JP2011243836A - レーザアニール方法及びレーザアニール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高品質のレーザアニールを行う。
【解決手段】 (a)第1の表面の表層部に少なくとも一種類の不純物が添加され、添加された不純物のデプスプロファイルが把握された半導体基板を準備する。(b)把握された不純物のデプスプロファイルに基づき、不純物が添加されている、第1の表面から最も深い位置を決定し、該位置に添加されている不純物を活性化させうる目標温度を決定する。(c)不純物の濃度がピークとなる位置のうち、第1の表面から最も浅いピーク位置の深さよりも浅い範囲で半導体基板を溶融させ、かつ、不純物が添加されている、第1の表面から最も深い位置を、目標温度以上の温度とする条件で、半導体基板の第1の表面にレーザビームを照射する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、半導体基板に添加された不純物を活性化させるレーザアニール方法及びレーザアニール装置に関する。
パルスレーザビームを照射して、半導体基板に添加された不純物(ドーパント)を活性化させるレーザアニール技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、連続発振するレーザビームを用いたレーザアニールも行われている(たとえば、特許文献2参照)。
近年、パワーデバイスの製造において、半導体基板裏面に添加された不純物の活性化に、レーザビームを用いる方法が注目されている。
パワーデバイス、たとえば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor; IGBT)の製造においては、まず、シリコン基板の表側の表面に、エミッタ、ゲート等の構造を形成し、保護シートを貼り付けた後、裏面を削って基板を薄くし、裏面に不純物を注入する。シリコン基板の裏面には、フィールドストップ層となるn型不純物、たとえばリン(P)やヒ素(As)、さらにコレクタ層となるp型不純物、たとえばホウ素(B)が注入される。その後、シリコン基板の裏面にレーザビームを照射することにより、裏側から注入した不純物を活性化する。
IGBT製造において求められるシリコン基板の厚さは薄く、たとえば100μm未満の厚さが要求される場合も生じるようになった。表側表面の構造や、貼付した保護シートへの影響を小さくして、裏面に注入された不純物を活性化させるため、レーザアニールにおいては、表側表面を比較的低温に維持し、裏面をシリコンの融点前後に加熱する必要がある。
パルスレーザビームを照射して行うレーザアニールでは、極めて短い時間、たとえば最長でも1μsの期間にレーザパルスが基板に入射するため、基板の表側表面を比較的低温に保ったまま、裏側の最表面をシリコンの融点前後まで加熱することが可能である。しかしながらレーザパルスの入射時間の短さゆえ、基板厚さ(深さ)方向の温度差が大きく、裏側最表面が融点を超える温度になっていても、たとえば裏側最表面から2μm〜5μm深さでは、十分高温にはならず、この深さの不純物の活性化が不十分となる場合があった。
一方、連続発振するレーザビームを用いたレーザアニールにおいては、ビームのスキャン速度を速くして加熱時間を短くすることができる。しかしたとえば、幅100μmの矩形状ビームを幅方向に1m/sの速さでスキャンしたときの加熱時間は100μsであり、パルスレーザビームを使用した場合と比較すると2桁以上長くなる。このためシリコン基板の表側と裏側とで温度差が小さくなり、不純物活性化のために、裏面(ビーム照射面)温度をシリコンの融点付近まで上昇させるようにレーザビームを照射すると、表側表面(ビーム非照射面)の温度も高くなるという問題があった。
連続波電磁放射を放出するソースを用いた熱処理装置が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3記載の熱処理装置は、たとえばランプアニールより短時間の加熱を可能にするが、パワー密度が60kW/cm程度、加熱時間は100μs以上である。このため、熱拡散により処理基板全体の温度が上昇しやすく、パワーデバイスが製造される厚さ100μm程度の基板に対し、非照射面を比較的低温に保ったまま、照射面のみをシリコンの融点近くまで加熱することは困難である。
IGBTの製造工程において、波長690nm〜900nm、照射時間10μs〜100μs、パワー密度250kW/cm〜750kW/cmのパルスレーザビームを照射することにより、フィールドストップ層及びコレクタ層の不純物を活性化する発明が開示されている(たとえば、特許文献4参照)。しかし、この方法では非照射面(照射面から100μm深さ)の温度が300℃を超える場合があることが記されている。
