JP2009040026A - 中空体の成形方法、当該成形方法を用いた中空体、及び中空体容器 - Google Patents

中空体の成形方法、当該成形方法を用いた中空体、及び中空体容器 Download PDF

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Abstract

【課題】凹部が急峻な縁部であり且つ周縁部が平坦であるように樹脂製段ボール等の中空体を加工する中空体の成形方法を提供する。
【解決手段】内部に多数の中空部18を有する樹脂製中空体10に対して、その表面に凹部19を形成する中空体の成形方法であって、凹部に対応した刃先を有する刃物24を厚み方向に表面から第一深さまで押し込むことにより、凹部対応領域13を周囲から切り離すハーフカットステップと、周囲から切り離された凹部対応領域に対して、押圧体26を厚み方向に表面から第二深さまで押し込むことにより、中空体の凹部対応領域が厚み方向に押しつぶされた凹部を形成する押圧ステップと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂製段ボールや紙製段ボール等の中空体に凹部を形成する中空体の成形方法、当該成形方法を用いた中空体、及び中空体容器に関する。
樹脂製の段ボールや発泡ボード等の樹脂製中空体の内部に多数の中空部を有する樹脂製中空体容器に取り付けて、物品の流通履歴を管理したり、物品の在庫や入出庫状況を管理したりするために、当該物品に関する電子的な情報が格納されたICタグが幅広く使用されている。樹脂製中空体容器に対するICタグの取付には、粘着剤による貼付、又は熱活性タイプの接着剤やホットメルト等による熱溶着等の手法が用いられている。
樹脂製中空体容器は耐久性に優れているために、一回限りの使い捨てというよりは、洗浄処理して繰り返し使用することが行われている。粘着剤を用いた取付方法では、樹脂製中空体容器とICタグとの間の接着強度が不十分である場合には、ICタグ付き樹脂製中空体容器を洗浄処理したときに、洗浄液等によって粘着剤が侵されて洗浄液等がICタグの内部に滲入することによって、ICチップの損傷が起こってしまうという問題がある。
さらに、樹脂製中空体容器の表面にICタグが単純に貼付されているために、樹脂製中空体容器の表面からは、ICタグインレットの厚み相当分だけICタグインレットが突出している。このような突出形態は、樹脂製中空体容器の外観的な美観を損なうだけでなく、突出しているICタグインレットに対して硬質物が何かの拍子でぶつかったときの衝撃によって、ICチップを損傷させるという問題もある。
ところで、樹脂製中空体としての樹脂製段ボールは、上下二枚のライナーの間に多数の中芯で仕切られた中空部を有する構成である。このような樹脂製段ボールの加工方法としては、直角に折り曲げる加工方法がある。折り曲げ加工として、加熱したV字型刃物を一方のライナーの表面に押し当てて、V字状の折り曲げ溝(凹部)を形成し、溶融した切り口が硬化する前に樹脂製段ボールを折り曲げて折り曲げ溝を閉じ合わせることが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
上記凹部形成方法では、加熱したV字型刃物をライナーに押し込む際に、V字型の折り曲げ溝とライナーの平坦面との境界をなす縁部で、溶融した樹脂がそれ自身の表面張力により盛り上がった突起部を形成してしまい、急峻な縁部とはならない。加熱された治具を樹脂製段ボールのライナーに押し込んで樹脂製段ボールを熱変形させる凹部形成技術には、溶融した樹脂の突起部が凹部の周縁部分に形成されるために、ICタグの取付に際して、凹部及びその周辺に対する十分な密着性が得られないという問題がある。
また、上述した樹脂製中空体以外にも、多数の中空部を有する中空体としては紙製段ボールがある。紙製段ボールは、上下二枚のライナーの間に波形の中芯で仕切られた中空部を有する構成である。このような紙製段ボールは、上記樹脂製段ボールと比較して、素材が柔らかい分だけ加工が容易である、何回も繰り返して使用することはできないものの数回レベルの使用あるいはワンウエイの(使い捨ての)使用が可能であるので低コストであるという特徴を有する。
特開平11−170402号公報
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、凹部が急峻な縁部であり且つ周縁部が平坦であるように樹脂製段ボールや紙製段ボール等の中空体を加工する中空体の成形方法及び、当該成形方法を用いた中空体容器を提供することである。
課題を解決するための手段及びその作用と効果
上述の技術的課題を解決するために、本発明に係る中空体の成形方法及び、当該成形方法を用いた中空体容器は、以下の特徴を有する。
すなわち、本発明に係る樹脂製中空体の成形方法は、
内部に多数の中空部を有する中空体の表面に対して凹部を形成する中空体の成形方法であって、
