JP2002146772A - 鋼矢板継手部の止水構造およびその施工方法 - Google Patents

鋼矢板継手部の止水構造およびその施工方法

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JP2002146772A
JP2002146772A JP2001265685A JP2001265685A JP2002146772A JP 2002146772 A JP2002146772 A JP 2002146772A JP 2001265685 A JP2001265685 A JP 2001265685A JP 2001265685 A JP2001265685 A JP 2001265685A JP 2002146772 A JP2002146772 A JP 2002146772A
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Masahiro Nomichi
正浩 野路
Hiromasa Nakano
啓眞 中野
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構成により、打設性および止水
性に優れ、かつ止水処理後の鋼矢板変形時に対する止水
性能が確保でき、止水性能の低下に対しても対応可能な
鋼矢板継手部の止水構造およびその施工方法を提供す
る。 【解決手段】 鋼矢板1a,1bどうしの継手部2近傍
の平面部分に、膨張性を有する止水材3を設置し、これ
を覆うように鋼板などからなる拘束部材4を取り付け
る。止水材3は拘束部材4と鋼矢板1a,1bに挟まれ
た状態で、止水材3自身が持つ膨張力により膨張しよう
とするため、拘束部材4から押圧力を受け、継手部2に
おける止水性を確保する。また、鋼矢板1a,1bとし
て、継手部2の嵌合状態において止水材3を設置した側
が同一平面をなす形状の鋼矢板を用いることで、止水構
造を単純化し、打設性も確保した上で止水性を高めるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、通常の鋼矢板以
上に止水性が要求される場合における、鋼矢板の継手部
の止水構造およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下構造物の建設における土留め壁や港
湾・水域施設建設時における仮締切り等において鋼矢板
が多く用いられている。この理由として、鋼材という高
品質材料による高剛性壁体が比較的短い施工期間内で構
築することができる他、比較的止水性に優れることが挙
げられる。
【0003】鋼矢板本体の鋼材自体は当然ながら完全に
水を通さないが、嵌合状態において継手部分に存在する
隙間部分が水を通すため、この継手部分の隙間が鋼矢板
の止水性に大きく影響する。
【0004】一般的には、打設直後の継手部は比較的水
を通しやすい状態であったとしても、時間の経過に伴
い、水の流れとともに継手内部に土粒子等が詰まってく
るため、止水性が向上していくものであるが、土粒子等
による継手内部の目詰まりが期待できない場合や、より
止水性を向上させるためには、この継手内部の隙間をで
きる限り小さくすることも一案として考えられる。
【0005】しかしながら、この隙間が小さすぎると、
継手部分での打設抵抗が非常に大きくなるという問題を
有しており、止水性と施工性は相反する要求性能となる
ため、一概に継手部分の隙間を小さくしたり、大きくし
たりすることはできず、いかにして継手部の止水性を高
めるかが大きな課題の一つであった。
【0006】このような課題を解決するための従来技術
の一例としては、継手内部の隙間を埋めるべく、あらか
じめ鋼矢板の継手部に止水用樹脂塗料を塗布するものが
挙げられる。これは、比較的透水係数が小さい樹脂塗料
によって、継手内部の水の浸透経路を塞いでしまうこと
での止水性の向上を期待したものである。
【0007】その他の従来技術としては、継手部近傍に
設けた止水用の部材でグラウト注入空間を形成するもの
が挙げられる。これは、グラウト注入空間を止水性の高
い材料で充填することで、継手部の止水性を高めるもの
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】鋼矢板継手部に予め止
水用樹脂塗料を塗布する技術は、例えば特開平1−16
8766号公報に開示されており、鋼矢板打設前に比較
的透水係数の小さい樹脂塗料を継手部内の隙間に塗布
し、打設後に周囲の水分を吸収した樹脂が膨張し、継手
部内部が樹脂で満たされることによって止水性を高める
ものである。
【0009】しかしながら、打設前の継手部内へ樹脂塗
料を塗布する際の塗布むらや打設時の樹脂塗料の塗膜損
傷等の不可避的要素により止水性が低下する場合が挙げ
られる。このように欠損部分が発生した場合には、欠損
箇所が比較的小さくとも、欠損部分での水の流速は比較
的速くなるため、流れによる欠損箇所の拡大の恐れもあ
る。
