JP2010238803A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光照射部からチャンバーの内部に照射された光の強度波形を計測することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】フラッシュランプからチャンバー内部に照射された光は石英プローブ18に入射して光ファイバー17によってフォトダイオード21に導かれる。フォトダイオード21は、入射光の強度に応じた光電流を発生させる。その電流は電流電圧変換回路22によって電圧信号に変換される。電流電圧変換回路22から出力された電圧信号は、増幅回路23によって増幅された後、高速A/Dコンバータ24によってデジタル信号に変換される。ワンチップマイコン25は、高速A/Dコンバータ24から出力されたデジタル信号のレベルを一定の間隔で所定時間サンプリングを繰り返して、そのサンプリングしたデータを順次メモリに記憶することにより、照射光の強度の時間波形を取得する。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等(以下、単に「基板」と称する)に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリセカンド以下)に昇温させる熱処理技術である。キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリセカンド以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
また、特許文献1には、フラッシュランプアニール装置において、チャンバー本体の外部に配置されたカロリーメータ、チャンバー本体の内部に照射された光をカロリーメータへと導く光導出構造、および、カロリーメータからの出力に基づいて演算を行う演算部を備えた光測定部を設け、フラッシュランプからチャンバー本体内部に照射された光のエネルギーをカロリーメータを用いて測定する技術が開示されている。
特開2005−93750号公報
特許文献1に開示される技術は、1回のフラッシュ光照射の総エネルギーを測定するものであった。フラッシュランプは、コンデンサに所定の電圧でチャージされた電荷をランプ電極間で放電させることによって発光する。従って、1回のフラッシュ光照射の総エネルギーは概ねコンデンサの容量とチャージ電圧とによって定まる。
しかしながら、フラッシュランプ間のバラツキ(例えば、電極間の距離、封入されているガス圧などの個体差)やフラッシュランプの劣化によって、総エネルギーが同じであってもフラッシュランプから照射される光の強度波形は異なることがあった。また、フラッシュランプへの通電を制御することによって発光の強度波形を意図的に変化させることも可能である。
一方、本願発明者等は、不純物の活性化処理、および、イオン打ち込み時に不純物注入層よりもやや深い位置に導入された結晶欠陥の回復処理をフラッシュランプアニールによって行う場合に、フラッシュランプから照射される光の強度波形そのものが処理結果に大きな影響を与えることを見出した。すなわち、総エネルギーが同じであったとしてもフラッシュランプから照射される光の強度波形が異なると、処理結果も異なることとなっていたのである。
従って、再現性の良い光照射熱処理を行うためには、総エネルギーだけでなく光の強度波形をも同じにすることが要求されるのであるが、特許文献1に開示されるような従来の技術ではフラッシュランプから照射される光の強度波形までをも測定することはできなかった。また、特許文献1開示の技術にて用いられているカロリーメータは、センサ内部の黒体にて吸収した光のエネルギーを電気信号に変換しているため応答速度が遅く、フラッシュランプの極めて短い照射時間に追随できるものではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光照射部からチャンバーの内部に照射された光の強度波形を計測することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された基板に光照射を行う光照射部と、前記光照射部から前記チャンバーの内部に照射された光が入射する入射部と、前記入射部に入射した光の強度の時間波形を計測する波形計測部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記入射部は前記チャンバーの内部に設置された石英のプローブを備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記入射部は前記チャンバーの壁面に設置された石英窓を備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記波形計測部はフォトダイオードを備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記波形計測部は、前記フォトダイオードにて発生した電流を電圧に変換する電流電圧変換回路と、前記電流電圧変換回路から出力された電圧を増幅する増幅回路と、前記増幅回路によって増幅された電圧をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器から出力されたデジタル信号を所定間隔でサンプリングして時間波形を取得する波形取得部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る熱処理装置において、前記波形取得部によって取得された光の強度の時間波形を処理対象となる基板毎に蓄積する波形記憶部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記光照射部は発光時間が1秒以下のフラッシュランプを備えることを特徴とする。
請求項1から請求項7の発明によれば、光照射部からチャンバーの内部に照射された光を受光してその光の強度の時間波形を計測することができる。
特に、請求項4の発明によれば、波形計測部がフォトダイオードを備えるため、光照射部から光照射時間が短い場合であっても追随することができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 図1の熱処理装置のガス路を示す断面図である。 保持部の構成を示す断面図である。 ホットプレートを示す平面図である。 図1の熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 フラッシュランプの駆動回路を示す図である。 波形計測部の構成を示すブロック図である。 図1の熱処理装置における処理手順全体の概要を示すフローチャートである。 予備加熱が開始されてからの半導体ウェハーの表面温度の変化を示す図である。 パルス信号の波形の一例を示す図である。 フラッシュランプの発光強度の波形の一例を示す図である。 フラッシュランプの発光強度の波形の他の例を示す図である。 フラッシュランプの発光強度の波形の他の例を示す図である。 フラッシュランプの発光強度の波形の他の例を示す図である。 チャンバー内部に照射される光の波形取得手順を示すフローチャートである。 基準波形と処理波形との比較を説明するための図である。 熱処理装置の構成の他の例を示す縦断面図である。 熱処理装置の構成の他の例を示す縦断面図である。 熱処理装置の構成の他の例を示す縦断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.熱処理装置の構成>
