JP2009048991A - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 - Google Patents

導電性微粒子、異方性導電材料、及び、接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】過酷な使用条件においても信頼性の高い電気接続が可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供する。
【解決手段】基材微粒子と、めっき層とから構成されており、前記基材微粒子の表面に形成されためっき層の最表層が銅層である導電性微粒子であって、前記導電性微粒子に含有する塩素イオンの含有量が50μg/g以下であり、かつ、前記銅層の最表面が変色防止剤で表面処理されている導電性微粒子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、過酷な使用条件においても信頼性の高い電気接続が可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体に関する。
導電性微粒子は、例えば、異方導電性フィルム、異方導電シート(ACF)、導電性ペースト、導電性接着剤、導電性粘着材等の異方性導電材料の主要構成材料として広く用いられている。異方性導電材料は、絶縁性の接着樹脂に導電性微粒子を分散させた上で電極接続材料として使用されている。
例えば、異方性導電材料は基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接着したりするために、基板や電子部品の電極端子の間に挟み込んで使用する。特に、異方性導電材料は液晶表示ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の配線間隔が狭い電子機器において広く用いられている。
現在市販されている導電性微粒子は、表面に金めっきが施された導電性微粒子が主流である。金めっきされた導電性微粒子は、接続抵抗が低く、金めっきは酸化される恐れがないため電気抵抗が高まることがない。
しかしながら、近年、電子機器の消費電力を抑えるため集積回路を流れる電流量は、著しく小さくなってきており、更に接続抵抗の小さい導電性微粒子が望まれてきている。
これに対し、特許文献1には、プラスチック粒子の表面に銅めっきが形成された導電性微粒子が開示されている。銅は金よりも電気抵抗が小さい金属であるため、金めっきされた導電性微粒子よりも電気抵抗の小さい導電性微粒子が得られる。
しかしながら、銅は金に比べて酸化を受けやすい。従って、時間の経過とともに導電性微粒子の表面の銅めっきや、導電性微粒子に接触している電極や半導体素子が腐食・劣化するため、次第に接続信頼性が低下していくといった問題点があった。特に、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な環境で電子機器が使用される場合には、接続信頼性の低下が顕著に現れる。
特許第3581618号
本発明は、上記現状に鑑み、過酷な使用条件においても信頼性の高い電気接続が可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子と、めっき層とから構成されており、上記基材微粒子の表面に形成されためっき層の最表層が銅層である導電性微粒子であって、上記導電性微粒子に含有する塩素イオンの含有量が50μg/g以下であり、かつ、上記銅層の最表面が変色防止剤で表面処理されている導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、従来の問題に対し、めっき層の表面を酸化防止剤で被覆することによりめっき層表面の酸化を防止しようとした。しかし、めっき層の表面が酸化防止剤で被覆されていてもめっき層や導電性微粒子に接触している電極を腐食させ半導体素子を劣化させることがあった。そこで本発明者は、更に鋭意検討の結果、電極を腐食させ半導体素子を劣化させる原因は、「導電性微粒子に含有される塩素イオンがめっき層の表面に溶出するためである」ということを突き止めた。したがって、導電性微粒子において、めっき層の最表面を変色防止剤で表面処理した銅層とし、導電性微粒子中に含有される塩素イオンの含有量を一定値以下にすることにより、過酷な使用条件においても信頼性の高い電気接続が可能な導電性微粒子を得ることができる。このようにして本発明を完成させるに至った。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子と、めっき層とから構成されており、上記基材微粒子の表面に形成されためっき層の最表層が銅層である。
上記基材微粒子としては特に限定されず、樹脂微粒子や、無機微粒子、有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記樹脂微粒子としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等からなる微粒子が挙げられる。なお、ポリ塩化ビニル等の塩素含有樹脂等も用いることもできるが、重合時の状態によっては得られる基材微粒子が多量の塩素イオンを含有することとなり、このような基材微粒子を用いてなる導電性微粒子を導電接続等に用いた場合、塩素イオンが著しく溶出し、後述するように溶出した塩素イオンがめっき層や、導電性微粒子に接触している電極や半導体素子を腐食・劣化させてしまい、接続抵抗を低下させてしまうことがあるため好ましくない。