【0010】同様に、継手部の隙間を埋めることで止水
性を向上させる従来技術としては、図9に示すように、
鋼矢板41a,41b打設後に鋼矢板継手部42の側面
より、水膨張性の紐状止水ゴム43を挿入する方法もあ
る。
【0011】この鋼矢板打設後に継手部42の側面か
ら、紐状止水ゴム43を挿入する方法については、鋼矢
板の打設性は問題ないが、継手部の数mm程度しかない
隙間に止水ゴム43を挿入することは非常に手間がかか
るという問題を有している。
【0012】また、この止水ゴム43を挿入したとして
も、鋼矢板に作用する土圧・水圧等の外力により、鋼矢
板が撓んだ際に継手部42の隙間が開き、止水ゴム43
が外れてしまうことも問題として挙げられる。従って、
実際上は、漏水箇所の事後補修として、仮設的な用途を
中心としてしか用いられていないのが実状である。
【0013】グラウト注入空間を設けた従来技術として
は、例えば特開平1−280122号公報に記載された
ものがあり、図10に示すように、嵌合される2つの矢
板50と51の各継手部部位の一方または両方に部材5
2を設け、この部材52により矢板50,51間にグラ
ウト注入空間53を形成している。
【0014】この鋼矢板では、グラウト注入空間が相互
の継手の嵌合により形成され、継手により空間が完全に
閉合されているため、止水性は高いと考えられるが、継
手形状が非常に複雑なため、製造コストが高くなるとい
う欠点がある。
【0015】また、止水性が高い一方で継手部の余裕が
ないことに起因して施工性が悪い。さらに、この継手形
状では、施工延長が曲線状となっている場合等におい
て、2カ所による嵌合のために各鋼矢板を継手部にて角
度を付けながら曲線状に施工することは不可能である。
【0016】また、特開平1−280121 号公報に記
載されたものは、図11に示すように、既存の矢板の継
手部分の一方の外側に耳プレート54の一端部を溶接で
接合し、他方の矢板の腹部との間にグラウト注入空間5
3を形成している。
【0017】この鋼矢板では、鋼矢板打設時において、
捩じれや回転が発生すると耳プレートの接合していない
部分で、耳プレートと隣接の鋼矢板との間が大きく開く
ことが考えられる。
【0018】この場合には、本来の耳プレートの役割と
しては、グラウトの型枠を兼ねて、耳プレートと鋼矢板
間の開口が小さいことによる止水効果を期待できるはず
であるが、開口部分の増加により、止水性が低下するだ
けでなく、場合によっては、周囲の地盤からの内部への
土の侵入等により、グラウト材品質が悪化する恐れが挙
げられる。
【0019】また、実開昭55−71745号公報に記
載されたものは、図12に示すように、U形鋼矢板60
の継手部付近に断面カギ形,半円形等の突片61を設
け、掘削機・注入機の先端が入る大きさの注入空間62
を形成している。
【0020】この鋼矢板では、突片の先端が隣接するU
形鋼矢板の爪底部近くに位置するため、鋼矢板の回転等
による開きの恐れはないが、実際にはU形鋼矢板の爪底
部分の大きさは僅か2〜3cm程度しかなく、爪のサイ
ズに合わせた特殊な部材を取り付ける必要があり、コス
ト的に劣るという欠点の他、突片と鋼矢板の間にできる
隙間が継手部に近い位置にあるため、水の浸透経路は比
較的短く、止水効果が発揮し難いという問題も有する。
【0021】この他、従来技術では、止水処理後の外力
に対する鋼矢板変形時の止水性能低下の恐れや、万が一
の止水性能低下の場合のメンテナンス処理に対応してい
ないという問題を有している。
【0022】本願発明は、上述のような従来技術におけ
る課題の解決を図ったものであり、比較的簡単な構成に
より、要求される打設性および止水性の両者を満足し、
さらに、止水処理後の鋼矢板変形時に対する止水性能が
確保でき、万が一の止水性能の低下に対しても対応可能
な鋼矢板継手部の止水構造およびその施工方法を提供す
ることを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る鋼矢板継
手部の構造は、鋼矢板どうしの継手部の一側に、止水材
と該止水材を拘束する拘束部材と前記止水材を前記継手
部に押圧する押圧部材がそれぞれ設けられていることを
特徴とするものである。
【0024】ここにいう止水材の例としては、例えば樹
脂系やゴム系の材料からなる板状のもの等が考えられる
が、止水性を有するものであれば特に限定されるもので
はない。この止水材が継手部の隙間を塞ぐことにより止
水効果が得られる。
【0025】また、押圧部材としては、例えばねじ等の
ねじ込みを利用して止水材を継手部に押圧するようにし
たもの、あるいはチューブなどの膨張を利用して止水材
を継手部に押圧するようしたもの等が考えられる。
【0026】本発明では、嵌合状態の鋼矢板継手部の近
傍表面において、止水材を継手部に強制的に押し付ける
押圧部材が設けられていることで、止水材として特に膨
張性のないものを使用しても、鋼矢板継手部における高
い止水性を確保することができる。また、押圧部材によ
る止水材の押圧効果により、止水処理後の外力による鋼