凹部に対応した刃先を有する刃物を厚み方向に表面から第一深さまで押し込むことにより、凹部対応領域を周囲から切り離すハーフカットステップと、
周囲から切り離された凹部対応領域に対して、押圧体を厚み方向に表面から第二深さまで押し込むことにより、中空体の凹部対応領域が厚み方向に押しつぶされた凹部を形成する押圧ステップと、
を備えることを特徴とする。
上記成形方法によれば、刃物で凹部対応領域を周囲から切り離して(ハーフカットして)周囲との縁を断ち切ったあとに、押圧体で凹部対応領域を押圧して変形させるので、凹部対応領域の周囲からの影響を受けることがないために、縁部が急峻であるとともに、周縁部が平坦である凹部が形成される。
刃物及び押圧体を別々に準備して、切断ステップ及び押圧ステップを非連続的に行うことも可能であるが、刃物及び押圧体を凹部対応領域に対して高精度に位置決めすることが困難であり、位置決めの手間が必要である。そこで、刃物と押圧体とが一体的に構成されていて、押圧体が刃物の内側領域に配置されているとともに刃物の刃先が押圧体の押圧面よりも突出している成形治具を用いて、切断ステップと押圧ステップとを連続的に行うことが好適である。刃物及び押圧体が予め高精度に位置決めされた成形治具を用いているので、高精度に且つ安定して凹部を形成することができる。
中空体は、紙製中空体である。
紙製中空体は、具体的には、上下二枚のライナーの間に波形中芯で仕切られた中空部が連設している紙製段ボールである。
紙製中空体を用いて重量物を運搬するためには、紙製中空体は、上下二枚のライナーの間に波形中芯で仕切られた中空部が連設している紙製段ボールが複数個積層された積層紙製段ボールであることが好ましい。
また、中空体は、樹脂製中空体である。
紙製中空体及び樹脂製中空体においては、中空部の外殻を形成する壁部を物理的に変形させることによって凹部を形成することが可能である。特に、樹脂製中空体においては、壁部が、加熱されると軟化して変形する樹脂から構成されているので、押圧体は、樹脂製中空体を熱変形させることができる温度に加熱されていることが好適である。樹脂製中空体の加熱によって低い押圧力で凹部対応領域の壁部を変形させることができるので、凹部対応領域の壁部がダメージを受けにくくなる。特に、樹脂製中空体の壁部が肉厚で構成されている場合、壁部のスムーズな変形には、加熱プロセスの付加が有効である。
樹脂製中空体は、具体的には、上下二枚のライナーの間に多数の中芯で仕切られた中空部が連設している樹脂製段ボールである。
また、樹脂製中空体は、具体的には、発泡による中空部がマトリックス樹脂に形成された樹脂製発泡ボードである。
上述した紙製中空体又は樹脂製中空体の凹部内には、電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されている基材と、を備えるICタグインレットが配設されている。中空体の凹部の周縁には溶融樹脂の突起部が存在しないために、凹部の周縁が平坦である。平坦な周縁を有する凹部に対してICタグインレットを埋入することによって、良好な美観性が得られるとともに、硬質物が何かの拍子でぶつかったときの衝撃からICチップを保護することができる。さらに、後述するICタグインレットの確実な封止のためには、凹部の周縁が平坦であることが有効である。
耐水性等のICタグの信頼性を向上させるために、熱圧着フィルムを介在させて状態でICタグインレットの配設された凹部の周縁を熱圧着すること、粘着剤を有するフィルムを貼着すること、又はICタグインレットの配設された凹部の上から樹脂を注入して固化することにより、ICタグインレットを封止することが好適である。
また、上述した中空体の凹部内には、光学部品が収納されている。
中空体の凹部内に収納される光学部品は、大型の光学フィルムである。
以下に、本発明の第一実施形態に係る樹脂製段ボール10の成形方法、当該成形方法によって凹部19の作成された樹脂製段ボール10について、図1乃至5を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る樹脂製段ボールの成形方法を説明する断面図であって、押し込む直前の様子を示している。図2は、成形治具を樹脂製段ボールに押し込んでいる様子を示す断面図である。図3は、押し込み成形直後の様子を示す断面図である。図4は、冷間成形時において、樹脂製段ボールの変形の様子を模式的に説明する断面図である。図5は、熱間成形時において、樹脂製段ボールの変形の様子を模式的に説明する断面図である。
樹脂製中空体としての樹脂製段ボール10は、上ライナー12と下ライナー14との間に、多数の柱状(リブ状)の中芯16(壁部)で仕切られた溝18(中空部)が連なって配設された形態をしている。樹脂製段ボール10は、合成樹脂材料(例えばポリプロピレンやポリエチレン)からなり、押出成形によって作成されている。例えば、住化プラステック(株)のサンプライ(型番がHP20030で、厚み2mm、目付300g/m、平面圧縮強度0.19MPa)や高剛性のスミパネル(型番がWT15550で、厚み15mm、目付5500g/m、平面圧縮強度6.37MPa)が使用される。