上記無機微粒子としては特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ等からなる微粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、オルガノシロキサン骨格の中にアクリルポリマーを含有するハイブリッド微粒子が挙げられる。なお、金属微粒子は比重が大きく、得られた導電性微粒子を、例えば、異方導電フィルム等に使用すると、導電性微粒子が分散せずに沈降してしまうため好ましくない。
上記基材微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は100μmである。上記基材微粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、めっき層を形成させる際に凝集が生じやすく、凝集を起こした基材微粒子からなる導電性微粒子を用いて電極間を導電接続させると、隣接電極間のショートを引き起こすことがある。上記基材微粒子の平均粒子径が100μmを超えると、基材微粒子の表面からめっき層が剥がれ易くなり接続信頼性が低下することがある。上記基材微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は1μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の基材微粒子の粒子径を測定し、それを算術平均することにより求めることができる。
上記基材微粒子の平均粒子径の変動係数としては特に限定されないが、10%以下であることが好ましい。上記変動係数が10%を超えると、得られる導電性微粒子を用いて相対向する電極間隔を任意に制御することが困難になる。
なお、上記変動係数とは、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除して得られる数値である。
上記基材微粒子の形状としては相対向する電極間の間隙を維持できる形状であれば特に限定されないが、真球形状であることが好ましい。また、基材微粒子の表面は平滑であってもよいし、突起を有していてもよい。
本発明の導電性微粒子は、上記基材微粒子の表面に形成されためっき層の最表層が銅層であり、上記銅層の最表面が変色防止剤で表面処理されている。
銅は導電性に優れた金属であるが酸化されやすい性質を有する。導電性微粒子の最表面を変色防止剤で処理された銅層とし、導電性微粒子に含有される塩素イオンの含有量を50μg/g以下とすることにより、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においてもめっき層や、導電性微粒子に接触している電極が腐食したり半導体素子が劣化したりすることがないため、接続抵抗が低下することなく、高い接続信頼性が維持される。
導電性微粒子のめっき層の構造は、少なくとも最表面が銅層であれば特に限定されず、銅のみからなる単層構造であってもよいし、下地層として銅以外の金属層を有する複層構造であってもよい。
複層構造の場合には、上記下地層を構成する金属としては特に限定されず、例えば、金、銀、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等が挙げられる。
上記めっき層の厚みとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.005μm、好ましい上限は1μmである。上記めっき層の厚みが0.005μm未満であると、導電層としての充分な効果が得られないことがあり、1μmを超えると、得られる導電性微粒子の比重が高くなりすぎることがある。
上記基材微粒子の表面にめっき層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、金属蒸着、無電解めっき法等の公知の方法が挙げられる。本発明の導電性微粒子においては、めっき層の均一性、密度等の観点から、無電解めっき法によりニッケル層を下地層とし、最表面に銅層が形成された複層構造のめっき層であることが好ましい。
上記無電解めっき法では、一般にエッチング工程、触媒化工程を行った後、無電解めっき工程を行う。
上記エッチング工程は、クロム酸、硫酸−クロム酸混液、過マンガン酸溶液等の酸化剤や、塩酸、硫酸等の強酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液、その他市販の種々のエッチング剤等を用いて基材微粒子の表面に微小な凹凸を形成させ、めっき層の密着をよくするための工程である。なお、エッチング工程の際に、塩素イオンを含有する液剤を使用する場合には、塩素イオンが残留しないように洗浄を充分に行う必要がある。
上記触媒化工程は、基材微粒子の表面に次工程の無電解めっきの起点となりうる触媒層を形成させる工程である。触媒化工程の際も同様に、塩素イオンが残留しないように洗浄を充分に行う必要がある。
上記無電解めっき工程は、触媒を付与した基材微粒子を還元剤の存在下でめっき液中に浸漬し、付与された触媒を起点として基材微粒子の表面にめっき金属を析出させる工程である。無電解めっき工程の際も同様に、塩素イオンを含有するめっき液を使用する場合には、塩素イオンが残留しないように洗浄を充分に行う必要がある。
