JP2006179367A - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電池用電極を製造するにあたって、得られる電極の内部抵抗をより一層低減させうる手段を提供する。
【解決手段】電池用電極の製造時に電極合材を調製するにあたって、比較的粒子径の小さい導電材30と活物質粒子10とをまず混合し、その後に比較的粒子径の大きい導電材40をさらに添加する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電池用電極の製造方法に関する。特に本発明は、リチウムイオン二次電池の出力特性を向上させるための改良に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している(例えば、特許文献1を参照)。
かような電池においては、より優れた出力特性を発揮させることを目的として、種々の技術が提案されている。
例えば、リチウム二次電池の電極における内部抵抗の低減を目的として、正極活物質と、球状黒鉛及び繊維状炭素を主成分とした導電材とを混練して正極合材を調製し、集電体に塗布することによって、電池用の正極を形成する手法が開示されている(特許文献2を参照)。
特開2003−7345号公報 特開平11−345607号公報
しかしながら、前記文献2に記載されているように、電極合材の調製時に、活物質粒子と導電材成分とをただ単に混合するのみでは、得られる正極の内部抵抗が充分に低減されないという問題があった。
よって、電池用の電極における内部抵抗をさらに低減させて、出力特性に優れる電池を製造すべく、さらなる改良技術の開発が望まれているのが現状である。
そこで本発明は、電池用電極を製造するにあたって、得られる電極の内部抵抗をより一層低減させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、電極合材を調製するにあたって、比較的粒子径の小さい導電材と活物質粒子とをまず混合し、その後に比較的粒子径の大きい導電材を添加することで、製造される電極の出力特性を向上させうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも活物質粒子と、第1の導電材と、を混合することにより、第1の電極合材を調製する工程と、少なくとも前記第1の導電材よりも平均粒子径の大きい第2の導電材と、前記第1の電極合材と、を混合することにより、第2の電極合材を調製する工程と、前記第2の電極合材を集電体の表面に塗布する工程と、を有する、電池用電極の製造方法である。
本発明の方法により電池用電極を製造すると、得られる電極の内部抵抗がより一層低減されうる。このため、本発明の製造方法は、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本発明は、少なくとも活物質粒子と、第1の導電材と、を混合することにより、第1の電極合材を調製する工程と、少なくとも前記第1の導電材よりも平均粒子径の大きい第2の導電材と、前記第1の電極合材と、を混合することにより、第2の電極合材を調製する工程と、前記第2の電極合材を集電体の表面に塗布する工程と、を有する、電池用電極の製造方法である。
本発明の効果について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、従来の電池用電極の製造方法により製造される電極の活物質層における活物質粒子周辺の状態を示す概略図である。図2は、本発明の電池用電極の製造方法により製造される電極の活物質層における活物質粒子周辺の状態を示す概略図である。なお、これらの図面においては、活物質粒子および導電材の粒子のみを図示し、活物質層に含まれうる他の成分は図示しない。他の成分としては、後述するように、バインダやイオン伝導性ポリマーなどが例示される。また、これらの図面は誇張して記載されており、各成分の大きさの比率は、実際とは異なる。
従来の電池用電極の製造方法においても、活物質層の導電性を向上させる目的で、導電材20が配合されている。しかしながら、従来の製造方法においては、活物質粒子10と導電材20とをただ単に混合することによって、電極合材を調製していた。このため、活物質層においては、図1に示すように、活物質粒子10の表面に接触しない導電材20(例えば、図1中の20’)が一定の割合で存在し、無駄が生じてしまうという問題があった。このため、活物質層における導電性を有効に確保するためには、本来必要とされる量よりも多くの導電材20を配合しなければならず、製造コストの高騰につながっていた。
これに対し、本発明の製造方法では、後に詳述するが、活物質粒子10を比較的粒子径の小さい導電材(第1の導電材)30とまず混合し、次いで比較的粒子径の大きい導電材(第2の導電材)40と混合するという手法を採用する。かような手法により製造される電極の活物質層は、図2に示すような構造をとるものと考えられる。かような構造をとることで、活物質粒子10と最初に混合した第1の導電材30により活物質粒子10の表面が被覆され、反応に関与しうる面積が有効に確保されうる。また、第1の導電材30により被覆されてなる活物質粒子10どうしが、第2の導電材40により電気的に接続され、活物質粒子10間の導電パスが有効に形成されうる。従って、本発明の製造方法によれば、得られる電極の内部抵抗がより一層低減されうる。さらに、活物質粒子に接触しない導電材の割合を低減させうるため、製造コストの点からも、有益である。以上のことから、本発明の製造方法は、製造コストを削減しつつ、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうる。ただし、図2に示すような構造が得られる場合のみに本発明の技術的範囲が制限されるわけではない。
