JP4718926B2 - 導電性微粒子、及び、異方性導電材料 - Google Patents

導電性微粒子、及び、異方性導電材料 Download PDF

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本発明は、接続抵抗値が低く、粒子の導電性能のばらつきが小さく、導電信頼性に優れた導電性微粒子、及び、異方性導電材料に関する。
導電性微粒子は、バインダー樹脂や粘接着剤等と混合、混練することにより、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等の異方性導電材料として広く用いられている。
これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続したりするために、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
上記異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、従来から、粒子径が均一で、適度な強度を有する樹脂微粒子等の非導電性微粒子の表面に、導電層として金属メッキ層を形成させた導電性微粒子が用いられてきている。しかしながら、近年の電子機器の急激な進歩や発展に伴って、異方性導電材料として用いられる導電性微粒子の接続抵抗の更なる低減が求められてきている。
上記導電性微粒子の接続抵抗を低減するため、導電性微粒子として表面に突起を有する導電性微粒子が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1には、表面に突起を形成させた非導電性微粒子の表面に金属メッキを施した導電性微粒子が記載されている。しかしながら、これは母粒子と子粒子を複合させた複合粒子により形成させた突起粒子であり、その突起部分は、プラスチックやケイ酸ガラス等のガラス類が用いられていた。このため、突起を構成する材質は非導電性であり、接続抵抗の低い良好な導電性を得ることが困難であった。
特許文献2には、非導電性微粒子に、無電解ニッケルメッキ法におけるニッケルメッキ液の自己分解を利用して、ニッケルの微小突起とニッケル被膜とを同時に形成させ、導電性無電解メッキ粉体を製造する方法が記載されている。しかしながら、この製造方法は突起を形成させるニッケルの微小粒子の大きさ、形状、量を制御することは極めて困難であるため、得られる突起の数、大きさ、形状を制御することは極めて困難であった。また、微小突起はリン成分を多く含むニッケルメッキ液を用いてメッキ工程で析出生成させているため、リンを多く含有することによって導電性が悪化するという欠点があった。
特開平4−36902号公報 特開2000−243132号公報
本発明は、上記現状に鑑み、接続抵抗値が低く、粒子の導電性能のばらつきが小さく、導電信頼性に優れた導電性微粒子、及び、異方性導電材料を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたニッケルからなる導電層とからなる導電性微粒子であって、前記導電層は、表面に亜鉛、コバルト及びチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属又はその金属酸化物を芯物質とする突起を有する導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、回路基板等の電気的接続に用いる導電性微粒子として、所定の突起を有する導電性微粒子を用いることで、突起部の導電性を向上させ、導電性微粒子と回路基板等との間の接続抵抗を低減することができるということを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたニッケルからなる導電層とからなる。
上記基材微粒子としては特に限定されず、適度な弾性率、弾性変形性及び復元性を有するものであれば無機材料を用いてなるものでも有機材料を用いてなるものでもよいが、弾性変形性及び復元性に優れていることから、樹脂を用いてなる樹脂微粒子であることが好ましい。
上記樹脂微粒子を構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;アクリレートとジビニルベンゼンとの共重合樹脂、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラニンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記基材微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は20μmである。1μm未満であると、例えば、無電解メッキをする際に凝集しやすく、単粒子としにくくなることがあり、20μmを超えると、異方性導電材料として回路基板等に用いられる範囲を超えることがある。
なお、上記基材微粒子の平均粒子径は、無作為に選んだ50個の基材微粒子について粒子径を測定し、これらを算術平均したものとする。
上記ニッケルからなる導電層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は500nmである。10nm未満であると、所望の導電性が得られないことがあり、500nmを超えると、基材微粒子と導電層との熱膨張率の差から、上記導電層が剥離しやすくなることがある。
また、上記ニッケルからなる導電層には、リンやホウ素等の非金属成分が含有されていてもよい。
なお、上記導電層の厚さは、無作為に選んだ10個の粒子について測定し、これらを算術平均した厚さである。
本発明の導電性微粒子において、上記導電層は、表面に、亜鉛、コバルト及びチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属又は金属酸化物を芯物質とする突起を有する。
これにより、本発明の導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料を回路基板等に挟んで導電接続時に圧着すると、突起部の導電性が高いことに加え、回路基板等と本発明の導電性微粒子との間に存在する異方性導電材料中のバインダー樹脂等を突き破ることにより(樹脂排除性)、導通不良防止とともに、抵抗値の低減化が可能となる。