矢板の変形に対しても、止水性を保つことが可能であ
る。
【0027】請求項2に係る鋼矢板継手部の止水構造
は、鋼矢板どうしの継手部の一側に、膨張性を有する止
水材と該止水材の膨張に抗して止水材を拘束する拘束部
材が設けられていることを特徴とするものである。
【0028】膨張性を有する材料の例としては、樹脂塗
料の場合には水を吸収して膨張するウレタン樹脂を主成
分とするもの、合成樹脂に吸水性ポリマーを混入させた
ものなどがあり、このような樹脂を所定の形状・厚さに
固化させて用いることができる。
【0029】この他、ゴム材の中にウレタン樹脂や吸水
性ポリマーを混入させて成型したものや、止水材に薬品
を注入することで、化学反応によって膨張するものなど
も利用可能である。この膨張性を有する止水材が継手部
の隙間を塞ぐことにより止水効果が得られる。
【0030】本発明では、嵌合状態の鋼矢板継手部の近
傍表面において、膨張しようとする止水材を抑える形で
拘束部材が設けられていることで、止水材には結果的に
押圧力が作用し、鋼矢板継手部における高い止水性を確
保することができる。また、拘束部材と止水材との間で
の押圧効果により、止水処理後の外力による鋼矢板の変
形に対しても、止水性を保つことが可能である。
【0031】請求項2に係る止水構造の施工手順として
は、例えば予め止水材を鋼矢板または拘束部材の少なく
とも一方に取り付けておき、鋼矢板の打設後において、
鋼矢板に拘束部材を設けることが考えられる。
【0032】しかし、止水材を設ける時期は、鋼矢板打
設の前後について限定されるものではなく、上述のよう
に鋼矢板の打設前に取り付けてもよいし、鋼矢板の打設
よって止水材が損傷する恐れがある場合には、鋼矢板打
設後に止水材を鋼矢板に設ければよい。
【0033】また、鋼矢板の打設によって止水材が損傷
する恐れがあって、鋼矢板打設後において止水材を鋼矢
板に設けられない理由がある場合には、止水材が設けら
れた拘束部材を鋼矢板打設後に設けることもできる。
【0034】請求項3は、請求項1または2に係る鋼矢
板継手部の止水構造において、鋼矢板がその継手部の前
記止水材を設ける側がほぼ同一平面を形成する形状を有
している場合を限定したものである。
【0035】このような継手形状の一例としては、例え
ば特許第2964933号公報にあるように、両端の継
手部における継手形状が左右非対称で、横断面形状を同
一方向にそろえて直線上に結合可能とした非対称U形鋼
矢板について、両端の継手部の近傍に打設法線と同方向
となるフラット部を設け、継手部およびフラット部が同
一直線上に位置するよう構成し、かつ継手どうしがその
一側で係合し、係合部が他側に露出しないようにしたも
のなどが挙げられる。
【0036】この場合、継手部近傍の止水構造が非常に
単純化され、鋼矢板の打設後の止水処理も容易であるた
め、打設性を損なう恐れもない。
【0037】請求項4は、請求項1、2または3に係る
鋼矢板継手部の止水構造において、前記止水材の一部が
継手部の隙間に入り込む形で継手部の隙間を閉塞してい
る場合を限定したもので、止水材の一部が継手部の隙間
に入り込むことで、より止水性を高めることができる。
【0038】請求項5は、請求項1、2、3または4に
係る鋼矢板継手部の止水構造において、前記拘束部材の
外側には、該拘束部材を第1の拘束部材として、内側に
前記第1の拘束部材を配置可能な溝状または筒状空間を
形成する第2の拘束部材が設けられ、前記止水材が前記
第1の拘束部材と鋼矢板との間または前記第1の拘束部
材と第2の拘束部材の間に設置されている場合を限定し
たものである。
【0039】このような構造の利点としては、請求項1
または2に関して述べた止水材を設ける時期や、施工条
件に応じて種々の施工手順が可能となるなど、施工にお
ける自由度が大きくなる。
【0040】特に、請求項9との関係では、鋼矢板の継
手部近傍に予め第2の拘束部材を取り付けた状態の鋼矢
板を打設し、鋼矢板どうしを連結した後に、第2の拘束
部材によって形成された溝状または筒状空間に第1の拘
束部材や止水材を設置する場合などにおいて、鋼矢板の
打設性を損なうことなく本願発明の止水構造を容易に形
成させることができる。
【0041】請求項6は、請求項5に係る鋼矢板継手部
の止水構造において、前記第1の拘束部材が、前記第2
の拘束部材の内側に充填されるグラウト材である場合を
限定したものである。
【0042】ここでいうグラウト材は、主としてコンク
リートやモルタルなどのセメント系材料を指すが、特に
は限定されず、その他樹脂系のグラウト材などでもよ
い。グラウト材は鋼矢板を打設して継手どうしを嵌合し
た後に充填することができるため、鋼矢板の施工性を損
なうことなく容易に止水構造を形成させることができ
る。
【0043】請求項7は、請求項1、2、3、4または
5に係る鋼矢板継手部の止水構造において、前記拘束部
材を前記止水材に押圧するための押圧手段が設けられて
いる場合を限定したものである。
【0044】本願発明では止水材が膨張性を有している