樹脂製段ボール10の成形に使用するプレス成形機は、油圧シリンダ32で上下に駆動される上プレス板30と、油圧シリンダ42で上下に駆動される下プレス板40と、上プレス板30に取り付けられた成形治具20と、を備えている。上プレス板30又は下プレス板40のいずれか一方を動かす片押し、あるいは上プレス板30及び下プレス板40の両方を動かす両押しによって、プレス成形機は、樹脂製段ボール10をプレス成形することができる。
成形治具20は、木製のベース体22に対して、刃物24と押圧体26とが一体的に構成されている。押圧体26が刃物24の内側領域に配置されている。鋭利な刃先25は、下プレス板40に対面しているとともに、押圧体26の押圧面27よりも僅かに突出している。所望とする凹部19の深さによって異なるが、例えば、ベース体22の高さが20mm、刃物24の高さが3.6mm、押圧体26の高さが2mmとすると、押圧体26の押圧面27に対する刃先25の突出量は、1.6mmである。また、刃物24の内面と押圧体26の外面とは、おおよそ1mmの間隔で離間しているので、刃物24と押圧体26とは熱的にも絶縁している。
刃物24は、鋼材からなり、両刃又は片刃の形状をしているトムソン刃である。刃物24の輪郭形状は、所望とする凹部19の形状によって異なるが、例えば、横が65mmで縦が40mmであり、四隅が丸くなっている大略長方形である。樹脂製段ボール10の厚みが5mmである場合に、凹部19の深さは例えば2mmである。押圧体26は、樹脂製段ボール10に対する押し込み成形を行ったときに破損しない程度の圧縮強度を有する材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料やステンレス等の金属材料等が使用される。
次に、樹脂製段ボール10に凹部19を形成する方法について、図1乃至3を参照しながら説明する。
図1に示すように、下プレス板40の上に樹脂製段ボール10(厚みが、例えば、5mmである)を載置し、上プレス板30に取り付けられた成形治具20に対して樹脂製段ボール10を位置決めする。
図2に示すように、不図示の駆動装置によって油圧シリンダ32に油圧を供給して、上プレス板30を下動させる。まず、刃物24の刃先25が樹脂製段ボール10の上ライナー12に当接して、所望の輪郭形状の切込が樹脂製段ボール10の厚み方向に上ライナー12の表面から第一深さ(少なくとも上ライナー12を切断する深さであり、例えば、3mmである)まで押し入れられて、凹部対応領域13が周囲から分断される(ハーフカットステップ)。切込部分には、鋭利な刃先25に対応した急峻な縁部が形成されている。そのあと、さらに上プレス板30を下動させると、押圧体26の押圧面27が上ライナー12に当接する。
図3に示すように、さらに上プレス板30を下動させると、押圧体26の押圧面27が切り離された上ライナー12を樹脂製段ボール10の厚み方向に上ライナー12の表面から第二深さ(所望とする凹部深さであり、例えば、2.5mmである)まで押圧して、加圧方向に延在する柱状の中芯16を押しつぶす(押圧ステップ)。そして、上プレス板30を上動させると、樹脂製段ボール10において、中芯16の変形した変形中芯部17を形成するとともに、凹部19を形成する。なお、上プレス30板を上下動させる代わりに、下プレス板40を上下動させたり、上プレス30板及び下プレス板40の両方を上下動させることも可能である。
プレス成形機によって樹脂製段ボール10に印加される押圧力は、単位面積当たり31000N/cmである。
上記押圧ステップでは、加熱することなく常温で行っている(冷間加工を行っている)ので、図4に示すように、柱状の中芯16の圧縮強度が上プレス板30の押圧力に負けて、中芯16の途中部分がポキッと折れ曲がって変形しまうために、変形中芯部17が形成される。
これに対して、押圧ステップにおいて、樹脂が塑性変形可能である温度に押圧体26を加熱した状態で押圧する(熱間加工を行う)と、図5に示すように、柱状の中芯16の上部が熱変形(熱溶融)して、中芯16の上部が上ライナー12に融着した変形中芯部17が形成される。押圧体26を加熱することによって、樹脂製段ボール10に印加される押圧力を小さくすることができる。なお、押圧体26だけを加熱しているので、刃物24で切り離された切込部分において、加熱溶融に起因した突起部が形成されることは無い。
したがって、冷間加工及び熱間加工のいずれの成形方法によっても、凹部19を有する樹脂製段ボール10を作成することができる。
次に、本発明の第二実施形態に係る樹脂製発泡ボード50の成形方法、当該成形方法によって凹部19の作成された樹脂製発泡ボード50について、図6乃至7を参照しながら詳細に説明する。上述した第一実施形態の樹脂製段ボール10との相違点を中心に説明する。
