JP2009046972A - 阻止装置及び阻止棒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】阻止装置は、車両の通行を許可するときは垂直状態となって通行を許容し、車両の通行を拒否するときは水平状態となって通行を阻止する阻止棒1と、阻止棒1を連結部材を介して上下方向に回動し、垂直状態または水平状態に保持する阻止機と、を有し、阻止棒1は、気体を圧縮充填した長尺袋体10を有する。阻止棒1は、長尺袋体10と長尺袋体10を保持する支持部材20とからなり、長尺袋体10は、支持部材20に着脱自在に挿着されている。長尺袋体10は、形状保持性を有する素材からなる内側長尺袋体12と、柔軟性を有する素材からなる外側長尺袋体11との二層構造で形成されている。
【選択図】図1
Description
発泡ウレタンを用いた阻止棒としては下記特許文献1が知られている。
1.車両の通行を許可するときは垂直状態となって該通行を許容し、該車両の通行を拒否するときは水平状態となって該通行を阻止する阻止棒と、
該阻止棒を連結部材を介して上下方向に回動し、前記垂直状態または前記水平状態に保持する阻止機と、
を有する有料道路の料金所における阻止装置であって、
前記阻止棒は、気体を圧縮充填した長尺袋体を有することを特徴とする阻止装置。
2.前記阻止棒は、前記長尺袋体と、該長尺袋体を支持する支持部材とからなり、
該長尺袋体は、該支持部材に着脱自在に挿着されていることを特徴とする1.に記載の阻止装置。
3.阻止機によって上下方向に回動して垂直状態または水平状態に保持され、車両の通行を許可するときは上記垂直状態となって該通行を許容し、該車両の通行を拒否するときは上記水平状態となって該通行を阻止する有料道路の料金所における阻止棒であって、
気体を圧縮充填した長尺袋体を有することを特徴とする阻止棒。
4.前記長尺袋体は、内側長尺袋体と、該内側長尺袋体の外面を覆う外側長尺袋体との二層構造に形成されて成ることを特徴とする3.に記載の阻止棒。
5.前記内側長尺袋体は、形状保持性を有する素材で形成され、
前記外側長尺袋体は、柔軟性を有する素材で形成されたことを特徴とする4.に記載の阻止棒。
6.前記阻止棒の表面には、通行車両に対して注意を喚起するための注意喚起表示部が備えられている3.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の阻止棒。
前記阻止棒は、前記長尺袋体と、該長尺袋体を保持する支持部材とからなり、該支持部材が該長尺袋体に着脱自在に挿着されているため、装着が容易であり、また損傷した場合の交換も容易である。
前記長尺袋体は、内側長尺袋体と、該内側長尺袋体の外面を覆う外側長尺袋体との二層構造に形成されて成る場合には、強度を更に向上させることができ、また、異なる素材であればそれぞれの特徴を活かすことができる。
特に、前記内側長尺袋体が形状保持性を有する素材で形成され、前記外側長尺袋体が柔軟性を有する素材で形成されていれば、内側は強度的に優れ長尺袋体を一定形状に保持でき破損を防ぐことができ、外側は衝突した車両に損傷を与えないようにすることができる。
更に、前記阻止棒の表面に、通行車両に対して注意を喚起するための注意喚起表示部が備えられていれば、車両の運転者に阻止装置付近を通過する際の注意を促すことができる。
本発明の阻止装置は、車両の通行を許可するときは垂直状態となって通行を許容し、車両の通行を拒否するときは水平状態となって通行を阻止する阻止棒と、阻止棒を連結部材を介して上下方向に回動し、垂直状態または水平状態に保持する阻止機と、を有する有料道路の料金所における阻止装置であって、阻止棒は、気体を圧縮充填した長尺袋体を有することを特徴とする。
前記「阻止棒」とは、車両の通行を許可するときは垂直状態となって通行を許容し、車両の通行を拒否するときは水平状態となって通行を阻止するものであり、気体を圧縮充填して形成された長尺袋体を有する。
長尺袋体10の内部は空洞であるため阻止棒1の材料コストを低く抑えることができる。また、長尺袋体の形状は車両の通行を阻止する機能を有する棒形状であれば特に限定はなく、円柱形状、角柱形状、或いはこれらの組み合わせであってもよいが、図1に示すように円柱形状であることが好ましい。円柱形状であれば、長尺袋体の側面全体に均一に気体の圧力を及ぼすことができ、安定した形状を保ちやすいからである。
また、長尺袋体は一重である必要はなく、複数の長尺袋体を重ねた構造とすることもできる。
更に、複数の長尺袋体を全体又は一部において接着或いは縫着した構造としてもよい。
例えば、内側長尺袋体12としては、ナイロン繊維にウレタンフィルムをラミネート加工したものを用いることができる。この素材であれば、形状保持性が高まるほか、伸縮が少なく対衝撃性に優れるという利点もある。
また、外側長尺袋体11としては軟質の塩化ビニルを用いることができる。この素材であれば衝突した車両の損傷を防ぐことの外、汚れが付着しにくいという利点もある。また、着色も容易であり、車両からの視認性に優れたものとすることもできる。
