JP2009040498A - キャリアテープ - Google Patents
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Abstract
【課題】リールの巻かれたキャリアテープの凹状収納室に対して、1周外方に巻かれて同一半径方向に位置する他のキャリアテープの凹状収納室が嵌入するのを抑止する。
【解決手段】被搬送部品を収容する凹状収納室12の周壁18がテーパー状になっているキャリアテープ11において、前記凹状収納室12の底部側周壁に、その一部分が外方に逆テーパー状に膨出する膨出部20を設ける(第一対象発明)。また、凹状収納室12の周壁18が、前記エンボス成形されなかった平坦部19に対して、略垂直になっているキャリアテープ11において、凹状収納室12の最下端周壁の背面間隔を凹状収納室の開口端幅より大きくする。
【選択図】図1
【解決手段】被搬送部品を収容する凹状収納室12の周壁18がテーパー状になっているキャリアテープ11において、前記凹状収納室12の底部側周壁に、その一部分が外方に逆テーパー状に膨出する膨出部20を設ける(第一対象発明)。また、凹状収納室12の周壁18が、前記エンボス成形されなかった平坦部19に対して、略垂直になっているキャリアテープ11において、凹状収納室12の最下端周壁の背面間隔を凹状収納室の開口端幅より大きくする。
【選択図】図1
Description
本発明は、小形電子部品や機械部品等の被搬送部品を収納して搬送又は保管する合成樹脂製キャリアテープに関するものである。
従来から、図4に示すように、キャリアテープ1は、合成樹脂テープTにエンボス加工を施して、所定間隔をおいて多数個の凹状収納室2を形成し、それらの凹状状収納室2に被搬送部品3を収納する形状・構造を有している。このキャリアテープ1に被搬送部品3を充填してカバーフィルム4を被覆した後、被搬送部品3の使用工程に搬送するに先立って、図5に示すように、キャリアテープ1は、リール5に巻かれて、その製造工程から前記被搬送部品3の充填工程に搬送される。
このとき、キャリアテープ1はその凹状収納室2の開口6が外側を向くように渦巻き状にされるので、図6に示すように、リール5の中で一つの凹状収納室2に対して、1周外方に巻かれたキャリアテープの一部分をなす凹状収納室2の底部7が嵌まり込む現象(以下、重ね鉢現象という)が発生することがある。というのは、キャリアテープ1の製造工程で合成樹脂テープTをエンボス加工するのに使用する金型が雄雌金型からなっているので、成形過程で脱型し易くするために雌型のキャビティと雄型に抜き勾配が設けられていること、図7に示すように、凹状収納室2に対する被搬送部品3の充填・取り出し作業の効率化という観点から、凹状収納室2は、開口6の開口端6aから凹状収納室2の底部7に近づくにつれて横断面が狭くなるように、周壁8がテーパー形状になっているので、リール5に巻かれたキャリアテープ1の凹状収納室2が重ね鉢現象を起こし、次の段階でリール5からキャリアテープ1を円滑に巻き戻すことができなくなる。さらに前記凹状収納室2に被搬送部材3を収納したキャリアテープ1をリールに巻いたときも、そのキャリアテープ1の一部分に前記同様の重ね鉢現象が起こる。
そこで、この現象が起こらないようにするために、図8に示すように、凹状収納室2の周壁8の厚さを比較的大きくして、凹状収納室2における開口6の開口幅L1より、前記周壁8のうち凹状収納室2の最下端周壁8aの背面間隔L2を大きくすることにより、重ね鉢現象の発生を抑止する技術(公知技術1)が提案されている(特開2000−185766号公報)。
特開2000−185766号公報 特許第3870305号公報
しかしながら、この公知技術1は、凹状収納室2の周壁8の厚さを底部7の厚みより大きくする必要があり、原材料である合成樹脂をそれだけ多く使用しなければならないという問題がある。
そこで、本発明者は、上記問題を解消し得るキャリアテープを提供すべく、鋭意、検討したところ、凹状収納室の深さが比較的大きいキャリアテープと比較的小さいキャリアテープの構造・形状を相異させて、それらに相応した手段を施せば、前記の問題を解消し得るという事実を見出し、本発明に到達した。
