JP2009036009A - 鋼矢板の継手構造およびその施工方法 - Google Patents

鋼矢板の継手構造およびその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼管矢板や鋼板セル等の鋼矢板の継手構造において、比較的簡単で低コストの止水構造により優れた止水性能を有する継手構造を得る。
【解決手段】継手挿入スリット5を有するC型継手管3の外面にスリット5を外側から塞ぐ二重構造の止水板10をボルト20・ナット21・帯板22で取付け、止水板10の内側のゴム板11の幅方向中央に、突合せや切り込みなどにより止水性を有し、かつ、左右に分割可能な閉じ合せ部13を設け、外側の押え布12でゴム板11を一体的に補強し、継手挿入時にT型継手4の下端の刃物30により止水板10を左右に切り裂き分離し、分離した左右のゴム板11a、11bの端部をそれぞれT型継手4の両面に弾性変形により圧接して密着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管矢板、鋼管セル等の鋼矢板の継手構造およびその施工方法に関するものである。
例えば護岸や防波堤などの築造には、例えばP−T継手の鋼管矢板の場合、鋼管本体の左右両側の外面に、鋼管軸方向に沿う小径鋼管(C型継手管)の雌継手とCT形鋼(T型継手)の雄継手をそれぞれ溶接固定した鋼管矢板を用い、C型継手管内にその継手挿入スリットを介してT型継手を挿入して嵌合させることにより、隣り合う鋼管矢板同士を相互に接続して護岸等を築造することが行われている。C型継手管内の土砂は掘削し洗浄し、外部に排土した後、C型継手管内にモルタル等の充填材(止水材)を充填することにより、C型継手管に対してT型継手を固定すると共に、C型継手管とT型継手との間の止水を行っている。
このような鋼管矢板の継手構造においては、C型継手管とT型継手との間には、隙間が空いているため、継手を挿入する工程およびその後の掘削・洗浄工程において周囲の泥土や水がC型継手管内に流入し、C型継手管内の掘削や洗浄作業等が著しく低下するなどの不具合がある。
このような不具合を解消するものとして、C型継手管等の雌継手とT型継手等の雄継手の間の隙間を止水する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、C型継手管内に配置されるT型継手の先端フランジ板の左右両側に、水膨潤ゴム(文献図1参照)、ゴムや合成樹脂等の遮水板(文献図5参照)を設け、この遮水手段をC型継手管の内周面に圧接して、C型継手管の内部空間への水や泥土の流入を遮断した後、内部空間内の水を排水し、次いで内部空間内にアスファルト混合物やモルタル等の充填材を充填することが記載されている。また、その文献図20〜22には、C型継手管内に挿入される薄肉円筒のスリットに左右一対で配置されたゴムや合成樹脂等の遮水部材の間をT型継手が分け入るようにして挿入されることにより遮水を行うことが記載されている。
特許文献2には、雌継手のスリットの外側にゴムや合成樹脂製の弾性止水材を、雄継手を挟むように設け、雄継手の嵌入の際および嵌入後に弾性止水材が雄継手の表面に弾性的に密着し、雌継手と雄継手との間に水や泥土等が侵入するのを防止することが記載されている。
特開2003−55958号公報 特開2005−23514号公報
前述のような鋼管矢板等の止水構造の場合、構造が複雑となる、コストがかかるなどの課題があり、また鋼管矢板等の打設時に継手挿入スリットを完全に塞ぐことができないなどの課題がある。
本発明は、このような課題を解消すべくなされたものであり、鋼管矢板や鋼板セル等の鋼矢板の継手構造において、比較的簡単で低コストの止水構造により優れた止水性能を有する継手構造を得ることができる鋼矢板の継手構造およびその施工方法を提供することにある。
本発明の請求項1は、鋼矢板の本体に設けられた鋼矢板の長手方向に沿う第1継手と第2継手とを鋼矢板の長手方向に沿う継手挿入スリットを介して互い嵌合して構成される鋼矢板の継手構造において、継手挿入スリットを有する継手の外面に継手挿入スリットを外側から塞ぐ止水板が設けられ、この止水板は、継手挿入スリットに挿入される継手により板幅方向の左右に分割可能な閉じ合せ部が鋼矢板の長手方向に沿って設けられた弾性体からなる第1層と、この第1層の表面を覆う第2層から構成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造である。
本発明は、鋼管矢板のP−T継手、L−T継手、P−P継手、あるいは、鋼管セル等の継手など、継手挿入スリットを有する継手構造に適用されるものである。図1、図2(鋼管矢板のP−T継手)に示すように、継手挿入スリットを特別な構造の止水板で完全に閉塞する。止水板の幅方向の左右両端部は、スタッドボルト・ナット・帯板あるいは皿ねじ・帯板などで強固に固定する。