上記芯物質の形状としては特に限定されないが、塊状又は粒子状であることが好ましい。形状が塊状のものとしては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、不定形の塊等が挙げられる。また、形状が粒子状のものとしては、例えば、球状、円盤状、柱状、板状、針状、立方体、直方体等が挙げられる。
上記芯物質が粒子状である場合には、芯物質の80%以上が、基材微粒子に接触しているか又は上記基材微粒子との距離が5nm以内であることが好ましい。
上記芯物質が、基材微粒子に接触しているか又は基材微粒子から近接した位置に存在することにより、芯物質が確実に導電層で覆われることになり、突起の基材微粒子に対する密着性が優れた導電性微粒子を得ることができる。更に、芯物質が基材微粒子に接触しているか又は基材微粒子から近接した位置に存在することにより、基材微粒子の表面上に突起を揃えることができる。また、芯物質の大きさを揃えやすく、突起の高さが基材微粒子の表面上で揃った導電性微粒子を得ることが可能となる。
従って、本発明の導電性微粒子を異方性導電材料として用いた電極間の接続時には、導電性微粒子の導電性能のばらつきが小さくなり、導電信頼性に優れるという効果が得られる。
上記突起の平均高さとしては特に限定されないが、好ましい下限は基材微粒子の粒子直径の0.5%、好ましい上限は基材微粒子の粒子直径の25%である。0.5%未満であると、充分な樹脂排除性が得られないことがあり、25%を超えると、突起が回路基板等に深くめり込み、回路基板等を破損させるおそれがある。より好ましい下限は基材微粒子の粒子直径の10%、より好ましい上限は基材微粒子の粒子直径の17%である。
なお、突起の平均高さは、無作為に選んだ50個の導電層上にある凸部の高さを測定し、それを算術平均して突起の平均高さとする。このとき、突起を付与した効果が得られるものとして、導電層上の10nm以上の凸部のものを突起として選ぶものとした。
本発明の導電性微粒子において、突起と基材微粒子との密着性は、芯物質の粒子径とニッケルからなる導電層とに依存し、芯物質がより厚い導電層で被覆されているほうが突起は外れにくく良好となる。
芯物質の最長の外径をX、ニッケルからなる導電層の膜厚をYとしたとき、X/Y比は、0.5〜5であることが好ましい。このX/Y比の範囲に入るように芯物質の大きさと導電層の膜厚とを選択することが好ましい。
本発明における突起の存在密度は、本発明の導電性微粒子の性能に大きく影響するので重要である。
突起の存在密度は、1個の導電性微粒子当たりの突起数で表すと、3以上であることが好ましい。突起の存在密度が3以上であると、本発明の導電性微粒子を異方性導電材料として用いた接続時に、導電性微粒子がどのような方向に向いても、突起が電極と接触し、良好な接続状態となることができる。
突起の存在密度の制御は、例えば、基材微粒子の表面積に対して、添加する芯物質の量を変化させれば容易に行うことができる。
なお、上記突起の存在密度は、無作為に選んだ50個の粒子について、突起を付与した効果が得られるものとして、導電層上の10nm以上の凸部のものを突起として個数をカウントし、1個の導電性微粒子当たりの突起数に換算して、突起の存在密度とする。
本発明の導電性微粒子は、更に、導電層の表面に金層が形成されていることが好ましい。導電層の表面に金層を施すことにより、導電層の酸化防止、接続抵抗の低減化、表面の安定化等を図ることができる。
上記金層の形成方法としては特に限定されず、無電解メッキ、置換メッキ、電気メッキ、還元メッキ、スパッタリング等の従来公知の方法が挙げられる。
上記金層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は100nmである。1nm未満であると、導電層の酸化を防止することが困難となることがあり、接続抵抗値が高くなることがあり、100nmを超えると、金層が導電層を侵食し、基材微粒子と導電層との密着性を悪くすることがある。
本発明の導電性微粒子を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、基材微粒子の表面に芯物質を付着させ、後述する無電解ニッケルメッキによりニッケルからなる導電層を形成する方法;基材微粒子の表面を、無電解ニッケルメッキによりニッケルからなる導電層を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解ニッケルメッキによりニッケルからなる導電層を形成する方法;上述の方法において無電解ニッケルメッキの代わりにスパッタリングによりニッケルからなる導電層を形成する方法等が挙げられる。
上記芯物質を付着させる方法としては特に限定されず、例えば、基材微粒子の分散液中に、芯物質となる導電性物質を添加し、基材微粒子の表面上に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ付着させる方法;基材微粒子を入れた容器に、芯物質となる導電性物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材微粒子の表面上に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御し易いことから、分散液中の基材微粒子の表面上に芯物質を集積させ付着させる方法が好適に用いられる。
分散液中の基材微粒子の表面上に芯物質を集積させ付着させる方法としては、より具体的には、基材微粒子の平均粒子径に対して、0.5〜25%の粒子径の芯物質を用いることが好ましい。より好ましくは、1.5〜15%である。また、芯物質の分散媒への分散性を考慮すると、芯物質の比重はできるだけ小さいほうが好ましい。さらに、基材微粒子及び芯物質の表面電荷を著しく変化させないために、分散媒として脱イオン水を用いることが好ましい。
上記無電解ニッケルメッキ法とは、基材微粒子の表面に触媒付与を行い、ニッケル、及び、メッキ安定剤を含有するニッケルメッキ液中で、触媒付与された上記基材微粒子の表面に無電解メッキ法によりニッケル層を形成させる方法である。
上記触媒付与を行う方法としては、例えば、アルカリ溶液でエッチングされた基材微粒子に酸中和、及び、二塩化スズ(SnCl)溶液におけるセンシタイジングを行い、二塩化パラジウム(PdCl)溶液におけるアクチベイジングを行う無電解メッキ前処理工程を行う方法等が挙げられる。
