JP2009043515A - 電池用電極、その製造方法および前記電池用電極を有する電池 - Google Patents

電池用電極、その製造方法および前記電池用電極を有する電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 信頼性の高い電池と、該電池を構成し得る電池用電極およびその製造方法とを提供する。
【解決手段】 本発明の電池用電極は、集電体の片面または両面に活物質含有層を形成してなる電池用電極であって、前記集電体の長手方向に平行な端部の少なくとも一方が前記活物質含有層の形成されていない活物質含有層非形成部であり、活物質含有層非形成部の少なくとも一部が、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜で被覆されている電池用電極である。また、本発明の電池は、正極、負極、およびセパレータより構成されてなる巻回式電極群を電池容器内に有する電池であって、正極および負極の少なくとも一方が本発明の電池用電極であり、電池用電極の集電を行うための集電板と、電池用電極の活物質含有層非形成部とが、溶接されてなるものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、大電流での放電が要求される用途にも好適な電池と、該電池を構成し得る電池用電極およびその製造方法に関するものである。
近年、電動工具、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動バイク、電動アシスト自転車などのように、高出力の電源を必要とする電気機器に対して、前記電源として、軽量かつ高容量の電池の使用が検討されている。
前記のような高出力タイプの電源に用いられる電池では、例えば携帯電話やデジタルカメラなどの小型携帯機器に用いられる電池に比べて、瞬時に流れる電流が非常に大きいため、電池内での電流を取り出す部分の構造を、大電流に耐え得るものにする必要がある。
前記のように、大電流に耐え得る構造の一例として、例えば、特許文献1〜4に示されているように、電極の片側の端部の集電体を露出させ、電極の集電を行うための集電板と、前記集電体の露出部とを直接接合した所謂タブレス構造が提案されている。
特開昭61−281457号公報 特開平7−6749号公報 特開平10−188997号公報 特開平11−31497号公報
電池内の電流を取り出す部分の構造を前記のタブレス構造とする場合、前記集電板と電極の集電体とを接合する方法には、カシメなどの機械的接合法や、超音波溶接、レーザー溶接、抵抗溶接などの溶接法などを採り得るが、接合部の強度をより高める場合には、溶接法を採用するのが一般的である。
しかしながら、前記集電板と電極の集電体との溶接を行う場合、強い密着力を得ようとして溶接の強度を上げると、電極の集電体などにダメージを与えてしまい、集電体が千切れて飛び散る所謂「チリ」が発生することがある。このようなチリが電池内部に残留すると、内部短絡の要因となり、電池の信頼性が損なわれることがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性の高い電池と、該電池を構成し得る電池用電極およびその製造方法とを提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電池用電極は、集電体の片面または両面に活物質含有層を形成してなる電池用電極であって、前記集電体の長手方向に平行な端部の少なくとも一方が前記活物質含有層の形成されていない活物質含有層非形成部であり、前記活物質含有層非形成部の少なくとも一部が、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜(以下、「電気絶縁性の被膜」と省略する場合がある)で被覆されていることを特徴とするものである。
また、本発明の電池用電極の製造方法は、本発明の電池用電極を製造するに当たり、集電体の活物質含有層非形成部に、樹脂架橋体を生成するための樹脂またはモノマー化合物を含有する組成物を塗布し、熱、紫外線および電子線よりなる群から選択される少なくとも1種を用いて樹脂架橋体を合成して、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜を形成することを特徴とする。
更に、本発明の電池は、正極、負極、およびセパレータより構成されてなる巻回式電極群を電池容器内に有する電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方が本発明の電池用電極であり、前記電池用電極の集電を行うための集電板と、前記電池用電極の活物質含有層非形成部とが、溶接されてなることを特徴とするものである。
なお、本発明の電池用電極に形成される200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜における「200℃以上の耐熱性」とは、被膜に200℃に加熱した金属棒を押し当てた場合に、破膜などの物理的破壊が起こらないことを意味し、また、「電気絶縁性」とは、体積抵抗率が10Ωcm以上であることを意味している。