<1−1.全体概略構成>
まず、本発明に係る熱処理装置の全体概略構成について説明する。図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。熱処理装置1は基板として略円形の半導体ウェハーWに光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するランプアニール装置である。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するランプハウス5と、を備える。また、熱処理装置1は、チャンバー6およびランプハウス5に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させるメインコントローラ3を備える。
チャンバー6は、ランプハウス5の下方に設けられており、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされており、上部開口60にはチャンバー窓61が装着されて閉塞されている。
チャンバー6の天井部を構成するチャンバー窓61は、石英により形成された円板形状部材であり、ランプハウス5から出射された光を熱処理空間65に透過する。チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、チャンバー窓61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90をチャンバー窓61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、チャンバー窓61をOリングに押し付けている。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(ランプハウス5からの光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の支持ピン70が立設されている。支持ピン70は、例えば石英により形成されており、チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(例えば、窒素(N2)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(02)ガス等)を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図2は、チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図2に示すように、ガス導入バッファ83は、図1に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持しつつ光照射前にその保持する半導体ウェハーWの予備加熱を行う略円板状の保持部7と、保持部7をチャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4と、を備える。図1に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40がメインコントローラ3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図1に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図5に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7がチャンバー窓61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7とチャンバー窓61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
図3は、保持部7の構成を示す断面図である。保持部7は、半導体ウェハーWを予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面(保持部7が半導体ウェハーWを保持する側の面)に設置されるサセプタ72を有する。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。サセプタ72は石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であってもよい)により形成され、その上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止するピン75が設けられる。サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71上に設置される。これにより、サセプタ72は、ホットプレート71からの熱エネルギーを拡散してサセプタ72上面に載置された半導体ウェハーWに伝達するとともに、メンテナンス時にはホットプレート71から取り外して洗浄可能とされる。
ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線76が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図4は、ホットプレート71を示す平面図である。図4に示すように、ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線76が周回するように配設されてヒータが個別に形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通りメインコントローラ3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量がメインコントローラ3により制御される。メインコントローラ3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線76は、シャフト41の内部を通る電力線を介して電力供給源(図示省略)に接続されている。電力供給源から各ゾーンに至る経路途中において、電力供給源からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
