JP2009049140A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板に対して良好に熱処理を施すことができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】 保持部は、加熱対象となる基板Wを保持する。光照射部は、複数のフラッシュランプを有しており、チャンバー6内の基板Wに閃光を照射する。計測部は、保持部に設置され、光照射部から出射された閃光のエネルギーを計測する。第1近似演算部21は、閃光回数N1と、N1回目の発光が行われたときに計測された閃光エネルギーEfと、から近似直線AL1のパラメータ(A,B)を演算する。このパラメータ(A,B)は、第1パラメータ格納部91aに格納される。エネルギー演算部31は、パラメータ(A,B)によって定まる近似直線AL1に基づいて、N2回目の発光時に基板W側に照射される閃光エネルギーEfを演算する。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体ウェハーやガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に閃光を照射することにより、基板を加熱する熱処理装置に関する。
従来より、各フラッシュランプから照射された光強度に基づいて、各フラッシュランプの照射状況および各フラッシュランプの劣化状況を判断する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−281748号公報
ここで、特許文献1に開示されているように、フラッシュランプは、繰り返し発光されると劣化し、基板に照射される閃光のエネルギーが低下する。また、基板表面は、照射される閃光のエネルギーに応じて昇温する。
しかしながら、特許文献1の技術では、フラッシュランプから基板側に向けてどれくらいの閃光エネルギーが照射されるかについて把握することができない。その結果、特許文献1の技術では、フラッシュランプを繰り返して使用することにより、基板の熱処理状況がどのように推移するかを把握することができない。
そこで、本発明では、基板に対して良好に熱処理を施すことができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、保持部に保持された基板に閃光を照射することにより、前記基板を加熱する熱処理装置において、フラッシュランプを有し、前記フラッシュランプに印加された電圧に応じて前記閃光を出射する光源と、前記光源から出射された前記閃光のエネルギーを計測する計測部と、前記フラッシュランプへの印加電圧を一定として前記光源から複数回出射された閃光について、第1閃光回数N1と、N1回目の発光が行われたときに前記基板側で計測された第1閃光エネルギーと、から第1近似直線を演算する第1近似演算部と、前記第1近似演算部によって演算された第1近似直線の第1パラメータを格納する第1格納部と、前記第1格納部の前記第1パラメータによって定まる第1近似直線に、第2閃光回数N2を代入することにより、N2回目の発光時に前記基板側に照射される第2閃光エネルギーを演算するエネルギー演算部とを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の熱処理装置において、前記第1閃光エネルギーが計測される場合、前記保持部には前記計測部が設置され、熱処理が実行される場合、前記保持部には前記基板が保持されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の熱処理装置において、前記保持部付近に設けられており、前記光源から出射されて前記保持部付近に照射された閃光を前記計測部に導く導入部、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の熱処理装置において、前記基板の熱処理時に計測された第3閃光エネルギーと、前記エネルギー演算部によって演算された第2閃光エネルギーと、に基づいて、前記光源の発光状況を監視する監視部、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、前記フラッシュランプに印加される複数の第1印加電圧のそれぞれについて、前記第1近似演算部に前記第1パラメータを演算させる複数パラメータ演算部と、前記複数パラメータ演算部によって求められた複数の第1パラメータにつき、各第1パラメータの第1傾きと、対応する第1印加電圧と、から第2近似直線を演算する第2近似演算部と、前記複数パラメータ演算部によって求められた複数の第1パラメータにつき、各第1パラメータの第1切片と、対応する第1印加電圧と、から第3近似直線を演算する第3近似演算部と、前記第2近似演算部によって演算された前記第2近似直線の第2パラメータを格納する第2格納部と、前記第3近似演算部によって演算された前記第3近似直線の第3パラメータを格納する第3格納部と、前記第2パラメータによって定まる前記第2近似直線に第2印加電圧を代入することにより、前記第2印加電圧における第2傾きを演算する傾き演算部と、前記第3パラメータによって定まる前記第3近似直線に前記第2印加電圧を代入することにより、前記第2印加電圧における第2切片を演算する切片演算部とをさらに備え、前記エネルギー演算部は、前記傾き演算部により演算された前記第2傾きと、前記切片演算部により演算された前記第2切片と、から構成される前記第1パラメータに基づいて、前記第1近似直線を決定するとともに、決定された前記第1近似直線に前記第2閃光回数N2を代入することにより、前記第2印加電圧に設定された前記光源からN2回目の発光時に照射される前記第2閃光エネルギーを演算することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の熱処理装置において、前記第2格納部に格納された前記第2パラメータと、前記第3格納部に格納された前記第3パラメータと、N2回目の発光時に前記基板に照射すべき前記第2閃光エネルギーと、から、前記フラッシュランプに印加すべき第3印加電圧を演算する印加電圧演算部、をさらに備えることを特徴とする。