ため、その膨張力の反作用を利用して拘束部材から押圧
力を作用させることができるが、別途、押圧手段を設け
て止水材を押圧すれば、さらに止水性を高めることがで
き、また押圧力の調整も可能となる。
【0045】請求項8は、請求項1、2、3または4に
係る鋼矢板継手部の止水構造において、前記拘束部材が
前記鋼矢板の一側に打設される硬化性材料である場合を
限定したものである。
【0046】なお、ここで言う硬化性材料とは広義のコ
ンクリートで良く、コンクリート、鉄筋コンクリートや
モルタルなども含む。
【0047】この場合の鋼矢板他の役割としては、掘
削時の仮設土留め、コンクリート打設の捨て型枠、
コンクリートの外防水、さらに必要に応じ、コンクリ
ート構造の鉄筋の一部代替とした合成構造部材というよ
うに多岐に渡り、非常に経済性に優れた鋼矢板の使い方
ができる。
【0048】請求項9に係る鋼矢板継手部の止水構造の
施工方法は、請求項5または6に係る止水構造を形成す
るための施工方法であって、前記第2の拘束部材が予め
取り付けられている鋼矢板を打設し、鋼矢板どうしを連
結した後、前記第2の拘束部材によって形成された溝状
空間内に前記第1の拘束部材を設置することを特徴とす
るものである。
【0049】請求項5との関係で前述したように、鋼矢
板の打設性を損なうことなく本願発明の止水構造を容易
に形成させることができ、第1の拘束部材の取り付けが
容易となるだけでなく、止水材の取り付け時期も比較的
自由に選べる。
【0050】例えば、鋼矢板、あるいは第1の拘束部
材、あるいは第2の拘束部材に、予め止水材を設けてお
けば、第1の拘束部材を挿入するだけで止水のための施
工が完了する。
【0051】また、止水材が膨張性を有することで、施
工後に膨張させる場合、予め挿入を容易にするために大
きめの隙間が設けられた状態でも、施工完了後に止水材
自身が膨張し、この隙間を埋めてしまうため、施工はよ
り簡便となる。
【0052】なお、このような隙間がほとんどなく、挿
入の際に止水材と鋼矢板あるいは拘束部材の間に摩擦抵
抗が生じる恐れがある場合には、抵抗を軽減するための
措置として、止水材の表面に潤滑材を塗布することなど
により対応することができる。
【0053】また、摩擦によって止水材が摩耗する恐れ
がある場合には、表層と内部の材質を変えておくことも
可能であり、止水材として止水ゴムを用いた場合の例と
して、比較的硬質の摩耗に耐え、かつ摩擦抵抗が少ない
表層材と、膨張性に富んだ内部材の二層構造の複合ゴム
材を用いることも可能である。
【0054】さらに、予め止水材が設けられた第1の拘
束部材を第2の拘束部材と鋼矢板間に落とし込んで施工
する場合には、万が一、止水材の止水性能が低下した場
合でも、既設の第1の拘束部材を引抜き、新たな止水材
が設けられた第1の拘束部材と交換し、メンテナンスす
ることも可能となる。
【0055】以上のように、どのような場合において
も、止水のための最終工程を鋼矢板打設後に行うことが
できるため、鋼矢板の打設によって止水性が低下するこ
とがないという利点がある。
【0056】請求項10に係る鋼矢板継手部の止水構造
は、鋼矢板どうしの継手部の一側に拘束部材が設けら
れ、その外側に前記拘束部材を第1の拘束部材として、
内側に前記第1の拘束部材を配置可能な溝状または筒状
空間を形成する第2の拘束部材が設けられ、かつ前記第
1の拘束部材と第2の拘束部材との間に止水材が設けら
れていることを特徴とする。
【0057】請求項11は、請求項10に係る鋼矢板継
手部の止水構造において止水材として膨張性を有する止
水材が設けられていることを限定したものである。
【0058】請求項12は、請求項10または11に係
る鋼矢板継手部の止水構造において、鋼矢板と第1の拘
束部材との間にグラウト材が充填されていることを限定
したものである。
【0059】なお、上述したいずれの鋼矢板継手部の止
水構造においても、止水材の両側に鋼材または硬質樹脂
材などからなる保護部材を設けることで、運搬、保管あ
るいは施工時などにおける止水材の剥離、脱落などを未
然に防止することができ、さらに膨張性を有する止水材
が使用されている場合には、保護部材によって止水材の
幅方向への膨張が拘束され、その分止水材が厚さ方向に
より大きく膨張することで鋼矢板継手部の止水性はより
高められる。
【0060】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示した
もので、図1(a) は請求項2、3に係る止水構造の一実
施形態を、図1(b) は請求項4に係る止水構造の一実施
形態を示している。
【0061】図1(a) では、鋼矢板1a,1bどうしの
継手部2近傍の平面部分に、膨張性を有する止水材3と
して、例えば水を吸収して膨張するウレタン樹脂などを
主成分とする止水材が設けられ、これを覆うように拘束
部材4として鋼板が鋼矢板1a,1bに溶接されてい
る。
【0062】この場合の溶接は、止水材3をその膨張力
