以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1の実施形態
1−1.構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
図1に示すように本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また本実施形態の遊技機では、収納箱BX内の例えば、リールユニット上部に、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板が収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域に区画されており、各領域に複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を1コマとするコマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうちの3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。そして遊技者の遊技結果は表示窓DW内の5本の入賞判定ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組合せによって判断され、入賞判定ライン上の図柄の組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
また本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して3枚のメダルを投入可能とされている。そして5本の入賞判定ラインL1〜L5は、規定投入数として予め定められた3枚に相当するメダルが投入されたことに基づいて有効化される。
なお規定投入数として複数段階の投入数が設定されている場合には、5本の入賞判定ラインL1〜L5について、メダルの投入枚数に応じて有効化されるラインが決定されるようにしてもよい。例えば、前面下扉DDに設けられたメダル投入口MIへ1枚のメダルが投入された場合、投入数が1枚であることに基づいて1本の入賞判定ラインL1が有効化され、メダル投入口MIへ2枚のメダルが投入された場合、投入数が2枚であることに基づいて3本の入賞判定ラインL1〜L3が有効化され、メダル投入口MIへ3枚のメダルが投入された場合、投入数が3枚であることに基づいて5本の入賞判定ラインL1〜L5が全て有効化されるようにしてもよい。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うためのスピーカSPが左右対称の位置に複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタンB0(投入操作手段)、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL(遊技開始操作手段)、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3(停止操作手段)などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入したり、遊技者がベットボタンB0を押下する操作を行うことによってクレジットされたメダルが投入されたりすることによって、予め定められた規定投入数のメダルが投入されたことによりスタートレバーSLに対する操作が有効化されて遊技を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において乱数値を用いた内部抽選が行われるとともに、第1リールR1〜第3リールR3がステップモータの駆動により回転を開始し、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を開放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び開放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100(制御基板)によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、スピーカ340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAMなどのハードウェア、あるいはROMに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎に予め定められた規定投入数のメダルの投入を受け付ける制御を行う。本実施形態の遊技機では、遊技毎に3枚を規定投入数として、メダルの投入を受け付けており、3枚のメダルが投入されると、スタートレバーSLの操作が有効化されることによって、遊技を開始させることができるように制御される。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSL(第1の操作手段)を押下することで作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて役の当否を決定するための内部抽選を行う手段であって、内部抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、フラグ設定処理などを行う。
内部抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定し、決定した内部抽選テーブルを設定する。本実施形態の遊技機では、通常状態、ビッグボーナス成立状態、およびビッグボーナス状態という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、記憶手段190には、各遊技状態における内部抽選のための内部抽選テーブルが記憶されている。そして各遊技状態用の内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(入賞に伴い次回の遊技に際してメダルが自動投入される役)、小役(入賞に伴いメダルが払い出される役:プラム、ベル、チェリー、特殊小役1、特殊小役2)、及びビッグボーナス(ビッグボーナス状態への移行契機となる役:BB)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
本実施形態では、例えば通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルLT1が使用される。図3に示される通常状態用の内部抽選テーブルLT1では、0〜65535までの65536個の乱数値のそれぞれに対して、BB、リプレイ、プラム、ベル、チェリー、特殊小役1、特殊小役2の各役、あるいはハズレのいずれかが対応づけられ、図柄組合せ毎に個別の当選領域が用意されている。