請求項1ないし請求項6に記載の発明によれば、フラッシュランプの印加電圧を一定とした場合、第1格納部に格納された第1パラメータを用いることによって、N2回目の発光時に基板側に照射される第2閃光エネルギーを演算することができる。これにより、光源を繰り返し発光させて熱処理を実行する場合であっても、各発光時に基板側に出射される閃光のエネルギーを予測することができる。そのため、基板の熱処理状況を容易に把握することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、計測部は、熱処理時において基板が保持される位置と略同一位置に設置される。これにより、計測部は、熱処理時の基板と略同一な条件で第1閃光エネルギーを計測することができる。そのため、第1近似演算部は、第1パラメータを正確に演算することができ、エネルギー演算部によって第2閃光エネルギーを良好に演算することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、導入部は保持部付近に設けられており、光源からの閃光は導入部によって計測部に導かれる。これにより、計測部は、保持部に基板が保持されているか否かに関わらず、光源から出射された閃光のエネルギーを計測することができる。そのため、第1近似直線の演算に使用される第1閃光エネルギーの計測時だけでなく、基板の熱処理時にも、光源からの閃光エネルギーを計測することができる。
特に、請求項4に記載の発明によれば、監視部によって、基板熱処理時の発光状況をリアルタイムに監視することができる。これにより、良好な閃光が照射されず、その結果、熱処理不良の生ずるおそれがある基板を容易に検出することができる。そのため、後工程に不良基板が混入することを未然に防止することができる。
特に、請求項5に記載の熱処理装置によれば、第2印加電圧および第2閃光回数N2が設定された場合、第2格納部に格納された第2パラメータと、第3格納部に格納された第3パラメータと、を用いることによって、N2回目の発光時に基板側に照射される第2閃光エネルギーを演算することができる。これにより、光源を繰り返し発光させて熱処理を実行する場合であっても、各発光時に基板に照射される閃光エネルギーを予測することができる。そのため、基板の熱処理状況を容易に把握することができる。
特に、請求項6に記載の熱処理装置によれば、N2回目の発光時に基板に照射すべき第2閃光エネルギーが設定された場合、第2格納部に格納された第2パラメータと、第3格納部に格納された第3パラメータと、を用いることによって、フラッシュランプに印加されるべき第3印加電圧を演算することができる。そのため、基板側に照射される閃光のエネルギーを容易に制御することができ、基板の熱処理を良好に実行することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1.1.熱処理装置の構成>
図1ないし図3は、本発明の第1の実施の形態における熱処理装置1の構成の一例を示す側断面図である。熱処理装置1は、基板W(図2参照)に極めて強い閃光を照射することにより、基板Wの表面を加熱する。また、熱処理装置1の加熱対象となる基板Wは、例えば、イオン注入法により不純物が添加されたものであり、添加された不純物は、この熱処理によって活性化する。
図1ないし図3に示すように、熱処理装置1は、主として、光照射部5と、チャンバー6と、保持部7と、制御部90と、を備えている。なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が付されている。
光照射部5は、図1ないし図3に示すように、チャンバー6の上部に設けられている。光照射部5は、主として、複数(本実施の形態においては30本)のキセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」と呼ぶ)69と、リフレクタ52と、光拡散板53と、を有している。
各フラッシュランプ69は、長尺円筒状のランプである。図2に示すように、各フラッシュランプ69の長手方向は、保持部7に保持される基板Wの主面と略平行となるように配列されている。また、各フラッシュランプ69は、その両端に印加された電圧に応じたエネルギー(閃光エネルギー)を有する閃光(フラッシュ光)を出射する。
ここで、光照射部5からチャンバー6内の基板Wに閃光が照射されると、基板Wの表面温度は、瞬間的に1000℃ないし1100℃程度の熱処理温度T2まで急速に上昇し、基板Wに添加された不純物が活性化される。そして、熱処理温度T2まで急速に昇温した基板Wの表面温度は、その後、急速に下降する。そのため、閃光による熱処理後、基板Wに添加された不純物が熱拡散し、基板W中の不純物のプロファイルがなまることを抑制することができる。
リフレクタ52は、複数のフラッシュランプ69の上方に配置されており、各フラッシュランプ69の全体を覆うように設けられている。また、リフレクタ52の表面は、ブラスト処理により粗面化加工が施されており、梨地模様を呈している。
光拡散板53は、石英ガラスによって形成されており、光拡散板53の表面には、光拡散加工が施されている。これにより、フラッシュランプ69から出射された光は、光拡散板53に入射して拡散される。そして、光拡散板53を透過した光は、チャンバー6内に到達する。このように、本実施の形態において、光照射部5は、各フラッシュランプ69に印加された電圧に応じた閃光を基板W側に出射する光源として使用される。