以下、本発明の製造方法の好ましい形態につき、リチウムイオン二次電池用電極を製造する場合を例に挙げて、工程順に説明する。ただし、本発明の製造方法は、その他の二次電池(例えば、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池など)に対しても適用されうる。場合によっては、一次電池に適用されてもよい。
[第1の電極合材の調製]
本工程においては、少なくとも活物質粒子と、第1の導電材とを混合することにより、第1の電極合材を調製する。本工程において調製される第1の電極合材は、後述する工程において第2の導電材と混合されて第2の電極合材とされる。
第1の電極合材を調製するにあたっては、まず、活物質粒子と、第1の導電材とを準備する。なお、本明細書において、電極合材および導電材に冠せられる「第1の」および「第2の」という語は、電極合材については必須の成分が異なることを示す目的で、導電材については平均粒子径が相対的に異なることを示す目的で、便宜的に用いられている。従って、電極合材および導電材のいずれについても、「第1の」および「第2の」という序列自体に格別な意味はない。
準備される活物質粒子を構成する材料は、リチウムイオンを吸蔵および放出しうる材料であればよい。その具体的な形態は特に制限されず、電池の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
一例を挙げると、正極活物質としては、例えば、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、例えば、LiMn、LiMnO、LiMnOなどのリチウム−マンガン系複合酸化物、LiNiOなどのリチウム−ニッケル系複合酸化物、LiCoOなどのリチウム−コバルト系複合酸化物、LiFePOなどのリチウム鉄リン酸化合物、LiMnPOなどのリチウムマンガンリン酸化号物、LiVなどのリチウム−バナジウム系複合酸化物、LiTiなどのリチウム−チタン系複合酸化物、その他のLiM(Mは遷移金属元素であり、xおよびyは定比および不定比を含む)などのリチウム複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、例えば、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物や、カーボンが好ましい。カーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。
活物質粒子の平均粒子径については、特に制限はないが、活物質としての反応性およびサイクル耐久性などの観点から、好ましくは1〜20μmである。この平均粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などを用いて観察することにより測定されうる。
活物質粒子の形状は球状の形態のみに制限されず、板状、針状、柱状、角状などの形態であってもよい。粒子の形状は、所望の電池特性(例えば、充放電特性やサイクル耐久性など)を考慮して適宜選択されうる。粒子の形状が球状以外の場合には粒子の形状が一様ではないため、かような場合には粒子の絶対最大長を粒子の平均粒子径とする。ここで「絶対最大長」とは、図3に示すように、粒子50の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離(図3中のL)をいう。絶対最大長を測定する際には、電子顕微鏡写真の一定の領域中に存在する各粒子の絶対最大長の平均値を用いることが好ましい。あるいは、本発明に用いる活物質粒子を篩分けにより選別する場合には、篩分けに用いる篩の篩い目(メッシュスルーサイズまたはメッシュパスサイズ)を絶対最大長として採用してもよい。粒子の形状および平均粒子径に関するこの説明は、後述する第1の導電材および第2の導電材に対しても妥当する。なお、活物質粒子は、1次粒子が凝集してなる2次粒子であってもよい。
活物質粒子としては、自ら調製したものを用いてもよいし、商品が市販されている場合には、商品を購入して用いてもよい。
一方、第1の導電材を準備する。本発明において「導電材」とは、電極の活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。また「第1の導電材」とは、後述する「第2の導電材」よりも平均粒子径が相対的に小さい導電材である。
第1の導電材を構成する材料は、導電性を有する材料であればよく、その具体的な形態は特に制限されない。第1の導電材を構成する材料について一例を挙げると、例えば、炭素材料が挙げられる。炭素材料としては、グラファイト(粒状、鱗片状、繊維状、針状など)、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブなどが例示される。ただし、これらの形態のみには制限されず、その他の炭素材料が用いられても勿論よい。活物質粒子の表面を有効に被覆するという観点からは、第1の導電材は粒状であることが好ましい。