次に、ランプハウス5は、チャンバー6内の保持部7の上方に設けられている。ランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、ランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。ランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。ランプハウス5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53がチャンバー窓61と相対向することとなる。ランプハウス5は、チャンバー6内にて保持部7に保持される半導体ウェハーWにランプ光放射窓53およびチャンバー窓61を介してフラッシュランプFLから光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射された光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。このような粗面化加工を施しているのは、リフレクタ52の表面が完全な鏡面であると、複数のフラッシュランプFLからの反射光の強度に規則パターンが生じて半導体ウェハーWの表面温度分布の均一性が低下するためである。
また、メインコントローラ3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。メインコントローラ3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、メインコントローラ3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプFLおよびホットプレート71から発生する熱エネルギーによるチャンバー6およびランプハウス5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱するための気体供給管55および排気管56が設けられて空冷構造とされている(図1参照)。また、チャンバー窓61とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、ランプハウス5およびチャンバー窓61を冷却する。
<1−2.ランプ駆動回路>
図6は、フラッシュランプFLの駆動回路を示す図である。同図に示すように、コンデンサ93と、コイル94と、フラッシュランプFLと、スイッチング素子96とが直列に接続されている。また、図6に示すように、メインコントローラ3は、パルス発生器31およびパルス設定部32を備えるとともに、入力部33に接続されている。入力部33としては、キーボード、マウス、タッチパネル等の種々の公知の入力機器を採用することができる。入力部33からの入力内容に基づいてパルス設定部32がパルス信号の波形を設定し、その波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を発生する。
フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部に陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)92と、該ガラス管92の外周面上に付設されたトリガー電極91とを備える。コンデンサ93には、電源ユニット95によって所定の電圧が印加され、その印加電圧に応じた電荷が充電される。また、トリガー電極91にはトリガー回路97から電圧を印加することができる。トリガー回路97がトリガー電極91に電圧を印加するタイミングはメインコントローラ3によって制御される。
本実施の形態では、スイッチング素子96として絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT;Insulated gate bipolar transistor)を用いている。IGBTは、ゲート部にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)を組み込んだバイポーラトランジスタであり、大電力を取り扱うのに適したスイッチング素子である。スイッチング素子96のゲートにはメインコントローラ3のパルス発生器31からパルス信号が印加される。
コンデンサ93が充電された状態でスイッチング素子96のゲートにパルスが出力されてガラス管92の両端電極に高電圧が印加されたとしても、キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管92内に電気は流れない。しかしながら、トリガー回路97がトリガー電極91に電圧を印加して絶縁を破壊した場合には両端電極間の放電によってガラス管92内に電流が瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
<1−3.波形計測機構>
図1、図5に示すように、本実施形態の熱処理装置1は、石英プローブ18および波形計測部20を備える。石英プローブ18は、石英製の導光ロッドであり、チャンバー底部62に立設されている。図5に示すように、石英プローブ18の先端の高さ位置は処理位置に保持される半導体ウェハーWの高さ位置と同じであることが好ましい。また、石英プローブ18の基端はチャンバー底部62を貫通してチャンバー6の外部に面している。
石英プローブ18の基端は光ファイバー17を介して波形計測部20と接続されている。図7は、波形計測部20の構成を示すブロック図である。波形計測部20は、フォトダイオード21、電流電圧変換回路22、増幅回路23、高速A/Dコンバータ24およびワンチップマイコン25を備える。フォトダイオード21は、光起電力効果によって受光した光の強度に応じた光電流を発生する。フォトダイオード21は応答時間が極めて短いという特性を有する。フォトダイオード21が検出する光の波長域は使用する材料によって異なるが、シリコンのフォトダイオード21であれば可視光から赤外光を検出することができ、フラッシュランプFLからの光を検出するのに好適である。電流電圧変換回路22は、フォトダイオード21にて発生した微弱な電流を取り扱いの容易な電圧の信号に変換する回路である。電流電圧変換回路22は、例えばオペアンプを用いて構成することができる。
増幅回路23は、電流電圧変換回路22から出力された電圧信号を増幅して高速A/Dコンバータ24に出力する。高速A/Dコンバータ24は、増幅回路23によって増幅された電圧信号をデジタル信号に変換する。ワンチップマイコン25は、マイクロコンピュータの一種であり、1つのICチップ上にCPU、メモリ、タイマなどを搭載した処理装置である。ワンチップマイコン25は、汎用処理を行うことはできないが、特定の処理を高速で行うことができる。本実施形態のワンチップマイコン25は、高速A/Dコンバータ24から出力されたデジタル信号を所定間隔でサンプリングしてチップ内のメモリに順次格納する。ワンチップマイコン25のサンプリング間隔は適宜設定することが可能であるが、最短2マイクロセカンド(μ秒)とすることができる。
