JP2005226721A - バランサ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造でクランクシャフトに対するバランスシャフトの従動回転及び切り離しの動作を行うことができ、エンジンのコンパクト化を図ることができるバランサ機構を提供すること。
【解決手段】バランサ機構2は、バランスシャフト3を有しており、偏心して設けられたバランスウェイト311を備えたシャフト部31と、クランクシャフト11のクランクギヤ12に噛合するようシャフト部31に対して回転可能に配設されたドリブンギヤ32と、エンジン1の回転数に応じて、シャフト部31とドリブンギヤ32との結合及び結合の解除を行う結合手段4とを有している。バランスシャフト3は、結合手段4の結合時には、クランクギヤ12の回転を受けてシャフト部31がドリブンギヤ32と共に回転し、一方、結合手段4の結合解除時には、クランクギヤ12の回転を受けてドリブンギヤ32がシャフト部31に対して空転するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトの回転を受けてバランスシャフトを従動回転させ、ピストン等が往復運動を行うことによって発生する振動や騒音を低減させるバランサ機構に関する。
自動車等のエンジン(特にレシプロエンジン)においては、ピストン及びこれに連結されたコンロッド等が往復運動を行うことによって振動や騒音が発生する。この振動や騒音を低減するために、コンロッドとクランクシャフト(ドライブシャフト)とを連結するクランクアームにバランスウェイトを設けたり、また、バランスウェイトを有するバランスシャフトをクランクシャフトのクランクギヤ(ドライブギヤ)に係合させて従動回転させたりすることが行われている。
例えば、特許文献1においては、上記振動や騒音はエンジンの回転数が中回転数(例えば3000rpm)以上に高くなったときに大きく発生することに着目し、上記回転数が中回転数より低いときにはクラッチ機構によってバランスシャフトの回転駆動を切り離し(休止させ)、一方上記回転数が中回転数以上になったときには上記クラッチ機構によってバランスシャフトの回転駆動を行っている。これにより、上記回転数が中回転数より低いときには燃費及び出力トルクの向上を図り、上記回転数が中回転数以上のときには振動や騒音の低減を図っている。
しかしながら、特許文献1においては、2枚の摩擦板をバランスシャフトの途中に設けることによって上記クラッチ機構を構成しており、2枚の摩擦板の入切を行うためにバランスシャフトの全体を軸方向に向けて移動させている。そのため、バランスシャフト自体をその軸方向に移動させる必要があり、バランスシャフト及びクラッチ機構等の構造が複雑になる。また、エンジンのコンパクト化を図るためには、上記構造では十分でない。
特開平10−280973号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構造でクランクシャフトに対するバランスシャフトの従動回転及び切り離しの動作を行うことができ、エンジンのコンパクト化を図ることができるバランサ機構を提供しようとするものである。
本発明は、エンジンのクランクシャフトの回転を受けて従動回転するバランスシャフトを有するバランサ機構であって、
上記バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられたバランスウェイトを備えたシャフト部と、上記クランクシャフトに配設されたクランク伝動車に係合するよう上記シャフト部に対して回転可能に配設されたドリブン伝動車と、上記エンジンの回転数に応じて、上記シャフト部と上記ドリブン伝動車との結合及び該結合の解除を行う結合手段とを有しており、
かつ上記バランスシャフトは、上記結合手段が上記結合を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記シャフト部が上記ドリブン伝動車と共に回転し、一方、上記結合手段が上記結合の解除を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記ドリブン伝動車が上記シャフト部に対して空転するよう構成されていることを特徴とするバランサ機構にある(請求項1)。
本発明のバランサ機構は、上記シャフト部に対して上記ドリブン伝動車を回転可能に配設し、上記エンジンの回転数に応じて、上記結合手段によってシャフト部とドリブン伝動車との結合及び結合の解除を行うものである。
そして、例えば、エンジンの回転数が中回転数未満のとき(例えば3000rpm未満のとき)には、上記結合手段によってシャフト部とドリブン伝動車との結合の解除を行う。このとき、ドリブン伝動車は、クランク伝動車の回転を受けてシャフト部に対して空転する。これにより、上記エンジンの回転数が中回転数未満のときには、上記バランスウェイトを備えたシャフト部を回転させることがなく、このシャフト部を回転させることによるエンジンの動力損失を低減させることができる。
