するフィールドプレート構造を採用しているが、ゲート電極の形状は任意の形態としてもよい。また、バッファ層およびチャネル層をGaNとしているが、これらをAlGaNあるいはInGaNとしても、同様の効果を持つHJFETを構成できる。
(第3の実施形態)
図3を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。
図3は、第3の実施形態にかかるHJFETの構造を示す断面図である。このHJFETは、SiCなどの基板10上に形成される。基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、(In1-zAlztGa1-tN障壁層17、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18が、順次形成されている。(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の上面に、ソース電極1とドレイン電極3が形成される。ソース電極1とドレイン電極3は、いずれも、(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18とオーム性接触をしている。ソース電極1とドレイン電極3の間に、キャップ層18を貫通して、障壁層17の表面に到達する領域が設けられている。この部分に、SiNなどで形成されたゲート絶縁膜23を介して、障壁層17との間にMIS構造を形成する、ゲート電極2が形成されている。ゲート電極2の側面では、ゲート絶縁膜23に用いる絶縁膜は、側壁膜24として機能している。ソース電極1とゲート電極2の間、ゲート電極2とドレイン電極3の間のキャップ層18上に、フィールドプレート膜21が形成されている。ゲート電極2からドレイン電極3側に、ひさし状にフィールドプレート膜21に乗り上げた形状のフィールドプレート電極5が形成される。
(In1-zAlztGa1-tN障壁層17の組成は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定されている。(In1-pAlpqGa1-qNキャップ層18の組成は、バッファ層であるGaNと格子整合するように決定される。従って、第3の実施形態の障壁層17の(In1-zAlztGa1-tNの組成、キャップ層18の(In1-pAlpqGa1-qNの組成は、第1の実施形態における障壁層17、キャップ層18に利用する組成と同様に決めることができる。
第3の実施形態にかかるHJFETでは、ゲートの構造はMIS構造であり、また、ゲート電極2側面にゲート絶縁膜23に用いる絶縁膜からなる側壁膜24を設ける構成となっている。その結果、第3の実施形態にかかるHJFETでは、前記の構造の効果により、逆方向耐圧だけではなく、順方向の耐圧も向上している。ゲートの構造はMIS構造であるが、第3の実施形態にかかるHJFETでも、エンハンストメント動作が実現される。
図3に例示する構成のHJFETは、以下の手順で形成される。まず、絶縁性SiCからなる基板10上に、例えば、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)成長法によって、多層の半導体層をエピタキシャル成長させる。形成される多層の半導体層は、基板側から順に、アンドープGaNバッファ層14(膜厚1.5μm)、アンドープのGaNチャネル層15(膜厚0.5μm)、(In0.3Al0.70.5Ga0.5Nからなる障壁層17(膜厚10nm)、アンドープ(In0.17Al0.830.5Ga0.5Nからなるキャップ層18(膜厚100nm)である。
次いで、エピタキシャル成長した、多層の半導体層の一部を、GaNチャネル層15が露出するまでエッチング除去して、素子間分離メサを形成する。続いて、InAlGaNキャップ層18上に、例えば、Ti/Alなどの金属を蒸着することにより、ソース電極1およびドレイン電極3を形成する。このソース電極1およびドレイン電極3は、650℃でアニールを行うことにより、InAlGaNキャップ層18とオーム性接触させる。キャップ層18の表面に、フィールドプレート膜21として、例えば、SiNなどの絶縁膜を形成する。形成されたフィールドプレート膜21のうち、ソース−ドレイン間の一部領域を開口する。このフィールドプレート膜21をマスクとし、エッチングガスとして、例えばCl2などを用いて、リセスを形成し、InAlGaN障壁層17を露出させる。ゲート絶縁膜23として、SiNなどの絶縁膜を形成する。前記開口部の底面では、InAlGaN障壁層17の表面をゲート絶縁膜23が被覆し、開口部の側面では、InAlGaNキャップ層18の側壁面を該絶縁膜が被覆する構造となる。この上に、例えばNi/Auなどの金属を蒸着して、MIS構造のゲート電極2およびフィールドプレート電極5を形成する。その結果、MIS構造のゲート電極2を採用し、ゲート電極2とInAlGaNキャップ層18との間に側壁膜24が挿入され、フィールドプレート膜21と前記絶縁膜の上に、フィールドプレート電極5が設けられている、図3に示す構造のHJFETが作製される。