図6及び7に示すように、第二実施形態に係る樹脂製発泡ボード50は、第一実施形態の樹脂製段ボール10と対比して、上ライナー12や下ライナー14のような横方向に延在する横部材や中芯16のような縦方向に延在する縦部材というような方向性を持った要素から構成されておらず、マトリックス樹脂52及び気泡58のような無方向性の要素から構成されていることが相違している。
樹脂製発泡ボード50は、例えばポリプロピレン等の樹脂材料と発泡剤とを押出し成形機に供給し、溶融した材料を押出し成形機のノズルから型内に押出すことにより、マトリックス樹脂52中に、発泡剤によって発泡した気泡58を形成したものである。気泡58がマトリックス樹脂52中に大略均等に分散配置しているので、樹脂製発泡ボード50は、厚み方向及び長手方向のいずれの方向においても方向性を有しないと考えられる。気泡58の周りに存するマトリックス樹脂52が壁部を構成する。
凹部19を形成するための樹脂製発泡ボード50の発泡倍率は、好ましくは2〜10倍程度であり、より好ましくは4倍〜8倍程度である。2倍より小さな低発泡では気泡58の押しつぶしによる凹部19の形成が難しく、10倍より大きな高発泡では、連続押出発泡成形が難しい。
次に、樹脂製発泡ボード50に凹部19を形成する方法について、図6乃至7を参照しながら説明する。
図6に示すように、下プレス板40の上に樹脂製発泡ボード50(厚みが、例えば、5mmである)を載置し、上プレス板30に取り付けられた成形治具20に対して樹脂製発泡ボード50を位置決めする。
図7に示すように、不図示の駆動装置によって油圧シリンダ32に油圧を供給して、上プレス板30を下動させる。まず、刃物24の刃先25が樹脂製発泡ボード50の上面に当接して、所望の輪郭形状の切込が樹脂製発泡ボード50の厚み方向に上面から第一深さ(少なくとも加熱溶融に起因した突起部を形成しないように上面を切断する深さであり、例えば、3mmである)まで押し入れられて、凹部対応領域13が周囲から分断される(ハーフカットステップ)。切込部分には、鋭利な刃先25に対応した急峻な縁部が形成されている。そのあと、さらに上プレス板30を下動させると、押圧体26の押圧面27が樹脂製発泡ボード50の上面に当接する。
上プレス板30をさらに下動させると、押圧体26の押圧面27が切り離された樹脂製発泡ボード50の上面を樹脂製発泡ボード50の厚み方向に上面から第二深さ(所望とする凹部深さであり、例えば、2mmである)まで押圧して、凹部対応領域13のマトリックス樹脂52中に存在する気泡58を押しつぶす(押圧ステップ)。そして、上プレス板30を上動させると、樹脂製発泡ボード50において、気泡58が押しつぶされた変形した気泡59を形成するとともに、凹部19を形成する。なお、上プレス30板を上下動させる代わりに、下プレス板40を上下動させたり、上プレス30板及び下プレス板40の両方を上下動させることも可能である。
プレス成形機によって発泡倍率4倍の樹脂製発泡ボード50に印加される押圧力は、単位面積当たり31000N/cmである。
上記押圧ステップでは、加熱することなく常温で行っている(冷間加工を行っている)ので、図7に示すように、気泡58が押しつぶされて変形した気泡59が形成される。押圧力を解除すれば、空気の抜けていない気泡58は元に戻るが、上プレス板30の押圧力に負けて、空気の抜けた気泡58は元に戻らないために、凹部対応領域13での肉厚が薄くなって凹部19が形成される。
これに対して、押圧ステップにおいて、マトリックス樹脂52が熱的に塑性変形可能である温度に押圧体26を加熱した状態で押圧する(熱間加工を行う)と、マトリックス樹脂52の上部が熱変形(熱溶融)して、マトリックス樹脂52中に含まれる気泡が収縮して周囲のマトリックス樹脂52と一体化して縮小変形した気泡59が形成される。押圧体26を加熱することによって、樹脂製発泡ボード50に印加される押圧力を小さくすることができる。なお、押圧体26だけを加熱しているので、刃物24で切り離された切込部分において、熱変形に起因した突起部が形成されることは無い。
したがって、冷間加工及び熱間可能のいずれの成形方法によっても、凹部19を有する樹脂製発泡ボード50を作成することができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る紙製段ボール110の成形方法、当該成形方法によって凹部19の作成された紙製段ボール110について、図13乃至15を参照しながら詳細に説明する。上述した第一実施形態の樹脂製段ボール10との相違点を中心に説明する。
紙製中空体としての紙製段ボール110は、上ライナー112と下ライナー114との間に、波形の中芯116(壁部)で仕切られた空隙118(中空部)が連なって配設された両面段ボールである。紙製の両面段ボール110は、約5mmの厚さを有するもの、例えば、K6(ライナー112,114の重さ:210g/m)で、中芯116の重さ:180g/mで、Aフルート(段山数34±2(30cm当たり)、段高4.6〜4.79mm、段繰り率1.53〜1.613)のものである。
次に、紙製段ボール110に凹部19を形成する方法について、図13乃至15を参照しながら説明する。