一方、例えば、エンジンの回転数が中回転数以上のとき(例えば3000rpm以上のとき)には、上記結合手段によってシャフト部とドリブン伝動車との結合を行う。このとき、シャフト部とドリブン伝動車とは、上記クランク伝動車の回転を受けて一体的に回転する。これにより、上記エンジンの回転数が中回転数以上のときには、上記バランスウェイトを備えたシャフト部を回転させることにより、エンジンの運転に伴う振動や騒音の発生を低減させることができる。
さらに、上記バランサ機構においては、上記結合手段によって、ドリブン伝動車のみをウェイトバランスを備えたシャフト部に対して結合させたりこの結合を解除させたりすることができる。そのため、上記結合又は結合の解除を行う際に、バランスシャフトの全体を移動させる必要がない。
それ故、上記バランサ機構によれば、簡単な構造でクランクシャフトに対するバランスシャフトの従動回転及び切り離しの動作を行うことができ、エンジンのコンパクト化を図ることができる。
上述した本発明におけるバランサ機構の好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記結合手段は、上記シャフト部に上記ドリブン伝動車に向けて進退可能な結合部を配設することにより構成することができる。そして、上記結合部をシャフト部から突出させてドリブン伝動車に挿入することにより上記結合を行い、上記結合部をシャフト部内に収納して上記結合の解除を行うことができる。
また、上記結合手段は、上記シャフト部と上記ドリブン伝動車との間に遠心クラッチを配設することにより構成することもできる。この遠心クラッチとしては、例えば、回転による遠心力を受けて錘の半径方向の位置を変更させることによりクラッチ動作を行うものとすることができる。この場合には、エンジンの回転数が遠心クラッチの作動回転数未満のときには、上記結合の解除を行っており、エンジンの回転数が遠心クラッチの作動回転数以上になったときに、遠心クラッチが作動して上記結合を行うことができる。
また、上記バランサ機構においては、上記クランクシャフトに接続されるピストンが上死点又は下死点にあるときに、上記バランスウェイトが上記ピストンから最も離れた位置にほぼ位置するように、上記ドリブン伝動車が上記クランク伝動車に対して係合していることが好ましい。これにより、エンジンの運転に伴う振動や騒音の発生を一層低減させることができる。
また、上記ドリブン伝動車の直径(基準ピッチ円直径)は、上記クランク伝動車の直径(基準ピッチ円直径)と同じにすることができ、この場合には、クランク伝動車が1回転する毎にドリブン伝動車を1回転させて、エンジンの運転に伴う振動や騒音の発生を低減させることができる。
また、上記ドリブン伝動車の直径は、上記クランク伝動車の直径の半分とすることもでき、この場合には、クランク伝動車が1回転する毎にドリブン伝動車を2回転させて、エンジンの運転に伴う振動や騒音の発生を低減させることができる。
また、上記クランク伝動車と上記ドリブン伝動車とは、それぞれ平歯車、はすば歯車又はやまば歯車等のギヤにより構成することができる。この場合には、クランク伝動車とドリブン伝動車とは、互いに噛合させて動力を伝達することができ、また、歯付ベルトを介して動力を伝達することもできる。
また、これ以外にも、例えばクランク伝動車とドリブン伝動車とは、それぞれスプロケットにより構成し、チェーンを介して動力を伝達することもできる。
また、上記結合手段により結合を行うエンジンの回転数は、例えば、2000〜4000rpm以上の回転数とし、上記結合手段により結合の解除を行うエンジンの回転数は、上記結合を行うエンジンの回転数未満の回転数とすることができる。
また、上記結合手段は、上記シャフト部の外周面に形成した第1凹部内に配置された第1結合部と、該第1結合部を油圧力によって移動させる油圧手段と、上記ドリブン伝動車の内周面に形成した第2凹部内に配置された第2結合部と、該第2結合部を付勢する付勢手段とを有しており、かつ上記結合手段は、上記結合を行うときには、上記油圧手段の油圧力を作用させて上記第1結合部の一部を上記第2凹部内に前進させ、一方、上記結合の解除を行うときには、上記油圧力の作用を解除すると共に上記付勢手段の付勢力により上記第2結合部を介して上記第1結合部を上記第1凹部内に後退させるよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記結合手段による結合の解除が行われた状態(結合解除状態)においては、上記第1結合部の先端面と上記シャフト部の外周面とが略同一面を形成しており、上記第2結合部の先端面と上記ドリブン伝動車の内周面とが略同一面を形成している。そして、この結合解除状態においては、上記ドリブン伝動車の内周面及び上記第2結合部の先端面が、上記シャフト部の外周面及び上記第1結合部の先端面に対して摺動する。こうして、上記ドリブン伝動車が上記シャフト部に対して空転する状態が形成される。
