JP2009041497A - エンジン始動装置 - Google Patents

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仁司 伴
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裕之 谷尻
Itaru Miyata
及 宮田
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Abstract

【課題】エンジン始動時におけるピニオンギヤの回転軸の心ずれを抑制でき、その軸受部材からの振動伝達を効果的に低減できるエンジン始動装置の提供を課題とする。
【解決手段】エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤ40に対して回転軸方向に移動することで噛合及び離脱可能とされたピニオンギヤ30と、ピニオンギヤ30の回転軸28を、軸受部材32を介して支持するハウジング12と、軸受部材32とハウジング12との間に設けられ、噛合時に回転軸28の正規軸心位置への移動を許容可能な緩衝部材34と、を備えたエンジン始動装置10とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン始動装置に関する。
エンジン始動時には、スターターのピニオンギヤをクランクシャフトに連結されたリングギヤに噛合させ、そのクランクシャフトを回転駆動させるが、このとき、ピニオンギヤとリングギヤとの噛合作用力により発生する振動伝達により、クランキング音が発生してしまう問題がある。
そのため、スターターのハウジングと、ピニオンギヤの回転軸を支持する軸受部材との間に少なくとも2層をなす防振層を設け、その2層をなす防振層のうち、一方の防振層を他方の防振層よりも高硬度で変形し難い材料で構成したものが従来に提案されている(例えば、特許文献1参照)。このスターターでは、エンジン始動時の大きな噛合作用力を、硬度が高くて変形し難い一方の防振層で受け止める構造になっており、これによって、ピニオンギヤの回転軸の心ずれを抑制し、その軸受部材から振動が伝達されるのを防止するようにしている。
しかしながら、このように、一方の防振層が硬度の高い変形し難い構成であると、エンジン始動時に発生する振動伝達の大きな低減効果は期待できない。また、大きな振動伝達低減効果を得るためには、その一方の防振層の硬度を低くして、その変形が大きくなるようにすれば良いが、この場合は、ピニオンギヤの回転軸の心ずれが大きくなってリングギヤに対する噛合が悪化してしまう。そして、その結果、噛合作用力が増大するため、振動伝達低減効果が限定的となってしまう問題がある。
特開昭59−134376号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、エンジン始動時におけるピニオンギヤの回転軸の心ずれを抑制でき、その軸受部材からの振動伝達を効果的に低減できるエンジン始動装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のエンジン始動装置は、エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤに対して回転軸方向に移動することで噛合及び離脱可能とされたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの回転軸を、軸受部材を介して支持するハウジングと、前記軸受部材と前記ハウジングとの間に設けられ、前記噛合時に前記回転軸の正規軸心位置への移動を許容可能な緩衝部材と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ピニオンギヤの回転軸の軸受部材とハウジングとの間に、リングギヤとの噛合によりピニオンギヤに噛合作用力が働いたときに、その回転軸が正規軸心位置へ移動できるように構成された緩衝部材を設けたので、エンジン始動時における回転軸の心ずれを抑制できるとともに、その噛合作用力によって発生する軸受部材からの振動伝達を効果的に低減することができる。したがって、その振動伝達によるクランキング音の発生を抑制することができる。なお、「正規軸心位置」とは、リングギヤに対するピニオンギヤの回転(駆動)トルクの伝達効率が適正となるように設計上設けられる軸心位置である。
