JP2009004421A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板と、前記基板上に設けられた半導体層とを備え、前記半導体層は、前記基板上に設けられ、Ga面成長した、組成AlxGa1−xN(0<x≦1)またはInyGa1−yN(0<y≦1)を有するバッファ層と、前記バッファ層上に設けられ、前記バッファ層の組成と異なる組成、In1−z−tAlzGatN(0<z≦1,0≦t<1)を有する障壁層と、を備えることを特徴とする半導体装置。
【選択図】図1
Description
σ=Psp103−Psp102+Ppz103・・・・・・・(1)
σ=Psp104−Psp102+Ppz104・・・・・・・(2)
InAlNは、Al組成0.83においてGaNと格子整合するため、この組成を境に、Ppz104の極性が反転する。この組成では自発分極により界面に負電荷が生じているが、更にAl組成を減じるとPpz104の増加により自発分極が打ち消され、Al組成0.7において電荷密度σはゼロになる。
この組成よりAlを減じた半導体構造により、エンハンスメント型の特性を実現できる。
特許文献3には、半導体基板と、この半導体基板上に形成されたバッファ層、このバッファ層よりも上層に形成されたチャネル層とを備える半導体装置が記載されている。同文献において、バッファ層にはAlGaNが使用され、障壁層には、AlGaNが使用される。
特許文献4には、基板上に積層されたアンドープAlN層と、このアンドープAlN層上に積層されたSiドープn型AlN層と、このSiドープn型AlN層上に、高濃度Siドープn型AlN層を介して形成されたオーミック電極と、このSiドープn型AlN層上に形成されたショットキー電極とを備えるショットキーダイオードが記載されている。
図1〜3を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の断面構造を示す。この半導体装置は、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HJFET)であり、基板10と、この基板10上に設けられた半導体層とを備え、この半導体層は、基板10上に設けられた、組成InyGa1−yN(0<y≦1)を有するバッファ層11と、このバッファ層11上に設けられ、バッファ層11と異なる組成、In1−z−tAlzGatN(0<z≦1,0≦t<1)を有する障壁層13とを備える。
In1−zAlzN障壁層の組成は以下のように決定される。
a(AlxGa1−xN)=3.1986−0.0891x Å・・・・(3)
a(InyGa1−yN)=3.1986+0.3862y Å・・・・(4)
a(In1−zAlzN)=3.5848−0.4753z Å・・・・(5)
Psp(AlxGa1−xN)=−0.090x−0.031(1−x)+0.021x(1−x)Cm−2・・・・(6)
Psp(InyGa1−yN)=−0.042y−0.034(1−y)+0.037y(1−y)Cm−2・・・・(7)
Psp(In1−zAlzN)=−0.090z−0.042(1−z)+0.070z(1−z)Cm−2・・・・(8)
Ppz(AlN)=−1.808ε+5.624ε2Cm−2ε<0 ・・・・(9)
Ppz(AlN)=−1.808ε−7.888ε2 Cm−2ε>0 ・・・・(10)
Ppz(GaN)=−0.918ε+9.541ε2Cm−2 ・・・・(11)
Ppz(InN)=−1.373ε+7.559ε2Cm−2 ・・・・(12)
ここでεは、バッファ層の格子定数をabuffer、障壁層の格子定数をaesとすると、
ε=(abuffer−aes)/aes ・・・・(13)
である。
Ppz(In1−zAlzN)=zPpz(AlN)+(1−z)Ppz(InN) ・・・・(14)
と表せるから、本発明ではabuffer<aesであるので、ε<0であり、(9)、(12)式より
Ppz(In1−zAlzN)=−1.373ε+7.559ε2−(0.435ε+1.935ε2)zCm−2ε<0 ・・・・(15)
ここでバッファ層がInyGa1−yNの場合の歪は、(4)、(5)、(13)式より、
ε(In1−zAlzN/InyGa1−yN)=(0.3862y+0.4753z−0.3862)/(3.5848−0.4753z)・・・・(17)
である。
Psp(In1−zAlzN/InyGa1−yN)=Psp(In1−zAlzN)−Psp(InyGa1−yN)=−0.076−z(0.118+0.070z)+y(0.029−0.037y)・・・・(18)
In1−zAlzN障壁層とInyGa1−yNバッファ層の界面の、この障壁層側に発生する電荷密度σは、
σ(In1−zAlzN/InyGa1−yN)=Ppz(In1−zAlzN/InyGa1−yN)+Psp(In1−zAlzN/InyGa1−zN)・・・・(19)
であり、この値を0以上とすることでエンハンス型の特性を実現する。
−1.373ε+7.559ε2−(0.435ε+1.935ε2)z−0.076−z(0.118+0.070z)+y(0.029−0.037y)>0
(ただしε=(0.3862y+0.4753z−0.3862)/(3.5848−0.4753z)) ・・・・(19')
図3はInGaNバッファ層のIn組成と、InAlN障壁層の分極電荷がゼロとなる組成における格子不整合の関係を示したものである。バッファ層11のIn組成を増やすことで、障壁層13とバッファ層11の格子不整合が解消されることを示している。
