JP2009031474A - 粘着剤層を備える液晶表示装置及びそれに用いる複合偏光板のセット - Google Patents

粘着剤層を備える液晶表示装置及びそれに用いる複合偏光板のセット Download PDF

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Abstract

【課題】新たな部材を増やすことなく、簡便な手段を用いて、黒表示時の視野角に依存したカラーシフトが生じにくく、かつ広い視野角特性を有する液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶セル60の両側にそれぞれ粘着剤層40,45を介して位相差板30,35及び偏光板20,25がこの順に積層され、その片側にバックライト10が配置されてなる液晶表示装置であって、二枚の位相差板30,35はそれぞれ、三軸方向の屈折率がnx>ny>nzの関係を満たし、面内位相差が30〜100nmの範囲にあり、粘着剤層40,45の少なくとも一方は色素を含有し、そして、位相差板30,35が30〜60nmの面内位相差を有する場合には、前記色素は560〜630nmに極大吸収波長を示すものとし、位相差板が60〜100nmの面内位相差を有する場合には、前記色素は430〜510nmに極大吸収波長を示すものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、黒表示時の視野角に依存したカラーシフトが生じにくく、かつ広い視野角特性を有する液晶表示装置に関するものである。本発明はまた、それに有用な、液晶セルの両側に配置される複合偏光板のセットにも関係している。
近年、消費電力が少なく、低電圧で駆動し、軽量でかつ薄型の液晶表示装置(LCD)が、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニタ、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきている。その中で、液晶表示装置の表示品位の向上、大型化、薄型・軽量化に対する市場の要求は高まるばかりである。特にテレビ用液晶表示装置の大型化には目を見張るものがあり、大画面で様々な角度から見ることが想定されるため、視野角特性、画面の均一性のさらなる向上が求められている。
現在、垂直配向(Vertical Alignment:VA)モードの液晶表示装置が液晶テレビの主力として用いられている。VAモードの液晶表示装置は、正面から見た場合にほぼ完全な黒表示を得ることができ、高いコントラスト比を実現することができる。しかしながら、このような液晶セルに偏光板のみを備えたVAモードの液晶表示装置では、それを斜めから見た場合に、配置された偏光板の軸角度が90°からずれてしまうことと、セル内の棒状の液晶分子が複屈折を発現することに起因して、光漏れが生じ、コントラスト比が著しく低下してしまう。
かかる光漏れを解消するためには、液晶セルと直線偏光板との間に光学補償フィルムを配置する必要があり、従来は、二軸性の位相差板を液晶セルと上下の偏光板の間にそれぞれ1枚づつ配置する仕様や、一軸性の位相差板と完全二軸性の位相差板を、それぞれ1枚ずつ液晶セルの上下に、又は2枚とも液晶セルの片側に配置する仕様などが採用されてきた。例えば、特開 2001-109009号公報(特許文献1)には、垂直配向モードの液晶表示装置において、上下偏光板と液晶セルの間に、それぞれa−プレート(すなわち、正の一軸性の位相差板)及びc−プレート(すなわち、完全二軸性の位相差板)を配置することが記載されている。
一方で、液晶表示装置におけるバックライトは通常、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp :CCFL)で構成されており、そこから、赤(R)、緑(G)及び青(B)の三原色を含む白色光を発し、これをカラーフィルタによって、赤、緑及び青に分け、それぞれの色を表示している。そして、液晶表示装置の画面を斜めから見た場合には、液晶層及び光学フィルムにおける位相差値の波長分散特性が視野角によって異なるため、透過してくる赤、緑及び青色光のバランスが崩れ、本来の色とは異なるカラーシフトを生じることがある。特に、黒表示状態における着色現象は、液晶表示装置の表示品位上大きな問題となる。上記特許文献1に示されるような、位相差板(光学補償フィルム)を配置しても、黒表示状態を斜めから見た場合のカラーシフトの補償は十分でない。
このようなカラーシフトを補償するため、特表 2006-515686公報(特許文献2)には、フィルム面内位相差値の波長分散特性が、短波長になるにつれて位相差値が減少する「逆波長分散」であり、フィルム厚み方向位相差値の波長分散特性が、短波長になるにつれて位相差値が増加する「順波長分散」である二軸性位相差補償フィルムを、液晶セルと上下偏光板の間の少なくとも一方に配置することが提案されている。このような特性を示す二軸性位相差補償フィルムの製造方法として、正の固有複屈折を有する第一のモノマーと負の固有複屈折を有する第二のモノマーとの共重合体を延伸する形態や、面内位相差値の波長分散特性と厚み方向位相差値の波長分散特性が異なる少なくとも2枚の位相差フィルムを積層する形態が示されている。しかし、共重合体とする場合はモノマーの組合せが限られ、また2枚以上の位相差フィルムを積層する場合は、工程が煩雑となることから、生産性の点で不利であったり、フィルムの厚みが顕著に増加したりするという問題がある。
また、偏光板は通常、偏光子の片面又は両面に透明保護層が設けられた形で用いられ、その透明保護層としてトリアセチルセルロースが一般的に使用されているが、その保護層を他の樹脂で置き換えたり、その保護層に位相差を持たせたりする試みも多数なされている。例えば、特開平 7-287123 号公報(特許文献3)には、偏光子の保護層を環状オレフィン系樹脂で構成することが記載され、特開平 8-43812号公報(特許文献4)には、偏光子の保護層のうち少なくとも一方を、位相差フィルムの機能を有する樹脂フィルムで構成することが記載されている。
さらに、特開 2006-63195 号公報(特許文献5)には、微粒子を含有して光拡散性を付与した粘着剤中に、420nm〜530nmの波長領域に吸収極大を有する色素、及び/又は530nm〜630nmの波長領域に吸収極大を有する色素を配合してなる粘着シートを、液晶表示装置などに適用することにより、色再現性が向上できることが記載されている。
特開2001−109009号公報(請求項15及び段落0036) 特表2006−515686公報(=WO2004/068226;請求項1、2、6、8、9及び10) 特開平7−287123号公報 特開平8−43812号公報 特開2006−63195号公報
本発明の課題は、新たな部材を増やすことなく、簡便な手段を用いて、黒表示時の視野角に依存したカラーシフトが生じにくく、かつ広い視野角特性を有する液晶表示装置を提供することにある。本発明のもう一つの課題は、この液晶表示装置に有用な、それぞれ偏光板と位相差板とが積層されており、液晶セルの両側に配置される複合偏光板のセットを提供することにある。
本発明者は、液晶表示装置におけるカラーシフトの問題を解決するべく、鋭意研究を行ってきた。その結果、視野角変化によって生じるカラーシフトは、バックライトから発せられる光の成分のうち、特に赤色光と青色光のバランスの変化に起因していることを見出した。すなわち、液晶表示画面を斜めから見た場合に生じる着色現象において、その色相は、液晶表示装置に配設されている位相差板の特性によるところが大きく、とりわけ、面内位相差値に大きな影響を受ける。具体的には、液晶セルの両側に、二軸配向性で面内位相差Ro が30nm以上100nm以下の範囲にある位相差板が設けられた液晶表示装置において、上記二枚の位相差板が30nm以上60nm以下の面内位相差を有する場合には、黒表示状態において、青色光よりも赤色光の透過が増大し、一方で、位相差板が60nmを超え100nm以下の面内位相差を有する場合には、赤色光よりも青色光の透過が増大する。すなわち、この斜めの透過光における赤色光と青色光のバランスを補正することで、黒表示におけるカラーシフトを改善することが可能であることを見出した。