そして本実施形態では、図3に示すように、内部抽選テーブルLT1の他にも5種類の内部抽選テーブルLT2〜LT6が通常状態用の内部抽選テーブルとして内部抽選テーブル記憶手段191に格納されており、遊技状態が通常状態である場合に、内部抽選テーブルLT1〜LT6のうちいずれか1つの内部抽選テーブルが設定される。そしてこれら6種類の内部抽選テーブルLT1〜LT6では、乱数値と役との対応関係が互いに異なるように構成されており、設定される内部抽選テーブルに応じて役の当選確率が異なるようになっている。本実施形態では図3に示すように、内部抽選テーブルLT1が、BBに対応付けられている乱数値が最も少なく(当選領域が狭く)BBの当選確率が低くなるように構成され、内部抽選テーブルLT6が、BBに対応付けられている乱数値が最も多く(当選領域が広く)BBの当選確率が高くなるように構成されている。なお、BB以外の小役についてもBBと同様に乱数値との対応関係が異なるように構成してもよい。
そして本実施形態では、本実施形態の遊技機が設置される店舗の店員などの管理者が、遊技機の内部に設けられたボタンによって、内部抽選テーブルLT1〜LT6のうちいずれの内部抽選テーブルを通常状態用の内部抽選テーブルとして設定するか操作することができる。具体的には本実施形態では、図4に示すように、収納箱BX内のリールユニット収納スペースSSの下部に内蔵された電源ユニットEUに、設定変更ボタンSBが設けられている。そして本実施形態では、遊技機の電源がOFFになっている状態で所定の設定キーを設定変更モードに切り替え、この状態で遊技機の電源をONにすると、設定変更ボタンSBを機能させることができるようになっており、遊技が開始される前などに管理者が設定変更ボタンSBを押下することにより、内部抽選テーブルLT1〜LT6のいずれかを通常状態用の内部抽選テーブルとして設定することができる。詳細には、設定変更ボタンSBが押下される毎に図2に示す設定変更スイッチ250が作動し、設定変更スイッチ250が作動する毎に設定1から設定6までの6段階の設定値のうち1つの設定値が順次選択される。そしていずれかの設定値を選択した状態でスタートレバーSLを押下すると、選択した状態の設定値がRAMに登録され、登録された設定値を内部抽選手段120が読み出すことにより、内部抽選テーブルLT1〜LT6のうち設定値に応じた内部抽選テーブルを設定する。これにより本実施形態では、管理者が各遊技機におけるBBの当選確率を、内部抽選テーブルLT1が設定される設定1から内部抽選テーブルLT6が設定される設定6までの6段階のいずれかに予め定めておくことができる。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について、内部抽選テーブル選択処理によって設定された内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役のフラグを非内部当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から内部当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。フラグの設定情報は、記憶手段190のフラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越し可能なフラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越さずに非内部当選状態にリセットされるフラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、BBがあり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLを押下することにより作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3をフラグの設定状態(役の当否)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作(停止操作)が有効化された状態(第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達した状態)において遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブルでは、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンB1〜B3の各ボタンの押下操作が検出された時点)における第1リールR1〜第3リールR3の位置(押下検出位置)と、第1リールR1〜第3リールR3の実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。また本実施の形態では、フラグの設定状態毎に第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されている。そして停止制御テーブルでは、内部抽選の結果に応じて設定されるフラグの設定状態が同一であるとともに、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様(操作態様:例えば、押下タイミングおよび押下順序)が同一である場合には、第1リールR1〜第3リールR3について同一の停止位置が指定されている。すなわち、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様と、内部抽選手段120による内部抽選の結果との組合せが同一である場合には、同一の停止態様で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また停止制御テーブルでは、2種類以上の異なる役に対応づけられているフラグが内部当選状態に設定されている場合に、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ240の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。特に本実施形態では、「リプレイ>BB>小役(プラム、ベル、チェリー、特殊小役1、特殊小役2)」の順序で優先順位が定められており、リール制御手段130は、2種類以上の役に関するフラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役を構成する図柄に優先して優先順位の高い役を構成する図柄を入賞判定ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、フラグが内部当選状態に設定された役に対応する図柄が入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、フラグが非内部当選状態に設定された役に対応する図柄が入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは入賞判定ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段130は、フラグが内部当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方でフラグが非内部当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。