チャンバー6は、略円筒形状を有する熱処理室である。チャンバー6の内部空間(熱処理空間65)には、熱処理対象となる基板Wが収納可能とされている。図1ないし図3に示すように、チャンバー6は、透光板61を有している。
透光板61は、例えば、石英等により形成された円盤体であり、図1ないし図3に示すように、光照射部5の下方であって、チャンバー6上部の開口60に設けられている。また、透光板61と光拡散板53との間には、所定の間隙が設けられている。光照射部5から出射された光は、透光板61を透過して窒素ガス(不活性ガス)雰囲気とされた熱処理空間65に到達し、基板Wに照射される。
保持部7は、加熱対象となる基板Wを保持するとともに、受け渡し位置(図3参照)と熱処理位置(図1および図2参照)との間で基板Wを昇降させる。図1ないし図3に示すように、保持部7は、主として、ホットプレート71と、サセプタ72と、ピン75と、を有している。
ホットプレート71は、サセプタ72の下面に密着して設けられている。図1ないし図3に示すように、ホットプレート71の上面(基板W側の面)は、サセプタ72によって覆われている。また、ホットプレート71は、光照射部5からの閃光による熱処理が施される前の基板を予備加熱する。
これにより、保持部7に保持された基板Wは予備加熱温度T1まで昇温し、基板Wに添加された不純物の拡散が防止される。また、予備加熱された基板Wの表面温度は、フラッシュランプ69による熱処理時において、熱処理温度T2(>T1)まで速やかに上昇する。
サセプタ72は、石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であっても良い)によって形成されており、光照射部5による熱処理時において基板Wを保持する。図1ないし図3に示すように、サセプタ72の上部周縁付近には、基板Wの位置ズレを防止するピン75が設けられている。
ここで、図1ないし図3に示すように、チャンバー6の底部62には、複数の支持ピン70が固定されている。各支持ピン70は、例えば石英によって形成された棒状体であり、略垂直方向(Z軸方向)に立設されている。また、保持部7には複数の貫通孔77が設けられている。各貫通孔77には対応する支持ピン70が挿通可能とされている。
また、保持部7の下部には、略円筒状のシャフト41が接続されている。さらに、シャフト41、およびこれに固定された保持部7は、昇降部42によってZ軸方向に昇降可能とされている。
したがって、ゲートバルブ185が開放されて、チャンバー6内に基板Wが搬入されると、基板Wは、受け渡し位置にて各支持ピン70に支持される(図3参照)。各支持ピン70に受け渡された後に、昇降部42によって保持部7が昇降させられると、各支持ピン70に支持された基板Wは、保持部7のサセプタ72に受け渡される。そして、さらに保持部7が昇降させられると、基板Wは、熱処理位置まで移動させられる(図2参照)。一方、熱処理が完了すると、熱処理位置の基板Wは、下降させられる。そして、受け渡し位置付近で、基板Wはサセプタ72から離隔され、各支持ピン70に受け渡される。
計測部78は、いわゆるカロリーメータによって構成されており、光照射部5から出射された閃光のエネルギーを計測する。計測部78に閃光が入射すると、計測部78は、この閃光エネルギーに応じた電気信号を出力する。
ここで、カロリーメータとは、光子のエネルギーを計測する粒子検出器を言う。すなわち、カロリーメータは、入射する光子によって電子陽電子対生成と制動輻射とを繰り返し生じさせることにより、光照射部5からの閃光エネルギーに応じた電気信号を出力する。
閃光エネルギーの計測が実行される場合、計測部78は、熱処理位置まで移動させられた保持部7に設置される(図1参照)。一方、フラッシュランプ69による熱処理が実行される場合、計測部78は保持部7上から取り外され、保持部7には基板Wが保持される(図2参照)。このように、計測部78は、熱処理時に基板Wが保持される保持部7にて、閃光エネルギー(第1閃光エネルギー)を計測することができる。
制御部90は、熱処理装置1の各構成要素の動作制御(例えば、光照射部5による閃光の照射制御や、昇降部42による保持部7の昇降制御等)、およびデータ演算(例えば、閃光エネルギーに基づいた近似直線の演算等)を実現する。図1ないし図3に示すように、制御部90は、主として、RAM91と、ROM(Read Only Member)92と、CPU(Central Processing Unit)93と、を有している。
RAM(Random Access Memory)91は、揮発性の記憶部であり、例えば、CPU93の演算で使用されるデータが格納される。ROM92は、いわゆる不揮発性の記憶部であり、例えば、プログラム92aが格納される。CPU93は、ROM92のプログラムに従った制御やデータ演算を実行する。なお、CPU93によって実現される機能については、後述する。
<1.2.制御部の機能構成>
図4は、制御部90の機能構成を説明するためのブロック図である。制御部90のCPU93は、複数の演算機能を実現し、例えば、基板W側に照射される閃光エネルギーを演算する。また、図4中のCPU93内に記載されている各演算部(第1近似演算部21、複数パラメータ演算部23、切片演算部35、第3近似演算部27、エネルギー演算部31、傾き演算部33、切片演算部35、および、印加電圧演算部37)は、プログラム92a(ソフトウェア)に従って実現される。