図13に示すように、下プレス板40の上に紙製段ボール110(厚みが、例えば、5mmである単層の紙製段ボール)を載置し、上プレス板30に取り付けられた成形治具20に対して紙製段ボール110を位置決めする。
図14に示すように、不図示の駆動装置によって油圧シリンダ32に油圧を供給して、上プレス板30を下動させる。まず、刃物24の刃先25が紙製段ボール110の上ライナー112に当接して、所望の輪郭形状の切込が紙製段ボール110の厚み方向に上ライナー112の表面から第一深さ(少なくとも上ライナー112を切断する深さであり、例えば、3mmである)まで押し入れられて、凹部対応領域13が周囲から分断される(ハーフカットステップ)。切込部分には、鋭利な刃先25に対応した急峻な縁部が形成されている。そのあと、さらに上プレス板30を下動させると、押圧体26の押圧面27が上ライナー112に当接する。
図15に示すように、さらに上プレス板30を下動させると、押圧体26の押圧面27が切り離された上ライナー112を紙製段ボール110の厚み方向に上ライナー112の表面から第二深さ(所望とする凹部深さであり、例えば、2.5mmである)まで押圧して、加圧方向に延在する柱状の中芯116を押しつぶす(押圧ステップ)。そして、上プレス板30を上動させると、紙製段ボール110において、中芯116の変形した変形中芯部117を形成するとともに、凹部19を形成する。なお、上プレス30板を上下動させる代わりに、下プレス板40を上下動させたり、上プレス30板及び下プレス板40の両方を上下動させることも可能である。
プレス成形機によって紙製段ボール110に印加される押圧力は、単位面積当たり約31000N/cmである。
上記紙製段ボール110の押圧ステップでは、紙が熱可塑性を有しないために、加熱することなく常温で行っている(冷間加工を行っている)ので、図15に示すように、柱状の中芯16の圧縮強度が上プレス板30の押圧力に負けて、中芯116の途中部分が座屈して変形しまうために、変形中芯部117が形成される。押圧ステップによって結果的に得られた凹部19の深さは、約1.5mmであった。
上記説明では、紙製段ボール110として単層の両面段ボールを例示したが、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等、いずれのタイプの紙製段ボールにも適用可能である。例えば、複両面段ボールは、上ライナー112+中芯116+中ライナー+中芯116+下ライナー114という構成であるが、両面紙製段ボール110を二段に積層したもの比較して、中ライナーが上段両面段ボールの下ライナー114と下段両面段ボールの上ライナー112とを重ね合わしたものであると考えることができる。そこで、複両面段ボールとして、両面段ボールを二層又は三層に積層したものを糊付けして一体化した積層紙製段ボール110を上記凹部19の形成加工に供した。
二層に積層された積層紙製段ボール110に使用した上段両面段ボールは、K7(ライナー112,114の重さ:280g/m)で、中芯116の重さ:170g/mで、Bフルート(段山数50±2(30cm当たり)、段高2.49〜2.80mm、段繰り率1.35〜1.468)、厚み3mmであり、下段両面段ボールは、C5(ライナー112,114の重さ:170g/m)で、中芯116の重さ:180g/mで、Aフルート(段山数34±2(30cm当たり)、段高4.6〜4.79mm、段繰り率1.53〜1.613)で厚みが5mmである。したがって、二層に積層された積層紙製段ボール110の全厚みは、約8mmである。プレス成形機によって積層紙製段ボール110に印加される押圧力は、単位面積当たり約64000N/cmである。押圧ステップによって結果的に得られた凹部19の深さは、約2乃至3mmであった。
また、二層に積層された積層紙製段ボール110に使用した上段両面段ボールは、C5(ライナー112,114の重さ:170g/m)で、中芯116の重さ:120g/mで、Aフルート(段山数24±2(30cm当たり)、段高4.6〜4.79mm、段繰り率1.53〜1.613)、厚み5mmであり、下段両面段ボールは、C5(ライナー112,114の重さ:170g/m)で、中芯116の重さ:180g/mで、Aフルート(段山数34±2(30cm当たり)、段高4.6〜4.79mm、段繰り率1.53〜1.613)で厚みが5mmである。したがって、二層に積層された積層紙製段ボール110の全厚みは、約10mmである。プレス成形機によって積層紙製段ボール110に印加される押圧力は、単位面積当たり約64000N/cmである。押圧ステップによって結果的に得られた凹部19の深さは、約5乃至7mmであった。