そして本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルにおいて、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が5コマ(0コマ〜4コマ)を上限として設定されており、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3に関する引き込み処理や蹴飛ばし処理において、ストップボタンB1〜B3の停止契機となる操作が行われた時点で表示窓DW内に位置するコマから最大4コマ先の図柄を引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3については、図5に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」や、プラム図柄「PM」などに関して、その間隔が5コマ以内となるように配列しており、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄「RP」や、プラム図柄「PM」を入賞判定ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって入賞判定ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
本実施形態では、図5に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、ボーナス図柄「赤7」、プラム図柄「PM」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、リプレイ図柄「RP」、特殊図柄1「白7」、特殊図柄2「DM」が配列されている。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された各図柄の組合せによって、図6に示すように、BB、リプレイ、ベル、プラム、チェリー、特殊小役1、特殊小役2の入賞の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお図6に示すチェリーの入賞形態を示す図柄組合せにおける「ANY」とは、リールの外周面に配列されたいずれの図柄でもよいこと示す。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役(ベル、プラム、チェリー、特殊小役)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、BBが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、図6に示すように、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を設定し、設定されたメダルの払出数をホッパーユニット320(払出装置)に対して指示する制御を行う。複数の小役が1回の遊技で入賞した場合には、入賞した各小役の配当の合計が、遊技におけるメダルの払出数として設定される。そして払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
ホッパーユニット320は、図4に示すように、メダル投入口MIから投入されたメダルを受け入れるとともに、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンクMTと、ステップモータからなる払出モータ(図示省略)と払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されており、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。また遊技の結果、リプレイあるいはBBが入賞した場合には、図6に示すようにこれらの役に配当が設定されていないため、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、ビッグボーナス成立状態(BB成立状態)、およびビッグボーナス状態(BB状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
BB状態は、内部抽選でBBに当選することによって移行するBB成立状態においてBBの入賞形態を示す図柄組合せ「赤7・赤7・赤7」が入賞判定ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。またBB状態では、ボーナス遊技によって所定枚数(465枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを契機としてBB状態を終了させる制御が行われる。
そして本実施形態では、BB状態において通常状態よりも小役の種類や小役の当選確率を上昇させた抽選テーブルを使用した内部抽選が行われる。すなわちBB状態は、通常状態よりも短期間で多くのメダルが獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて演出装置(表示装置330、スピーカ340)に遊技演出を実行させる制御を行う。詳細には本実施形態の遊技機では、記憶手段190の演出抽選テーブル記憶手段196に、演出装置に実行させる演出と乱数値とが対応付けられた演出抽選テーブルを格納している。そして演出制御手段180は、乱数発生手段110から乱数値(演出用乱数)を取得し、取得した乱数値について演出抽選テーブルを参照していずれの演出を実行するか否かを決定する演出抽選を行う。
そして演出制御手段180は、例えば、ランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、遊技状態の変化、役の入賞、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生(遊技中の所与の契機の一例)に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
特に本実施形態では、演出データ記憶手段195が、再生波形が異なる第1の音データと第2の音データとを格納する音データ記憶手段1951を含む。そして演出制御手段180が、遊技中の所与の契機において、第1の音データおよび第2の音データの少なくとも一方を再生する再生手段182を含む。具体的には本実施形態では、音データ記憶手段1951は音源ROMにより構成され、512個の音データ(第1の音データと第2の音データの一例)がWAVファイル形式で格納されている。そして再生手段182は音源ICにより構成され、512個のWAVファイルのうち1つまたは複数のWAVファイルの音データを読み出して再生し、スピーカ340に出力する。ここで複数のWAVファイルの音データを同時に読み出した場合には、再生手段182はこれらを合成してスピーカ340に出力する。