第1の導電材を構成する材料の他の例としては、金属材料が挙げられる。金属材料としては、金、白金、銀、ニッケル、亜鉛、およびコバルトなどが例示される。ただし、これら以外の金属材料が用いられても勿論よい。
第1の導電材の平均粒子径は、後述する第2の導電材と比較して小さければよく、その具体的な形態は特に制限されない。活物質粒子との混合によって活物質粒子を被覆し、活物質粒子表面の反応面積を有効に確保するという観点から、第1の導電材の平均粒子径は、0.1μm以下であることが好ましい。ただし、この範囲を外れる平均粒子径を有する導電材が、第1の導電材として用いられても、勿論よい。
第1の導電材としては、自ら調製したものを用いてもよいし、商品が市販されている場合には、商品を購入して用いてもよい。このことは、後述の第2の導電材についても、同様である。
続いて、上記で準備した活物質粒子および第1の導電材を混合する。これにより、第1の電極合材が調製される。従って、第1の電極合材は、活物質粒子および第1の導電材を必須の成分として含む。
活物質粒子および第1の導電材を混合する手段については特に制限はなく、電池の製造分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、ボールミルやジェットミルといった手段を用いることにより、混合が行われうる。
本発明のより好ましい形態においては、上記の混合手段として、メカノケミカル反応を利用する。すなわち、第1の電極合材を調製するにあたって、上記で準備した活物質粒子および第1の導電材を、メカノケミカル反応を用いて混合するとよい。かような混合手法を用いることで、2次粒子として凝集している第1の導電材を1次粒子に粉砕することができ、第1の導電材が活物質粒子の周囲に集中して存在するように、活物質粒子と第1の導電材とを一体化させることが可能となる。このため、活物質層において活物質粒子から離れて存在し、導電性の向上に貢献できない導電材の割合をより一層低減させることが可能となる。
メカノケミカル反応を用いて活物質粒子および第1の導電材を混合する手法は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、特開平10−162825号公報に記載のような、圧縮磨砕式粉砕機を用いる手法が例示される。ただし、かような形態のみには制限されず、その他の手法が用いられてもよいことは勿論である。
混合条件についても特に制限はなく、適宜設定することが可能である。混合時の温度および圧力は、例えば、常温および常圧に設定されうる。また、混合時間についても、混合に充分な時間に設定すればよく、例えば、数分〜数時間程度である。
本工程において混合される活物質粒子と第1の導電材との混合比は、特に制限されない。前記混合比は、製造される電極、または前記電極が用いられる電池についての所望の性能を考慮することにより、適宜決定されうる。
[第2の電極合材の調製]
本工程においては、少なくとも上記の第1の導電材よりも平均粒子径の大きい第2の導電材と、上記の工程において調製した第1の電極合材とを混合することにより、第2の電極合材を調製する。本工程において調製される第2の電極合材は、後述する工程において集電体の表面に塗布され、電極とされる。
第2の電極合材を調製するにあたっては、まず、上記で調製した第1の電極合材と、第2の導電材とを準備する。
本工程において用いられる第1の電極合材の好ましい形態については、上記の[第1の電極合材の調製]の欄において説明したため、ここでは説明を省略する。
一方、第2の導電材を準備する。「導電材」の定義は、上記の第1の導電材と同様である。そして、「第2の導電材」は、上記の「第1の導電材」よりも平均粒子径が相対的に大きい導電材である。
第2の導電材を構成する材料についても、導電性を有する材料であればよく、その具体的な形態は特に制限されない。第2の導電材の構成材料の例としては、上記の第1の導電材の欄において例示した材料が同様に挙げられる。
第2の導電材の平均粒子径は、上記の第1の導電材と比較して大きければよく、その具体的な形態は特に制限されない。上記で調製した第1の電極合材との混合によって、第1の導電材により被覆されてなる活物質粒子間に導電パスを有効に形成するという観点から、第2の導電材の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましい。一方、後述する工程により集電体の表面に形成される活物質層の平坦性を確保するという観点から、第2の導電材の平均粒子径は、活物質粒子の最大粒子径以下であることが好ましい。かような形態によれば、活物質層の平坦性が確保され、不揃いな活物質層表面に起因する、短絡や活物質層の部分的な劣化の進行といった問題の発生が抑制されうる。なお、「活物質粒子の最大粒子径」とは、活物質層に含まれる活物質粒子の粒子径のうち、最大のものをいう。また、上記の範囲を外れる平均粒子径を有する導電材が、第2の導電材として用いられても、勿論よい。
続いて、上記で準備した第1の電極合材および第2の導電材を混合する。これにより、第2の電極合材が調製される。従って、第2の電極合材は、第1の電極合材に含まれる活物質粒子および第1の導電材、並びに第2の導電材を必須の成分として含む。