上記変色防止剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール、4−メチル−1・H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1・H−ベンゾトリアゾール、5−メチル・1H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル・1H−ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールブチルエステル等のベンソトリアゾール化合物、イミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール化合物、チアゾール、ベンゾチアゾール等のチアゾール化合物、トリアジン、2−メルカプトピリミジン、インドール、ピロール、アデニン、チオバビツル酸、チオウラシル、ロダニン、チオゾリジンチオン、1−フェニル−2−テトラゾリン−5−チオン、2−メルカプトピリジン等を含有する水溶液が挙げられる。
また、上記変色防止剤には、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、シランカップリング剤、金属粉末等が更に添加されていてもよい。
なお、上記変色防止剤は、塩素イオンの濃度が5ppm以下であることが好ましい。
上記銅層の表面を上記変色防止剤で表面処理する方法としては特に限定されないが、均一に表面を処理できることから、銅めっきを施した樹脂微粒子を変色防止剤に浸漬させる方法が好ましい。
本発明の導電性微粒子は、含有する塩素イオンの含有量の上限が50μg/gである。塩素イオンの含有量が50μg/gを超えると、めっき層を酸化させたり、導電性微粒子に接触している電極を腐食させたり半導体素子を劣化させてしまう。上記塩素イオンの含有量の好ましい上限は20μg/g、より好ましい上限は5μg/gである。
なお、塩素イオンの含有量の測定方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
(1)導電性微粒子1gを精秤し、メノウ製乳鉢に取り1時間かき混ぜることによりめっき層を完全に剥離・粉砕させる。
(2)これをよく洗浄した石英管内に入れて蒸留水(比抵抗18MΩ)10mLを加えた後、ガスバーナーにて石英管を溶融密封する。121℃の電気オーブンに入れ24時間加熱した後、石英管を開封して得られた抽出液を0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、この溶液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフィーにて測定する(ブランク試験として蒸留水(比抵抗18MΩ)の塩素イオン濃度を基準値とする)。
本発明の導電性微粒子に含有される塩素イオンの含有量を50μg/gとする方法としては特に限定されず、例えば、基材微粒子の材料、めっき層の材料及び導電性微粒子の製造工程中で用いる材料を塩素イオンの含有量が少ない材料を選択し、導電性微粒子の製造工程において、(めっき層を施した)基材微粒子を加圧下、加熱した蒸留水を用いて洗浄する工程を少なくとも一回導入する方法等が挙げられる。
なお、(めっき層を施した)基材微粒子を洗浄する工程は、上述した銅層の表面を変色防止剤で表面処理する工程よりも前に行うことが好ましい。
上記加圧下とは、蒸留水が蒸発しないだけの充分な圧力であればよく、特に限定されないが、10MPa以下であることが好ましい。上記圧力が10MPaを超えると、(めっき層を施した)基材微粒子自体に損傷を与えることがある。
また、蒸留水の加熱温度は100℃〜150℃であることが好ましい。上記加熱温度が100℃未満であると、充分な洗浄効果を発揮できないことがあり、150℃を超えると、めっき層を施した基材微粒子自体に損傷を与える場合がある。上記加熱温度のより好ましい下限は115℃である。
また、上記蒸留水としては、塩素イオンを含有せず、比抵抗が1MΩ以上の純水を使用することが好ましく、18MΩ以上の超純水を用いることがより好ましい。
また、洗浄に用いる蒸留水の液量が多いほど、洗浄時間が長いほど、更に洗浄回数を増やすほど洗浄効果は高くなる。また、洗浄する際に攪拌や超音波を併用することでより効果的に塩素イオンの含有量を低減させることができる。
本発明の導電性微粒子は、含有する塩素イオンの含有量が一定値以下であり、かつ、めっき層の最表面が、変色防止剤で表面処理された銅層であることから、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においてたとえめっき層に亀裂等の損傷が生じた場合であっても、めっき層が酸化したり、導電性微粒子に接触している電極が腐食したり半導体素子が劣化したりすることがないため、接続抵抗が低下することなく、高い接続信頼性が維持される。
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料の具体的な例としては、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては特に限定されないが、絶縁性の樹脂が用いられ、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等のビニル樹脂;ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びこれらと硬化剤とからなる硬化性樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素添加物等の熱可塑性ブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム類)等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型のいずれの硬化型であってもよい。