連続発振するレーザビームを変調器を用いてパルス化し、1μs〜999μsの期間照射して行うレーザアニール方法の発明が公知である(たとえば、特許文献5参照)。変調器としては、音響光学素子、電気光学素子、磁気光学素子、または機械式高速シャッタが用いられる。しかしこれらの変調器を通したレーザビームは安定性に劣り、均一なアニールを行うには好適とはいえない。
特開2006−156784号公報 特開昭62−160781号公報 特表2006−501636号公報 特開2006−351659号公報 特開2008−251839号公報
本発明の目的は、高品質のレーザアニールが可能なレーザアニール方法及びレーザアニール装置を提供することである。
本発明の一観点によると、(a)第1の表面の表層部に少なくとも一種類の不純物が添加され、添加された前記不純物のデプスプロファイルが把握された半導体基板を準備する工程と、(b)把握された前記不純物のデプスプロファイルに基づき、前記不純物が添加されている、前記第1の表面から最も深い位置を決定し、該位置に添加されている前記不純物を活性化させうる目標温度を決定する工程と、(c)前記不純物の濃度がピークとなる位置のうち、前記第1の表面から最も浅いピーク位置の深さよりも浅い範囲で前記半導体基板を溶融させ、かつ、前記不純物が添加されている、前記第1の表面から最も深い位置を、前記目標温度以上の温度とする条件で、前記半導体基板の前記第1の表面にレーザビームを照射する工程とを有するレーザアニール方法が提供される。
本発明の他の観点によると、駆動用電源をスイッチングすることで、パルス幅が5μs以上10μs未満のパルスレーザビームを出射する半導体レーザと、半導体基板を保持するステージと、前記半導体レーザを出射したパルスレーザビームを前記ステージに伝搬する光学系とを有し、前記半導体レーザ及び前記光学系は、前記ステージに保持された半導体基板の表面に、パルスレーザビームを、4J/cm以上6J/cm未満のパルスエネルギ密度で入射させるレーザアニール装置が提供される。
本発明によれば、高品質のレーザアニールが可能なレーザアニール方法及びレーザアニール装置を提供することができる。
レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度とレーザ照射面(基板裏側最表面)の最高到達温度との関係を示すグラフである。 レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度と基板温度(非照射面である基板の表側表面温度)との関係を示すグラフである。 レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度と3μm深さの最高到達温度との関係を示すグラフである。 レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度とレーザ照射面からの溶融深さとの関係を示すグラフである。 (A)及び(B)は、実施例によるレーザアニール装置を示す概略図である。 実施例によるレーザアニール方法を示すフローチャートである。 シリコン基板50の不純物デプスプロファイルを示すグラフである。 (A)及び(B)は、レーザビーム照射条件を詳細に決定するために行ったシミュレーション結果を示すグラフである。
本願発明者は、シリコン基板の表側表面を比較的低温に維持しつつ、たとえば裏面(レーザビーム照射面)からのシリコン溶融深さを0.1μm以下とし、更に、たとえば裏面から3μm以上の深さに添加(注入)された不純物を十分活性化させることが可能な、安定的アニール条件をシミュレーションにより求めた。シミュレーションは、厚さ100μmのシリコン基板にレーザパルスを1ショット入射させる条件で行った。
図1は、レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度とレーザ照射面(基板裏側最表面)の最高到達温度との関係を示すグラフである。グラフの横軸は、パルスエネルギ密度を単位「mJ/cm」で表し、グラフの縦軸は、レーザ照射面の最高到達温度を単位「K」で表す。曲線a〜fは、それぞれレーザパルスのパルス幅が、3μs、5μs、7μs、10μs、15μs、20μsであるときの両者の関係を示す。
いずれのパルス幅においても、パルスエネルギ密度が増加するとレーザ照射面の温度は上昇するが、照射面温度がシリコンの融点(1683K)に達すると、融解潜熱のため温度が変化しない領域(パルスエネルギ密度の範囲)が現れる。この温度変化しないパルス幅、パルスエネルギ密度でレーザビームを照射することで、活性化のばらつきの少ない、安定したレーザアニールを行うことが可能となる。
