JPH0963974A - 半導体基板中へのドーピング層の形成方法 - Google Patents
半導体基板中へのドーピング層の形成方法Info
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Abstract
を形成するなどの際に、半導体基板上の所定の領域をマ
スクする必要性を排除して作業工程の簡素化を図り、し
かも作業時間を著しく短縮化でき、さらには半導体基板
の横方向拡散が生じることのないようにする。 【解決手段】半導体基板に対して照射強度の強いレーザ
ー光を照射した直後に、所定の遅延時間をもってそれよ
り弱い照射強度のレーザー光を照射し、照射強度の強い
レーザー光と照射強度の弱いレーザー光との照射を1セ
ットとして、所定の時間間隔を開けて必要なドーピング
層の深さに応じて上記1セットを所定の回数繰り返すよ
うにした。
Description
ドーピング層の形成方法に関し、さらに詳細には、半導
体基板中へ比較的深いドーピング層を形成する際に用い
て好適な半導体基板中へのドーピング層の形成方法に関
する。
LSIや感度可変受光素子においては、電気的に素子
間を分離するために、ドーピング層によりウェル(we
ll:井戸)構造を形成する必要がある。
中にドーピング層として形成された、大きさ数十μm
角、深さ数μm、キャリア濃度1017cm-3程度のp型
領域(このp型領域を「pウェル」と称する。)、ある
いは、p型半導体基板中にドーピング層として形成され
た、大きさ数十μm角、深さ数μm、キャリア濃度10
17cm-3程度のn型領域(このn型領域を「nウェル」
と称する。)である。これらpウェルとnウェルとは、
構成する半導体デバイスの種類に応じて使い分けられる
ものである。
基板中に形成するためのドーピング層の形成方法として
は、半導体基板を不純物(ドナー)ガス中に配置して熱
処理を行い気相ドーピングによりウェル構造を形成した
り、あるいは半導体基板上に不純物を塗布して熱処理を
行い固相ドーピングによりウェル構造を形成したりする
熱拡散法や、不純物をイオン注入により半導体基板上に
打ち込んだ後に電気炉アニールなどの熱処理を行いウェ
ル構造を形成したりする方法などが行われていた。
た従来の半導体基板中へのドーピング層の形成方法にお
いては、いずれの方法を用いても、ウェル構造の領域を
数十μm角に限定するために、フォトリソグラフィ・プ
ロセス行って、SiO2などにより半導体基板上のウェ
ル構造とする領域以外をマスクする必要があった。
ーピング層の形成方法においては、半導体基板上のウェ
ル構造の領域以外をマスクする工程が必要となるため、
作業工程が煩雑化するという問題点があった。
層の形成方法において、ウェル構造として深さ数μm程
度の深いドーピング層を得るためには、半導体基板を長
時間(例えば、16時間〜17時間)高温で熱処理する
ことが必要となり、作業時間が長時間に及ぶという問題
点があるとともに、半導体基板を長時間高温で熱処理す
るために半導体基板の横方向拡散が生じるという問題点
もあった。
種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、半導体基板中へドーピング層としてウェ
ル構造を形成するなどの際に、半導体基板上の所定の領
域をマスクする必要性を排除して作業工程の簡素化を図
り、しかも作業時間を著しく短縮化でき、さらには半導
体基板の横方向拡散が生じることのないようにした半導
体基板中へのドーピング層の形成方法を提供しようとす
るものである。
に、本発明における半導体基板中へのドーピング層の形
成方法は、半導体基板へレーザー光をパルス状に照射す
ることにより、半導体基板へレーザー光が照射された際
における半導体基板表面の温度上昇に基づく急速溶融現
象と、半導体基板表面へのレーザー光の照射が停止され
た際における半導体基板表面の温度低下による再結晶化
現象とを利用して、半導体基板が急速溶融された際に不
純物を半導体に混入し、半導体基板が再結晶化される際
に混入された不純物を半導体中に閉じこめるようにし
て、半導体基板に対して深い(例えば、深さ数μm程
度)ドーピング層を高速で形成するようにしたものであ
る。
ー光照射領域の表面あれの発生を防ぐために、半導体基
板に対して照射強度の強いレーザー光を照射した直後
に、所定の遅延時間をもってそれより弱い照射強度のレ
ーザー光を照射し、こうした照射強度の強いレーザー光
と照射強度の弱いレーザー光との照射を1セットとし
て、半導体基板の経常的な温度上昇を防止し、急速冷却
現象を緩和するため所定の時間間隔を開けて半導体基板
の温度低下を図りながら、必要なドーピング層の深さに
