JP2008041868A - 不純物活性化方法及びレーザ照射装置 - Google Patents

不純物活性化方法及びレーザ照射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008041868A
JP2008041868A JP2006213066A JP2006213066A JP2008041868A JP 2008041868 A JP2008041868 A JP 2008041868A JP 2006213066 A JP2006213066 A JP 2006213066A JP 2006213066 A JP2006213066 A JP 2006213066A JP 2008041868 A JP2008041868 A JP 2008041868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
laser
incident
conversion element
wavelength conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006213066A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadahiko Kimura
定彦 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2006213066A priority Critical patent/JP2008041868A/ja
Publication of JP2008041868A publication Critical patent/JP2008041868A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】 表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板に、複数のレーザパルスをそれぞれ適切な条件で照射して、活性化深さを深めることができる不純物活性化方法を提供する。
【解決手段】 不純物活性化方法は、(a)パルスレーザビームを出射する第1のパルスレーザ光源から出射され、第1のパルス幅を有する第1のレーザパルスを、表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板に入射させて、該表面を溶融させる工程と、(b)基板の表面上の、工程(a)で第1のレーザパルスが入射した入射領域と重なりを持つ領域に、第1のパルス幅よりも長い第2のパルス幅を有し、基板の表面でのピークパワーが第1のレーザパルスのピークパワーと等しいかそれよりも低く、パルスレーザビームを出射する第2のパルスレーザ光源から出射された第2のレーザパルスを入射させる工程とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は不純物活性化方法に関し、特に、表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板にレーザビームを照射して不純物を活性化する不純物活性化方法に関する。本発明はまた、このような不純物活性化方法を行うことができるレーザ照射装置に関する。
表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板にレーザビームを照射することにより、不純物を活性化することができる。特許文献1が開示する一実施例の不純物活性化方法(特許文献1の図5(B)、段落[0083]〜[0084]参照)では、表面に不純物が添加された半導体基板に、パルスレーザ光源から出射されたレーザパルスが照射され、このレーザパルスの照射期間中または照射終了後に、さらに連続波レーザビームが照射される。レーザパルスの照射により、不純物の活性化が開始し、連続波レーザビームの照射により、レーザパルスの照射で上昇した基板表面の温度が高い状態に維持されて、不純物の活性化反応が基板の深い位置にまで及ぶ。
また、特許文献1が開示する他の実施例の不純物活性化方法(特許文献1の図7(B)、段落[0102]〜[0106]参照)では、表面に不純物が添加された半導体基板に、パルスレーザ光源から出射された3つ以上のレーザパルスが照射される。あるレーザパルスの照射期間中または照射終了後に次のレーザパルスが照射される。1つ目のレーザパルスの照射により、不純物の活性化が開始し、2つ目以後のレーザパルスの照射により、1つ目のレーザパルスの照射で上昇した基板表面の温度が高い状態に維持されて、不純物の活性化が基板の深い位置にまで及ぶ。照射される各レーザパルスのパルス幅は、例えば100nsである。
特許文献1の不純物活性化方法のうち、レーザパルスに加えて連続波レーザビームを照射する方法では、連続波レーザビームのピークパワーが例えば10W(特許文献1の段落[0083]参照)と低い。
特許文献1の不純物活性化方法のうち、複数のレーザパルスを照射する方法では、例えば特許文献1の図7(B)に示されているように、照射される複数のレーザパルスのピークパワー、パルス幅等の特性が同一である。例えば2つ目のレーザパルスは1つ目のレーザパルスと等しいピークパワーを有し、これは連続波レーザビームのピークパワーより高い。しかし、同一の特性のレーザパルスを複数照射するよりも良好な不純物活性方法があると考えられる。
本発明の一目的は、表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板に、複数のレーザパルスをそれぞれ適切な条件で照射して、活性化深さを深めることができる不純物活性化方法を提供することである。
本発明の他の目的は、このような不純物活性化方法を行うことができるレーザ照射装置を提供することである。
本発明の第1の観点によれば、(a)パルスレーザビームを出射する第1のパルスレーザ光源から出射され、第1のパルス幅を有する第1のレーザパルスを、表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板に入射させて、該表面を溶融させる工程と、(b)前記基板の表面上の、前記工程(a)で前記第1のレーザパルスが入射した入射領域と重なりを持つ領域に、前記第1のパルス幅よりも長い第2のパルス幅を有し、該基板の表面でのピークパワーが該第1のレーザパルスのピークパワーと等しいかそれよりも低く、パルスレーザビームを出射する第2のパルスレーザ光源から出射された第2のレーザパルスを入射させる工程とを有する不純物活性化方法が提供される。
本発明の第2の観点によれば、外部から制御されて、第1のパルス幅及び第1のピークパワーを有する第1のレーザパルスを出射する第1のパルスレーザ光源と、外部から制御されて、前記第1のパルス幅より長い第2のパルス幅を有し、前記第1のピークパワーと等しいかそれよりも低い第2のピークパワーを有する第2のレーザパルスを出射する第2のパルスレーザ光源と、光照射対象物を保持する保持機構と、前記第1のパルスレーザ光源から出射された第1のレーザパルス及び前記第2のパルスレーザ光源から出射された第2のレーザパルスを、該第2のレーザパルスの前記光照射対象物の表面上の入射領域が該第1のレーザパルスのそれと重なりを持つように、該光照射対象物に入射させる入射光学系と、制御装置とを有し、前記第1のパルスレーザ光源は、光共振器内に配置されたQスイッチを含むQスイッチレーザ光源であり、非線形光学結晶を含む第1の波長変換素子、及び該第1の波長変換素子の温度を変化させる第1の温度調節器を有し、レーザ媒質から放出される基本波を該第1の波長変換素子により高調波に変換して前記第1のレーザパルスを出射し、前記第2のパルスレーザ光源は、光共振器内に配置されたQスイッチを含むQスイッチレーザ光源であり、前記制御装置は、前記第1の波長変換素子の温度と該第1の波長変換素子で生成される高調波のパルス幅との第1の対応関係を記憶し、該第1の波長変換素子の温度が該第1の対応関係から得られた前記第1のパルス幅に対応する目標温度となるように、前記第1の温度調節器を制御して、前記第1のパルスレーザ光源から出射される前記第1のレーザパルスのパルス幅を該第1のパルス幅とする第1の制御を行うとともに、(A)前記第1のパルスレーザ光源から前記第1のレーザパルスを出射させ、該第1のレーザパルスを前記光照射対象物に入射させる工程と、(B)前記第1のレーザパルスの前記光照射対象物への入射開始時刻から第1の期間以内に前記第2のレーザパルスが該光照射対象物に入射するように、前記第2のパルスレーザ光源から該第2のレーザパルスを出射させる工程とが行われるように、前記第1及び第2のパルスレーザ光源のQスイッチを制御するレーザ照射装置が提供される。