なお、センシタイジングとは、絶縁物質の表面にSn2+イオンを吸着させる工程であり、アクチベイチングとは、絶縁性物質表面にSn2++Pd2+→Sn4++Pdで示される反応を起こしてパラジウムを無電解メッキの触媒核とする工程である。
本発明における導電性微粒子の各種特性、例えば、導電層の膜厚、金層の膜厚、基材微粒子の平均粒子径、導電性微粒子の平均粒子径、芯物質の形状、芯物質の最長の外径、突起の形状、突起部分の平均高さ、突起の存在密度等は、電子顕微鏡による導電性微粒子の粒子観察又は断面観察により得ることができる。
上記断面観察を行うための試料の作製法としては特に限定されず、例えば、導電性微粒子を熱硬化型の樹脂に埋め込み加熱硬化させ、所定の研磨紙や研磨剤を用いて観察可能な鏡面状態にまで試料を研磨する方法等が挙げられる。
導電性微粒子の粒子観察は、走査電子顕微鏡(SEM)により行い、倍率としては、観察しやすい倍率を選べばよいが、例えば、4000倍で観察することにより行うことが好適である。また、導電性微粒子の断面観察は、透過電子顕微鏡(TEM)により行い、倍率としては、観察しやすい倍率を選べばよいが、例えば、10万倍で観察することにより行うことが好適である。
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本発明の異方性導電材料の具体的な例としては、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤層、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
上記樹脂バインダーとしては特に限定されないが、絶縁性の樹脂が用いられ、例えば、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等のビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂及びこれらの硬化剤からなる硬化性樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素添加物等の熱可塑性ブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム類)等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型のいずれの硬化型であってもよい。
本発明の異方性導電材料には、本発明の導電性微粒子、及び、上記樹脂バインダーの他に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増量剤、軟化剤(可塑剤)、粘接着性向上剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の異方性導電材料の製造方法としては特に限定されず、例えば、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤等とする方法や、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に溶解(分散)させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなる用に塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等とする方法等が挙げられ、製造しようとする異方性導電材料の種類に対応して、適宜の製造方法をとればよい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
本発明の導電性微粒子は、所定の突起を有する導電性微粒子とすることで、突起部の導電性を向上させることができるとともに、樹脂排除して確実に導電性微粒子と回路基板等とを接触させることができる。
本発明によれば、接続抵抗値が低く、粒子の導電性能のばらつきが小さく、導電信頼性に優れた導電性微粒子、及び、異方性導電材料を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
参考例1)
(無電解メッキ前処理工程)
平均粒子径3μmのテトラメチロールメタンテトラアクリレートとジビニルベンゼンとの共重合樹脂からなる基材微粒子10gに、水酸化ナトリウム水溶液によるアルカリ脱脂、酸中和、二塩化スズ溶液におけるセンシタイジングを行った。その後、二塩化パラジウム溶液におけるアクチベイチングからなる無電解メッキ前処理を施し、濾過洗浄後、粒子表面にパラジウムを付着させた基材微粒子を得た。
(芯物質複合化工程)
得られた基材微粒子を脱イオン水300mLで攪拌により3分間分散させた後、その水溶液に金属銅粒子スラリー(平均粒子径300nm)1gを3分間かけて添加し、芯物質を付着させた基材微粒子を得た。
(無電解ニッケルメッキ工程)
得られた基材微粒子を更に水1200mLで希釈し、メッキ安定剤4mLを添加後、この水溶液に硫酸ニッケル450g/L、次亜リン酸ナトリウム150g/L、クエン酸ナトリウム116g/L、メッキ安定剤6mLの混合溶液120mLを81mL/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解メッキ前期工程を行った。
次いで、更に硫酸ニッケル450g/L、次亜リン酸ナトリウム150g/L、クエン酸ナトリウム116g/L、メッキ安定剤35mLの混合溶液650mLを27mL/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解メッキ後期工程を行った。
次いで、メッキ液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥してニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
(金メッキ工程)
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
参考例2)
芯物質複合化工程において、金属銀粒子スラリー(平均粒子径50nm)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