本発明によれば、信頼性の高い電池と、該電池を構成し得る電池用電極およびその製造方法とを提供できる。本発明の電池は、大電流での放電が必要とされる用途にも、好ましく用いることができる。
図1に、電池内の電流を取り出す部分の構造を前記のタブレス構造とする従来の電池を構成するための電極群の構成の一例を模式的に示している。図1では、正極1、セパレータ3、負極2の順に、これらを重ねて電極群を構成した様子を示しており、電極群に係るこれらの構成要素の理解を容易にする目的で、負極2およびセパレータ3の図中左端の部分を切り欠いた状態で示している。
図1中、正極1における1aは活物質含有層、1bは活物質含有層非形成部であり、負極2における2aは活物質含有層、2bは活物質含有層非形成部である。
タブレス構造を有する電池を作製するに当たっては、例えば、まず、図1に示すように、正極1と負極2とを、セパレータ3を介し、かつ正極1の活物質含有層非形成部1bと、負極2の活物質含有層非形成部2bとがはみ出るように重ね、更にこれらを渦巻状に巻回して巻回式電極群を作製する。そして、この巻回式電極群を中空状の電池容器内に挿入し、前記巻回式電極群の正極および負極における活物質含有層非形成部と、集電を行うための集電板とを溶接し、電池容器の上部および下部の開口端部に電池蓋および底板を、カシメや溶接などにより取り付ける。
ここで、巻回式電極群の正極および負極における活物質含有層非形成部と、集電を行うための集電板とを溶接する際に前記のチリが発生した場合、このチリは溶接により高温になっていることから、巻回式電極群のセパレータと接触すると、セパレータの一部を溶融させるなどして、セパレータを突き破ってしまい、かかるセパレータの破れが、電池の内部短絡の原因となる。こうした前記のチリによるセパレータの破れは、セパレータのうち、活物質含有層非形成部と対向する部分で最も生じ易い。
そこで、本発明の電池用電極では、活物質含有層非形成部の少なくとも一部を、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜で被覆している。すなわち、前記のチリによって、セパレータの活物質含有層非形成部と対向する部分に破れが生じても、活物質含有層非形成部を被覆している被膜は、通常のセパレータよりも耐熱性が高く、チリによる破れが生じ難いため、前記被膜により被覆されている活物質含有層非形成部と、対極との間の絶縁を維持し得ることから、電池の内部短絡を抑制することができ、信頼性の高い電池を構成することが可能となる。
図2に本発明の電池用電極を正極および負極に用いた電極群の構成の一例を示している。図2においても、図1と同様に、電極群に係る各構成要素の理解を容易にする目的で、負極2およびセパレータ3の図中左端の部分を切り欠いた状態で示している。
本発明の電池用電極は、その活物質含有層非形成部1b、2bの少なくとも一部が、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜4で被覆されている必要があるが、図2に示すように、活物質含有層非形成部1b、2bのうち、少なくとも電池内において対極と対向することが予定されている部分が、電気絶縁性の被膜で被覆されていることが好ましい。前記のチリによるセパレータの破れの問題は、電池内における活物質含有層非形成部と対極とが対向する部分において、特に生じ易いからである。
すなわち、図2では、正極1の活物質含有層非形成部1bのうち、負極2と対向する部分が、電気絶縁性の被膜4で被覆されている。なお、図2では、負極2の活物質含有層非形成部2bは、電気絶縁性の被膜4で被覆されていないが、図示していない負極2の裏面の活物質含有層非形成部2bのうち、電池内において正極1と対向する部分が、電気絶縁性の被膜4で被覆されている。
他方、本発明の電池用電極においては、集電体の長手方向に平行な端部における活物質含有層非形成部のうち、エッジ部(すなわち、集電体の長手方向に平行な端部における厚み方向の端面)は、電気絶縁性の被膜で被覆されておらず、集電体が露出していることが好ましい。前記エッジ部は集電を行うための集電板との溶接部となるため、電気絶縁性の被膜がない方が、溶接がより容易となるからである。
よって、本発明の電池用電極においては、集電体の長手方向に平行な端部における活物質含有層非形成部のうち、エッジ部を除く全部分を電気絶縁性の被膜で被覆してもよい。
本発明の電池用電極は、集電体の片面または両面に活物質含有層を有するものであるが、活物質含有層中の成分や集電体の種類については、かかる電池用電極を用いて構成する電池の種類や、電池用電極を正極に使用するか負極に使用するか、などに応じて適宜設定することができ、従来公知の各種電池に用いられている活物質含有層の成分や集電体を、そのまま適用することができる。
本発明の電池用電極を非水電解質電池(リチウムイオン電池)の負極に用いる場合について説明する。集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが好ましい。