第1の電極合材および第2の導電材を混合する手段についても特に制限はなく、電池の製造分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、上記と同様に、ボールミルやジェットミルといった手段を用いることにより、混合が行われうる。
この際、第1の電極合材と第2の導電材とをより均一に分散させるためには、例えば、第1の電極合材を適当な溶媒中に分散させ、得られた分散液中に第2の導電材をさらに添加して、上記の混合手段により混合するとよい。溶媒は、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。ただし、その他の溶媒が用いられても、勿論よい。
また、本工程において、上述したようなメカノケミカル反応を利用して第1の電極合材と第2の導電材とを混合してもよい。かような手法によれば、充放電サイクル耐久性に優れる電極が製造されうる。メカノケミカル反応を用いた混合の手法については、上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。なお、混合手段としてメカノケミカル反応を利用する場合には、上記のような溶媒を添加しなくとも、均一性に優れる第2の電極合材が調製されうる。場合によっては、メカノケミカル反応を用いて混合した後に、NMP等の適当な溶媒中に分散させて、スラリー状の電極合材としてもよい。
本工程において混合される第1の電極合材と第2の導電材との混合比についても、特に制限されない。前記混合比も、上記と同様に、製造される電極、または前記電極が用いられる電池についての所望の性能を考慮することにより、適宜決定されうる。
第2の電極合材を調製する際には、その他の成分を添加してもよい。その他の成分としては、例えば、バインダ、イオン伝導性ポリマー、支持電解質であるリチウム塩、および重合開始剤などが挙げられる。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオレフィン類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。なお、活物質層に含まれるイオン伝導性ポリマーは、本発明の電極が採用される電池の電解質層において電解質として用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
リチウム塩(支持電解質)としては、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(熱重合用)やベンジルジメチルケタール(BDK)(光重合用)等が挙げられる。
これらのその他の材料の添加量は特に制限されず、適宜調整されうるが、第2の電極合材に含まれる固形分の全量に対して、通常3〜10質量%程度である。ただし、これらの成分が含まれる形態のみに、本発明の技術的範囲が限定されることはない。
上記のその他の材料を第2の電極合材中に添加する手法およびタイミングは特に制限されず、所望の混合性や電池性能、作業性などを考慮して、適宜選択すればよい。ただし、上述した第1の電極合材と第2の導電材とをメカノケミカル反応を用いて混合する形態が採用される場合には、第1の電極合材および第2の導電材に加えて、上記のバインダをもメカノケミカル反応により混合するとよい。これにより、さらに充放電サイクル耐久性に優れる電極が製造されうる。また、場合によっては、イオン伝導性ポリマーやリチウム塩、重合開始剤などの成分についても、メカノケミカル反応を用いて第1の電極合材および第2の導電材と混合してもよい。
[集電体表面への塗布]
本工程においては、上記の工程において調製した第2の電極合材を、集電体の表面に塗布する。また、必要に応じて、塗布した塗膜に乾燥処理などを施す。これにより、集電体の表面に電極の活物質層が形成され、電極が完成する。
本工程においては、まず、上記で調製した第2の電極合材と、集電体とを準備する。
本工程において用いられる第2の電極合材の好ましい形態については、上記の[第2の電極合材の調製]の欄において説明したため、ここでは説明を省略する。なお、上記の工程において、第2の電極合材を粉末状などの固形状の形態で調製した場合には、後述する塗布工程における作業性を考慮すると、第2の電極合材をNMP等の適当な溶媒中に添加することにより、スラリー状の形態とすることが好ましい。
一方、集電体を準備する。
準備する集電体の具体的な形態は特に制限されず、電池の分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。集電体は、例えばアルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。また、集電体の一般的な厚さは、10〜50μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。集電体の大きさは、電極の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