一方で、上記油圧手段から上記第1結合部に油圧力を作用させると、この第1結合部は、シャフト部から突出しようとする。そして、上記ドリブン伝動車が空転して、このドリブン伝動車における第2凹部及び第2結合部が、上記シャフト部における第1凹部及び第1結合部に対向したときには、第1結合部が上記付勢手段の付勢力に抗して第2結合部を第2凹部の奥に押し出すと共に、この第1結合部の一部が第2凹部内に前進する。こうして、上記シャフト部が上記ドリブン伝動車と共に回転する状態が形成される。
また、上記バランサ機構は、上記バランスシャフトの回転を受けて従動回転する従動バランスシャフトを有しており、該従動バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられた従動バランスウェイトを備えた従動シャフト部と、上記バランスシャフトの上記シャフト部に配設された第1バランス伝動車に係合するよう上記従動シャフト部に配設された第2バランス伝動車とを有しており、上記第1バランス伝動車と上記第2バランス伝動車とは、上記バランスウェイトと上記従動バランスウェイトとが互いに最も接近する位置関係と、互いに最も離れる位置関係とを形成するよう係合していることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記従動バランスシャフトの使用により、バランスシャフトの従動回転によって発生する慣性力を低減させることができる。
以下に、図面を用いて本発明のバランサ機構にかかる実施例につき説明する。
本例のバランサ機構2は、図1〜図3に示すごとく、エンジン(レシプロエンジン)1のクランクシャフト11の回転を受けて従動回転するバランスシャフト3を有するものである。
このバランスシャフト3は、軸心から偏心して設けられたバランスウェイト311を備えたシャフト部31と、上記クランクシャフト11に配設されたクランクギヤ(クランク伝動車)12に噛合(係合)するよう上記シャフト部31に対して回転可能に配設されたドリブンギヤ(ドリブン伝動車)32と、上記エンジン1の回転数に応じて、上記シャフト部31と上記ドリブンギヤ32との結合及びこの結合の解除を行う結合手段4とを有している。
そして、バランスシャフト3は、図4に示すごとく、上記結合手段4が上記結合を行ったときには、上記クランクギヤ12の回転を受けて上記シャフト部31が上記ドリブンギヤ32と共に回転するよう構成されている。一方、バランスシャフト3は、図5に示すごとく、上記結合手段4が上記結合の解除を行ったときには、上記クランクギヤ12の回転を受けて上記ドリブンギヤ32が上記シャフト部31に対して空転するよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
図1、図2に示すごとく、本例のエンジン1は、直列4気筒エンジン1であり、2つのピストン13が上死点131に位置するときには残りの2つのピストン13が下死点132に位置するよう構成されている。また、各ピストン13は、クランクシャフト11に配設されたクランクアーム111に、コンロッド14を介して接続されている。
本例のドリブンギヤ32の基準ピッチ円直径は上記クランクギヤ12の基準ピッチ円直径の半分となっており、ドリブンギヤ32の歯数はクランクギヤ12の歯数の半分となっている。そして、クランクギヤ12が1回転する毎にドリブンギヤ32は2回転する。
また、各ピストン13が上死点131又は下死点132にあるときに、上記バランスウェイト311が各ピストン13から最も離れた位置にほぼ位置するように、ドリブンギヤ32はクランクギヤ12に対して噛合している。
すなわち、本例では、図1に示すごとく、4気筒の両端に位置する第1、第4ピストン13A、Dが上死点131にあり、残りの第2、第3ピストン13B、Cが下死点132にあるとき、また、図6に示すごとく、第1、第4ピストン13A、Dが下死点132にあり、第2、第3ピストン13B、Cが上死点131にあるときに、上記バランスウェイト311が各ピストン13から最も離れた位置にほぼ位置する。
一方で、図7に示すごとく、第1〜第4ピストン13A〜Dが上死点131と下死点132との中間位置133にあるときに、上記バランスウェイト311が各ピストン13に最も近づく位置にほぼ位置する。これにより、上記各ピストン13等の往復運動により発生する慣性力、慣性偶力の作用方向とは逆方向に上記バランスウェイト311による慣性力を作用させて、振動や騒音の発生を低減することができる。