また、負極の活物質含有層に含有させる活物質(負極活物質)については、従来公知の非水電解質電池に用いられている負極活物質であれば特に制限は無い。例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、またはチタン酸リチウムなどの酸化物でリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。
前記の負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤などを適宜添加した負極合剤を、前記の負極集電体を芯材として、その片面または両面に層状に成形して活物質含有層を形成したり、前記の各種合金やリチウム金属の箔を、負極集電体の片面または両面に貼り付けて活物質含有層を形成したりし、また、必要に応じてカレンダー処理や熱処理などを施すことで、非水電解質電池用の負極とすることができる。
負極の活物質含有層の厚みは、20〜100μmであることが好ましい。
次に、本発明の電池用電極を非水電解質電池の正極に用いる場合について説明する。集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極の活物質としては、例えば、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mnなど)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物;LiMnなどのリチウムマンガン酸化物;LiMnのMnの一部を他元素で置換したLiMn(1−x);オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe);LiMn0.5Ni0.5;Li(1+a)MnNiCo(1−x−y)(−0.1<a<0.1、0<x<0.5、0<y<0.5);などを適用することが可能であり、これらの正極活物質に公知の導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどの結着剤などを適宜添加した正極合剤を、集電体を芯材として、その片面または両面に層状に成形して活物質含有層を形成し、また、必要に応じてカレンダー処理や熱処理などを施すことで、非水電解質電池用の正極とすることができる。
正極の活物質含有層の厚みは、20〜100μmであることが好ましい。
なお、正極、負極のいずれの場合においても、活物質含有層非形成部の幅は、0.1mm以上であることが好ましく、また、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
本発明に係る電気絶縁性の被膜は、前記の耐熱性および電気絶縁性を有しており、電池内部での充放電による酸化還元の影響を受けず、電池の有する電解液に対する耐性、すなわち、有機電解液に対しては耐溶剤性、アルカリ電解液に対しては耐アルカリ性、があれば、いずれの材料で構成することもできる。具体的には、後記の各種有機樹脂、すなわち、架橋ポリメタクリル酸メチル(架橋PMMA)などの架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの樹脂架橋体;セルロースおよびその誘導体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエステル[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など]、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアラミドなどの耐熱性の有機樹脂;が例示できる。また、これらの樹脂(高分子)架橋体や耐熱性の有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)であってもよい。
電気絶縁性の被膜は、前記例示の各種材料の中でも、樹脂架橋体を構成要素とすることが好ましく、樹脂架橋体を構成する樹脂成分が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂より選ばれた少なくとも1種であることがより好ましい。また、後述する本発明の電極を製造する方法の説明の箇所で述べるように、これらの樹脂成分が、熱、紫外線、電子線などにより、架橋構造を形成したり、重合しつつ架橋構造も形成したりする特性を有するものであることが更に好ましい。
熱、紫外線、電子線などにより架橋構造を形成するために用い得る材料としては、例えば、二重結合を1分子あたり2個以上有するモノマーが使用できる。具体的には、二重結合を1分子あたり2個有するモノマーとして、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート[「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの両者を意味する。以下同じ。]、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ノボラックジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能アクリレートおよび2官能メタクリレートなどが挙げられる。
