JP4390580B2 - バランサ機構 - Google Patents
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Description
上記バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられたバランスウェイトを備えたシャフト部と、上記クランクシャフトに配設されたクランク伝動車に係合するよう上記シャフト部に対して回転可能に配設されたドリブン伝動車と、上記エンジンの回転数に応じて、上記シャフト部と上記ドリブン伝動車との結合及び該結合の解除を行う結合手段とを有しており、
かつ上記バランスシャフトは、上記結合手段が上記結合を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記シャフト部が上記ドリブン伝動車と共に回転し、一方、上記結合手段が上記結合の解除を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記ドリブン伝動車が上記シャフト部に対して空転するよう構成されており、
上記結合手段は、上記シャフト部の外周面に形成した第1凹部内に配置された第1結合部と、該第1結合部を油圧力によって移動させる油圧手段と、上記ドリブン伝動車の内周面に形成した第2凹部内に配置された第2結合部と、該第2結合部を付勢する付勢手段とを有しており、
かつ上記結合手段は、上記結合を行うときには、上記油圧手段の油圧力を作用させて上記第1結合部の一部を上記第2凹部内に前進させ、一方、上記結合の解除を行うときには、上記油圧力の作用を解除すると共に上記付勢手段の付勢力により上記第2結合部を介して上記第1結合部を上記第1凹部内に後退させるよう構成されていることを特徴とするバランサ機構にある(請求項1)。
そして、例えば、エンジンの回転数が中回転数未満のとき(例えば3000rpm未満のとき)には、上記結合手段によってシャフト部とドリブン伝動車との結合の解除を行う。このとき、ドリブン伝動車は、クランク伝動車の回転を受けてシャフト部に対して空転する。これにより、上記エンジンの回転数が中回転数未満のときには、上記バランスウェイトを備えたシャフト部を回転させることがなく、このシャフト部を回転させることによるエンジンの動力損失を低減させることができる。
それ故、上記バランサ機構によれば、簡単な構造でクランクシャフトに対するバランスシャフトの従動回転及び切り離しの動作を行うことができ、エンジンのコンパクト化を図ることができる。
本発明において、上記結合手段は、上記シャフト部に上記ドリブン伝動車に向けて進退可能な結合部を配設することにより構成することができる。そして、上記結合部をシャフト部から突出させてドリブン伝動車に挿入することにより上記結合を行い、上記結合部をシャフト部内に収納して上記結合の解除を行うことができる。
また、上記ドリブン伝動車の直径は、上記クランク伝動車の直径の半分とすることもでき、この場合には、クランク伝動車が1回転する毎にドリブン伝動車を2回転させて、エンジンの運転に伴う振動や騒音の発生を低減させることができる。
また、これ以外にも、例えばクランク伝動車とドリブン伝動車とは、それぞれスプロケットにより構成し、チェーンを介して動力を伝達することもできる。
また、上記結合手段により結合を行うエンジンの回転数は、例えば、2000〜4000rpm以上の回転数とし、上記結合手段により結合の解除を行うエンジンの回転数は、上記結合を行うエンジンの回転数未満の回転数とすることができる。
この場合には、上記従動バランスシャフトの使用により、バランスシャフトの従動回転によって発生する慣性力を低減させることができる。
本例のバランサ機構2は、図1〜図3に示すごとく、エンジン(レシプロエンジン)1のクランクシャフト11の回転を受けて従動回転するバランスシャフト3を有するものである。
このバランスシャフト3は、軸心から偏心して設けられたバランスウェイト311を備えたシャフト部31と、上記クランクシャフト11に配設されたクランクギヤ(クランク伝動車)12に噛合(係合)するよう上記シャフト部31に対して回転可能に配設されたドリブンギヤ(ドリブン伝動車)32と、上記エンジン1の回転数に応じて、上記シャフト部31と上記ドリブンギヤ32との結合及びこの結合の解除を行う結合手段4とを有している。
以下に、これを詳説する。
本例のドリブンギヤ32の基準ピッチ円直径は上記クランクギヤ12の基準ピッチ円直径の半分となっており、ドリブンギヤ32の歯数はクランクギヤ12の歯数の半分となっている。そして、クランクギヤ12が1回転する毎にドリブンギヤ32は2回転する。
すなわち、本例では、図1に示すごとく、4気筒の両端に位置する第1、第4ピストン13A、Dが上死点131にあり、残りの第2、第3ピストン13B、Cが下死点132にあるとき、また、図6に示すごとく、第1、第4ピストン13A、Dが下死点132にあり、第2、第3ピストン13B、Cが上死点131にあるときに、上記バランスウェイト311が各ピストン13から最も離れた位置にほぼ位置する。
そして、油圧バルブをONにしてオイル通路431にオイルを供給すると、第1凹部312内の第1ピン41を第2凹部321に向けて前進させることができる。一方、油圧バルブをOFFにしてオイル通路431からオイルを回収すると、第1ピン41を第2ピン42を介してバネ44の復元力によって第1凹部312内に後退させることができる。