第1の観点による不純物活性化方法を用いれば、第1のレーザパルスの照射により溶融した基板の表面を、第2のレーザパルスの照射により温度が高い状態に維持することができるので、不純物の活性化深さを深くすることができる。第2のレーザパルスはパルスレーザ光源から出射されるので、ピークパワーを所望の高さにして、基板表面の温度を高く維持することが容易である。また、第2のレーザパルスのパルス幅(第2のパルス幅)が第1のパルスのそれ(第1のパルス幅)よりも長いので、例えば、第2のレーザパルスのパルス幅が第1のレーザパルスのそれと等しい場合に比べて、基板表面の温度が高く維持される期間が長くなり、活性化深さをより深めることができる。
第2の観点によるレーザ照射装置は、例えば、半導体層に添加された不純物の活性化処理に用いることができ、第1のパルスレーザ光源が有する波長変換素子の温度制御により、不純物活性化に適したパルス幅を有する第1のレーザパルスを得ることができる。
図1を参照して、本発明の第1の実施例によるレーザ照射装置について説明する。パルスレーザ装置1が、パルスレーザビームP1を出射する。制御装置100が、パルスレーザ装置1を制御する。制御装置100は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成される。パルスレーザ装置1から出射されたパルスレーザビームP1が、コリメータレンズ2で平行光にされて、偏光ビームスプリッタ3に入射する。パルスレーザ装置1は、偏光ビームスプリッタ3に対してS偏光となるパルスレーザビームP1を出射する。
パルスレーザ装置4が、パルスレーザビームP2を出射する。制御装置100が、パルスレーザ装置4を制御する。パルスレーザ装置4から出射されたパルスレーザビームP2が、1/2波長板5及びコリメータレンズ6を透過し、折り返しミラー7で反射されて、偏光ビームスプリッタ3に入射する。1/2波長板5は、パルスレーザビームP2を偏光ビームスプリッタ3に対するP偏光にする。
偏光ビームスプリッタ3は、S偏光を反射させ、P偏光を透過させる。偏光ビームスプリッタ3で反射されたパルスレーザビームP1と、偏光ビームスプリッタ3を透過したパルスレーザビームP2とが重畳される。制御装置100によりトリガーディレイを与えることで、後述のダブルパルスを生成することができる。
折り返しミラー7は、ミラー駆動機構71に保持されている。ミラー駆動機構71が、折り返しミラー7の姿勢を変位させることにより、折り返しミラー7で反射されて偏光ビームスプリッタ3に入射するパルスレーザビームP2の進行方向が変化する。折り返しミラー7に基準姿勢が定められており、折り返しミラー7が基準姿勢であるとき、パルスレーザビームP2の中心軸がパルスレーザビームP1の中心軸と一致するように、偏光ビームスプリッタ3で両パルスレーザビームが重畳される。
コリメータレンズ6が、レンズ駆動機構61に保持されている。レンズ駆動機構61が、コリメータレンズ6を透過するパルスレーザビームP2の進行方向に平行な方向に、コリメータレンズ6を移動させる。パルスレーザビームP2の進行方向に平行な方向に関して、コリメータレンズ6の基準位置が定められており、基準位置に配置されたコリメータレンズ6により、パルスレーザビームP2は平行光にされる。
偏光ビームスプリッタ3により重畳されたパルスレーザビームP1及びP2が、折り返しミラー8で反射されて、ホモジナイザ9に入射し、ホモジナイザ9を経たパルスレーザビームP1及びP2が、折り返しミラー10で反射されて、ホモジナイザ9のホモジナイズ面95に到達する。ホモジナイザ9は、ホモジナイズ面95上で、パルスレーザビームP1及びP2の断面を一方向に長い長尺形状に整形するとともに、ビーム断面内の光強度分布を均一に近づける。
ホモジナイズ面95上にマスク11が配置される。マスク11は、ホモジナイズ面95におけるパルスレーザビームP1及びP2のビーム断面よりも幅が太く長さが短い開口を有する遮光板から構成される。マスク11の遮光板でパルスレーザビームP1及びP2のビーム断面の長尺方向の両端部分が遮られ、残りの部分(これをマスク透過部分と呼ぶこととする)が開口を透過する。
マスク11を透過したパルスレーザビームP1及びP2が、結像レンズ12を透過して基板13に入射する。基板13は、例えば、B、P等の不純物が表層部に添加されたシリコン基板である。結像レンズ12は、ホモジナイズ面95上のビーム断面のマスク透過部分を、基板13の表面に結像させる。基板13の表面上のビーム断面は、例えば長さが2.4mmで幅が140μmである。基板13にレーザビームを入射させて表面を溶融させることにより、添加された不純物を活性化することができる。
XYステージ14が、基板13を保持する。XYステージ14は、レーザビームが入射する基板表面に平行な方向に基板13を移動させる。これにより、基板表面上のパルスレーザビームP1及びP2の入射位置が移動する。基板表面上の所望の位置にパルスレーザビームP1及びP2が入射するように、制御装置100がXYステージ14を制御する。
次に、図2及び図3を参照して、パルスレーザ装置1について詳しく説明する。図2に示すように、ミラー21a〜21dが光共振器21を構成し、ミラー21aと21dとが光共振器21の両端を画定する。ミラー21aで反射された光が、ミラー21b及び21cで順次反射されてミラー21dに入射するように、ミラー21a〜21dが配置されている。ミラー21aから21bまでの間に、レーザ媒質22及びQスイッチ23が配置されている。レーザ媒質22として、例えばYLFロッドが用いられる。
励起源25が、例えばダイオードレーザから構成される。励起源25から入射したレーザビームによりレーザ媒質22が励起される。励起源25から出射されるレーザビームのパワーを、制御装置100が制御する。
ミラー21cから21dまでの間に、波長変換素子24が配置されている。波長変換素子24として、非線形光学効果を有する結晶、例えばリチウムトリボレート(LiB)結晶(LBO結晶)が用いられる。レーザ媒質22から放出された基本波を波長変換素子24に入射させることにより、この基本波の第2高調波を生成することができる。例えば、YLFロッドからなるレーザ媒質22から波長1054nmの基本波が放出され、波長変換素子24で波長527nmの第2高調波が生成される。
ミラー21cは、基本波を反射させ第2高調波を透過させるダイクロイックミラーである。ミラー21dは、基本波及び第2高調波の双方を反射させる。第2高調波は、ダイクロイックミラー21cを透過して光共振器21の外に出射されるので、ミラー21a及び21bには入射しない。ミラー21a及び21bは基本波を反射させる。
光共振器21の品質因子Qが相対的に低い状態と相対的に高い状態(相対的に高い状態をオン状態と呼ぶこととする)とを、Qスイッチ23が切り換える。オン状態で、レーザ媒質22から誘導放出により基本波が出射され、基本波が波長変換素子24で第2高調波に変換され、第2高調波がダイクロイックミラー21cから光共振器21の外に出射される。
制御装置100がQスイッチ23に契機信号sigを送出する。契機信号sigにより所定の繰り返し周波数(例えば1kHz)でQスイッチ23がオン状態にされ、所定の繰り返し周波数を有する第2高調波のパルスレーザビームP1がダイクロイックミラー21cから出射される。
温度調節器26が、波長変換素子24の温度を変化させる。温度調節器26として、例えばヒータが用いられる。なお、温度調節器26として、ペルチエ素子等の加熱及び冷却の双方が可能なものを用いてもよい。波長変換素子24が所望の温度となるように、制御装置100が温度調節器26を制御する。
光共振器21の一端を画定するミラー21dは、基本波及び第2高調波の双方を反射させるが、ミラー21dを透過する漏れ光P1Lが存在する。漏れ光P1Lがフィルタ27に入射する。フィルタ27は、基本波を透過させず第2高調波を透過させる。フィルタ27を透過した第2高調波が、フォトディテクタ28に入射する。
フォトディテクタ28は、入射光のパワーに対応する電気信号を生成してオシロスコープ29に出力する。オシロスコープ29により、入力された電気信号に基づいて、漏れ光P1Lの第2高調波成分のパルス幅が測定される。このパルス幅は、ダイクロイックミラー21cから出射したパルスレーザビームP1のパルス幅と等しい。オシロスコープ29で測定されたパルス幅に対応するデータが、制御装置100に入力される。
ダイクロイックミラー21cから出射したパルスレーザビームP1が、振り分け光学系30に入射する。振り分け光学系30は、パルスレーザビームP1を、コリメータレンズ2に入射する光路とパワーメータ31に入射する光路とに振り分ける。振り分け光学系30として、例えばガルバノミラーを用いることができる。制御装置100が、振り分け光学系30を制御する。パワーメータ31は、入射したパルスレーザビームの平均パワーを測定する。パワーメータ31で測定される平均パワーは、単位時間当たりにダイクロイックミラー21cから出射するエネルギである。パワーメータ31で測定された平均パワーに対応するデータが、制御装置100に入力される。