ここで、閃光エネルギーEfと閃光回数Nとの関係について説明する。図5は、フラッシュランプ69への印加電圧Vaを一定とした場合における閃光エネルギーEfと閃光回数Nとの関係を示すグラフである。閃光エネルギーEfの計測時において、保持部7は熱処理位置とされ、保持部7には基板Wでなく計測部78が載置される(図1参照)。
図5の横軸は閃光回数Nを、縦軸はN回目の閃光時において計測された閃光エネルギーEfを、それぞれ表す。また、図5中の 「△」(白抜き三角)、「□」(白抜き四角)、「○」(白抜き丸)、「◇」(白抜き菱形)、「×」、「●」(黒塗り丸)、および「◆」(黒塗り菱形)は、それぞれ、フラッシュランプ69への印加電圧Vaが4297(V)、4000(V)、3694(V)、3496(V)、3397(V)、3100(V)、および2794(V)に設定された場合における計測値をプロットしたものである。
さらに、図5中の実線AL11は、印加電圧Vaが4297(V)に設定されたときに計測された各計測値について、最小2乗法を施すことにより得られた近似直線(第1近似直線)を示す。また同様に、実線AL12、AL13、AL14、AL15、AL16、およびAL17は、それぞれ印加電圧Vaが4000(V)、3694(V)、3496(V)、3397(V)、3100(V)、および2794(V)に設定されたの各近似直線(第1近似直線)を示す。なお、以下では、近似直線AL11〜AL17を総称して近似直線AL1と呼ぶ。
図5の各近似直線AL11〜AL17から分かるように、閃光エネルギーEfと閃光回数Nとは、良好に直線近似されている。したがって、横軸にVa、縦軸にEfをとったときの傾きをA、縦軸と近似直線AL1との切片をBとした場合、閃光エネルギーEfと閃光回数Nとの関係は数1によって表される。
Ef = A・N + B ・・・ 数1
数1に示すように、印加電圧Vaが一定のとき、近似直線AL1のパラメータ(A,B)が分かれば、N回目の発光時の閃光エネルギーを予測することが可能となる。そして、本実施の形態において、第1近似演算部21およびエネルギー演算部31(図4参照)は、数1の相関関係(比例関係)を利用して、閃光エネルギーEfを演算する。
第1近似演算部21は、フラッシュランプ69への印加電圧Vaが一定とされ、光照射部5から基板W側に複数回出射された閃光の閃光エネルギーEfを最小2乗近似する。すなわち、計測部78は、N1回目の発光が行われたときに基板W側で計測された閃光エネルギーEfを計測する。そして、第1近似演算部21は、閃光回数N1(第1閃光回数N1)と、N1回目の発光が行われたときに計測された閃光エネルギーEf(第1閃光エネルギー)と、から近似直線AL1を演算する。
なお、第1近似演算部21によって演算された近似直線AL1の(第1)パラメータ(A,B)は、RAM91の第1パラメータ格納部91a(第1格納部:図4参照)に格納される。
エネルギー演算部31は、近似直線AL1に基づいて、N2回目の閃光エネルギーEfをの演算値求める(予測する)。すなわち、エネルギー演算部31は、印加電圧Vaに応じたパラメータ(A,B)を第1パラメータ格納部91aから選択する。続いて、エネルギー演算部31は、パラメータ(A,B)によって定まる近似直線AL1(数1参照)に、N=N2(N2:第2閃光回数)を代入する。これにより、エネルギー演算部31は、N2回目の発光時に基板W側に照射される閃光エネルギーEf(第2閃光エネルギー)を演算することができる。
このように、フラッシュランプ69への印加電圧Vaが一定とされた場合、エネルギー演算部31は、第1パラメータ格納部91aに格納されたパラメータ(A,B)を用いることによって、N2回目の発光時に照射される閃光エネルギーEfを演算することができる。これにより、エネルギー演算部31は、光照射部5を繰り返し発光させて熱処理を実行する場合であっても、各発光時に基板W側に出射される閃光のエネルギーを予測することができる。そのため、光照射部5からの閃光による基板表面の熱処理状況が容易に把握される。
ここで、上述の各印加電圧Va(Va=(4297、4000、3694、3496、3397、3100、2794)(V))について、閃光エネルギーEfの計測値と、エネルギー演算部31による演算値と、の関係を説明する。
図6は、閃光エネルギーEfの計測値と演算値との関係を示すグラフである。図6の横軸は閃光回数Nを、縦軸は閃光エネルギーEfの計測値を数1による演算値で除した値R1(すなわち、演算値に対する計測値の比率R1)を、それぞれ表す。また、図6中の 「△」(白抜き三角)、「□」(白抜き四角)、「○」(白抜き丸)、「◇」(白抜き菱形)、「×」、「●」(黒塗り丸)、および「◆」(黒塗り菱形)は、それぞれ、フラッシュランプ69への印加電圧Vaが4297(V)、4000(V)、3694(V)、3496(V)、3397(V)、3100(V)、および2794(V)に設定された場合における比率R1をプロットしたものである。図6に示すように、比率R1は、各印加電圧Vaとも、概ね98%〜101%の範囲となった。したがって、各印加電圧Vaについて、N2回目の発光時における閃光エネルギーは、数1に基づいた演算により良好に求められる。
また、計測部78は、熱処理時において基板Wが保持される位置と略同一位置に設置される。これにより、計測部78は、熱処理時の基板Wと略同一な条件で閃光エネルギーEf(第1閃光エネルギー)を計測することができる。そのため、第1近似演算部21は、パラメータ(A,B)を正確に演算することができ、エネルギー演算部31は、閃光エネルギー(第2閃光エネルギー)を良好に予測することができる。
次に、近似直線AL1のパラメータである傾きAと、フラッシュランプ69への印加電圧Vaとの関係について説明する。図7は、近似直線AL1の傾きAと印加電圧Vaとの関係を示すグラフである。
