JP2015132059A - 鋼管矢板の継手構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態に係る鋼管矢板の継手構造は、図7に示すように、一方の鋼管矢板10の継手(T型継手20)に防水部材30を取り付け、他方の鋼管矢板10の継手(P型継手40)の内部に一方の鋼管矢板10の継手(T型継手20)を挿入して、隣合う鋼管矢板10同士を接続する構造を有する継手構造に関するものである。この鋼管矢板10は、上述したように、P型継手40とT型継手20を備えており、T型継手20に防水部材30を取り付け、P型継手40の内部に挿入するようになっている。
鋼管矢板10は止水壁等を構築する際に使用する部材であり、本体部11の外周部に本体部11の長さ方向に沿って継手(P型継手40、T型継手20)が取り付けられている。鋼管矢板10を地盤中に施工するには、油圧による静荷重により鋼管矢板10を地盤中に圧入したり、本体部11内にオーガースクリューを挿入し、本体部11内の土砂を掘削排土しながら鋼管矢板10を地盤中に圧入したり、予め削孔を行って孔内に鋼管矢板10を挿入したり等、種々の施工方法が存在する。
上述したように、鋼管矢板10は、図1〜図6に示すように、その外周面の長手方向に沿って継手(P型継手40及びT型継手20)が取り付けられている。特に、本発明を有効に利用できる継手は、図7に示すように、P型継手40とT型継手20の組合せであり、T型継手20にはP型継手40の内面に密着させる防水部材30が取り付けられている。なお、少なくとも一方の継手に防水部材30が取り付けられ、当該防水部材30が他方の継手の内面に密着する構造であれば、P型継手40とT型継手20との組合せに限定されるものではなく、他の形状の継手の組合せであってもよい。
T型継手20は、図1〜図3に示すように、本体部(鋼管部)11の外周面から突出して設けた継手であり、鋼管矢板10の本体部11の長手方向に沿って延長して設けてあり、断面が略T字状となっている。このT型継手20を、P型継手40の内部に挿入することにより、隣合う鋼管矢板10同士を連結することができる。
T型継手20は、図1〜図3に示すように、その下端部から延長して設けた突出部21を有している。この突出部21により、P型継手40の内部にT型継手20を挿入する際に、閉塞部材42の脆弱部を容易に切り裂くことができる。
さらに、図1〜図3に示すように、突出部21は、先端に向かって鋭角状となった刃口部22を有している。この刃口部22により、P型継手40の内部にT型継手20を挿入する際に、閉塞部材42の脆弱部をさらに容易に切り裂くことができる。
防水部材30は、図7に示すように、T型継手20の表面に取り付けたゴム板等からなり、T型継手20をP型継手40内に挿入した際に、折れ曲がってP型継手40の内面に密着する形状となっている。防水部材30は、可撓性及び弾性を有することが必要であるが、連結する継手(P型継手40)の内面に閉塞空間を形成することができれば、材料、大きさ、形状等、特に限定されるものではない。
P型継手40は、図4〜図6に示すように、長さ方向に連続したスリット状の開口部41を有するとともに、当該開口部41を閉塞する閉塞部材42を有している。また、閉塞部材42には、開口部41の長さ方向に沿って脆弱部43を設けてある。この閉塞部材42により、鋼管矢板10を打設する際に、P型継手40内に土砂等が侵入することを防止できる。この閉塞部材42は、特に、鋼管矢板10の周面の摩擦抵抗が大きい砂礫や採石等を含んだ地盤に鋼管矢板10を打設する際に有用となる。
開口部41は、P型継手40の長さ方向に沿って連続したスリット状の部分で、先行鋼管矢板10に隣接して、後行鋼管矢板10を打設する際に、先行鋼管矢板10のP型継手40の内部に、後行鋼管矢板10のT型継手20を挿入することができる。
閉塞部材42は、P型継手40の開口部41を閉塞するための板状部材であり、例えば、綱製のフラットバーにより作成することができる。この閉塞部材42をP型継手40の外周面に取り付けることにより、開口部41を閉塞することができる。閉塞部材42をP型継手40の外周面に取り付けるには、例えば、溶接を行えばよい。なお、閉塞部材42をP型継手40の外周面に強固に取り付けることができれば、取り付け方法は溶接に限られず、接着剤を用いた接着等、他の取り付け方法を用いてもよい。
上述したいずれの実施例に係る閉塞部材42も、開口部41の長さ方向に沿って脆弱部43を設けてある。この脆弱部43は、P型継手40の内部にT型継手20を挿入する際に、閉塞部材42を容易に切り裂くための部分であり、例えば、フラットバーの一面に設けたV字状の切り込み溝からなる。なお、脆弱部43は、V字状の切り込み溝に限定されるものではなく、閉塞部材42を容易に切り裂くことができれば、どのような構成であってもよい。
上述したように、複数の鋼管矢板10を順次打設して止水壁等を構築する。先行鋼管矢板10に隣接させて後行鋼管矢板10を打設する際に、P型継手40に設けた閉塞部材42の脆弱部43を、T型継手20に設けた突出部21(刃口部22)で切り裂きながら、P型継手40の内部にT型継手20を挿入する。
11 本体部
20 T型継手
21 突出部
22 刃口部
30 防水部材
40 P型継手
41 開口部
42 閉塞部材
43 脆弱部
Claims (3)
- 一方の鋼管矢板の継手に防水部材を取り付け、他方の鋼管矢板の継手の内部に前記一方の鋼管矢板の継手を挿入して、隣合う鋼管矢板同士を接続する構造を有する継手構造であって、
前記一方の鋼管矢板の継手は、その下端部から延長して設けた突出部を有し、
前記他方の鋼管矢板の継手は、長さ方向に連続したスリット状の開口部を有するとともに、当該開口部を閉塞する閉塞部材を有し、
前記閉塞部材には、前記開口部の長さ方向に沿って脆弱部を設け、
先行して打設した鋼管矢板に隣接させて他の鋼管矢板を打設する際に、前記他方の継手に設けた閉塞部材の脆弱部を前記突出部で切り裂きながら、前記他方の継手内に前記一方の継手を挿入することを特徴とする鋼管矢板の継手構造。 - 前記突出部は、先端に向かって鋭角状となった刃口部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板の継手構造。 - 前記閉塞部材は、板状部材からなり、
前記脆弱部は、板状部材の一面に設けたV字状の切り込み溝からなる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管矢板の継手構造。
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