なお、バランスウェイト311は、その重心をシャフト部31の軸心からオフセットした位置に形成している。そして、バランスウェイト311は、その質量と、シャフト部31の軸心からバランスウェイト311の重心までの距離である偏心量とを調節することにより、各ピストン13等の往復運動による慣性力、慣性偶力とつり合う慣性力を発生させるよう構成することができる。
また、図1、図3に示すごとく、上記結合手段4は、上記シャフト部31の外周面310に形成した第1凹部312内に配置された第1ピン(第1結合部)41と、この第1ピン41を油圧力によって移動させる油圧手段43と、上記ドリブンギヤ32の内周面320に形成した第2凹部321内に配置された第2ピン(第2結合部)42と、この第2ピン42を付勢するバネ(付勢手段)44とを有している。そして、結合手段4は、上記結合を行うときには、図3、図4に示すごとく、上記油圧手段43の油圧力を作用させて上記第1ピン41の一部を上記第2凹部321内に前進させ、上記結合の解除を行うときには、図5に示すごとく、上記油圧力の作用を解除すると共に上記バネ44の付勢力により上記第2ピン42を介して上記第1ピン41を上記第1凹部312内に後退させるよう構成されている。
具体的には、上記第1ピン41は、図4に示すごとく、油圧手段43により押圧されて、その一部を上記第2凹部321内に前進させる前進位置と、図5に示すごとく、上記第1凹部312内に後退し収納される後退位置との間で移動可能である。また、第1ピン41は、上記第1凹部312の深さと同一の長さを有している。そして、図5に示すごとく、第1ピン41が、上記後退位置にあるときには、その基端面が第1凹部312の底面に対面した状態にあり、第1ピン41の先端面410とシャフト部31の外周面310とが略同一面を形成する。
また、上記第2ピン42は、図4に示すごとく、第1ピン41が前進したときには上記バネ44を縮小させるように弾性変形させて第2凹部321の奥に向けて移動する。一方、第2ピン42は、図5に示すごとく、第1ピン41が後退したときには上記バネ44の弾性変形の復元力により第2凹部321の手前に向けて移動し、第2ピン42の先端面420とドリブンギヤ32の内周面320とが略同一面を形成する。
また、図1、図2に示すごとく、上記第1凹部312は、上記シャフト部31の外周面310における1箇所に形成されており、上記第2凹部321は、上記ドリブンギヤ32の内周面320における1箇所に形成されている。そして、シャフト部31とドリブンギヤ32とは、第1凹部312と第2凹部321とが対向する円周方向の1箇所においてのみ結合可能である。すなわち、シャフト部31とドリブンギヤ32とは、上記ピストン13が上死点131又は下死点132に位置するときに、上記バランスウェイト311がピストン13から最も離れた位置にほぼ位置する位置関係を形成するよう結合される。
図5に示すごとく、上記結合手段4による結合の解除が行われた状態(結合解除状態)においては、上記第1ピン41の先端面410と上記シャフト部31の外周面310とが略同一面を形成し、上記第2ピン42の先端面420と上記ドリブンギヤ32の内周面320とが略同一面を形成する。この結合解除状態においては、ドリブンギヤ32の内周面320及び第2ピン42の先端面420が、シャフト部31の外周面310及び第1ピン41の先端面410に対して摺動する。こうして、ドリブンギヤ32がシャフト部31に対して空転する状態が形成される。
一方で、図4に示すごとく、上記油圧手段43から第1ピン41に油圧力を作用させると、この第1ピン41は、シャフト部31から突出しようとする。そして、ドリブンギヤ32が空転して、このドリブンギヤ32における第2凹部321及び第2ピン42が、シャフト部31における第1凹部312及び第1ピン41に対向したときには、第1ピン41が上記バネ44の付勢力に抗して第2ピン42を第2凹部321の奥に押し出すと共に、この第1ピン41の一部が第2凹部321内に前進する。こうして、シャフト部31がドリブンギヤ32と一体的に回転する状態が形成される。
図3に示すごとく、上記油圧手段43は、上記シャフト部31内に形成したオイル通路431と、このオイル通路431にオイルを供給するオイル供給装置(図示略)とを有している。オイル通路431の開口先端部432は、上記第1凹部312の底面に開口しており、オイル供給装置は、油圧バルブ(図示略)の切替動作によって油圧ポンプ(図示略)からオイルを供給するよう構成されている。
そして、油圧バルブをONにしてオイル通路431にオイルを供給すると、第1凹部312内の第1ピン41を第2凹部321に向けて前進させることができる。一方、油圧バルブをOFFにしてオイル通路431からオイルを回収すると、第1ピン41を第2ピン42を介してバネ44の復元力によって第1凹部312内に後退させることができる。