続いて、上記で準備した第2の電極合材を、同じく上記で準備した集電体の表面に塗布する。後述の図4に示すような電池に用いるための電極を製造するには、準備した正極用の集電体(正極集電体)の両側の表面に、正極活物質粒子を含む第2の電極合材を塗布すればよい。そして、準備した負極用の集電体(負極集電体)の両側の表面に、負極活物質粒子を含む第2の電極合材を塗布すればよい。一方、バイポーラ型の電池(バイポーラ電池)に用いるための電極(バイポーラ電極)を製造するには、準備した集電体の一方の面に、正極活物質を含む第2の電極合材を塗布し、他方の面に、負極活物質を含む第2の電極合材を塗布すればよい。
集電体の表面への第2の電極合材の塗布量は、特に制限されず、所望の活物質層の厚さを考慮して、適宜調整されうる。なお、形成される活物質層の厚さについても特に制限はないが、通常は数〜数十μm程度である。
第2の電極合材を集電体の表面に塗布するための具体的な手法は特に制限されず、電池の製造分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。例えば、ダイコーターやバーコーターなどのコーターにより塗布してもよい。また、スクリーン印刷やインクジェット印刷などの種々の印刷法を用いてもよい。
ここで、第2の電極合材中に、イオン伝導性ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれる場合には、上記の塗布工程後に、種々の方法により塗膜中のイオン伝導性ポリマーを重合(架橋)させる。この際の重合(架橋)方法は特に制限されず、第2の電極合材中に含まれる重合開始剤の種類に応じて適宜選択されうる。例えば、熱重合、光(紫外線)重合、放射線重合、電子線重合等が挙げられる。重合(架橋)させるための装置および条件は特に制限されず、従来公知の装置および条件が用いられうる。
また、必要であれば、上記で形成された塗膜に乾燥処理を施し、溶媒を除去してもよい。乾燥処理の具体的な形態についても特に制限はなく、溶媒を除去するのに充分な温度および時間が適宜設定されうる。なお、上記の重合処理が熱処理の場合のように、重合処理において溶媒が除去されてしまう場合には、別途の乾燥処理を施す必要性は少ない。
さらに、上記の方法により製造された電極にプレス操作を行ってもよい。このプレス操作を行うことで、得られる電極の表面をより平坦化させることが可能となる。前記プレス操作に用いられる装置および条件は特に制限されず、従来公知の装置および方法が適宜用いられうる。
なお、工業的な生産過程においては、生産性を向上させるために、最終的な電池のサイズよりも大きい電極を作製し、これを所定の大きさにカットする工程を採用してもよい。
以上説明した手法により、リチウムイオン二次電池用電極が製造されうる。この電極は、リチウムイオン二次電池に採用される。この際、本発明により製造された電極は、電池の正極および負極のいずれに用いられてもよい。正極に用いるための電極を製造する場合には、活物質として正極活物質を採用し、負極に用いるための電極を製造する場合には、活物質として負極活物質を採用すればよい。なお、正極活物質として上記で例示した材料は、いずれも導電性をほとんど有しない。これに対し、負極活物質として例示した材料のうち、カーボンなどは導電性を有する。従って、本発明の製造方法は、導電性に劣る活物質を含む電極の製造に、特に有用である。換言すれば、本発明の製造方法は、リチウムイオン二次電池用正極の製造に、特に有用である。
(電池)
以下、本発明の製造方法により製造された電極が用いられる電池の好ましい形態について説明するが、以下の形態のみに制限されない。
図4は、本発明の製造方法により製造された電極が用いられる薄型のリチウムイオン二次電池(以下、単に「薄型電池」とも称する)の全体を示す平面図である。
図4は1つの薄型電池(単位電池)を示し、この薄型電池100を複数積層することにより所望の電圧、容量の組電池が構成されうる。
まず図4を参照しながら、薄型電池100の全体構成について説明すると、図4に示す薄型電池100は、3枚の正極板101と、7枚のセパレータ102と、3枚の負極板103と、正極端子104と、負極端子105と、上部電池外装106と、下部電池外装107と、特に図示しない電解質とから構成されている。正極板101、セパレータ102、および負極板103の枚数は何ら限定されない。正極板101、負極板103、およびセパレータ102の枚数は、所望の電池容量等の電池性能に応じて適宜選択されうる。
図5は、3枚の正極板101と、7枚のセパレータ102と、3枚の負極板103とを有する薄型電池100の内部を具体的に示す。図5に示すように、本実施形態の正極板101は、正極端子104へと正極リード104cを介して接続される正極集電体104aと、この正極集電体104aの両面に形成された正極活物質層104bとを有する。同じく、負極板102は、負極端子105へと負極リード105cを介して接続される負極集電体105aと、この負極集電体105aの両面に形成された負極活物質層105bとを有する。また、正極板101の正極活物質層104bと負極板102の負極活物質層105bとの間には、セパレータ102がそれぞれ介在している。