また、本発明に係る請求項2に記載のエンジン始動装置は、エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤに対して回転軸方向に移動することで噛合及び離脱可能とされたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの回転軸を、軸受部材を介して支持するハウジングと、前記軸受部材と前記ハウジングとの間に設けられ、前記噛合時に前記回転軸の正規軸心位置への移動を許容可能な緩衝部材と、前記緩衝部材と前記ハウジングとの間に設けられ、該緩衝部材を回動可能に支持する支持軸受部材と、前記ハウジングに一端が連結されるとともに前記緩衝部材又は前記支持軸受部材の回動部に他端が連結され、前記噛合時に前記緩衝部材の回動を規制する規制部材と、を備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、ピニオンギヤの回転軸の軸受部材とハウジングとの間に、リングギヤとの噛合によりピニオンギヤに噛合作用力が働いたときに、その回転軸が正規軸心位置へ移動できるように構成された緩衝部材を設けたので、エンジン始動時における回転軸の心ずれを抑制できるとともに、その噛合作用力によって発生する軸受部材からの振動伝達を効果的に低減することができる。したがって、その振動伝達によるクランキング音の発生を抑制することができる。
また、その緩衝部材は、規制部材により規制されつつ、回動可能に構成されているので、回転軸の移動の自由度が向上されている。したがって、噛合作用力が働いていないときにも、噛合作用力が働いているときと同様に、回転軸を正規軸心位置に配置することが可能となる。これにより、回転軸の心ずれをより一層抑制することができ、その軸受部材からの振動伝達によるクランキング音の発生をより一層抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、エンジン始動時におけるピニオンギヤの回転軸の心ずれを抑制でき、その軸受部材からの振動伝達を効果的に低減できるエンジン始動装置を提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。図1は本発明に係るエンジン始動装置であるスターターのピニオンギヤ付近の構成を示す概略側断面図であり、図2はリングギヤとピニオンギヤの回転軸方向から見た概略正面図である。また、図3は第1実施例のピニオンギヤの軸受構造を示す概略側断面図であり、図4は第1実施例のピニオンギヤの軸受構造の作用を示す概略正面図である。なお、各図において、矢印UPを上方向、矢印FRを前方向とし、ピニオンギヤ30及びリングギヤ40の回転軸方向を前後方向と同方向とする。
まず最初に、スターター(エンジン始動装置)10の概略構成を簡単に説明する。図1で示すように、自動車等の車両のエンジン(図示省略)を始動させるスターター10は、通常、ハウジング12の内部に、金属製のピニオンギヤ30を回転駆動させるモーター14と、そのピニオンギヤ30を回転軸方向(前後方向)にスライド移動させ、金属製のリングギヤ40に対して噛合及び離脱させるマグネットスイッチ16と、を備えている。
モーター14の回転軸28には、回転軸方向(前後方向)にスライド移動可能なスライド部材22が遊嵌されており、スライド部材22の前側にはクラッチ部24を介してピニオンギヤ30が取り付けられている。そして、そのクラッチ部24よりも後側のスライド部材22は回転不能に構成されており、クラッチ部24よりも前側のピニオンギヤ30は、モーター14の回転駆動力により回転可能に構成されている。なお、回転軸28の前端部側は、後述する軸受部材32及び緩衝部材34を介してハウジング12に回転可能に支持されている。
マグネットスイッチ16は、前後方向(回転軸方向)に伸縮可能なプランジャー18を有しており、そのプランジャー18の前端部には、上下方向に延在するドライブレバー20の一端部20Aが接続されている。そして、ドライブレバー20の他端部20Bは、クラッチ部24よりも後側の回転不能とされたスライド部材22に接続されている。
また、ドライブレバー20の中途部20Cは、ハウジング12内において、前後方向(回転軸方向)に延在する支持部材26の前端部に枢支されており、ドライブレバー20の一端部20Aと他端部20Bは、その中途部20Cを中心に、互いに反対方向(前後逆方向)に揺動可能とされている。このドライブレバー20の揺動により、ピニオンギヤ30が回転軸方向(前後方向)にスライド移動可能となる構成である。