図3は、ダイクロイックミラー21cから出射するパルスレーザビームP1の平均パワーの波長変換素子24の温度に対する依存性、及びパルスレーザビームP1のパルス幅の波長変換素子24の温度に対する依存性を測定したデータの一例を示すグラフである。レーザ媒質22はYLFロッドであり、波長変換素子24はLBO結晶である。グラフの横軸が華氏単位で表した波長変換素子24の温度であり、グラフ左側の縦軸がW単位で表した平均パワーであり、グラフ右側の縦軸がns単位で表したパルス幅である。曲線C1が平均パワーの温度依存性を示し、曲線C2がパルス幅の温度依存性を示す。なお、励起源25からレーザ媒質22に供給されるパワーは一定である。
まず、平均パワーの温度依存性について説明する。平均パワーは、華氏324.5度付近で最大の21.0Wとなっている。最大の平均パワーを最大パワーと呼ぶこととする。華氏323.0度〜325.8度の範囲(図中に示す範囲A)は、常に最大パワーの95%以上の平均パワーが得られる温度範囲である。範囲Aより温度が高くなっても低くなっても、最大パワーの95%より低い平均パワーしか得られない。
パルスレーザビームP1の平均パワーは、波長変換素子24による基本波から第2高調波への変換効率に対応する。パルスレーザビームP1の平均パワーが高いほど第2高調波への変換効率が高く、平均パワーが低いほど第2高調波への変換効率が低い。第2高調波への変換効率が低下することにより、相対的に光共振器21内の基本波のパワーが増加する。これに起因して、光共振器の損傷等が生じ得る。パルスレーザビームP1の出力を高水準に保ち、かつ装置の損傷を防止するために、波長変換素子24の温度は範囲A内に保つことが好ましい。
次に、範囲A内におけるパルス幅の温度依存性について説明する。パルス幅は、範囲A内で変化し、範囲Aの両端付近で相対的に短く、範囲Aの中央付近で相対的に長い。範囲A内で最短のパルス幅は150nsであり、華氏323.0度で得られる。範囲A内で最長のパルス幅は195nsであり、華氏324.5度付近で得られる。
以上より、最大パワーに近い水準の平均パワーが得られる温度範囲内で波長変換素子24の温度を変化させることにより、高い水準の平均パワーを保ちかつ装置の損傷が抑制された状態でパルス幅を変化させられることがわかる。図2に示す例では、波長変換素子24の温度を範囲A内で変化させることにより、パルス幅を150nsから195nsまで変化させることができる。
なお、Qスイッチ23が1回オン状態になっている期間中に、1つのレーザパルスが出射される。Qスイッチ23がオン状態となる1回分の期間は、パルス幅より充分に長くなるように(例えば5μs程度)に設定されている。
次に、パルスレーザ装置1を用いたパルス幅の制御方法について説明する。まず、パルスレーザビームP1の平均パワーの波長変換素子24の温度に対する依存性と、パルスレーザビームP1のパルス幅の波長変換素子24の温度に対する依存性とを測定する。これらの測定データが、制御装置100に記憶される。
次に、平均パワーの温度依存性に基づいて最大パワーを求め、最大パワーの一定割合以上を平均パワーの許容範囲(これをパワー許容範囲と呼ぶこととする)とする。パワー許容範囲の下限は、例えば最大パワーの95%に設定される。また、平均パワーの温度依存性に基づいて、パワー許容範囲に対応する温度範囲が求められる。パワー許容範囲及びパワー許容範囲に対応する温度範囲が、制御装置100に記憶される。
次に、所望のパルス幅(これを目標パルス幅と呼ぶこととする)が制御装置100に入力される。制御装置100は、パルス幅の温度依存性に基づき、目標パルス幅に対応する波長変換素子の温度を検出する。さらに、制御装置100は、検出された目標パルス幅に対応する温度がパワー許容範囲に対応する温度範囲に含まれているかどうかを判定する。
検出された目標パルス幅に対応する温度がパワー許容範囲に対応する温度範囲に含まれている場合に、検出された目標パルス幅に対応する温度が目標温度として定められる。波長変換素子24の温度が目標温度に制御されることにより、パルス幅が目標パルス幅となるように制御される。なお、検出された目標パルス幅に対応する温度がパワー許容範囲に対応する温度範囲に含まれていない場合は、制御装置100が警告を発する。
なお、目標パルス幅に対応する波長変換素子の温度が複数個検出される場合もある。このような場合、複数個検出された温度のそれぞれがパワー許容範囲に対応する温度範囲に含まれるかどうか判定される。パワー許容範囲に対応する温度範囲に含まれると判定された温度が複数個存在する場合は、そのうちいずれかを目標温度として選択することができる。例えば、パワー許容範囲に対応する温度範囲に含まれると判定された温度のうち、最低のものを目標温度として選択することができる。
例えば、図3に示した平均パワー及びパルス幅の温度依存性について考える。最大パワーの95%以上をパワー許容範囲としたとき、温度範囲Aがパワー許容範囲に対応する温度範囲となる。目標パルス幅を170nsとする。パルス幅170nsに対応する温度として、範囲A内に華氏323.4度及び華氏325.5度の2つが存在する。従って、例えば華氏323.4度を目標温度とすることができる。
なお、パルス幅の温度依存性に基づき、パワー許容範囲に対応する温度範囲内の温度で得られるパルス幅の範囲(これをパルス幅可変範囲と呼ぶこととする)を求めることができる。目標パルス幅はパルス幅可変範囲に含まれる必要がある。予めパルス幅可変範囲を求めておけば、この範囲から目標パルス幅を選択することができる。例えば図3に示したパルス幅の温度依存性では、パルス幅可変範囲が150nsから195nsまでとなる。
なお、以下のように、励起源25からレーザ媒質22に供給されるパワーを変化させることにより、パルスレーザビームP1の平均パワーを調整することもできる。励起源25からレーザ媒質22に入射するレーザビームのパワーを増加させると、パルスレーザビームP1のパワーを増加させることができ、励起源25からレーザ媒質22に入射するレーザビームのパワーを減少させると、パルスレーザビームP1のパワーを減少させることができる。
制御装置100に、パルスレーザビームP1の所望の平均パワー(これを目標パワーと呼ぶこととする)が記憶されている。制御装置100は、パルスレーザビームP1の測定された平均パワーを目標パワーと比較し、測定された平均パワーが目標パワーよりも低かった場合は、パルスレーザビームP1の平均パワーが目標パワーに近づくようにレーザ媒質22に入射するレーザビームのパワーを増加させ、パルスレーザビームP1の測定された平均パワーが目標パワーよりも高かった場合は、パルスレーザビームP1の平均パワーが目標パワーに近づくようにレーザ媒質22に入射するレーザビームのパワーを減少させる。このようにして、パルスレーザビームP1の平均パワーを調整することができる。
図3に示した平均パワー及びパルス幅の温度依存性を持つパルスレーザ装置について考える。例えば、パルス幅を195nsとする場合(温度華氏324.5度)の平均パワーよりも、パルス幅を150nsとする場合(温度華氏323.0度)の平均パワーの方がやや低い。上述のようにして平均パワーを調整することにより、パルス幅150ns及び195nsの平均パワーを等しくすることができる。
パルスエネルギは、パルスエネルギ=平均パワー/繰り返し周波数という式で定義され、また、パルスエネルギ=パルス幅×ピークパワーという式で見積もることができる。例えば、平均パワー及び繰り返し周波数が一定という条件の下で(すなわちパルスエネルギが一定という条件の下で)パルス幅を変えることにより、レーザパルスのピークパワーを変化させることができる。パルス幅を長くすればピークパワーが減少し、パルス幅を短くすればピークパワーが増加する。
また例えば、パルス幅一定という条件の下でパルスエネルギを変えることにより、レーザパルスのピークパワーを変化させることができる。パルスエネルギが増加すればピークパワーも増加し、パルスエネルギが減少すればピークパワーも減少する。
なお、パルス幅の温度依存性は、光学部品の劣化等に起因して経時変化する可能性がある。このため、制御装置100に記憶されたパルス幅の温度依存性(これを基準特性と呼ぶこととする)が測定された時点と、実際にパルスレーザビームを出射させる時点とが離れるに従い、パルス幅制御の精度が悪化することが懸念される。
以下、パルス幅の温度依存性が経時変化してもパルス幅を良好に制御できる方法について説明する。まず、上述のような方法により、基準特性に基づいて波長変換素子24の目標温度を決定し、波長変換素子24の温度を目標温度に制御する。ただし、パルス幅の温度依存性が経時変化するとき、目標温度におけるパルス幅は、目標パルス幅からずれている可能性がある。