図7の横軸はフラッシュランプ69への印加電圧Vaを、縦軸は近似直線AL1の傾きAを、それぞれ表す。また、図7中の「●」(黒塗り丸)は、各印加電圧Vaについて、第1近似演算部21により演算された傾きAをプロットしたものである。さらに、図7中の実線AL2は、「●」で示される各プロット点について、最小2乗法を施すことにより得られた近似直線(第2近似直線)を示す。
図7に示すように、近似直線AL1の傾きAと印加電圧Vaとは、近似直線AL2によって良好に直線近似されている。したがって、横軸に閃光エネルギーEf、縦軸に傾きAを取ったときの傾きをa、縦軸と近似直線AL2との切片をbとした場合、第1近似直線の傾きAと印加電圧Vaとの関係は数2によって表される。
A = a・Va + b ・・・ 数2
数2に示すように、複数の印加電圧Vaについて閃光エネルギーEfが計測されるとともに、計測された閃光エネルギーEfに基づいて近似直線AL1の傾きAが求められると、計測されていない他の印加電圧Vaについても第1近似直線AL1の傾きAを予測することが可能となる。
続いて、近似直線AL1のパラメータである切片Bと、フラッシュランプ69への印加電圧Vaとの関係について説明する。図8は、近似直線AL1の切片Bと印加電圧Vaとの関係を示すグラフである。
図8の横軸はフラッシュランプ69への印加電圧Vaを、縦軸は近似直線AL1の切片Bを、それぞれ表す。また、図8中の「●」(黒塗り丸)は、各印加電圧Vaについて、第1近似演算部21により演算された切片Bをプロットしたものである。さらに、図8中の実線AL3は、「●」で示される各プロット点について、最小2乗法を施すことにより得られた近似直線(第3近似直線)を示す。
図8に示すように、近似直線AL1の切片Bと印加電圧Vaとは、近似直線AL3によって良好に直線近似されている。したがって、横軸に印加電圧Va、縦軸に切片Bを取ったときの傾きをc、縦軸と近似直線AL3との切片をdとした場合、第1近似直線の切片Bと印加電圧Vaとの関係は数3によって表される。
B = c・Va + d ・・・ 数3
数3に示すように、複数の印加電圧Vaについて閃光エネルギーEfが計測されるとともに、計測された閃光エネルギーEfに基づいて近似直線AL1の切片Bが求められると、計測されていない他の印加電圧Vaについても第1近似直線AL1の切片Bを予測することが可能となる。
さらに、数2および数3を数1に代入すると、閃光エネルギーEfおよび印加電圧Vaは、それぞれ数4および数5によって表される。
Ef = (a・N + c)・Va + (b・N + d) ・・・ 数4
Va = (Ef − b・N + d)/(a・N + c) ・・・ 数5
数4に示すように、近似直線AL2のパラメータ(a,b)と近似直線AL3のパラメータ(c,d)とが分かるとともに、印加電圧Vaと閃光回数Nとが定まると、N回目の閃光時における閃光エネルギーEfを予測することが可能となる。
また、数5に示すように、近似直線AL2のパラメータ(a,b)と近似直線AL3のパラメータ(c,d)とが分かるとともに、閃光回数NとN回目の閃光時に基板W側に照射すべき閃光エネルギーEfとが定まると、N回目の閃光時にフラッシュランプ69に印加すべき印加電圧Vaを予測することが可能となる。
そして、本実施の形態において、複数パラメータ演算部23、第2近似演算部25、第3近似演算部27、傾き演算部33、切片演算部35、および印加電圧演算部37(図4参照)は、数2ないし数5の相関関係(比例関係)を利用して、閃光エネルギーEfおよび印加電圧Vaを演算する。
複数パラメータ演算部23は、フラッシュランプ69に印加される複数の印加電圧(第1印加電圧)のそれぞれについて、第1近似演算部21に近似直線AL1のパラメータ(A,B)を演算させる。
すなわち、複数パラメータ演算部23は、フラッシュランプ69への印加電圧を一定とし、基板W側で複数計測された閃光エネルギーに基づいて、近似直線AL1のパラメータ(A,B)を演算させる。そして、複数パラメータ演算部23は、すべての印加電圧についてパラメータ(A,B)が取得されるまで、第1近似演算部21に演算処理を実行させる。
第2近似演算部25は、複数パラメータ演算部23によって求められた傾きAを最小2乗近似する。すなわち、第2近似演算部25は、パラメータ(A,B)のうち傾きA(第1傾き)と、対応する印加電圧(第1印加電圧)と、から近似直線AL2(第2近似直線:図7参照)を演算する。なお、第2近似演算部25によって演算された近似直線AL2の(第2)パラメータ(a,b)は、RAM91の第2パラメータ格納部91b(第2格納部:図4参照)に格納される。
第3近似演算部27は、複数パラメータ演算部23によって求められた切片Bを最小2乗近似する。すなわち、第3近似演算部27は、パラメータ(A,B)のうち切片B(第1切片)と、対応する印加電圧(第1印加電圧)と、から近似直線AL3(第3近似直線:図8参照)を演算する。なお、第3近似演算部27によって演算された近似直線AL3の(第3)パラメータ(c,d)は、RAM91の第3パラメータ格納部91c(第3格納部:図4参照)に格納される。
傾き演算部33は、近似直線AL2に基づいて、印加電圧Va2(第2印加電圧)に対応する傾きAを求める(予測する)。すなわち、傾き演算部33は、第2パラメータ格納部91bからパラメータ(a,b)を読み出す。続いて、傾き演算部33は、パラメータ(a,b)によって定まる近似直線AL2(数2参照)に、Va=Va2を代入する。これにより、傾き演算部33は、フラッシュランプ69への印加電圧値がVa2に設定された場合における傾きA(第2傾き)を演算することができる。