そして本実施形態では、再生手段182は、第1の音データの音量を調整する第1の音量調整手段184−1と、第2の音データの音量を調整する第2の音量調整手段184−2とを含む。具体的には本実施形態の再生手段182は、8チャンネルの各チャンネルで同一または複数のWAVファイルの音データを同時に読み出すことができ、読み出した音データの音量をチャンネル毎に調整する第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が8チャンネルの各チャンネルに設けられている。
そして本実施形態では、演出制御手段180は、音量操作手段からの入力に基づいて、第1の音量調整手段184−1が調整する音量の調整量と第2の音量調整手段184−2が調整する音量の調整量とを制御する調整量制御手段186を更に含む。具体的には本実施形態では、第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量を個別に決定するための音量操作手段が遊技機の内部に設けられており、店舗の店員などの管理者がこれを操作して、8チャンネルの各チャンネルの音データの音量をチャンネル毎(音データ毎)に調整することができるようになっている。
詳細には本実施形態では図4に示すように、再生手段182としての音源ICが実装された演出制御基板EBが、遊技機の前面上扉UDの内部側であってスピーカSPの下方に設けられており、この演出制御基板EBに、8チャンネルの各チャンネルに対応する第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8の調整量を決定するための第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8が設けられている。そして、第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8が操作されることにより作動する図2に示す第1のボリューム260−1〜第8のボリューム260−8からの入力に基づいて、調整量制御手段186が、対応する第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量を制御する。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
1−2.本実施形態の制御手法
続いて、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
1−2−1.演出制御手段の構成
図7は、本実施形態の演出制御手段180の詳細の一例を示すブロック図である。図7に示すように本実施形態の演出制御手段180は、内部抽選手段120などとして機能するメインCPU121からの制御信号に基づいて各種制御処理を行うサブCPU181と、サブCPU181からの制御信号に基づいて音源ROM1951からWAVファイル単位で音データを読出し、音データを再生する音源IC182とを含む。
本実施形態では、メインCPU121からの制御信号に基づいてサブCPU181が音による演出を実行することを決定すると、サブCPU181は、実行する演出に対応する再生制御情報を制御データROMから読出し、音源IC182に送信する。この再生制御情報には、音源ROM1951からいずれのWAVファイルの音データを読出すかを特定する音データ識別情報が含まれており、再生制御情報を受信した音源IC182は、音データ識別情報に対応するWAVファイルの音データを音源ROM1951から読出す。
そして音源IC182には、第1のデコーダ183−1〜第8のデコーダ183−8が、8系統の第1のチャンネルCH1〜第8のチャンネルCH8の各チャンネルに設けられており、各チャンネルの第1のデコーダ183−1〜第8のデコーダ183−8において、音源ROM1951から読み出されたWAVファイルの音データを同時にかつ独立にデコードすることができる。従って本実施形態の音源IC182では、最大8個のWAVファイルの音データを同時に読み出して、これらを同時にデコードすることができる。
ここで本実施形態では、音源IC182から読み出されるWAVファイルには、読出されたWAVファイルの音データを第1のデコーダ183−1〜第8のデコーダ183−8のいずれにおいてデコードするかを特定するデコーダ識別情報が含まれており、音源IC182は、デコーダ識別情報に対応する第1のデコーダ183−1〜第8のデコーダ183−8のいずれかにおいて、読み出したWAVファイルの音データをデコードする。
そして第1のチャンネルCH1〜第8のチャンネルCH8の各チャンネルには、第1のデコーダ183−1〜第8のデコーダ183−8がデコードした音データの音量を、チャンネル毎に調整する第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が設けられている。そして本実施形態では、各チャンネルの第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量は、店舗の店員などの管理者が操作できる第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8が操作されることにより作動する第1のボリューム260−1〜第8のボリューム260−8からの入力に基づいて、サブCPU181によって制御される。本実施形態では音量の調整量として、デコードされた音データの音量の減衰率が、0.0〜1.0までの間で0.1ずつ段階的に制御される。
そしてチャンネル毎に音量が調整された各チャンネルの音データは、ミキサ185で加算合成され、D/Aコンバータでアナログデータに変換される。そしてアナログデータは、右スピーカSPR用の右チャンネルCHRのアンプを介して右スピーカSPRから出力され、左スピーカSPL用の左チャンネルCHLのアンプを介して左スピーカSPLから出力される。
こうして本実施形態の音源IC182では、最大8個のWAVファイルの音データを、チャンネル毎に音量を調整した上で合成して出力することができる。特に本実施形態の音源IC182では、管理者が第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8を用いてチャンネル毎に音データの音量を決定することができる。従って本実施形態では、複数のWAVファイルの音データを、タイミングを異ならせて単独で出力する場合や、同時に合成出力する場合に、各チャンネルを介してデコードされるWAVファイルの音データについて音量を任意に調整することによって、特殊な音量調整が行われた音による演出を実行することができる。
1−2−2.特殊な音量調整を用いた当選役報知演出