に抗して拘束部材4で拘束保持するのに必要な強度を有
していれば、断続的な溶接でも構わない。
【0063】このように膨張性を有する材料からなる止
水材3を用いていることで、止水材3は拘束部材4と鋼
矢板1a,1bに挟まれた状態で、止水材3自身が持つ
膨張力により、結果的に拘束部材4に押圧される形で保
持され、高い止水性を確保することができる。
【0064】また、図1(a) の実施形態では、継手部2
の嵌合状態において継手部2近傍の止水材3を設置した
側が同一平面をなす鋼矢板を用いている。この場合、止
水構造が非常に単純化され、鋼矢板の打設後の止水処理
も容易であるため、打設性を損なう恐れもない。また、
止水材3が押圧状態にあるため、止水処理後に鋼矢板1
a,1bが荷重を受けた場合でも、止水材3が外れる恐
れもない。
【0065】また、止水材3として膨張性を有しないも
のが用いられている場合には、止水材3を継手部2に強
く押し付ける押圧部材として、例えばねじ部材(図省
略)を拘束部材4にその外側から内側に向けて設置して
おけば良い。
【0066】この場合の止水材3としては、例えば樹脂
系やゴム系の材料などからなる板材が考えられるが、止
水性を有するものであれば特に限定されるものではな
い。
【0067】また、押圧部材としては、例えばねじ等の
ねじ込みを利用して止水材を継手部に押圧するようにし
たもの、あるいはチューブなどの膨張を利用して止水材
を継手部に押圧するようしたもの等が考えられる。
【0068】本発明では、嵌合状態の鋼矢板継手部の近
傍表面において、止水材を継手部に強制的に押し付ける
押圧部材が設けられていることで、止水材として特に膨
張性のないものを使用しても、鋼矢板継手部における高
い止水性を確保することができる。また、押圧部材によ
る止水材の押圧効果により、止水処理後の外力による鋼
矢板の変形に対しても、止水性を保つことが可能であ
る。
【0069】図8(a) 〜(c) は、本願発明の止水構造が
適用される鋼矢板壁の例を示したものであり、図1(a)
の実施形態では、請求項3との関係において、図8(a)
に示すような鋼矢板横断面に直線状の腕部6a,6bを
有し、腕部6a,6bの両端に設けられた継手どうし嵌
合時に、継手部2と腕部6a,6bの片面が同一平面を
なすような形状の鋼矢板を用いたものである。
【0070】ただし、鋼矢板の形状等、特に限定するも
のではなく、例えば、図8(b) に示すようなH形断面を
有する鋼矢板でもよい。また、請求項1、2について言
えば、止水材の形状は複雑になるが、図8(c) のような
従来からある通常のU形鋼矢板に適用することも可能で
ある。
【0071】図1(b) に示す実施形態は、図1(a) のも
のとほぼ同様の構成において、止水材3に継手部2の隙
間に沿うように突部5を設けたものであり、本願の請求
項4に対応する。このように、突部5を設け、継手部2
の隙間に入り込ませることで、止水性をより高めること
ができる。
【0072】図2(a) 〜(d) はそれぞれ請求項5に係る
止水構造の一実施形態を示したものである。
【0073】図2(a) の実施形態では、鋼矢板1a,1
bの片側に設けられた第2の拘束部材7a,7bによっ
て溝状空間が形成され、その内側に鋼板などからなる第
1の拘束部材4が配置され、鋼矢板1a,1bと第1の
拘束部材4との間に膨張性を有する止水材3が設けられ
ており、止水材3の膨張力により各部材間に押圧力が生
じている。
【0074】図2(b) の実施形態は、図2(a) の実施形
態に対し、さらに第1の拘束部材4と第2の拘束部材7
a,7bとの間にも膨張性を有する止水材3を配置した
ものである。なお、この場合、いずれか一方の止水材に
ついて、膨張性を有しないものを使用してもよい。
【0075】図2(c) の実施形態は、第2の拘束部材7
a,7bがより大きな溝状空間を形成し、その内側に第
1の拘束部材4として溝形鋼を配置し、鋼矢板1a,1
bと第1の拘束部材4のウェブとの間、および第1の拘
束部材4のフランジと第2の拘束部材7a,7bとの間
にそれぞれ膨張性の止水材3を配置したものである。こ
の場合、継手部における曲げ耐力の向上と止水性の向上
を同時に図ることができる。
【0076】図2(d) の実施形態は、第1の拘束部材4
としてH形鋼の一方のフランジを利用したものであり、
止水材3との位置関係は図2(b) の場合とほぼ同様とな
っている。この場合も、H形鋼により継手部における曲
げ耐力の向上を図ることができる。
【0077】図3は、上記図2(b) の実施形態につい
て、膨張性を有する止水材3と第1の拘束部材4および
第2の拘束部材7a,7bとの関係、取り付け手順の一
例を示したもので、請求項9の施工方法に対応する。
【0078】この場合、図3(a) に示すように、あらか
じめ鋼板等からなる第1の拘束部材4に膨張前の止水材
3を取り付けておき、これを第2の拘束部材7a,7b
による溝状空間に隙間ができる状態で落とし込み、その
後、図3(b) に示すように、止水材3の膨張を利用して
