<実施例1>
以下、図面を用いて、本発明の実施例に係る遊技台であるスロットマシンについて詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2(a)は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図であり、図2(b)は、図2(a)において円Aで囲んだ音量調整部を拡大して示す図である。
本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード264が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、音孔143に対応する位置には上部スピーカ272、を設けている。図中、演出装置160の左方の円Aで囲んだ箇所には、図2(b)に拡大して示す音量調整部600を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
図3は、図2(b)に拡大して示す音量調整部600を示す斜視図であり、(a)は音量目盛りを0にした状態の音量調整部600を示す図であり、(b)は音量目盛りを3にした状態の音量調整部600を示す図であり、(c)は音量目盛りをFにした状態の音量調整部600を示す図である。
本実施の形態の音量調整部600は、台座部603上につまみ部601を設けて構成される。つまみ部601は、図3(a)に示す矢印のように、台座部603上で回動可能にしてあり、操作者はつまみ部601を回動させ、スロットマシン100はつまみ部601の回動後の停止位置に応じて後述のように音量調整を行う。
台座部603上であってつまみ部601の外周位置には目盛りが印字してあり、この印字された目盛りのうちの1つが、つまみ部601の回動と連動する鍔部602の切り欠いた窓部602aから視認可能にしてある。
本実施の形態では、16段階に音量調整可能にしており、この16段階のそれぞれに対応した0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、0、A、B、C、D、EおよびFの16種類の目盛りを台座部603上に印字し、この16種類の印字のうち窓部602aから視認される目盛りに対応した音量に調整する。
ここで、図4を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサスタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。また、このセンサ回路320は、前面扉102の開放を検出するドア開放センサ605の状態監視も行う。
なお、センサ回路320がスタートレバー135センサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路604を備えており、CPU404は、音量調整部600のつまみ部601の位置すなわち音量調整値を、センサ回路604を介して入力する。
この出力する音声の制御、音量の制御については、図10の音制御処理等を参照しながら後に詳しく説明する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<主制御部メイン処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップ2001の初期処理で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップ2003ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップ2005へ進む。
ステップ2005では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップ2007では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップ2009では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップ2007で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。
ステップ2011では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップ2013では全リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップ2015では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップ2011で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップ2017へ進む。
ステップ2017では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。
ステップ2019では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。
ステップ2021では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。
以降ステップ2003へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部1300タイマ割込処理>