次に、オシロスコープ29により、目標温度におけるパルス幅を測定する。制御装置100に、目標パルス幅を含むパルス幅の許容範囲を記憶させておく。制御装置100は、目標温度におけるパルス幅が許容範囲内の値であるかどうかを判定する。パルス幅が許容範囲内であれば、波長変換素子24の温度をそのまま維持する。
パルス幅が許容範囲から外れていたら、波長変換素子24の温度を基準特性に基づいて求められた目標温度とする制御を解除し、充分に微小な量(例えば華氏0.1度)だけ波長変換素子24の温度を上昇させて再びパルス幅を測定する。測定結果が目標パルス幅に近づいていたら、パルス幅が許容範囲内に収まるまで、さらに波長変換素子24の温度を上昇させる。波長変換素子24の温度を上昇させることによりパルス幅が目標パルス幅から離れる場合は、波長変換素子24の温度を下降させることによりパルス幅を目標パルス幅に近づけて、パルス幅を許容範囲内に収めればよい。
このように、パルス幅の測定結果に基づき波長変換素子24の温度を調整するフィードバック制御を行うことにより、パルス幅を目標パルス幅に近づけることができる。このようなフィードバック制御を行う場合の波長変換素子24の初期の温度として、基準特性から決定される目標温度を用いることができる。
なお、温度を一定に維持していてもパルス幅が時間的に変動して許容範囲を外れる可能性もあるが、このような場合についてもパルス幅の測定結果に基づき波長変換素子24の温度を調整するフィードバック制御を行うことにより、パルス幅を許容範囲内に維持することができる。
なお、必要に応じ、所定頻度で基準特性を測定し直して基準特性を更新してもよい。基準特性を測定した直後であれば、基準特性に基づいて決定された目標温度におけるパルス幅が、充分に目標パルス幅に近い。
以上説明したように、上述の構成のパルスレーザ装置1を用いれば、パルス幅及びピークパワーの制御されたパルスレーザビームP1を得ることができる。パルスレーザ装置4もパルスレーザ装置1と同様な構成を有し、パルス幅及びピークパワーの制御されたパルスレーザビームP2が得られる。
パルスレーザ装置1及び4として上述のような構成のものを用いれば、例えば、パルスレーザ装置1及び4のレーザ媒質が同一の材料から構成され、波長変換素子の含む非線形光学結晶が同一の材料から構成されている場合でも、パルスレーザ装置1及び4の生成するパルスレーザビームのパルス幅やピークパワーを相互に異ならせることができる。
なお、LBO結晶と同様に、基本波から高調波への変換効率を温度により制御できる非線形光学結晶(温度位相整合が可能な非線形光学結晶)であれば、上述のパルスレーザ装置の波長変換素子として用いることができると考えられる。結晶の種類によってパルス幅の波長変換素子温度に対する依存性は異なると考えられるが、LBO結晶の場合と同様に、一定水準以上の平均パワーを確保できる温度範囲内で波長変換素子の温度を変化させることにより、パルス幅を変化させることは可能であろう。
なお、上記実施例ではレーザ媒質としてYLFを用いたが、他のレーザ媒質、例えばYAG等を用いることもできる。なお、上記実施例ではレーザ媒質の励起源としてダイオードレーザを用いたが、他の励起源、例えばフラッシュランプ等を用いることもできる。
次に、図4(A)及び図4(B)を参照してホモジナイザ9について詳しく説明する。まず、パルスレーザビームP1が入射する場合について説明する。ホモジナイザ9に入射するパルスレーザビームP1の進行方向に平行なZ軸を有するXYZ直交座標系を考える。図4(A)は、YZ面に平行な断面図であり、図4(B)は、XZ面に平行な断面図である。
図4(A)に示すように、等価な7本のシリンドリカルレンズが、各々の母線方向をX軸と平行にし、かつY軸方向に配列し、XY面に平行な仮想平面に沿ったシリンダアレイ91Aと91Bが構成されている。シリンダアレイ91A及び91Bの各シリンドリカルレンズの光軸面はXZ面に平行である。ここで、光軸面とは、シリンドリカルレンズが面対称に光を収束または発散させる対称面のことを意味する。シリンダアレイ91Aは光の入射側(図の左方)に配置され、シリンダアレイ91Bは出射側(図の右方)に配置されている。
図4(B)に示すように、等価な7本のシリンドリカルレンズが各々の母線方向をY軸と平行にし、かつX軸方向に配列し、XY面に平行な仮想平面に沿ったシリンダアレイ92Aと92Bが構成されている。シリンダアレイ92A及び92Bの各シリンドリカルレンズの光軸面はYZ面に平行である。シリンダアレイ92Aはシリンダアレイ91Aの前方(図の左方)に配置され、シリンダアレイ92Bはシリンダアレイ91Aと91Bとの間に配置されている。シリンダアレイ91Aと91Bの対応するシリンドリカルレンズの光軸面は一致し、シリンダアレイ92Aと92Bの対応するシリンドリカルレンズの光軸面も一致する。シリンダアレイ91A、91B、92A及び92Bを含んで、アレイレンズ93が構成される。シリンダアレイ91Bの後方に、収束レンズ94が配置されている。収束レンズ94の光軸は、Z軸に平行である。
図4(A)を参照して、パルスレーザビームP1のYZ面内に関する伝搬の様子を説明する。YZ面内においては、シリンダアレイ92A及び92Bは単なる平板であるため、光の収束、発散に影響を与えない。シリンダアレイ92Aの左方からパルスレーザビームP1がシリンダアレイ92Aに入射する。パルスレーザビームP1は、例えば曲線Dyで示すように、中央部分で強く周辺部分で弱い光強度分布を有する。
パルスレーザビームP1がシリンダアレイ92Aを透過し、シリンダアレイ91Aに入射する。パルスレーザビームP1は、シリンダアレイ91Aにより、各シリンドリカルレンズに対応した7つの収束光線束に分割される。図2(A)では、中央と両端の光線束のみを代表して示している。7つの収束光線束は、それぞれ曲線Dya〜Dygで示す光強度分布を有する。シリンダアレイ91Aによって収束された光線束は、シリンダアレイ91Bにより再度収束される。シリンダアレイ91Aで分割された光線束同士は、収束レンズ94に入射するまで互いに平行に進行する。
シリンダアレイ91Bにより収束した7つの収束光線束18は、それぞれ収束レンズ94の前方で焦点を結ぶ(ビーム断面を最小する)。この位置は、収束レンズ94の入射側焦点よりもレンズに近い。このため、収束レンズ94を透過した7つの光線束はそれぞれ発散光線束となる。収束レンズ94を透過した7つの光線束は、折り返しミラー10で反射された後、ホモジナイズ面95上で照射領域が一致するように重なり合う。
ホモジナイズ面95を照射する7つの光線束のY軸方向に対応する方向の光強度分布は、それぞれ光強度分布Dya〜DygをY軸方向に引き伸ばした分布に等しい。光強度分布DyaとDyg、DybとDyf、DycとDyeは、それぞれY軸方向に関して反転させた関係を有するため、これらの光線束を重ね合わせた光強度分布は、実線DHyで示すように均一な分布に近づく。
図4(B)を参照して、パルスレーザビームP1のXZ面内に関する伝搬の様子を説明する。XZ面内においては、シリンダアレイ91A及び91Bは単なる平板であるため、光の収束、発散に影響を与えない。シリンダアレイ92Aに入射するパルスレーザビームP1は、例えば曲線Dxで示すように、中央部分で強く周辺部分で弱い光強度分布を有する。
パルスレーザビームP1が、シリンダアレイ92Aにより、各シリンドリカルレンズに対応した7つの収束光線束に分割される。図4(B)では、中央と両端の光線束のみを代表して示している。7つの収束光線束は、それぞれ曲線Dxa〜Dxgで示す光強度分布を有する。
各光線束は、シリンダアレイ92Bの前方で焦点を結び(ビーム断面を最小とし)、発散光線束となってシリンダアレイ92Bに入射する。シリンダアレイ92Bに入射した各光線束は、それぞれある出射角を持って出射し、収束レンズ94に入射する。シリンダアレイ92Aで分割された光線束同士は、収束レンズ94に入射するまで互いに平行に進行する。収束レンズ94を透過した7つの光線束はそれぞれ収束光線束となり、折り返しミラー10で反射された後、ホモジナイズ面95上で照射領域が一致するように重なり合う。ホモジナイズ面95を照射する7つの光線束のX軸方向に対応する方向の光強度分布は、実線DHxで示すように均一な分布に近づく。
以上説明したようにして、ホモジナイズ面95上のパルスレーザビームP1の断面がY軸方向に対応する方向に長くX軸方向に対応する方向に短い長尺形状にされるとともに、この断面内の光強度分布が均一に近づけられる。ホモジナイズ面95上のビーム断面の長尺方向を長さ方向と呼び、短尺方向を幅方向と呼ぶこととする。
次に、パルスレーザビームP2が入射する場合について説明する。図1に示すコリメータレンズ6を基準位置に配置し、折り返しミラー7を基準姿勢としたとき、ホモジナイズ面95上のパルスレーザビームP2のビーム断面も、パルスレーザビームP1のそれと同一の形状に整形され、両パルスレーザビームの断面が一致する。