図2は、レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度と基板温度(非照射面である基板の表側表面温度)との関係を示すグラフである。グラフの横軸は、パルスエネルギ密度を単位「mJ/cm」で表し、グラフの縦軸は、基板(非照射面)の最高到達温度を単位「K」で表す。曲線a〜fは、それぞれレーザパルスのパルス幅が、3μs、5μs、7μs、10μs、15μs、20μsであるときの両者の関係を示す。
本図を図1とともに参照すると、基板(非照射面)温度は、照射面(基板裏面)が溶融するパルスエネルギ密度まではリニアに上昇し、それを超えるパルスエネルギ密度の範囲においては、頭打ちとなることがわかる。これは照射面でシリコンの溶融が起こると、照射面におけるレーザビームの反射率が増大し、入熱が減少するためである。
また本図から、パルス幅が長いほど基板(非照射面)温度が高くなることがわかる。これはパルス幅が長いほど照射面溶融の起こるパルスエネルギ密度が大きい(照射面が溶融しにくい)ため、溶融するまでの入熱が大きくなる結果である。
基板(非照射面)を低温に保つ観点からは、パルス幅は短いほどよいことがわかる。しかし後述するように、パルス幅が短いと照射面からの溶融深さが深くなるため、短すぎるのも問題である。
図3は、レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度と3μm深さの最高到達温度との関係を示すグラフである。グラフの横軸は、パルスエネルギ密度を単位「mJ/cm」で表し、グラフの縦軸は、レーザ照射面からの深さが3μmの位置の最高到達温度を単位「K」で表す。曲線a〜fは、それぞれレーザパルスのパルス幅が、3μs、5μs、7μs、10μs、15μs、20μsであるときの両者の関係を示す。
本図を図1とともに参照すると、レーザ照射面(基板裏側最表面)の温度が、融解潜熱のために変化しないパルスエネルギ密度の範囲においては、深さが3μmの位置でも、パルスエネルギ密度の変化に対して、最高到達温度の変化が緩やかであることがわかる。
また本図を参照すると、深さ3μmの位置で十分に不純物を活性化できる温度、たとえば1000℃を確保するために、パルス幅5μsのレーザパルスでは4J/cm以上のパルスエネルギ密度が必要であることがわかる。レーザパルスのパルスエネルギ密度を4J/cm以上とすることで、レーザ照射面からの深さが3μm以上の位置、少なくとも深さ3μmの位置で十分に不純物を活性化させることができる。一方、パルス幅が5μs未満、たとえば3μsの場合には、3μm深さの温度が1000℃に達するのは、6J/cm以上のエネルギ密度となり、後述するように溶融深さが深くなってしまい好ましくない。
図4は、レーザパルスのパルス幅を変化させた場合の、パルスエネルギ密度とレーザ照射面からの溶融深さとの関係を示すグラフである。グラフの横軸は、パルスエネルギ密度を単位「mJ/cm」で表し、グラフの縦軸は、照射面からのシリコン溶融深さを単位「μm」で表す。曲線a〜fは、それぞれレーザパルスのパルス幅が、3μs、5μs、7μs、10μs、15μs、20μsであるときの両者の関係を示す。
パルス幅が5μs以上であるとき、6J/cm未満のパルスエネルギ密度であれば、溶融深さを0.1μm以下とすることができることがわかる。シリコンが溶融すると、溶融位置に添加されていた不純物の拡散が激しくなるため、レーザアニールにおいて、溶融深さが深すぎるのは好ましくない。
図3を参照して導出した結果ともあわせ、レーザパルスのパルスエネルギ密度は、4J/cm以上6J/cm未満であることが望ましい。
更に、図1によれば、レーザパルスのパルス幅が15μs以上の場合、6J/cm未満のパルスエネルギ密度では、照射面が融点に到達しておらず、パルスエネルギ密度の増加量に対する温度の変化量が大きく、パルスエネルギの変動により活性化対象領域の温度が大きく変化してしまうことがわかる。したがって、15μs以上のパルス幅は安定的な不純物活性化には適さない。また図3によれば、パルス幅が10μs以上15μs未満のとき、融解潜熱のため温度が変化しない領域は、6J/cm未満のパルスエネルギ密度範囲においては、十分広いとはいえない。
以上より、安定したレーザアニールを実施するためには、レーザパルスのパルス幅を十分なマージンを確保できる5μs以上10μs未満とすることが好ましい。このパルス幅の条件で、照射面温度が融点に達する範囲でアニールを行うことにより、照射面の温度が安定し、レーザビームのエネルギの変動の影響を受けにくいレーザアニールが可能となる。