また、二重結合を1分子あたり3個有するモノマーとして、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの3官能アクリレートおよび3官能メタクリレートなどが挙げられる。更に、二重結合を1分子あたり4個以上有するモノマーとして、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上のアクリレートおよび4官能以上のメタクリレートなどが挙げられる。
また、熱、紫外線、電子線などにより架橋構造を形成するために用い得る材料として、前記の他にも、ウレタンアクリレート;エポキシアクリレート;ポリエステルアクリレート;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼンなどのオキセタン類;などを用いることもできる。
また、電気絶縁性の被膜には、前記例示の各種有機樹脂で構成される微粒子を含有させることもできる。電気絶縁性の被膜に有機樹脂の微粒子を用いる場合には、その平均粒径は被膜の厚みよりも小さいことが好ましく、より具体的には、平均粒径が膜厚の1/2以下であることが好ましい。また、電気絶縁性の被膜中での有機樹脂の微粒子の分散性を考慮すると、その平均粒径は、100nm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
なお、本明細書でいう微粒子(前記の有機樹脂の微粒子や後記の無機微粒子)の平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、微粒子を膨潤させたり溶解したりしない媒体(例えば水)に、これら微粒子を分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる。
また、電気絶縁性の被膜には、200℃以上の耐熱性を有する無機微粒子(以下、「無機微粒子」と省略する場合がある)を含有させることも好ましい。電気絶縁性に被膜に200℃以上の耐熱性を有する無機微粒子を含有させることで、電気絶縁性の被膜の耐熱性をより確実に高めることができる。
なお、本明細書でいう「200℃以上の耐熱性を有する無機微粒子」における「200℃以上の耐熱性」とは、少なくとも200℃において、熱分解などの化学的変化を起こさないことを意味している。
200℃以上の耐熱性を有する無機微粒子の具体例としては、例えば、酸化鉄、SiO(シリカ)、Al(アルミナ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物微粒子;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの窒化物微粒子;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶物質の微粒子;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶性物質の微粒子;タルク、モンモリロナイトなどの粘土の微粒子;ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイトなどの鉱物資源由来物質またはそれらの人造物の微粒子;などが挙げられる(なお、粘土の微粒子や、鉱物資源由来物質またはそれらの人造物の微粒子の中には、無機酸化物微粒子に含まれ得るものもある)。これらの中でも、無機酸化物微粒子がより好ましく、シリカ、アルミナ、ベーマイトから選ばれる少なくとも1種の微粒子が更に好ましい。
無機微粒子の形状には特に制限は無く、いずれの形状の無機微粒子も用いることができる。すなわち、球状、粒状、板状、針状などの各種形状の無機微粒子を用い得るが、球状、粒状の無機微粒子がより好ましい。これら無機微粒子の平均粒径は、前述した有機樹脂の微粒子を用いる場合と同様に、電気絶縁性の被膜の膜厚よりも小さいことが好ましく、より具体的には、電気絶縁性の被膜の膜厚の1/2以下であることが好ましく、また、100nm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
電気絶縁性の被膜を形成する方法としては、例えば、前記の有機樹脂を適当な溶媒に溶解した溶液を、電極の活物質含有層非形成部に塗布する方法;有機樹脂の水分散体(所謂エマルジョン)を、電極の活物質含有層非形成部に塗布する方法;有機樹脂の前駆体(前記の架橋構造を形成するための用い得る材料として例示したモノマー、マクロモノマーなど)を必要に応じて適当な溶媒(水や有機溶媒)に溶解したり分散させたりした状態の液を、電極の活物質含有層非形成部に塗布し、その後、熱、紫外線、電子線などを照射するなどして、化学反応により被膜を形成する方法;などが例示できる。このような方法を採用する場合、必要に応じて、塗膜から溶媒や分散媒を乾燥などにより除去して、電気絶縁性の被膜を形成することができる。