コリメータレンズ6を基準位置に配置し、折り返しミラー7の姿勢を基準姿勢から変位させたとき、パルスレーザビームP2の進行方向がパルスレーザビームP1の進行方向からずれる。この進行方向のずれに伴って、ホモジナイズ面95上のパルスレーザビームP2のビーム断面が、パルスレーザビームP1のビーム断面から幅方向に関してずれる。折り返しミラー7の姿勢の変位が微小であれば、ホモジナイズ面95上のパルスレーザビームP2のビーム断面は、パルスレーザビームP1のビーム断面とほぼ合同である。
また、折り返しミラー7を基準姿勢とし、コリメータレンズ6を基準位置よりもパルスレーザ装置4に近づけたとき、コリメータレンズ6を透過したパルスレーザビームP2は発散光となってホモジナイザ9に入射する。このため、シリンダアレイ91A及び92Aで分割された光線束同士は、互いに離れるように進行して収束レンズ94に入射し、ホモジナイズ面95よりも後方で重なり合う。ホモジナイズ面95上では、分割された光線束同士が部分的にしか重ならないので、パルスレーザビームP2のビーム断面が、パルスレーザビームP1のビーム断面よりも大きくなる。パルスレーザビームP2のビーム断面に、パルスレーザビームP1のビーム断面が内包される。
次に、図5(A)〜図5(C)を参照して、第2の実施例による不純物活性化方法について説明する。第2の実施例の方法では、図1に示すコリメータレンズ6が基準位置に配置され、折り返しミラー7が基準姿勢にされて、ホモジナイズ面95上のパルスレーザビームP1及びP2のビーム断面が一致している。
基板13に、パルスレーザビームP1の1つのパルスを入射させ、その直後にパルスレーザビームP2の1つのパルスを入射させる工程が、基板13を一方向に移動させながら繰り返される。パルスレーザビームP1の1つのパルスと、その直後のパルスレーザビームP2の1パルスとを合わせて、ダブルパルスと呼ぶこととする。
基板13の加工開始に先立って(基板13に最初のレーザパルスを入射させる前に)、所望のパルス幅及びピークパワーのパルスレーザビームP1及びP2が得られるように、パルスレーザ装置1及び4が調整されている。
図5(A)は、基板13の表面におけるパルスレーザビームP1及びP2のパワーの時間変化を示すグラフであり、2回のダブルパルスの照射工程が示されている。横軸が時刻を示し、縦軸が光強度を示す。パルスレーザビームP1及びP2の周期は等しく、パルスレーザビームP1のパルスの直後にパルスレーザビームP2のパルスが入射するように、両パルスレーザビームの位相がずれている。パルスレーザビームP1とP2とが所望の位相差となるように、制御装置100がパルスレーザ装置1及び4のQスイッチを制御する。1つのダブルパルスにおいて、パルスレーザビームP1のパルスの基板13への入射開始時刻から、パルスレーザビームP2のパルスの基板13への入射開始時刻までの期間が遅延時間DTである。
ダブルパルス内の1番目のレーザパルス(パルスレーザビームP1のパルス)により、基板13の表面の温度を急激に上げて、基板表面を溶融させる。このために、1番目のレーザパルスのパルス幅W1を200ns以下とすることが好ましく、1番目のレーザパルスの基板表面上のピークパワーPP1を50kW以上とすることが好ましい。
次に、ダブルパルス内の2番目のレーザパルス(パルスレーザビームP2のパルス)により、1番目のレーザパルスで上昇した基板表面の温度を高く維持して、不純物の活性化深さを深くする。このために、遅延時間DTを1μs以内とすることが好ましく、2番目のレーザパルスのパルス幅W2を100ns以上とすることが好ましく、2番目のレーザパルスの基板表面上のピークパワーPP2を10kW以上とすることが好ましい。なおパルス幅は、例えば半値幅で定義される。
2番目のレーザパルスのパルス幅W2は、基板表面の温度が高く維持される期間を伸ばすために、1番目のレーザパルスのパルス幅W1よりも長く設定される。また、2番目のレーザパルスの基板表面上のピークパワーPP2は、基板表面の温度を高く維持するのに充分な強さであればよく、単独の照射で基板表面を溶融させるほどの強さを必要としないので、1番目のレーザパルスの基板表面上のピークパワーPP1よりも低く設定することができる。なお、ピークパワーPP2をピークパワーPP1と等しくしても構わない。
また、1番目及び2番目のレーザパルスのパルスエネルギを等しくすることもできる。このとき、2番目のレーザパルスのパルス幅が1番目のレーザパルスのパルス幅よりも長ければ、それに対応して2番目のレーザパルスのピークパワーが1番目のレーザパルスのピークパワーよりも低くなる。
なお、ダブルパルス内の2番目のレーザパルスの基板13への入射開始時刻を、1番目のレーザパルスの基板13への入射開始時刻と同時とすることもできる。2番目のパルスのパルス幅W2が1番目のパルスのパルス幅W1よりも長いので、1番目のパルスを単独で照射する場合よりも、基板表面の温度が長い期間高く保たれる。
なお、ダブルパルス内の1番目のレーザパルスのパルス幅W1は200ns以下が好ましいが、下限は50ns程度である。1番目のレーザパルスのピークパワーPP1は50kW以上が好ましいが、上限は200kW程度である。また、2番目のレーザパルスのパルス幅W2は100ns以上が好ましいが、上限は500ns程度である。第2のレーザパルスのピークパワーPP2は10kW以上が好ましいが、上限は100kW程度である。
図5(B)は、2回のダブルパルス照射の期間における基板表面上のパルスレーザビームP1の入射領域の移動の様子を示す。基板表面上のパルスレーザビームP1のビーム断面の幅方向に基板13を移動させることにより、基板表面でパルスレーザビームP1の入射領域を移動させる。入射領域A11及びA12が、それぞれ、1回目及び2回目のダブルパルスにおけるパルスレーザビームP1のパルスの入射領域を示す。2回目の入射領域A12の縁を太線で示す。入射領域A11及びA12はともに、例えば、長さが2.4mmで幅が140μmである。
入射領域A12が、その直前のダブルパルスにおけるパルスレーザビームP1のパルスの入射領域A11と、入射領域の移動方向(入射領域の幅方向)に関して重なりを持つように、基板13の移動速度が設定されている。入射領域の全幅に対する重なり部分の割合は、例えば50%である。例えば、パルスレーザビームP1の繰り返し周波数が1kHzであり、パルスレーザビームP1の基板表面における入射領域の幅が140μmであり、入射領域の全幅に対する重なり部分の割合が50%である場合には、基板13の移動速度は70mm/sとなる。このように、パルスレーザビームP1の入射領域同士が幅方向に重なりを持つようにしてダブルパルスの照射を繰り返すことにより、基板全面を走査できる。
図5(C)は、1回のダブルパルス照射における1番目のレーザパルス(パルスレーザビームP1)及び2番目のレーザパルス(パルスレーザビームP2)の入射領域を示す。入射領域A11及びA21が、それぞれ、1番目及び2番目のレーザパルスの入射領域を示す。2番目のレーザパルスの入射領域A21の縁を破線で示す。2番目のレーザパルスの入射領域A21は、1番目のレーザパルスの入射領域A11と合同である。
基板13が静止した状態では、基板表面上の1番目のレーザパルス及び2番目のレーザパルスの入射領域同士が一致する。基板13の移動に伴い、1番目のレーザパルスの入射領域A11と2番目のレーザパルスの入射領域A21とがややずれる。しかし、例えば、基板13の移動速度が70mm/sであり、2番目のレーザパルスの1番目のレーザパルスに対する遅延時間DTが1μsである場合には、入射領域A11とA21とのずれ幅は70nmとなり、例えば入射領域の幅140μmに比べて非常に小さい。このような場合、1番目のレーザパルスの入射領域A11と2番目のレーザパルスの入射領域A21とはほぼ一致する。なお、入射領域は幅方向に移動するので、入射領域の長さ方向にはずれが生じない。
なお、上述のように、図1の折り返しミラー7の姿勢を基準姿勢から変位させれば、パルスレーザビームP2のビーム断面を幅方向に関してずらすことができる。基板13の移動に伴うパルスレーザビームP1の入射領域A11とパルスレーザビームP2の入射領域A21とのずれが問題となる場合には、折り返しミラー7の姿勢を調整することにより、基板表面上のパルスレーザビームP1及びP2の入射領域A11及びA21を一致させることができる。
次に、図6を参照して、第3の実施例による不純物活性化方法について説明する。図6は、1回のダブルパルス照射における1番目のレーザパルス(パルスレーザビームP1)及び2番目のレーザパルス(パルスレーザビームP2)の入射領域を示す。入射領域B11及びB21が、それぞれ、1番目及び2番目のレーザパルスの入射領域を示す。2番目のレーザパルスの入射領域B21の縁を破線で示す。2番目のレーザパルスの入射領域B21が、1番目のレーザパルスの入射領域B11を内包する点が、第2の実施例の不純物活性化方法と異なる。他は第2の実施例と同様である。