セットするといったことが可能であり、施工が非常に簡
便となる。
【0079】すなわち、膨張前は止水材3と鋼矢板1
a,1bあるいは第2の拘束部材7a,7b間に隙間が
生じる状態であっても、図3(b) に示したように、止水
材3の膨張力によって隙間がなくなる。
【0080】図4は、請求項10、11、12に係る止
水構造の実施形態を示したもので、この例では、第1の
拘束部材4として、溝形鋼を図2(c) の実施形態と逆向
きに設置し、鋼矢板1a,1bとの間に閉鎖空間を形成
し、この閉鎖空間と、第1の拘束部材4と第2の拘束部
材7a,7bおよび止水材3によって形成される閉鎖空
間の少なくとも一方において、グラウト材8を充填した
ものである(図では両方の閉鎖空間にグラウト材8を充
填している)。
【0081】この場合、止水材3によってグラウト材8
の漏れ出し防止を図ることができるため、特別な漏れ出
し防止措置が不要となる、グラウトのみによる止水構造
に比べ、より止水性が高まるだけでなく、異種材料によ
る複合的な止水構造のため信頼性が高いといった利点が
ある。
【0082】グラウト材8としては、モルタル等の経時
固化材料や、歴青材料を用いることが可能である。ま
た、止水材3が膨張性を有するため、止水材3の側面が
グラウトにより拘束され、側方への膨張が抑制されるこ
とにより、縦方向への膨張が大きくなり、さらに止水性
が高まるといった効果も期待できる。
【0083】図5(a) 、(b) はそれぞれ請求項6に係る
止水構造を、図8(c) に示すようなU形鋼矢板21の継
手部22に適用した場合の一実施形態を示したものであ
る。
【0084】U形鋼矢板21a,21bどうしの継手部
22の場合、図5(a) に示すようにL形断面の第2の拘
束部材27a,27bどうしの先端を重ね合わせて閉鎖
空間を形成し、継手部22の内側には止水材23aを設
置し、この閉鎖空間内にコンクリートなどを第1の拘束
部材24として注入充填するなどして本発明の止水構造
を得ることができる。
【0085】なお、この例では第2の拘束部材27a,
27bの先端どうしを一部重ね合わせ、コンクリート注
入時の拘束部材27a,27b間からの漏れ出し防止を
図っているが、必要に応じて、この部分にも止水材23
bを設けることで、漏れ出し防止の他に、止水性をさら
に向上させるという効果が得られる。
【0086】また、この例では止水材23aの断面形状
を凸形状とし、突部が継手部22の隙間に入り込むよう
にしているため、継手部22における止水性をより高め
ることができる。
【0087】図5(b) は、図5(a) の止水構造におい
て、第2の拘束部材27a,27bに受け板28a,2
8bを取り付け、その間を間隔調整用ボルト29で引き
寄せて継手22の嵌合状態を調整できるようにしたもの
である。
【0088】すなわち、例えば受け板28a,28bの
一方に雌ねじを切ったボルト孔を形成し、他方にボルト
貫通孔を形成しておくことで、ボルト29と受け板28
a,28bの一方に形成したボルト孔との螺合により、
間隔を調整することができる。
【0089】この場合、図5(a) における止水材23a
の取り付けや、第1の拘束部材24としてのコンクリー
トの注入は、嵌合状態を調整した後に行うことができ、
継手部における止水構造の信頼性が高まる。
【0090】例えば、既に打設された鋼矢板に対し、
新たな鋼矢板を打設して嵌合、嵌合箇所の嵌合状態を
調整、という手順を繰り返して施工を行う場合、鋼矢板
の嵌合状態を調整しながら施工することで、止水性の面
でもより信頼性の高い施工が可能となる。
【0091】図6(a) 、(b) はそれぞれ請求項7に係る
止水構造の一実施形態を示したもので、膨張性を有する
止水材3をさらに押圧し、止水性を高めるための押圧手
段を設けている。
【0092】図6(a) の実施形態は、図2(a) の実施形
態と同様の構成において、さらに第2の拘束部材7a,
7bに押圧手段としてのボルト9を設け、第2の拘束部
材7a,7bに設けられた雌ネジ孔にボルト9をねじ込
むことで、第1の拘束部材4を鋼矢板1a,1b側に押
し付け、止水性をより向上させるようにしたものであ
る。
【0093】この図6(a) では、押圧手段としてボルト
9のねじ込みの例を示したが、第1の拘束部材4と第2
の拘束部材7a,7b間に板バネを設けたり、形状記憶
合金を利用したり、この間に袋体を挿入しこれに内圧を
かけて膨らませる等、押圧手段の原理・構造は特に限定
されない。
【0094】図6(b) の実施形態は、図6(a) の実施形
態と同様の構成において、さらに第1の拘束部材4の背
面側に三角形部材10を取り付けたものであり、ボルト
9をねじ込んだ際に、止水材3の膨張力に抗して押圧力
を加えて止水性3を拘束すると同時に、ボルト9の先端
が三角形部材10の傾斜面に誘導され、鋼矢板1a,1
bに、鋼矢板1a,1b間の距離を押し広げる力が作用
する。
【0095】この鋼矢板1a,1b間の距離を押し広げ
る力により、継手部2における鋼矢板の打設法線方向の