止水板の第1層には、ゴムや合成樹脂等の止水性と弾性を有する板材を用い、幅方向の中央に、通常は閉じて止水することができ、かつ、継手により容易に切り裂くことができる閉じ合せ部を設ける。止水板の第2層には、布やゴムシート等の薄板材を用い、左右に分割可能な第1層を補強により一体化して閉じ合せ部の拡開を防止でき、かつ、継手により容易に分断できるようにする。第1層は内側に、第2層は外側に配置するのが好ましい。また、二重構造に限らず、第1層の両側に第2層を設けるなどすることもできる。
本発明の請求項2は、請求項1に記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層の閉じ合せ部は、左右に分割した弾性体の端面同士を突き合わせて形成され、あるいは、弾性体の一方の表面から板厚方向に切り込みを入れて形成され、あるいは、板厚方向に間隔をおいて配置された不連続なスリットまたは孔により形成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造である。
図4(b)に示すように、例えば、突合せ、切り込み、不連続スリット又は不連続孔により閉じ合せ部を形成することにより、止水性を確保した上で、継手により止水板を容易に左右に切り裂くことができる。
本発明の請求項3は、請求項1に記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層の閉じ合せ部は、鋼矢板の長手方向に間隔をおいて配置された不連続なスリットまたは孔により形成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造である。
図4(c)に示すように、鋼矢板長手方向に関しては、例えば不連続スリットや不連続孔により閉じ合せ部を形成することにより、左右の止水板の一体性を確保した上で、継手により止水板を容易に左右に切り裂くことができる。
本発明の請求項4は、請求項1に記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層は、左右に分割した弾性体の先端部同士をラップさせることにより二重の閉じ合せ部が形成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造である(図7(a)参照)。
本発明の請求項5は、請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層は、複数層の弾性体から構成され、各層の弾性体の閉じ合せ部が止水板幅方向にずれていることを特徴とする鋼矢板の継手構造である(図7(b)参照)。
図7に示すように、分割した弾性体の先端部同士を所定長さ重ね合わせることにより、あるいは、内外複数層の弾性体の閉じ合せ部を継手挿入スリットの幅方向に互いにずらすことにより、図8に示すように、継手のずれ等による隙間が発生しても、隙間発生側の弾性体が継手の側面に当接し、隙間の発生を防止することができる。これにより、左右一対の止水板による止水効果が大幅に向上する。
本発明の請求項6は、請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の鋼矢板の継手構造において、一方の継手には、当該継手と他方の継手との間隔を保持する間隔保持部材が設けられていることを特徴とする鋼矢板の継手構造である(図9参照)。
図9(c)に示すように、継手の下端部等に設けた間隔保持部材(幅止め鋼板等)により、継手が奥へ進入する方向にずれないようにすることができ、対向する継手と鋼矢板との間に弾性体が挟まれることがなく、破損が防止される。これにより、左右一対の止水板による止水効果が大幅に向上する。
本発明の請求項7は、鋼矢板の本体に設けられた鋼矢板の長手方向に沿う第1継手と第2継手とを鋼矢板の長手方向に沿う継手挿入スリットを介して互い嵌合して構成される鋼矢板の継手構造の施工方法において、請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の鋼矢板の継手構造を用い、継手挿入スリットに挿入される継手の下端には、止水板を左右に分割可能な切り裂き刃物を設け、既に打設されている鋼矢板の継手内に次の鋼矢板の継手を嵌合挿入することにより、継手挿入スリットを塞ぐ止水板を切り裂き刃物で左右に切り裂いて分離させると共に、分離した左右の止水板の端部をそれぞれ継手の両面に継手を左右両側から挟むように圧接させることを特徴とする鋼矢板の継手構造である。
例えば図3に示すような外に向かって下り勾配の刃が下端に形成された切り裂き刃物を用い、止水板の幅方向の中央を左右に切り裂き、止水板を左右に分離する。継手を左右両側から挟むように端部が圧接された左右一対の止水板により継手挿入スリットが止水され、雌継手等の内部あるいは雄継手等に取付けられた漏洩防止ゴムで囲まれた充填空間内に止水材が充填される。
また、図6(a)、(b)に示すように、切り裂き刃物の刃の下り勾配の傾斜をきつく(大きく)することにより、図6(c)に示すように、弾性体の先端が刃のきつい傾斜により外側に開きやすくなり、継手内に巻き込まれず、理想的な状態を保つことができる。これにより、左右一対の止水板による止水効果が大幅に向上する。