また、電気絶縁性の被膜に前記の有機樹脂の微粒子や無機微粒子を含有させるには、前記の有機樹脂などを含有する溶液や分散液に、前記の有機樹脂の微粒子や無機微粒子を含有させ、これを用いて電気絶縁性の被膜を形成すればよい。
電気絶縁性の被膜を形成するための前記溶液やエマルジョンを活物質含有層非形成部に塗布する際に用いる装置としては、従来公知の塗布装置、例えばダイコーター、ワイヤーバーコーター、リバースロールコーター、スプレーコーターなどの塗布装置が挙げられる。
本発明の電池用電極において、電気絶縁性の被膜は、集電体上に活物質含有層を形成する前に形成してもよく、活物質含有層を形成した後や、更にカレンダー処理、熱処理などを施した後に形成してもよい。更には、活物質含有層を形成する際に同時に電気絶縁性の被膜を形成しても構わない。
また、電気絶縁性の被膜は、活物質含有層と部分的に重なるような状態で形成してもよい。活物質含有層と電気絶縁性の被膜とが重なる部分では、活物質含有層が集電体と接していてもよく、電気絶縁性の被膜が活物質含有層に接していてもよい。
ただし、電気絶縁性の被膜がイオン伝導性を有しない場合には、活物質含有層と電気絶縁性の被膜との重なる部分が大きくなると、容量低下を引き起こす虞があることから、活物質含有層と電気絶縁性の被膜との重なる部分は、できるだけ小さくすることが好ましく、活物質含有層非形成部における活物質含有層との境界部分を電気絶縁性の被膜で十分に被覆できるのであれば、活物質含有層と電気絶縁性の被膜との重なる部分は設けないことが好ましい。
他方、電気絶縁性の被膜がイオン伝導性を有する場合には、活物質含有層と電気絶縁性の被膜との重なる部分を設けても、容量を損なう虞がない。電気絶縁性の被膜にイオン伝導性を付与するには、電気絶縁性の被膜を多孔質としたり、イオン伝導性を有するポリマー電解質(例えば、架橋アクリル樹脂の一部)で電気絶縁性の被膜を形成したりする方法が挙げられる。
なお、電気絶縁性の被膜を多孔質とするには、例えば、電気絶縁性の被膜を形成するための前記の溶液や分散液に、特定の溶媒に溶解する成分(樹脂や有機塩、無機塩など)を含有させておき、一旦電気絶縁性の被膜を形成した後に、前記成分を前記特定の溶媒によって溶解除去する方法などが採用できる。
電気絶縁性の被膜の厚みは、活物質含有層の厚み以下であることが好ましく、具体的には、1〜20μmであることが好ましい。
また、本発明の電池用電極には、必要に応じて、アルミナ、シリカなどの無機酸化物といった、高耐熱性の絶縁物粒子をトップコートすることも可能である。トップコート層は、電気絶縁性の被膜と別に設けても良いし、前述したようなイオン伝導性の被膜であれば、トップコート層と電気絶縁性の被膜を兼ねることもできる。
なお、電池用電極の作製方法としては、生産効率を向上するために、一旦広幅の電極を作製し、それを電池のサイズにあった幅にスリットすることが一般的であるが、本発明の電池用電極においても同様に、一旦広幅の電極を作製した後にスリットするプロセスを用いることが可能である。
その際、本発明の電池用電極では、電極の長手方向に平行に活物質の存在しない活物質含有層非形成部を設ける必要がある。そのため、広幅の電極を作製する工程を経て本発明の電池用電極を作製するには、例えば、以下の方法を適用することができる。まず図3に示すように、活物質含有層と活物質含有層非形成部が、最終的に作製する電池用電極に必要な幅の2倍の幅で交互に存在するストライプ状となるように集電体上に活物質含有層を形成する。その後、図4に示すように、活物質含有層非形成部の必要な箇所に電気絶縁性の被膜を形成する。そして、図5に示すように、活物質含有層の形成部の中間部分および活物質含有層非形成部の中間部分でスリットする。なお、図3、図4および図5において、aはスリット後の電池用電極における活物質含有層非形成部の幅であり、bはスリット後の電池用電極における活物質含有層の幅(活物質含有層の形成部の幅)である。
次に、本発明の電池用電極を用いた電池(本発明の電池)について説明する。本発明の電池用電極を用いて電池を構成するに当たっては、本発明の電池用電極を正極、負極、または正極と負極の両方に使用する。そして、正極と負極とをセパレータを介して重ね、渦巻状に巻回した巻回式電極群とする。よって、本発明の電池用電極を用いる電池は、巻回式電極群を使用する態様のものであればよく、例えば円筒形、角形(角筒形)、ラミネートフィルム外装体を使用するラミネート形などのいずれの態様の電池とすることもできる。
本発明の電池用電極を他の電極と組み合わせて巻回式電極群を構成する場合、前記他の電極は、例えば、電気絶縁性の被膜を有しない他は本発明の電池用電極と同様の構造を有する電極や、従来公知のタブによる集電を行う電極が挙げられる。
なお、セパレータには、従来公知の電池に使用されている不織布、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)製の微多孔膜などを用いることができ、また、耐熱性を有する微多孔膜を用いることも可能である。