そして、特定の波長に吸収ピークを有する色素を、位相差板と液晶セルとを接合する粘着剤に含有させることで、新たな部材を増やすことなく、かつ簡便な手段にて、液晶表示装置を斜めから見たときのカラーシフトが改善できることを見出した。かかる手法を用いると、光源から発せられた光が色素含有層を通過する光路長は、極角(法線方向からの傾き角度)が大きくなるほど長くなるため、極角がゼロである正面における色相には最小限の影響で、斜めから見たときの着色の改善が実現できる。すなわち、色素の吸収波長域を選択することで、斜めからの色抜けの低減に効果を発現することが明らかとなった。
そこで本発明によれば、以下の如き構成の液晶表示装置が提供される。
液晶セルの両側にそれぞれ粘着剤層を介して位相差板及び偏光板がこの順に積層され、その片側にバックライトが配置されてなり;
液晶セルの両側に配置される二枚の位相差板はそれぞれ、面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとして、nx>ny>nzの関係を満たし、かつ面内位相差Ro が30nm以上100nm以下の範囲にあり;
液晶セルの両側に配置される粘着剤層の少なくとも一方は色素を含有し;そして、
前記二枚の位相差板がそれぞれ、30nm以上60nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は560〜630nmに極大吸収波長を示すものであり、
前記二枚の位相差板がそれぞれ、60nmを超え100nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は430〜510nmに極大吸収波長を示すものである。
この液晶表示装置を構成する偏光板として、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の片面に透明保護層が形成されたものを採用し、その透明保護層と反対側に前記位相差板が貼合された構造とすれば、全体の厚さを小さくする観点から有利である。
また本発明によれば、上記の如き液晶表示装置とするのに有用な複合偏光板のセットも提供され、この複合偏光板のセットは、液晶セルの両側に配置される、それぞれ偏光板に位相差板及び粘着剤層がこの順に積層されたものであり;
それぞれの複合偏光板を構成する位相差板は、面内の遅相軸方向の屈折率をnx 、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとして、nx>ny>nz の関係を満たし、かつ面内位相差Ro が30nm以上100nm以下の範囲にあり;
それぞれの複合偏光板を構成する粘着剤層のうち少なくとも一方は色素を含有し;そして、
それぞれの複合偏光板を構成する位相差板が、30nm以上60nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は560〜630nmに極大吸収波長を示すものであり、
それぞれの複合偏光板を構成する位相差板が、60nmを超え100nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は430〜510nmに極大吸収波長を示すものである。
この複合偏光板のセットにおいても、それぞれの複合偏光板を構成する偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の片面に透明保護層が形成されたもので構成し、その透明保護層と反対側に前記位相差板が貼合された構造とするのが、全体の厚さを小さくする観点から有利である。
本発明の液晶表示装置は、新たな部材を増やすことなく、簡便な手段で黒表示状態における視野角に依存したカラーシフトが改善され、視野角特性の良好なものとなる。また、本発明の複合偏光板のセットは、この液晶表示装置に有利に用いられる。これらの液晶表示装置又は複合偏光板のセットにおいて、偏光板をポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の片面に透明保護層が形成されたもので構成し、その透明保護層と反対側に位相差板が貼合された構造とすれば、液晶表示装置の薄型化にも寄与するものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る液晶表示装置の基本的な層構成の例を、図1に断面模式図で示した。本発明の液晶表示装置は、液晶セル60の一方の側に、粘着剤層40を介して位相差板30及び偏光板20がこの順に積層され、液晶セル60の他方の側にも、粘着剤層45を介して位相差板35及び偏光板25がこの順に積層され、その片側にバックライト10が配置されたものである。このような層構成自体は、公知の液晶表示装置となんら変わるところがない。
また本明細書においては、偏光板に位相差板が積層されたもの、ないしはその位相差板側に液晶セルへの貼合のための粘着剤層が形成されたものを、「複合偏光板」と呼ぶこととする。そして、偏光板20に位相差板30及び粘着剤層40がこの順に積層された複合偏光板50、並びに、偏光板25に位相差板35及び粘着剤層45がこの順に積層された複合偏光板55で、液晶セル60の両側に配置される複合偏光板のセットが構成される。
かかる液晶表示装置ないし複合偏光板のセットにおいて、光入射側偏光板20と液晶セル60との間に配置する光入射側位相差板30、及び光出射側偏光板25と液晶セル60との間に配置する光出射側位相差板35として、三軸方向の屈折率nx、ny及びnz が、nx>ny>nz の関係を満たし、面内位相差Ro が30nm以上100nm以下の範囲にあるものを採用し、かつ、光入射側位相差板30と液晶セル60とを接合する光入射側粘着剤層40、及び光出射側位相差板35と液晶セル60とを接合する光出射側粘着剤層45のうち、少なくとも一方には、色素を含有させる。
偏光板は一般に、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の少なくとも片面に透明保護層が形成された形で用いられる。偏光子は、フィルム面に垂直に入射する光のうち、ある方向の振動ベクトルを持つ直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動ベクトルを持つ直線偏光を吸収する性質を有するものである。かかる偏光子は、公知の方法で作製することができ、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色及びホウ酸処理を施すことで得られる。偏光子の厚みは、5〜40μm 程度である。また透明保護層としては、透明な各種樹脂フィルムを用いることができ、その樹脂の例としては、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂に代表される環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。
本発明における偏光板20,25も、上記のようなポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の少なくとも片面に透明保護層が形成されたもので構成することができるが、特に、偏光子21,26のそれぞれ片面に透明保護層22,27が形成されたもので偏光板20,25を構成し、その透明保護層22,27と反対側に位相差板30,35を配置するのが有利である。このような構成を採用することによって、偏光板と位相差板との積層物である複合偏光板を薄型化・軽量化することができ、さらに液晶表示装置の構成部材が減ることで生産工程を簡便化し、歩留まりを向上させることが可能となる。