以上のような構成において、(1)鋼矢板の打設時には、継手挿入スリットが止水板により完全に閉塞されており、継手の内部空間に周囲から泥水や水が侵入するのが確実に防止される。(2)既に打設されている鋼矢板の継手内に次に打設する鋼矢板の継手を挿入していくと、止水板は継手の切り裂き刃物により左右に切り裂かれて左右に分離し、分離した左右の止水板の端部がそれぞれ継手の両面に弾性変形により圧接されて密着し、継手の内部空間内に周囲から泥水や水が侵入するのが確実に防止される。(3)継手の内部空間内の土砂を掘削し洗浄し、外部に排土する際、上記のように左右に分離した止水板により泥水や水の侵入が確実に防止され、作業を支障なく迅速に行うことができる。(4)継手の内部空間内あるいは漏洩防止ゴムで囲まれた充填空間内にモルタル等の止水材が充填され、継手同士が固定されると共に、止水板と止水材や漏洩防止ゴムにより継手と継手との間が確実に止水される。
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏することができる。
(1) 鋼管矢板や鋼板セル等の鋼矢板の継手構造において、継手の継手挿入スリットを特別な構造の止水板で完全に閉塞するようにしたため、打設時、掘削・洗浄・排土時において確実で良好な止水がなされ、継手内の掘削や洗浄作業等を支障なく迅速に行うことができ、作業能率の向上およびコストの低減が図れる。また、施工終了後においても優れた止水性能を得ることができる。
(2)継手の外面に二重構造等の止水板をボルト等で取付けるため、比較的簡単で低コストの止水構造により優れた止水性能を有する継手構造を得ることができる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。この実施形態は、鋼管矢板のP−T型継手に適用した例である。図1は、本発明の継手構造における止水構造の一例を示す水平断面図である。図2は、図1の止水板の取付方法が異なる例を示す水平断面図である。図3は、本発明で用いる継手先端刃物の例を示す平面図・正面図・側面図である。図4は、本発明で用いるゴム板の種々の例を示す水平断面図・拡大断面図・拡大断面図である。
図1において、鋼管矢板1は、鋼管本体2の左右両側の外面に、鋼管軸方向に平行な小径鋼管からなる雌継手のC型継手管3とCT(カットティー)形鋼からなるT型継手4とをそれぞれ溶接固定して構成されている。C型継手管3には、溶接固定側の反対側に鋼管軸方向に平行で所定の幅を有する継手挿入スリット5が形成されている。T型継手4は、基端側のウェブ板部4aと先端側のフランジ板部4bから一体的に構成されている。
既に打設されている鋼管矢板のC型継手管3内に、次に打設する鋼管矢板のT型継手4を、継手挿入スリット5を介して挿入していく。T型継手4は、C型継手管3内に隙間をおいた遊嵌状態で嵌合する。C型継手管3内には、内部の土砂の掘削・洗浄・排土後に、モルタル等の止水材6が充填される。図示例では、フランジ板部4bの外面に漏洩防止ゴム7がボルトで予め取付けられており、C型継手管3の内周面に両端部が当接する漏洩防止ゴム7で囲まれた充填空間に止水材6が充填され、モルタルジャケット方式よりも高い止水性能が得られる。
このような継手構造において、本発明では、図1に示すように、可撓性を有する二重構造の止水板10により継手挿入スリット5をC型継手管3の外側から完全に閉塞する。止水板10の幅は、継手挿入スリット5の開口幅よりも十分に大きくし、継手挿入スリット5の左右両側に位置する両端部をスタッドボルト20と、座金付きのフランジナット21と、フラットバー等の帯板22により強固に固定する。スタッドボルト20は鋼管軸方向に所定の間隔をおいて多数配置されており、C型継手管3の外面に溶接で取り付けられる。帯板22も鋼管軸方向に沿って延在しており、帯板22・止水板10のボルト孔に挿入されたスタッドボルト20にフランジナット21を締め付けることで、止水板10の両端部が押え付けられ、良好な止水性が得られる。
図2の実施形態では、スタッドボルトとフランジナットに代えて皿ねじ25が用いられている。C型継手管3には雌ねじ孔26が穿設されており、帯板22には座ぐり27が形成され、皿ねじ25をねじ込むことで強固に固定される。
止水板10は、図1に示すように、内側の比較的厚板のゴム板11(第1層)と、外側の比較的薄板状の押え布12(第2層)から構成されている。ゴム板11には、継手挿入スリット5に面する板幅方向の中央に、後に詳述する閉じ合せ部13が形成され、通常は閉じて泥水や水が侵入しないようにされ、T型継手4の挿入時には、T型継手4により閉じ合わせ部13が切り裂かれて拡開し、左右のゴム板11a、11bに分離するようにされている。分離した左右のゴム板11a、11bの先端部はそれぞれウェブ板部4aの表面に弾性変形で押圧されて密着し、良好な止水性能が得られる。材質はゴムが好ましいが、その他の弾性体でもよい。