また、図2、図8に示すごとく、上記バランサ機構2は、上記バランスシャフト3の回転を受けて従動回転する従動バランスシャフト5を有している。そして、バランスシャフト3のシャフト部31には、上記従動バランスシャフト5を従動回転させるための第1バランスギヤ(第1バランス伝動車)33が配設されている。
図8に示すごとく、従動バランスシャフト5は、軸心から偏心して設けられた従動バランスウェイト511を備えた従動シャフト部51と、上記第1バランスギヤ33に噛合(係合)するよう上記従動シャフト部51に配設された第2バランスギヤ(第2バランス伝動車)52とを有している。
第1バランスギヤ33と第2バランスギヤ52とは、それらの基準ピッチ円直径と歯数とがそれぞれ同じになっており、これらは、互いに逆方向に同じ回転数で回転する。
また、図2、図8に示すごとく、第1バランスギヤ33と第2バランスギヤ52とは、バランスウェイト311と従動バランスウェイト511とが互いに最も接近する位置関係と、互いに最も離れる位置関係とを形成するよう噛合している。
また、バランスウェイト311と従動バランスウェイト511とは、それらの質量と偏心量とが同じになっており、互いにつり合う慣性力を発生させるよう構成されている。
図2に示すごとく、上記バランスシャフト3は、上記クランクシャフト11の下方向に配設されており、上記ドリブンギヤ32は上記クランクギヤ12の下方向に位置する。また、上記従動バランスシャフト5は、バランスシャフト3の横方向に配設されており、第2バランスギヤ52は、第1バランスギヤ33の横方向に位置する。
そして、バランスシャフト3の回転に従動して従動バランスシャフト5を回転させることにより、バランスシャフト3が横方向に発生させる慣性力と、従動バランスシャフト5が横方向に発生させる慣性力とをつり合わせることができ、バランスシャフト3の回転運動により発生する振動や騒音を低減させることができる。
上記バランサ機構2は、エンジン1の回転数に応じて、クランクシャフト11に対するバランスシャフト3の従動回転及び切り離しの動作を行うことができるものである。
そして、図5に示すごとく、エンジン1が停止した状態においては、上記第1ピン41は上記第1凹部312内に後退しており、上記シャフト部31とドリブンギヤ32との結合が解除されていて、ドリブンギヤ32がシャフト部31に対して空転可能な状態にある。この状態においては、第1ピン41の先端面410とシャフト部31の外周面310とが略同一面を形成しており、また、上記第2ピン42の先端面420とドリブンギヤ32の内周面320とが略同一面を形成している。
次いで、図5に示すごとく、エンジン1を始動させて、複数のピストン13の燃焼往復運動によりクランクシャフト11及びクランクギヤ12が回転すると、クランクギヤ12に噛合するドリブンギヤ32がシャフト部31の回りを空転する。このとき、ドリブンギヤ32の内周面320及び第2ピン42の先端面420は、シャフト部31の外周面310及び第1ピン41の先端面410に対して摺動する。
こうして、エンジン1の回転数が低回転数であるとき又は中回転数未満であるとき、すなわち本例ではエンジン1の回転数が3000rpm未満であるときには、上記バランスウェイト311を備えたシャフト部31は回転しない。
そのため、シャフト部31によるオイル撹拌抵抗が発生せず(シャフト部31がエンジンケース内のオイルを撹拌することがなく)、エンジン1の動力損失を低減させることができる。
次いで、エンジン1の回転数が中回転数以上になったとき、すなわち本例ではエンジン1の回転数が3000rpm以上になったときには、上記油圧バルブをONにし、上記シャフト部31におけるオイル通路431にオイルを供給する。そして、オイル通路431の開口先端部432から上記第1凹部312内の第1ピン41に油圧力を作用させる。このとき、第1ピン41には、シャフト部31から突出しようとする力が働く。
そして、図4に示すごとく、上記ドリブンギヤ32が空転して、このドリブンギヤ32における第2凹部321及び第2ピン42が、上記シャフト部31における第1凹部312及び第1ピン41に対向したときには、第1ピン41が上記バネ44の付勢力に抗して第2ピン42を第2凹部321の奥に押し出すと共に、この第1ピン41の一部が第2凹部321内に前進する。
これにより、シャフト部31とドリブンギヤ32との結合が行われ、シャフト部31は、クランクギヤ12の回転を受けてドリブンギヤ32と一体的に回転することができる。
また、シャフト部31が回転すると、上記第1バランスギヤ33と第2バランスギヤ52とが噛合しているため、上記従動バランスシャフト5がバランスシャフト3の回転を受けて従動回転する。
こうして、エンジン1の回転数が中回転数以上になったときには、上記バランスウェイト311を備えたシャフト部31及び上記従動バランスウェイト511を備えた従動シャフト部51を回転させることができ、エンジン1の運転に伴う振動や騒音の低減を図ることができる。