図4および図5に示す薄型電池100において用いられる正極板101および負極板102は、上述した本発明の電池用電極の製造方法により製造された電極である。このため、従来の製法により製造された電極と比較して、活物質層(図5中の正極活物質層104bおよび負極活物質層105b)における内部抵抗が低減されている。このため、図5に示す薄型電池100は、出力特性に優れる。なお、図5に示す薄型電池100において用いられる正極板101および負極板102を構成する集電体(正極集電体104aおよび負極集電体105a)の組成等の具体的な形態は、上記の製造方法の欄において説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
セパレータ102は、上述した正極板101と負極板103との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えてもよい。セパレータ102は、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって膜の空孔が閉塞され電流を遮断する機能をも有する。なお、本発明のセパレータ102としては、ポリオレフィンなどからなる単層膜に限られず、ポリプロピレン層をポリエチレン層でサンドイッチした三層構造や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布との積層構造などが用いられてもよい。セパレータ102を複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能およびセパレータの形状維持(剛性向上)機能などの諸機能がセパレータ102に付与されうる。また、セパレータ102の代わりにゲル電解質または真性ポリマー電解質等からなる電解質層を採用してもよい。
以上の正極板101と負極板103とが、当該正極板101と当該負極板102との間にセパレータ102が介在するように交互に積層され、さらに、その最上部および最下部にセパレータ102が一枚ずつ積層される。そして、正極板101のそれぞれの正極集電体104aは、正極リード104cを介して金属箔製の正極端子104に接続される。一方、負極板103のそれぞれの負極集電体105aは、負極リード105cを介して同じく金属箔製の負極端子105に接続される。なお、正極端子104も負極端子105も電気化学的に安定した金属材料であれば特に限定されないが、正極端子104は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金などの材料から構成され、負極端子105は、例えばニッケル、銅またはステンレスなどの材料から構成される。また、図5に示す形態では、正極集電体104aおよび負極集電体105aのいずれも、正極板101および負極板103の集電体を構成するアルミニウム箔やニッケル箔、銅箔等の導電性箔を延長することにより構成されているが、別途の材料や部品により当該集電体104a,105aを構成してもよいことは勿論である。
以上の正極板101、負極板103、セパレータ102等からなる電池要素108は、上部電池外装106および下部電池外装107により封止されている。これら上部電池外装106および下部電池外装107は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂フィルムや、アルミニウムなどの金属箔の両面がポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂でラミネートされてなる樹脂−金属薄膜ラミネート材など、柔軟性を有する材料で形成されている。
そして、これらの上部電池外装106および下部電池外装107によって、上述した正極板101、負極板103、セパレータ102、正極側集電体104a、正極端子104の一部、負極側集電体105aおよび負極端子105の一部を包み込み、当該電池外装106、107により形成される空間に、有機液体溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム等のリチウム塩を溶質として含む液体電解質を注入し、上部電池外装106および下部電池外装107の外周縁を熱融着などの方法により封止する。液体電解質に溶質として含まれるリチウム塩はこれらに制限されず、本発明の電極の製造方法において電極合材中に添加されうるリチウム塩として上記で例示したリチウム塩が同様に用いられうる。その他のリチウム塩が用いられても、勿論よい。
電池外装に封入される液体電解質の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのエステル系溶媒が挙げられる。ただし、その他の溶媒が用いられてもよい。例えば、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他を配合した溶媒を用いてもよい。
なお、封止された電池外装106、107の一方の端部から、正極端子104が導出するが、正極端子104の厚さ分だけ上部電池外装106と下部電池外装107との接合部に隙間が生じることから、薄型電池100内の封止性を維持するために、当該正極端子104と電池外装106、107とが接触する部分に、ポリエチレンやポリプロピレンから構成されたシールフィルムを熱融着などの方法により介在させてもよい。同様に、封止された電池外装106、107の他方の端部からは、負極端子105が導出するが、ここにも正極端子104側と同様に、当該負極端子105と電池外装106、107とが接触する部分にシールフィルムを介在させてもよい。なお、正極端子104および負極端子105のいずれにおいても、シールフィルムは電池外装106,107を構成する樹脂と同系統の樹脂から構成することが熱融着性の点から望ましい。
