JP2008008180A - 常時噛合式始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関を適切に始動し、その始動後の内燃機関の回転を安定化する常時噛合式始動装置の提供。
【解決手段】常時噛合式始動装置10は、電動機12、電動機12と一体回転するピニオンギア20、ピニオンギア20に常時噛合するリングギア30、内燃機関4のクランク軸8と一体回転するフライホイール40、リングギア30及びフライホイール40間に設けられリングギア30からフライホイール40へ向かうトルク伝達を許容するワンウェイクラッチ50とを備える。内燃機関4の始動後のクランク軸8の回転に必要な慣性モーメントM1と、フライホイール40の慣性モーメントM2と、リングギア30及びフライホイール40の合成慣性モーメントM3と、飛込式始動装置において一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM4とは、M1<M2<M4<M3の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機の回転により内燃機関を始動する常時噛合式始動装置に関する。
内燃機関の始動装置としては、電動機と一体回転のピニオンギアに常時噛合するリングギアと、内燃機関のクランク軸と一体回転のフライホイールとの間に、リングギアからフライホイールへ向かう方向のトルク伝達を許容するワンウェイクラッチを設けたものが公知である(例えば特許文献1参照)。このような常時噛合式始動装置は、飛込式始動装置に比べて、ピニオンギアとリングギアとの噛合部分に発生する騒音や磨耗を抑制できるので、例えばアイドルストップ制御される内燃機関等、始動と停止が繰り返される内燃機関に対して好適とされている。尚、飛込式始動装置とは、フライホイールと一体回転するリングギアについて、ピニオンギアとの噛合を内燃機関の始動時には実現し、内燃機関の始動後には解除するようにした始動装置である。
特開2000−274337号公報
さて、飛込式始動装置では、内燃機関の始動時のみならず、始動後においてもリングギアがフライホイールと一体回転する。これに対して上述の常時噛合式始動装置では、内燃機関の始動後にフライホイールからリングギアへ向かう方向のトルク伝達がワンウェイクラッチによって遮断されるため、当該始動後のフライホイールはリングギアから独立して回転することになる。その結果、内燃機関の始動後にクランク軸に働く慣性モーメントが不足して、クランク軸の回転が不安定になるおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関を適切に始動すると共に、その始動後の内燃機関の回転を安定させる常時噛合式始動装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によると、内燃機関始動後のクランク軸の回転に必要な慣性モーメント(以下、解決手段の欄では、「必要慣性モーメント」という)M1と、フライホイールの慣性モーメントM2と、リングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3と、飛込式始動装置において一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメント(以下、解決手段の欄では、「飛込式装置の合成慣性モーメント」という)M4とは、M1<M2<M4<M3の関係を満たす。これにより、内燃機関の始動時においては、ワンウェイクラッチの作用によって一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3が飛込式装置の合成慣性モーメントM4よりも大きくなるので、リングギア及びフライホイールの回転が安定してそれらの回転要素に振動が発生し難くなる。したがって、リングギア及びフライホイールの振動により騒音、磨耗が発生することを抑制して適切に、内燃機関を始動させることができる。しかも、内燃機関の始動後においては、ワンウェイクラッチの作用によってリングギアから独立して回転するフライホイールの慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1を上回るので、クランク軸の回転を確実に安定させることができる。
請求項2に記載の発明によると、必要慣性モーメントM1と、フライホイールの慣性モーメントM2と、リングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3と、必要慣性モーメントM1よりも回転安定側に定められる安全モーメントM4とは、M1<M2<M4<M3の関係を満たす。これにより、内燃機関の始動時においては、ワンウェイクラッチの作用によって一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3が、必要慣性モーメントM1よりも回転安定側の安全モーメントM4を上回るので、リングギア及びフライホイールの回転が安定してそれらの回転要素に振動が発生し難くなる。したがって、リングギア及びフライホイールの振動により騒音、磨耗が発生することを抑制して適切に、内燃機関を始動させることができる。しかも、内燃機関の始動後においては、ワンウェイクラッチの作用によってリングギアから独立して回転するフライホイールの慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1を上回るので、クランク軸の回転を確実に安定させることができる。