透明保護層22,27は、一般に面内位相差がほぼゼロの透明樹脂フィルムで構成するのが実用的である。とりわけ、酢酸セルロース系樹脂フィルム、中でもトリアセチルセルロースで構成するのが好ましい。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、例えば、富士フイルム(株)から販売されている“フジタックフィルム”(各種グレードがある)や、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UX2M”及び“KC8UY”など(いずれも商品名)がある。酢酸セルロース系樹脂からなる透明保護層は、偏光子との接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
光出射側偏光板25の視認側に位置する透明保護層27を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成する場合、その表面には、用途に応じて、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理などの表面処理が施されてもよい。
次に、位相差板30,35について説明する。光学異方性を示すフィルムの面内位相差Ro 及び厚み方向位相差Rthは、先に定義した三軸方向の屈折率をnx、ny及びnz 、厚みをdとしたときに、以下の式(1)及び(2)で定義される。
Ro =(nx−ny)×d (1)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (2)
本発明では、液晶セルの両側に配置される位相差板30,35として、nx>ny>nz の関係を満たし、上記式(1)で定義される面内位相差Ro が30nm以上100nm以下であるものを採用する。前者のnx>ny>nz という関係は、三軸方向の屈折率nx、ny及びnz のうち、面内遅相軸方向の屈折率nxが最も大きく、厚み方向の屈折率nzが最も小さいこと、すなわち二軸配向性であることを意味する。
光入射側位相差板30及び光出射側位相差板35の面内位相差Ro が30nm以下になると、偏光軸の視野角補償が不十分であり、黒表示での斜角からの光抜けが増大し、色変化も大きくなる。一方、Ro が100nmを超えると、逆に視野角が過補償される状態となって、光抜けや色変化に悪影響を及ぼす。また、それぞれの厚み方向位相差Rthは、比較的大きめ、特に面内位相差Ro よりは大きい値となるようにするのが好ましく、具体的には70〜300nm程度の範囲から、液晶セルの特性に合わせて選択するのが好ましい。Ro と同様、Rthが小さすぎると、液晶層の視野角補償が不十分となり、逆に大きくなりすぎると、過補償される状態となる。このように、光入射側位相差板30及び光出射側位相差板35として、二軸配向性でかつ面内位相差Ro が30nm以上100nm以下のフィルムを採用したことで、偏光子の視野角補償を行うことができ、黒表示状態を斜めから見たときの光抜けや色変化を抑えることができる。
また、光入射側位相差板30及び光出射側位相差板35は、前記条件を満たす、環状オレフィン系樹脂フィルム又は酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成することが好ましい。これらは、同種の樹脂フィルムで構成してもよいし、異種の樹脂フィルムで構成してもよい。
位相差板30,35に用いる環状オレフィン系樹脂は、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィンからなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、上記環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であることができるほか、環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。また、極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体とする場合、鎖状オレフィンの例としては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、50モル%以下、例えば、15〜50モル%程度であってもよい。特に、環状オレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体とする場合、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、このように比較的少ない量であることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度である。
市販の熱可塑性環状オレフィン系樹脂として、ドイツの Ticona 社から販売されている“Topas”、JSR(株)から販売されている“アートン(ARTON)”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)”及び“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”など(いずれも商品名)がある。このような環状オレフィン系樹脂を製膜してフィルムとすることになるが、製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。製膜された環状オレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40” 、JSR(株)から販売されている“アートンフィルム”、(株)オプテスから販売されている“ゼオノアフィルム”など(いずれも商品名)がある。
環状オレフィン系樹脂フィルムは、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。通常、延伸はフィルムをロールから巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールフィルムの進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へと延伸される。加熱炉の温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃の範囲が、通常採用される。延伸の倍率は、通常 1.1〜6倍程度、好ましくは1.1〜3.5倍である。本発明で規定する屈折率特性を満たすためには、二軸延伸が採用される。位相差板を環状オレフィン系樹脂フィルムで構成する場合は、偏光子との接着性を高めるため、偏光子との接着面にコロナ処理等の表面活性化処理を施しておくことが好ましい。
同様に、位相差板として用いられる酢酸セルロース系樹脂は、セルロースの少なくとも一部が酢酸エステル化されたものであって、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。酢酸セルロース系樹脂フィルムも、延伸することで、任意の位相差値を付与することができる。位相差が発現された酢酸セルロース系樹脂フィルムは、低複屈折であること、波長分散特性が、短波長になるにつれて位相差値が減少する「逆波長分散」であることなどの特徴を有する。酢酸セルロース系樹脂フィルムに、延伸により二軸配向性の位相差を発現させたものも市販されており、例えば、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC4FR-T” や“KC8UCR-5”など(いずれも商品名)がある。位相差板を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成する場合、偏光子との接着性を高めるため、通常は先の透明保護層について説明したのと同様のケン化処理が施される。