応じて上記1セットを所定の回数繰り返すようにしたも
のである。
強度の弱いレーザー光との1セットのレーザー光の照射
による半導体基板への作用を検討すると、照射強度の強
いレーザー光により半導体基板表面が急速溶融されるこ
とになり、この急速溶融によって生じた半導体基板表面
におけるレーザー光照射領域の表面あれが、照射強度の
弱いレーザー光の照射によって新たな表面あれを生成す
ることなしに溶融され、半導体基板表面の平坦化が図ら
れるものである。
生じる急速冷却・再固化の過程で生じる熱歪みを、照射
強度の弱いレーザー光の照射によって緩和し、結晶性の
向上を図るものである。
際に、半導体基板を加熱しておくことにより、高速によ
り深いドーピング層を形成することができる。
板にレーザー光が照射された際においても、当該半導体
の沸点以下に保持されるようにすることが望ましい。
しては、種々のレーザーを用いることが可能であるが、
一般に、短波長かつ短パルス幅のレーザー光を用いた場
合には、上記1セットの照射によって得られるドーピン
グ層の深さは浅く、長波長かつ長パルス幅のレーザー光
を用いた場合には、上記1セットの照射によって得られ
るドーピング層の深さは深くなる傾向がある。
ば、得られるドーピング層の深さは深くなる。
明による半導体基板中へのドーピング層の形成方法の実
施の形態を説明するものとする。
ドーピング層の形成方法の一つの実施の形態を行うため
の装置の概略構成図が示されている。
を形成しようとする半導体基板たる試料である。試料1
0としては、n型ドーパント(ドナー)としてAsを予
めドーズ1×1015cm-2、加速電圧150keVでS
i基板にイオン注入したものを用いた。
おいてカーボン・サセプター14により支持されてい
る。
ており、バルブ14を介して種々のガスを吸気してチャ
ンバー12内に導入することができるようになされてい
るとともに、バルブ16を介してチャンバー12内のガ
スを排気することができるようになされていて、チャン
バー12内を真空状態にすることができる。また、チャ
ンバー12の上面は開口されていて、開口部にはシール
18を介して石英ガラス板20が載置されている。
を支持したカーボン・サセプター14の底面に対して光
を照射し、カーボン・サセプター14を介して試料10
を加熱するためのハロゲン・ランプ22が設けられてい
る。
0を介してチャンバー12内の試料10に照射するレー
ザー光のレーザー源としては、パルス発生器24により
照射する遅延時間を制御されたKrFエキシマ・レーザ
ー(KrF ExcimerLaser)26、28を
用いている。
パルス幅34ns、照射強度2.4J/cm2のレーザ
ー光を照射するように制御され、他方のKrFエキシマ
・レーザー28は、パルス幅23ns、照射強度0.5
J/cm2のレーザー光を照射するように制御されてい
る。
8から出射されたレーザー光は、シリンドリカル・レン
ズ30、32を介して全反射鏡34、36により反射さ
れ、レンズ38、40により集光されて、石英ガラス板
20を介してチャンバー12内の試料10に照射される
ようになされている。
8から出射されたレーザー光の光路上にはシャッター4
2が設けられていて、KrFエキシマ・レーザー26か
ら出射されたレーザー光とKrFエキシマ・レーザー2
8から出射されたレーザー光とを選択的に試料10へ照
射できるように構成されている。
射されるレーザー光は、紫外域の短波長、短パルスのレ
ーザー光であるので、物質への吸収係数が大きく、熱作
用時間が短いため、半導体基板中におよそ100nm以
下のごく浅いドーピング層を形成する際への応用が期待
されている。即ち、半導体デバイスで必要とされるドー
ピング層は、ウェル構造を除いてはおよそ100nm以
下のごく浅いドーピング層でよいため、ウェル構造を除
くおよそ100nm以下のごく浅いドーピング層を形成
するための半導体デバイスの製造技術として、エキシマ
・レーザーの利用が期待されている。
ザーを用いてより深いドーピング層を形成するために
は、レーザー光照射による半導体基板上の溶融深さを増
加するために、レーザー光の照射強度を大きくしなけれ
ばならない。
光の照射強度を大きくすると、それによって半導体基板
の表面温度が上昇しすぎ、多大な欠陥や表面あれが発生
してしまうため、せいぜい500nm程度の深さのドー
ピング層しか実現できなかった。
導体基板を加熱し、半導体基板の表面温度の温度勾配を
なだらかにすることを試みた。
射中の半導体基板の表面温度が室温(R.T.)である
場合には、ドーピング層の深さはたかだか350nm程
度であるが、半導体基板へのレーザー光照射中に当該半
導体基板を加熱すると、ドーピング層の深さをより深く
することができた。