波形計測部20のワンチップマイコン25はメインコントローラ3と通信回線を介して接続されている。メインコントローラ3は、上述の通り、一般的なコンピュータと同様の構成を備える。通常、メインコントローラ3は、汎用処理を行うことが可能であるものの、ワンチップマイコン25ほど短時間間隔でサンプリングを行うことはできない。ワンチップマイコン25によってチップ内メモリに格納されたデジタルデータはメインコントローラ3に転送されて波形記憶部35に記憶される。波形記憶部35は、メインコントローラ3のメモリや磁気ディスクなどの記憶媒体によって構成される。また、メインコントローラ3は、異常検出部37を備える。異常検出部37は、メインコントローラ3のCPUが所定の処理用ソフトウェアを実行することによって実現される処理部であり、その処理内容についてはさらに後述する。なお、ワンチップマイコン25とメインコントローラ3とを接続する通信回線は、シリアル通信であっても良いし、パラレル通信であっても良い。
<2.熱処理装置の動作>
<2−1.熱処理装置における処理手順全体の概要>
次に、上記の構成を有する熱処理装置1の動作について説明する。図8は、熱処理装置1における処理手順全体の概要を示すフローチャートである。
まず、処理対象となる半導体ウェハーWの処理に先立って、ランプハウス5のフラッシュランプFLから正常な光照射が行われたときに、チャンバー6の内部に照射された光の強度の時間波形(時間プロファイル)を基準波形として取得する(ステップS1)。すなわち、「基準波形」は、フラッシュランプFLから正常な光照射が行われたときのチャンバー6内部における光の強度波形であり、ステップS6での異常検出処理における基準となる強度波形である。基準波形の取得は、チャンバー6にダミーウェハーなどが存在する状態でフラッシュランプFLから光を照射して行うようにしても良いし、ウェハーが存在しない状態でフラッシュランプFLから光を照射して行うようにしても良い。ステップS1にて取得された基準波形は最終的にはメインコントローラ3の波形記憶部35に記憶される(ステップS2)。なお、チャンバー6の内部に照射される光の波形取得についてはさらに後述する。
次に、処理対象となる半導体ウェハーWの光照射熱処理を行う(ステップS3)。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン打ち込み法により不純物(イオン)が注入された半導体基板であり、注入された不純物の活性化が熱処理装置1による光照射加熱処理(アニール)により実行される。また、半導体ウェハーWの光照射熱処理を行う際に、チャンバー6の内部に照射された光の強度の時間波形を処理波形として取得する(ステップS4)。すなわち、「処理波形」は、フラッシュランプFLから実際に処理対象となる半導体ウェハーWに光照射が行われたときのチャンバー6内部における光の強度波形であり、ステップS6での異常検出処理における比較対象となる強度波形である。ステップS4はステップS3の光照射熱処理が行われている過程の一部で行われるものである。ステップS4にて取得された処理波形は最終的にはメインコントローラ3の波形記憶部35に記憶される(ステップS5)。なお、本明細書において、単に「強度波形」と記載するときには強度の時間波形を意味するものとする。
次に、取得した基準波形および処理波形に基づいて処理異常検出処理が実行される(ステップS6)。このステップS6の処理異常検出処理についてもさらに後述する。そして、異常検出処理が終了した後、ロットを構成する全ての半導体ウェハーWの処理が終了したか否かが判断される(ステップS7)。全ての半導体ウェハーWの処理が終了していない場合にはステップS3に戻って、新たな半導体ウェハーWの光照射熱処理およびそのときの光の強度波形取得が実行される。このようにして、処理対象となっている全ての半導体ウェハーWについてステップS3〜ステップS6の処理が繰り返される。
<2−2.半導体ウェハーの光照射熱処理>
次に、図8のステップS3の光照射熱処理について説明する。まず、保持部7が図5に示す処理位置から図1に示す受渡位置に下降する。「処理位置」とは、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWに光照射が行われるときの保持部7の位置であり、図5に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。また、「受渡位置」とは、チャンバー6に半導体ウェハーWの搬出入が行われるときの保持部7の位置であり、図1に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。熱処理装置1における保持部7の基準位置は処理位置であり、処理前にあっては保持部7は処理位置に位置しており、これが処理開始に際して受渡位置に下降するのである。図1に示すように、保持部7が受渡位置にまで下降するとチャンバー底部62に近接し、支持ピン70の先端が保持部7を貫通して保持部7の上方に突出する。
次に、保持部7が受渡位置に下降したときに、弁82および弁87が開かれてチャンバー6の熱処理空間65内に常温の窒素ガスが導入される。続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入され、複数の支持ピン70上に載置される。
半導体ウェハーWの搬入時におけるチャンバー6への窒素ガスのパージ量は約40リットル/分とされ、供給された窒素ガスはチャンバー6内においてガス導入バッファ83から図2中に示す矢印AR4の方向へと流れ、図1に示す排出路86および弁87を介してユーティリティ排気により排気される。また、チャンバー6に供給された窒素ガスの一部は、べローズ47の内側に設けられる排出口(図示省略)からも排出される。なお、以下で説明する各ステップにおいて、チャンバー6には常に窒素ガスが供給および排気され続けており、窒素ガスの供給量は半導体ウェハーWの処理工程に合わせて様々に変更される。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されると、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖される。そして、保持部昇降機構4により保持部7が受渡位置からチャンバー窓61に近接した処理位置にまで上昇する。保持部7が受渡位置から上昇する過程において、半導体ウェハーWは支持ピン70から保持部7のサセプタ72へと渡され、サセプタ72の上面に載置・保持される。保持部7が処理位置にまで上昇するとサセプタ72に保持された半導体ウェハーWも処理位置に保持されることとなる。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に内蔵されたヒータ(抵抗加熱線76)により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが保持部7と接触することにより、その半導体ウェハーWはホットプレート71に内蔵されたヒータによって予備加熱されて温度が次第に上昇する。