図5(A)及び(B)は、実施例によるレーザアニール装置を示す概略図である。図5(A)を参照する。実施例によるレーザアニール装置は、たとえば波長808nmのパルスレーザビーム10aを出射する半導体レーザ10、アニール対象物である半導体基板(シリコン基板50)を2次元方向(X軸方向及びY軸方向)に移動可能に保持するXYステージ40、及び半導体レーザ10を出射したパルスレーザビーム10aをXYステージ40に保持されたシリコン基板50に伝搬する光学系20を含んで構成される。
半導体レーザ10は、たとえば高出力の得られるスタック型の半導体レーザであり、駆動用電源を高速にオンオフすることで、パルス状にレーザビーム10aを出射する。パルスレーザビーム10aのパルス幅は、たとえば5μs以上10μs未満である。パルスレーザビーム10aは、光透過率の高い光学系20を経由して、XYステージ40上に載置されたシリコン基板50に入射する。XYステージ40はチャンバ30内に配置されている。パルスレーザビーム10aは、チャンバ30に設けられたウインド30aを透過して、シリコン基板50に照射される。パルスレーザビーム10aは、たとえば長さ方向(長軸方向)3mm、幅方向(短軸方向)0.2mmの矩形状の入射領域を形成して、シリコン基板50に入射する。シリコン基板50のレーザ照射面上におけるパルスレーザビーム10aのパルスエネルギ密度は、たとえば4J/cm以上6J/cm未満である。
XYステージ40を駆動し、矩形状ビームの短軸方向、たとえばX方向にシリコン基板50を移動させながら、ビーム幅の50%(0.1mm)をオーバーラップさせて照射を繰り返し、シリコン基板50の端部まで照射したところで、長軸方向、たとえばY方向に50%オーバーラップさせるように、1.5mmだけシリコン基板50を移動させる。そして次にX負方向にシリコン基板50を移動させながら、50%のオーバーラップ率でレーザ照射を行い、シリコン基板50の他方の端部に達したところで、シリコン基板50をY方向に1.5mm移動させる。このステージ動作を繰り返してシリコン基板50の裏側表面全体にパルスレーザビーム10aを照射する。
シリコン基板50の厚さは、たとえば100μmである。シリコン基板50の表側の表層部には、IGBTのエミッタ領域及びゲート領域が画定されている。また裏側の表層部には、p型不純物、たとえばホウ素(B)の注入によるコレクタ領域、及び、n型不純物、たとえばリン(P)の注入によるフィールドストップ領域が画定されている。フィールドストップ領域は、リン(P)をたとえば2000keVのエネルギ、1E+13ions/cmのドーズ量でイオン注入することで形成される。コレクタ領域は、その後、ホウ素(B)をたとえば40keVのエネルギ、1E+14ions/cmのドーズ量でイオン注入することで形成することができる。
シリコン基板50の裏側表面へのパルスレーザビーム10aの照射により、コレクタ領域に注入された不純物(B)、及び、フィールドストップ領域に注入された不純物(P)の活性化アニールが行われる。
図5(B)に光学系20の詳細を示す。光学系20は、レンズアレイ20a、20b、及びレンズ20cを含む。レンズアレイ20a、20bは、それぞれ矩形状ビームの長軸方向、短軸方向について、ビーム断面を整形するとともに、ビーム断面内の光強度分布を均一に近づける。レンズ20cは、矩形状ビームをシリコン基板50上に集光する。
実施例によるレーザアニール装置は、高出力の得られるスタック型の半導体レーザ、及び光透過率の高い光学系を用いることにより、十分なパワー密度を得ることのできるレーザアニール装置である。また、半導体レーザの駆動用電源を高速にスイッチングすることにより、特殊な変調器を用いることなく、安定したアニール処理を可能とするレーザアニール装置である。
図6は、実施例によるレーザアニール方法を示すフローチャートである。実施例によるレーザアニール方法においては、まずステップS101において、たとえば裏面の表層部に、少なくとも一種類の不純物が添加され、そのデプスプロファイルが把握された半導体基板を準備する。
図7は、シリコン基板50の不純物デプスプロファイルを示すグラフである。グラフの横軸は、シリコン基板50の裏面最表面からの深さを、リニアな目盛りにより単位「μm」で表す。グラフの縦軸は、添加された不純物の濃度を、対数目盛りにより単位「atoms/cc」で表す。
ホウ素(B)の濃度がピークとなる位置は、裏面最表面から0.3μmの深さであることがわかる。また、リン(P)の濃度がピークとなる位置は、裏面最表面から1.8μmの深さであることもわかる。更に、リン(P)の注入深さのテールは、裏面最表面から3μmに及ぶ。
シリコン基板50の不純物プロファイルは、測定やシミュレーションによって把握することができる。
再び、図6を参照する。実施例によるレーザアニール方法においては、次にステップS102において、把握された不純物デプスプロファイルに基づき、不純物が添加されている最深の位置(深さ)を決定し、その位置(深さ)に添加されている不純物を活性化させうる目標温度を決定する。