第3の実施形態にかかるHJFETでは、逆方向耐圧を向上させる目的で、側壁膜24に加えて、ゲート電極として、図3に例示するフィールドプレート構造を採用しているが、ゲート電極の形状は任意の形態としてもよい。また、バッファ層およびチャネル層をGaNとしているが、これらをAlGaNあるいはInGaNとしても、同様の効果を持つHJFETを構成できる。
(第4の実施形態)
図4を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。
図4は、第4の実施形態にかかるHJFETの構造を示す断面図である。このHJFETは、SiCなどの基板10上に形成される。基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、In1-rAlrN障壁層13、In1-sAlsNキャップ層16が、順次形成されている。In1-sAlsNキャップ層16の上面に、ソース電極1とドレイン電極3が形成される。ソース電極1とドレイン電極3は、いずれも、In1-sAlsNキャップ層16とオーム性接触をしている。ソース電極1とドレイン電極3の間に、キャップ層16を貫通して、障壁層13の表面に到達する領域が設けられている。この部分に、障壁層13とショットキ接合するゲート電極2が形成されている。ソース電極1とゲート電極2の間、ゲート電極2とドレイン電極3の間のキャップ層16上に、フィールドプレート膜21が形成されている。ゲート電極2からドレイン電極3側に、ひさし状にフィールドプレート膜21に乗り上げた形状のフィールドプレート電極5が形成される。
図4に示すように、ゲート電極2の側面は、キャップ層16の側壁面と接触している。前記フィールドプレート電極5は、ゲート電極2に逆方向バイアス電圧を印加した際、ゲート電極2の側面と接するキャップ層16において、ゲート電極2のドレイン電極3側に発生する電界集中を抑制する機能を有する。
第4の実施形態にかかるHJFETでは、In1-rAlrN障壁層13の組成は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定される。一方、In1-sAlsNキャップ層16の組成は、バッファ層であるGaNと格子整合するように決定される。
In1-rAlrN障壁層13の組成とIn1-sAlsNキャップ層16の組成は、それぞれ、以下の手順で決定される。
式(13)より、GaN上に形成されているIn1-wAlwNにおいては、Al組成wが0.70の時、In1-wAlwN/GaNの界面に発生する電荷σ(In1-wAlwN/GaN)は0となる。従って、In1-rAlrN障壁層13のAl組成rを、r=0.70に選択すると、該障壁層13から電子の供給はなく、In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しない。その結果、作製されるHJFETでは、エンハンスメント型動作が実現できる。
また、In1-rAlrN障壁層13のAl組成rを、r<0.70に選択すると、In1-rAlrN障壁層13/GaNチャネル層15の界面に発生する電荷σ(In1-rAlrN/GaN)は、σ(In1-rAlrN/GaN)<0となる。この場合も、該障壁層13から電子の供給はなく、In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しない。
従って、該障壁層13から電子の供給はなく、In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面には、二次元電子ガスは発生しないための必要条件は、エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、0≦r≦0.74と決められる。すなわち、組成の揺らぎが無い場合には、前記必要条件は、In1-rAlrN障壁層13のAl組成を0≦r≦0.70の範囲に選択することであるが、組成の揺らぎを考慮すると、0≦r±(0.05×r)≦0.70となる。この条件は、近似的に、0≦(0.95×r)≦0.70、あるいは、0≦r≦0.74と表記できる。