図4を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
図4は、本実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。この半導体装置は、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(HJFET)であり、基板10と、この基板10上に設けられた半導体層とを備え、この半導体層は、基板10上に設けられた、組成AlxGa1−xN(0<x≦1)有するバッファ層14と、このバッファ層14上に設けられ、バッファ層14と異なる組成、In1−z−tAlzGatN(0<z≦1,0≦t<1)を有する障壁層13とを備える。
In1−zAlzN障壁層の組成は以下のように決定される。
ここでバッファ層がAlxGa1−xNの場合の歪は、(3)、(5)、(13)式より、
ε(In1−zAlzN/AlxGa1−xN)=(−0.0891x+0.4753z−0.3862)/(3.5848−0.4753z)・・・・(20)
である。
Psp(In1−zAlzN/AlxGa1−xN)=Psp(In1−zAlzN)−Psp(AlyGa1−xN)=−0.011+z(0.022−0.070z)+x(0.038+0.021y)・・・・(21)
In1−zAlzN障壁層とAlxGa1−xNバッファ層の界面の、この障壁層側に発生する電荷密度σは、
σ(In1−zAlzN/AlxGa1−xN)=Ppz(In1−zAlzN/AlxGa1−xN)+Psp(In1−zAlzN/AlxGa1−xN)・・・・(22)
であり、この値を0以上とすることでエンハンス型の特性を実現する。
−1.373ε+7.559ε2−(0.435ε+1.935ε2)z−0.011+z(0.022−0.070z)+x(0.038+0.021x)>0
(ただしε=(−0.0891x+0.4753z−0.3862)/(3.5848−0.4753z)) ・・・・(22')
図5を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。
図5は、本実施形態に係るHJFETの断面構造を示す。このHJFETはSiCなどの基板10上に形成される。基板10上にはInyGa1−yNバッファ層11が形成されている。このバッファ層11上に同一組成のInyGa1−yNチャネル層12が形成されている。チャネル層12の上にIn1−zAlzN障壁層13が形成され、この障壁層13に接してソース電極1とドレイン電極3が形成され、いずれもオーム性接触がとられている。障壁層13に接して保護膜31が形成されており、ソース電極1とドレイン電極3の間の保護膜31の一部が除去され、露出した障壁層13に接してショットキー接触のゲート電極2およびゲート電極と一体で保護膜31上に庇状に乗り上げたフィールドプレート5が形成されている。ソース電極1およびドレイン電極3の直下からゲート電極2の近傍にかけて、表面から障壁層13とチャネル層12の境界を越える形でn型領域21が形成されている。In1−zAlzN障壁層13の組成はピエゾ分極により自発分極を打ち消すように決定され、この結果ゲート電極2の直下に二次元電子ガスが発生しないため、エンハンス型の特性が実現されている。
本実施形態ではバッファ層をInGaNとしているが、第2の実施形態で示したようにバッファ層およびチャネル層をAlGaNとしても同様の効果が得られる。
図6を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。
図6は、本実施形態に係るHJFETの断面構造を示す。このHJFETはSiCなどの基板10上に形成される。基板10上にはInyGa1−yNバッファ層11が形成されている。このバッファ層11上に同一組成のInyGa1−yNチャネル層12が形成されている。チャネル層の上にIn1−zAlzN障壁層13が形成され、この障壁層13に接してソース電極1とドレイン電極3が形成され、いずれもオーム性接触がとられている。障壁層13に接してゲート絶縁膜32が形成されており、ソース電極1とドレイン電極3の間のゲート絶縁膜32に接して金属−絶縁膜−半導体(MIS)構造を有するゲート電極2が形成されている。ソース電極1およびドレイン電極3の直下からゲート電極2の近傍にかけて、表面から障壁層13とチャネル層12の境界を越える形でn型領域21が形成されている。In1−zAlzN障壁層13の組成はピエゾ分極により自発分極を打ち消すように決定され、この結果ゲート電極2の直下に二次元電子ガスが発生しないため、エンハンス型の特性が実現されている。
本実施形態は電極形成前に半導体層を加工しないプレーナ構造としているが、ソース電極1とドレイン電極3との間の半導体層の一部を除去し、露出した面上にゲート絶縁膜32を形成するリセス構造としてもよい。また、ソース電極およびドレイン電極を障壁層13の上に形成しているが、コンタクト抵抗を低減するためのキャップ層(図示せず)を介してソース電極1およびドレイン電極3を形成しても良い。
図7を参照して本発明の第5の実施形態を説明する。