本発明の異方性導電材料には、本発明の導電性微粒子、及び、上記バインダー樹脂の他に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増量剤、可塑剤、粘接着性向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法としては特に限定されず、例えば、絶縁性のバインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤等とする方法や、絶縁性のバインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に分散させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等とする方法等が挙げられ、製造しようとする異方性導電材料の種類に対応して、適宜の製造方法をとればよい。
また、絶縁性のバインダー樹脂と、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を用いてなる接続構造体もまた、本発明の1つである。
本発明の接続構造体は、一対の回路基板間に、本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を充填することにより、一対の回路基板間を接続させた接続構造体である。
本発明の接続構造体は、本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を用いてなることから、高温高湿下や長期の連続使用といった過酷な条件下においてたとえめっき層に亀裂等の損傷が生じた場合であっても、めっき層が酸化したり、導電性微粒子に接触している電極が腐食したり半導体素子が劣化したりすることがないため、接続抵抗が低下することなく、高い接続信頼性が維持される。
本発明によれば、過酷な使用条件においても信頼性の高い電気接続が可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製「GH−20」)を3重量%含む水溶液800重量部に、ジビニルベンゼン70重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部、過酸化ベンゾイル2重量部を加え攪拌し混ぜ合わせた。窒素気流下にて撹拌しながら80℃まで昇温し、15時間反応を行い、樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子を蒸留水及びメタノールで洗浄した後、分級操作を行い、平均粒径が4.1μm、変動係数が5.0%の樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子10gをエッチング処理し水洗した。硫酸パラジウムを加えパラジウムイオンを樹脂微粒子に吸着させた。次いで0.5重量%のジメチルアミンボラン水溶液にパラジウムイオンを吸着させた樹脂微粒子を添加し、パラジウムを活性化させた樹脂微粒子を得た。
得られた樹脂微粒子に蒸留水500mLを加え、微粒子懸濁液を調製した。この懸濁液に、40g/Lの硫酸銅(5水和物)と、100g/Lのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)と、50g/Lのグルコン酸ナトリウムと、25g/LのホルムアルデヒドとからなるpH10.5に調整された無電解めっき液を徐々に添加し、50℃で攪拌しながら無電解銅めっきを行った。このようにして銅めっきされた樹脂微粒子を得た。
ここで、得られた銅めっきされた樹脂微粒子のうち1gを精秤し、メノウ製乳鉢に取り1時間かき混ぜることによりめっき層を完全に剥離・粉砕した。これをよく洗浄した石英管内に入れて蒸留水(比抵抗18MΩ)10mLを加えた後、ガスバーナーにて石英管を溶融密封した。次いで、石英管を121℃の電気オーブンに入れ24時間加熱した後、石英管を開封して得られた抽出液を0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、この溶液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフィーにて測定した。なお、ブランク試験として蒸留水(比抵抗18MΩ)のみを石英管に溶融密封した場合の測定結果を基準値とした。
洗浄する前の銅めっきされた樹脂微粒子の塩素イオンの含有量は55μg/gであることが確認された。
得られた銅めっきされた樹脂微粒子のうち1gを蒸留水1000mL(比抵抗18MΩ)に分散させ、撹拌機付オートクレーブに入れて0.1MPaの加圧下、121℃で10時間攪拌洗浄した。その後、濾別乾燥させた。
続いて、洗浄した銅めっきされた樹脂微粒子をピロリン酸カルシウム(2.5g/L)及び5−メチル・1H−ベンゾトリアゾール(50mg/L)を含有する約pH5のリン酸水溶液からなる変色防止剤に浸漬することにより、銅層の表面が変色防止剤で処理された導電性微粒子を得た。