図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップ3001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップ3003では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップ3005では、詳しくは図7を参照して後述する入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318やドア開放センサ605のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318、ドア開放センサ605ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップ3007では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップ3009では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップ3011では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
このコマンド設定送信処理で送信するコマンドには、後述の図7のステップ4002で送信準備するドア開放コマンドを含む。
ステップ3013では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップ3015では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップ3005において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップ3017では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップ3021に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップ3019に進む。
ステップ3019では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップ3001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップ3021では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図5に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<入力ポート状態更新処理>
図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する入力ポート状態更新処理(図6のステップ3005)について説明する。なお、同図は入力ポート状態更新処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ4001では、主制御部300は、ドア開放センサ605のセンサ回路320の検出信号を入力して、ドア開放がなければ、その他の入力ポート状態を更新して(ステップ4003)、処理を終了する。
ステップ4001において、ドア開放を検出した場合には、ドア開放時の処理を指示するドア開放コマンドの送信準備を行い(ステップ4002)、その後、その他の入力ポート状態を更新して(ステップ4003)、処理を終了する。
ステップ4002のドア開放コマンドの送信準備としては、ドア開放センサ605のセンサ回路320の検出信号を、RAM308にドア開放センサ605用として区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
<第1副制御部メイン処理>
図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図8(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図8(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図8(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図8(a)のステップ5001では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップ5001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップ5003では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップ5005の処理に移行する。
ステップ5005では、タイマ変数に0を代入する。
ステップ5007では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、詳しくは図9を参照して後述するが、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップ5009では、演出制御処理を行う。例えば、ステップ5007で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップ5011では、詳しくは図10を参照して後述するが、ステップC09の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップ5009で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップ5013では、ステップ5009の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップ5009で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップ5015では、ステップC09の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップ5009で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップ5003へ戻る。
<第1副制御部コマンド受信割込処理>
次に、図8(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップ6001では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