また、図2で示すリングギヤ40は、モーター14の回転軸28と平行に設けられたクランクシャフト(図示省略)に、ドライブプレート(フライホイール)(図示省略)を介して取り付けられており、回転軸方向(前方向)にスライド移動したピニオンギヤ30と噛合可能な位置関係に配設されている。なお、リングギヤ40は、ピニオンギヤ30よりも大径とされ、その歯数は、例えばピニオンギヤ30が略10歯に対して、リングギヤ40が略100歯とされている。
以上のような構成のスターター10において、次にピニオンギヤ30の軸受構造の第1実施例について説明する。図3で示すように、ピニオンギヤ30を回転駆動するモーター14の回転軸28の前端部は、ハウジング12に軸受部材32と緩衝部材34を介して支持されている。すなわち、ハウジング12に形成された軸収容部12A内に筒状の緩衝部材34が圧入等により装着されており、その緩衝部材34の内周部に筒状の軸受部材32が装着されている。そして、その軸受部材32の内周部に回転軸28の前端部が挿通されることで、その回転軸28の前端部がハウジング12に支持されるようになっている。
したがって、緩衝部材34の外径は、軸収容部12Aの内径より大きく形成され、軸受部材32の外径は、緩衝部材34の内径より大きく形成されている。そして、回転軸28の外径は、軸受部材32の内径と略同径に形成されている。また、図3で示す軸受部材32と緩衝部材34は、軸方向の長さが同一とされているが、緩衝部材34の軸方向の長さは、軸受部材32の軸方向の長さ以上とされることが望ましい。また、緩衝部材34は、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどの軟質弾性材料で構成され、後述するように、回転軸28(軸受部材32)の径方向の移動を許容できるように構成されている。
また、図4(A)で示すように、回転軸28(軸受部材32)は、緩衝部材34に対して、予めその軸心がずれるようにして取り付けられている。つまり、ピニオンギヤ30がリングギヤ40に噛合して回転駆動したとき(後述する噛合作用力Fが加えられたとき)には、回転軸28の軸心が、その噛合作用力Fによって移動する(それに伴って緩衝部材34も変形する)。したがって、初期状態(噛合作用力Fが加えられていないとき)において、緩衝部材34に対する軸受部材32の取付位置(回転軸28の軸心位置)は、予めその回転軸28の軸心の移動量(偏心量)分、正規軸心位置から、その移動方向と逆の方向へ偏心されている。
以上のような構成の第1実施例の軸受構造において、次にその作用について説明する。まず、イグニッションスイッチ(図示省略)を操作してスターター10をONにすると、マグネットスイッチ16の接点が閉じ、プランジャー18の前端部が後方向へ移動する。すると、ドライブレバー20の一端部20Aが後方向へ移動し、中途部20Cを中心に、ドライブレバー20の他端部20Bが前方向へ移動する。
これにより、ドライブレバー20の他端部20Bが接続されているスライド部材22が前方向に移動し、ピニオンギヤ30が回転軸方向前方側へスライド移動してリングギヤ40に噛合する。ピニオンギヤ30がリングギヤ40に噛合すると、図2で示すように、モーター14によって矢印A方向(図示の時計方向)に回転駆動されているピニオンギヤ30によって、リングギヤ40がピニオンギヤ30とは逆方向(矢印B方向)に回転する。
このとき、ピニオンギヤ30には、リングギヤ40との噛合により、図示の矢印方向へ噛合作用力Fが加えられる。ここで、その噛合作用力Fが加えられる方向を、図4において(水平方向)右方向とすると、初期状態の回転軸28の軸心は、図4(A)で示すように、予めその噛合作用力Fによって移動する移動量(偏心量)分、図示の左方向へ偏心されて緩衝部材34に保持されているため、図4(B)で示すように、噛合作用力Fが加えられると、その回転軸28の軸心は、図示の右方向へ移動し、正規軸心位置に配置される。
このように、ピニオンギヤ30がリングギヤ40に噛合し、その噛合作用力Fにより緩衝部材34に負荷が掛かると、その負荷により緩衝部材34が変形し、回転軸28の軸心が、図示の右方向(噛合作用力Fが加えられる方向)に移動して、正規軸心位置に配置される。したがって、この緩衝部材34により、回転軸28の軸心の正規軸心位置からの位置ずれ(心ずれ)を抑制又は防止することができ、噛合作用力Fによって発生する軸受部材32からの振動伝達を効果的に低減することができる。