次に、円筒形の電池の場合について、その作製方法の一例を具体的に説明する。図2に示すように本発明の電池用電極を含む2つの電極(正極1および負極2)の間にセパレータ3を介在させて重ねた電極群を、渦巻状に巻回して巻回式電極群を構成する。次に、図6に示すように、巻回式電極群5を中空円筒状の外装缶(電池容器)6に挿入する。外装缶6の材質は、従来公知のステンレス鋼(SUS)、ニッケルめっき鋼、アルミニウム、銅などを用いることができる。
巻回式電極群5を外装缶6に挿入した後、巻回式電極群5の上部および下部に、図7に示すような構造の集電板7を溶接して、図8に示すような状態とする。図7に示す構造の集電板7を用いる場合には、巻回式電極群に係る正極および負極の活物質含有層非形成部(集電体の露出部)と、集電板7の折り曲げ部分9とを溶接することで、集電を行う構成にすることができる。集電板と巻回式電極群との溶接は、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接などが適用できるが、溶接箇所が非常に小さいため、より精度よく溶接できるレーザー溶接が特に好ましい。なお、集電板7における8は、電池の外部端子や外部端子と接続したリード体などと、溶接などにより電気的に接続するためのタブである。
なお、本発明の電池では、前記の通り、巻回式電極群に係る正極および/または負極に本発明の電池用電極を使用していることから、巻回式電極群と集電板との溶接強度を強固にしつつ、前記のチリによる内部短絡の発生を抑制できる。そのため、本発明の電池は、大電流での放電が要求されるような用途に好適な構成とすることが可能である。
次に、巻回式電極群に溶接した集電板のうち、電池下部となる方の集電板に電池缶底板を溶接し、更に、外装缶と電池缶底板とを溶接するか、またはかしめることで、電池缶底を封口する。その後、電池上部となる方の集電板と電池蓋を溶接する。ここで用いる電池蓋には、必要に応じて、適時電池の内圧が上昇した際に正負極間の電流を遮断する電流遮断ベント、電池の内圧が上昇した際に内圧を逃がすための開裂ベント、電池の温度が上昇した際に電流を遮断するヒューズ素子(PTC素子)などの安全機構を設けることができる。
次に、電池上部より電解液を注液する。本発明の電池に用いられる電解液としては、従来公知のアルカリ電池やリチウムイオン電池(非水電解質電池)に用いられている各種電解液(アルカリ電解液や非水電解液)を用いることができる。リチウムイオン電池用電解液としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの1種のみからなる有機溶媒、あるいは2種以上の混合溶媒に、例えば、LiClO、LiPF、LiBF 、LiAsF 、LiSbF 、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種を溶解させることによって調製したものが使用される。このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、前記の有機溶媒の代わりに、エチル−メチルイミダゾリウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、へプチル−トリメチルアンモニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、ピリジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、グアジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミドといった常温溶融塩を用いることもできる。
更に、前記の電解液にPVDF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、PAN、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、主鎖または側鎖にエチレンオキシド鎖を含む架橋ポリマー、架橋したポリ(メタ)アクリル酸エステルといった公知のゲル電解質形成可能なホストポリマーを用いてゲル化した電解質を用いることもできる。
電解液を注液した後、電池蓋をカシメまたは溶接により封口することで本発明の電池を得ることができる。
なお、これまで図2〜図8を用いて本発明の電池用電極および本発明の電池を説明したが、これらの図面は本発明の一例を示しているに過ぎず、本発明の電池用電極および電池は、図2〜図8に示すものに限定される訳ではない。また、図2〜図8は、本発明の電池用電極および電池の構成などを説明するための図であって、各構成要素のサイズなどは必ずしも正確ではない。
本発明の電池は、大電流の放電が要求されるような用途に好適な構成としつつ、高い信頼性を有するものとできることから、電動工具、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動バイク、電動アシスト自転車などのように、高出力の電源を必要とする電気機器の電源用途を始めとして、従来公知の電池が適用されている用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:85質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質量部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、図3に示すように、両端部の活物質含有層非形成部の幅(a)が10mm、活物質含有層の幅(2×b)が96mm、隣り合う活物質含有層間に位置する活物質含有層非形成部の幅(2×a)が幅20mmになるように塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が95μmになるように正極活物質含有層の厚みを調整した。