図9は、予備加熱が開始されてからの半導体ウェハーWの表面温度の変化を示す図である。処理位置にて時間tpの予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。また、半導体ウェハーWの予備加熱を行う時間tpは、約3秒〜200秒とされる(本実施の形態では60秒)。なお、保持部7とチャンバー窓61との間の距離は、保持部昇降機構4のモータ40の回転量を制御することにより任意に調整することが可能とされている。
時間tpの予備加熱時間が経過した後、時刻AにてフラッシュランプFLによる半導体ウェハーWの光照射加熱が開始される。フラッシュランプFLからの光照射を行うに際しては、予め電源ユニット95によってコンデンサ93に電荷を蓄積しておく。そして、コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にて、メインコントローラ3のパルス発生器31からスイッチング素子96にパルス信号を出力する。
図10は、パルス信号の波形の一例を示す図である。パルス信号の波形は、パルス幅の時間(オン時間)とパルス間隔の時間(オフ時間)とを順次設定したレシピを入力部33から入力することによって規定することができる。このようなレシピをオペレータが入力部33からメインコントローラ3に入力すると、メインコントローラ3のパルス設定部32は図10に示すようなオンオフを繰り返すパルス波形を設定する。そして、パルス設定部32によって設定されたパルス波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を出力する。その結果、スイッチング素子96のゲートには図10のような波形のパルス信号が印加され、スイッチング素子96のオンオフ駆動が制御されることとなる。
また、パルス発生器31から出力するパルス信号がオンになるタイミングと同期してメインコントローラ3がトリガー回路97を制御してトリガー電極91に電圧を印加する。これにより、スイッチング素子96のゲートに入力されるパルス信号がオンのときにはガラス管92内の両端電極間で必ず電流が流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。メインコントローラ3からスイッチング素子96のゲートに図10の波形のパルス信号を出力するとともに、該パルス信号がオンになるタイミングと同期してトリガー電極91に電圧を印加することにより、フラッシュランプFLを含む回路中にのこぎり波形の電流が流れる。すなわち、スイッチング素子96のゲートに入力されるパルス信号がオンのときにはフラッシュランプFLのガラス管92内に流れる電流値が増加し、オフのときには電流値が減少する。なお、各パルスに対応する個々の電流波形はコイル94の定数によって規定される。
フラッシュランプFLを含む回路中に電流が流れることによってフラッシュランプFLが発光する。フラッシュランプFLの発光強度は、フラッシュランプFLに流れる電流にほぼ比例する。その結果、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形(時間プロファイル)は図11に示すようなパターンとなる。図11に示す如きフラッシュランプFLからの強度波形にて、処理位置の保持部7に保持された半導体ウェハーWに光照射が行われる。
ここで、スイッチング素子96を使用することなくフラッシュランプFLを発光させた場合には、コンデンサ93に蓄積されていた電荷が1回の発光で瞬時に消費される。このため、フラッシュランプFLの発光強度の波形は急激に立ち上がって急激に降下する幅が0.1ミリセカンドないし10ミリセカンド程度のシングルパルスとなる。
これに対して、本実施の形態のように、回路中にスイッチング素子96を接続してそのゲートに図10のようなパルス信号を出力することにより、いわばフラッシュランプFLの発光がチョッパ制御されることとなり、コンデンサ93に蓄積された電荷が分割して消費され、極めて短い時間の間にフラッシュランプFLが点滅を繰り返す。もっとも、フラッシュランプFLに流れる電流値が完全に”0”になる前に次のパルスがスイッチング素子96のゲートに印加されて電流値が再度増加する。このため、フラッシュランプFLが点滅を繰り返している間も発光強度が完全に”0”になることはなく、細かな増減を繰り返しながらマクロにはフラッシュランプFLの発光強度は図11に示すようなパターンを描く。
半導体ウェハーWに注入された不純物の活性化のみならず、イオン打ち込み時に不純物注入層よりもやや深い位置に導入された結晶欠陥の回復処理をも行うのであれば、単純なシングルパルスの強度波形よりも複数のピークを有する例えば図11の如き強度波形の方が好ましい場合がある。また、急激な温度変化に起因した半導体ウェハーWの割れを防止する観点からも単純なシングルパルスの強度波形よりも図11のような複数のピークを有する強度波形の方が好ましいこともある。
また、スイッチング素子96のゲートに印加するパルス信号の波形を調整することによって、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形を図12〜図14に示すようなパターンとすることもできる。なお、パルス信号の波形は、入力部33から入力するパルス幅の時間およびパルス間隔の時間によって調整することができる。
図12に示す発光強度の時間波形は、フラッシュランプFLが最初にピークを有する波形にて発光した後、そのピークの強度値よりも低い発光強度にて比較的長時間なだらかな波形にて発光するものである。逆に図14に示す発光強度の時間波形は、フラッシュランプFLが最初に比較的長時間なだらかな波形にて発光した後、最後にピークを有する波形にて発光するものである。また、図13に示す発光強度の時間波形は、フラッシュランプFLが比較的長時間ほぼ一定の強度にて発光するフラットな波形である。このように、スイッチング素子96のゲートに印加するパルス信号の波形を調整することによって、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形を自在に変化させることができる。但し、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形が如何なる形態であったとしても、1回の加熱処理におけるフラッシュランプFLの発光時間は1秒以下である。