切片演算部35は、近似直線AL3に基づいて、印加電圧Va2(第2印加電圧)に対応する切片Bを求める(予測する)。すなわち、切片演算部35は、第3パラメータ格納部91cからパラメータ(c,d)を読み出す。続いて、切片演算部35は、パラメータ(c,d)によって定まる近似直線AL3(数3参照)に、Va=Va2を代入する。これにより、切片演算部35は、フラッシュランプ69への印加電圧値がVa2に設定された場合における切片B(第2切片)を演算することができる。
そして、傾き演算部33により演算された傾きAと、切片演算部35により演算された切片Bと、がエネルギー演算部31に入力される。これらパラメータ(A,B)が入力されたエネルギー演算部31は、このパラメータ(A,B)に基づいて近似直線AL1(数1参照)を決定する。続いて、エネルギー演算部31は、決定された近似直線AL1に、閃光回数N=N2(第2閃光回数N2)を代入する。これにより、エネルギー演算部31は、印加電圧値がVa2に設定された光照射部5から、N2回目の発光時に照射される閃光エネルギーEf(第2閃光エネルギー)を演算することができる。
また、エネルギー演算部31は、第2パラメータ格納部91bに格納されたパラメータ(a,b)と、第3パラメータ格納部91cに格納されたパラメータ(c,d)と、閃光回数N=N2と、印加電圧Va=Va2と、を数4に代入することによっても、閃光エネルギーEf(第2閃光エネルギー)を演算することができる。
このように、フラッシュランプ69の印加電圧Va(上述の場合:Va=Va2)と、閃光回数(上述の場合:N=N2)が設定された場合、エネルギー演算部31は、N2回目の発光時に基板W側に照射される閃光エネルギーEf(第2閃光エネルギー)を演算することができる。これにより、各発光時に基板に照射される閃光エネルギーが予測されるため、光照射部5からの閃光による基板表面の熱処理状況が容易に把握される。
ここで、上述の各印加電圧Va(Va=(4297、4000、3694、3496、3397、3100、2794)(V))について、閃光エネルギーEfの計測値と、
傾き演算部33による傾きA、および切片演算部35による切片Bに基づいて演算された閃光エネルギーEfの演算値と、の関係を説明する。
図9は、閃光エネルギーEfの計測値と演算値との関係を示すグラフである。図9の横軸は閃光回数Nを、縦軸は閃光エネルギーEfの計測値を数4による演算値で除した値R2(すなわち、演算値に対する計測値の比率R2)を、それぞれ表す。また、図9中の 「△」(白抜き三角)、「□」(白抜き四角)、「○」(白抜き丸)、「◇」(白抜き菱形)、「×」、「●」(黒塗り丸)、および「◆」(黒塗り菱形)は、それぞれ、フラッシュランプ69への印加電圧Vaが4297(V)、4000(V)、3694(V)、3496(V)、3397(V)、3100(V)、および2794(V)に設定された場合における比率R2をプロットしたものである。図9に示すように、比率R2は、各印加電圧Vaとも、概ね98%〜101%の範囲となった。したがって、各印加電圧Vaについて、N2回目の発光時における閃光エネルギーは、数1ないし数4に基づいた演算により良好に求められる。
印加電圧演算部37は、第2パラメータ格納部91bに格納されたパラメータ(a,b)と、第3パラメータ格納部91cに格納されたパラメータ(c,d)と、N2回目の発光時に基板W側に照射すべき閃光エネルギー(第2閃光エネルギー)と、から、閃光回数N2の時にフラッシュランプ69に印加すべき印加電圧(第3印加電圧)を演算する。ここで、この演算は、パラメータ(a,b)、パラメータ(c,d)、印加すべき印加電圧Va、および基板W側に照射すべき閃光エネルギーEfを、数5に代入することによって行われる。
これにより、印加電圧演算部37は、基板Wに照射される閃光のエネルギーを容易に制御することができる。例えば、閃光回数にかかわらず、各回の発光時において基板W側に照射される閃光エネルギーを略同一にすることが可能となる。そのため、基板Wの熱処理を良好に実行することができる。
<1.3.第1の実施の形態の熱処理装置の利点>
以上のように、第1の実施の形態の熱処理装置1は、エネルギー演算部31は、第1パラメータ格納部91aに格納されたパラメータ(A,B)、または、傾き演算部33および切片演算部35によって求められたパラメータ(A,B)を用いることによって、N回目の発光時に照射される閃光エネルギーEfを演算することができる。
また、第2パラメータ格納部91bに格納されたパラメータ(a,b)、および第3パラメータ格納部91cに格納されたパラメータ(c,d)を用いることによっても、N回目の発光時に照射される閃光エネルギーEfを演算することができる。
これにより、光照射部5を繰り返し発光させて熱処理を実行する場合であっても、各発光時に基板W側に出射される閃光のエネルギーを予測することができる。そのため、基板Wの熱処理状況を容易に把握することができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態における熱処理装置100は、第1の実施の形態の熱処理装置1と比較して、
(1)計測部に閃光を導く導入部をさらに有する点と、
(2)計測部の配置が相違する点と、
(3)制御部の機能構成として監視部が付加されている点と、
を除いては、第1の実施の形態と同じである。そこで、以下ではこの相違点を中心に説明する。
なお、以下の説明において、第1の実施の形態の熱処理装置1における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施形態では説明を省略する。
<2.1.熱処理装置の構成>
図10は、第2の実施の形態における熱処理装置100の構成の一例を示す側断面図である。本実施の形態において、光照射部5から基板W側に照射されたチャンバー6内の閃光のエネルギーは、計測部178および導入部179を用いることによって計測される。