嵌合状態を引張状態とするとともに、係合関係にある継
手どうしが密着し、さらに止水性を高めることができ
る。
【0096】図7は、請求項8に係る止水構造の一実施
形態としてU形鋼矢板に適用した場合を示したもので、
継手部22の一側に設置された膨張性を有する止水材2
3aを、その膨張に抗して拘束する拘束部材34が、鋼
矢板21a,21bとともに合成構造壁体を形成するコ
ンクリートとなっている。
【0097】この例ではU形鋼矢板21a,21bに剥
離防止のためのスタッド35を溶植して、拘束部材34
であるコンクリートとの一体化を図っているが、例え
ば、鋼矢板をコンクリート構造の合成部材とする必要が
ない場合で、かつ、打設されたコンクリートが地下構造
物の一部であって、剥離等の恐れがない場合などには、
スタッド等の剥離防止部材は不要である。
【0098】
【発明の効果】本願発明の止水構造においては、請求項
1に係る止水構造の場合、止水材を継手部に強制的に押
し付ける押圧部材が設けられていることで、止水材とし
て特に膨張性のないものを使用しても、鋼矢板継手部に
おける高い止水性を確保することができ、また止水材と
して特に膨張性を有する高価なものを使用しなくてもよ
いのできわめて経済的である。
【0099】また、請求項2に係る止水構造の場合、止
水材として膨張性を有する止水材が設けられていること
で、膨張性を有する止水材と拘束部材との間で押圧力が
作用するため、継手部における止水性が高い。また、止
水処理後に外力によって鋼矢板に変形が生じた場合など
においても、押圧効果によって止水性を維持することが
できる。
【0100】また、請求項3に係る止水構造の場合、継
手部の止水材を設ける側がほぼ同一平面を形成する形状
を有していることで、当該継手部の形状との関係で、本
発明の止水構造が単純化された効率の良い形態となるた
め、止水性、施工性の両者においてメリットが大きい。
【0101】また、請求項4に係る止水構造の場合、止
水材の一部が継手部の隙間に入り込む形で継手部の隙間
を閉塞していることで、より継手部の止水性を高めるこ
とができる。
【0102】また、請求項5に係る止水構造、請求項9
に係る施工方法においては、止水のための最終工程を鋼
矢板打設後に行うことが可能であり、止水構造によって
鋼矢板の打設性を損なう恐れがない、鋼矢板の打設によ
って止水構造を損傷する恐れがないといったことから、
止水性、施工性に優れている。
【0103】また、請求項6に係る止水構造の場合も、
請求項5に係る鋼矢板継手部の止水構造において、第1
の拘束部材が第2の拘束部材の内側に充填されるグラウ
ト材であることで、鋼矢板を打設して継手どうしを嵌合
した後に、拘束部材としてグラウト材を充填することが
できるため、鋼矢板の施工性を損なうことなく容易に止
水構造を形成して止水性を高めることができる。
【0104】また、請求項7に係る止水構造において
は、押圧手段による押圧力が加わることでさらに止水性
を向上させ、メンテナンスなどの面でも有利となる。
【0105】また、請求項8に係る止水構造おいては、
請求項1、2、3または4に係る鋼矢板継手部の止水構
造において、拘束部材が鋼矢板の一側に打設される硬化
性材料(例えばコンクリート)であることで、鋼矢板を
打設して継手どうしを嵌合した後に、拘束部材としてコ
ンクリートを充填することができるため、鋼矢板の施工
性を損なうことなく容易に止水構造を形成して止水性を
高めることができる。
【0106】また、請求項10、11、12に係る止水
構造の場合、特に止水材によってグラウト材の漏れ出し
防止を図ることができるため、特別な漏れ出し防止措置
が不要となる、グラウトのみによる止水構造に比べ、よ
り止水性が高まるだけでなく、異種材料による複合的な
止水構造のため信頼性が高いといった利点がある。
【0107】さらに、膨張性を有する止水材を使用する
ことで、止水材の側面がグラウトにより拘束され、側方
への膨張が抑制されることにより、縦方向への膨張が大
きくなり、さらに止水性が高まるといった効果も期待で
きる。
【0108】また、上述したいずれの鋼矢板継手部の止
水構造においても、止水材の両側に鋼材または硬質樹脂
材などからなる保護部材を設けることで、運搬、保管あ
るいは施工時などにおける止水材の剥離、脱落などを未
然に防止することができ、さらに膨張性を有する止水材
が使用されている場合には、保護部材によって止水材の
幅方向への膨張が拘束され、その分止水材が厚さ方向に
より大きく膨張することで鋼矢板継手部の止水性はより
高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) は請求項1、2、3に係る止水構造の一
実施形態を示す継手部の断面図、(b) は請求項4に係る
止水構造の一実施形態を示す継手部の断面図である。
【図2】 (a) 〜(d) はそれぞれ請求項5に係る止水構
造の一実施形態を示す断面図である。
【図3】 (a) 、(b) は請求項5に係る止水構造におけ
る膨張性を有する止水材と第1および第2の拘束部材と