さらにまた、三層に積層された積層紙製段ボール110に使用した上段両面段ボール、中段両面段ボール及び下段両面段ボールは、いずれも、C5(ライナー112,114の重さ:170g/m)で、中芯116の重さ:160g/mで、Aフルート(段山数24±2(30cm当たり)、段高4.6〜4.79mm、段繰り率1.53〜1.613)、厚み5mmである。したがって、三層に積層された積層紙製段ボール110の全厚みは、約15mmである。プレス成形機によって積層紙製段ボール110に印加される押圧力は、単位面積当たり約64000N/cmである。押圧ステップによって結果的に得られた凹部19の深さは、約9乃至10mmであった。
上述した各種の積層紙製段ボール110では、押し込み側の上プレス板30に近い上段側の両面段ボールは、完全に押し潰されるが、上プレス板30から離れている下段側の両面段ボールは、下段側の両面段ボールの中芯116の反発力を受けるために、完全に押し潰されることなく部分的に押し潰されることになる。積層紙製段ボール110に対する成形治具20の押圧体26の押し込み量に対して、完全な押し潰しに関係した上段側の上ライナーと中芯と下ライナー及び、下段側の上ライナー等のの各部材の厚みを合計したものを差し引いたものが、凹部19の深さに相当する。
次に、樹脂製中空体を用いた樹脂製中空体容器として、本発明に係るICタグ付き樹脂製中空体容器2について、図8乃至10を参照しながら詳細に説明する。ICタグ付き樹脂製中空体容器2は、上述した凹部19を有する樹脂製段ボール10や樹脂製発泡ボード50や単層又は積層の紙製段ボール110に適用可能であるが、樹脂製段ボール10について説明する。
まず、ICタグインレット6を収容可能な大きさを有する凹部19を樹脂製段ボール10の上ライナー12に形成し、ICタグインレット6を当該凹部19に収容する。ここで使用されるICタグインレット6は、例えば、以下のような構成を有しているが、これに限定されるものではない。
ICタグインレット6は、シリコンチップからなるICチップが基材上に搭載された構成をしている。ICチップには、通い箱やコンテナや段ボール等の中空体容器に収納される物品に関する情報(例えば、製造者特定情報、生産管理情報、品番情報、製品特性情報等)、容器に関する情報(例えば、材質情報、洗浄方法や洗浄回数の情報、配送先情報等)といった電子的な情報が格納されている。このようなICチップは、半導体集積回路であるICチップ又はさらに集積度のアップしたLSIチップである。
基材は、柔軟性や可撓性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂材料、あるいは紙等から構成されている。
基材のおもて面の上には、不図示のアンテナパターンが形成されている。アンテナパターンの中心側電極端子のそれぞれに対して、ICチップの接続端子が電気的に接続されている。使用する電波の波長に応じて様々なアンテナパターンを用いることができる。アンテナパターンは、従来から使用されている銅箔に近い導電性を持った導電性フィラーを含む低抵抗ペーストを用いて、印刷又は転写によって形成される。
ICタグインレット6を当該凹部19に収容した状態で、熱圧着部材としての熱圧着フィルム60が樹脂製段ボール10の凹部19及びその周縁19’を覆うように載置される。熱圧着フィルム60は、凹部19よりも大きなサイズに寸法構成されている。したがって、熱圧着フィルム60の外郭部分は、余白部を有しており、当該余白部は、熱圧着代として、樹脂製段ボール10との熱圧着のために使用される。
熱圧着フィルム60は、樹脂製段ボール10と実質的に同じ材質から構成される。通い箱やコンテナや段ボール等の樹脂製段ボール10としては、オレフィン系、特にポリプロピレン系のものがしばしば使用されているので、熱圧着フィルム60がポリプロピレンから構成される。また、樹脂製段ボール10がポリエチレンやポリスチレンやポリカーボネートから構成されることもある。その場合には、樹脂製段ボール10の材質に応じて、熱圧着フィルム60が、それぞれ、ポリエチレンやポリスチレンやポリカーボネートから構成される。
図8に示すように、ICタグインレット6を当該凹部19内に収容するとともに熱圧着フィルム60を載置した樹脂製段ボール10を下プレス板40の上に載置し、上プレス板30に取り付けられた熱圧着板70の熱圧着面72に対して樹脂製段ボール10を位置決めする。
熱圧着板70を熱圧着可能な温度に加熱し、シリコンゴム等の耐熱性を有する弾性体62を介在させた状態で、上プレス板30を下動させることによって、樹脂製段ボール10に対して熱圧着フィルム60を熱圧着させる。例えば、熱圧着圧力は0.5kg/cm(エアーシリンダーゲージ圧)であり、熱圧着温度は200乃至230℃であり、熱圧着時間は10乃至15秒である。凹部19の周縁部は、突起が無くて平坦であるので、熱圧着した熱圧着部64における接着性や密閉性も良好である。図9及び10に示すように、熱圧着フィルム60が凹部19に対して蓋をした封止状態になっているので、凹部19の内部に水分等が侵入することを確実に防止することができる。また、凹部19及びその周縁19’を覆うサイズであって粘着剤を有するフィルムを貼着すること、又はICタグインレット6の配設された凹部19の上から樹脂を注入して固化することにより、ICタグインレット6を凹部19内に封止することもできる。いずれの場合も、ICタグインレット6が樹脂製段ボール10の表面から突出していないので、硬質物が何かの拍子で樹脂製段ボール10にぶつかったときの衝撃によって、ICチップが損傷するということも起こらない。