従って、本発明の課題は、リールの巻かれたキャリアテープの凹状収納室に対して、1周外方に巻かれて同一半径方向に位置するキャリアテープの凹状収納室が嵌入する重ね鉢現象を起こさない構造のキャリアテープを提供することにある。なお、本出願人は、前記公知技術1の一実施形態として、凹状収納室のコーナーの外側に周壁の長さ方向全域に亘って周壁が膨出する膨出部を有する技術(公知技術2)を提案している(特許第3870305号公報公報)が、この公知技術においても前記の問題を完全には払拭することができないことが、この技術の出願後に判明した。
本発明は、前記の課題を解決するために、被搬送物を収容する凹状収納室の開口端から底部に向かうにつれて、凹状収納室の横断面積が小さくなるテーパー状の周壁を有しているキャリアテープ(第一対象発明)において、前記凹状収納室の底部側周壁に、その一部分が外方に膨出する膨出部を設けるという手段を採用する。
上記手段を採用することにより、本発明に係るキャリアテープをリールに巻いても凹状収納室の重ね鉢現象を解消できるとともに、前記膨出部を凹状収納室の底部側周壁の一部分に形成したので、キャリアテープを製造するために使用する原料合成樹脂の使用量を少なくできる。勿論、本発明は、前記凹状収納室の周壁及び底部の肉厚を意図的に不等にすることなく、略等しくするとともに、キャリアテープをリールに巻いても凹状収納室の重ね鉢現象が生じない範囲において、膨出部を必要最小限度に外方に膨出させる。
さらに本発明は、前記凹状収納室が,その開口端から底部に向かうにつれて、凹状収納室の横断面積が実質上小さくなっていないキャリアテープをも対象とし、すなわち、合成樹脂製テープをエンボス成形して得た凹状収納室の周壁が、前記エンボス成形されなかった前記テープの平坦部に対して、略垂直になっているとともに、前記凹状収納室の周壁と底部とが略等しい肉厚を有するキャリアテープ(第二対象発明)において、前記周壁のうち凹状収納室の最下端周壁の背面間隔を前記収納室の開口幅より大きくするという手段を採用する。
ここで、「前記凹状収納室の周壁が、前記エンボス成形されなかった前記テープの平坦部に対して、略垂直に形成されている」とは、本発明に係るキャリアテープの製造過程でエンボス成形金型である雄雌金型によりキャリアテープを成形直後、脱型するとき脱型し易くするために、金型に必要な最小限度の抜き勾配を設けているので、その脱型に起因して前記周壁に形成されるテーパー角を考慮しないという意味である。従って、第二対象発明においては、凹状収納室に対する被搬送部品の充填・取り出し作業の効率化という観点から、凹状収納室の開口端から凹状収納室の底部に近づくにつれて、凹状収納室の横断面を意図的に狭くすることはしない。
一方、前記第二発明対象において、前記凹状収納室の成形時に脱型による抜き勾配に起因する僅かなテーパー角が凹状収納室の周壁に形成されるにも関わらず、「前記周壁のうち凹状収納室の最下端周壁の背面間隔が前記収納室の開口幅より大きい」とは、第二発明対象の凹状収納室が第一発明対象のそれより浅いという意味である。逆に言うと前者が後者より浅くないと、前記最下端周壁の背面間隔を前記収納室の開口幅より大きくすることができない。
本発明は、前記第一発明対象においても、第二発明対象においても、被搬送部品を収納した、又は収納しないキャリアテープがリールに巻かれたとき、凹状収納室の重ね鉢現象を解消できるとともに、キャリアテープ製造時に使用する原料の合成樹脂を少なくできるという効果を発揮する。
以下、図面を参照しながら第一、第二対象発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1及び図2に示すように、本第一対象発明に係るキャリアテープ11は、従来技術と同様に、合成樹脂テープTをエンボス成形することにより得られた多数個の凹状収納室12を有しているとともに、凹状収納室12が形成されないで残った平坦部19にキャリアテープ11を移動させるときに使用する送り孔19aを有している。
前記凹状収納室12の開口16は、その開口端16aから底部17に向かうにつれて、横断面が小さくなるテーパー状の周壁18を有しており、被搬送部品13の収容が可能になっている。さらに、前記凹状収納室12において相対向する二つの周壁18のうち、底部側周壁18aの少なくとも一つには、その一部分が外方に膨出した膨出部20が1個又は2個形成されている。なお、膨出部20が形成される水平方向の膨出位置は、凹状収納室12内に収納される被搬送部品13の挿入又は取り出し作業効率を考慮して決定される。