液晶セルの光入射側に配置される位相差板30及び光出射側に配置される位相差板35は、それぞれ同種の樹脂フィルムで構成することもできるが、両者を異なる樹脂フィルムで構成することもできる。例えば、二枚の位相差板30,35のうち、一方は酢酸セルロース系樹脂フィルムとし、他方は環状オレフィン系樹脂フィルムとする形態を挙げることができる。光入射側位相差板30を熱による寸法変化の少ない環状オレフィン系樹脂フィルムで構成し、光出射側位相差板35を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成すれば、バックライト10の熱による光入射側位相差板30の変形が抑えられ、かつパネルの湾曲方向を好ましい方向へ制御できるため、額縁ムラの抑制に有効であり、表示品位を高めることができる。また、光出射側位相差板35を吸湿性の低い環状オレフィン系樹脂フィルムで構成し、光入射側位相差板30を酢酸セルロース系樹脂で構成すれば、湿度の高い環境から湿度の低い環境へ移したときに、光出射側位相差板35の放湿による収縮が少なく、かつパネルの湾曲が抑制されるために光抜けが生じにくい。
位相差板30,35の厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると透明性が低下したり、偏光板との積層物である複合偏光板の重量が大きくなったりするなどの問題が生じる。そこで、位相差板30,35の適当な厚みは、例えば、5〜200μm 程度であり、好ましくは20〜100μm である。特に、酢酸セルロース系樹脂フィルムを採用する場合には、バックライトの熱により発生する応力に起因する位相差への影響を考慮して、20〜100μm 、とりわけ20〜60μm の厚みとするのがより好ましく、理想的には35〜45μm である。
光入射側複合偏光板50における偏光子21と透明保護層22及び位相差板30、また光出射側複合偏光板における偏光子26と透明保護層27及び位相差板35は、それぞれ接着剤を介して積層するのが好ましい。このために用いる接着剤は、それぞれの接着性を考慮して適宜のものを用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液は、好ましい接着剤の一つであり、この水溶液は、さらに水溶性エポキシ樹脂や多価アルデヒドなどの硬化剤を含有するのが好ましい。
偏光子に透明保護層及び位相差板を積層した後は、乾燥処理が施される。乾燥処理は、例えば、熱風を吹き付けることにより行われ、そのときの温度は、40〜100℃程度、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は、 20〜1,200秒程度である。位相差板として環状オレフィン系樹脂フィルムを採用した場合は、乾燥後さらに、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜50℃程度の温度で、12〜600時間程度養生してやるのが好ましい。養生のときの温度は、乾燥時に採用した温度よりも低く設定されるのが一般的である。
光入射側偏光板20及び光出射側偏光板25における偏光子21及び26は、それぞれ面内で吸収軸を持っている。それに積層される位相差板30及び35は、先の定義から明らかなように屈折率異方性を示すものであり、したがって面内に遅相軸及び進相軸が存在する。遅相軸と進相軸は、それぞれ面内で直交する方向となる。光入射側偏光板20を構成する偏光子21とその液晶セル側に配置される位相差板30、そして、光出射側偏光板25を構成する偏光子26とその液晶セル側に配置される位相差板35は、偏光子の吸収軸と位相差板の面内遅相軸とがほぼ平行関係又はほぼ直交関係となるように配置すればよい。特に、両者がほぼ直交関係となるように配置するのが、生産性の面で好ましい。すなわち、本発明において位相差板30,35として規定する程度の二軸配向性を示すフィルムは、横延伸を主体とする延伸操作で製造するのが好ましく、その場合の遅相軸はロールフィルム幅方向となることから、ロールフィルムの長手方向(流れ方向)が吸収軸である偏光子とロール・ツー・ロール貼合することで、偏光子の吸収軸と位相差板の遅相軸とが直交関係になる。また、光入射側偏光板20と光出射側偏光板30とは、通常、それぞれの吸収軸が直交するように配置され、ノーマリーブラックモードで使用される。
複合偏光板50,55は、その片面又は両面に粘着剤層が形成される。本発明においては、液晶セル60に貼合される側、すなわち、位相差板30,35のそれぞれ外側に粘着剤層40,45を形成する。粘着剤層40,45は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、さらに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を含み、必要に応じてシランカップリング剤などを含む粘着剤組成物から形成することができる。粘着剤層40,45の厚みは、通常5〜100μm 程度、好ましくは5〜40μm である。粘着剤層が薄すぎると粘着性が低下し、厚すぎると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じやすくなる。
本発明においては、粘着剤層40,45の少なくとも一方に、特定波長に極大吸収を示す色素を含有させる。
粘着剤層40,45の少なくとも一方に含有させる色素としては、液晶セル60の両側に配置される位相差板30,35がそれぞれ、30nm以上60nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、560〜630nmに極大吸収波長を示すものを採用し、そして位相差板30,35がそれぞれ、60nmを以上100nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、430〜510nmに極大吸収波長を示すものを採用する。このように位相差板30,35が示す面内位相差によって、極大吸収を示す波長が異なる色素を配合することで、それぞれ液晶表示装置を斜めから見た場合のカラーシフトを効果的に低減することができる。なお、位相差板30,35がそれぞれ、60nm近傍の面内位相差Ro を有する場合には、カラーシフトがあまり大きくならず、粘着剤に色素を配合しなくても表示を大きく損なうことはないが、この場合でも、その位相差値に応じて、上記いずれかの色素を配合することが、カラーシフトを一層低減させる観点から有効である。
ここで、位相差板30,35がそれぞれ、30nm以上60nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、液晶表示装置の黒表示を斜めから見たときに、青色光よりも赤色光が多く透過してくることから、赤色光を効果的に吸収するよう、560〜630nmに極大吸収波長を示す色素を粘着剤に含有させる。一方、位相差板30,35がそれぞれ、60nmを超え100nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、赤色光よりも青色光が多く透過してくることから、青色光を効果的に吸収するよう、430〜510nmに極大吸収波長を示す色素を粘着剤に含有させる。
ここで用いる色素は、上記のような特定の波長に極大吸収を示すものであれば、公知の色素が制限なく使用できる。具体的には、テトラアザポルフィリン系、ポルフィリン系、シアニン系、アゾ系、ピロメテン系、スクアリリウム系、キサンテン系、オキソノール系の化合物などが挙げられ、例えば560〜630nmに極大吸収波長を示す色素として、山田化学工業(株)から販売されているテトラアザポルフィリン系化合物である“TAP-18”(商品名)を、また430〜510nmに極大吸収波長を示す色素として、同じく山田化学工業(株)から販売されているシアニン系化合物である“YRC-18”(商品名)を、それぞれ挙げることができる。
上記色素を粘着剤層に含有させる方法としては、公知の適宜な方法を採用することができる。具体的には、上記したような粘着剤組成物に色素を添加して、色素入り粘着剤とする。色素の添加濃度は、色素の吸収波長域や吸光係数、粘着剤層の厚みや層数、粘着剤を構成するベース樹脂の種類などによって異なるが、通常、粘着剤組成物の固形分重量を基準に、1ppm〜10,000ppm 程度の範囲から、適宜選べばよい。このような色素入り粘着剤組成物を直接、位相差板上に塗布し、乾燥する方式や、色素入り粘着剤組成物を離型処理が施されたセパレートフィルム上に塗布し、乾燥させてシート状の粘着剤層とし、これを位相差板上に貼り付ける方式などにより、粘着剤層を形成することができる。