一方、エンハンスメント型動作を行う際、HJFETが「ON」状態となる際、In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面に、二次元電子ガスが蓄積されると、「ON」状態の抵抗を低減する上で有利である。In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面に、二次元電子ガスが蓄積されるためには、該界面において、伝導帯エネルギーECに不連続が存在することが必要である。
In1-rAlrN/GaNの界面における、伝導帯エネルギーEcの差異:ΔEC(In1-rAlrN/GaN)=EC(In1-rAlrN)−EC(GaN)は、少なくとも、ΔEC(In1-rAlrN/GaN)>0であることが必要である。実際的には、蓄積される二次元電子ガスが、このバンド不連続を熱的に超える現象を回避するため、動作温度TにおけるkT(k:ボルツマン定数)を指標として、ΔEC(In1-rAlrN/GaN)>2kTであることが好ましい。
さらに、ΔEC(In1-rAlrN/GaN)>0であるためには、In1-rAlrNとGaNのバンドギャップEgの差異:ΔEg(In1-rAlrN/GaN)=Eg(In1-rAlrN)−Eg(GaN)は、ΔEg(In1-rAlrN/GaN)>0である必要がある。
In1-wAlwNのバンドギャップEg(In1-wAlwN)は、近似的に下記の式(14)のように表記できる(非特許文献1:Journal of Physics, vol.14, p.3399 (2002)を参照)。
Eg(In1-wAlwN)=6.13w+1.95(1-w)-5.4w(1-w) eV・・・(14)
一方、GaNのバンドギャップEg(GaN)は、Eg(GaN)=3.42 eVである。
従って、In1-wAlwNのバンドギャップEg(In1-wAlwN)がGaNのバンドギャップEg(GaN)よりも大きくなる条件:ΔEg(In1-wAlwN/GaN)>0は、下記の式(15)と表記される。
Eg(In1-wAlwN)>3.42 eV・・・(15)
式(14)、(15)より、ΔEg(In1-wAlwN/GaN)>0となる、In1-wAlwNのAl組成の範囲は、w>0.65である。
エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15とのヘテロ接合界面に、二次元電子ガスが蓄積されるため必要条件は、0.65<r±(0.05×r)≦1と表記できる。この条件は、近似的に、0.65<1.05×r、あるいは、0.62≦rと表記できる。
エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容する場合、上述する二つの条件:0≦r≦0.74と0.62≦rを同時に満足する範囲、すなわち、0.62≦r≦0.74の範囲に、In1-rAlrN障壁層13のAl組成rを選択することが好ましい。
また、式(1)、(2)より、In1-wAlwNの格子定数a(In1-wAlwN)とGaNの格子定数a(GaN)が等しくなる条件は、w=0.81である。エピタキシャル成長時の組成の揺らぎを5%程度許容すると、バッファ層であるGaNと格子整合するIn1-sAlsNキャップ層16のAl組成sは、s±(0.05×s)=0.81と表記される。この条件は、換言すると、s−(0.05×s)≦0.81≦s+(0.05×s)、あるいは、近似的に、0.77≦s≦0.85と表記できる。
図5は、本発明によるHJFETにおける電子面密度と、従来技術によるHJFETにおける電子面密度との相違を例示するグラフである。図5中、「オーミック電極下」は、ソース電極あるいはドレイン電極に用いる、オーミック電極下に存在する電子面密度を意味する。「電極間」は、ゲート電極とソース電極間、ゲート電極とドレイン電極間において、フィールドプレート電極が設けられていない領域に存在する電子面密度を意味する。「ゲート電極下」は、ゲート電極の直下に存在する電子面密度を意味する。図5では、ソース−ドレイン電圧VSD、ゲート電圧VGは、VSD=0V,VG=0Vと設定した状態に相当する結果を示している。
また、本発明によるHJFETの構造において、基板10として、絶縁性SiC基板を用い、基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、r=0.70のアントープIn1-rAlrN障壁層13、s=0.81のアントープIn1-sAlsNキャップ層16を形成している場合の電子面密度を示す。図8に示す従来技術によるHJFETの構造において、基板110として、絶縁性SiC基板を用い、基板110上に、GaNバッファ層111、GaNチャネル層112、r=0.70のアントープIn1-rAlrN障壁層113を形成している場合の電子面密度を示す。