たとえば図7に示す不純物デプスプロファイルに基づき、不純物が添加されている最深の位置はシリコン基板50の裏面(レーザ照射面)から3μmの深さであると決定する。そしてその位置に添加されている不純物(リン)を活性化させうる目標温度を、たとえば1000℃と決定する。
ステップS103においては、たとえば不純物濃度がピークとなる位置(深さ)のうち、最も浅いピーク位置まで半導体基板を溶融させ、かつ、不純物が添加されている最深の位置(深さ)を目標温度以上の温度、たとえば目標温度とする条件で、半導体基板裏面にパルスレーザビームを照射する。なお、溶融させる深さは、最も浅い不純物ピークの位置より浅ければよく、必ずしもピーク位置まで溶融させなくともかまわない。ここで、不純物が添加されている最深の位置(深さ)及び目標温度は、ステップS102で決定されたそれらである。
図7を参照して説明したように、ホウ素(B)の濃度がピークとなる位置は、裏面最表面から0.3μmの深さである。また、リン(P)の濃度がピークとなる位置は、裏面最表面から1.8μmの深さである。したがって、パルスレーザビーム10aの照射条件は、まず、不純物濃度がピークとなる位置(深さ)のうち、最も浅いピーク位置である0.3μmよりも浅い、たとえば0.1μmまでシリコン基板50を溶融させる条件とする。更に、不純物が添加されている最深の位置である3μm深さを目標温度である1000℃以上にする条件とする。この結果、パルスレーザビーム10aは、たとえばパルス幅5μs以上10μs未満、パルスエネルギ密度4J/cm以上6J/cm未満でシリコン基板50に照射される。
レーザビーム照射条件の詳細な決定は、たとえば以下のように行う。
図8(A)及び(B)は、レーザビーム照射条件を詳細に決定するために行ったシミュレーション結果を示すグラフである。シミュレーションは、厚さ100μmのシリコン基板にレーザパルスを1ショット入射させる条件で行った。なお、基板の端部では断熱されるとしてシミュレートした。
図8(A)は、リン(P)の活性化が十分に行われるために、リン(P)の注入領域(最深の位置)である深さ3μmの温度が、最高到達温度で1000℃以上となる条件での、パルスレーザビーム10aのパルス幅と、照射面におけるパワー密度、及びレーザ照射面の温度との関係を表す。グラフの横軸は、パルスレーザビーム10aのパルス幅を単位「μs」で表示する。グラフの縦軸は、パワー密度と照射面温度とを、それぞれ単位「kW/cm」、「K」で表示する。
図8(B)は、3μm深さの温度が、最高到達温度で1000℃以上となる条件での、パルスレーザビーム10aのパルス幅と、100μm深さ(非照射面)の温度、及びレーザ照射面からのシリコン溶融深さとの関係を表す。グラフの横軸は、パルスレーザビーム10aのパルス幅を単位「μs」で表示する。グラフの縦軸は、100μm深さ(非照射面)の温度とシリコン溶融深さとを、それぞれ単位「K」、「μm」で表示する。
図8(A)、(B)両図から、5μs未満のパルス幅のレーザビームで、3μm深さの不純物注入領域を、活性化が十分に行われる温度まで加熱すると、照射面の温度が高くなり、シリコンの溶融深さが深くなることがわかる。また、図8(A)から、加熱に必要なパワー密度が高くなることも認められる。このため、パルスレーザビーム10aのパルス幅を5μs未満とするのは好ましくない。
一方、図8(B)から、10μs以上のパルス幅のレーザビームを用いた場合、100μm深さ(非照射面)の温度が高くなることがわかる。このため、パルスレーザビーム10aのパルス幅を10μs以上とするのも好ましくない。
安定した、ばらつきの少ない活性化が可能な、レーザ照射面温度変化の小さい領域でアニールするためには、パルスレーザビーム10aのパルス幅を5μs以上10μs未満、たとえば7μsとすることが好ましい。図8(B)より、パルス幅が5μs以上10μs未満の範囲においては、シリコン基板の溶融深さはレーザ照射面から0μmより大きく0.16μm以下、パルス幅が7μsのときには0.05μmとなる。したがって、パルスレーザビーム10aのパルス幅を5μs以上10μs未満とすれば、シリコン基板50は、不純物濃度がピークとなる位置(深さ)のうち、最も浅いピーク位置である0.3μm深さより深くは溶融しない。
パルスレーザビーム10aのパルス幅が7μsのとき、図8(A)のグラフから、要求されるパワー密度は650kW/cm(パルスエネルギ密度は4.55J/cm)である。そこで活性化アニールのためのレーザビーム照射条件を、パルス幅7μs、パワー密度650kW/cm(パルスエネルギ密度4.55J/cm)に決定し、決定された照射条件でシリコン基板50の裏面にパルスレーザビーム10aを照射して、レーザアニールを行う。