図11〜図14に示すような強度波形にてフラッシュランプFLから光照射を行うことによって、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1から目標とする処理温度T2にまで緩やかに昇温してから緩やかに降温する。もっとも、半導体ウェハーWの表面温度が緩やかに昇温してから緩やかに降温するとは言っても、それは従来のフラッシュランプアニールに比較すればのことであり、フラッシュランプFLの発光時間は1秒以下であるため、ハロゲンランプなどを用いた光照射加熱と比較すると著しく短時間での昇温・降温である。
フラッシュランプFLによる光照射加熱が終了した後、半導体ウェハーWが処理位置において約10秒間待機してから保持部7が保持部昇降機構4により再び図1に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から支持ピン70へと渡される。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、支持ピン70上に載置された半導体ウェハーWは装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの光照射熱処理が完了する。
既述のように、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスがチャンバー6に継続的に供給されており、その供給量は、保持部7が処理位置に位置するときには約30リットル/分とされ、保持部7が処理位置以外の位置に位置するときには約40リットル/分とされる。
<2−3.チャンバー内に入射した光の波形計測処理>
次に、図8のステップS1の基準波形の取得およびステップS4の処理波形の取得について説明する。ステップS1およびステップS4の波形取得は、いずれも石英プローブ18および波形計測部20によって実行されるものであり、両ステップでの処理内容自体は同じである。
図15は、チャンバー6の内部に照射される光の波形取得手順を示すフローチャートである。図15に示す波形取得の処理手順は、ワンチップマイコン25が各ステップを実行することによって進行する。まず、高速A/Dコンバータ24からワンチップマイコン25への入力電圧が所定の閾値以上であるか否かが判定される(ステップS11)。チャンバー6の内部に光が照射されていない状態であってもフォトダイオード21は極めて微弱な電流を発生させており、そのような電流に起因した電圧信号を光の強度データとして取得するのを防ぐためにステップS11の判定処理を行う。ステップS11の所定の閾値、すなわち記録開始電圧は、波形計測部20の回路特性に応じて適宜の値を設定しておくことができる(本実施では1Vとされる)。
高速A/Dコンバータ24からワンチップマイコン25への入力電圧が所定の閾値未満であり続ける間はワンチップマイコン25は待機している。一方、入力電圧が所定の閾値以上となったときには、ワンチップマイコン25がタイマによって計時を開始する(ステップS12)。
高速A/Dコンバータ24からワンチップマイコン25への入力電圧が所定の閾値以上となるのは、フラッシュランプFLからの光が石英プローブ18に入射したときである。すなわち、フラッシュランプFLが発光したとき、その光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かう。そして、ランプハウス5のフラッシュランプFLからチャンバー6の内部に照射された光の一部は石英プローブ18の先端に入射する。石英プローブ18に入射した光は光ファイバー17によって波形計測部20のフォトダイオード21へと導かれる。
フォトダイオード21は、石英プローブ18に入射した光の強度に応じた光電流を発生する。フォトダイオード21は応答時間が極めて短いため、短時間の間に強度が劇的に変化するフラッシュランプFLからの照射光にも追随することができる。フォトダイオード21にて発生した電流は電流電圧変換回路22によって取り扱いの容易な電圧信号に変換される。
電流電圧変換回路22から出力された電圧信号は、増幅回路23によって増幅された後、高速A/Dコンバータ24によってコンピュータが取り扱うのに適したデジタル信号に変換される。そして、高速A/Dコンバータ24から出力されるデジタル信号のレベルがワンチップマイコン25への入力電圧となる。フラッシュランプFLが発光を開始し、フォトダイオード21が光電流を発生してワンチップマイコン25への入力電圧が所定の閾値以上となった時点からステップS12に進んでタイマによる計時が開始され、それと同時にステップS13〜ステップS15のサンプリングが開始される。
ステップS13では、ワンチップマイコン25に入力されたデジタル信号のレベルが計時を開始してからのサンプリング時刻とともにデータとしてメモリ(ワンチップマイコン25のメモリ)に記憶される。こうして1つのデータのサンプリングを行った後、ステップS14に進んで予め設定されている一定時間待機する。ステップS14での待機時間はサンプリングを行う間隔であり、波形計測部20のハードウェアとして許容可能な範囲で任意の時間を設定することができ、本実施形態では0.1ミリセカンドに設定されている。
次に、ステップS15に進んで、予め設定された波形取得時間が経過したか否かが判定される。ここでの波形取得時間はサンプリングを行う総時間であり、任意の時間を設定することができ、本実施形態では10ミリセカンドに設定されている。予め設定された波形取得時間が経過していなければ、ステップS13に戻って再びその時点でのデジタル信号のレベルをメモリに記憶する。ステップS13〜ステップS15の手順を波形取得時間が経過するまで繰り返す。すなわち、ワンチップマイコン25は、高速A/Dコンバータ24から出力されたデジタル信号のレベルを一定の間隔で所定時間サンプリングを繰り返して、そのサンプリングしたデータをサンプリング時刻とともに順次メモリに記憶するのである。本実施形態では、ワンチップマイコン25は、0.1ミリセカンド間隔で10ミリセカンドの間、高速A/Dコンバータ24から出力されたデジタル信号のサンプリングを繰り返す。
このようにして一定時間間隔でサンプリングを繰り返して順次メモリに記憶したデータは石英プローブ18に入射した光の強度の時間波形を構成する。すなわち、ワンチップマイコン25のメモリに格納されたデータをサンプリング時刻に沿って時系列にプロットすれば、石英プローブ18に入射した光の強度の時間波形が描かれる。例えば、ランプハウス5のフラッシュランプFLから図11に示すような強度波形にて光照射を行ったとすると、チャンバー6の内部に照射される光の強度波形も概ね同様のものとなり、ワンチップマイコン25が取得する光の強度の時間波形も図11のようなものとなる。