レーザー光照射中に当該半導体基板を500゜Cに加熱
すると、650nm程度の深さのドーピング層を形成す
ることができ、半導体基板へのレーザー光照射中に当該
半導体基板を700゜Cに加熱すると、容易に1μm以
上の深さのドーピング層を形成することができた。
光照射条件は、図3(a)に示すように、1パルス当た
りのレーザー光照射強度2.4J/cm2、パルス数2
0パルス、レーザー・パルスの繰り返し周波数1Hzで
ある。従って、処理時間は20秒となり、非常に短時間
である。
ス幅、照射強度のレーザー光を照射する方法を、本明細
書においては、「シングル・パルス照射法」と称す。
と同様に、n型ドーパント(ドナー)としてAsを予め
ドーズ1×1015cm-2、加速電圧150keVでSi
基板にイオン注入したものを用いた。
スを用いることができるのは勿論であり、ドーパント源
としてガスを用いた場合には、ガス雰囲気中でレーザー
光を照射するようにし、ドーパント源として固体を用い
た場合には、半導体基板上に固体ドーパント源を堆積あ
るいは塗布したものにレーザー光を照射するようにすれ
ばよい。
導体基板を加熱することにより、室温でレーザー光を照
射するよりも、より深いドーピング層を容易に形成する
ことができ、結晶性および表面状態も大幅に改善される
という実験結果を得たが、レーザー光照射中に半導体基
板を加熱してより深いドーピング層を得た場合の表面状
態を示す図4から判るように、まだ若干の表面あれが残
っていた。
熱してより深いドーピング層を得た場合の結晶性も、チ
ャネリング・ラザフォード後方散乱法(C−RBS)の
Χmi nによって評価した結果6.55%程度であり、半
導体デバイスへの応用には十分な値とはいえなかった。
ル・パルス照射法を改良し、図1に示すような装置を用
いて、半導体基板に対して照射強度の強いレーザー光を
照射した直後に、それより弱い照射強度のレーザー光を
照射し、こうした照射強度の強いレーザー光と照射強度
の弱いレーザー光との照射を1セットとして、半導体基
板の経常的な温度上昇を防止するため所定の時間間隔を
開けて半導体基板の温度低下を図りながら、必要なドー
ピング層の深さに応じて上記1セットを所定の回数繰り
返す、本発明による半導体基板中へのドーピング層の形
成方法を開発したものである。
半導体基板中へのドーピング層の形成方法を、本明細書
においては、「ダブル・パルス照射法」と称し、照射強
度の強いレーザー光を「第1パルス」と称し、照射強度
の弱いレーザー光を「第2パルス」と称す。
射法を行うには、具体的にはKrFエキシマ・レーザー
26から出射されるパルス幅34ns、照射強度2.4
J/cm2のレーザー光(第1パルス)を試料10に照
射し、パルス発生器24によって信号を与えることによ
り30ns〜640nsの遅延時間の後に、KrFエキ
シマ・レーザー28から出射されるパルス幅23ns、
照射強度0.5J/cm2のレーザー光を試料10に照
射する。この工程を1セットとして、繰り返し周期1H
zで20回(20セット)繰り返す(図3(b)参
照)。
は、図5示すように、大幅に改善された。なお、半導体
基板の表面状態は、上記1セットにおいて、第1パルス
が照射されてから第2パルスが照射されるまでの遅延時
間に影響されず、30ns〜640nsのいずれの遅延
時間においても、ほぼ同様な形状が得られた。
のダブル・パルス照射法においては、実質的に上記した
シングル・パルス照射法と同様に、パルス幅34ns、
照射強度2.4J/cm2のレーザー光を試料10に対
して繰り返し周期1Hzで20パルス照射することにな
るので、図2に示すと同様に、ハロゲン・ランプ22に
より加熱される試料10の温度に応じて1μm以上の深
さを達成できる。
minの遅延時間依存性が示されている。このように、3
0ns〜640nsの遅延時間をおいた第1パルスと第
2パルスとの連続照射により、Χminは改善されるが、
特に、遅延時間150nsにおいて大きい改善が得ら
れ、4.60%というほぼ満足できる値が得られた。
って、表面形態および結晶性のすぐれた1μm以上の深
いドーピング層を高速に短時間で形成することができる
ようになる。
KrFエキシマ・レーザーの他に種々のレーザーを用い
ることが可能であるが、いずれにしてもレーザー光を用
いるので集光性に優れ、照射領域のみをドーピング層と
して形成できるので、フォトリソグラフィプロセスによ
り半導体基板表面にマスクをすることなく、所望のパタ
ーンにドーピング層を形成することができる。
かつ短パルス幅のレーザーを用いた場合には、半導体基
板に浅いドーピング層を形成することは容易であるの
で、ダブル・パルス照射法においても上記したようにエ
キシマ・レーザーを用いると、一貫プロセスで同一基板