図4および図5に示す薄型電池100を複数個接続し、組電池としてもよい。これにより、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。組電池を製造する際の具体的な形態は特に制限されず、組電池について現在用いられている公知の知見が採用されうる。
参考までに、図4および図5に示す薄型電池100を用いた組電池の一例を、図6に示す。図6に示すように、組電池200は、図4および図5に記載の薄型電池100が複数個接続されることにより構成される。各薄型電池100の正極端子104および負極端子105がバスバーを用いて接続されることにより、各薄型電池100が接続されている。組電池200の一の側面には、組電池200全体の電極として、電極ターミナル(210、220)が設けられている。
組電池200を構成する複数個の薄型電池100を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池200の長期信頼性が向上しうる。
上述したように、図4および図5に示す薄型電池100は出力特性に優れることから、図6に示す組電池200によれば、図4および図5に示す薄型電池100を用いて組電池化することにより、高出力の電池が提供されうる。
なお、組電池200を構成する薄型電池100の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、複数個全て直列に接続してもよく、また、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。さらに、図6に示す組電池を複数個接続して、複合組電池としてもよい。
上記の薄型電池100(図5を参照)および組電池200(図6を参照)は、モータにより車輪を駆動する車両に搭載されて、モータ駆動用電源として機能しうる。薄型電池100または組電池200をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などが挙げられる。
参考までに、図7に、組電池200を搭載する自動車300の概略図を示す。自動車300に搭載される組電池200は、上述したように、出力特性に優れる。このため、組電池200を搭載する自動車300は、充分な出力を発揮することができ、優れた走行性能を提供しうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
まず、正極合材を調製するための原料として、活物質粒子であるリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)粒子(平均粒子径:5μm)、第1の導電材であるカーボンブラック粒子(平均粒子径:0.1μm)、第2の導電材であるグラファイト粒子(平均粒子径:3μm)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を準備した。
続いて、上記で準備した活物質粒子(85質量部)および第1の導電材(8質量部)を常温および常圧の条件下で、ミキシング装置(乾式粉体混合機)を用いて30分間撹拌混合し、第1の正極合材を調製した。さらに、調製した第1の正極合材を、PVdF(5質量部)を溶解させた適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に添加し、湿式混合機を用いて混合することにより均一に分散させて、スラリー状とした。
上記で準備した第2の導電材を、同じく上記で調製したスラリー状の第1の正極合材中に添加し、混合により均一に分散させて、第2の正極合材を調製した。
上記で調製した第2の正極合材を、正極集電体の表面に塗布し、乾燥させて、正極を完成させた。
実施例2
第1の正極合材を調製する際に、前記活物質粒子と前記第1の導電材とをメカノケミカル反応を用いて混合したこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、第1の正極合材および第2の正極合材を調製し、正極を製造した。
実施例3
上記の実施例2においてメカノケミカル反応を用いて調製した前記第1の正極合材と、上記で準備した第2の導電材とを、上記の実施例2と同様にメカノケミカル反応を用いて混合して第2の正極合剤を調製し、得られた第2の正極合剤を、PVdFを溶解させた適量のNMP中に添加し、混合により均一に分散させて、スラリー状とした。
得られたスラリー状の第2の正極合剤を、正極集電体の表面に塗布し、乾燥させて、正極を完成させた。
比較例
準備した活物質粒子、第1の導電材、および第2の導電材を常温および常圧の条件下で30分間混合し、得られた混合物を、PVdFを溶解させた適量のNMP中に添加したこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、正極合材を調製し、正極を製造した。
試験例
上記の各実施例および比較例において製造したそれぞれの正極を用い、適当な負極およびセパレータを準備して電池セルを作製し、当該電池セルの出力特性を評価した。
具体的には、まず、作製した電池セルを所定の電圧(3.7V)に設定し、10分間放置して、温度および電圧を安定させた。次いで、1Cの電流にて10秒間放電させ、放電後の電圧を計測した。