以上のように本発明では、光入射側位相差板30を液晶セル60に貼り付けるための粘着剤層40、及び光出射側位相差板35を液晶セル60に貼り付けるための粘着剤層45のうち、少なくとも一方に、カラーシフト補正のための、560〜630nm又は430〜510nmに極大吸収波長を示す色素を含有させる。この色素を以下、「カラーシフト補正用色素」と呼ぶことがある。また、このカラーシフト補正用色素とは別に、光入射側粘着剤層40及び光出射側粘着剤層45の少なくとも一方に、色調補正を行うための調色色素や近赤外線吸収色素をさらに含有してもよい。
調色色素は、前記したカラーシフト補正用色素によって表示色の色バランスが崩れることがあるため、それを補正し、ニュートラルグレー化することを目的に配合される。このような調色色素は、可視領域に吸収を持つ一般のものでよく、その種類や濃度は、組み合わせるカラーシフト補正用色素との相関、色素の吸収波長域や吸光係数、また粘着剤層の厚みなどによって適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。カラーシフト補正用色素として560〜630nmに極大吸収波長を示す色素を用いた場合には、調色色素は350〜550nmの波長範囲に吸収を示すものが好ましい。またカラーシフト補正用色素として430〜510nmに極大吸収波長を示す色素を用いた場合には、調色色素は550〜700nmの波長範囲に吸収を示すものが好ましい。調色色素を粘着剤に含有させる方法としては、上記カラーシフト補正用色素と同様、任意の方法を採用することができる。
近赤外線吸収色素は、液晶表示装置のバックライトから発せられる近赤外線を吸収し、それによる悪影響をなくすために配合される。近年、液晶表示装置の大型化に伴って、特にバックライトを構成する冷陰極蛍光ランプのオン−オフ時に発せられる近赤外線の量が多くなり、装置周辺にある近赤外線を利用したコードレスフォンやリモートコントローラ等の電子機器に作用し、誤動作を引き起こすことが指摘されている。かかる近赤外線による問題を解消するために、近赤外線吸収色素を粘着剤層に配合することが行われる。
近赤外線吸収色素は、800nm〜1,100nm の近赤外線領域に極大吸収波長を示す色素であればよく、例えば、ジインモニウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、ポリメチン系、アントラキノン系、ピリリウム系、スクアリリウム系、トリフェニルメタン系、シアニン系、アミニウム系などの化合物が挙げられ、これらの色素をそれぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。また、近赤外線吸収色素の種類や濃度は、色素の吸収波長域や吸光係数、粘着剤層の厚みなどによって異なるが、可視光領域の吸収が少なく、著しい可視光透過率の低下や、表示色の変化を起こさないようにすることが好ましい。近赤外線吸収色素を粘着剤層に含有させる方法としては、上記カラーシフト補正用色素と同様、公知の適宜な方法を採用することができる。
以上のような調色色素及び/又は近赤外線吸収色素を配合する場合は、先述のとおり、光入射側粘着剤層40及び光出射側粘着剤層45の少なくとも一方に含有させればよく、カラーシフト補正用色素を一方の粘着剤層に含有させた場合は、それと同じ粘着剤層に調色色素及び/又は近赤外線吸収色素を含有させてもよいし、カラーシフト補正用色素を含有させた粘着剤層とは別の粘着剤層に調色色素及び/又は近赤外線吸収色素を含有させてもよい。ただ、色素配合の手間を考慮すれば、カラーシフト補正用色素を含有させる粘着剤層に、調色色素及び/又は近赤外線吸収色素を同時に配合するのが好ましい。
また、これらの色素の光や熱に対する安定性を向上させることを目的として、各種安定化剤をさらに添加することもできる。
以上説明した如く、偏光板に位相差板と粘着剤層とをこの順に積層して、液晶セルの両側に配置されるそれぞれの複合偏光板を形成するとともに、液晶セルの上下に配置される2枚の複合偏光板のうち、少なくとも一方の粘着剤層には、特定波長に極大吸収を示すカラーシフト補正用色素を含有させることで、本発明に係る複合偏光板のセットが構成される。具体的には、図1に示した光入射側複合偏光板50及び光出射側複合偏光板55で構成される複合偏光板のセットにおいて、一方の複合偏光板50を構成する粘着剤層40及び他方の複合偏光板55を構成する粘着剤層45のうち少なくとも一方に、特定波長に極大吸収を示すカラーシフト補正用色素を含有させて、複合偏光板のセットとする。
本発明の液晶表示装置又は複合偏光板のセットを構成する偏光板において、透明保護層の表面には、他の光学機能性フィルムが貼着されていてもよい。光学機能性フィルムとしては、例えば、先述したようなハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層などの機能層からなるフィルムや、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能を併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルムに相当する市販品としては、米国の 3M Company 〔日本では、住友スリーエム(株)〕から販売されている“DBEF”(商品名)などがある。
バックライト10は、一般の液晶表示装置に広く使用されているものでよい。例えば、拡散板とその背後に配置された光源で構成され、光源からの光を拡散板で均一に拡散させたうえで前面側に出射するようになっている直下型のバックライトや、導光板とその側方に配置された光源で構成され、光源からの光を一旦導光板の中に取り込んだうえで、その光を前面側に均一に出射するようになっているサイドライト型のバックライトなどを挙げることができる。バックライトにおける光源としては、蛍光管を使って白色光を発光する冷陰極蛍光ランプや、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などを採用することができるが、本発明の構成は、冷陰極蛍光ランプを採用したときに特に有効である。
液晶セル40は、透過光量をスイッチングするために、液晶が2枚の透明基板の間に封入され、電圧印加により液晶の配向状態を変化させる機能を有する装置であって、やはり一般の液晶表示装置に広く使用されているものでよい。液晶セル40は、典型的には、対向して配置される1対の透明基板と、それら基板のそれぞれ向かい合う面に設けられた透明電極と、電極間に封入された液晶層とを少なくとも含む構造を有する。液晶セルには、その中に封入された液晶層の配向状態と、電極間に電圧を印加したときの液晶層の配向状態によって、例えば、ツイステッドネマティック(TN)モードや、垂直配向(VA)モードなど、各種方式のものがある。
本発明の構成は、垂直配向(VA)モードの液晶セルに対して特に有効である。垂直配向モードとは、正又は負の誘電率異方性を有する棒状の液晶分子がセル内に封入され、電圧無印加状態においては液晶分子の長軸がセル基板に対して垂直に配向しており、電圧印加によって液晶分子の長軸がセル基板に平行な方向へと回転することで、透過光量をスイッチングするものである。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下の例で用いた偏光子の保護フィルム及び位相差板は次のとおりであり、以下、それぞれの記号で表示する。厚み、面内位相差Ro 及び厚み方向位相差Rthは、メーカー呼称値であり、面内の遅相軸方向屈折率nx、面内の進相軸方向屈折率ny及び厚み方向屈折率nz は、王子計測機器(株)製の位相差測定装置“KOBRA-21ADH” で求めた値である。なお、Ro 及びRthについては、“KOBRA-21ADH” を用いて実測もしているが、以下に示す値とほぼ同様の結果が得られている。また、nx、ny、nz 及び厚みdから前記式(1)及び(2)により求められる値が、以下のRo 及びRthと必ずしも一致しないことがあるが、これは、三軸方向の屈折率nx、ny及びnz を小数点以下第4位までに留めていることと、測定精度が主な要因である。