請求項3に記載の発明によると、必要慣性モーメントM1と、フライホイールの慣性モーメントM2と、リングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3と、飛込式装置の合成慣性モーメントM4とは、M1<M2<M3≦M4の関係を満たす。これにより、内燃機関の始動時においては、ワンウェイクラッチの作用によって一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3が、飛込式装置の合成慣性モーメントM4以下の大きさとなるので、リングギア及びフライホイールをスムーズに回転させることができる。故に、内燃機関を短時間にて適切に始動させることが可能である。しかも、内燃機関の始動後においては、ワンウェイクラッチの作用によってリングギアから独立して回転するフライホイールの慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1を上回るので、クランク軸の回転を確実に安定させることができる。
請求項4に記載の発明によると、必要慣性モーメントM1と、フライホイールの慣性モーメントM2と、リングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3と、必要慣性モーメントM1よりも回転安定側に定められる安全モーメントM4とは、M1<M2<M3≦M4の関係を満たす。これにより、内燃機関の始動時においては、ワンウェイクラッチの作用によって一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3が、必要慣性モーメントM1よりも大きい範囲で回転安定側の安全モーメントM4以下となるので、リングギア及びフライホイールをスムーズに回転させることができる。故に、内燃機関を短時間にて適切に始動させることが可能である。しかも、内燃機関の始動後においては、ワンウェイクラッチの作用によってリングギアから独立して回転するフライホイールの慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1を上回るので、クランク軸の回転を確実に安定させることができる。
請求項5に記載の発明によると、必要慣性モーメントM1と、フライホイールの慣性モーメントM2と、リングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3と、飛込式装置の合成慣性モーメントM4とは、M1=M4≦M2<M3の関係を満たす。これにより、内燃機関の始動時においては、ワンウェイクラッチの作用によって一体回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM3が飛込式装置の合成慣性モーメントM4よりも大きくなるので、リングギア及びフライホイールの回転が安定してそれらの回転要素に振動が発生し難くなる。したがって、リングギア及びフライホイールの振動により騒音、磨耗が発生することを抑制して適切に、内燃機関を始動させることができる。しかも、内燃機関の始動後においては、ワンウェイクラッチの作用によってリングギアから独立して回転するフライホイールの慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1以上となるので、クランク軸の回転を安定させることができる。
請求項6に記載の発明によると、フライホイールのホイール側突部は、軸方向へ環形に突出するリングギアのギア側突部の外周側において軸方向へ環形に突出するので、それらの突部同士は軸方向に沿ってラップする。これにより、ホイール側突部の外周側とギア側突部の内周側との間では、径方向において蛇行するラビリンス状の隙間が形成されるので、ホイール側突部の外周側からギア側突部の内周側へ塵、水等が進入することを防止できる。また、内燃機関の始動時及び始動後の双方にクランク軸と一体回転するフライホイールにおいては、ギア側突部よりも外周側にあるホイール側突部が遠心力によってスリンガー機能を発揮するので、ホイール側突部よりも内周側への塵、水等の進入を防止できる。このような請求項6に記載の発明によれば、ギア側突部の内周側に配置されるワンウェイクラッチへ塵や水等が到達して当該クラッチが劣化する事態を回避することができる。
請求項7に記載の発明によると、フライホイールにおいてワンウェイクラッチからトルク伝達を受ける受部は、比較的堅強な鉄で形成されるので、当該トルク伝達によりフライホイールが変形することを防止できる。また、フライホイールにおいて受部と共に慣性モーメントM2を生じる重量部は、鉄よりも比重が大きい金属で形成されるので、フライホイールの上記変形防止機能を損なうことなく、内燃機関始動後にフライホイールに生じる慣性モーメントM2を増大できる。