すなわち、リングギヤ40にピニオンギヤ30が噛合しているときで、ピニオンギヤ30からリングギヤ40に回転(駆動)トルクが作用しているとき、換言すればクランクシャフトを回転駆動させているときには(エンジン始動時には)、ピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合で発生する噛合作用力Fが起振力となり、それによって、クランキング音が発生することがある。
しかし、この第1実施例の軸受構造では、ピニオンギヤ30を回転駆動するモーター14の回転軸28の軸受部材32とハウジング12との間に、ゴム等の軟質弾性材料で構成された緩衝部材34が挿設され、かつ、その緩衝部材34は、リングギヤ40にピニオンギヤ30が噛合することによって発生する噛合作用力(負荷)Fが回転軸28及び軸受部材32を介して加えられたときに変形して、その回転軸28の移動を許容する構成とされているので、回転軸28の軸心は、リングギヤ40とピニオンギヤ30との噛合時において、常に正規軸心位置に配置されることになる。
したがって、リングギヤ40に対するピニオンギヤ30の噛合時における回転軸28の心ずれを抑制又は防止することができ、ピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合悪化を抑制又は防止することができる。よって、エンジン始動時における噛合作用力Fによって発生する軸受部材32からの振動伝達を、その緩衝部材34によって効果的に低減させることができ、クランキング音の発生を抑制することができる。
こうして、リングギヤ40との噛合状態時には、ピニオンギヤ30は、常に正規軸心位置に軸心が保持されて回転することができ、そのピニオンギヤ30から、回転(駆動)トルクがリングギヤ40に効率良く伝達される。すると、そのリングギヤ40の回転駆動力により、ドライブプレート(フライホイール)(図示省略)を介してクランクシャフト(図示省略)が回転し、エンジンが始動する。
エンジンが始動し(クランクシャフトが回転し)、スターター10がOFFになると、モーター14の回転が停止するとともに、マグネットスイッチ16の接点が開き、プランジャー18の前端部が前方向へ移動する。すると、ドライブレバー20の一端部20Aが前方向へ移動し、中途部20Cを中心に、ドライブレバー20の他端部20Bが後方向へ移動する。
これにより、ドライブレバー20の他端部20Bが接続されているスライド部材22が後方向に移動し、ピニオンギヤ30が回転軸方向後方側へスライド移動してリングギヤ40から離脱する。ピニオンギヤ30がリングギヤ40から離脱すると、当然ながらクランクシャフトの回転駆動力はピニオンギヤ30に伝達されない。
また、ピニオンギヤ30がリングギヤ40から離脱すると、回転軸28及び軸受部材32には、噛合作用力Fが作用しなくなるので、回転軸28及び軸受部材32は、緩衝部材34の復元力により、元の偏心された位置へ移動する(回転軸28の軸心が左方向に移動する)。
ここで、エンジン始動時のスターター10のピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合では、エンジン(図示省略)の気筒(シリンダー)内におけるピストン(図示省略)の空気バネ作用の影響で噛合作用力Fが大きく変動する。この第1実施例の場合、ピニオンギヤ30及びリングギヤ40に大きな負荷が掛かる圧縮工程では、回転軸28の心ずれは上記のようにして抑制又は防止されるが、ピニオンギヤ30及びリングギヤ40に殆ど負荷が掛からない膨張工程では、回転軸28が移動しない(緩衝部材34が変形しない)ため、初期状態の偏心された位置のままとなる。
しかし、膨張工程で発生する噛合作用力(負荷)Fは、上記のように元々小さいので、回転軸28の心ずれによる影響は小さく、それによる起振力も小さい。したがって、その起振力が原因となって発生するクランキング音も小さくなり、この場合、問題にはならない。また、この第1実施例によれば、スターター10の仕様(トルク特性)やピニオンギヤ30及びリングギヤ40の諸元(歯数、歯ピッチ等)の変更等により、ピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合負荷が異なる場合でも、回転軸28の偏心量や緩衝部材34の硬度調節により、簡単に対応することができる。