計測部178は、第1の実施の形態の計測部78と同様に、いわゆるカロリーメータによって構成されている。図10に示すように、計測部178は、チャンバー6の底部62であって、チャンバー6外に設けられている。
導入部179は、例えば石英によって形成された棒状体である。導入部179は、チャンバー6の底部62から熱処理空間65側に立設されており、略垂直方向(Z軸方向)に伸びる。導入部179の上端には、光照射部5から出射された閃光を受光する受光部179aが設けられている。図10に示すように、受光部179aは、保持部7付近(換言すると、保持部7の水平方向外方)に配置されている。また、図10に示すように、導入部179は、チャンバー6の底部62に設けられた貫通孔179bに挿通されており、導入部179の下端は、チャンバー6外部の計測部178と接続されている。
このように、光照射部5から出射されて保持部7付近に照射された閃光は、受光部179aから導入部179内に入射する。そして、導入部179内に入射した閃光は、計測部178に導かれる。これにより、計測部178は、保持部7に基板Wが保持されているか否かに関わらず、光照射部5から出射された閃光のエネルギーを計測することができる。そのため、計測部178は、近似直線AL1、AL2、およびAL3のパラメータ演算のように、基板Wを保持せず閃光エネルギーを計測する場合だけでなく、基板Wに対して熱処理を施す場合であっても、光照射部5からの閃光エネルギーを計測することができる。
ここで、光照射部5から同一エネルギーの閃光が出射された場合であっても、導入部179における減衰のため、計測部178で計測される閃光エネルギーEfの値は、計測部78で計測される閃光エネルギーEfの値より小さくなる。しかし、計測部178によって計測される閃光エネルギーEfと、計測部78で計測される閃光エネルギーEfと、はそれぞれ同様の相関を有している。そのため、計測部178によって計測された閃光エネルギーEfと、閃光回数Nとの関係は、第1の実施の形態の場合と同様に、数1によって表される。また、エネルギー演算部31および印加電圧演算部37は、計測部178で計測された閃光エネルギーEfに基づき、数2ないし数5を使用して、閃光エネルギーEfおよび印加電圧Vaを演算することができる。
<2.2.制御部の機能構成>
図11は、制御部190の機能構成を説明するためのブロック図である。監視部132は、基板Wの熱処理時に計測部178によって計測された閃光エネルギー(第3閃光エネルギー)と、エネルギー演算部31によって演算された閃光エネルギー(第2閃光エネルギー)と、に基づいて、光照射部5の発光状況を監視する。そのため、監視部132は、光照射部5による熱処理状況をリアルタイムに判断することができる。その結果、良好な閃光が照射されず、熱処理不良の生ずるおそれがある基板Wを容易に検出することができ、後工程に不良基板が混入することを未然に防止することができる。
ここで、発光状況は、例えば、基板Wに向けて実際に照射された閃光のエネルギーの計測値を、エネルギー演算部31によって演算された演算値で除した値R3(すなわち、演算値に対する計測値の比率R3)を使用することによって判断される。そして、比率R3が所定範囲S1内となる場合、監視部132は、熱処理状況が良好であると判断する。一方、比率R3が所定範囲S1外となる場合、監視部132は、熱処理不良が発生していると判断する。
<2.3.第2の実施の形態の熱処理装置の利点>
以上のように、第2の実施の形態の熱処理装置100は、基板Wの熱処理時にも、光照射部5からの閃光エネルギーを計測することができる。また、監視部132は、光照射部5からの閃光エネルギーに基づいて、光照射部5の発光状況を監視することができる。そのため、光照射部5による熱処理状況をリアルタイムに判断することができる。
また、第2の実施の形態の熱処理装置100は、第1の実施の形態の熱処理装置1と同様に、N回目の発光時に照射される閃光エネルギーEfを演算することができる。これにより、光照射部5を繰り返し発光させて熱処理を実行する場合であっても、各発光時に基板W側に出射される閃光のエネルギーを予測することができる。そのため、基板Wの熱処理状況を容易に把握することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
(1)第1および第2の実施の形態において、複数の演算機能は、プログラムに従いCPU93によって実現されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、演算回路(ハードウェア)によって、これら演算機能が実現されてもよい。
(2)また、第2の実施の形態において、計測部178は、チャンバー6の底部62であって、チャンバー6外に設けられているものとして説明したが、これに限定されるものでない。計測部178の設置場所は、チャンバー6内で熱処理が施される場合において、この熱処理に起因した熱影響を受けない場所であれば良い。なお、導入部179と計測部178とが離隔して配置される場合、計測部178と導入部179とは、光伝達要素(例えば光ファイバー)によって接続される。この場合、導入部179および光ファイバーを介して導かれた閃光が、計測部178で計測される。