図8のステップS1にてチャンバー6の内部に照射される光の強度の基準波形を取得するときには、チャンバー6にダミーウェハーなどを搬入した状態でフラッシュランプFLから光照射を行っても良いし、ウェハーが存在しない状態でフラッシュランプFLから光照射を行っても良い。基準波形は、ステップS6での異常検出処理における基準となる光強度の時間波形であり、フラッシュランプFLから正常な光照射が行われたときのチャンバー6内部に照射される光の強度波形である。従って、基準波形を取得するときには、フラッシュランプFLから正常な光照射が行われ、かつ、波形計測部20にて正常な波形取得が行われていなければならない。このため、図8のステップS1の基準波形取得処理は、複数回繰り返して行い、得られた光強度の時間波形が概ね一致していたときに、それをもって基準波形とするのが好ましい。ステップS1にて得られた基準波形はメインコントローラ3に転送されて波形記憶部35に記憶される(図8のステップS2)。
一方、図8のステップS4にて処理波形を取得するときには、処理対象となる半導体ウェハーWが保持部7によって処理位置に保持された状態にてフラッシュランプFLから光照射が行われてチャンバー6の内部に照射された光の強度の時間波形を取得する。すなわち、処理波形はフラッシュランプFLから処理対象となる半導体ウェハーWに光照射が行われたときのチャンバー6の内部に照射される光の強度波形である。従って、処理波形の取得は、1枚の半導体ウェハーWについて1回のみ実行される。ステップS4にて取得された処理波形もメインコントローラ3に転送されて波形記憶部35に記憶される(図8のステップS5)。波形記憶部35には、波形計測部20によって取得された処理波形が処理対象となる半導体ウェハーW毎に蓄積される。
<2−4.処理異常検出処理>
次に、図8のステップS6の処理異常検出処理について説明する。ステップS6に進むまでの時点で、メインコントローラ3の波形記憶部35には基準波形と処理波形とが格納されており、異常検出部37がこれらを比較することによって処理異常検出処理は行われる。
図16は、基準波形と処理波形との比較を説明するための図である。本実施形態においては、異常検出部37は、所定の時間範囲での基準波形と処理波形との差分を算出して異常検出処理を行う。波形記憶部35には、高速A/Dコンバータ24から出力されたデジタル信号のレベルがサンプリング時刻とともに記憶されている。異常検出部37は、所定の時間範囲内において、同じサンプリング時刻の基準波形の信号レベルと処理波形の信号レベルとの差分を算出する。そして、その差分値が予め設定されている許容範囲を超えている場合には、異常検出部37は、処理対象の半導体ウェハーWに対してフラッシュランプFLから正常な光照射が行われておらず、その半導体ウェハーWの処理品質を維持できないと判断する。
差分値の算出は複数点で行うのが好ましい。また、差分を算出する時間範囲は任意の値に設定することができる。図16の例では、基準波形の全時間範囲にわたって一定時間間隔(例えば、0.1ミリセカンド)で複数のサンプリング時刻について基準波形と処理波形との差分値を算出しているが、一部の時間範囲のみで差分値を算出するようにしても良い。この場合、差分を算出する時間範囲は基準波形のピークを含む近傍に設定するのが好ましい。照射光の強度波形のピーク近傍は処理結果に与える影響が大きいため、ピーク近傍での差分値を算出して処理異常検出を行えば、処理品質をより高度に維持することができる。また、一部の時間範囲を設定する場合、複数箇所に設定(例えば、基準波形が複数のピークを有するのであれば各ピークに設定)するようにしても良い。さらに、差分を算出する時間間隔も任意の値に設定することができる(但し、図15のステップS14の待機時間の整数倍)。
また、演算を行った時間範囲において、差分値を積分し、その積分値を比較して処理異常を検出するようにしても良い。
差分値が許容範囲を超えて処理異常が検出された場合には、異常検出部37がメインコントローラ3の表示部にエラー表示を行う。エラー表示の内容としては、例えば許容範囲を超えた差分値とそのサンプリング時刻を表示するようにすれば良い。また、図16に示すような基準波形および処理波形そのものをグラフィカルに表示するようにしても良い。
<3.効果>
本実施形態においては、応答時間が極めて短いフォトダイオード21によって照射時間の短いフラッシュランプFLからチャンバー6の内部に照射された光の強度変化を確実に検出し、それをワンチップマイコン25によって光の強度の時間波形として取得している。
特許文献1に開示されるような、チャンバー6の内部に照射された光のエネルギーを検出する技術は、光強度の時間波形の積分値を検出するものである。従って、例えば図16で処理波形が単純なシングルパルスの波形であったとしても、基準波形の積分値と処理波形の積分値とが同じであったならば、処理の異常を検出することはできなかった。一方、既述したように、不純物の活性化処理だけでなく、イオン打ち込み時に不純物注入層よりもやや深い位置に導入された結晶欠陥の回復処理を行う場合には、フラッシュランプFLから照射される光の強度波形そのものが処理結果に大きな影響を与える。
本実施形態のようにすれば、フラッシュランプFLからチャンバー6の内部に照射される光の強度の時間波形そのものを波形計測部20によって計測して取得することができる。従って、総エネルギーが同じであったとしても、基準波形と処理波形との形状の相違を検出することができ、その結果処理の異常を確実に検出することができる。
また、強度波形を積分することによって照射光のエネルギーを算出することもでき、さらに照射光の強度のピーク値(複数のピークがある場合にはそれぞれについて)を求めることもできる。
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、熱処理装置1の構成は図17〜図19に示すようなものであっても良い。上記実施形態では石英プローブ18と波形計測部20とを光ファイバー17を介して接続していたが、図17に示す例おいては石英プローブ18と波形計測部20とを直接接続している。図17のように構成しても、上記実施形態と同様の処理を行うことができる。
また、図18に示す例においては、上記実施形態の石英プローブ18に代えて石英窓19を用いている。石英窓19は、チャンバー6の底壁面であるチャンバー底部62に設置されている。石英窓19は光ファイバー17を介して波形計測部20と接続されている。図19に示す例においては、石英窓19と波形計測部20とを直接接続している。図18、図19のように構成しても、フラッシュランプFLからチャンバー6の内部に照射された光の一部は石英窓19に入射し、上記実施形態と同様の波形計測処理が実行される。すなわち、図1,図17の石英プローブ18および図18,図19の石英窓19はいずれもランプハウス5のフラッシュランプFLからチャンバー6の内部に照射された光が入射する入射部として機能し、その入射した光の強度の時間波形が波形計測部20によって計測される。なお、図17〜図19において、波形計測機構以外の構成については上記実施形態と同じであり、上記実施形態と同一の要素については同一の符号を付している。