図5に例示するように、本発明によるHJFETでは、「電極間(ゲート−オーミック電極間)」の電子面密度が、従来技術によるHJFETと比較して、大幅に増加することが検証される。
第4の実施形態にかかるHJFETの構造を採用すると、ゲート下には二次元電子ガスが発生しないため、エンハンスメント型動作が容易に実現できる。また、ゲート下以外の領域では、In1-sAlsNキャップ層16が存在しており、このキャップ層16内には、自発分極による電界が存在する。そのため、In1-sAlsNキャップ層16とIn1-rAlrN障壁層13の界面、ならびに、In1-rAlrN障壁層13とGaNチャネル層15の界面には、二次元電子ガス22が発生する。すなわち、前記へテロ接合界面に存在する、伝導帯エネルギーECの不連続に因って、In1-rAlrN障壁層13の上面側、ならびに、GaNチャネル層15の上面側には、二次元電子ガス22が蓄積される。これにより、ゲート直下以外の領域のチャネル抵抗を低減できる。
図4に例示する構成のHJFETは、以下の手順で形成される。まず、絶縁性SiCからなる基板10上に、例えば、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)成長法によって、多層の半導体層をエピタキシャル成長させる。形成される多層の半導体層は、基板側から順に、アンドープGaNバッファ層14(膜厚1.5μm)、アンドープのGaNチャネル層15(膜厚0.5μm)、In0.3Al0.7Nからなる障壁層16(膜厚10nm)、アンドープIn0.17Al0.83Nからなるキャップ層16(膜厚100nm)である。
次いで、エピタキシャル成長した、多層の半導体層の一部を、GaNチャネル層15が露出するまでエッチング除去して、素子間分離メサを形成する。続いて、InAlNキャップ層16上に、例えば、Ti/Alなどの金属を蒸着することにより、ソース電極1およびドレイン電極3を形成する。このソース電極1およびドレイン電極3は、650℃でアニールを行うことにより、InAlNキャップ層16とオーム性接触させる。キャップ層16の表面に、フィールドプレート膜21として、例えば、SiNなどの絶縁膜を形成する。形成されたフィールドプレート膜21のうち、ソース−ドレイン間の一部領域を開口する。このフィールドプレート膜21をマスクとし、エッチングガスとして、例えばBCl3などを用いて、リセスを形成し、InAlN障壁層13を露出させる。この上に、例えばNi/Auなどの金属を蒸着して、ショットキ接触のゲート電極2およびフィールドプレート電極5を形成する。その結果、ゲート電極2と、フィールドプレート膜21の上に、フィールドプレート電極5が設けられている、図4に示す構造のHJFETが作製される。
第4の実施形態にかかるHJFETでは、逆方向耐圧を向上させる目的で、ゲート電極として、図4に例示するフィールドプレート構造を採用しているが、ゲート電極の形状は任意の形態としてもよい。また、バッファ層およびチャネル層をGaNとしているが、これらをAlGaNあるいはInGaNとしても、同様の効果を持つHJFETを構成できる。
(第5の実施形態)
図6を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。
図6は、第5の実施形態にかかるHJFETの構造を示す断面図である。このHJFETは、SiCなどの基板10上に形成される。基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、In1-rAlrN障壁層13、In1-sAlsNキャップ層16が、順次形成されている。In1-sAlsNキャップ層16の上面に、ソース電極1とドレイン電極3が形成される。ソース電極1とドレイン電極3は、いずれも、In1-sAlsNキャップ層16とオーム性接触をしている。ソース電極とドレイン電極の間に、キャップ層16を貫通して、障壁層13の表面に到達する領域が設けられている。この部分に、障壁層13とショットキ接合するゲート電極2が形成されている。ゲート電極2の側面に、SiNなどの絶縁膜からなる側壁膜24が形成されている。ソース電極1とゲート電極2の間、ゲート電極2とドレイン電極3の間のキャップ層16上に、フィールドプレート膜21が形成されている。ゲート電極2からドレイン電極3側に、ひさし状にフィールドプレート膜21に乗り上げた形状のフィールドプレート電極5が形成される。