第3の実施例では、図1に示すコリメータレンズ6を基準位置よりもパルスレーザ装置4の近くに配置することにより、ホモジナイズ面95上で、パルスレーザビームP2のビーム断面を、パルスレーザビームP1のビーム断面を内包するような大きさに整形する。基板13が静止した状態では、基板表面上のパルスレーザビームP2の入射領域内に、パルスレーザビームP1の入射領域が含まれる。
基板13が移動しながら、パルスレーザビームP2のパルスがパルスレーザビームP1のパルスに対して遅延して基板13に入射しても、パルスレーザビームP2の入射領域B21の幅内にパルスレーザビームP1の入射領域B11が配置されるように、制御装置100が基板13の移動速度を制御する。なお、マスク11がビーム断面の長尺方向の両端部分を遮光しているので、入射領域B11及びB21の基板表面上の長さは一致している。
第3の実施例の方法では、ダブルパルス内の1番目のレーザパルスの入射領域B11を内包するように、ダブルパルスの2番目のレーザパルスが照射されるので、1番目のレーザパルスが入射した領域全域の温度を高く維持できる。また、2番目のレーザパルスの入射領域の幅が1番目のレーザパルスの入射領域の幅よりも広いので、不純物が活性化される領域が、1番目のレーザパルスの入射領域より幅方向に拡大する効果も期待される。
以上説明したように、実施例によるレーザ照射装置及び不純物活性化方法を用いれば、半導体基板の表面に添加された不純物の活性化処理を行うことができ、ダブルパルスの照射により、活性化深さを深くすることができる。なお、不純物の活性化処理の対象となる基板全体が半導体で構成されている必要はない。例えば、ガラス基板上に半導体層が積層され、この半導体層の表層部に不純物が添加されているような対象物に対して不純物の活性化処理を行うこともできる。
実施例の不純物活性化方法では、ダブルパルス内の2番目のレーザパルスがパルスレーザ光源から出射されるため、ピークパワーを所望の高さにして、基板表面の温度を高く維持することが容易である。また、ダブルパルス内の2番目のレーザパルスのパルス幅が1番目のレーザパルスのそれよりも長いので、例えば、2番目のレーザパルスのパルス幅が1番目のレーザパルスのそれと等しい場合に比べて、基板表面の温度が高く維持される期間が長くなり、活性化深さをより深めることができる。
パルスレーザ装置が有する波長変換素子の温度制御により、パルス幅及びピークパワーが制御されたパルスレーザビームが得ることができる。このようなパルスレーザ装置を不純物活性化方法に用いることにより、ダブルパルス内の1番目及び2番目のレーザパルスのパルス幅及びピークパワーを、不純物活性化に適した条件とすることが容易となる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
図1は、本発明の第1の実施例によるレーザ照射装置の概略図である。 図2は、第1の実施例のレーザ照射装置が有するパルスレーザ装置の概略図である。 図3は、パルスレーザビームの平均パワーの波長変換素子の温度に対する依存性、及びパルスレーザビームのパルス幅の波長変換素子の温度に対する依存性を示すグラフである。 図4(A)及び図4(B)は、第1の実施例のレーザ照射装置が有するホモジナイザの概略図である。 図5(A)は、第2の実施例の不純物活性化方法において基板表面に照射されるパルスレーザビームP1及びP2のパワーの時間変化を示すグラフであり、図5(B)は、第2の実施例の不純物活性化方法におけるパルスレーザビームP1の入射領域の移動の様子を示す基板13の平面図であり、図5(C)は、第2の実施例の不純物活性化方法におけるパルスレーザビームP1及びP2の入射領域を示す基板13の平面図である。 図6は、第3の実施例の不純物活性化方法におけるパルスレーザビームP1及びP2の入射領域を示す基板13の平面図である。
符号の説明
1、4 パルスレーザ装置
P1、P2 パルスレーザビーム
2、6 コリメータレンズ
3 偏光ビームスプリッタ
5 1/2波長板
7 折り返しミラー
61 レンズ駆動機構
71 ミラー駆動機構
100 制御装置
8、10 折り返しミラー
9 ホモジナイザ
95 ホモジナイズ面
11 マスク
12 結像レンズ
13 基板
14 XYステージ
21 光共振器
21a、21b、21d ミラー
21c ダイクロイックミラー
22 レーザ媒質
23 Qスイッチ
24 波長変換素子
25 励起源
26 温度調節器
27 フィルタ
28 フォトディテクタ
29 オシロスコープ
30 振り分け光学系
31 パワーメータ

Claims (14)

  1. (a)パルスレーザビームを出射する第1のパルスレーザ光源から出射され、第1のパルス幅を有する第1のレーザパルスを、表層部に不純物が添加された半導体層を含む基板に入射させて、該表面を溶融させる工程と、
    (b)前記基板の表面上の、前記工程(a)で前記第1のレーザパルスが入射した入射領域と重なりを持つ領域に、前記第1のパルス幅よりも長い第2のパルス幅を有し、該基板の表面でのピークパワーが該第1のレーザパルスのピークパワーと等しいかそれよりも低く、パルスレーザビームを出射する第2のパルスレーザ光源から出射された第2のレーザパルスを入射させる工程と
    を有する不純物活性化方法。
  2. 前記工程(b)は、前記工程(a)における前記第1のレーザパルスの前記基板への入射開始時刻から1μs以内に、前記第2のレーザパルスを該基板に入射させる請求項1に記載の不純物活性化方法。
  3. 前記第1のパルス幅が200ns以下である請求項1または2に記載の不純物活性化方法。
  4. 前記第1のレーザパルスの前記基板の表面でのピークパワーが50kW以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  5. 前記第2のパルス幅が100ns以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  6. 前記第2のレーザパルスの前記基板の表面でのピークパワーが10kW以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  7. さらに、(c)前記第1のレーザパルスの入射領域を前記基板の表面上で一方向にずらしながら、前記工程(a)及び(b)を交互に繰り返す工程を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  8. 前記工程(b)は、該基板に入射する第2のレーザパルスの入射領域が、該工程(b)の直前の工程(a)で該基板に入射した第1のレーザパルスの入射領域を内包するように、第2のレーザパルスを該基板に入射させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  9. 前記第1のパルスレーザ光源は、非線形光学結晶を含む第1の波長変換素子を有し、レーザ媒質から放出される基本波を該第1の波長変換素子により高調波に変換して前記第1のレーザパルスを出射し、
    さらに、
    (d)前記第1の波長変換素子の温度と該第1の波長変換素子で生成される高調波のパルス幅との対応関係に基づいて、該第1の波長変換素子の温度を、前記第1のパルスレーザ光源から前記第1のパルス幅のレーザパルスが出射されるように制御する工程
    を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  10. 前記第2のパルスレーザ光源は、非線形光学結晶を含む第2の波長変換素子を有し、レーザ媒質から放出される基本波を該第2の波長変換素子により高調波に変換して高調波のパルスレーザビームを出射し、
    さらに、
    (e)前記第2の波長変換素子の温度と該第2の波長変換素子で生成される高調波のパルス幅との対応関係に基づいて、該第2の波長変換素子の温度を、前記第2のパルスレーザ光源から前記第2のパルス幅のレーザパルスが出射されるように制御する工程と
    を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の不純物活性化方法。
  11. 外部から制御されて、第1のパルス幅及び第1のピークパワーを有する第1のレーザパルスを出射する第1のパルスレーザ光源と、
    外部から制御されて、前記第1のパルス幅より長い第2のパルス幅を有し、前記第1のピークパワーと等しいかそれよりも低い第2のピークパワーを有する第2のレーザパルスを出射する第2のパルスレーザ光源と、
    光照射対象物を保持する保持機構と、
    前記第1のパルスレーザ光源から出射された第1のレーザパルス及び前記第2のパルスレーザ光源から出射された第2のレーザパルスを、該第2のレーザパルスの前記光照射対象物の表面上の入射領域が該第1のレーザパルスのそれと重なりを持つように、該光照射対象物に入射させる入射光学系と、
    制御装置と
    を有し、