<第1副制御部タイマ割込処理>
次に、図8(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップ7001では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップ5003において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップ5003において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップ7003では、ステップ5015で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<コマンド処理、コマンド受付時処理>
次に、図9を用いて、第1副制御部400のCPU404が実行するコマンド処理(図8(a)のステップ5007)について説明する。なお、図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するコマンド処理のフローチャートである。図9(b)は、(a)のステップ8002のコマンド受付時処理のフローチャートである。
ステップ8001では、図6のステップ3011で主制御部300から第1副制御部400に対して送信されるコマンドを受け付けたか否かを判断し、コマンドを受け付けていない場合には、そのまま処理を終了する。
ステップ8001において、コマンドを受け付けた場合には、コマンド受付時処理を行い(ステップ8002)、その後、処理を終了する。
ステップ9001では、今回受け付けたコマンドを参照し、ドア開放コマンドについて演出指示情報を演出予約キューに予約し、その後、その他コマンド受付時処理を実行し(ステップ9002)、処理を終了する。
このステップ9001の処理は、具体的には、RAM408の演出予約キューのエリアに、今回受け付けたコマンドに対応づけられたタイミング・チャートデータ(以下、「TCデータ」ともいう)を格納する。以下に、TCデータの一例を示す。
<タイミング・チャートデータ(TCデータ)>
図10は、タイミング・チャートデータ(TCデータ)の一例を示す表図である。
この例において、TCデータを一意に識別可能なTCデータNoがTC_0001のTCデータは、スロットマシン100のBB遊技等の当選しやすさ等の設定を変更可能な状態であることを報知する演出で用いるデータであり、TC_0002のTCデータは、スロットマシン100のBB遊技等の当選しやすさ等の設定変更の終了を報知する演出で用いるデータであり、TC_0003のTCデータは、スロットマシン100のドア開放を基準音で報知する演出で用いるデータであり、TC_0004のTCデータは、スロットマシン100のドア閉鎖を報知する演出で用いるデータであり、TC_0003のTCデータは、スロットマシン100のドア開放を調整音で報知する演出で用いるデータである。
TCデータは、複数のレイヤー(チャネル0、チャネル1、チャネル2、・・・、チャネル15、サイドランプ、液晶画像など)に分かれて管理され、たとえば、TCデータNoがTC_0001の設定変更可能状態報知演出のチャネル0での音出力は、レイヤーデータNoが「H'0000」のレイヤーデータ(以下、「LD」ともいう)により演出内容(演出パターン)が決定され、サイドランプは、レイヤーデータNoが「H'0000」のレイヤーデータにより演出内容(演出パターン)が決定され、液晶画像は、レイヤーデータNoが「H'0000」のレイヤーデータにより演出内容(演出パターン)が決定される。なお、図10に示すレイヤーデータNOの値は、16進表記で記載されており、「H'FFFF」は、該当する演出がないことを示す。
図9(b)のステップ9001の処理では、今回のTCデータのレイヤー区分のそれぞれについて、該当する演出がある場合に、当該演出のレイヤーデータアドレス(LDアドレス)をRAM408の所定領域に格納する。
<レイヤーデータ(LD)>
図11は、レイヤーデータの構成の一例を示す表図であって、(a)はレイヤー区分が音出力チャネル0の場合のレイヤーデータの構成を示す表図であり、(b)はレイヤー区分が音出力チャネル1の場合のレイヤーデータの構成を示す表図であり、(c)はレイヤー区分が音出力チャネル2の場合のレイヤーデータの構成を示す表図である。
図11に示すように、レイヤーデータは、レイヤーデータを一意に識別可能なレイヤーデータNO(H’****)、レイヤーデータ名(Layer_DATA)、および動作データで構成される。
動作データは、1または複数の動作データで構成され、各動作データは、演出切替時間、データID、VOL/PAN(ボリューム/バランス)などの情報を具備する。
演出切替時間は、実行している演出の音声データから次の演出を行うための音声データに切り替える時間である。演出切替時間は、16進表記で記載されている。
VOL/PAN(ボリューム/バランス)は、16進表記の上2桁でボリュームを指定し、16進表記の下2桁でPAN(左右スピーカの左右バランス)を指定する。
データIDは、演出の実体データ(デバイス・データ)を一意に識別可能なIDであり、音声データの最小単位である。
<デバイス・データ(DD)>
図12は、デバイス・データの構成の一例を示す表図である。
たとえば、データIDが「eDEV_SND_00001」は、フレーズ番号「H’0001」のデータすなわち設定変更中音を無限に繰り返して出力する音声データを示し、また、データIDが「eDEV_SND_00002」は、フレーズ番号「H’0002」のデータすなわち設定変更終了音を、繰り返しはなしで1度だけ出力する音声データを示す。
図12中のコメント欄に記載の演奏時間は、各フレーズ番号のデータを1度出力する際にかかる時間である。
<音制御処理>
第1副制御部400のCPU404が実行する音制御処理(図8(a)のステップ5011)について説明する。なお、図13は、第1副制御部400のCPU404が実行する音制御処理のフローチャートである。