In1-rAlrN障壁層13の組成は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定されている。In1-sAlsNキャップ層16の組成は、バッファ層であるGaNと格子整合するように決定される。従って、第5の実施形態の障壁層13のIn1-rAlrNの組成、キャップ層16のIn1-sAlsNの組成は、第4の実施形態における障壁層13、キャップ層16に利用する組成と同様に決めることができる。
第5の実施形態にかかるHJFETでは、第4の実施形態にかかるHJFETで実現される特性に加え、ゲート電極2側面に絶縁膜からなる側壁膜24を設けた効果により、逆方向耐圧の改善が実現できる。すなわち、ゲート電極2とキャップ層16との間に絶縁膜を挿入することで、MIS構造を形成し、逆方向耐圧を向上させている。
図6に例示する構成のHJFETは、以下の手順で形成される。まず、絶縁性SiCからなる基板10上に、例えば、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)成長法によって、多層の半導体層をエピタキシャル成長させる。形成される多層の半導体層は、基板側から順に、アンドープGaNバッファ層14(膜厚1.5μm)、アンドープのGaNチャネル層15(膜厚0.5μm)、In0.3Al0.7Nからなる障壁層16(膜厚10nm)、アンドープIn0.17Al0.83Nからなるキャップ層16(膜厚100nm)である。
次いで、エピタキシャル成長した、多層の半導体層の一部を、GaNチャネル層15が露出するまでエッチング除去して、素子間分離メサを形成する。続いて、InAlNキャップ層16上に、例えば、Ti/Alなどの金属を蒸着することにより、ソース電極1およびドレイン電極3を形成する。このソース電極1およびドレイン電極3は、650℃でアニールを行うことにより、InAlNキャップ層16とオーム性接触させる。キャップ層16の表面に、フィールドプレート膜21として、例えば、SiNなどの絶縁膜を形成する。形成されたフィールドプレート膜21のうち、ソース−ドレイン間の一部領域を開口する。このフィールドプレート膜21をマスクとし、エッチングガスとして、例えばBCl3などを用いて、リセスを形成し、InAlN障壁層13を露出させる。側壁膜24として、SiNなどの絶縁膜を形成する。その後、前記開口部の底面の絶縁膜を除去して、InAlN障壁層13を露出させる。この上に、例えばNi/Auなどの金属を蒸着して、ショットキ接触のゲート電極2およびフィールドプレート電極5を形成する。その結果、ゲート電極2とInAlNキャップ層16との間に側壁膜24が挿入され、フィールドプレート膜21と前記絶縁膜の上に、フィールドプレート電極5が設けられている、図6に示す構造のHJFETが作製される。
第5の実施形態にかかるHJFETでは、逆方向耐圧を向上させる目的で、側壁膜24に加えて、ゲート電極として、図6に例示するフィールドプレート構造を採用しているが、ゲート電極の形状は任意の形態としてもよい。また、バッファ層およびチャネル層をGaNとしているが、これらをAlGaNあるいはInGaNとしても、同様の効果を持つHJFETを構成できる。
(第6の実施形態)
図7を参照して、本発明の第6の実施形態を説明する。
図7は、第6の実施形態にかかるHJFETの構造を示す断面図である。このHJFETは、SiCなどの基板10上に形成される。基板10上に、GaNバッファ層14、GaNチャネル層15、In1-rAlrN障壁層13、In1-sAlsNキャップ層16が、順次形成されている。In1-sAlsNキャップ層16の上面に、ソース電極1とドレイン電極3が形成される。ソース電極1とドレイン電極3は、いずれも、In1-sAlsNキャップ層16とオーム性接触をしている。ソース電極とドレイン電極の間に、キャップ層16を貫通して、障壁層13の表面に到達する領域が設けられている。この部分に、SiNなどで形成されたゲート絶縁膜23を介して、障壁層13との間にMIS構造を形成する、ゲート電極2が形成されている。ゲート電極2の側面では、ゲート絶縁膜23に用いる絶縁膜は、側壁膜24として機能している。ソース電極1とゲート電極2の間、ゲート電極2とドレイン電極3の間のキャップ層16上に、フィールドプレート膜21が形成されている。ゲート電極2からドレイン電極3側に、ひさし状にフィールドプレート膜21に乗り上げた形状のフィールドプレート電極5が形成される。
In1-rAlrN障壁層13の組成は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあうように決定されている。In1-sAlsNキャップ層16の組成は、バッファ層であるGaNと格子整合するように決定される。従って、第6の実施形態の障壁層13のIn1-rAlrNの組成、キャップ層16のIn1-sAlsNの組成は、第4の実施形態における障壁層13、キャップ層16に利用する組成と同様に決めることができる。