押え布12は、左右のゴム板11a、11bを補強により一体化して、C型継手管3の打設時に左右のゴム板11a、11bが左右に拡開しないようにするものであり、かつ、T型継手4により容易に切り裂くことができる部材である。材質は布に限らず、上記の2要件を満たすその他の板状部材を使用することができる。また、止水性を有する部材でもよい。
図3に示すように、T型継手4の下端には、上記のような止水板10を左右に切り裂く切り裂き刃物30を取付けるのが好ましい。この刃物30は、ウェブ板部4aと同じ板厚の板材から構成し、ウェブ板部4aと連続するように取付け、下部には断面がV字状で尖鋭な刃30aを設ける。この刃30aは、側面視でフランジ板部4b向かって下り勾配で傾斜した刃先とし、T型継手4を挿入するだけで止水板10を簡単に切り裂くことができるようにする。
図4に示すように、ゴム板11の閉じ合せ部13は、左右のゴム板11aと11bとを直角の端面13aで突き合わせる、あるいは斜めの傾斜端面13aで重ね合わせることにより形成することができる。あるいは、ゴム板11の外面から直角に切り込んで内面に到達しない切り込み13bで形成することができる。あるいはゴム板11の板厚方向に平行なスリットまたは孔を板厚方向に間隔をおいて複数設けた不連続スリット13cまたは不連続孔13c´で形成することができる。このような閉じ合せ部13により、止水性を確保した上で、刃物30によりゴム板11を容易に左右に切り裂くことができる。
また、ゴム板11の鋼管軸方向に関しては、スリットまたは孔を鋼管軸方向に間隔をおいて配置した不連続スリット13cあるいは不連続孔13c´で閉じ合せ部13を形成することができる。左右のゴム板11a、11bの一体性を確保した上で、刃物30によりゴム板11を容易に左右に切り裂くことができる。
以上のような構成の継手構造において、次のような手順で施工を行う(図1〜3参照)。
(1)打設前にC型継手管3に止水板10を取り付けておき、鋼管矢板1を打設する。二重構造の止水板10により継手挿入スリット5は完全に閉塞されており、C型継手管3内に周囲から泥水や水が侵入するのを確実に防止することができる。
(2)既に打設されている鋼管矢板1のC型継手管3内に次に打設する鋼管矢板1のT型継手4を挿入していく。止水板10はT型継手4の切り裂き刃物30により左右に切り裂かれ、分離する。分離した左右のゴム板11a、11bの端部がそれぞれT型継手4の両面に弾性変形により圧接されて密着し、C型継手管3内に周囲から泥水や水が侵入するのを確実に防止することができる。
(3)C型継手管3内の土砂を掘削し洗浄し、外部に排土する。この際、上記のように左右に分離したゴム板11a、11bにより泥水や水の侵入が確実に防止され、作業を支障なく迅速に行うことができる。
(4)C型継手管3内あるいは漏洩防止ゴム7で囲まれた充填空間にモルタル等の止水材6を充填する。C型継手管3に対してT型継手4が固定されると共に、止水板10と止水材6や漏洩防止ゴム7によりC型継手管3とT型継手4との間が止水される。
次に、図5は本発明の継手構造においてゴム板の止水効果が損なわれる不具合の例を示したものであり、図6〜図9に、この不具合を解消することができる改良案の例を示す。
図5(a)は、一方のゴム板11aがC型継手管3内に入り込むことによって、T型継手4との間に挟まれて破損し、同時に反対側のゴム板11bとT型継手4との間に隙間が生じ、土砂が流入する不具合の例である。
図5(b)は、ゴム板11の状態によらず、T型継手4が図示のように奥へ進入する方向にずれた場合、C型継手管3と鋼管矢板1との間にゴム板11が挟まれて破損する不具合の例である。
図5(a)の不具合に対して、図6(a)、(b)に示すように、切り裂き刃物30の刃30aの下り勾配の傾斜をきつく(大きく)する。図6(c)に示すように、ゴム板11a、11bの先端が刃30aのきつい傾斜により外側に開きやすくなり、C型継手管3内に巻き込まれず、理想的な状態を保つことができる。
また、図7(a)に示すように、ゴム板11a、11bの先端部どうしをラップさせて閉じ合わせる構造とし、あるいは、図7(b)に示すように、ゴム板11を内外二層構造とし、それぞれの閉じ合せ部13をC型継手管3の円周方向にずらす構造とする。図8に示すように、T型継手4のずれ等による隙間が発生しても、隙間発生側のゴム板11がT型継手4のウェブ4aの側面に当接し、隙間の発生を防止することができる。
さらに、図5(b)の不具合に対しては、図9(a)〜(c)に示すように、T型継手4の下端部におけるフランジ4bに、フランジ4bとC型継手管3との間隔を保持する間隔保持部材としての幅止め鋼板40を取り付け、T型継手4が奥へ進入する方向にずれないようにする。図9(d)に示すように、C型継手管3と鋼管矢板1との間にゴム板11a、11bが挟まれることがなく、破損が防止される。
なお、以上はP−T継手に適用した場合を例示したが、L−T継手、P−P継手、さらに鋼管セル等の継手にも適用することができる。