本実施形態の遊技機では、このようなチャンネル毎に音データの音量を決定することができる音源IC182を利用して、遊技機の設定状態を遊技者に報知する演出を実行する。以下、このような演出の一例について説明する。
本実施形態では、遊技者がスタートレバーSLを押下することにより内部抽選が行われ、この内部抽選によってBBが当選すると、スタートレバーSLが押下されたことを契機として特殊効果音を出力する特殊効果音演出を、所定条件下で実行する。詳細には本実施形態では、内部抽選でBBが当選した場合であって、演出抽選で特殊効果音演出を行うことが決定された場合に特殊効果音演出を実行する。従って特殊効果音が出力されることにより、遊技者はBBが内部当選状態に設定されていることを所与の確率で認知することができる。
そして上述したように本実施形態では、管理者が図4に示す設定変更ボタンSBを操作することにより、その遊技機におけるBBの当選確率を、BBの当選確率が最も低い設定1から最も高い設定6までの6段階の設定状態のいずれかに予め定めておくことができる。そこで本実施形態では、BBが当選したことを遊技者に報知する特殊効果音演出における特殊効果音の音量を、BBの当選確率の設定状態に応じて変化させることができるようにしている。
例えば、BBの当選確率が最も低い設定1に設定された遊技機では、特殊効果音の音量が6段階の音量のうち最も小さい音量1に調整する。一方、BBの当選確率が最も高い設定6に設定された遊技機では、特殊効果音の音量が6段階の音量のうち最も大きい音量6に調整する。これにより本実施形態では、特殊効果音が出力されることにより遊技者はBBが内部当選状態に設定されていることを認知するとともに、出力された特殊効果音の音量により、その遊技機におけるBBの当選確率の設定状態を認知することができる。
ここで従来の遊技機によって、スピーカの出力を調整することによりBBの当選確率の設定状態に応じて特殊効果音の音量を変化させようとすると、スピーカから出力される音が全体として調整されるため、特殊効果音以外の音による演出の音量まで一律に変化してしまうという問題が発生する。そしてこの場合には、音による演出が実行されるとすぐにその遊技機におけるBBの当選確率を認知することができてしまうという問題が発生する。また、音源ROM1951に、音量1で再生される特殊効果音のWAVファイルから音量6で再生される特殊効果音のWAVファイルまでの6個の特殊効果音のWAVファイルを予め格納しておき、BBの当選確率の設定状態に応じた音量で再生される特殊効果音のWAVファイルを選択するようにすることも考えられるが、この場合には用意するWAVファイルの音データが増加してしまう。
そこで本実施形態では、チャンネル毎に音データの音量を決定することができる音源IC182を利用して、特殊効果音の音量のみを調整することにより、1個の特殊効果音のWAVファイルを用意するだけで、所与の確率で特殊効果音が出力されたときに初めてBBの当選確率を報知するように構成することができる。
具体的には本実施形態では、演出制御手段180によって特殊効果音演出を実行すると決定された場合には、図8(A)に示すように、演出制御手段180から音源IC182に送信される再生制御情報PI1には、音源ROM1951から特殊効果音のWAVファイルの音データを読出すことを特定する音データ識別情報SI1が含まれている。そして読み出された特殊効果音のWAVファイルWF1には、特殊効果音のWAVファイルの音データを第1のデコーダ183−1においてデコードすることを特定するデコーダ識別情報DI1が含まれている。従って音源IC182は、特殊効果音のWAVファイルの音データを第1のチャンネルCH1の第1のデコーダ183−1においてデコードする。
ここで第1のデコーダ183−1においてデコードされた音データは、第1のチャンネルCH1の第1の音量調整手段184−1において音量が調整される。そして第1の音量調整手段184−1における音量の調整量は、図4に示す第1の音量操作手段BS1を管理者が操作することにより制御される。
そこで本実施形態では、例えば遊技が開始される前に管理者が図4に示す設定変更ボタンSBを操作して、その遊技機におけるBBの当選確率を最も低い設定1に設定した場合には、第1の音量操作手段BS1を操作して、第1の音量調整手段184−1における音量の調整量を最も小さい音量1に決定する。一方、管理者が設定変更ボタンSBを操作して、その遊技機におけるBBの当選確率を最も高い設定6に設定した場合には、第1の音量操作手段BS1を操作して、第1の音量調整手段184−1における音量の調整量を最も大きい音量6に決定する。これにより本実施形態では、管理者が設定したその遊技機におけるBBの当選確率の設定状態に応じて、特殊効果音による演出の音量を変化させてスピーカSPから出力させるようにすることができる。
一方、演出制御手段180によって、BB当選時のスタートレバーSL押下に関わらない通常音演出を実行すると決定された場合には、図8(B)に示すように、演出制御手段180から音源IC182に送信される再生制御情報PI2には、音源ROM1951から通常音1のWAVファイルの音データを読出すことを特定する音データ識別情報SI2が含まれている。また、本実施形態の通常音演出は通常音1と通常音2からなる複数の音データの合成音により実行されるものであるので、この再生制御情報PI2には、音源ROM1951から通常音2のWAVファイルの音データを読出すことを特定する音データ識別情報SI3も含まれている。
そして、読出した通常音1のWAVファイルWF2には、通常音1のWAVファイルの音データを第2のデコーダ183−2においてデコードすることを特定するデコーダ識別情報DI2が含まれ、通常音2のWAVファイルWF3には、通常音2のWAVファイルの音データを第3のデコーダ183−3においてデコードすることを特定するデコーダ識別情報DI3が含まれている。従って音源IC182は、通常音1のWAVファイルの音データを第2のチャンネルCH2の第2のデコーダ183−2においてデコードし、通常音2のWAVファイルの音データを第3のチャンネルCH3の第3のデコーダ183−3においてデコードする。
ここで第2のデコーダ183−2においてデコードされた音データは、第2のチャンネルCH2の第2の音量調整手段184−2において音量が調整され、第3のデコーダ183−3においてデコードされた音データは、第3のチャンネルCH3の第3の音量調整手段184−3において音量が調整される。そして第2の音量調整手段184−2、第3の音量調整手段184−3における音量の調整量は、図4に示す第2の音量操作手段BS2、第3の音量操作手段BS3を管理者が操作することにより制御される。
そこで本実施形態では、管理者がその遊技機におけるBBの当選確率の設定状態に応じて第1の音量操作手段BS1を操作して、第1の音量調整手段184−1における音量の調整量を変化させても、その他の第2の音量操作手段BS2〜第8の音量操作手段BS8を操作せずに、第2の音量調整手段184−2〜第8の音量調整手段184−8における音量の調整量を、6段階の音量の音量3と音量4の間の中間的な音量である初期音量に維持しておく。これにより本実施形態では、管理者が設定したその遊技機におけるBBの当選確率の設定状態に関わらず、通常音による演出の音量は初期音量から変化させずにスピーカSPから出力させるようにすることができる。