図8に示すごとく、従動バランスシャフト5は、軸心から偏心して設けられた従動バランスウェイト511を備えた従動シャフト部51と、上記第1バランスギヤ33に噛合(係合)するよう上記従動シャフト部51に配設された第2バランスギヤ(第2バランス伝動車)52とを有している。
第1バランスギヤ33と第2バランスギヤ52とは、それらの基準ピッチ円直径と歯数とがそれぞれ同じになっており、これらは、互いに逆方向に同じ回転数で回転する。
また、バランスウェイト311と従動バランスウェイト511とは、それらの質量と偏心量とが同じになっており、互いにつり合う慣性力を発生させるよう構成されている。
そして、バランスシャフト3の回転に従動して従動バランスシャフト5を回転させることにより、バランスシャフト3が横方向に発生させる慣性力と、従動バランスシャフト5が横方向に発生させる慣性力とをつり合わせることができ、バランスシャフト3の回転運動により発生する振動や騒音を低減させることができる。
そして、図5に示すごとく、エンジン1が停止した状態においては、上記第1ピン41は上記第1凹部312内に後退しており、上記シャフト部31とドリブンギヤ32との結合が解除されていて、ドリブンギヤ32がシャフト部31に対して空転可能な状態にある。この状態においては、第1ピン41の先端面410とシャフト部31の外周面310とが略同一面を形成しており、また、上記第2ピン42の先端面420とドリブンギヤ32の内周面320とが略同一面を形成している。
そのため、シャフト部31によるオイル撹拌抵抗が発生せず(シャフト部31がエンジンケース内のオイルを撹拌することがなく)、エンジン1の動力損失を低減させることができる。
これにより、シャフト部31とドリブンギヤ32との結合が行われ、シャフト部31は、クランクギヤ12の回転を受けてドリブンギヤ32と一体的に回転することができる。
こうして、エンジン1の回転数が中回転数以上になったときには、上記バランスウェイト311を備えたシャフト部31及び上記従動バランスウェイト511を備えた従動シャフト部51を回転させることができ、エンジン1の運転に伴う振動や騒音の低減を図ることができる。
それ故、上記バランサ機構2によれば、簡単な構造でクランクシャフト11に対するバランスシャフト3の従動回転及び切り離しの動作を行うことができ、エンジン1のコンパクト化を図ることができる。
11 クランクシャフト
12 クランクギヤ
13 ピストン
2 バランサ機構
3 バランスシャフト
31 シャフト部
311 バランスウェイト
312 第1凹部
32 ドリブンギヤ
321 第2凹部
33 第1バランスギヤ
4 結合手段
41 第1ピン
42 第2ピン
43 油圧手段
44 バネ
5 従動バランスシャフト
51 従動シャフト部
511 従動バランスウェイト
52 第2バランスギヤ
Claims (2)
- エンジンのクランクシャフトの回転を受けて従動回転するバランスシャフトを有するバランサ機構であって、
上記バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられたバランスウェイトを備えたシャフト部と、上記クランクシャフトに配設されたクランク伝動車に係合するよう上記シャフト部に対して回転可能に配設されたドリブン伝動車と、上記エンジンの回転数に応じて、上記シャフト部と上記ドリブン伝動車との結合及び該結合の解除を行う結合手段とを有しており、
かつ上記バランスシャフトは、上記結合手段が上記結合を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記シャフト部が上記ドリブン伝動車と共に回転し、一方、上記結合手段が上記結合の解除を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記ドリブン伝動車が上記シャフト部に対して空転するよう構成されており、
上記結合手段は、上記シャフト部の外周面に形成した第1凹部内に配置された第1結合部と、該第1結合部を油圧力によって移動させる油圧手段と、上記ドリブン伝動車の内周面に形成した第2凹部内に配置された第2結合部と、該第2結合部を付勢する付勢手段とを有しており、
かつ上記結合手段は、上記結合を行うときには、上記油圧手段の油圧力を作用させて上記第1結合部の一部を上記第2凹部内に前進させ、一方、上記結合の解除を行うときには、上記油圧力の作用を解除すると共に上記付勢手段の付勢力により上記第2結合部を介して上記第1結合部を上記第1凹部内に後退させるよう構成されていることを特徴とするバランサ機構。 - 請求項1において、上記バランサ機構は、上記バランスシャフトの回転を受けて従動回転する従動バランスシャフトを有しており、該従動バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられた従動バランスウェイトを備えた従動シャフト部と、上記バランスシャフトの上記シャフト部に配設された第1バランス伝動車に係合するよう上記従動シャフト部に配設された第2バランス伝動車とを有しており、
上記第1バランス伝動車と上記第2バランス伝動車とは、上記バランスウェイトと上記従動バランスウェイトとが互いに最も接近する位置関係と、互いに最も離れる位置関係とを形成するよう係合していることを特徴とするバランサ機構。
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