次に、ピニオンギヤ30の軸受構造の第2実施例について説明する。図5は第2実施例のピニオンギヤの軸受構造を示す概略側断面図であり、図6は第2実施例のピニオンギヤの軸受構造の作用を示す概略正面図である。なお、上記第1実施例と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
この第2実施例の軸受構造では、ピニオンギヤ30に対して噛合作用力(負荷)Fが加えられていないときと、噛合作用力(負荷)Fが加えられているときの両方において、その回転軸28の軸心が正規軸心位置に配置されるように、緩衝部材34に対する回転軸28(軸受部材32)の取付位置、換言すればハウジング12の軸収容部12Aの形状と、回転軸28(軸受部材32)に対する緩衝部材34の形状(孔の位置)が設定されている。
図5で示すように、ピニオンギヤ30を回転駆動するモーター14の回転軸28の前端部は、ハウジング12に軸受部材32と緩衝部材34とベアリング36を介して支持されている。すなわち、ハウジング12に形成された軸収容部12A内に、緩衝部材34を回動可能に支持する支持軸受部材としてのベアリング36が装着されており、そのベアリング36の回動可能な内周部(回動部)36Aに筒状の緩衝部材34が圧入等により装着されている。そして、その緩衝部材34の内周部に筒状の軸受部材32が装着され、更に、その軸受部材32の内周部に回転軸28が挿通されることで、その回転軸28の前端部がハウジング12に支持されるようになっている。
したがって、ベアリング36の外径は、軸収容部12Aの内径と略同径に形成され、緩衝部材34の外径は、ベアリング36(内周部36A)の内径より大きく形成され、軸受部材32の外径は、緩衝部材34の内径より大きく形成されている。そして、回転軸28の外径は、軸受部材32の内径と略同径に形成されている。また、図5で示す軸受部材32と緩衝部材34とベアリング36は、軸方向の長さが同一とされているが、ベアリング36と緩衝部材34の軸方向の長さは、軸受部材32の軸方向の長さ以上とされることが望ましい。
また、緩衝部材34は、上記第1実施例と同様に、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどの軟質弾性材料で構成され、回転軸28(軸受部材32)の径方向の移動を許容できるように構成されている。また、ハウジング12の軸収容部12Aの前壁12B内面に、規制部材としてのコイルバネ38の一端部38Aが固着(連結)され、その他端部38Bが緩衝部材34に固着(連結)されている。
これにより、リングギヤ40にピニオンギヤ30が噛合して噛合作用力(負荷)Fが加えられているときの緩衝部材34の回動(正逆両方向への回転)を規制(拘束)する構成である。なお、図示しないが、コイルバネ38の他端部38Bは、緩衝部材34と共に回動するベアリング36の内周部36Aに固着(連結)してもよい。
また、図6(A)で示すように、緩衝部材34及びベアリング36は、回転軸28(軸受部材32)に対して、予めその軸心がずれるようにして軸収容部12A内に組み込まれている。つまり、図6(A)で示す初期状態(噛合作用力Fが加えられていないとき)における回転軸28の軸心位置が正規軸心位置であり、その正規軸心位置に対して、緩衝部材34及びベアリング36が所定量及び所定位置へ偏心して取り付けられている。これにより、後述するように、ピニオンギヤ30がリングギヤ40に噛合したときに(噛合作用力Fが加えられたときに)、回転軸28の軸心が、その噛合作用力Fによって移動しても、初期状態と同じく、正規軸心位置に配置される構成である。
以上のような構成の第2実施例の軸受構造において、次にその作用について説明する。まず、イグニッションスイッチ(図示省略)を操作してスターター10をONにすると、マグネットスイッチ16の接点が閉じ、プランジャー18の前端部が後方向へ移動する。すると、ドライブレバー20の一端部20Aが後方向へ移動し、中途部20Cを中心に、ドライブレバー20の他端部20Bが前方向へ移動する。