音制御処理では、ステップ10001からステップ10012までの処理を、音出力のチャネルであるチャネル0〜15までのそれぞれについて実行する。
ステップ10002では、図9(b)のステップ9001で格納したLDアドレスの有無を判定し、そのチャネルのLDアドレス格納がなければ、ステップ10012に進み、チャネル0〜15のうちの次のチャネルの処理に移り、ステップ10001に戻る。
ステップ10002において、LDアドレスが格納されている場合には、その格納LD(図11参照)を参照する(ステップ10003)。
ステップ10004では、演出初期実行の開始時または演出切替時間に達したときであるかを判定し、Yesであれば、今回のLDのデータID(図11参照)の送信準備を行う(ステップ10005)。この送信準備は、具体的には、音源IC418の制御レジスタに対応づけて構成した送信バッファに、今回のデータIDを指示するコマンドを格納する。
その後、今回が演出初期実行の開始時であれば(ステップ10006:Yes)、演出切替時間に達するかの計時を開始し(ステップ10007)、そうでなければ(ステップ10006:No)、そのままステップ10008へと進む。
ステップ10008では、図14を参照して後述するVOLデータ補正処理を実行して、必要に応じ、音量調整部600による調整値に基づいて音量の補正を行う。
ステップ10009では、今回のLDのVOL/PAN(図11参照)にステップ10008の補正を加えたVOL/PANデータの送信準備を行う(ステップ10009)。この送信準備は、具体的には、音源IC418の制御レジスタに対応づけて構成した送信バッファに、今回のVOL/PANデータ(ステップ10008で生成した送信用VOLデータを含む)を指示するコマンドを格納する。
ステップ10005および10009の送信準備がされると、音源IC418はこれに基づき、音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)から音声データを取得しアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
ステップ10010では、演出終了、演出切替時間に達したかを判定し、Yesであれば、今回処理したLDアドレスをクリアするとともに、演出切替時間の計時をクリアし、ステップ10012に進み、チャネル0〜15のうちの次のチャネルの処理に移り、ステップ10001に戻る。
また、ステップ10010でNoの場合は、そのままステップ10012に進み、チャネル0〜15のうちの次のチャネルの処理に移り、ステップ10001に戻る。
<VOLデータ補正処理>
第1副制御部400のCPU404が実行するVOLデータ補正処理(図13のステップ10008)について説明する。なお、図14は、第1副制御部400のCPU404が実行するVOLデータ補正処理のフローチャートである。
ステップ11001では、今回処理中のチャネルがチャネル0〜15のうちの2〜15のうちのいずれかであるかを判定する。
ステップ11001において、今回処理中のチャネルがチャネル2〜15のいずれかである場合には、音量調整部600による音量調整値を、センサ回路604を介して入力し、これを筐体VOLデータとして取得し(ステップ11002)、ステップ11003に進む。
ステップ11001において、今回処理中のチャネルがチャネル0またはチャネル1である場合には、そのままステップ11003に進む。
本実施の形態では、チャネル0およびチャネル1を、音量調整部600による調整値の影響を受けないチャネルとしている。すなわち、チャネル0またはチャネル1では、図11(a)や図11(b)に示したレイヤーデータにおける動作データのVOL/PANを、そのまま図13のステップ10009で送信準備するVOL/PANデータとして用いる。
ステップ11003では、今回のレイヤーデータにおける動作データのVOL/PANのうちのVOLデータを、演出用VOLデータとして取得する。
ステップ11004では、ステップ11002を実行した場合には、ステップ11002で取得した筐体VOLデータとステップ11003で取得した演出用VOLデータとに基づいて、送信用VOLデータを生成する。具体的には、音源IC418に設定可能な最大値に対して演出用および筐体VOLデータの逆数をそれぞれかける。ステップ11004では、ステップ11002を実行しなかった場合には、筐体VOLデータは考慮しない。
ステップ11004を終了したならば、図13の処理に戻り、ステップ10009へと進む。
<ドア開放時のスピーカ出力>
以下に、本実施の形態の動作の一例として、ドア開放時のスピーカ出力の一形態を挙げて説明する。
図15は、本実施の形態のスロットマシン100におけるドア開放時のスピーカ出力の様子を示すタイムチャートである。
ドア開放センサ605によって前面扉102の開放を検出すると、主制御部300は、センサ回路320を介して、この情報を得る(図7参照)。
本実施の形態では、主制御部300から第1副制御部40に送信するドア開放コマンドに対して、TCデータNoが「TC_0003」のデータとこれに続く「TC_0005」のデータを対応づけている。
図9(b)のステップ9001の処理では、演出予約キューにこの「TC_0003」および「TC_0005」の予約を行う。このとき、LDアドレスすなわちチャネルごとのレイヤーデータの格納もされる。
図13の音制御処理では、まず、最初に予約されている「TC_0003」を実施するが、この「TC_0003」は、チャネル1のレイヤーデータが「H’0000」である(図10参照)ことから、図11(b)の「H’0000」のレイヤーデータを参照し、H’0258(10進数で6000)msの演出切替時間でデータID「eDEV_SND00003」の音を鳴音させる。ここで、データID「eDEV_SND00003」には、6000msかけて「ドアが開いています。」と発声するデバイス・データがあらかじめ登録してある。今回のチャネル1は、筐体VOLデータは考慮しないので、データID「eDEV_SND00003」の動作データのVOLデータとして図11(b)のレイヤーデータに登録してあるH’64(VOL/PANの上2桁)の音量(基準音)でスピーカ272、277を鳴動させる。