尚、請求項1〜7に記載の常時噛合式始動装置は、電動機と一体回転するピニオンギアにリングギアが常時噛合することで、それらギアの噛合部分に発生する騒音、磨耗を抑制できるので、例えば請求項8に記載の発明の如くアイドルストップ制御される内燃機関の始動に好適となる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による常時噛合式始動装置10を示している。常時噛合式始動装置10は車両に搭載され、当該車両のバッテリ2から電力供給を受けることにより内燃機関4をクランキングして完爆させる。ここで、本実施形態の内燃機関4は、車両の電子制御系6によってアイドルストップ制御されるものである。
まず、第一実施形態の具体的構成について説明する。常時噛合式始動装置10は、電動機12、ピニオンギア20、リングギア30、フライホイール40、ワンウェイクラッチ50及びシール60等を備えている。
電動機12は例えば直流直巻式のセルモータであり、バッテリ2から電力供給を受けて出力軸14を回転駆動することにより、当該出力軸14から回転トルクを出力する。ここで、バッテリ2から電動機12への電力供給は、車両のイグニッションスイッチのオン操作又は内燃機関4のアイドリングストップ後のリスタート制御によって開始され、内燃機関4が完爆すると止められる。したがって、電動機12は、内燃機関4の完爆後に出力軸14の回転を停止させる。
ピニオンギア20はヘリカルギア、スパーギア等の外歯車であり、電動機12の出力軸14に同心的に装着されている。この装着によりピニオンギア20は、出力軸14と一体に回転可能となっている。
リングギア30はヘリカルギア、スパーギア等の外歯車であり、電動機12の出力軸14に対して平行に且つ内燃機関4のクランク軸8に対して同心的に配置されている。リングギア30は、ギア本体部32、軸部34、突部36を有している。
ギア本体部32は円環形の板状に形成され、外周縁部のギア部38においてピニオンギア20と常時噛合している。軸部34は、ギア本体部32の内周縁部から軸方向へ円環形に突出している。突部36は、ギア本体部32の径方向中間部から軸方向へ円環形に突出している。
フライホイール40は、本実施形態ではその全体が鉄で形成され、クランク軸8に対して同心的に配置されている。フライホイール40は、ホイール本体部42、軸部44、受部46、突部48を有している。
ホイール本体部42は円環形の板状に形成され、軸方向においてリングギア30のギア本体部32と向き合っている。軸部44は、ホイール本体部42の内周縁部から軸方向へ円環形に突出している。この軸部44とホイール本体部42の内周縁部はクランク軸8に対してボルト締めされており、それによってフライホイール40は、クランク軸8と一体に回転可能となっている。図2に示すように軸部44の外周側には、ベアリング49を介してリングギア30の軸部34が嵌合しており、リングギア30に対するフライホイール40の相対回転が許容されている。受部46は、ホイール本体部42の径方向中間部から軸方向へ円環形に突出している。受部46はリングギア30の軸部34よりも大径に形成され、当該軸部34の外周側に配置されている。また、受部46はリングギア30の突部36よりも小径であり、当該突部36の内周側に配置されている。
突部48は、ホイール本体部42の外周縁部近傍から軸方向へ円環形に突出している。突部48はリングギア30の突部36よりも大径に形成され、当該突部36の外周側に配置されている。このように環形の突部48が環形の突部36の外周側に配置されることによって、本実施形態では、それら突部48,36同士が軸方向にラップした形となっている。これにより突部48の外周側と突部36の内周側との間では、径方向において蛇行するラビリンス状の隙間70が形成され、突部48の外周側から突部36の内周側へは車両の機関室内の塵や水が進入し難くなっている。しかも、クランク軸8と一体回転するフライホイール40においては、遠心力によって突部48がスリンガー機能を発揮するので、このことによっても突部48の外周側から内周側への塵、水の進入が困難となっている。したがって、こうした防塵、防水作用によれば、後述するように突部36の内周側に配置されるシール60やワンウェイクラッチ50が塵、水の到達によって劣化する事態を回避することができる。
尚、以上説明したように第一実施形態では、リングギア30の突部36が特許請求の範囲に記載の「ギア側突部」に相当し且つフライホイール40の突部48が特許請求の範囲に記載の「ホイール側突部」に相当する。
ワンウェイクラッチ50は、リングギア30の軸部34とフライホイール40の受部46との間に介装されている。この介装によりワンウェイクラッチ50は、リングギア30の突部36の内周側に配置された形となっている。ワンウェイクラッチ50の内輪52は軸部34の外周側に嵌合装着されて、当該軸部34と一体回転可能となっている。ワンウェイクラッチ50の外輪54は受部46の内周側に嵌合装着されて、当該受部46と一体回転可能となっている。ワンウェイクラッチ50は、内輪52に対して外輪54を接続することにより軸部34から受部46へ向かう方向のトルク伝達を許容する一方、内輪52に対して外輪54を空転させることにより受部46から軸部34へ向かう方向のトルク伝達を遮断する。