これにより、ドライブレバー20の他端部20Bが接続されているスライド部材22が前方向に移動し、ピニオンギヤ30が回転軸方向前方側へスライド移動してリングギヤ40に噛合する。ピニオンギヤ30がリングギヤ40に噛合すると、図2で示すように、モーター14によって矢印A方向(図示の時計方向)に回転駆動されているピニオンギヤ30によって、リングギヤ40がピニオンギヤ30とは逆方向(矢印B方向)に回転する。
このとき、ピニオンギヤ30には、リングギヤ40との噛合により、図示の矢印方向へ噛合作用力Fが加えられる。ここで、その噛合作用力Fが加えられる方向を、図6において(水平方向)右向きとすると、図6(B)で示すように、回転軸28(軸受部材32)は、まず矢印C方向(図示の時計方向)に回動する。
つまり、噛合作用力Fが加わる(負荷が掛かる)噛合状態では、その噛合作用力Fによって軸受部材32に発生する摩擦力Rにより、緩衝部材34が矢印C方向(図示の時計方向)に回動し、回転軸28及び軸受部材32が図示の左方向(噛合作用力Fと逆方向)にずれ、コイルバネ38のバネ反力Kとつり合って静止する。
そして、この静止時とほぼ同時に、図6(C)で示すように、上記噛合作用力Fにより、回転軸28の軸心が、図示の右方向(噛合作用力Fが加えられる方向)に移動して(緩衝部材34が変形して)、正規軸心位置に配置される。したがって、この緩衝部材34により、回転軸28の軸心の正規軸心位置からの位置ずれ(心ずれ)を抑制又は防止することができ、噛合作用力Fによって発生する軸受部材32からの振動伝達を効果的に低減することができる。
すなわち、リングギヤ40にピニオンギヤ30が噛合しているときで、ピニオンギヤ30からリングギヤ40に回転(駆動)トルクが作用しているとき、換言すればクランクシャフトを回転駆動させているときには(エンジン始動時には)、ピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合で発生する噛合作用力Fが起振力となり、それによって、クランキング音が発生することがある。
しかし、この第2実施例の軸受構造では、ピニオンギヤ30を回転駆動するモーター14の回転軸28の軸受部材32と、ハウジング12に設けられたベアリング36との間に、ゴム等の軟質弾性材料で構成された緩衝部材34が挿設され、かつ、その緩衝部材34は、リングギヤ40にピニオンギヤ30が噛合することによって発生する噛合作用力(負荷)Fが回転軸28及び軸受部材32を介して加えられたときに回動及び変形して、その回転軸28の移動を許容する構成とされているので、回転軸28の軸心は、リングギヤ40とピニオンギヤ30との噛合時においても、常に正規軸心位置に配置されることになる。
したがって、リングギヤ40に対するピニオンギヤ30の噛合時における回転軸28の心ずれを抑制又は防止することができ、ピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合悪化を抑制又は防止することができる。よって、エンジン始動時における噛合作用力Fによって発生する軸受部材32からの振動伝達を、その緩衝部材34によって効果的に低減させることができ、クランキング音の発生を抑制することができる。
こうして、リングギヤ40との噛合状態時には、ピニオンギヤ30は、常に正規軸心位置に軸心が保持されて回転することができ、そのピニオンギヤ30から、回転(駆動)トルクがリングギヤ40に効率よく伝達される。すると、そのリングギヤ40の回転駆動力により、ドライブプレート(フライホイール)(図示省略)を介してクランクシャフト(図示省略)が回転し、エンジンが始動する。
エンジンが始動し(クランクシャフトが回転し)、スターター10がOFFになると、モーター14の回転が停止するとともに、マグネットスイッチ16の接点が開き、プランジャー18の前端部が前方向へ移動する。すると、ドライブレバー20の一端部20Aが前方向へ移動し、中途部20Cを中心に、ドライブレバー20の他端部20Bが後方向へ移動する。
これにより、ドライブレバー20の他端部20Bが接続されているスライド部材22が後方向に移動し、ピニオンギヤ30が回転軸方向後方側へスライド移動してリングギヤ40から離脱する。ピニオンギヤ30がリングギヤ40から離脱すると、当然ながらクランクシャフトの回転駆動力はピニオンギヤ30に伝達されない。
また、ピニオンギヤ30がリングギヤ40から離脱すると、回転軸28及び軸受部材32には、噛合作用力Fが作用しなくなるので、軸受部材32に対する摩擦力Rによる回転モーメントと緩衝部材34に対する圧縮荷重がなくなる。このため、コイルバネ38と緩衝部材34の復元力により、回転軸28の軸心は、初期状態における正規軸心位置に復帰移動することになる。