本発明の継手構造における止水構造の一例を示す水平断面図である。 図1の止水板の取付方法が異なる例を示す水平断面図である。 本発明で用いる継手先端刃物の例を示す(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 本発明で用いるゴム板の種々の例を示す(a)は水平断面図、(b)は拡大断面図、(c)は拡大断面図である。 本発明の継手構造においてゴム板の止水効果が損なわれる不具合の例を示す水平断面図である。 本発明の継手構造における不具合を解消する第1改良案であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は水平断面図である。 本発明の継手構造における不具合を解消する第2改良案を示す水平断面図である。 図7の第2改良案による作用効果を示す水平断面図である。 本発明の継手構造における不具合を解消する第3改良案であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は水平断面図である。
符号の説明
1…鋼管矢板
2…鋼管本体
3…C型継手管(雌継手)
4…T型継手(雄継手)
5…継手挿入スリット
6…止水材
7…漏洩防止ゴム
10…止水板
11…ゴム板(第1層)
11a…ゴム板
11b…ゴム板
12…押え布(第2層)
13…閉じ合せ部
13a…端面
13b…切り込み
13c…不連続スリット
13c´…不連続孔
20…スタッドボルト
21…フランジナット
22…帯板
25…皿ねじ
26…雌ねじ孔
27…座ぐり
30…切り裂き刃物
30a…刃先
40…幅止め鋼板(間隔保持部材)

Claims (7)

  1. 鋼矢板の本体に設けられた鋼矢板の長手方向に沿う第1継手と第2継手とを鋼矢板の長手方向に沿う継手挿入スリットを介して互い嵌合して構成される鋼矢板の継手構造において、
    継手挿入スリットを有する継手の外面に継手挿入スリットを外側から塞ぐ止水板が設けられ、この止水板は、継手挿入スリットに挿入される継手により板幅方向の左右に分割可能な閉じ合せ部が鋼矢板の長手方向に沿って設けられた弾性体からなる第1層と、この第1層の表面を覆う第2層から構成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  2. 請求項1に記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層の閉じ合せ部は、左右に分割した弾性体の端面同士を突き合わせて形成され、あるいは、弾性体の一方の表面から板厚方向に切り込みを入れて形成され、あるいは、板厚方向に間隔をおいて配置された不連続なスリットまたは孔により形成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  3. 請求項1に記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層の閉じ合せ部は、鋼矢板の長手方向に間隔をおいて配置された不連続なスリットまたは孔により形成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  4. 請求項1に記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層は、左右に分割した弾性体の先端部同士をラップさせることにより二重の閉じ合せ部が形成されていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の鋼矢板の継手構造において、止水板の第1層は、複数層の弾性体から構成され、各層の弾性体の閉じ合せ部が止水板幅方向にずれていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の鋼矢板の継手構造において、一方の継手には、当該継手と他方の継手との間隔を保持する間隔保持部材が設けられていることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
  7. 鋼矢板の本体に設けられた鋼矢板の長手方向に沿う第1継手と第2継手とを鋼矢板の長手方向に沿う継手挿入スリットを介して互い嵌合して構成される鋼矢板の継手構造の施工方法において、
    請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の鋼矢板の継手構造を用い、継手挿入スリットに挿入される継手の下端には、止水板を左右に分割可能な切り裂き刃物を設け、既に打設されている鋼矢板の継手内に次の鋼矢板の継手を嵌合挿入することにより、継手挿入スリットを塞ぐ止水板を切り裂き刃物で左右に切り裂いて分離させると共に、分離した左右の止水板の端部をそれぞれ継手の両面に継手を左右両側から挟むように圧接させることを特徴とする鋼矢板の継手構造。
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