電池セルを再度、所定の電圧(3.7V)に設定し、10分間放置して、温度および電圧を安定させた。次いで、2Cの電流にて10秒間放電させ、放電後の電圧を計測した。
上記と同様に、3Cの電流でも放電を行い、放電後の電圧を計測した。なお、かような電圧の計測は、1C、2Cおよび3Cのそれぞれについて3回ずつ行った。
得られた放電電流と電圧との関係をグラフ上にプロットし、プロットした点を直線近似して電池セルのI−V特性を求めた。さらに、当該特性に基づいて、放電開始から10秒後の電圧が所定の下限電圧(ここでは2.5V)に達する場合の放電電流値を算出した。
上記で算出した放電電流値と所定の下限電圧(2.5V)の値とを乗算し、さらにセルの質量で除算することにより、出力密度を算出した。
それぞれの正極を用いた電池セルについて得られた出力密度の結果を図8に示す。なお、図8において、縦軸は各電極について測定された出力密度の相対値である。
図8に示す結果から、本発明の製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、出力特性に優れる電極が製造されうることがわかる。これは、正極活物質と、粒子径の比較的小さい第1の導電材とを混合して第1の正極合材をまず調製することにより、活物質粒子が第1の導電材により被覆されて活物質粒子表面における反応面積が有効に確保され、その後、粒子径の比較的大きい第2の導電材とさらに混合することで、活物質粒子間の導電パスが有効に形成され、これらの結果として、電極の活物質層における内部抵抗の低減が図られるためであると推測される。なお、各実施例において製造された正極の活物質層を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、上記で図2に概念的に示した構造にほぼ近い構造が確認された。
以上より、本発明の製造方法は、電池の出力特性の向上に有効に寄与しうることが示唆される。
従来の電池用電極の製造方法により製造される電極の活物質層における活物質粒子周辺の状態を示す概略図である。 本発明の電池用電極の製造方法により製造される電極の活物質層における活物質粒子周辺の状態を示す概略図である。 粒子の粒径を測定する際に用いる絶対最大長を説明するための解説図である。 本発明の製造方法により製造された電極が用いられる薄型電池の全体を示す平面図である。 図4に示すV−V線に沿った断面図である。 図4および図5に示す薄型電池を用いた組電池の一例を示す図である。 図6に示す組電池を搭載する自動車の概略図である。 本発明の実施例および比較例において製造された正極について測定された出力密度の結果を示す図である。
符号の説明
10 活物質粒子、
20 導電材、
20’ 活物質粒子の表面に接触しない導電材、
30 第1の導電材、
40 第2の導電材、
50 粒子、
100 薄型電池、
101 正極板、
102 セパレータ、
103 負極板、
104 正極端子、
104a 正極集電体、
104b 正極活物質層
104c 正極リード、
105 負極端子、
105a 負極集電体、
105b 負極活物質層、
105c 負極リード、
106 上部電池外装、
107 下部電池外装、
108 電池要素、
200 組電池、
210、220 電極ターミナル、
300 自動車、
L 最大の距離。

Claims (7)

  1. 少なくとも活物質粒子と、第1の導電材と、を混合することにより、第1の電極合材を調製する工程と、
    少なくとも前記第1の導電材よりも平均粒子径の大きい第2の導電材と、前記第1の電極合材と、を混合することにより、第2の電極合材を調製する工程と、
    前記第2の電極合材を集電体の表面に塗布する工程と、
    を有する、電池用電極の製造方法。
  2. 前記第1の導電材および前記第2の導電材を構成する材料が炭素である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 電池用正極の製造方法である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記第1の電極合材を調製する工程が、前記活物質粒子と前記第1の導電材とをメカノケミカル反応を用いて混合する工程を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記第2の電極合材を調製する工程が、前記第2の導電材と前記第1の電極合材とをメカノケミカル反応を用いて混合する工程を有する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記第2の電極合材を調製する工程が、前記第2の導電材と前記第1の電極合材とバインダとをメカノケミカル反応を用いて混合する工程を有する、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記第1の導電材の平均粒子径が0.1μm以下であり、前記第2の導電材の平均粒子径が1μm〜前記活物質粒子の最大粒子径である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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