次に、電気絶縁性被膜形成用塗料として、トリメチロールプロパントリメタクリレート:10質量部、アルミナ(Al、平均粒径0.4μm):30質量部、および1−ヒドロキシーシクロヘキシル−フェニルケトン:0.2質量部を混合してスラリーを調製し、図4に示すように、活物質含有層の形成部の両隣の活物質含有層非形成部上に8mmの幅で前記スラリーを塗布し、直ちに紫外線を照射して重合および架橋反応を行い、厚みが10μmの電気絶縁性の被膜を形成した。
次に、図5に示すように、活物質含有層形成部分の中央および隣り合う活物質含有層間に位置する活物質含有層非形成部の中央でスリットして、活物質含有層の幅が48mm、活物質含有層非形成部の幅が10mmで、幅8mmの電気絶縁性の被膜を有する正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質である黒鉛:95質量部とカルボキシメチルセルロース(CMC)とを溶解した水溶液を混合したスラリーに、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)を主成分とするラテックスを分散させ、CMCとSBRの固形分がそれぞれ5質量部となるように調整して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚さ10μmの集電体の両面に、図3に示す正極と同様に、両端部の活物質含有層非形成部の幅(a)が10mm、活物質含有層の幅(2×b)が100mm、隣り合う活物質含有層間に位置する活物質含有層非形成部の幅(2×a)が幅20mmになるように塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が90μmになるように負極活物質含有層の厚みを調整した。
次に、正極で使用したものと同じ電気絶縁性被膜形成用塗料を、図4に示す正極と同様に、活物質含有層の形成部の両隣の活物質含有層非形成部上に8mmの幅で塗布し、直ちに紫外線を照射して重合および架橋反応を行い、厚みが10μmの電気絶縁性の被膜を形成した。
次に、図5に示す正極と同様に、活物質含有層形成部分の中央および隣り合う活物質含有層間に位置する活物質含有層非形成部の中央でスリットして、活物質含有層の幅が50mm、活物質含有層非形成部の幅が10mmで、幅8mmの電気絶縁性の被膜を有する負極を得た。
<電池の作製>
前記の正極と負極と厚み25μmのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータとを、図2に示したような配置で積層し、渦巻状に巻回して巻回式電極群を作製した。得られた渦巻状巻回式電極群を、直径18mm、長さ650mmの中空状のSUS缶に挿入し、図7に示す構造の下部集電板をレーザー溶接により巻回式電極群に係る負極の活物質含有層非形成部と接合した。その後、電池缶底板と下部集電板を溶接し、更に電池缶底板をレーザー溶接により外装缶に溶接し電池下部を封口した。
次に、電池上部の上から15mmの位置にグルービングを設けた。更に、図7に示す構造の上部集電板を、下部集電板と同様にレーザー溶接により巻回式電極群に係る正極の活物質含有層非形成部と接合した。次に、電流遮断ベント、開裂ベント、PTC素子を備えた電池蓋と上部集電板を溶接し、電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを1:2の体積比で混合した溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させた溶液)を注入したのち、電池蓋をかしめることにより封口して、電池(非水電解質電池)を得た。
実施例2
アルミナに代えてベーマイト(平均粒径2.0μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして電気絶縁性被膜形成用塗料を調製し、この塗料を用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
実施例3
PVDFのNMP溶液(PVDF濃度:12質量%):100質量部、および架橋PMMA(平均粒径4μm):12質量部を容器に入れ、ディスパーで、2800rpmの条件で1時間攪拌してスラリー状の電気絶縁性被膜形成用塗料を調製し、この塗料を用いた以外は、実施例1と同様にして厚みが10μmの電気絶縁性の被膜を有する正極を得た。
前記の正極と、電気絶縁性の被膜を形成しない他は実施例1と同様にして作製した負極とを用いた以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