参考例3)
芯物質複合化工程において、金属パラジウム粒子スラリー(平均粒子径50nm)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
(実施例
芯物質複合化工程において、酸化亜鉛粒子スラリー(平均粒子径30nm)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
(実施例
芯物質複合化工程において、金属コバルト粒子スラリー(平均粒子径100nm)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
(実施例
芯物質複合化工程において、酸化チタン粒子スラリー(平均粒子径35nm)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
参考
芯物質複合化工程において、金属金粒子スラリー(平均粒子径30nm)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
(比較例1)
基材微粒子に無電解メッキ前処理工程の後、芯物質複合化工程を行わなかったこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
(比較例2)
基材微粒子に無電解メッキ前処理工程の後、芯物質複合化工程を行わなかったこと、及び、無電解ニッケルメッキ工程において、最初に添加するメッキ安定剤4mLの代わりにメッキ安定剤1mLとし、その後はメッキ安定剤を添加しなかったこと以外は参考例1と同様にして、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。無電解ニッケルメッキ工程では、メッキ液の自己分解が起こっていた。
その後、更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、導電性微粒子を得た。
<評価>
参考例1〜4、実施例1〜及び比較例1〜2で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)膜厚の測定
得られた導電性微粒子について、日本電子データム社製透過型電子顕微鏡(TEM)により、倍率10万倍で断面観察を行い、ニッケル膜厚及び金膜厚を測定した。
(2)突起の存在密度
得られた導電性微粒子について、日立ハイテクノロジーズ社製走査電子顕微鏡(SEM)により、倍率10000倍で粒子観察を行い、突起の存在密度を調べた。
上記突起の存在密度は、無作為に選んだ50個の粒子について、突起を付与した効果が得られるものとして、10nm以上のものを突起として個数をカウントし、1個の導電性微粒子当たりの突起数に換算して、突起の存在密度とした。
(3)電極間の抵抗値、及び、リーク電流の有無
まず、得られた導電性微粒子を用いて、以下の方法により異方性導電フィルムを作製した。
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部を、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて接着性フィルムを得た。
次いで、樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に、得られたそれぞれの導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着性フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cmとなるようにした。
得られた接着性フィルムと導電性微粒子を含有する接着性フィルムとを常温でラミネートすることにより、2層構造を有する厚さ17μmの異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。これを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有した幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極のほぼ中央に貼り付けた後、同じアルミニウム電極を有するガラス基板を、電極同士が重なるように位置あわせをしてから貼り合わせた。
このガラス基板の接合部を、10N、100℃の圧着条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値、及び、電極間のリーク電流の有無を評価した。
Figure 0004718926
本発明によれば、接続抵抗値が低く、粒子の導電性能のばらつきが小さく、導電信頼性に優れた導電性微粒子、及び異方性導電材料を提供することができる。

Claims (6)

  1. 基材微粒子と、前記基材微粒子の表面に形成されたニッケルからなる導電層とからなる導電性微粒子であって、前記導電層は、表面に亜鉛、コバルト及びチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属又はその金属酸化物を芯物質とする突起を有することを特徴とする導電性微粒子。
  2. 芯物質の80%以上が、基材微粒子に接触しているか又は前記基材微粒子との距離が5nm以内であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
  3. 基材微粒子は、樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性微粒子。
  4. 突起の平均高さが、基材微粒子の平均粒子径の0.5〜25%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電性微粒子。
  5. 更に、導電層の表面に金層が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性微粒子。
  6. 請求項1、2、3、4又は5記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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