    前記第1のパルスレーザ光源は、光共振器内に配置されたQスイッチを含むQスイッチレーザ光源であり、非線形光学結晶を含む第1の波長変換素子、及び該第1の波長変換素子の温度を変化させる第1の温度調節器を有し、レーザ媒質から放出される基本波を該第1の波長変換素子により高調波に変換して前記第1のレーザパルスを出射し、
    前記第2のパルスレーザ光源は、光共振器内に配置されたQスイッチを含むQスイッチレーザ光源であり、
    前記制御装置は、前記第1の波長変換素子の温度と該第1の波長変換素子で生成される高調波のパルス幅との第1の対応関係を記憶し、該第1の波長変換素子の温度が該第1の対応関係から得られた前記第1のパルス幅に対応する目標温度となるように、前記第1の温度調節器を制御して、前記第1のパルスレーザ光源から出射される前記第1のレーザパルスのパルス幅を該第1のパルス幅とする第1の制御を行うとともに、
    (A)前記第1のパルスレーザ光源から前記第1のレーザパルスを出射させ、該第1のレーザパルスを前記光照射対象物に入射させる工程と、
    (B)前記第1のレーザパルスの前記光照射対象物への入射開始時刻から第1の期間以内に前記第2のレーザパルスが該光照射対象物に入射するように、前記第2のパルスレーザ光源から該第2のレーザパルスを出射させる工程と
    が行われるように、前記第1及び第2のパルスレーザ光源のQスイッチを制御するレーザ照射装置。
  12. 前記第2のパルスレーザ光源は、さらに、非線形光学結晶を含む第2の波長変換素子、及び該第2の波長変換素子の温度を変化させる第2の温度調節器を有し、レーザ媒質から放出される基本波を該第2の波長変換素子により高調波に変換して前記第2のレーザパルスを出射し、
    前記制御装置は、前記第2の波長変換素子の温度と該第2の波長変換素子で生成される高調波のパルス幅との第2の対応関係を記憶し、該第2の波長変換素子の温度が該第2の対応関係から得られた前記第2のパルス幅に対応する目標温度となるように、前記第2の温度調節器を制御して、前記第2のパルスレーザ光源から出射される前記第2のレーザパルスのパルス幅を該第2のパルス幅とする第2の制御を行う請求項11に記載のレーザ照射装置。
  13. 外部から制御されて、第1のパルス幅及び第1のピークパワーを有する第1のレーザパルスを出射する第1のパルスレーザ光源と、
    外部から制御されて、前記第1のパルス幅より長い第2のパルス幅を有し、前記第1のピークパワーと等しいかそれよりも低い第2のピークパワーを有する第2のレーザパルスを出射する第2のパルスレーザ光源と、
    光照射対象物を保持する保持機構と、
    前記第1のパルスレーザ光源から出射された第1のレーザパルス及び前記第2のパルスレーザ光源から出射された第2のレーザパルスを、該第2のレーザパルスの前記光照射対象物の表面上の入射領域が該第1のレーザパルスのそれと重なりを持つように、該光照射対象物に入射させる入射光学系と、
    制御装置と
    を有し、
    前記第1のパルスレーザ光源は、光共振器内に配置されたQスイッチを含むQスイッチレーザ光源であり、
    前記第2のパルスレーザ光源は、光共振器内に配置されたQスイッチを含むQスイッチレーザ光源であり、非線形光学結晶を含む波長変換素子、及び該波長変換素子の温度を変化させる温度調節器を有し、レーザ媒質から放出される基本波を該波長変換素子により高調波に変換して前記第2のレーザパルスを出射し、
    前記制御装置は、前記波長変換素子の温度と該波長変換素子で生成される高調波のパルス幅との対応関係を記憶し、該波長変換素子の温度が該対応関係から得られた前記第2のパルス幅に対応する目標温度となるように、前記温度調節器を制御して、前記第2のパルスレーザ光源から出射される前記第2のレーザパルスのパルス幅を該第2のパルス幅とする制御を行うとともに、
    (A)前記第1のパルスレーザ光源から前記第1のレーザパルスを出射させ、該第1のレーザパルスを前記光照射対象物に入射させる工程と、
    (B)前記第1のレーザパルスの前記光照射対象物への入射開始時刻から第1の期間以内に前記第2のレーザパルスが該光照射対象物に入射するように、前記第2のパルスレーザ光源から該第2のレーザパルスを出射させる工程と
    が行われるように、前記第1及び第2のパルスレーザ光源のQスイッチを制御するレーザ照射装置。
  14. 前記保持機構は、前記光照射対象物を前記第1及び第2のレーザパルスが入射する表面と平行な方向に移動させ、
    前記入射光学系は、前記保持機構が前記光照射対象物を移動させていない状態で、前記第2のレーザパルスの前記光照射対象物の表面上のビーム断面が、前記第1のレーザパルスの該光照射対象物の表面上のビーム断面を含む大きさとなるように、該第1及び第2のレーザパルスのビーム断面を整形する整形光学系を含み、
    前記制御装置は、前記工程(B)で該光照射対象物に入射する第2のレーザパルスの入射領域が、該工程(B)の直前の工程(A)で該光照射対象物に入射した第1のレーザパルスの入射領域を内包するような速度で、前記光照射対象物を移動させるように、前記保持機構を制御する請求項11〜13のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
JP2006213066A 2006-08-04 2006-08-04 不純物活性化方法及びレーザ照射装置 Pending JP2008041868A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006213066A JP2008041868A (ja) 2006-08-04 2006-08-04 不純物活性化方法及びレーザ照射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006213066A JP2008041868A (ja) 2006-08-04 2006-08-04 不純物活性化方法及びレーザ照射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008041868A true JP2008041868A (ja) 2008-02-21

Family

ID=39176569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006213066A Pending JP2008041868A (ja) 2006-08-04 2006-08-04 不純物活性化方法及びレーザ照射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008041868A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010141136A (ja) * 2008-12-11 2010-06-24 Fuji Electric Systems Co Ltd 半導体素子の製造方法
JP2010238803A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 熱処理装置
JP2011014685A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ照射装置、及びレーザ照射方法
JP2011243836A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザアニール方法及びレーザアニール装置
JP2012023171A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザアニール方法及びレーザアニール装置
CN103489764A (zh) * 2012-06-13 2014-01-01 住友重机械工业株式会社 半导体装置的制造方法及激光退火装置
JP2014036111A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Sumitomo Heavy Ind Ltd 半導体装置の製造方法
JP2015188110A (ja) * 2009-11-03 2015-10-29 ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニヴァーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク 非周期的なパルスによる部分的溶解膜処理のシステムおよび方法
CN106062959A (zh) * 2014-03-07 2016-10-26 住友重机械工业株式会社 半导体装置的制造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0963974A (ja) * 1995-08-22 1997-03-07 Rikagaku Kenkyusho 半導体基板中へのドーピング層の形成方法