この中でも特に窒素ガスであることが好ましい。窒素ガスは空気に比べ、水分含有量が少なく、温度が上昇しても、水分の気化等による内圧の変化が少ないと考えられるからである。
長尺袋体内部の気体の圧力は阻止棒としての役割を果たす程度であればよく、圧力が高すぎると、破損する危険性があり、圧力が低すぎると阻止棒としての形状を維持することが困難である。試験したところ、1.2〜1.9kg/cm2であることが好ましい。
また、例えば、制限速度表示の背面に、車両の後退を拒否するための「バック禁止」の表示をすることもできる。
注意喚起表示部は通行車両の運転者に注意を喚起することができれば特に限定はなく、
例えば、図15に示すように赤地に白色で速度表示をしたラベルを貼り付けたものを使用することができる。
また、内側長尺袋体12と外側長尺袋体11の間に発光ダイオードを取り付け、外側長尺袋体12を透かして視認できるように表示をすれば、特に夜間において、運転者の視覚に訴える効果が大きくなる。
上記「支持部材」は長尺袋体を保持する部材であり、これに長尺袋体が着脱自在に挿着されている。
例えば図1(図12)に示すように、支持部材20(60)は、阻止棒1(2)の長尺袋体10の一端側を筒状に覆う支持筒体21(61)と支持筒体21(61)を保持する支持筒体固定部材22(62)とからなる。
支持筒体21(61)は、長尺袋体10の一端部を覆って固定しているが、長尺袋体10を着脱可能に挿着固定することが好ましい。
支持筒体固定部材22(62)は、図4(図15)に示すように連結部材30に固定可能となるように長尺袋体10よりも突出している部分を有している。
支持筒体21(61)の材質は、特に限定ないが、軟質の強度に優れた合成樹脂であることが好ましい。こうであれば、長尺袋体10を傷つけることなく挿入固定することができる。例えば塩化ビニルレザーを用いることができる。また、支持筒体固定部材22(62)の本体22b(62b)の材質も特に限定はなく、アルミニウム等の金属製、硬質の合成樹脂、グラスファイバー、又は木製のものとすることもできる。木製にすれば加工がしやすくコストを低減できるという効果がある。
前記「連結部材」は、阻止棒を上下方向に回動し、垂直状態または水平状態に保持する阻止機40と阻止棒1の間に介在する部材である。
例えば図4に示すように連結部材30は、阻止棒1の支持筒体固定部材22に連結し、更に阻止機40の駆動部材41によって駆動される。そして、図6に示すように、ボルト34によって阻止機40に固定されている。
図4に示すように連結部材30には、回動部材31が付設されていることが好ましい。回動部材31はヒンジ部39(図6参照)で軸支され、図5に示すように水平方向に往復回動可能である。図4に示す状態では、連結部材30の内側の上下に設けた係止部材33、35で係止されている(図5及び図6参照)。
この際、回動部材31が水平に折れ曲がったときに停止付勢部材38が下方に突出することによって、阻止棒が再度跳ね返ることのないよう防止する。
このように回動部材31を付設することにより、車両の阻止棒への衝突の際の衝撃をさらに弱めることができる。
ここで図6に示すように、回動部材31の回動によって、連結部材30の内面と回動部材31の接触部の離脱を検知するセンサー36が設けられており、阻止棒への衝突を料金所の職員に通報することができる。
図1に示すように、阻止棒1は、長尺袋体10と長尺袋体10を保持する支持部材20とからなり、長尺袋体10が支持部材20の支持筒体21に挿着されている。長尺袋体10は、内側長尺袋体12と、外側長尺袋体11との二層構造で形成されている。
内側長尺袋体12は、ナイロン繊維にウレタンフィルムをラミネート加工した素材で形成され、外側長尺袋体11は軟質の塩化ビニル素材で形成されている。内側長尺袋体12には空気が1.2kg/cm2で圧縮充填されている。
支持筒体21は支持筒体固定部材22のアルミニウム製の本体22bを被覆部材22aで覆い、被覆部材22aと支持筒体21の接触部分周辺を縫着固定(不図示)されている。被覆部材22aと支持筒体21はいずれも塩化ビニルレザー素材で形成されている。
図12に示すように、阻止棒2は、長尺袋体10と長尺袋体10を保持する支持部材60とからなり、長尺袋体10は、支持部材60の支持筒体61に挿着されている。
長尺袋体10が支持部材60に着脱自在に挿着されている。
阻止棒2に係る長尺袋体10は、実施例1と同様、内側長尺袋体12と外側長尺袋体11の二層構造からなる。内側長尺袋体12には空気が1.9kg/cm2で圧縮充填されている。
支持部材60は、図12に示すように、支持筒体61の側面に、支持筒体固定部材62を取り付けて構成される点で、支持筒体21の上部に支持筒体固定部材22を取り付けて構成される阻止棒1に係る支持部材20(図1参照)と相違する。