なお、樹脂製段ボール10として、上ライナー12と下ライナー14との間に柱状の中芯16で仕切られた溝18が連設しているものを例示したが、柱状の中芯16の代わりに波形形状の中芯16を使用したものは、押圧体26を加熱した状態で押圧する熱間加工の場合には同様の作用効果が得られた。
また、上述した実施形態においては、刃物24と押圧体26とが一体的に構成された成形治具20を使用しているが、刃物24を有する第一の成形治具を用いて、樹脂製中空体の表面に対してハーフカットを行ったあとに、押圧体26を有する第二の成形治具を用いて、樹脂製中空体を厚み方向に押しつぶすことを行っても良い。
さらに、樹脂製中空体を用いた樹脂製中空体容器として、本発明に係る光学部品収納用樹脂製中空体容器4について、図11及び12を参照しながら詳細に説明する。光学部品収納用樹脂製中空体容器4も、上述した凹部19を有する樹脂製段ボール10や樹脂製発泡ボード50や単層又は積層の紙製段ボール110に適用可能であるが、樹脂製段ボール10について説明する。
まず、光学部品8を収納することのできる凹部19を樹脂製段ボール10の上ライナー12に形成し、光学部品8を当該凹部19に収納する。ここで、収納されるべき光学部品8は、例えば、以下のようなものであるが、これに限定されるものではない。
光学部品8は、例えば、偏光フィルム、偏光子フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、プリズムシート、反射防止フィルム等の光学フィルムや、レンズ等の光学素子である。液晶パネルの大型化に伴って、偏光フィルム等の光学フィルムが大型化されている。小型の偏光フィルム等は言うまでもなく、大型液晶パネル向けに需要が増大している大型の偏光フィルム等の光学フィルムをジャストインタイムで且つ低コストで運搬することが要望されている。大型の偏光フィルムの寸法は、例えば、縦70cm程度、横120cm程度、厚み300乃至400μmである。大型の偏光フィルム8は、10枚程度積層したあとアルミニウム袋に詰められた状態で、凹部19に収納される。袋詰めされた大型の偏光フィルム8の厚みは、3乃至5mmである。
このような大型の偏光フィルム8を収納するための樹脂製中空体容器4が準備される。光学部品収納用樹脂製中空体容器4は、凹部19を有する樹脂製段ボール10と、樹脂製段ボールからなる上蓋90と、係止凹部82を有する係止固定部材80と、から構成される。樹脂製段ボール10の凹部19は、上述した方法によって、大型の偏光フィルム8を収納することができるサイズで形成される。凹部19の寸法は、例えば、縦75cm程度、横125cm程度、深さ3.5乃至5.5mmである。樹脂製段ボール10の寸法は、例えば、厚み7mmである。凹部19を構成する縦及び横の四辺には、緩衝材92が配設される。
袋詰めされた大型の偏光フィルム8を当該凹部19に収納した状態で、樹脂製段ボールからなる上蓋90が樹脂製段ボール10と積み重なるように載置される。上蓋90の縦と横のサイズは、樹脂製段ボール10と大略同じサイズに寸法構成されており、上蓋90の厚みのサイズは、3mmである。上蓋90で蓋をして上蓋90と樹脂製段ボール10とを合体させた合体物の状態で、合体物の左辺及び右辺に対して係止固定部材80がそれぞれ挿着される。係止固定部材80の係止凹部82は、開口側に向かって次第に開口領域が小さくなっている先細構造をしている。合体物への係止固定部材80の挿着により、各係止固定部材80が合体物の左辺及び右辺を挟持する。その結果、係止固定部材80を介して上蓋90と樹脂製段ボール10とが一体的に保持された光学部品収納用樹脂製中空体容器4が組み立てられる。
また、本願発明において、熱溶着とは、ヒータからの熱と圧力とを印加することによって樹脂を溶かして接着させることだけに限定されるものではなく、加熱方法としては、超音波によって発生した摩擦熱を利用することも含む広い概念である。
本発明の第一実施形態に係る樹脂製段ボールの成形方法を説明する断面図であって、押し込む直前の様子を示している。 成形治具を樹脂製段ボールに押し込んでいる様子を示す断面図である。 押し込み成形直後の様子を示す断面図である。 冷間成形時において、樹脂製段ボールの変形の様子を模式的に説明する断面図である。 熱間成形時において、樹脂製段ボールの変形の様子を模式的に説明する断面図である。 冷間成形時において、樹脂製発泡ボードの変形の様子を模式的に説明する断面図であって、押し込む直前の様子を示している。 成形治具を樹脂製発泡ボードに押し込んでいる様子を示す断面図である。 ICタグインレットの配設された凹部の周縁を熱溶着している様子を示す断面図である。 ICタグインレットを封止したICタグ付き樹脂製中空体容器の断面図である。 図9に示したICタグ付き樹脂製中空体容器の一部分を示す平面図である。 光学部品を収納した光学部品収納用樹脂製中空体容器を説明する図である。 図11に示した光学部品収納用樹脂製中空体容器を組み立てる様子を側面から見た図である。 本発明の第三実施形態に係る紙製段ボールの成形方法を説明する断面図であって、押し込む直前の様子を示している。 成形治具を紙製段ボールに押し込んでいる様子を示す断面図である。 押し込み成形直後の様子を示す断面図である。