「ドアが開いています。」と1回発声するのに6000msかかり、チャネル1の「H’0000」のレイヤーデータの演出切替時間はH’0258(10進数で6000)msであるので、今回の演出では、「ドアが開いています。」を基準音で1回だけ発声する。
このようにドアオープン時に基準音を出すことで、音量調整を行う人にスピーカおよびスピーカに関連する制御部の遊技台ごとの個体差を認識させることができる。
続いて、次に予約されている「TC_0005」を実施するが、この「TC_0005」は、チャネル2のレイヤーデータが「H’0000」である(図10参照)ことから、図11(c)の「H’0000」のレイヤーデータを参照し、H’0BB8(10進数で30000)msの演出切替時間でデータID「eDEV_SND00003」の音を鳴音させる。ここで、データID「eDEV_SND00003」には、6000msかけて「ドアが開いています。」と発声するデバイス・データがあらかじめ登録してある。今回のチャネル2は、筐体VOLデータを考慮するので、データID「eDEV_SND00003」の動作データのVOLデータとして図11(c)のレイヤーデータに登録してあるH’64(VOL/PANの上2桁)と音量調整部600による調整値に基づいて補正した音量(調整音)でスピーカ272、277を鳴動させる。
「ドアが開いています。」と1回発声するのに6000msかかり、チャネル2の「H’0000」のレイヤーデータの演出切替時間はH’0BB8(10進数で30000)msであるので、今回の演出では、「ドアが開いています。」を調整音で5回発声する。
このように上述の基準音を出した後に調整音を出すことで、音量調整を行う人が上述の遊技台ごとの個体差に基づいた音量調整をスムーズに行うことが可能となる。
ところで、基準音で鳴動する確認用効果音および調整音で鳴動する調整用効果音はドアの開放に対する報知としても機能する。
特に確認用効果音に関しては、音量調整部により調整される外部音量に基づかずに出力するため、ドア開放報知の効果を担保することが可能である。これに対し、ドア開放報知音を外部音量に基づく音量にすると、ドア開放報知の音量が小さくなってしまう場合がある。また、調整用効果音でも確認用効果音に続いてドア開放報知としての機能を持たせることで一定の報知効果が得られる。
なお、上述の実施例では、遊技台の例としてスロットマシン(パチスロ機)を挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、パチンコ機などの他の遊技台にも適用可能である。
<付記>
なお、以上説明した本発明は、
1. 複数種類の効果音を出力可能な効果音出力部と、
前記効果音出力部から出力される効果音の内容を制御する効果音出力制御手段と、
筐体の内部に設けられ、遊技扉を開放することで操作可能であり、前記効果音出力部から出力される効果音の音量を調整する音量調整部と、
所定の範囲内で前記複数種類の効果音それぞれに対応した音量データを予め記憶している音データ記憶手段と、
前記音量調整部による音量調整の結果および前記音データ記憶手段に記憶されている音量データに基づいて、前記効果音出力部から出力される効果音の音量を設定する音量設定手段と、
遊技扉の開放状態を検知する開放状態検知手段と、
を備えた遊技台であって、
前記複数種類の効果音は、前記音量設定手段により、前記音量調整部による音量調整の結果に基づかず、前記音データ記憶手段により記憶されている音量データに基づいて音量が設定される確認用効果音を含み、
前記効果音出力制御手段は、前記開放状態検知手段により前記遊技扉の開放状態が検知されたことに基づいて、所定の期間に亘り前記確認用効果音を出力させるよう制御する
ことを特徴とする遊技台、としたので、
音量調整時にスピーカの個体差を調整者に認識させることが可能である。
2. 1.に記載の遊技台であって、
前記複数種類の効果音は、前記音量設定手段により、前記音量調整部による音量調整の結果および前記音データ記憶手段に記憶されている音量データに基づいて音量が設定される調整用効果音を含み、
前記効果音出力制御手段は、前記確認用効果音を出力する第一の期間終了後の第二の期間に亘り前記調整用効果音を出力させるよう制御する
ことを特徴とする遊技台、としたので、
スピーカの個体差を調整者に把握させた上で音量調整させることが可能な場合がある。
3. 1.または2.に記載の遊技台であって、
前記音データ記憶手段により記憶されている前記確認用効果音に対応した音量データは、前記所定の範囲内で最大の音量である
ことを特徴とする遊技台、としたので、
音量調整時にスピーカの最大音量を出すことで、的確な音量調整が可能な場合がある。
4. 1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記音データ記憶手段は、さらに、前記複数種類の効果音それぞれに対応した音声データを記憶しており、
前記音データ記憶手段により記憶されている、前記確認用効果音に対応した音声データと前記調整用効果音に対応した音声データは、同一の音声データである
ことを特徴とする遊技台、としたので、
確認用効果音に対応した音声データと調整用効果音に対応した音声データとが同一の音声データであることにより、データ容量を削減することが可能な場合がある。
5. 1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記音データ記憶手段は、さらに、音声データを、該音声データを再生する複数の再生チャネルにそれぞれ対応付けて記憶しており、
前記音データ記憶手段により記憶されている前記確認用効果音に対応する音声データに関連付けされた再生チャネルは、前記音量設定手段により、前記音量調整部による音量調整の結果に基づかず、前記音量データに基づいて音量設定が行われる再生チャネルである
ことを特徴とする遊技台、としたので、
確認用効果音の出力制御が容易になる場合がある。