内に深いドーピング層と浅いドーピング層とを形成で
き、CMOS LSIや感度可変受光素子などの半導体
デバイスを製造することができるようになる。
1パルスの照射強度を強く、第2パルスの照射強度を弱
くするが、第2パルスの照射強度は第1パルスの照射強
度の約数分の1程度が望ましい。
板の温度が沸点を超えると基板表面があれるので、第1
パルスならびに第2パルスの照射によって、半導体基板
の温度が沸点を超えないようにすることが望ましい。
に限られるものではないが、1セット中の第1パルスお
よび第2パルスの照射によって上昇した半導体基板の温
度が、元の温度に戻る程度の時間間隔を開けることが望
ましい。
導体基板を加熱したが、加熱しなくてもよいことは勿論
である。
も、ドーパント源としてガスや固体ソースを用いること
ができるのは勿論であり、ドーパント源としてガスを用
いた場合には、半導体基板をガス雰囲気中においてダブ
ル・パルス照射法を行えばよく、ドーパント源として固
体を用いた場合には、半導体基板上に固体ドーパント源
を堆積または塗布したものに対してダブル・パルス照射
法を行えばよいものであって、半導体基板への不純物の
導入は適宜の方法を用いることができる。
第1パルスと第2パルスとを生成するためのレーザーを
それぞれ設けたが、これに限られることなしに、単一の
レーザーを制御して、第1パルスと第2パルスとを生成
するようにしてもよいことは勿論である。
ているので、半導体基板中へドーピング層としてウェル
構造を形成するなどの際に、半導体基板上の所定の領域
をマスクする必要がないので作業工程の簡素化を図るこ
とができ、しかも作業時間を著しく短縮化することがで
き、さらには半導体基板の横方向拡散が生じることはな
いという優れた効果を奏する。
形成方法の一つの実施の形態を行うための装置の概略構
成図である。
深さの半導体基板温度依存性を示すグラフである。
あり、(a)はシングル・パルス照射法の場合を示し、
(b)はダブル・パルス照射法の場合を示している。
基板の表面あれの状態を示す拡大図である。
板の表面あれの状態を示す拡大図である。
指標であるΧminの遅延時間依存性を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体基板へレーザー光をパルス状に照
射することにより、前記半導体基板へ前記レーザー光が
照射された際における前記半導体基板表面の温度上昇に
基づく急速溶融現象と、前記半導体基板表面への前記レ
ーザー光の照射が停止された際における前記半導体基板
表面の温度低下による再結晶化現象とを利用して、前記
半導体基板が急速溶融された際に不純物を前記半導体に
混入し、前記半導体基板が再結晶化される際に混入され
た前記不純物を前記半導体中に閉じこめるようにして、
前記半導体基板に対してドーピング層を形成する半導体
基板中へのドーピング層の形成方法において、 半導体基板に対して照射強度の強いレーザー光を照射し
た直後に、所定の遅延時間をもってそれより弱い照射強
度のレーザー光を照射し、前記照射強度の強いレーザー
光と前記照射強度の弱いレーザー光との照射を1セット
として、所定の時間間隔を開けて必要なドーピング層の
深さに応じて前記1セットを所定の回数繰り返すことを
特徴とする半導体基板中へのドーピング層の形成方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体基板中へのドーピ
ング層の形成方法において、 前記1セットのレーザー光の中で、前記照射強度の強い
レーザー光により前記半導体基板表面を急速溶融し、前
記急速溶融によって生じた前記半導体基板表面における
レーザー光照射領域の表面あれを、前記照射強度の弱い
レーザー光の照射によって新たな表面あれを生成するこ
となしに溶融して、前記半導体基板表面の平坦化および
結晶性の向上を図ることを特徴とする半導体基板中への
ドーピング層の形成方法。 - 【請求項3】 請求項1または2のいずれか1項に記載
の半導体基板中へのドーピング層の形成方法において、 前記1セットのレーザー光の照射を行う際に、前記半導
体基板を所定の温度に加熱しておくことを特徴とする半
導体基板中へのドーピング層の形成方法。
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JP23618595A JP3669384B2 (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | 半導体基板中へのドーピング層の形成方法 |
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