図7は、本実施形態に係るHJFETの断面構造を示す。このHJFETはSiCなどの基板10上に形成される。基板10上にはInyGa1−yNバッファ層11が形成されている。このバッファ層11上に同一組成のInyGa1−yNチャネル層12が形成されている。チャネル層の上にIn1−zAlzN障壁層13が形成され、この障壁層13に接してソース電極1とドレイン電極3が形成され、いずれもオーム性接触がとられている。障壁層13に接して保護膜31が形成されており、ソース電極1とドレイン電極3の間の保護膜31を除去し、露出した障壁層13に接してゲート絶縁膜32が形成されている。障壁層13とゲート絶縁膜32が接した部分の上部にMIS構造を有するゲート電極2と、ゲート電極2と一体でゲート絶縁膜32に接してドレイン電極3側に伸びた庇状のフィールドプレート5が形成されている。ソース電極1およびドレイン電極3の直下からゲート電極2の近傍にかけて、表面から障壁層13とチャネル層12の境界を越える形でn型領域21が形成されている。In1−zAlzN障壁層13の組成はピエゾ分極により自発分極を打ち消すように決定され、この結果ゲート電極2の直下に二次元電子ガスが発生しないため、エンハンス型の特性が実現されている。
本実施形態ではバッファ層11をInGaNとしているが、第2の実施形態で示したようにバッファ層及びチャネル層をAlGaNとしても同様の効果が得られる。
2 ゲート電極
3 ドレイン電極
5 フィールドプレート
10 基板
11 InGaNバッファ層
12 InGaNチャネル層
13 InAlN障壁層
14 AlGaNバッファ層
15 AlGaNチャネル層
21 n型領域
31 保護膜
32 ゲート絶縁膜
101 GaNバッファ層
102 GaNチャネル層
103 AlGaN障壁層
104 InAlGaN障壁層
105 二次元電子ガス
Claims (9)
- 基板と、
前記基板上に設けられた半導体層とを備え、
前記半導体層は、
前記基板上に設けられ、Ga面成長した、組成AlxGa1−xN(0<x≦1)またはInyGa1−yN(0<y≦1)を有するバッファ層と、
前記バッファ層上に設けられ、前記バッファ層の組成と異なる組成、In1−z−tAlzGatN(0<z≦1,0≦t<1)を有する障壁層と、
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記障壁層において、自発分極とピエゾ分極の極性が反対方向であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記障壁層において、自発分極がピエゾ分極で打ち消されることで前記障壁層と前記バッファ層の界面の、前記障壁層側に発生する電荷密度がゼロまたは負となり、前記障壁層と前記バッファ層の界面に二次元電子ガスが発生しないことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 基板と、
前記基板上に設けられた半導体層とを備え、
前記半導体層は、
前記基板上に設けられた、組成AlxGa1−xN(0<x≦1)またはInyGa1−yN(0<y≦1)を有するバッファ層と、
前記バッファ層上に設けられ、前記バッファ層の組成と異なる組成、In1−zAlzN層(0<z≦1)を有する障壁層と、
を備えることを特徴とする半導体装置。 - 前記障壁層において、自発分極がピエゾ分極で打ち消されることで前記障壁層と前記バッファ層の界面の、前記障壁層側に発生する電荷密度がゼロまたは負となり、前記障壁層と前記バッファ層の界面に二次元電子ガスが発生しないことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
- 前記バッファ層の組成がAlxGa1−xN(0<x≦1)であり、前記障壁層の前記バッファ層に対する歪がεである場合、
−1.373ε+7.559ε2−(0.435ε+1.935ε2)z−0.011+z(0.022−0.070z)+x(0.038+0.021x)>0(ただしε=(−0.0891x+0.4753z−0.3862)/(3.5848−0.4753z))、
であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。 - 前記バッファ層の組成がInyGa1−yN(0<y≦1)であり、前記障壁層の前記バッファ層に対する歪がεである場合、
−1.373ε+7.559ε2−(0.435ε+1.935ε2)z−0.076−z(0.118+0.070z)+y(0.029−0.037y)>0(ただしε=(0.3862y+0.4753z−0.3862)/(3.5848−0.4753z))、
であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。 - 前記半導体層上に設けられた、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極をさらに備え、
前記ゲート電極は前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に設けられ、
前記ソース電極およびドレイン電極は前記半導体層とオーム性接触し、
前記ゲート電極は前記半導体層とショットキー性接触しているか、または前記ゲート電極はMIS構造を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記ソース電極およびドレイン電極と、前記半導体層との間に、コンタクト抵抗を低減するためのキャップ層をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
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