(A)面内位相差がほぼゼロのトリアセチルセルロースフィルム(透明保護層)
TAC :商品名“KC8UX2M”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
厚み80μm 。
(B)酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板
RAC1:商品名“KC4FR-T”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
厚み41μm 、Ro=42nm、Rth=107nm、
x=1.4844、ny=1.4834、nz=1.4813。
RAC2:商品名“KC4FR-T”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
厚み42μm 、Ro=61nm、Rth=130nm、
x=1.4848、ny=1.4833、nz=1.4809。
なお、RAC1とRAC2は、それぞれ面内位相差値を指定して入手した。
(C)ノルボルネン系樹脂フィルムからなる位相差板
COP1:商品名“ゼオノアフィルム”、(株)オプテスから入手、
厚み72μm 、Ro=46nm、Rth=121nm、
x=1.5309、ny=1.5302、nz=1.5289。
COP2:商品名“ゼオノアフィルム”、(株)オプテスから入手、
厚み73μm 、Ro=70nm、Rth=123nm、
x=1.5310、ny=1.5301、nz=1.5289。
なお、COP1とCOP2は、それぞれ面内位相差値を指定して入手した。
[参考例1]赤色光吸収色素含有粘着剤シートの作製
アクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物に、593nmに極大吸収波長を示すテトラアザポルフィリン系化合物〔山田化学工業(株)製、商品名“TAP-18”〕を400ppm(粘着剤組成物の固形分重量基準)添加して、色素含有粘着剤組成物を調製した。この色素含有粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレートフィルムとする)の離型処理面に、乾燥後の厚さが25μm となるように塗布し、100℃で1分間乾燥処理を施して、粘着剤層を形成した。その後、上と同じセパレートフィルムを粘着剤の露出面に貼り合わせることで、色素含有粘着剤シートを作製した。
[参考例2]青色光吸収色素含有粘着剤シートの作製
色素を、494nmに極大吸収波長を示すシアニン系化合物〔山田化学工業(株)製、商品名“YRC-18”〕に変えた以外は、参考例1と同様にして、色素含有粘着剤シートを作製した。
[実施例1]
(a)粘着剤層付き複合偏光板の作製
(a1)色素含有粘着剤層付き複合偏光板
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTACを、もう一方の面には、同じく表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板RAC1を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液からなる接着剤を介して貼合して、複合偏光板を作製した。その位相差板RAC1側に、参考例1で作製した593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a2)色素不含粘着剤層付き複合偏光板
一方、上と同じTAC/偏光子/RAC1の3層からなる複合偏光板の位相差板RAC1側に、色素を含有しないアクリル系粘着剤層がセパレートフィルム上に形成されている粘着剤シートを貼り合わせ、色素不含粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
ソニー(株)製の垂直配向モードの液晶表示装置“BRAVIA”(対角寸法40インチ=約102cm)から光出射側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a1)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。また、光入射側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。こうして、液晶セルの光出射側粘着剤層が593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する液晶表示装置を作製した。
[比較例1]
光出射側偏光板及び光入射側偏光板の両方を、実施例1の(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板とした以外は、実施例1の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例2]
(a)色素含有粘着剤層付き複合偏光板の作製
実施例1の(a1)で作製したのと同じ複合偏光板の位相差板RAC1側に、参考例2で作製した494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
光出射側偏光板を上記(a)で作製した色素含有粘着剤付き複合偏光板に変更し、光入射側偏光板は実施例1と同様、色素不含粘着剤層付き複合偏光板とし、その他は実施例1の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、液晶セルの光出射側粘着剤層が494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する。
[実施例2]
(a)粘着剤層付き複合偏光板の作製
(a1)色素含有粘着剤層付き複合偏光板
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTACを、もう一方の面には、表面にコロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂フィルムからなる位相差板COP1を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液からなる接着剤を介して貼合して、複合偏光板を作製した。その位相差板COP1側に、参考例1で作製した593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものを、その粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a2)色素不含粘着剤層付き複合偏光板
一方、上と同じTAC/偏光子/COP1の3層からなる複合偏光板の位相差板COP1側に、色素を含有しないアクリル系粘着剤層がセパレートフィルム上に形成されている粘着剤シートを貼り合わせ、色素不含粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
実施例1の(b)で用いたのと同じ液晶表示装置“BRAVIA”から光出射側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a1)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。また光入射側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。こうして、液晶セルの光出射側粘着剤層が593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する液晶表示装置を作製した。
[比較例3]