実施例によるレーザアニール方法によれば、半導体基板の溶融深さを、不純物濃度がピークとなる位置(深さ)のうち、最も浅いピーク位置よりも浅くするため、不純物プロファイルを大きく変化させることなく、添加された不純物、実施例においてはリン(P)とホウ素(B)とを活性化させることができる。また、添加された不純物のほぼすべてを活性化させることができる。更に、均一なアニールを行うことができる。たとえば基板面内のシート抵抗は、σで1%以下を確保することが可能である。このように高品質のレーザアニールを実現することができる。
なお、図8(A)及び(B)に結果を示したシミュレーションは、たとえばシリコン基板50からXYステージ40への熱移動がない断熱条件で行われているため、レーザ非照射面の温度は、たとえばパルス幅7μsのとき200℃程度と高くなっているが、実際の基板温度は、投入される熱量とXYステージ40等へ逃げる熱量とのバランスで決定される。基板温度の上昇を防ぐには、XYステージ40の基板保持部(チャック)は、冷却または温度調整されることが望ましい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
たとえば、実施例においては、リン(P)とホウ素(B)が添加されているシリコン基板をアニール対象物としたが、添加されるn型不純物、p型不純物はこれに限られない。また、たとえばリン(P)だけが注入された基板など、一方の導電型の不純物が添加された半導体基板をアニール対象とすることもできる。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
レーザアニール一般、たとえばパワーデバイス製造工程における半導体基板のレーザアニール、特にIGBTのコレクタ側のフィールドストップ層の活性化アニールに利用することができる。
10 半導体レーザ
10a パルスレーザビーム
20 光学系
20a、20b レンズアレイ
20c レンズ
30 チャンバ
30a ウインド
40 XYステージ
50 シリコン基板

Claims (5)

  1. (a)第1の表面の表層部に少なくとも一種類の不純物が添加され、添加された前記不純物のデプスプロファイルが把握された半導体基板を準備する工程と、
    (b)把握された前記不純物のデプスプロファイルに基づき、前記不純物が添加されている、前記第1の表面から最も深い位置を決定し、該位置に添加されている前記不純物を活性化させうる目標温度を決定する工程と、
    (c)前記不純物の濃度がピークとなる位置のうち、前記第1の表面から最も浅いピーク位置の深さよりも浅い範囲で前記半導体基板を溶融させ、かつ、前記不純物が添加されている、前記第1の表面から最も深い位置を、前記目標温度以上の温度とする条件で、前記半導体基板の前記第1の表面にレーザビームを照射する工程と
    を有するレーザアニール方法。
  2. 前記工程(c)において、前記半導体基板の前記第1の表面に、パルス幅が5μs以上10μs未満のパルスレーザビームを、4J/cm以上6J/cm未満のパルスエネルギ密度で照射する請求項1に記載のレーザアニール方法。
  3. 前記半導体基板の前記第1の表面とは反対側の第2の表面の表層部に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのエミッタ領域が画定されており、前記第1の表面の表層部に、第1の不純物が注入されたコレクタ領域、及び、第2の不純物が注入されたフィールドストップ領域が画定されており、
    前記工程(c)において、前記コレクタ領域に注入された前記第1の不純物、及び前記フィールドストップ領域に注入された前記第2の不純物を活性化させる請求項1または2に記載のレーザアニール方法。
  4. 前記工程(b)において、前記不純物が添加されている、前記第1の表面から最も深い位置が3μmと決定される請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザアニール方法。
  5. 駆動用電源をスイッチングすることで、パルス幅が5μs以上10μs未満のパルスレーザビームを出射する半導体レーザと、
    半導体基板を保持するステージと、
    前記半導体レーザを出射したパルスレーザビームを前記ステージに伝搬する光学系と
    を有し、
    前記半導体レーザ及び前記光学系は、前記ステージに保持された半導体基板の表面に、パルスレーザビームを、4J/cm以上6J/cm未満のパルスエネルギ密度で入射させるレーザアニール装置。
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