ここで、エンジン始動時のスターター10のピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合では、エンジン(図示省略)の気筒(シリンダー)内におけるピストン(図示省略)の空気バネ作用の影響で噛合作用力Fが大きく変動する。この第2実施例の場合は、ピニオンギヤ30及びリングギヤ40に大きな負荷が掛かる圧縮工程において、回転軸28の心ずれが上記のようにして抑制又は防止されるだけではなく、初期状態の回転軸28の軸心位置を正規軸心位置としているので、ピニオンギヤ30及びリングギヤ40に殆ど負荷が掛からない膨張工程においても、回転軸28の心ずれを抑制又は防止することができる。
したがって、回転軸28の心ずれによる起振力が原因となって発生するクランキング音をより一層抑制することができる。また、この第2実施例によれば、スターター10の仕様(トルク特性)やピニオンギヤ30及びリングギヤ40の諸元(歯数、歯ピッチ等)の変更等により、ピニオンギヤ30とリングギヤ40との噛合負荷が異なる場合でも、回転軸28の偏心量や緩衝部材34の硬度調節、コイルバネ38のバネ定数の調節により、簡単に対応することができる。
スターターのピニオンギヤ付近の構成を示す概略側断面図 リングギヤとピニオンギヤの回転軸方向から見た概略正面図 第1実施例のピニオンギヤの軸受構造を示す概略側断面図 第1実施例のピニオンギヤの軸受構造の作用を示す概略正面図 第2実施例のピニオンギヤの軸受構造を示す概略側断面図 第2実施例のピニオンギヤの軸受構造の作用を示す概略正面図
符号の説明
10 スターター(エンジン始動装置)
12 ハウジング
14 モーター
16 マグネットスイッチ
18 プランジャー
20 ドライブレバー
22 スライド部材
24 クラッチ部
26 支持部材
28 回転軸
30 ピニオンギヤ
32 軸受部材
34 緩衝部材
36 ベアリング(支持軸受部材)
38 コイルバネ(規制部材)
40 リングギヤ

Claims (2)

  1. エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤに対して回転軸方向に移動することで噛合及び離脱可能とされたピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤの回転軸を、軸受部材を介して支持するハウジングと、
    前記軸受部材と前記ハウジングとの間に設けられ、前記噛合時に前記回転軸の正規軸心位置への移動を許容可能な緩衝部材と、
    を備えたことを特徴とするエンジン始動装置。
  2. エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤに対して回転軸方向に移動することで噛合及び離脱可能とされたピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤの回転軸を、軸受部材を介して支持するハウジングと、
    前記軸受部材と前記ハウジングとの間に設けられ、前記噛合時に前記回転軸の正規軸心位置への移動を許容可能な緩衝部材と、
    前記緩衝部材と前記ハウジングとの間に設けられ、該緩衝部材を回動可能に支持する支持軸受部材と、
    前記ハウジングに一端が連結されるとともに前記緩衝部材又は前記支持軸受部材の回動部に他端が連結され、前記噛合時に前記緩衝部材の回動を規制する規制部材と、
    を備えたことを特徴とするエンジン始動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010069645A1 (de) * 2008-12-19 2010-06-24 Robert Bosch Gmbh Verfahren und vorrichtung für start-stopp-anlagen von brennkraftmaschinen in kraftfahrzeugen
JP2012047065A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Mitsubishi Electric Corp スタータ

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