光出射側偏光板及び光入射側偏光板の両方を、実施例2の(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板とした以外は、実施例2の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例4]
(a)色素含有粘着剤層付き複合偏光板の作製
実施例2の(a1)で作製したのと同じ複合偏光板の位相差板COP1側に、参考例2で作製した494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
光出射側偏光板を上記(a)で作製した色素含有粘着剤付き複合偏光板に変更し、光入射側偏光板は実施例2と同様、色素不含粘着剤層付き複合偏光板とし、その他は実施例2の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、液晶セルの光出射側粘着剤層が494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する。
[液晶表示装置の評価]
以上の実施例1及び2並びに比較例1〜4で作製したそれぞれの液晶表示装置につき、トプコンテクノハウス(株)製の色彩輝度計“SR-3A” を用いて、黒表示状態における方位角(画面右方向を0°とし、反時計回りに回転される画面上の角度)φ=45°、極角θ=60°の視野角からの色度と輝度を測定し、 CIE 1976 UCS 色度座標u′,v′からΔu′v′を算出した。ここで CIE 1976 UCS 色度座標は、国際照明委員会(Commission Internationale de l'Eclairage)が 1976年に提案したUCS(uniform-chlomaticity-scale) 色度図に現れるu′座標及びv′座標である。そして、Δu′v′は次式(3)で表され、色度の白色点からのズレを表す指標であって、U及びVはそれぞれ、白色点におけるu′座標及びv′座標を表す。この値が小さくなるほど白色点に近くなり、白色点ではΔu′v′がゼロになる。
Figure 2009031474
以上の実施例1及び2並びに比較例1〜4における層構成の概略及び試験結果を表1にまとめた。表中、λmax は極大吸収波長を意味する。
Figure 2009031474
以上の結果から、液晶セルの両側にそれぞれ、nx>ny>nz の関係を満たし、面内位相差Ro が42nmと比較的小さい位相差板を配置した場合、位相差板を液晶セルに貼り付けるための粘着剤層に590nm前後の比較的長波長域に極大吸収を示す色素を含有させた実施例1は、色素を含有しない比較例1に比べ、黒表示状態において斜めから見た場合の色度が白色点に近づいており、カラーシフトを低減させる効果が認められた。一方、この構成において、上記と同じ粘着剤層に490nm前後の比較的短波長域に極大吸収を示す色素を含有させた比較例2では、カラーシフト低減効果が認められず、むしろ、色素を含有しない比較例1に比べても、カラーシフトを増加させた。また、面内位相差Ro が46nmの位相差板を配置した実施例2と比較例3及び4の間にも、同様の傾向が認められた。
[実施例3]
(a)粘着剤層付き複合偏光板の作製
(a1)色素含有粘着剤層付き複合偏光板
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTACを、もう一方の面には、同じく表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板RAC2を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液からなる接着剤を介して貼合して、複合偏光板を作製した。その位相差板RAC2側に、参考例2で作製した494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a2)色素不含粘着剤層付き複合偏光板
一方、上と同じTAC/偏光子/RAC2の3層からなる複合偏光板の位相差板RAC2側に、色素を含有しないアクリル系粘着剤層がセパレートフィルム上に形成されている粘着剤シートを貼り合わせ、色素不含粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
実施例1の(b)で用いたのと同じ液晶表示装置“BRAVIA”から光出射側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a1)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。また、光入射側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。こうして、液晶セルの光出射側粘着剤層が494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する液晶表示装置を作製した。
[比較例5]
光出射側偏光板及び光入射側偏光板の両方を、実施例3の(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板とした以外は、実施例3の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例6]
(a)色素含有粘着剤層付き複合偏光板の作製
実施例3の(a1)で作製したのと同じ複合偏光板の位相差板RAC2側に、参考例1で作製した593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
光出射側偏光板を上記(a)で作製した色素含有粘着剤付き複合偏光板に変更し、光入射側偏光板は実施例3と同様、色素不含粘着剤層付き複合偏光板とし、その他は実施例3の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、液晶セルの光出射側粘着剤層が593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する。
[実施例4]
(a)粘着剤層付き複合偏光板の作製
(a1)色素含有粘着剤層付き複合偏光板
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTACを、もう一方の面には、表面にコロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂フィルムからなる位相差板COP2を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液からなる接着剤を介して貼合して、複合偏光板を作製した。その位相差板COP2側に、参考例2で作製した494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものを、その粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a2)色素不含粘着剤層付き複合偏光板
一方、上と同じTAC/偏光子/COP2の3層からなる複合偏光板の位相差板COP2側に、色素を含有しないアクリル系粘着剤層がセパレートフィルム上に形成されている粘着剤シートを貼り合わせ、色素不含粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
実施例1の(b)で用いたのと同じ液晶表示装置“BRAVIA”から光出射側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a1)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。また光入射側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。こうして、液晶セルの光出射側粘着剤層が494nmに極大吸収波長を示す色素を含有する液晶表示装置を作製した。
[比較例7]