こうして本実施形態では、管理者が設定したその遊技機におけるBBの当選確率の設定状態に応じて、特殊効果音による演出の音量を変化させつつも、特殊効果音以外の音による通常音による演出の音量は変化させないようにすることができる。
1−3.本実施形態の処理の流れ
1−3−1.基本的な処理(動作)の流れ
続いて図9のフローチャートを参照しながら本実施形態の制御手法を実現する処理の一例について説明する。
毎回の遊技では、図9に示すように、遊技を行うために必要なメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われる(ステップS10)。投入受付処理では、メダル投入口MIに投入されたメダル、あるいはベットボタンB0を押下することにより投入されたクレジットメダルの投入を受け付ける。また前回の遊技でリプレイが入賞したことに基づいてリプレイ処理が行われた場合には、遊技者の所有するメダルを要さずに、遊技機側で自動的に前回の遊技において使用された規定投入数のメダルと同じ数のメダルを自動投入する。
そして遊技の開始条件として設定されている規定投入数(例えば、3枚)のメダルの投入が完了すると(ステップS11でY)、スタートレバーSLの押下操作を待機する(ステップS12)。
続いて、遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチ230が作動すると(ステップS12でY)、第1リールR1〜第3リールR3を駆動するステップモータへ駆動パルスの供給が開始されて各リールが回転駆動されるとともに(ステップS13)、内部抽選が行われる(ステップS14)。内部抽選では、スタートスイッチ230の作動に伴って取得した乱数値を、遊技状態に応じて選択される内部抽選テーブルと比較することによって役の当否を決定し、当選した役(当選役)のフラグを内部当選状態に設定する。
そしてステップS13で回転駆動が開始された各リールの回転速度が所定速度に達すると、ストップボタンB1〜B3の操作が許可され、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下すると、各ボタンに対応したストップスイッチ240が作動することによってステップモータへの駆動パルスの供給を停止させることによりリールを停止させる処理が行われる(ステップ15でY、ステップS16)。
そして第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると(ステップS17でY)、各リールの停止状態に基づいて入賞判定処理が行われる(ステップS18)。入賞判定の結果、何らかの役が入賞した場合には(ステップS18でY)、入賞役に応じた入賞時処理が行われる(ステップS19)。例えば、小役が入賞した場合には、入賞した小役の配当に基づいてメダルの払出数が決定され、決定された払出数のメダルがホッパーユニット320によって払い出される処理が行われる。
1−3−2.音源ICの動作の流れ
そして本実施形態の遊技では、図9のフローチャートに示した遊技の進行処理と並行して、図10のフローチャートに従った音源IC182の動作が行われている。
まず、スタートレバーSLの押下操作に応じた特殊効果音による演出を行うことが決定されると、図10(A)に示すように、特殊効果音のWAVファイルの音データが読み出される(ステップS32)。すると特殊効果音のWAVファイルの音データは、第1のデコーダ183−1においてデコードされ(ステップS34)、第1の音量調整手段184−1において音量が調整される(ステップS36)。
ここで特殊効果音のWAVファイルの音データは、単独でデコードされる音データであるので、ミキサ185において他の音データとは合成されず(ステップS38)、そのままD/Aコンバータ187でアナログデータに変換される(ステップS40)。
一方、通常音による演出を行うことが決定されると、図10(B)に示すように、通常音1のWAVファイルの音データと通常音2のWAVファイルの音データとが読み出される(ステップS44)。すると通常音1、通常音2のWAVファイルの音データは、それぞれ第2のデコーダ183−2、第3のデコーダ183−3においてデコードされ(ステップS46)、それぞれ第2の音量調整手段184−2、第3の音量調整手段184−3において音量が調整される(ステップS48)。
そして、音量が調整された通常音1の音データと通常音2の音データとが合成され(ステップS50)、合成後の音データがD/Aコンバータ187でアナログデータに変換される(ステップS52)。
2.第2の実施形態
次に第2の実施形態について説明する。基本的な構成は上述した第1の実施形態と同様であるので、以下では第2の実施形態に特徴的な部分について説明する。
2−1.本実施形態の制御手法
2−1−1.演出制御手段の構成
上記実施形態では調整量制御手段186が、第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8に対する操作に基づいて、第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量を制御する例を挙げて説明したが、本実施形態では調整量制御手段186が、内部抽選の結果に基づいて、第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量を制御する。なお本実施形態では、図2に示す第1のボリューム260−1〜第8のボリューム260−8や、図4に示す第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8を省略することができる。
具体的には本実施形態では、図7においてサブCPU181から音源IC182に送信される再生制御情報に、音データ識別情報に加え、第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8のいずれかにおいていかなる調整量で音量を調整するかを特定する音量識別情報が含まれている。そして、メインCPU121からの内部抽選の結果を示す情報に基づいて、サブCPU181は、実行する演出に対応する再生制御情報を制御データROMから読出し、音源IC182に送信する。従って再生制御情報を受信した音源IC182は、音量識別情報に対応する調整量で第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8のいずれかにおいて、デコードしたWAVファイルの音データの音量を調整する。
こうして本実施形態の音源IC182では、複数のWAVファイルの音データを、タイミングを異ならせて単独で出力する場合や、同時に合成出力する場合に、各チャンネルを介してデコードされるWAVファイルの音データについて音量を内部抽選の結果に応じて調整することによって、特殊な音量調整が行われた音による演出を実行することができる。