シール60は、リングギア30の突部36とフライホイール40の受部46との間に介装されている。この介装によりシール60は、リングギア30の突部36の内周側且つワンウェイクラッチ50の外周側に配置された形となっており、上記隙間70に対してワンウェイクラッチ50をシールしている。
次に、第一実施形態の全体作動について説明する。
電動機12への電力供給が開始されると、出力軸14からピニオンギア20を経由してリングギア30へ伝達される。このときワンウェイクラッチ50は、リングギア30の軸部34からフライホイール40の受部46へのトルク伝達を許容するので、フライホイール40がリングギア30及びクランク軸8と一体となって回転する。これにより内燃機関4がクランキングされ、完爆する。
内燃機関4が完爆すると、電動機12への電力供給が停止し、クランク軸8からフライホイール40へ内燃機関4の出力トルクが伝達される。このときワンウェイクラッチ50は、フライホイール40の受部46からリングギア30の軸部34へのトルク伝達を遮断するので、フライホイール40がクランク軸8とは一体に且つリングギア30からは独立して回転することになる。
次に、第一実施形態の特徴部分について説明する。第一実施形態は、回転要素についての慣性モーメントが特定の条件を満たすところに特徴がある。
具体的には、まず、内燃機関4の始動後においてクランク軸8の回転を安定させるのに必要な慣性モーメントを「必要慣性モーメントM1」と定義する。また、フライホイール40に生じる慣性モーメントを「ホイール慣性モーメントM2」と定義する。さらに、リングギア30及びフライホイール40に生じる、それら回転要素30,40の合成の慣性モーメントを「合成慣性モーメントM3」と定義する。またさらに、先に説明した飛込式始動装置において常時一体回転のリングギア及びフライホイールに生じる、それら回転要素の合成の慣性モーメントを「安全モーメントM4」と定義する。ここで、飛込式始動装置における合成慣性モーメントを「安全モーメントM4」と定義するのは、一般に当該合成慣性モーメントが必要慣性モーメントM1よりも回転安定側となるように、予め決められた安全率を必要慣性モーメントM1に積算することによって定められているからである。
以上の定義の下、第一実施形態では、モーメントM1〜M4が下記の式(1)を満たすようになっている。
M1<M2<M4<M3 ・・・(1)
このような第一実施形態によると、内燃機関4の始動時においては、一体回転するリングギア30及びフライホイール40の合成慣性モーメントM3が必要慣性モーメントM1よりも回転安定側の安全モーメントM4を上回る。これにより、リングギア30及びフライホイール40の回転が安定するので、それら回転要素30,40には振動が発生し難くなる。したがって、リングギア30及びフライホイール40の振動に起因する騒音、磨耗を抑制しながら内燃機関4を始動させることができる。
また、内燃機関4の始動後においては、リングギア30から独立して回転するフライホイール40の慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1を上回るので、クランク軸8の回転が確実に安定する。ここで特に第一実施形態では、フライホイール40に突部48を設けたことにより、その重量がアップするので、ホイール慣性モーメントM2を増大して始動後の回転安定性を高めることができる。
(第一実施形態の変形例)
第一実施形態で説明したモーメントM1〜M4については、下記の式(2)を満たすようにしてもよい。
M1<M2<M3≦M4 ・・・ (2)
この場合、内燃機関4の始動時においては、一体回転するリングギア30及びフライホイール40の合成慣性モーメントM3が内燃機関4の必要慣性モーメントM1よりも大きい範囲で回転安定側の安全モーメントM4以下となる。これにより、リングギア30及びフライホイール40の一体回転がスムーズとなるので、内燃機関4をより短時間にて始動させることができる。また、内燃機関の始動後においては、フライホイール40の慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1を上回るので、クランク軸8の回転が確実に安定する。
第一実施形態で説明したモーメントM1〜M4については、さらに、上記(1),(2)を満たす以外にも、下記式(3)を満たすようにしてもよい。
M1=M4≦M2<M3 ・・・(3)
この場合、内燃機関の始動時においては、一体回転するリングギア30及びフライホイール40の合成慣性モーメントM3が、必要慣性モーメントM1に等しい安全モーメントM4、即ち安全率を1とした飛込式始動装置における合成慣性モーメントM4よりも大きくなる。これにより回転安定するリングギア30及びフライホイール40には、振動が発生し難くなるので、そうした振動に起因する騒音、磨耗を抑制しながら内燃機関4を始動させることができる。また、内燃機関の始動後においては、フライホイール40の慣性モーメントM2が必要慣性モーメントM1以上となるので、クランク軸8の回転が安定する。
(第二実施形態)
図3に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態のフライホイール100においては、受部46は鉄で形成されるが、それ以外のホイール本体部42、軸部44及び突部48は鉄よりも比重の大きい金属、例えば銅、ニッケル等で形成される。