光出射側偏光板及び光入射側偏光板の両方を、実施例4の(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板とした以外は、実施例4の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。
[比較例8]
(a)色素含有粘着剤層付き複合偏光板の作製
実施例4の(a1)で作製したのと同じ複合偏光板の位相差板COP2側に、参考例1で作製した593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
光出射側偏光板を上記(a)で作製した色素含有粘着剤付き複合偏光板に変更し、光入射側偏光板は実施例4と同様、色素不含粘着剤層付き複合偏光板とし、その他は実施例4の(b)と同様にして液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、液晶セルの光出射側粘着剤層が593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する。
[液晶表示装置の評価]
上記の実施例3及び4並びに比較例5〜8で作製したそれぞれの液晶表示装置につき、前記した実施例1及び2並びに比較例1〜4と同様の方法で評価した。これらの実施例及び比較例における層構成の概略及び試験結果を表2にまとめた。
Figure 2009031474
以上の結果から、液晶セルの両側にそれぞれ、nx>ny>nz の関係を満たし、面内位相差Ro が61nmと比較的大きい位相差板を配置した場合、位相差板を液晶セルに貼り付けるための粘着剤層に490nm前後の比較的短波長域に極大吸収を示す色素を含有させた実施例3は、色素を含有しない比較例5に比べ、黒表示状態において斜めから見た場合の色度が白色点に近づいており、カラーシフトを低減させる効果が認められた。一方、この構成において、上記と同じ粘着剤層に590nm前後の比較的長波長域に極大吸収を示す色素を含有させた比較例6では、カラーシフト低減効果が認められず、むしろ、色素を含有しない比較例5に比べても、カラーシフトを増加させた。また、面内位相差Ro が70nmの位相差板を配置した実施例4と比較例7及び8の間にも、同様の傾向が認められた。
本発明に係る液晶表示装置の基本的な層構成の例を示す断面模式図である。
符号の説明
10……バックライト、
20……光入射側偏光板、
21……偏光子、
22……透明保護層、
25……光出射側偏光板、
26……偏光子、
27……透明保護層、
30……光入射側位相差板、
35……光出射側位相差板、
40……光入射側粘着剤層、
45……光出射側粘着剤層、
50……光入射側複合偏光板、
55……光出射側複合偏光板、
60……液晶セル。

Claims (16)

  1. 液晶セルの両側にそれぞれ粘着剤層を介して位相差板及び偏光板がこの順に積層され、その片側にバックライトが配置されてなる液晶表示装置であって、
    液晶セルの両側に配置される二枚の位相差板はそれぞれ、面内の遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとして、nx>ny>nzの関係を満たし、かつ面内位相差Ro が30nm以上100nm以下の範囲にあり、
    液晶セルの両側に配置される粘着剤層の少なくとも一方は色素を含有し、そして、
    前記二枚の位相差板がそれぞれ、30nm以上60nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は560〜630nmに極大吸収波長を示すものであり、
    前記二枚の位相差板がそれぞれ、60nmを超え100nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は430〜510nmに極大吸収波長を示すものであることを特徴とする、液晶表示装置。
  2. 液晶セルの両側に配置される二枚の偏光板はそれぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の片面に透明保護層が形成された構造を有し、その透明保護層と反対側に前記位相差板が貼合されている請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 液晶セルの両側に配置される二枚の位相差板のうち少なくとも一方は、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 液晶セルの両側に配置される二枚の位相差板のうち少なくとも一方は、酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  5. 液晶セルの両側に配置される二枚の位相差板のうち、一方は酢酸セルロース系樹脂フィルムからなり、他方は環状オレフィン系樹脂フィルムからなる請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  6. 位相差板を構成する酢酸セルロース系樹脂フィルムは、20〜100μm の厚みを有する請求項4又は5に記載の液晶表示装置。
  7. 色素を含有する粘着剤層は、色調補正のための色素をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 色素を含有する粘着剤層は、近赤外線吸収色素をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 液晶セルが垂直配向モードである請求項1〜8のいずれかに記載の液晶表示装置。
  10. 液晶セルの両側に配置される、それぞれ偏光板に位相差板及び粘着剤層がこの順に積層された複合偏光板のセットであって、
    それぞれの複合偏光板を構成する位相差板は、面内の遅相軸方向の屈折率をnx 、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとして、nx>ny>nz の関係を満たし、かつ面内位相差Ro が30nm以上100nm以下の範囲にあり、
    それぞれの複合偏光板を構成する粘着剤層のうち少なくとも一方は色素を含有し、そして、
    それぞれの複合偏光板を構成する位相差板が、30nm以上60nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は560〜630nmに極大吸収波長を示すものであり、
    それぞれの複合偏光板を構成する位相差板が、60nmを超え100nm以下の面内位相差Ro を有する場合には、前記色素は430〜510nmに極大吸収波長を示すものであることを特徴とする、複合偏光板のセット。
  11. それぞれの複合偏光板を構成する偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の片面に透明保護層が形成された構造を有し、その透明保護層と反対側に前記位相差板が貼合されている請求項10に記載の複合偏光板のセット。
  12. それぞれの複合偏光板を構成する位相差板のうち少なくとも一方は、環状オレフィン系樹脂フィルムからなる請求項10又は11に記載の複合偏光板のセット。
  13. それぞれの複合偏光板を構成する位相差板のうち少なくとも一方は、酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる請求項10又は11に記載の複合偏光板のセット。
  14. それぞれの複合偏光板を構成する位相差板のうち、一方は環状オレフィン系樹脂フィルムからなり、他方は酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる請求項10又は11に記載の複合偏光板のセット。
  15. 色素を含有する粘着剤層は、色調補正のための色素をさらに含む請求項10〜14のいずれかに記載の複合偏光板のセット。
  16. 色素を含有する粘着剤層は、近赤外線吸収色素をさらに含む請求項10〜14のいずれかに記載の複合偏光板のセット。
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