さらに、上記バランサ機構2においては、上記第1ピン41及び第2ピン42を移動させることによって、シャフト部31に対するドリブンギヤ32の結合及びこの結合の解除を行うことができる。そのため、上記結合又は結合の解除を行う際に、バランスシャフト3の全体を移動させる必要がなく、簡単に結合又は結合の解除を行うことができる。
それ故、上記バランサ機構2によれば、簡単な構造でクランクシャフト11に対するバランスシャフト3の従動回転及び切り離しの動作を行うことができ、エンジン1のコンパクト化を図ることができる。
実施例における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す説明図。 実施例における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例における、バランサ機構の要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す説明図。 実施例における、シャフト部とドリブンギヤとが一体的に回転する状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例における、ドリブンギヤがシャフト部に対して空転する状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す他の説明図。 実施例における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す他の説明図。 実施例における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの方向から見た状態で示す説明図。
符号の説明
1 エンジン
11 クランクシャフト
12 クランクギヤ
13 ピストン
2 バランサ機構
3 バランスシャフト
31 シャフト部
311 バランスウェイト
312 第1凹部
32 ドリブンギヤ
321 第2凹部
33 第1バランスギヤ
4 結合手段
41 第1ピン
42 第2ピン
43 油圧手段
44 バネ
5 従動バランスシャフト
51 従動シャフト部
511 従動バランスウェイト
52 第2バランスギヤ

Claims (3)

  1. エンジンのクランクシャフトの回転を受けて従動回転するバランスシャフトを有するバランサ機構であって、
    上記バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられたバランスウェイトを備えたシャフト部と、上記クランクシャフトに配設されたクランク伝動車に係合するよう上記シャフト部に対して回転可能に配設されたドリブン伝動車と、上記エンジンの回転数に応じて、上記シャフト部と上記ドリブン伝動車との結合及び該結合の解除を行う結合手段とを有しており、
    かつ上記バランスシャフトは、上記結合手段が上記結合を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記シャフト部が上記ドリブン伝動車と共に回転し、一方、上記結合手段が上記結合の解除を行ったときには、上記クランク伝動車の回転を受けて上記ドリブン伝動車が上記シャフト部に対して空転するよう構成されていることを特徴とするバランサ機構。
  2. 請求項1において、上記結合手段は、上記シャフト部の外周面に形成した第1凹部内に配置された第1結合部と、該第1結合部を油圧力によって移動させる油圧手段と、上記ドリブン伝動車の内周面に形成した第2凹部内に配置された第2結合部と、該第2結合部を付勢する付勢手段とを有しており、
    かつ上記結合手段は、上記結合を行うときには、上記油圧手段の油圧力を作用させて上記第1結合部の一部を上記第2凹部内に前進させ、一方、上記結合の解除を行うときには、上記油圧力の作用を解除すると共に上記付勢手段の付勢力により上記第2結合部を介して上記第1結合部を上記第1凹部内に後退させるよう構成されていることを特徴とするバランサ機構。
  3. 請求項1又は2において、上記バランサ機構は、上記バランスシャフトの回転を受けて従動回転する従動バランスシャフトを有しており、該従動バランスシャフトは、軸心から偏心して設けられた従動バランスウェイトを備えた従動シャフト部と、上記バランスシャフトの上記シャフト部に配設された第1バランス伝動車に係合するよう上記従動シャフト部に配設された第2バランス伝動車とを有しており、
    上記第1バランス伝動車と上記第2バランス伝動車とは、上記バランスウェイトと上記従動バランスウェイトとが互いに最も接近する位置関係と、互いに最も離れる位置関係とを形成するよう係合していることを特徴とするバランサ機構。
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