膨出部20は、周壁18の表面と前記平坦部19との交点pを通る仮想垂直面Cを中心にして面対称的関係を有する逆テーパー状の最外壁面20aを有している。最外壁面20aは、平面であっても曲面であってもよいが、好適には後者の面を備え、下方に至る部位程、外方により張り出す形状になっている。
次に、最外壁面20aが外方に張り出す程度は、それら最外側壁20aの背面間距離L2が、開口幅L1より僅かに大きくなる程度とする。このような形状・構造を有する凹状収納室11を有するキャリアテープ11をリールに巻いても、一つの凹状収納室12に対して、その外側に1周多く巻いたキャリアテープ11の凹状収納室が重ね鉢現象を起こすことはない。
なお、上記形状及び構造を有するキャリアテープ11は、例えば、エンボス金型の雄型の形状を周知のそれと相異させるとともに、成形時の加熱・冷却条件を制御することにより、得られる。前記膨出部20の最外側壁20aが、周壁18のテーパー角と逆のテーパー角を有しているにも拘わらず、エンボス成形時に型抜きが可能なのは、前記最外側壁20aが周壁18の一部分にしか形成されていないため、膨出部20の存在により、実質上、型抜き作業が損なわれることはない。
次に、第二対象発明について説明すると、図3に示すように、第二対象発明に係るキャリアテープ11の構成要素は、公知技術と同様に、合成樹脂製テープTをエンボス加工して、被搬送部品13を収容する凹状収納室12と、エンボス成形されないで残った前記テープTの平坦部19とからなる。
しかしながら、第二対象発明のキャリアテープ11においては、まず、凹状収納室12の周壁18が、前記平坦部19に対して、略垂直に形成されている点と、前記平坦部19から底部17までの開口深さH1が第一対象発明のそれより小さいという点において、公知技術1等のキャリアテープの形状と相異する。
そして、本第二対象発明は、この二つの要件を同時に満足させることにより、キャリアテープ11における前述した重ね鉢現象を解消できるとともに、前記周壁18の厚みを底部17の厚みより大きくする必要がなくなる。
具体的にこれについて詳述すると、キャリアテープ11の製造過程でエンボス成形金型である雄雌金型によりキャリアテープ11を成形直後、脱型するとき、金型に最小限度の抜き勾配が必要である。本第二対象発明では得られるキャリアテープ11の凹状収納室12の周壁18も僅かにテーパー状に傾斜することは避けられない。しかしながら、このように前記周壁18が僅かに傾斜している凹状収納室11でも、図3において1点鎖線で示すように、周壁18が最も低くい位置における最下端周壁18bの背面間隔L3が凹状収納室12の開口幅L1より小さくなるまで、その開口深さH2を大きくすると、前記重ね鉢現象が起こる。
そこで、本第二対象発明は、前記最下端周壁18bの背面間隔L4が前記凹状収納室12の開口幅L1より小さい範囲に収まるように、凹状収納室12の開口深さH1を制限する。従って、第二対象発明においては、凹状収納室12に対する被搬送部品13の充填・取り出し作業の効率化という観点から、開口端16aから凹状収納室12の底部17に近づくにつれて開口16の横断面が狭くなるよう、凹状収納室12の周壁18を積極的に所定のテーパー角(ただし、必要最小限度に必要な抜き勾配に起因して形成されるテーパー角を除く)を以って傾斜させることなく、厚みが比較的小さい特殊な被搬送部品13を搬送するのに使用されるキャリアテープとする。
なお、本第二対象発明に係るキャリアテープ11を製造するエンボス金型として、周知構造の雄雌金型を使用すると、凹状収納室12の周壁18を、前記平坦部19に対して、略垂直にすることができないので、本第二対象発明に係るキャリアテープ11を得るとき、特定のキャビティを有する金型を使用する。
本第一対象発明は、小形の電気部品や精密機械部品等の被搬送部品を搬送するキャリアテープとして有用できる。本第二対象発明は、さらにより小形かつ精密な被搬送部品用のキャリアテープとして有効に利用できる。
1:キャリアテープ
2:凹状収納室
3:被搬送部品
4:カバーフィルム
5:リール
6:開口
7:底部
8:周壁
8a:最下端周壁
11:キャリアテープ
12:凹状収納室
13:被搬送部品
15:リール
16:開口
16a:開口端
17:底部
18:周壁
18a:底部側周壁
18b:最下端周壁
19:平坦部
20:膨出部
20a:最外側壁
C:仮想垂直面
H1:開口深さ
H2:開口深さ
L1:開口端幅
L2:最外壁間距離
L3:背面間隔
L4:背面間隔
p:交点