2−1−2.特殊な音量調整を用いた入賞補助演出
そして本実施形態の遊技機では、このような内部抽選の結果に応じてチャンネル毎に音データの音量を調整することができる音源IC182を利用して、内部抽選で小役が当選した遊技において、小役の入賞を補助する入賞補助演出音をスピーカSPから出力させる入賞補助演出の実行制御を行っている。以下、このような演出の一例について説明する。
本実施形態では、通常状態における遊技演出の制御状態として通常演出状態とアシストタイム状態とを設定することができるようになっており、遊技演出の制御状態がアシストタイム状態である場合に限って、上述した小役の入賞を補助する入賞補助演出が実行される。そして本実施形態では、入賞補助演出用のWAVファイルの音データが遊技演出の制御状態と対応づけられて演出データ記憶手段195に記憶されている。
そして演出制御手段180は、遊技状態が通常状態である際に、入賞補助演出を実行すべきであると決定された場合には、遊技演出の制御状態をアシストタイム状態に設定し、入賞補助演出を実行しないと決定された場合には、遊技演出の制御状態を通常演出状態に設定する。すなわち本実施形態の遊技機では、遊技演出の演出状態がアシストタイム状態に設定されている通常状態での遊技において、内部抽選で小役に当選すると、その遊技において当選した小役の入賞を補助する入賞補助演出音(例えば、小役の種類を示唆する音)をスピーカ340から出力される。
例えば本実施形態の遊技機では、図5に示す第1リールR1における図柄の配列によれば、ボーナス図柄「赤7」と特殊図柄1「白7」とが、5コマ以上離れて配列されている。そして本実施の形態では、4コマを上限として内部抽選で当選した役に関する図柄を入賞判定ライン上に引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため通常状態における遊技では、図6に示す特殊小役1(赤7・プラム・プラム)が当選している状態で、第1リールR1に関して特殊図柄1「白7」を狙ってストップボタンB1を押下した場合、特殊小役1を入賞させることができず、図6に示す特殊小役2(白7・プラム・プラム)が当選している状態で、第1リールR1に関してボーナス図柄「赤7」を狙ってストップボタンB1を押下した場合、特殊小役2を入賞させることができないようになっている。このように本実施形態の遊技機では、内部抽選で特殊小役1、特殊小役2のいずれが当選したかわからない状態では、特殊小役1、特殊小役2のいずれかが当選していても、特殊小役1、特殊小役2のいずれかを入賞させることができずに取りこぼす可能性がある。
そこで本実施形態では、遊技演出の制御状態がアシストタイム状態である場合に、内部抽選において特殊小役1あるいは特殊小役2のいずれかが当選したことに基づいて、第1リールR1に関して狙うべき図柄の種類を報知する音をスピーカSPから出力させることにより特殊小役の入賞を補助する入賞補助演出を行う手法を採用する。例えば本実施形態では、遊技演出の制御状態がアシストタイム状態である場合に、楽曲の楽器音から構成される第1のBGM音のWAVファイルの音データと、楽曲の歌声音から構成される第2のBGM音のWAVファイルの音データとを読み込む。そして、特殊小役1が当選した場合には、第1のBGM音の音データの音量が相対的に大きく、第2のBGM音の音データの音量が相対的に小さくなるように調整して合成した上でスピーカSPから出力させる。一方、特殊小役2が当選した場合には、第1のBGM音の音データの音量が相対的に小さく、第2のBGM音の音データの音量が相対的に大きくなるように調整して合成した上でスピーカSPから出力させる。
詳細には本実施形態では、遊技演出の制御状態がアシストタイム状態に設定された状態で、内部抽選で特殊小役1が当選した場合には、図11(A)に示すように、演出制御手段180から音源IC182に送信される再生制御情報PI10には、第1のBGM音のWAVファイルの音データを音源ROM1951から読出すことを特定する音データ識別情報SI10と、デコードされた第1のBGM音の音データを相対的に大きな音量(0.75)に調整することを特定する音量識別情報VI10とが含まれている。
そしてこの再生制御情報PI10には更に、第2のBGM音のWAVファイルの音データを音源ROM1951から読出すことを特定する音データ識別情報SI20と、デコードされた第2のBGM音の音データを相対的に小さな音量(0.25)に調整することを特定する音量識別情報VI20とが含まれている。
そして、読出した第1のBGM音のWAVファイルWF10には、第1のBGM音のWAVファイルWF10の音データを第1のデコーダ183−1においてデコードすることを特定するデコーダ識別情報DI10が含まれ、第2のBGM音のWAVファイルWF20には、第2のBGM音のWAVファイルWF20の音データを第2のデコーダ183−2においてデコードすることを特定するデコーダ識別情報DI20が含まれている。
従って音源IC182は、第1のBGM音のWAVファイルの音データを第1のチャンネルCH1の第1のデコーダ183−1においてデコードし、第1の音量調整手段184−1においてその音量を相対的に大きな音量(0.75)に調整する。そして、第2のBGM音のWAVファイルの音データを第2のチャンネルCH2の第2のデコーダ183−2においてデコードし、第2の音量調整手段184−2においてその音量を相対的に小さな音量(0.25)に調整する。そして音源IC182は、相対的に大きな音量に調整された第1のBGM音の音データと相対的に小さな音量に調整された第2のBGM音の音データとを合成して、左右のスピーカSPR、スピーカSPLから合成後の音データを出力させる。
一方、内部抽選で特殊小役2が当選した場合には、図11(B)に示すように、演出制御手段180から音源IC182に送信される再生制御情報PI20には、デコードされた第1のBGM音の音データを相対的に小さな音量(0.25)に調整することを特定する音量識別情報VI30と、デコードされた第2のBGM音の音データを相対的に大きな音量(0.75)に調整することを特定する音量識別情報VI40とが含まれている。
従って音源IC182は、第1のBGM音のWAVファイルの音データを第1のチャンネルCH1の第1のデコーダ183−1においてデコードし、第1の音量調整手段184−1においてその音量を相対的に小さな音量(0.25)に調整する。そして、第2のBGM音のWAVファイルの音データを第2のチャンネルCH2の第2のデコーダ183−2においてデコードし、第2の音量調整手段184−2においてその音量を相対的に大きな音量(0.75)に調整する。そして音源IC182は、相対的に小さな音量に調整された第1のBGM音の音データと相対的に大きな音量に調整された第2のBGM音の音データとを合成して、左右のスピーカSPR、スピーカSPLから合成後の音データを出力させる。