の関係を示す断面図である。
【図4】 請求項12に係る止水構造の実施形態を示す
断面図である。
【図5】 (a) 、(b) はそれぞれ請求項6に係る止水構
造の一実施形態を示す断面図である。
【図6】 (a) 、(b) はそれぞれ請求項7に係る止水構
造の一実施形態を示す断面図である。
【図7】 請求項8に係る止水構造の一実施形態を示す
断面図である。
【図8】 (a) 〜(c) は本願発明の止水構造が適用され
る鋼矢板壁の例を示す断面図である。
【図9】 従来の止水構造の一例を示したもので、(a)
は継手部の断面図、(b) はその斜視図である。
【図10】 従来の止水構造の他の例を示す継手部の断
面図である。
【図11】 従来の止水構造のさらに他の例を示す継手
部の断面図である。
【図12】 従来の止水構造のさらに他の例を示す継手
部の断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…鋼矢板、2,12,22…継手部、
3,23a,23b…止水材、4,24,34…拘束部
材(第1の拘束部材)、5…突部、6a,6b…腕部、
7,7a,7b,27a,27b…第2の拘束部材、8
…グラウト材、9…ボルト、10…三角形部材、11…
H形鋼矢板、21,21a,21b…U形鋼矢板、28
a,28b…受け板、29…間隔調整用ボルト、35…
スタッド

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼矢板どうしの継手部の一側に、止水材
    と該止水材を拘束する拘束部材と前記止水材を前記継手
    部に押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とす
    る鋼矢板継手部の止水構造。
  2. 【請求項2】 鋼矢板どうしの継手部の一側に、膨張性
    を有する止水材と該止水材の膨張に抗して前記止水材を
    拘束する拘束部材が設けられていることを特徴とする鋼
    矢板継手部の止水構造。
  3. 【請求項3】 前記鋼矢板は、前記継手部の前記止水材
    を設ける側がほぼ同一平面を形成する形状を有している
    請求項1または2記載の鋼矢板継手部の止水構造。
  4. 【請求項4】 前記止水材の一部が継手部の隙間に入り
    込む形で継手部の隙間を閉塞している請求項1、2また
    は3記載の鋼矢板継手部の止水構造。
  5. 【請求項5】 前記拘束部材の外側には、該拘束部材を
    第1の拘束部材として、内側に前記第1の拘束部材を配
    置可能な溝状または筒状空間を形成する第2の拘束部材
    が設けられ、前記止水材が前記第1の拘束部材と鋼矢板
    との間または前記第1の拘束部材と第2の拘束部材との
    間に設置されている請求項1、2、3または4記載の鋼
    矢板継手部の止水構造。
  6. 【請求項6】 前記第1の拘束部材が、前記第2の拘束
    部材の内側に充填されるグラウト材である請求項5記載
    の鋼矢板継手部の止水構造。
  7. 【請求項7】 前記拘束部材を前記止水材に押圧する押
    圧手段が設けられている請求項1、2、3、4または5
    記載の鋼矢板継手部の止水構造。
  8. 【請求項8】 前記拘束部材が前記鋼矢板の一側に打設
    される硬化性材料である請求項1、2、3または4記載
    の鋼矢板継手部の止水構造。
  9. 【請求項9】 前記第2の拘束部材が予め取り付けられ
    ている鋼矢板を打設し、鋼矢板どうしを連結した後、前
    記第2の拘束部材によって形成された溝状または筒状空
    間内に前記第1の拘束部材を設置する請求項5または6
    記載の鋼矢板継手部の止水構造の施工方法。
  10. 【請求項10】 鋼矢板どうしの継手部の一側に拘束部
    材が設けられ、その外側に、前記拘束部材を第1の拘束
    部材として、内側に前記第1の拘束部材を配置可能な溝
    状または筒状空間を形成する第2の拘束部材が設けら
    れ、かつ前記第1の拘束部材と第2の拘束部材との間に
    止水材が設けられている鋼矢板継手部の止水構造。
  11. 【請求項11】 止水材として膨張性を有する止水材が
    設けられている請求項10記載の鋼矢板継手部の止水構
    造。
  12. 【請求項12】 鋼矢板と第1の拘束部材との間にグラ
    ウト材が充填されている請求項10または11記載の鋼
    矢板継手部の止水構造。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006524915A (ja) * 2003-03-07 2006-11-02 アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド 集積回路製造のための位置合わせシステム
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