T:合成樹脂テープ。
2:凹状収納室
3:被搬送部品
4:カバーフィルム
5:リール
6:開口
7:底部
8:周壁
8a:最下端周壁
11:キャリアテープ
12:凹状収納室
13:被搬送部品
15:リール
16:開口
16a:開口端
17:底部
18:周壁
18a:底部側周壁
18b:最下端周壁
19:平坦部
20:膨出部
20a:最外側壁
C:仮想垂直面
H1:開口深さ
H2:開口深さ
L1:開口端幅
L2:最外壁間距離
L3:背面間隔
L4:背面間隔
p:交点
T:合成樹脂テープ。
Claims (3)
- 被搬送部品(13)を収容する凹状収納室(12)の開口端(16a)から底部(17)に向かうにつれて、前記凹状収納室の横断面が小さくなるテーパー状の周壁(18)を有しているキャリアテープ(11)において、前記凹状収納室の底部側周壁(18a)に、その一部分が外方に膨出する膨出部(20)を設けたことを特徴とするキャリアテープ。
- 前記膨出部(20)の最外側壁(20a)が逆テーパー状になっている請求項1記載のキャリアテープ。
- 合成樹脂製テープ(T)をエンボス成形して得た凹状収納室(12)の周壁(18)が、前記エンボス成形されなかった前記テープの平坦部(19)に対して、略垂直になっているとともに、前記凹状収納室の周壁と底部(17)とがほぼ等しい肉厚を有するキャリアテープ(11)において、前記周壁のうち凹状収納室の最下端周壁(18b)の背面間隔(L4)を前記収納室の開口端幅(L1)より大きくしたことを特徴とするキャリアテープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007229525A JP2009040498A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | キャリアテープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007229525A JP2009040498A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | キャリアテープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009040498A true JP2009040498A (ja) | 2009-02-26 |
Family
ID=40441678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007229525A Pending JP2009040498A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | キャリアテープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009040498A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012236610A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Taiyo Yuden Co Ltd | 包装用キャリアテープ及びその巻取リール |
WO2018008691A1 (ja) * | 2016-07-07 | 2018-01-11 | 信越ポリマー株式会社 | キャリアテープ |
-
2007
- 2007-08-08 JP JP2007229525A patent/JP2009040498A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012236610A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Taiyo Yuden Co Ltd | 包装用キャリアテープ及びその巻取リール |
WO2018008691A1 (ja) * | 2016-07-07 | 2018-01-11 | 信越ポリマー株式会社 | キャリアテープ |
JP2019014538A (ja) * | 2016-07-07 | 2019-01-31 | 信越ポリマー株式会社 | キャリアテープ |
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