こうして本実施形態では、内部抽選の結果に応じて、第1のBGM音の音データの音量と第2のBGM音の音データの音量の大小関係を制御することにより、同一の音データを用いつつも異なる音による演出を実行して、異なる内部抽選の結果を報知することができる。更に本実施形態では、第1のBGM音の音データの音量と第2のBGM音の音データの音量とを調整して合成した上で、左右のスピーカR、スピーカLから合成後の音データを出力させるので、音量の調整量の変化がわかりやすく、聞き取りやすい音による演出とすることができる。
2−2.音源ICの動作の流れ
そして本実施形態の遊技では、図9のフローチャートに示した遊技の進行処理と並行して、図12のフローチャートに従った音源IC182の動作が行われている。
まず、入賞補助演出を行うことが決定された場合であって、内部抽選で特殊小役1が当選した場合には、図12(A)に示すように、第1の音量調整手段184−1における音量の調整量が、音量を相対的に大きくする調整量に制御され、第2の音量調整手段184−2における音量の調整量が、音量を相対的に小さくする調整量に制御される(ステップS64)。
すると第1のBGM音のWAVファイルの音データと第2のBGM音のWAVファイルの音データとが読み出され(ステップS66)、第1のBGM音、第2のBGM音のWAVファイルの音データは、それぞれ第1のデコーダ183−1、第2のデコーダ183−2においてデコードされ(ステップS68)、それぞれ第1の音量調整手段184−1、第2の音量調整手段184−2において音量が調整される(ステップS70)。
そして、音量が相対的に大きくなるように調整された第1のBGM音の音データと、音量が相対的に小さくなるように調整された第2のBGM音の音データとが合成され(ステップS72)、合成後の音データがD/Aコンバータ187でアナログデータに変換される(ステップS74)。
一方、内部抽選で特殊小役2が当選した場合には、図12(B)に示すように、第1の音量調整手段184−1における音量の調整量が、音量を相対的に小さくする調整量に制御され、第2の音量調整手段184−2における音量の調整量が、音量を相対的に大きくする調整量に制御される(ステップS76)。
すると第1のBGM音のWAVファイルの音データと第2のBGM音のWAVファイルの音データとが読み出され(ステップS78)、第1のBGM音、第2のBGM音のWAVファイルの音データは、それぞれ第1のデコーダ183−1、第2のデコーダ183−2においてデコードされ(ステップS80)、それぞれ第1の音量調整手段184−1、第2の音量調整手段184−2において音量が調整される(ステップS82)。
そして、音量が相対的に小さくなるように調整された第1のBGM音の音データと、音量が相対的に大きくなるように調整された第2のBGM音の音データとが合成され(ステップS84)、合成後の音データがD/Aコンバータ187でアナログデータに変換される(ステップS86)。
3.変形例
上記実施形態で説明した手法は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の手法と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。また本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。そして上記第1の実施形態、第2の実施形態や、変形例として後述する各種の手法は、本発明を実現する手法として適宜組み合わせて採用することができる。
例えば上述した第2の実施形態において、第1のボリューム260−1〜第8のボリューム260−8や、第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8を省略せずに、調整量制御手段186が、第1の音量操作手段BS1〜第8の音量操作手段BS8に対する操作に基づいて、第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量を制御しつつ、内部抽選の結果に基づいて、第1の音量調整手段184−1〜第8の音量調整手段184−8が調整する音量の調整量を制御するようにしてもよい。
また上述した実施の形態では、読出したWAVファイルの音データを第1のデコーダ183−1〜第8のデコーダ183−8のいずれにおいてデコードするかを特定するデコーダ識別情報を、音源ROM1951のWAVファイルに含ませる例を挙げて説明したが、かかるデコーダ識別情報を、音源IC182に送信される再生制御情報に含ませるようにしてもよい。この場合には、例えば演出制御手段180によって特殊効果音演出を実行すると決定された場合には、図13に示すように、再生制御情報PI100に含まれる音データ識別情報SI100によって、音源ROM1951から特殊効果音のWAVファイルの音データを読出すことを特定し、デコーダ識別情報DI100によって、特殊効果音のWAVファイルの音データを第1のデコーダ183−1においてデコードすることを特定するようにしてもよい。この場合には、特殊効果音のWAVファイルWF100のデコーダ識別情報を省略することができる。
また上述した第2の実施形態では、入賞を補助する入賞補助演出の実行対象となる小役として、リールの図柄配列の関係上、役を構成する図柄を狙って停止させなければ入賞を得ることができない特殊小役が設定されている場合を例に取り説明をしたが、入賞の条件としてストップボタンB1〜B3への押下順序が適切であることを要する小役が複数種類設定されている場合であっても上述した制御手法を適用することができる。すなわち入賞補助演出の実行対象となる小役については、入賞形態を示す図柄組合せが共通(押下検出位置に関わらず入賞ラインに引き込み可能なプラムなど)であるが、ストップボタンB1〜B3への押下順序(特定の操作態様の一例)が入賞の条件として付加されており、入賞補助演出において、押下順序を示唆する入賞補助演出音をスピーカSPから出力させるようにしてもよい。
この場合には例えば、遊技演出の制御状態がアシストタイム状態である場合に、ストップボタンB1〜B3の数に対応する第1のBGM音のWAVファイルの音データ〜第3のBGM音のWAVファイルの音データの3つの音データを合成して出力するように構成する。そして、ストップボタンB1〜B3への押下順序に応じて、第1のBGM音のWAVファイルの音データ〜第3のBGM音のWAVファイルの音データのうちいずれか1つの音データの音量が相対的に大きくなるように、第1の音量調整手段184−1〜第3の音量調整手段184−3の音量の調整量を制御する。例えば、現在操作すべきストップボタンB1〜B3に対応する音データの音量のみが相対的に大きくなるように制御する。
また音源ROM1951に、例えば人の音声の音データや、楽曲の音データ、効果音の音データなど、異なる分類の音データを各分類について複数種類用意しておき、音データの分類毎にデコードおよび音量を調整するチャンネルを振り分けるように構成してもよい。この場合には、音データの分類毎に音量が調整された音データを、単独で或いは合成してスピーカSPから出力させることができる。