比較例1
電気絶縁性の被膜を形成しない他は実施例1と同様にして作製した正極および負極を用いた以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
実施例1〜3の電池に用いたものと同じ正極および負極に係る電気絶縁性の被膜について、200℃に加熱した銅製の棒を押し当てて耐熱性の試験を行ったところ、いずれも破膜を生じず、200℃以上の耐熱性を有することが確認できた。
また、実施例1〜3および比較例1の電池について、下記の充放電効率評価および貯蔵試験を行った。これらの結果を表1に示す。
<充放電効率評価>
実施例1〜3および比較例1の電池各100個について、0.2Cでの定電流充電(4.2Vまで)と4.2Vでの定電圧充電による充電(定電流充電と定電圧充電の合計時間15時間)の後、3.0Vまで、0.2Cで放電を行い、充放電効率を求めた。なお、充放電効率が95%以下のものは不良電池とし、良品のみの充放電効率の平均値を各電池の充放電効率とした。
<貯蔵試験>
前記の充放電効率評価で良品と判定された電池について、0.2Cでの定電流充電(4.2Vまで)と4.2Vでの定電圧充電による充電(定電流充電と定電圧充電の合計時間15時間)を行い、その後室温で3週間放置し、開回路電圧(OCV)の変化を測定した。OCVの変化率が5%以上のものを不良とし、良品の比率を求めた。
Figure 2009043515
表1から分かるように、実施例1〜3の電池は、貯蔵試験後の良品の比率が比較例1の電池よりも高く、電極に形成した電気絶縁性の被膜による信頼性の向上が確認できる。また、実施例1〜3の電池は、充放電効率が比較例1と同等であり、実用レベルにある。
タブレス構造を有する従来の電池に係る電極群の構成例を示す模式図である。 本発明の電池用電極を用いて構成した電極群の一例を示す模式図である。 本発明の電池用電極の作製方法の一例を説明するための模式図である。 図3の次工程を説明するための模式図である。 図4の次工程を説明するための模式図である。 本発明の電池の作製方法の一例を説明するための模式図である。 本発明の電池に係る集電板の一例を示す模式図である。 図6の次工程を説明するための模式図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
1a、2a 活物質含有層
1b、2b 活物質含有層非形成部
3 セパレータ
4 電気絶縁性の被膜
5 巻回式電極群
6 外装缶
7 集電板

Claims (9)

  1. 集電体の片面または両面に活物質含有層を形成してなる電池用電極であって、
    前記集電体の長手方向に平行な端部の少なくとも一方が前記活物質含有層の形成されていない活物質含有層非形成部であり、前記活物質含有層非形成部の少なくとも一部が、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜で被覆されていることを特徴とする電池用電極。
  2. 集電体の活物質含有層非形成部のエッジ部では、前記集電体が露出している請求項1に記載の電池用電極。
  3. 活物質含有層非形成部のうち、少なくとも、電池内において対極と対向することが予定されている部分が、電気絶縁性の被膜で被覆されている請求項1または2に記載の電池用電極。
  4. 電気絶縁性の被膜は、樹脂架橋体を構成要素とするものである請求項1〜3のいずれかに記載の電池用電極。
  5. 樹脂架橋体が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびエポキシ樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂の架橋体である請求項4に記載の電池用電極。
  6. 電気絶縁性の被膜は、無機酸化物を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の電池用電極。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電池用電極を製造するにあたり、
    集電体の活物質含有層非形成部に、樹脂架橋体を生成するための樹脂またはモノマー化合物を含有する組成物を塗布し、熱、紫外線および電子線よりなる群から選択される少なくとも1種を用いて樹脂架橋体を合成して、200℃以上の耐熱性を有する電気絶縁性の被膜を形成することを特徴とする電池用電極の製造方法。
  8. 正極、負極、およびセパレータより構成されてなる巻回式電極群を電池容器内に有する電池であって、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用電極であり、前記電池用電極の集電を行うための集電板と、前記電池用電極の活物質含有層非形成部とが、溶接されてなるものであることを特徴とする電池。
  9. 電池用電極の活物質含有層非形成部と集電板とがレーザー溶接されてなるものである請求項8に記載の電池。
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