また、フラッシュランプFLからチャンバー6の内部に照射された光を受光して波形計測部20に導く構造は図1,図17〜図19の形態に限定されるものではなく、受光した光を適切に導ける構造であれば良く、例えば特許文献1に開示される光導出構造と同様のものであっても良い。また、ランプハウス5に石英プローブ18や石英窓19を設け、フラッシュランプFLからの光を直接計測するものであっても良い。
また、上記実施形態においては、高速A/Dコンバータ24からワンチップマイコン25への入力電圧が所定の閾値以上となった時点からデジタル信号のサンプリングを開始するようにしていたが、これに限定されるものではなく、例えばメインコントローラ3のパルス発生器31からパルス信号を出力するタイミングと同期してサンプリングを開始するようにしても良い。また、トリガー回路97がトリガー電極91に電圧を印加するタイミングと同期してサンプリングを開始するようにしても良い。また、高速A/Dコンバータ24からワンチップマイコン25への入力電圧の傾きが所定値以上となった時点からサンプリングを開始するようにしても良い。さらには、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖されてから所定時間が経過した時点からサンプリングを開始するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、処理対象となる半導体ウェハーWの処理に先立って、フラッシュランプFLから正常な光照射を行って基準波形を取得するようにしていたが、これに代えてロットの最初の半導体ウェハーWに光照射熱処理を行うときにチャンバー6内部に照射された光の強度の時間波形を基準波形として取得するようにしても良い。また、ロットの途中の半導体ウェハーWに光照射熱処理を行うときにチャンバー6内部に照射された光の強度の時間波形を基準波形として取得するようにしても良い。さらには、基準波形としては、予め波形記憶部35に格納されていたものを用いるようにしても良いし、手動にて設定したものであっても良いし、装置の外部からダウンロードしたものであっても良い。
また、異常検出処理を行うときに、差分を算出する時間範囲を自動で設定するようにしても良い。具体的には、異常検出部37が基準波形のピークを検出し、その検出したピークを含むように予め設定された長さの時間範囲を設定する。このようにすれば、ピークの近傍に確実に差分算出の時間範囲を設定することができる。
また、上記実施形態においては、1枚の半導体ウェハーWの光照射熱処理が終了するごとに異常検出処理を行うようにしていたが(図8のステップS6)、全ての半導体ウェハーWの光照射熱処理が終了した後に処理異常検出処理を行うようにしても良い。すなわち、図8のステップS7の後にステップS6を実行するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、スイッチング素子96によってフラッシュランプFLへの通電を制御することにより、発光強度の時間波形を調整するようにしていたが、スイッチング素子96を用いることなくフラッシュランプFLからの発光が単純なシングルパルスの強度波形であったとしても本発明に係る技術を適用して照射光の強度波形を計測することができる。
また、上記実施形態においては、ランプハウス5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。
また、上記実施形態においては、スイッチング素子96としてIGBTを使用していたが、これに限定されるものではなく、IGBT以外の他のトランジスタであっても良いし、入力されたパルス信号の波形に応じて回路をオンオフできる素子であれば良い。もっとも、フラッシュランプFLの発光には相当に大きな電力が消費されるため、大電力の取り扱いに適したIGBTやGTO(Gate Turn Off)サイリスタをスイッチング素子96として採用するのが好ましい。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などに用いるガラス基板であっても良い。
1 熱処理装置
3 メインコントローラ
4 保持部昇降機構
5 ランプハウス
6 チャンバー
7 保持部
17 光ファイバー
18 石英プローブ
19 石英窓
20 波形計測部
21 フォトダイオード
22 電流電圧変換回路
23 増幅回路
24 高速A/Dコンバータ
25 ワンチップマイコン
35 波形記憶部
37 異常検出部
60 上部開口
61 チャンバー窓
62 チャンバー底部
63 チャンバー側部
65 熱処理空間
71 ホットプレート
72 サセプタ
96 スイッチング素子
FL フラッシュランプ
W 半導体ウェハー

Claims (7)

  1. 基板に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された基板に光照射を行う光照射部と、
    前記光照射部から前記チャンバーの内部に照射された光が入射する入射部と、
    前記入射部に入射した光の強度の時間波形を計測する波形計測部と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記入射部は前記チャンバーの内部に設置された石英のプローブを備えることを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記入射部は前記チャンバーの壁面に設置された石英窓を備えることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記波形計測部はフォトダイオードを備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項4記載の熱処理装置において、
    前記波形計測部は、
    前記フォトダイオードにて発生した電流を電圧に変換する電流電圧変換回路と、
    前記電流電圧変換回路から出力された電圧を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路によって増幅された電圧をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器から出力されたデジタル信号を所定間隔でサンプリングして時間波形を取得する波形取得部と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項5記載の熱処理装置において、
    前記波形取得部によって取得された光の強度の時間波形を処理対象となる基板毎に蓄積する波形記憶部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記光照射部は発光時間が1秒以下のフラッシュランプを備えることを特徴とする熱処理装置。
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