第6の実施形態にかかるHJFETでは、ゲートの構造はMIS構造であり、また、ゲート電極2側面にゲート絶縁膜23に用いる絶縁膜からなる側壁膜24を設ける構成となっている。その結果、第6の実施形態にかかるHJFETでは、前記の構造の効果により、逆方向耐圧だけではなく、順方向の耐圧も向上している。ゲートの構造はMIS構造であるが、第6の実施形態にかかるHJFETでも、エンハンストメント動作が実現される。
図7に例示する構成のHJFETは、以下の手順で形成される。まず、絶縁性SiCからなる基板10上に、例えば、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)成長法によって、多層の半導体層をエピタキシャル成長させる。形成される多層の半導体層は、基板側から順に、アンドープGaNバッファ層14(膜厚1.5μm)、アンドープのGaNチャネル層15(膜厚0.5μm)、In0.3Al0.7Nからなる障壁層13(膜厚10nm)、アンドープIn0.17Al0.83Nからなるキャップ層16(膜厚100nm)である。
次いで、エピタキシャル成長した、多層の半導体層の一部を、GaNチャネル層15が露出するまでエッチング除去して、素子間分離メサを形成する。続いて、InAlNキャップ層16上に、例えば、Ti/Alなどの金属を蒸着することにより、ソース電極1およびドレイン電極3を形成する。このソース電極1およびドレイン電極3は、650℃でアニールを行うことにより、InAlNキャップ層16とオーム性接触させる。キャップ層16の表面に、フィールドプレート膜21として、例えば、SiNなどの絶縁膜を形成する。形成されたフィールドプレート膜21のうち、ソース−ドレイン間の一部領域を開口する。このフィールドプレート膜21をマスクとし、エッチングガスとして、例えばCl2などを用いて、リセスを形成し、InAlN障壁層13を露出させる。ゲート絶縁膜23として、SiNなどの絶縁膜を形成する。前記開口部の底面では、InAlN障壁層13の表面をゲート絶縁膜23が被覆し、開口部の側面では、InAlNキャップ層16の側壁面を該絶縁膜が被覆する構造となる。この上に、例えばNi/Auなどの金属を蒸着して、MIS構造のゲート電極2およびフィールドプレート電極5を形成する。その結果、MIS構造のゲート電極2を採用し、ゲート電極2とInAlNキャップ層16との間に側壁膜24が挿入され、フィールドプレート膜21と前記絶縁膜の上に、フィールドプレート電極5が設けられている、図7に示す構造のHJFETが作製される。
第6の実施形態にかかるHJFETでは、逆方向耐圧を向上させる目的で、側壁膜24に加えて、ゲート電極として、図6に例示するフィールドプレート構造を採用しているが、ゲート電極の形状は任意の形態としてもよい。また、バッファ層およびチャネル層をGaNとしているが、これらをAlGaNあるいはInGaNとしても、同様の効果を持つHJFETを構成できる。
本発明にかかる半導体装置の構造は、III族窒化物半導体を用いて、エンハンスメント型の特性を持つ、低オン抵抗のHJFETの作製に好適に利用される。
本発明の第1の実施形態にかかるHJFETの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるHJFETの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかるHJFETの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第4の実施形態にかかるHJFETの構造を模式的に示す断面図である。 本発明によるHJFETにおける電子面密度と、従来技術によるHJFETにおける電子面密度との相違を示すグラフ表示した図である。 本発明の第5の実施形態にかかるHJFETの構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第6の実施形態にかかるHJFETの構造を模式的に示す断面図である。 従来技術によるHJFETの構造の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 ソース電極
2 ゲート電極
3 ドレイン電極
5 フィールドプレート
10 基板
13 InAlN障壁層
14 GaNバッファ層
15 GaNチャネル層
16 InAlNキャップ層
17 InAlGaN障壁層
18 InAlGaNキャップ層
21 フィールドプレート膜