JP2001168439A (ja) * 1999-12-09 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 発光装置
JP2003347237A (ja) * 2002-05-30 2003-12-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法およびその製造装置
JP2004039984A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ照射を用いた半導体装置の製造方法
JP2004304171A (ja) * 2003-03-17 2004-10-28 Semiconductor Energy Lab Co Ltd レーザ照射装置、レーザ照射方法及び半導体装置の作製方法
JP2005136218A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd 不純物活性化方法及びレーザ照射装置
JP2007123300A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Toyota Motor Corp 不純物活性化方法、レーザアニール装置、半導体装置とその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0963974A (ja) * 1995-08-22 1997-03-07 Rikagaku Kenkyusho 半導体基板中へのドーピング層の形成方法
JP2001168439A (ja) * 1999-12-09 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 発光装置
JP2003347237A (ja) * 2002-05-30 2003-12-05 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置の製造方法およびその製造装置
JP2004039984A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ照射を用いた半導体装置の製造方法
JP2004304171A (ja) * 2003-03-17 2004-10-28 Semiconductor Energy Lab Co Ltd レーザ照射装置、レーザ照射方法及び半導体装置の作製方法
JP2005136218A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Sumitomo Heavy Ind Ltd 不純物活性化方法及びレーザ照射装置
JP2007123300A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Toyota Motor Corp 不純物活性化方法、レーザアニール装置、半導体装置とその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010141136A (ja) * 2008-12-11 2010-06-24 Fuji Electric Systems Co Ltd 半導体素子の製造方法
JP2010238803A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 熱処理装置
JP2011014685A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ照射装置、及びレーザ照射方法
JP2015188110A (ja) * 2009-11-03 2015-10-29 ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニヴァーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク 非周期的なパルスによる部分的溶解膜処理のシステムおよび方法
JP2011243836A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザアニール方法及びレーザアニール装置
JP2012023171A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザアニール方法及びレーザアニール装置
CN103489764A (zh) * 2012-06-13 2014-01-01 住友重机械工业株式会社 半导体装置的制造方法及激光退火装置
JP2014036111A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Sumitomo Heavy Ind Ltd 半導体装置の製造方法
CN106062959A (zh) * 2014-03-07 2016-10-26 住友重机械工业株式会社 半导体装置的制造方法
US20160372583A1 (en) * 2014-03-07 2016-12-22 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Method of manufacturing semiconductor device and semiconductor device
US11239349B2 (en) 2014-03-07 2022-02-01 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Method of manufacturing semiconductor device and semiconductor device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008041868A (ja) 不純物活性化方法及びレーザ照射装置
US10556293B2 (en) Laser machining device and laser machining method
JP5853210B2 (ja) レーザ光源及びレーザ加工機
JP6167358B2 (ja) レーザアニール装置及びレーザアニール方法
KR20190017000A (ko) 라인 빔들을 이용한 향상된 열처리 방법
JP7188886B2 (ja) 加工装置
JP2007266146A (ja) レーザアニーリング装置
US20220006263A1 (en) Laser processing machine, processing method, and laser light source
JP2024020355A (ja) レーザー送達アドレス指定可能アレイのための用途、方法、及びシステム
JP2005313195A (ja) 二波長重畳型レーザ出射ユニット及びレーザ加工装置
TWI761081B (zh) 波長變換雷射裝置及波長變換雷射加工機
JP2011014685A (ja) レーザ照射装置、及びレーザ照射方法
US9059567B2 (en) CO2 laser device and CO2 laser processing device
CN112053943A (zh) 激光退火方法及激光控制装置
WO2013084413A1 (en) Laser processing apparatus, laser processing method, substrate for ink jet head, and manufacturing method of ink jet head
JP7382554B2 (ja) レーザ加工装置及びそれを用いたレーザ加工方法
CN111133639B (zh) 光纤激光装置和用于加工工件的方法
KR20130112112A (ko) 가변 펄스폭의 레이저를 생성하는 방법 및 고출력의 레이저를 생성하는 방법
JP6524992B2 (ja) レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
WO2016098174A1 (ja) レーザ照射装置
JP2004317861A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
KR20200094041A (ko) 레이저 최대출력증폭용 펄스형성장치 및 방법
JP2008016712A (ja) レーザ光学系およびレーザアニール装置
JP2006346692A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120321

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121113