(実施例2)
撹拌機付オートクレーブに入れて攪拌洗浄した時間を10時間から5時間に短縮したこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を得た。
(実施例3)
撹拌機付オートクレーブに入れて攪拌洗浄した時間を10時間から1時間に短縮したこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を得た。
(比較例1)
銅層の表面を変色防止剤で処理しなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を得た。
(比較例2)
オートクレーブを用いて攪拌洗浄しなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を得た。
<評価>
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)塩素イオンの含有量の測定
導電性微粒子1gを精秤し、メノウ製乳鉢に取り1時間かき混ぜることによりめっき層を完全に剥離・粉砕した。これをよく洗浄した石英管内に入れて蒸留水(比抵抗18MΩ)10mLを加えた後、ガスバーナーにて石英管を溶融密封した。次いで、石英管を121℃の電気オーブンに入れ24時間加熱した後、石英管を開封して得られた抽出液を0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、この溶液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフィーにて測定した。なお、ブランク試験として蒸留水(比抵抗18MΩ)のみを石英管に溶融密封した場合の測定結果を基準値とした。
(2)接続抵抗値の測定
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に、導電性微粒子を加え混合した。得られた混合物を離型フィルム上に塗布し乾燥させ厚さ7μmの接着シートを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cmとなるようにした。
得られた接着フィルムを長さ5mm、幅5mmの大きさに切断した。また、一方に抵抗測定用の引き回し線を持つ、幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極が形成されたガラス基板を2枚用意した。接着フィルムを2枚のガラス基板の間に挟み、ガラス基板に形成された電極の位置合わせを行ってから圧力10N、温度180℃で熱圧着して貼り合わせ、接続構造体を得た。
得られた接続構造体の2枚のガラス基板に形成された電極間の接続抵抗値を4端子法により測定した。また、PCT試験(85℃、相対湿度85%の恒温恒湿器に入れ、100時間放置)を行った後の接続抵抗値を同様に測定した。
Figure 2009048991
(評価結果)
実施例1〜3で得られた導電性微粒子は、接続抵抗値の結果から、高温高湿環境下で100時間放置しても接続抵抗値の上昇は見られなかった。過酷な環境下でも高い接続信頼性が得られている。
比較例1で得られた導電性微粒子は、接続抵抗値の結果から、高温高湿環境下で100時間放置したところ接続抵抗値が著しく上昇した。導電性微粒子の表面を、光学顕微鏡を用いて観察したところ、銅層は黒色に変色しており表面に酸化銅が形成されていることを確認した。従って、変色防止剤を使用しないと銅層は酸化され、導電性微粒子の接続信頼性が低下することが分かる。
比較例2で得られた導電性微粒子は、オートクレーブにて洗浄していないため、塩素イオンの含有量が50μg/gよりも高くなっていた。接続抵抗値の結果から、高温高湿環境下で100時間放置したところ接続抵抗値が著しく上昇した。導電性微粒子の表面を、光学顕微鏡を用いて観察したところ、銅層は黒色に変色しており表面に酸化銅が形成されていることを確認した。また、導電性微粒子に接触している電極部分が腐食していることも確認した。従って、変色防止剤を使用して銅層を表面処理したとしても、導電性微粒子の塩素イオンの含有量が高ければ、銅層や導電性微粒子に接触している電極が腐食するため、接続信頼性が低下することが分かる。
本発明によれば、過酷な使用条件においても信頼性の高い電気接続が可能な導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、接続構造体を提供することができる。

Claims (3)

  1. 基材微粒子と、めっき層とから構成されており、前記基材微粒子の表面に形成されためっき層の最表層が銅層である導電性微粒子であって、
    前記導電性微粒子に含有する塩素イオンの含有量が50μg/g以下であり、かつ、前記銅層の最表面が変色防止剤で表面処理されている
    ことを特徴とする導電性微粒子。
  2. 請求項1記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
  3. 請求項1記載の導電性微粒子又は請求項2記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする接続構造体。
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