このように構成することで、車両が、阻止棒2に衝突した際に、支持筒体61と支持筒体固定部材62とが捩れることなく、衝撃を受けることにより、支持筒体61と支持筒体固定部材62の接合部分に捩れ応力が加わるのを回避することができる。
また、図13に示すように、支持筒体61と支持筒体固定部材62とは、金属板65を介して固着具66で固定されている。このため、堅固に固定されている。また、固着具66の着脱により、支持筒体61と支持筒体固定部材62とは、容易に取り付け及び取り外しできるため、一方が破損した場合の交換が容易である。
支持筒体61、被覆部材62a、本体62bの材質は、それぞれ実施例1の支持筒体21、被覆部材22a、本体22bの材質と同様であるためその説明を省略する。
内側長尺袋体12と外側長尺袋体11の材質は実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
実験例1及び実験例2は阻止棒1、実験例3は阻止棒2を取り付けた阻止装置において試験走行を行った。
[実験例1]
図8に示す阻止装置において、阻止棒1が水平状態となって車両の通行を拒否する状態を保持したまま、車両50を、長尺袋体10に衝突させる試験を行った。車両50の速度は28〜29km/hとし、係止部材33、35間の係止圧は8.5kg/cm2とした。
その結果、図9に示すように、衝突の衝撃により、阻止棒1は回動部材(不図示)を介して車両50の進行方向に折れ曲がり、車両50が通過した。通過後の車両には全く損傷は見られず、また、長尺袋体10の形状及び表面状態にも変化はなく損傷は見られなかった。さらに、支持筒体21と支持筒体固定部材22の縫着部分、支持筒体21と長尺袋体10の装着状態、その他の部材にも変化は認められなかった。
実験例2は、車両50の速度を実験例1より低速の20〜22km/hとして試験を行った。
車両50の速度を20〜22km/hとした以外は、すべて実験例1と同様の条件で長尺袋体10に衝突させる試験を行った。
その結果、図10に示すように、長尺袋体10が支持筒体21との境界部分で折れ曲がり、長尺袋体10の先端部分が車両50の車体と擦れ合いつつ車両が通過した。
その結果、図11に示すように、車両50の通過後は、すべてが完全に復元し、実験例1の結果と同様、通過後の車両には全く損傷は見られず、また、長尺袋体10の形状及び表面状態にも変化はなく損傷は見られなかった。
試験例3は、実施例1の阻止棒1を阻止棒2に替えて、試験を行った。
すなわち、阻止棒2を阻止機40に取り付け、車両50の速度を実験例1及び2より高速の48〜52km/hとして試験を行った。
車両50の速度を48〜52km/hとした以外は、すべて実験例1及び2と同様の条件で長尺袋体10に衝突させる試験を行った。
その結果、長尺袋体10が支持筒体61との境界部分で折れ曲がることなく、長尺袋体10が車両50の車体と衝突後、車両50が通過した。
その結果、図11に示すように、車両50の通過後は、すべてが完全に復元し、実験例1及び2の結果と同様、通過後の車両には全く損傷は見られず、また、長尺袋体10の形状及び表面状態にも変化はなく損傷は見られなかった。
高速で衝突させても、損傷がなくすべてが完全に復元したのは、支持筒体61の側面に、支持筒体固定部材62を取り付けて構成したこと及び長尺袋体の空気圧を1.9kg/cm2と高圧にしたこと、更に、外側長尺袋体11の外面が軟質で、且つ、滑りやすいことに起因していると考えられる。
Claims (6)
- 車両の通行を許可するときは垂直状態となって該通行を許容し、該車両の通行を拒否するときは水平状態となって該通行を阻止する阻止棒と、
該阻止棒を連結部材を介して上下方向に回動し、前記垂直状態または前記水平状態に保持する阻止機と、
を有する有料道路の料金所における阻止装置であって、
前記阻止棒は、気体を圧縮充填した長尺袋体を有することを特徴とする阻止装置。 - 前記阻止棒は、前記長尺袋体と、該長尺袋体を支持する支持部材とからなり、
該長尺袋体は、該支持部材に着脱自在に挿着されていることを特徴とする請求項1に記載の阻止装置。 - 阻止機によって上下方向に回動して垂直状態または水平状態に保持され、車両の通行を許可するときは前記垂直状態となって該通行を許容し、該車両の通行を拒否するときは前記水平状態となって該通行を阻止する有料道路の料金所における阻止棒であって、
気体を圧縮充填した長尺袋体を有することを特徴とする阻止棒。 - 前記長尺袋体は、内側長尺袋体と、該内側長尺袋体の外面を覆う外側長尺袋体との二層構造に形成されて成ることを特徴とする請求項3に記載の阻止棒。
- 前記内側長尺袋体は、形状保持性を有する素材で形成され、
前記外側長尺袋体は、柔軟性を有する素材で形成されたことを特徴とする請求項4に記載の阻止棒。 - 前記阻止棒の表面には、通行車両に対して注意を喚起するための注意喚起表示部が備えられている請求項3乃至5のうちのいずれか1項に記載の阻止棒。
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