符号の説明
2:ICタグ付き樹脂製中空体容器
4:光学部品収納用樹脂製中空体容器
6:ICタグインレット
8:偏光フィルム(光学部品)
10:樹脂製段ボール(樹脂製中空体)
12:上ライナー
13:切り離された凹部対応領域
14:下ライナー
16:中芯(壁部)
17:変形中芯部
18:溝(中空部)
19:凹部
19’:凹部の周縁
20:成形治具
22:ベース体
24:刃物
25:刃先
26:押圧体
27:押圧面
30:上プレス板
32:油圧シリンダ
40:下プレス板
42:油圧シリンダ
50:樹脂製発泡ボード(樹脂製中空体)
52:マトリックス樹脂(壁部)
58:気泡(中空部)
59:変形した気泡
60:熱圧着フィルム
62:弾性体
64:熱圧着部
70:熱圧着板
72:熱圧着面
80:係止固定部材
82:係止凹部
90:上蓋
92:緩衝材
110:紙製段ボール(紙製中空体)
112:上ライナー
114:下ライナー
116:中芯(壁部)
117:変形中芯部
118:空隙(中空部)

Claims (14)

  1. 内部に多数の中空部を有する中空体の表面に対して凹部を形成する中空体の成形方法であって、
    凹部に対応した刃先を有する刃物を厚み方向に表面から第一深さまで押し込むことにより、凹部対応領域を周囲から切り離すハーフカットステップと、
    周囲から切り離された凹部対応領域に対して、押圧体を厚み方向に表面から第二深さまで押し込むことにより、中空体の凹部対応領域が厚み方向に押しつぶされた凹部を形成する押圧ステップと、
    を備えることを特徴とする、中空体の成形方法。
  2. 前記刃物と押圧体とが一体的に構成されていて、押圧体が刃物の内側領域に配置されているとともに刃物の刃先が押圧体の押圧面よりも突出している成形治具を用いて、切断ステップと押圧ステップとを連続的に行うことを特徴とする、請求項1記載の中空体の成形方法。
  3. 前記中空体は、紙製中空体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空体の成形方法。
  4. 前記紙製中空体は、上下二枚のライナーの間に波形中芯で仕切られた中空部が連設している紙製段ボールであることを特徴とする、請求項3記載の中空体の成形方法。
  5. 前記紙製中空体は、上下二枚のライナーの間に波形中芯で仕切られた中空部が連設している紙製段ボールが複数個積層された積層紙製段ボールであることを特徴とする、請求項3記載の中空体の成形方法。
  6. 前記中空体は、樹脂製中空体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空体の成形方法。
  7. 前記樹脂製中空体の押圧ステップにおいて、押圧体は、樹脂製中空体を熱変形させることができる温度に加熱されていることを特徴とする、請求項6記載の中空体の成形方法。
  8. 前記樹脂製中空体は、上下二枚のライナーの間に多数の中芯で仕切られた中空部が連設している樹脂製段ボールであることを特徴とする、請求項6記載の中空体の成形方法。
  9. 前記樹脂製中空体は、発泡による中空部がマトリックス樹脂に形成された樹脂製発泡ボードであることを特徴とする、請求項6記載の中空体の成形方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載された成形方法によって、その表面に凹部が作成されていることを特徴とする中空体。
  11. 電子的情報が格納されたICチップと、前記ICチップが電気的に接続されるアンテナパターンが形成されている基材と、を備えるICタグインレットが、請求項10記載の中空体に作成された凹部内に配設されていることを特徴とする、ICタグ付き中空体容器。
  12. 熱圧着フィルムを介在させて状態でICタグインレットの配設された凹部の周縁を熱圧着すること、粘着剤を有するフィルムを貼着すること、又はICタグインレットの配設された凹部の上から樹脂を注入して固化することにより、ICタグインレットを封止することを特徴とする、請求項11記載のICタグ付き中空体容器。
  13. 光学部品が請求項10記載の中空体に作成された凹部内に収納されていることを特徴とする、光学部品収納用中空体容器。
  14. 前記光学部品が大型の光学フィルムであることを特徴とする、請求項13記載の光学部品収納用中空体容器。
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