23 ゲート絶縁膜
24 側壁膜
101 ソース電極
102 ゲート電極
103 ドレイン電極
110 基板
111 GaNバッファ層
112 GaNチャネル層
113 InAlGaN障壁層

Claims (8)

  1. バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
    その上に、チャネル層のGaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
    その上に障壁層(In1-zAlztGa1-tN(0<z≦1,0<t≦1)があり、
    その上にキャップ層(In1-pAlpqGa1-qN(0<p≦1,0<q≦1)があり、
    キャップ層上にオーミック接触する、ソース電極およびドレイン電極を備え、
    ソース電極とドレイン電極の間に、障壁層に接するゲート部を備える半導体装置であって、
    障壁層は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあい、ゲート直下の障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させない組成を有し、
    キャップ層は、バッファ層と格子整合し、自発分極により、障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させる組成を有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. バッファ層として、基板上にGa面成長した、GaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
    その上に、チャネル層のGaN、AlxGa1-xN(0<x≦1)またはInyGa1-yN(0<y≦1)があり、
    その上に障壁層In1-rAlrN(0≦r≦1)があり、
    その上にキャップ層In1-sAlsN(0≦s≦1)があり、
    キャップ層上にオーミック接触する、ソース電極およびドレイン電極を備え、
    ソース電極とドレイン電極の間に、障壁層と接するゲート部を備える半導体装置であって、
    障壁層は、自発分極とピエゾ分極が打ち消しあい、ゲート直下の障壁層とチャネル層の界面に二次元電子ガスを発生させない組成を有し、
    キャップ層は、バッファ層と格子整合し、自発分極により、バッファ層と障壁層の界面に二次元電子ガスを発生させる組成を有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
    障壁層(In1-zAlztGa1-tNにおけるzは、0<z≦0.74であり、
    キャップ層(In1-pAlpqGa1-qNにおけるpは、0.77≦p≦0.85である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
    障壁層In1-rAlrNのAl組成rは、0<r≦0.74であり、
    キャップ層In1-sAlsNのAl組成sは、0.77≦s≦0.85である
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
    チャネル層が、GaNであり、
    障壁層(In1-zAlztGa1-tNにおけるzは、0.62≦z≦0.74であり、
    キャップ層(In1-pAlpqGa1-qNにおけるpは、0.77≦p≦0.85である
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  6. バッファ層が、基板上にGa面成長した、GaNであり、
    チャネル層が、GaNであり、
    障壁層In1-rAlrNのAl組成rは、0.62≦r≦0.74であり、
    キャップ層In1-sAlsNのAl組成sは、0.77≦s≦0.85である
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  7. ゲート部の構造は、
    障壁層に接して、金属−絶縁体−半導体で構成されるMISゲート電極である
    ことを特徴とする請求項1−6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. ゲート部の構造は、
    障壁層にショットキ接合するゲート電極である
    ことを特徴とする請求項1−6のいずれか一項に記載の半導体装置。
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