本発明の第1の実施の形態における熱処理装置の構成の一例を示す側断面図である。 本発明の第1の実施の形態における熱処理装置の構成の一例を示す側断面図である。 本発明の第1の実施の形態における熱処理装置の構成の一例を示す側断面図である。 第1の実施の形態の制御部の機能構成を説明するためのブロック図である。 フラッシュランプへの印加電圧を一定とした場合における閃光エネルギーと閃光回数との関係を示すグラフである。 閃光エネルギーの計測値と演算値との関係を示すグラフである。 第1近似直線の傾きとフラッシュランプへの印加電圧との関係を示すグラフである。 第1近似直線と図5のEf軸との切片と、フラッシュランプへの印加電圧との関係を示すグラフである。 閃光エネルギーの計測値と演算値との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態における熱処理装置の構成の一例を示す側断面図である。 第2の実施の形態の制御部の機能構成を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1、100 熱処理装置
6 チャンバー
7 保持部
21 第1近似演算部
23 複数パラメータ演算部
25 第2近似演算部
27 第3近似演算部
31 エネルギー演算部
33 傾き演算部
35 切片演算部
37 印加電圧演算部
41 シャフト
65 熱処理空間
68 光源
69 フラッシュランプ
78、178 計測部
90、190 制御部
91a〜91c 第1ないし第3パラメータ格納部(第1ないし第3格納部)
132 監視部
179 導入部
179a 受光部
W 基板

Claims (6)

  1. 保持部に保持された基板に閃光を照射することにより、前記基板を加熱する熱処理装置において、
    (a) フラッシュランプを有し、前記フラッシュランプに印加された電圧に応じて前記閃光を出射する光源と、
    (b) 前記光源から出射された前記閃光のエネルギーを計測する計測部と、
    (c) 前記フラッシュランプへの印加電圧を一定として前記光源から複数回出射された閃光について、第1閃光回数N1と、N1回目の発光が行われたときに前記基板側で計測された第1閃光エネルギーと、から第1近似直線を演算する第1近似演算部と、
    (d) 前記第1近似演算部によって演算された第1近似直線の第1パラメータを格納する第1格納部と、
    (e) 前記第1格納部の前記第1パラメータによって定まる第1近似直線に、第2閃光回数N2を代入することにより、N2回目の発光時に前記基板側に照射される第2閃光エネルギーを演算するエネルギー演算部と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1に記載の熱処理装置において、
    前記第1閃光エネルギーが計測される場合、前記保持部には前記計測部が設置され、
    熱処理が実行される場合、前記保持部には前記基板が保持されることを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1に記載の熱処理装置において、
    (f) 前記保持部付近に設けられており、前記光源から出射されて前記保持部付近に照射された閃光を前記計測部に導く導入部、
    をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項3に記載の熱処理装置において、
    (g) 前記基板の熱処理時に計測された第3閃光エネルギーと、前記エネルギー演算部によって演算された第2閃光エネルギーと、に基づいて、前記光源の発光状況を監視する監視部、
    をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
    (h) 前記フラッシュランプに印加される複数の第1印加電圧のそれぞれについて、前記第1近似演算部に前記第1パラメータを演算させる複数パラメータ演算部と、
    (i) 前記複数パラメータ演算部によって求められた複数の第1パラメータにつき、各第1パラメータの第1傾きと、対応する第1印加電圧と、から第2近似直線を演算する第2近似演算部と、
    (j) 前記複数パラメータ演算部によって求められた複数の第1パラメータにつき、各第1パラメータの第1切片と、対応する第1印加電圧と、から第3近似直線を演算する第3近似演算部と、
    (k) 前記第2近似演算部によって演算された前記第2近似直線の第2パラメータを格納する第2格納部と、
    (l) 前記第3近似演算部によって演算された前記第3近似直線の第3パラメータを格納する第3格納部と、
    (m) 前記第2パラメータによって定まる前記第2近似直線に第2印加電圧を代入することにより、前記第2印加電圧における第2傾きを演算する傾き演算部と、
    (n) 前記第3パラメータによって定まる前記第3近似直線に前記第2印加電圧を代入することにより、前記第2印加電圧における第2切片を演算する切片演算部と、
    をさらに備え、
    前記エネルギー演算部は、
    前記傾き演算部により演算された前記第2傾きと、前記切片演算部により演算された前記第2切片と、から構成される前記第1パラメータに基づいて、前記第1近似直線を決定するとともに、
    決定された前記第1近似直線に前記第2閃光回数N2を代入することにより、前記第2印加電圧に設定された前記光源からN2回目の発光時に照射される前記第2閃光エネルギーを演算することを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項5に記載の熱処理装置において、
    (o) 前記第2格納部に格納された前記第2パラメータと、前記第3格納部に格納された前記第3パラメータと、N2回目の発光時に前記基板に照射すべき前記第2閃光エネルギーと、から、前記フラッシュランプに印加すべき第3印加電圧を演算する印加電圧演算部、
    をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
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