このような第二実施形態によると、フライホイール100においてワンウェイクラッチ50からトルク伝達を受ける受部46が比較的堅強な鉄で形成されるので、当該トルク伝達によってフライホイール100が変形することを防止できる。また一方、フライホイール100において受部46と共にホイール慣性モーメントM2を生じる各部42,44,48は、鉄よりも比重が大きい金属で形成されるので、上記変形防止機能を損なうことなく、内燃機関始動後におけるホイール慣性モーメントM2を増大することができる。
尚、以上説明した第二実施形態では、ホイール本体部42、軸部44及び突部48が特許請求の範囲に記載の「重量部」に相当する。
(第三実施形態)
図4に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態のリングギア200においては、第一実施形態で説明した突部36が内周側及び外周側の二つの突部202,204に分離されている。具体的に内周側の突部202は、ギア本体部32の径方向中間部から軸方向へ円環形に突出しており、この突部202とフライホイール40の受部46との間にシール60が介装されている。また一方、外周側の突部204は、ギア本体部32において突部202とギア部38の間となる箇所から軸方向へ円環形に突出している。
さらに、第三実施形態のフライホイール210は、突部48とは別の突部212を一体に有している。この突部212は、ホイール本体部42において突部48と受部46の間となる箇所から軸方向へ円環形に突出している。ここで、突部212はリングギア200の突部204よりも小径に形成され、当該突部204の内周側に配置されている。また、突部212はリングギア200の突部202よりも大径であり、当該突部202の外周側に配置されている。
このような第三実施形態では、環形の突部48と環形の突部204とが軸方向においてラップし、また環形の突部204と環形の突部212とが軸方向においてラップし、さらに環形の突部212と環形の突部202とが軸方向においてラップしている。これらにより、突部48の外周側と突部202の内周側との間では、径方向において蛇行するラビリンス状の隙間220が形成されているが、当該隙間220は、第一実施形態の隙間70と比べて蛇行点の多い複雑なものとなっている。その結果、防塵、防水作用が高くなるので、シール60及びワンウェイクラッチ50の劣化回避効果が高くなる。
尚、以上の第三実施形態では、リングギア200の突部204が特許請求の範囲に記載の「ギア側突部」に相当し且つフライホイール210の突部48が特許請求の範囲に記載の「ホイール側突部」に相当する。また、リングギア200の突部202が特許請求の範囲に記載の「ギア側突部」に相当し且つフライホイール210の突部212が特許請求の範囲に記載の「ホイール側突部」に相当すると、考えることもできる。
さて、ここまで本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば第二及び第三実施形態については、第一実施形態で説明した式(1)をモーメントM1〜M4が満たすように構成する以外にも、第一実施形態の変形例で説明した式(2)又は式(3)をモーメントM1〜M4が満たすように構成してもよい。
また、第一〜第三実施形態では、フライホイール40,210の少なくとも一部を鉄以外の素材で形成してもよい。さらに第二実施形態では、フライホイール100のホイール本体部42、軸部44及び突部48のうち一つ又は二つを、受部46と同じ鉄で形成してもよい。またさらに第三実施形態では、第二実施形態に準じて、受部46以外の各部42,44,48,212のうち少なくとも一つを、鉄よりも比重の大きい金属で形成してもよい。
加えて本発明は、アイドルストップ制御される内燃機関の始動装置以外にも適用可能であり、例えば始動及び停止が繰り返されるハイブリッド車両の内燃機関用始動装置に適用して、騒音、磨耗の発生を抑制するようにしてもよい。
本発明の第一実施形態による常時噛合式始動装置の構成を示す部分断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の第二実施形態による常時噛合式始動装置の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の第三実施形態による常時噛合式始動装置の要部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
2 バッテリ、4 内燃機関、8 クランク軸、10 常時噛合式始動装置、12 電動機、14 出力軸、20 ピニオンギア、30,200 リングギア、32 ギア本体部、34 軸部、36,202,204 突部(ギア側突部)、38 ギア部、40,100,210 フライホイール、42 ホイール本体部(重量部)、44 軸部(重量部)、46 受部、48,212 突部(ホイール側突部、重量部)、50 ワンウェイクラッチ、52 内輪、54 外輪、60 シール、70,220 隙間

Claims (8)

  1. 電動機と、前記電動機と一体に回転するピニオンギアと、前記ピニオンギアに常時噛合するリングギアと、内燃機関のクランク軸と一体に回転するフライホイールと、前記リングギアと前記フライホイールとの間に設けられ、前記リングギアから前記フライホイールへ向かう方向のトルク伝達を許容するワンウェイクラッチとを備え、前記電動機の回転により前記内燃機関を始動する常時噛合式始動装置において、
    前記内燃機関の始動後の前記クランク軸の回転に必要な慣性モーメントM1と、前記フライホイールの慣性モーメントM2と、前記リングギア及び前記フライホイールの合成慣性モーメントM3と、飛込式始動装置において一体に回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM4とは、M1<M2<M4<M3の関係を満たすことを特徴とする常時噛合式始動装置。
  2. 電動機と、前記電動機と一体に回転するピニオンギアと、前記ピニオンギアに常時噛合するリングギアと、内燃機関のクランク軸と一体に回転するフライホイールと、前記リングギアと前記フライホイールとの間に設けられ、前記リングギアから前記フライホイールへ向かう方向のトルク伝達を許容するワンウェイクラッチとを備え、前記電動機の回転により前記内燃機関を始動する常時噛合式始動装置において、
    前記内燃機関の始動後の前記クランク軸の回転に必要な慣性モーメントM1と、前記フライホイールの慣性モーメントM2と、前記リングギア及び前記フライホイールの合成慣性モーメントM3と、前記慣性モーメントM1よりも回転安定側に定められる安全モーメントM4とは、M1<M2<M4<M3の関係を満たすことを特徴とする常時噛合式始動装置。
  3. 電動機と、前記電動機と一体に回転するピニオンギアと、前記ピニオンギアに常時噛合するリングギアと、内燃機関のクランク軸と一体に回転するフライホイールと、前記リングギアと前記フライホイールとの間に設けられ、前記リングギアから前記フライホイールへ向かう方向のトルク伝達を許容するワンウェイクラッチとを備え、前記電動機の回転により前記内燃機関を始動する常時噛合式始動装置において、
    前記内燃機関の始動後の前記クランク軸の回転に必要な慣性モーメントM1と、前記フライホイールの慣性モーメントM2と、前記リングギア及び前記フライホイールの合成慣性モーメントM3と、飛込式始動装置において一体に回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM4とは、M1<M2<M3≦M4の関係を満たすことを特徴とする常時噛合式始動装置。
  4. 電動機と、前記電動機と一体に回転するピニオンギアと、前記ピニオンギアに常時噛合するリングギアと、内燃機関のクランク軸と一体に回転するフライホイールと、前記リングギアと前記フライホイールとの間に設けられ、前記リングギアから前記フライホイールへ向かう方向のトルク伝達を許容するワンウェイクラッチとを備え、前記電動機の回転により前記内燃機関を始動する常時噛合式始動装置において、
    前記内燃機関の始動後の前記クランク軸の回転に必要な慣性モーメントM1と、前記フライホイールの慣性モーメントM2と、前記リングギア及び前記フライホイールの合成慣性モーメントM3と、前記慣性モーメントM1よりも回転安定側に定められる安全モーメントM4とは、M1<M2<M3≦M4の関係を満たすことを特徴とする常時噛合式始動装置。
  5. 電動機と、前記電動機と一体に回転するピニオンギアと、前記ピニオンギアに常時噛合するリングギアと、内燃機関のクランク軸と一体に回転するフライホイールと、前記リングギアと前記フライホイールとの間に設けられ、前記リングギアから前記フライホイールへ向かう方向のトルク伝達を許容するワンウェイクラッチとを備え、前記電動機の回転により前記内燃機関を始動する常時噛合式始動装置において、
    前記内燃機関の始動後の前記クランク軸の回転に必要な慣性モーメントM1と、前記フライホイールの慣性モーメントM2と、前記リングギア及び前記フライホイールの合成慣性モーメントM3と、飛込式始動装置において一体に回転するリングギア及びフライホイールの合成慣性モーメントM4とは、M1=M4≦M2<M3の関係を満たすことを特徴とする常時噛合式始動装置。
  6. 前記常時噛合式始動装置の前記リングギアは、軸方向へ環形に突出し内周側に前記ワンウェイクラッチが配置されるギア側突部を有し、
    前記常時噛合式始動装置の前記フライホイールは、前記ギア側突部の外周側において軸方向へ環形に突出するホイール側突部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の常時噛合式始動装置。
  7. 前記常時噛合式始動装置の前記フライホイールは、鉄で形成され前記ワンウェイクラッチからトルク伝達を受ける受部と、鉄よりも比重が大きい金属で形成され前記受部と共に前記慣性モーメントM2を生じる重量部とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の常時噛合式始動装置。
  8. アイドルストップ制御される前記内燃機関を始動することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の常時噛合式始動装置。
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